JP2007132777A - インピーダンス測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを正確に測定する。
【解決手段】試験電圧V1を測定対象体8の一端側に印加する信号源2と、測定対象体8の他端側に接続されて試験電圧V1を印加しているときに測定対象体8に流れる電流Iを電圧V2に変換すると共にこの電圧V2に基づいて測定対象体8に流れる交流電流成分Iacを検出する交流電流検出部4と、測定対象体8の一端側と他端側との間に発生する交流電圧成分V4を検出する電圧検出部3と、交流電流成分Iacおよび交流電圧成分V4に基づいて測定対象体8のインピーダンスZを演算する演算制御部6と、測定対象体8の他端側に接続されて試験電圧V1を印加しているときに測定対象体8に流れる電流Iに含まれている直流電流成分Iacの少なくとも一部を相殺可能に直流電流I1を引き込みまたは吐き出す電流源5とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
測定対象体に交流電圧を印加してそのインピーダンスを測定するこの種のインピーダンス測定装置は、一般的に、例えば、実開平5−40888号公報に開示された電流−電圧変換回路と、測定対象体の両端間に発生する交流電圧を検出する電圧検出部と、電流−電圧変換回路から出力される電圧に基づいて測定対象体に流れている交流電流を検出すると共にこの交流電流と電圧検出部で検出された交流電圧とに基づいて測定対象体のインピーダンスを算出する演算制御部とを備えて構成されている。この場合、上述した電流−電圧変換回路は、切換可能な複数の電流検出抵抗をフィードバックループ内に有する演算増幅器を備え、複数の測定レンジのうちの1つの測定レンジが選択されて電流を電圧に変換可能に構成されている。したがって、このインピーダンス測定装置では、電流−電圧変換回路の電流検出抵抗を切り換えて適切な測定レンジとすることにより、各測定レンジのフルスケール時における演算増幅器の出力電圧がほぼ一定になるようにして、測定精度を確保している。
ところで、例えば有極性のコンデンサなどの測定対象体では、直流電圧を印加した状態でインピーダンスを測定したいことがある。このため、発明者等は、上記したインピーダンス測定装置における電流−電圧変換回路に直流電源を追加することにより、交流電源から出力される交流電圧に直流電源からの直流電圧を重畳させて測定対象体に印加可能に構成したインピーダンス測定装置を開発している。以下において、このインピーダンス測定装置について、図2を参照して説明する。同図に示すインピーダンス測定装置51は、信号源52、電圧検出部3、交流電流検出部4、演算制御部56および表示部7を備え、直流電圧印加時における測定対象体8のインピーダンスZを測定可能に構成されている。
このインピーダンス測定装置51では、信号源52に含まれている交流電圧源11が交流電圧Vacを生成して測定対象体8の一端側にコンデンサ12を介して印加すると共に、直流電圧源13が直流電圧Vdcを生成して測定対象体8の一端側に抵抗14を介して印加する。これにより、交流電圧Vacに直流電圧Vdcが重畳されてなる試験電圧V1が測定対象体8に印加されるため、測定対象体8には、交流電圧Vacに起因して発生する交流電流成分Iacに、直流電圧Vdcに起因して発生する直流電流成分Idcが重畳されてなる電流Iが流れる。交流電流検出部4では、まず、演算増幅回路21が、測定対象体8の他端側から入力した電流Iを、複数の電流検出抵抗(同図では3つの電流検出抵抗R1〜R3)のうちの切換スイッチ(同図では3つの切換スイッチSW1〜SW3)の切り換えによって選択されている1つの電流検出抵抗R3で決定される変換利得で電流−電圧変換して電圧V2を生成する。この場合、演算増幅回路21の各切換スイッチSW1〜SW3は、演算制御部56から出力される制御信号Scに従って切り換え制御される。次いで、電圧V2はコンデンサ22によって直流電圧成分が除去されて、その交流電圧成分のみが抵抗23に電圧V3として発生し、この電圧V3がバッファアンプ24からA/D変換回路25に出力される。A/D変換回路25は、電圧V3の電圧値を所定のサンプリング周期でデータD3に変換して演算制御部56に出力する。また、演算制御部56は、データD3によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定する。
他方、電圧検出部3は、測定対象体8の両端間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4、すなわち交流電流成分Iacが測定対象体8を流れることによって測定対象体8に発生する電圧成分を所定のサンプリング周期(一例としてA/D変換回路25と同一のサンプリング周期)で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD2を演算制御部56に出力する。演算制御部56は、このデータD2に基づいて測定対象体8に発生している交流電圧成分V4の電圧値を算出すると共に、演算増幅回路21の測定レンジおよびデータD3に基づいて測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を算出し、さらに、算出した電圧値および電流値に基づいて、直流電圧が印加されているときの測定対象体8のインピーダンスZを算出して、表示部7に表示させる。
