JP2007132778A - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを正確に測定する。
【解決手段】交流電圧Vacに直流電圧Vdcを重畳させた試験電圧V1を生成して測定対象体9に印加する信号源2と、試験電圧V1を印加しているときに測定対象体9に流れる電流Iを電圧に変換すると共に変換した電圧に基づいて測定対象体9に流れる電流Iに含まれている交流電流成分Iacを検出する交流電流検出部4と、測定対象体9の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4を検出する電圧検出部3と、交流電流成分Iacおよび交流電圧成分V4に基づいて測定対象体9のインピーダンスZを演算する演算制御部6と、交流電流検出部4によって変換された電圧V2が予め設定された基準電圧Vrを超えているときに検出信号S2を出力する監視部5とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】交流電圧Vacに直流電圧Vdcを重畳させた試験電圧V1を生成して測定対象体9に印加する信号源2と、試験電圧V1を印加しているときに測定対象体9に流れる電流Iを電圧に変換すると共に変換した電圧に基づいて測定対象体9に流れる電流Iに含まれている交流電流成分Iacを検出する交流電流検出部4と、測定対象体9の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4を検出する電圧検出部3と、交流電流成分Iacおよび交流電圧成分V4に基づいて測定対象体9のインピーダンスZを演算する演算制御部6と、交流電流検出部4によって変換された電圧V2が予め設定された基準電圧Vrを超えているときに検出信号S2を出力する監視部5とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
測定対象体に交流電圧を印加してそのインピーダンスを測定するこの種のインピーダンス測定装置は、一般的に、例えば、実開平5−40888号公報に開示された電流−電圧変換回路と、測定対象体の両端間に発生する交流電圧を検出する電圧検出部と、電流−電圧変換回路から出力される電圧に基づいて測定対象体に流れている交流電流を検出すると共にこの交流電流と電圧検出部で検出された交流電圧とに基づいて測定対象体のインピーダンスを算出する演算制御部とを備えて構成されている。この場合、上述した電流−電圧変換回路は、切換可能な複数の電流検出抵抗をフィードバックループ内に有する演算増幅器を備え、複数の測定レンジのうちの1つの測定レンジを選択して電流を電圧に変換可能に構成されている。したがって、このインピーダンス測定装置では、測定対象体のインピーダンスに応じて電流−電圧変換回路の電流検出抵抗を切り換えて適切な測定レンジとすることにより、各測定レンジのフルスケール時における演算増幅器の出力電圧がほぼ一定になるようにして、測定精度を確保している。
ところで、例えば有極性のコンデンサなどの測定対象体では、直流電圧を印加した状態でインピーダンスを測定したいことがある。このため、発明者等は、上記したインピーダンス測定装置における電流−電圧変換回路に直流電源を追加することにより、交流電源から出力される交流電圧に直流電源からの直流電圧を重畳させて測定対象体に印加可能に構成したインピーダンス測定装置を開発している。以下において、このインピーダンス測定装置について、図2を参照して説明する。同図に示すインピーダンス測定装置51は、信号源52、電圧検出部3、交流電流検出部54、演算制御部56および表示部7を備え、直流電圧印加時における測定対象体8のインピーダンスZを測定可能に構成されている。
このインピーダンス測定装置51では、信号源52に含まれている交流電圧源11が交流電圧Vacを生成して測定対象体8の一端側にコンデンサ12を介して印加すると共に、直流電圧源13が直流電圧Vdcを生成して測定対象体8の一端側に抵抗14を介して印加する。これにより、交流電圧Vacに直流電圧Vdcが重畳されてなる試験電圧V1が測定対象体8に印加されるため、測定対象体8には、交流電圧Vacに起因して発生する交流電流成分Iacに、直流電圧Vdcに起因して発生する直流電流成分Idcが重畳されてなる電流Iが流れる。交流電流検出部54では、まず、演算増幅回路21が、測定対象体8の他端側から入力した電流Iを、複数の電流検出抵抗(同図では3つの電流検出抵抗R1〜R3)のうちの切換スイッチ(同図では3つの切換スイッチSW1〜SW3)の切り換えによって選択されている1つの電流検出抵抗R3で決定される変換利得で電流−電圧変換して電圧V2を生成する。この場合、演算増幅回路21の各切換スイッチSW1〜SW3は、演算制御部56から出力される制御信号Scに従って切り換え制御される。次いで、電圧V2はコンデンサ22によって直流電圧成分が除去されて、その交流電圧成分のみが抵抗23に電圧V3として発生し、この電圧V3がバッファアンプ24からA/D変換回路25に出力される。A/D変換回路25は、電圧V3の電圧値を所定のサンプリング周期でデータD2に変換して演算制御部56に出力する。また、演算制御部56は、データD2によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定する。