実開平5−40888号公報(第5−6頁、第1図)
ところが、上記のインピーダンス測定装置51には、以下の課題が存在している。すなわち、このインピーダンス測定装置51では、交流電流検出部4の演算増幅回路21が、交流電圧Vacに起因する交流電流成分Iacと共に直流電圧Vdcに起因する直流電流成分Idcも併せて電流−電圧変換している。このため、測定対象体8の直流抵抗が低いために直流電流成分Idcが大きいときには、測定レンジによっては演算増幅回路21から出力される電圧V2がクリップされる(つまり、演算増幅回路21の出力が飽和する)現象が発生する可能性が高まり、このクリップ現象の発生時には、交流電流成分Iacを正確に電流−電圧変換できない結果、測定対象体8のインピーダンスZを正確に測定できない事態が発生するという課題が存在している。この場合、このインピーダンス測定装置51では、演算制御部56が、データD3によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定している。ところが、演算増幅回路21は、交流電流成分Iacと共に直流電圧Vdcに起因する直流電流成分Idcも併せて電流−電圧変換している。このため、直流電流成分Idcが大きいときには、たとえ交流電圧成分の大きさに応じて適切な測定レンジに設定したとしても、直流電流成分Idcによって演算増幅回路21の出力が飽和することもあり、このようなときには、依然として、測定対象体8のインピーダンスZを測定するための基本信号である交流電圧Vac(または交流電流成分Iac)を、A/D変換回路25のダイナミックレンジを有効に活用し得るレベルまで増幅できないことも生じる。このため、インピーダンスZについての測定誤差が大きくなる結果、これを改善するのが好ましい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを正確に測定し得るインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体の一端側に印加する信号源と、前記測定対象体の他端側に接続されて前記試験電圧を印加しているときに当該測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、前記測定対象体の前記一端側と前記他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、前記測定対象体の前記他端側に接続されて前記試験電圧を印加しているときに当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている直流電流成分の少なくとも一部を相殺可能に直流電流を引き込みまたは吐き出す電流源とを備えている。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置は、請求項1記載のインピーダンス測定装置において、前記直流電流成分の電流値を検出する直流電流検出部と、前記直流電流検出部によって検出された前記電流値に基づいて前記電流源に対して前記引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御する制御部とを備えている。
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置は、請求項2記載のインピーダンス測定装置において、前記制御部は、前記直流電流検出部によって検出された前記電流値と同一またはほぼ同一となるように前記電流源に対して前記引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御する。
また、請求項4記載のインピーダンス測定装置は、請求項2または3記載のインピーダンス測定装置において、前記信号源は、抵抗を介して前記測定対象体の一端側に前記直流電圧を印加可能に構成され、前記制御部は、前記直流電流検出部によって検出された前記電流値と前記抵抗の抵抗値とに基づいて当該抵抗の両端電圧を算出すると共に、当該算出した両端電圧に基づいて前記測定対象体の一端側に印加される直流電圧が指定された電圧値となるように前記直流電圧源を制御する。
請求項1記載のインピーダンス測定装置によれば、測定対象体の他端側に電流源を接続すると共に、この電流源において測定対象体に流れる直流電流成分の少なくとも一部を相殺可能に直流電流を引き込みまたは吐き出させることにより、交流電流検出部に流れる直流成分を減少させることができる。このため、その減少分だけ、交流電流検出部での出力の飽和の可能性を低下させることができる。また、その減少分だけ、交流電流検出部において測定対象体に流れる交流成分をより高い利得で電圧に変換することができるため、この電圧に基づいて直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを精度よく測定することができる。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置によれば、信号源から測定対象体に供給されている直流電流成分、つまり測定対象体に流れる直流電流成分の電流値を検出する直流電流検出部を設け、制御部が、直流電流検出部で検出された直流電流成分に基づいて電流源に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御することにより、測定対象体に流れる直流電流成分の電流値の大小に応じて電流源に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を増減させることができる結果、測定対象体に流れる直流電流成分の電流値が変わったとしても、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを精度よく測定することができる。