他方、電圧検出部3は、測定対象体8の両端間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4、すなわち交流電流成分Iacが測定対象体8を流れることによって測定対象体8に発生する電圧成分を所定のサンプリング周期(一例としてA/D変換回路25と同一のサンプリング周期)で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD1を演算制御部56に出力する。演算制御部56は、このデータD1に基づいて測定対象体8に発生している交流電圧成分V4の電圧値を算出すると共に、演算増幅回路21の測定レンジおよびデータD2に基づいて測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を算出し、さらに、算出した電圧値および電流値に基づいて、直流電圧が印加されているときの測定対象体8のインピーダンスZを算出して、表示部7に表示させる。
実開平5−40888号公報(第5−6頁、第1図)
ところが、上記のインピーダンス測定装置51には、以下の課題が存在している。すなわち、このインピーダンス測定装置51では、交流電流検出部54の演算増幅回路21が、交流電圧Vacに起因する交流電流成分Iacと共に直流電圧Vdcに起因する直流電流成分Idcも併せて電流−電圧変換している。このため、測定対象体8の直流抵抗が低いために直流電流成分Idcが大きいときには、測定レンジによっては演算増幅回路21から出力される電圧V2がクリップされる(つまり、演算増幅回路21の出力が飽和する)現象が発生し、交流電流成分Iacを正確に電流−電圧変換できない結果、測定対象体8のインピーダンスZを正確に測定できない事態が発生するという課題が存在している。この場合、このインピーダンス測定装置51では、演算制御部56が、データD2によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定している。ところが、演算増幅回路21は、交流電流成分Iacと共に直流電圧Vdcに起因する直流電流成分Idcも併せて電流−電圧変換している。このため、直流電流成分Idcが大きいときには、たとえ交流電圧成分の大きさに応じて適切な測定レンジに設定したとしても、直流電流成分Idcによって演算増幅回路21の出力が飽和することもあり、このようなときには、依然として、測定対象体8のインピーダンスZを測定するための基本信号である交流電圧Vac(または交流電流成分Iac)を、A/D変換回路25のダイナミックレンジを有効に活用し得るレベルまで増幅できないことも生じる。このため、インピーダンスZについての測定誤差が大きくなる結果、これを改善するのが好ましい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、直流電圧の印加時における測定対象体のインピーダンスを正確に測定し得るインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体に印加する信号源と、前記試験電圧を印加しているときに前記測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、前記測定対象体の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、前記交流電流検出部によって変換された前記電圧が予め設定された限界値を超えているときに検出信号を出力する監視部とを備えている。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置は、請求項1記載のインピーダンス測定装置において、前記監視部は、前記限界値を示す基準電圧と前記交流電流検出部によって変換された前記電圧とを比較して前記検出信号を出力するコンパレータを備えて構成されている。
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置は、交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体に印加する信号源と、前記試験電圧を印加しているときに前記測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、前記測定対象体の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、前記交流電流検出部によって変換された前記電圧の波形に歪みが発生しているときに検出信号を出力する監視部とを備えている。
また、請求項4記載のインピーダンス測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載のインピーダンス測定装置において、前記検出信号が出力されたときに前記交流電流検出部の前記電流を前記電圧に変換する利得をより低い利得に設定する制御部を備えている。