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置によれば、制御部が、直流電流検出部によって検出された直流電流成分の電流値と同一またはほぼ同一となるように電流源に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御することにより、測定対象体に流れる交流電流成分のみを交流電流検出部に流入させることができる。このため、交流電流検出部における出力のクリップ現象の発生を一層軽減させることができる。また、交流電流検出部が、交流電流成分の大きさに適した最大の利得で交流電流成分を電圧に変換できるため、測定対象体に流れる交流電流成分を一層精度よく検出することができる結果、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを一層精度よく測定することができる。
また、請求項4記載のインピーダンス測定装置によれば、制御部が、信号源に直列に接続された抵抗における電圧降下に基づいて信号源で生成する直流電圧の電圧値を制御することにより、信号源から測定対象体に供給される直流電流成分の電流値に左右されることなく、指定された電圧値の直流電圧を測定対象体に印加した状態で測定対象体のインピーダンを測定することができる。
以下、本発明に係るインピーダンス測定装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、インピーダンス測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。図1に示すインピーダンス測定装置1は、信号源2、電圧検出部3、交流電流検出部4、電流源5、演算制御部6および表示部7を備えて構成されて、例えばプローブなどを介して接続された測定対象体8のインピーダンスZを測定レンジを切り換えて測定可能に構成されている。
信号源2は、図1に示すように、交流電圧源11、コンデンサ12、直流電圧源13、抵抗14および直流電流検出部15を備えて構成されて、例えばプローブを介して測定対象体8の一端側(同図中の左端側)に接続される。この場合、交流電圧源11は、交流電圧Vacを生成すると共に、生成している交流電圧Vacを測定対象体8の一端側にコンデンサ12を介して印加する。直流電圧源13は、直流電圧Vdcを生成すると共に、生成している直流電圧Vdcを測定対象体8の一端側に抵抗14を介して印加する。また、直流電圧源13は、出力可変型電圧源を使用することにより、演算制御部6の制御下で直流電圧Vdcの電圧値を変更可能に構成されている。この構成により、信号源2は、交流電圧Vacに直流電圧Vdcを重畳させた試験電圧V1を測定対象体8の一端側に印加可能に構成されている。直流電流検出部15は、直流電圧源13と測定対象体8の一端側との間に、抵抗14と直列に配設されている。また、直流電流検出部15は、直流電圧源13から測定対象体8に供給されている直流電流成分Idcを検出すると共に、この直流電流成分Idcの電流値を示すデータD1を演算制御部6に出力する。なお、コンデンサ12は交流電圧源11に直流電圧Vdcが印加される事態を回避するために、また抵抗14は交流電圧源11から測定対象体8に印加された交流電圧Vacが短絡する(ゼロボルトになる)事態を回避するためにそれぞれ配設されている。また、抵抗14の抵抗値は既知であるとする。電圧検出部3は、測定対象体8に接続されて、測定対象体8の両端間(一端と他端との間)に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4を所定のサンプリング周期で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD2を演算制御部6に出力する。
交流電流検出部4は、図1に示すように、演算増幅回路21、コンデンサ22、抵抗23、バッファアンプ24およびA/D変換回路25を備え、例えばプローブを介して測定対象体8の他端側(同図中の右端側)に接続される。この場合、演算増幅回路21は、反転型演算増幅器21aおよび抵抗群21bを備えて、本発明における電流−電圧変換回路として構成されている。抵抗群21bは、対応する測定レンジ設定用の切換スイッチ(本例では切換スイッチSW1〜SW3)と直列に接続されて反転型演算増幅器21aのフィードバックループを構成可能な複数(本例では一例として3本)の電流検出抵抗R1〜R3を含んで構成されている。この抵抗群21bでは、演算制御部6から出力される制御信号Scに従ってオン・オフ制御される各切換スイッチSW1〜SW3によって電流検出抵抗R1〜R3の接続が切り換えられて、抵抗群21b(つまりフィードバックループ)全体としての抵抗値が設定される。この構成により、演算増幅回路21は、その利得(増幅率)が測定レンジに対応して設定されて、測定対象体8から入力した電流I2をこの設定された利得で電圧V2に変換して出力する。コンデンサ22は電圧V2の直流成分を除去する。抵抗23の両端には、電圧V2の交流成分が電圧V3として発生し、バッファアンプ24は、この電圧V3をA/D変換回路25に出力する。A/D変換回路25は、所定のサンプリング周期(電圧検出部3と同じサンプリング周期)で電圧V3の電圧値をデータD3に変換して演算制御部6に出力する。以上の構成により、交流電流検出部4は、測定対象体8に流れる電流I2に含まれている交流電流成分を検出すると共に、この交流電流成分の電流値を示すデータD3を出力する。