また、請求項5記載のインピーダンス測定装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインピーダンス測定装置において、前記交流電流検出部は、前記電流を前記電圧に変換する利得を設定するための抵抗群および当該抵抗群のうちのいずれか1つ以上の抵抗を含んでフィードバックループが形成された演算増幅器を有する電流−電圧変換回路を備え、前記抵抗群のうちからいずれか1つ以上の抵抗を選択して前記フィードバックループを形成することによって前記利得を設定する。
請求項1記載のインピーダンス測定装置によれば、交流電流検出部によって変換された電圧が予め設定された限界値を超えているときに監視部が検出信号を出力することにより、検出信号が出力されたときに交流電流検出部の利得をより低い利得に設定し直すことができる。したがって、交流電流検出部での電圧のクリップの発生を解消できるため、測定対象体を流れる交流電流成分を交流電流検出部が正確に検出することができる結果、測定対象体のインピーダンスを正確に測定することができる。
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置によれば、限界値を示す基準電圧と交流電流検出部によって変換された電圧とを比較して検出信号を出力するコンパレータを備えて監視部を構成したことにより、監視部を簡易に構成することができる。このため、インピーダンス測定装置の装置コストを安価に維持しつつ、正確なインピーダンスの測定を可能とすることができる。
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置によれば、交流電流検出部によって変換された電圧の波形に歪みが発生しているときに監視部が検出信号を出力することにより、検出信号が出力されたときに交流電流検出部の利得をより低い利得に設定し直すことができる。このため、交流電流検出部における電圧のクリップの発生を解消できる結果、測定対象体を流れる交流電流成分を交流電流検出部が正確に検出することができる。したがって、測定対象体のインピーダンスを正確に測定することができる。
また、請求項4記載のインピーダンス測定装置によれば、検出信号が出力されたときに、制御部が交流電流検出部の利得をより低い利得に設定し直すことにより、交流電流検出部における電圧のクリップの発生を自動的に解消することができるため、測定対象体のインピーダンスの正確な測定を確実に実行することができる。
また、請求項5記載のインピーダンス測定装置によれば、電流−電圧変換の利得を設定するための抵抗群およびこの抵抗群のうちのいずれか1つ以上の抵抗を含んでフィードバックループが形成された演算増幅器を有する電流−電圧変換回路を備えて交流電流検出部を構成したことにより、交流電流検出部を簡易に構成することができるため、より低コストでインピーダンス測定装置を実現することができる。
以下、本発明に係るインピーダンス測定装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、インピーダンス測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。図1に示すインピーダンス測定装置1は、信号源2、電圧検出部3、交流電流検出部4、監視部5、演算制御部6および表示部7を備えて構成されて、例えばプローブなどを介して接続された測定対象体8のインピーダンスZを測定レンジを切り換えて測定可能に構成されている。
信号源2は、図1に示すように、交流電圧源11、コンデンサ12、直流電圧源13および抵抗14を備えて構成されて、例えばプローブを介して測定対象体8の一端側(同図中の左端側)に接続される。この場合、交流電圧源11は、交流電圧Vacを生成すると共に、生成している交流電圧Vacを測定対象体8の一端側にコンデンサ12を介して印加する。直流電圧源13は、直流電圧Vdcを生成すると共に、生成している直流電圧Vdcを測定対象体8の一端側に抵抗14を介して印加する。この構成により、信号源2は、交流電圧Vacに直流電圧Vdcを重畳させた試験電圧V1を測定対象体8の一端側に印加可能に構成されている。なお、コンデンサ12は交流電圧源11に直流電圧Vdcが印加される事態を回避するために、また抵抗14は交流電圧源11から測定対象体8に印加された交流電圧Vacが短絡する(ゼロボルトになる)事態を回避するためにそれぞれ配設されている。電圧検出部3は、測定対象体8に接続されて、測定対象体8の両端間(一端と他端との間)に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4を所定のサンプリング周期で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD1を演算制御部6に出力する。
交流電流検出部4は、図1に示すように、演算増幅回路21、コンデンサ22、抵抗23、バッファアンプ24およびA/D変換回路25を備え、例えばプローブを介して測定対象体8の他端側(同図中の右端側)に接続される。この場合、演算増幅回路21は、反転型演算増幅器21aおよび抵抗群21bを備えて、本発明における電流−電圧変換回路として構成されている。抵抗群21bは、対応する測定レンジ設定用の切換スイッチ(本例では切換スイッチSW1〜SW3)と直列に接続されて反転型演算増幅器21aのフィードバックループを構成可能な複数(本例では一例として3本)の電流検出抵抗R1〜R3を含んで構成されている。この抵抗群21bでは、演算制御部6から出力される制御信号Scに従ってオン・オフ制御される各切換スイッチSW1〜SW3によって電流検出抵抗R1〜R3の接続が切り換えられて、抵抗群21b(つまりフィードバックループ)全体としての抵抗値が設定される。この構成により、演算増幅回路21は、その利得(増幅率)が測定レンジに対応して設定されて、測定対象体8から入力した電流Iをこの設定された利得で電圧V2に変換して出力する。コンデンサ22は電圧V2の直流成分を除去する。抵抗23の両端には、電圧V2の交流成分が電圧V3として発生し、バッファアンプ24は、この電圧V3をA/D変換回路25に出力する。A/D変換回路25は、所定のサンプリング周期(電圧検出部3と同じサンプリング周期)で電圧V3の電圧値をデータD2に変換して演算制御部6に出力する。以上の構成により、交流電流検出部4は、測定対象体8に流れる電流Iに含まれている交流電流成分を検出すると共に、この交流電流成分の電流値を示すデータD2を出力する。
監視部5は、交流電流検出部4において電流−電圧変換によって生成された電圧V2が予め設定された限界値を超えているときに検出信号S2を出力する。一例として、監視部5は、この限界値を示す基準電圧Vrと電圧V2とを比較して、電圧V2が基準電圧Vrを超えているときに検出信号S2を出力するコンパレータ5aを備えて構成されている。監視部5によって監視される演算増幅回路21は、電圧V2がクリップされているとき、つまりその出力が飽和しているときに、電流Iを正確に電流−電圧変換できていない状態にある。このため、基準電圧Vrは、電圧V2がクリップされる直前の電圧値に設定されている。演算制御部6は、本発明における演算部として機能してインピーダンス算出処理を実行すると共に、本発明における制御部として機能して演算増幅回路21に対する利得制御処理を実行する。また、演算制御部6は、データD2によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに設定する。表示部7は、例えばLCDで構成されて、演算制御部6によって算出された測定対象体8のインピーダンスZを表示する。
次に、インピーダンス測定装置1による測定対象体8のインピーダンス測定動作について、図面を参照して説明する。
まず、図1に示すように、測定対象体8をインピーダンス測定装置1に接続する。次いで、インピーダンス測定装置1を作動させる。これにより、信号源2が測定対象体8に対して試験電圧V1の印加を開始するため、測定対象体8には電流Iが流れ始める。この場合、電流Iは、交流電圧Vacに起因して発生する交流電流成分Iacに、直流電圧Vdcに起因して発生する直流電流成分Idcが重畳された電流となる。また、電流Iは、測定対象体8を介して交流電流検出部4に流入する。一方、演算制御部6は、A/D変換回路25から出力されるデータD2によって示される交流電圧成分の大きさに応じて切換スイッチSW1〜SW3を切り換え制御することによって演算増幅回路21の測定レンジを適切な測定レンジに自動設定する。この場合、一例として、切換スイッチSW3のみがオン状態となる測定レンジに設定されているものとする。
交流電流検出部4では、まず、演算増幅回路21が、設定されている所定の利得で電流Iを電圧V2に変換して出力する。この場合、電流Iは電流検出抵抗R3に流れるため、電圧V2の電圧値は、電流検出抵抗R3の抵抗値に電流Iの電流値を乗算した値となる。次いで、コンデンサ22が、電圧V2に含まれている直流成分を除去する。これにより、抵抗23の両端には、電圧V2の交流成分が電圧V3として発生する。続いて、バッファアンプ24がこの電圧V3をA/D変換回路25に出力し、A/D変換回路25が所定のサンプリング周期で電圧V3の電圧値をデータD2に変換して演算制御部6に出力する。このように、交流電流検出部4では、電圧V2に含まれている直流成分がコンデンサ22によって除去されるため、電流Iに直流成分が重畳されていたとしても、A/D変換回路25から出力されるデータD2は、測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を示すことになる。