電流源5は、交流電流検出部4の入力端子(反転型増幅器21aの反転入力端子)とグランドとの間に接続されている。したがって、交流電流検出部4がプローブを介して測定対象体8の他端側に接続されたときには、電流源5は、測定対象体8の他端側(同図中の右端側)とグランドとの間に接続されて、測定対象体8を流れる電流Iに含まれている直流電流成分(直流電流I1)の引き込みまたは吐き出しを行う。本例では、一例として、電流源5は、電流値可変型の定電流源で構成されて、直流電流I1の向き(引き込みまたは吐き出し)とその電流値が演算制御部6によって設定可能に構成されている。演算制御部6は、本発明における演算部として機能してインピーダンス算出処理を実行すると共に、本発明における制御部として機能して直流電圧源13に対する電圧制御処理および電流源5に対する電流制御処理を実行する。また、演算制御部56は、データD3によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定する。表示部7は、例えばLCDで構成されて、演算制御部6によって算出された測定対象体8のインピーダンスZを表示する。
次に、インピーダンス測定装置1による測定対象体8のインピーダンス測定動作について、図面を参照して説明する。
まず、図1に示すように、測定対象体8をインピーダンス測定装置1に接続する。次いで、インピーダンス測定装置1を作動させる。これにより、信号源2が測定対象体8に対して試験電圧V1の印加を開始するため、測定対象体8には電流Iが流れ始める。この場合、電流Iは、交流電圧Vacに起因して発生する交流電流成分Iacに、直流電圧Vdcに起因して発生する直流電流成分Idcが重畳された電流となる。また、信号源2では、直流電流検出部15が、直流電流成分Idcの電流値を示すデータD1の演算制御部6への出力を開始する。また、演算制御部6は、A/D変換回路25から出力されるデータD3によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに自動設定する。この場合、一例として、切換スイッチSW3のみがオン状態となる測定レンジに設定されているものとする。
続いて、演算制御部6は、最初に、入力したデータD1に基づいて直流電圧源13に対する電圧制御処理を実行する。この電圧制御処理では、演算制御部6は、まず、データD1に基づいて直流電流成分Idcの電流値を算出する。次いで、演算制御部6は、算出した直流電流成分Idcと抵抗14の抵抗値(既知)とを乗算することにより、抵抗14で電圧降下した電圧値およびその向き(正負)を算出する。次いで、演算制御部6は、算出した電圧降下の向きおよび電圧値に基づいて、測定対象体8の一端側に例えば図外の操作部を用いて測定者によって指定された直流電圧(測定者にとって所望の極性の直流電圧)が印加されるように直流電圧源13の直流電圧Vdcの極性(正負)およびその電圧値を決定する。続いて、演算制御部6は、直流電圧源13を制御してその直流電圧Vdcを決定した極性および電圧値に変更する。これにより、直流電圧源13に対する演算制御部6による電圧制御処理が完了して、測定対象体8の一端側に所望の極性で所望の電圧値の直流電圧が印加される。
この電圧制御処理が完了した後に、演算制御部6は、電流源5に対する電流制御処理を実行する。この電流制御処理では、演算制御部6は、電流源5を制御して、引き込む直流電流I1の電流値または吐き出す直流電流I1の電流値を、前述した電圧制御処理によって算出した直流電流成分Idcの極性および電流値と同一に設定する。つまり、演算制御部6は、直流電流成分Idcの極性が正(信号源2から交流電流検出部4への向き)のときには、同じ電流値の直流電流I1を引き込み、直流電流成分Idcの極性が負(交流電流検出部4から信号源2への向き)のときには、同じ電流値の直流電流I1を吐き出す。なお、直流電流検出部15における直流電流成分Idcの検出誤差などに起因して、直流電流I1の電流値を直流電流成分Idcの電流値と同一に設定しようとしたとしても、完全に同一に設定できずに、直流電流I1の電流値と直流電流成分Idcの電流値との間に例えば数%程度の誤差が生じることもあるが、本例では、直流電流I1の電流値が、直流電流成分Idcの電流値とほぼ同一に設定されているとする。この結果、交流電流検出部4には、測定対象体8に流れる電流Iから電流源5によって引き込まれるか吐き出された直流電流I1を差し引いた残りの電流I2が流入する。この場合、この演算制御部6による電流制御処理により、直流電流I1の電流値が直流電流成分Idcの電流値と相殺されるように同一またはほぼ同一に設定されているため、直流電流が殆ど重畳していない交流電流成分Iacが電流I2として交流電流検出部4に流入する。
交流電流検出部4では、まず、演算増幅回路21が、設定されている所定の利得で電流I2を電圧V2に変換して出力する。この場合、電流I2は電流検出抵抗R3に流れるため、電圧V2の電圧値は、電流検出抵抗R3の抵抗値に電流I2の電流値を乗算した値となる。この際に、抵抗R3には、測定対象体8に流れている電流Iのうちの交流電流成分Iacのみが電流I2として流れ、直流電流が殆ど流れないため、演算増幅回路21は、抵抗R3で規定される最大の利得で電流I2(つまり交流電流成分Iac)を電圧V2に変換する。次いで、コンデンサ22が、電圧V2に含まれている直流成分を除去する。これにより、抵抗23の両端には、電圧V2の交流成分が電圧V3として発生する。続いて、バッファアンプ24がこの電圧V3をA/D変換回路25に出力し、A/D変換回路25が所定のサンプリング周期で電圧V3の電圧値をデータD3に変換して演算制御部6に出力する。このように、交流電流検出部4では、電圧V2に含まれている直流成分がコンデンサ22によって除去されるため、電流I2に直流電流が重畳していたとしても、A/D変換回路25から出力されるデータD3は、測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を示すことになる。
他方、電圧検出部3は、測定対象体8の両端間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4、すなわち交流電流成分Iacが測定対象体8を流れることによって測定対象体8に発生する電圧成分を所定のサンプリング周期で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD2を演算制御部6に出力する。演算制御部6は、このデータD2、および交流電流検出部4から入力しているデータD3に基づいてインピーダンス算出処理を実行する。このインピーダンス算出処理では、演算制御部6は、データD2に基づいて測定対象体8に発生している交流電圧成分V4の電圧値を算出すると共に、交流電流検出部4から出力されているデータD3および現在の測定レンジに基づいて測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を算出する。次いで、演算制御部6は、算出した電圧値および電流値に基づいて交流電圧成分V4と交流電流成分Iacの振幅比を算出する。また、演算制御部6は、データD2およびデータD3に基づいて、交流電圧成分V4と交流電流成分Iacとの間の位相差を算出する。最後に、演算制御部6は、算出した振幅比と位相差とに基づいて、測定対象体8のインピーダンスZを算出し、算出したインピーダンスZを所望の直流電圧が印加されているときの測定対象体8のインピーダンスとして表示部7に表示させる。この場合、インピーダンスZと共に、算出した交流電圧成分V4の電圧値や交流電流成分Iacの電流値を併せて表示部7に表示させることもできる。以上により、インピーダンス測定装置1による測定対象体8のインピーダンス測定動作が完了する。
このように、このインピーダンス測定装置1によれば、測定対象体8の他端側に電流源5を接続すると共に、この電流源5において測定対象体8に流れる直流電流成分Idcの電流値と同一またはほぼ同一の電流値の直流電流I1を引き込みまたは吐き出させることにより、測定対象体8に流れる交流電流成分Iacのみを交流電流検出部4に流入させることができる。このため、演算増幅回路21における電圧V2のクリップ現象の発生を軽減させることができる。また、交流電流検出部4において、演算増幅回路21が交流電流成分Iacの大きさに適した最大の利得で電流I2(つまり交流電流成分Iac)を電圧V2に変換してA/D変換回路25に出力することができる結果、A/D変換回路25が、そのダイナミックレンジを有効に利用して高精度で交流電流成分Iacを示すデータD3を生成することができる。したがって、インピーダンス測定装置1は、直流電圧Vdcの印加時における測定対象体8のインピーダンスZを精度よく測定することができる。
また、このインピーダンス測定装置1によれば、直流電圧源13から測定対象体8に供給されている直流電流成分Idc、つまり測定対象体8に流れる直流電流成分の電流値を検出する直流電流検出部15を設け、演算制御部6が、直流電流検出部15で検出された直流電流成分Idcに基づいて電流源5に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を制御することにより、直流電流成分Idcの電流値の大小に応じて直流電流I1に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を増減させることができる結果、直流電流成分Idcの電流値が変わったとしても、直流電圧Vdcの印加時における測定対象体8のインピーダンスZを精度よく測定することができる。