一方、演算増幅回路21から出力される電圧V2がクリップされている状況下では、電流Iに含まれている交流電流成分Iacが歪んでいるため、A/D変換回路25から出力されるデータD2は交流電流成分Iacの正確な電流値を示していない。このように電圧V2がクリップされている状況においては、電圧V2が基準電圧Vrを超えた値となっているため、監視部5は検出信号S2を演算制御部6に出力する。演算制御部6は、この検出信号S2を入力したときには、演算増幅回路21に対する利得制御処理を実行して、測定レンジを低下させる。具体的には、演算制御部6は、制御信号Scを出力して抵抗群21bの全体としての抵抗値を1段階下げることにより、演算増幅回路21の利得を1段階下げる。演算制御部6は、監視部5から検出信号S2が出力されなくなるまで、この利得制御処理を繰り返し実行する。この利得制御処理が演算制御部6によって実行されることにより、演算増幅回路21における電圧V2のクリップ現象が解消される。このため、交流電流検出部4からは、測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの正確な電流値を示すデータD2が出力される。なお、演算制御部6は、監視部5から検出信号S2を入力していないときには、利得制御処理を実行することなく後述するインピーダンス算出処理を実行する。
他方、電圧検出部3は、測定対象体8の両端間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分V4、すなわち交流電流成分Iacが測定対象体8を流れることによって測定対象体8に発生する電圧成分を所定のサンプリング周期で検出すると共に、この交流電圧成分V4の電圧値を示すデータD1を演算制御部6に出力する。演算制御部6は、このデータD1、および交流電流検出部4から入力しているデータD2に基づいてインピーダンス算出処理を実行する。このインピーダンス算出処理では、演算制御部6は、データD1に基づいて測定対象体8に発生している交流電圧成分V4の電圧値を算出すると共に、交流電流検出部4から出力されているデータD2および現在の測定レンジに基づいて測定対象体8に流れている交流電流成分Iacの電流値を算出する。次いで、演算制御部6は、算出した電圧値および電流値に基づいて交流電圧成分V4と交流電流成分Iacの振幅比を算出する。また、演算制御部6は、データD1およびデータD2に基づいて、交流電圧成分V4と交流電流成分Iacとの間の位相差を算出する。最後に、演算制御部6は、算出した振幅比と位相差とに基づいて、測定対象体8のインピーダンスZを算出し、算出したインピーダンスZを所望の直流電圧が印加されているときの測定対象体8のインピーダンスとして表示部7に表示させる。この場合、インピーダンスZと共に、算出した交流電圧成分V4の電圧値や交流電流成分Iacの電流値を併せて表示部7に表示させることもできる。以上により、インピーダンス測定装置1による測定対象体8のインピーダンス測定動作が完了する。
このように、このインピーダンス測定装置1によれば、交流電流検出部4の演算増幅回路21によって変換された電圧V2が予め設定された限界値を超えているときに監視部5が検出信号S2を出力することにより、検出信号S2が出力されたときに交流電流検出部4の利得をより低い利得に設定し直すことができる。したがって、交流電流検出部4の演算増幅回路21での電圧V2のクリップの発生を解消できるため、交流電流検出部4において測定対象体8を流れる交流電流成分Iacを正確に検出することができる結果、測定対象体8のインピーダンスZを正確に測定することができる。
また、このインピーダンス測定装置1によれば、限界値を示す基準電圧Vrと電圧V2とを比較して検出信号S2を出力するコンパレータ5aで監視部5を構成したことにより、監視部5を簡易に構成することができる。このため、インピーダンス測定装置1の装置コストを安価に維持しつつ、正確なインピーダンスZの測定を可能とすることができる。
また、このインピーダンス測定装置1によれば、検出信号S2が出力されたときに、演算制御部6が交流電流検出部4の演算増幅回路21の利得をより低い利得に設定し直すことにより、交流電流検出部4における電圧V2のクリップの発生を自動的に解消することができるため、測定対象体8のインピーダンスZの正確な測定を確実に実行することができる。
また、このインピーダンス測定装置1によれば、電流−電圧変換の利得を設定するための抵抗群21bおよびこの抵抗群21bでフィードバックループが形成された反転型演算増幅器21aを有する演算増幅回路21(電流−電圧変換回路)を備えて交流電流検出部4を構成したことにより、交流電流検出部4を簡易に構成することができるため、より低コストでインピーダンス測定装置1を実現できる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、コンパレータ5aを用いて監視部5を構成する例について説明したが、電圧V2に含まれている交流電圧成分の波形に歪みが発生しているか否かを検出して、歪みの発生を検出したときに検出信号S2を出力する構成を採用することもできる。この場合、演算増幅回路21において電圧V2がクリップされているときには、電圧V2に含まれている交流電圧成分の波形も必ずクリップされて、その波形には歪みが発生している。したがって、例えば、演算制御部6がデータD2に含まれている交流電圧Vacの周波数の高調波成分をFFT演算によって検出して電圧V3の波形の歪みを検出することで、電圧V2がクリップされているとき、または電圧V2がクリップされる前に、交流電流検出部4の利得をより低い利得に設定し直すことができるため、交流電流検出部4の演算増幅回路21での電圧V2のクリップの発生を解消できる結果、上記のコンパレータ5aを用いた構成と同様にして、測定対象体8のインピーダンスZを正確に測定することができる。