また、このインピーダンス測定装置1によれば、演算制御部6が、直流電圧源13に直列に接続された抵抗14における電圧降下に基づいて直流電圧源13で生成する直流電圧Vdcの電圧値を制御することにより、直流電圧源13から測定対象体8に供給される直流電流成分Idcの電流値に左右されることなく、指定された電圧値の直流電圧を測定対象体8に印加した状態で測定対象体8のインピーダンスZを測定することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、交流電流検出部4では、流入する電流I2に含まれている直流電流成分が少なくなればなる程、A/D変換回路25のダイナミックレンジを有効に利用して精度の良いデータD3を出力することができる。このため、最も好適な例として、演算制御部6が電流源5に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を直流電流成分Idcの電流値と同一またはほぼ同一に設定して、電流I2に含まれる直流電流成分をほぼゼロとする構成について上記したが、演算増幅回路21の出力が飽和しない範囲内である限り、若干の直流電流成分が電流I2に含まれていたとしても、交流電流検出部4が精度の良いデータD3を出力することができる。また、交流電流検出部4に流入する電流I2に含まれている直流電流成分を少しでも減少させることにより、その減少分だけ、演算増幅回路21の出力が飽和する可能性を低下させることができる。したがって、電流源5に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を必ずしも直流電流成分Idcの電流値と同一またはほぼ同一となるように設定する必要はなく、電流源5が直流電流成分Idcの一部を相殺可能に直流電流I1として引き込むか、または操作可能に吐き出す構成を採用することもできる。
また、直流電圧源13から測定対象体8に供給されている直流電流成分Idcの電流値に応じて、演算制御部6が電流源5に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を制御する構成について上記したが、直流電圧源13から測定対象体8に供給されている直流電流成分Idcの向きとその電流値がほぼ一定のときには、電流源5に対して引き込みまたは吐き出させる直流電流I1の電流値を、直流電流成分Idcの向きとその電流値に基づいて予め定めた一定の向きで一定の電流値とする構成を採用することもできる。この構成によれば、直流電流検出部15を不要にできると共に、電流源5に対する演算制御部6による電流制御処理も不要にすることができるため、インピーダンス測定装置1の装置構成を簡略化することができる。また、直流電圧源13から測定対象体8に供給されている直流電流成分Idcの電流値に基づいて、演算制御部6が抵抗14の電圧降下による電圧値を算出して直流電圧源13で生成する直流電圧Vdcの電圧値を制御する構成について上記したが、抵抗14での電圧降下が低く無視できるレベルのときには、直流電圧源13を固定電圧源として、演算制御部6による電圧制御処理を不要にすることもできる。この構成によれば、インピーダンス測定装置1の装置構成を一層簡略化することができる。
本発明に係るインピーダンス測定装置1の構成を示すブロック図である。 発明者等が提案しているインピーダンス測定装置51の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 インピーダンス測定装置
2 信号源
3 電圧検出部
4 交流電流検出部
5 電流源
6 演算制御部
8 測定対象体
11 交流電圧源
13 直流電圧源
I1 直流電流
V4 交流電圧成分
Vac 交流電圧
Vdc 直流電圧
Z インピーダンス

Claims (4)

  1. 交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体の一端側に印加する信号源と、
    前記測定対象体の他端側に接続されて前記試験電圧を印加しているときに当該測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、
    前記測定対象体の前記一端側と前記他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、
    前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、
    前記測定対象体の前記他端側に接続されて前記試験電圧を印加しているときに当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている直流電流成分の少なくとも一部を相殺可能に直流電流を引き込みまたは吐き出す電流源とを備えているインピーダンス測定装置。
  2. 前記直流電流成分の電流値を検出する直流電流検出部と、
    前記直流電流検出部によって検出された前記電流値に基づいて前記電流源に対して前記引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御する制御部とを備えている請求項1記載のインピーダンス測定装置。
  3. 前記制御部は、前記直流電流検出部によって検出された前記電流値と同一またはほぼ同一となるように前記電流源に対して前記引き込みまたは吐き出させる直流電流の電流値を制御する請求項2記載のインピーダンス測定装置。
  4. 前記信号源は、抵抗を介して前記測定対象体の一端側に前記直流電圧を印加可能に構成され、
    前記制御部は、前記直流電流検出部によって検出された前記電流値と前記抵抗の抵抗値とに基づいて当該抵抗の両端電圧を算出すると共に、当該算出した両端電圧に基づいて前記測定対象体の一端側に印加される直流電圧が指定された電圧値となるように前記直流電圧源を制御する請求項2または3記載のインピーダンス測定装置。
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