また、上記の構成では、演算制御部6が監視部5からの検出信号S2に基づいて交流電流検出部4における演算増幅回路21の利得をより低い利得に設定し直すことにより、交流電流検出部4における電圧V2のクリップの発生を自動的に解消する構成について説明したが、これに限らない。例えば、演算制御部6が、検出信号S2を入力したときに、交流電流検出部4において電圧V2のクリップが発生した旨の警告表示を表示部7に表示させて測定者に対して利得の再設定を促したり注意を促す構成を採用することもできる。
また、上記の構成では、演算増幅回路21から出力されている電圧V2を監視部5で監視しているが、この電圧V2がクリップされているときには、反転型演算増幅器21aに対するフィードバックが正常に行われなくなる結果、反転型演算増幅器21aにおいて反転入力端子の電圧が非反転入力端子の電圧と一致しなくなる(正常時のゼロ電位から、異常時には正の電位に上昇する)。このため、監視部5がこの反転型演算増幅器21aの反転入力端子の電圧を監視する構成を採用することで、電圧V2がクリップされているか否かを検出することができる。
1 インピーダンス測定装置
2 信号源
3 電圧検出部
4 交流電流検出部
5 監視部
6 演算制御部
8 測定対象体
I 電流
Iac 交流電流成分
S2 検出信号
V1 試験電圧
V2 電圧(交流電流検出部4によって変換された電圧)
V4 交流電圧成分
Vac 交流電圧
Vdc 直流電圧
Vr 基準電圧
Z インピーダンス
2 信号源
3 電圧検出部
4 交流電流検出部
5 監視部
6 演算制御部
8 測定対象体
I 電流
Iac 交流電流成分
S2 検出信号
V1 試験電圧
V2 電圧(交流電流検出部4によって変換された電圧)
V4 交流電圧成分
Vac 交流電圧
Vdc 直流電圧
Vr 基準電圧
Z インピーダンス
Claims (5)
- 交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体に印加する信号源と、
前記試験電圧を印加しているときに前記測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、
前記測定対象体の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、
前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、
前記交流電流検出部によって変換された前記電圧が予め設定された限界値を超えているときに検出信号を出力する監視部とを備えているインピーダンス測定装置。 - 前記監視部は、前記限界値を示す基準電圧と前記交流電流検出部によって変換された前記電圧とを比較して前記検出信号を出力するコンパレータを備えて構成されている請求項1記載のインピーダンス測定装置。
- 交流電圧に直流電圧を重畳させた試験電圧を生成して測定対象体に印加する信号源と、
前記試験電圧を印加しているときに前記測定対象体に流れる電流を電圧に変換すると共に当該変換した電圧に基づいて当該測定対象体に流れる前記電流に含まれている交流電流成分を検出する交流電流検出部と、
前記測定対象体の一端側と他端側との間に発生する電圧に含まれている交流電圧成分を検出する電圧検出部と、
前記交流電流成分および前記交流電圧成分に基づいて前記測定対象体のインピーダンスを演算する演算部と、
前記交流電流検出部によって変換された前記電圧の波形に歪みが発生しているときに検出信号を出力する監視部とを備えているインピーダンス測定装置。 - 前記検出信号が出力されたときに前記交流電流検出部の前記電流を前記電圧に変換する利得をより低い利得に設定する制御部を備えている請求項1から3のいずれかに記載のインピーダンス測定装置。
- 前記交流電流検出部は、前記電流を前記電圧に変換する利得を設定するための抵抗群および当該抵抗群のうちのいずれか1つ以上の抵抗を含んでフィードバックループが形成された演算増幅器を有する電流−電圧変換回路を備え、前記抵抗群のうちからいずれか1つ以上の抵抗を選択して前記フィードバックループを形成することによって前記利得を設定する請求項1から4のいずれかに記載のインピーダンス測定装置。
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JP2005325749A JP2007132778A (ja) | 2005-11-10 | 2005-11-10 | インピーダンス測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-11-10 JP JP2005325749A patent/JP2007132778A/ja active Pending
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