JP2007130732A - ナット整列機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で4本及び5本のハブボルトに対応可能とする。
【解決手段】テーブル20の外周に、5軸用のポケットP1,P3,P5と、4軸用のポケットP2,P4とを夫々形成し、テーブル20の開放部22内に、ポケットP6,P7を正五角形の頂点に位置させる第1の位置と、正方形の頂点に位置させる第2の位置とに夫々移動可能で、常態では板バネ30によって第1の位置に付勢される旋回アーム26,26を設ける一方、テーブル20の外側の固定板16上に、先端のローラ35を旋回アーム26,26間に割り込ませて旋回アーム26,26を第2の位置へ移動させるシフト用シリンダ32を設けた。
【選択図】図5
【解決手段】テーブル20の外周に、5軸用のポケットP1,P3,P5と、4軸用のポケットP2,P4とを夫々形成し、テーブル20の開放部22内に、ポケットP6,P7を正五角形の頂点に位置させる第1の位置と、正方形の頂点に位置させる第2の位置とに夫々移動可能で、常態では板バネ30によって第1の位置に付勢される旋回アーム26,26を設ける一方、テーブル20の外側の固定板16上に、先端のローラ35を旋回アーム26,26間に割り込ませて旋回アーム26,26を第2の位置へ移動させるシフト用シリンダ32を設けた。
【選択図】図5
Description
本発明は、自動車のタイヤの取付に使用されるナットを、仮締め機やロボットハンド等へ受け渡す際に使用されるナット整列機に関する。
自動車のタイヤは、ハブの端面へ同心円上に等間隔で配列された4本又は5本のハブボルトにホイールを貫通させ、各ハブボルトに、ネジ穴が貫通した貫通ナット或いはネジ穴が閉塞された袋ナットを締め付けることで固定される。この締め付け工程としては、4本又は5本のソケットを有する仮締め機を用いて作業者がナットをハブボルトに仮締めさせた後、ロボットハンドで本締めを行うようなものがある。
この場合、ナットフィーダから整列状態で供給されるナットを、作業者が仮締め機のソケットへいちいち手で嵌め込むようにすると、作業効率が非常に悪いことから、例えば特許文献1に示すようなナットの供給装置の採用が考えられる。この供給装置は、ナットフィーダで一つずつ供給されるナットを、同心円上に多数のナット保持部を備えたナットセッターをX及びY方向へ二次元的に移動させて所定のナット保持部で受け取り、これをナットパレットに受け渡して、ナットパレットをコンベアで受け取り位置に供給するものである。このようにすれば、受け取り位置で仮締め機の各ソケットへナットを一度に装着することができる。
この場合、ナットフィーダから整列状態で供給されるナットを、作業者が仮締め機のソケットへいちいち手で嵌め込むようにすると、作業効率が非常に悪いことから、例えば特許文献1に示すようなナットの供給装置の採用が考えられる。この供給装置は、ナットフィーダで一つずつ供給されるナットを、同心円上に多数のナット保持部を備えたナットセッターをX及びY方向へ二次元的に移動させて所定のナット保持部で受け取り、これをナットパレットに受け渡して、ナットパレットをコンベアで受け取り位置に供給するものである。このようにすれば、受け取り位置で仮締め機の各ソケットへナットを一度に装着することができる。
しかし、ナットセッターやパレット搬送コンベヤ等、構成要素が多くて装置が大型化する上、ナットセッターの制御機構も複雑化してコストアップに繋がる。特に、ハブボルトが4本と5本との場合では、ハブボルトが配置される同心円の半径が異なることがあるため、ナットセッターやナットパレットを2タイプ用意する必要があり、かなりのコスト高となる。また、ナットセッター等を2タイプ用意してハブボルト数の相違に対応するにしても、ナットセッターやナットパレットの交換や設定作業が必要となるため、やはり作業のロスが生じてしまう。
そこで、本発明は、簡単な構成で4本及び5本のハブボルトに対応でき、省スペース且つ低コストで作業性にも優れるナット整列機を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、5軸用ポケットを備えたテーブルの外周に、1の5軸用ポケットを中心とした対称位置で、且つ中心間を結ぶ弧の中心角が90度となる位置に、ナットを1つ収容可能な一対の4軸用ポケットを夫々形成し、1の5軸用ポケットとテーブルの回転中心を挟んで反対側に位置する2つの5軸用ポケット部分を、テーブル内で、正五角形の頂点に位置する第1の位置と、一対の4軸用ポケットと共に正方形の頂点に位置する第2の位置とに夫々独立して移動可能とすると共に、常態では付勢手段によって2つの5軸用ポケット部分を共に第1の位置と第2の位置との何れか一方の位置に付勢する一方、2つの5軸用ポケット部分を共に他方の位置へ強制的に移動させる移動手段を設けて、移動手段の動作の選択により、2つの5軸用ポケット部分を第1の位置に位置させた際には5つのナットを正五角形の頂点位置に、第2の位置に位置させた際には4つのナットを正方形の頂点位置に夫々配置可能としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、2つの5軸用ポケット部分の移動を合理的に行うために、2つの5軸用ポケット部分を、テーブルに夫々水平旋回可能に設けられ、常態で互いに近接する第1の位置へ付勢される旋回アームとし、移動手段を、テーブルの外周側から両旋回アームの間に突出する前進位置と、両旋回アーム間から離脱する後退位置との間で進退動可能で、前進位置で両旋回アームを互いに離反する第2の位置へ旋回させる割り込み部材を有する構成としたものである。
請求項3に記載の発明、請求項1又は2の目的に加えて、複数種類のナットも一台のナット整列機で対応可能とするために、ナット供給手段を複数設けたものである。
なお、本発明での5軸用ポケットとは、5本のハブボルトに対応するポケットを指し、4軸用ポケットとは、4本のハブボルトに対応するポケットを指す。
請求項3に記載の発明、請求項1又は2の目的に加えて、複数種類のナットも一台のナット整列機で対応可能とするために、ナット供給手段を複数設けたものである。
なお、本発明での5軸用ポケットとは、5本のハブボルトに対応するポケットを指し、4軸用ポケットとは、4本のハブボルトに対応するポケットを指す。
請求項1に記載の発明によれば、ナット整列機1つで5軸用も4軸用も共通して対応可能となる。よって、ハブボルトのタイプに合わせて整列機を複数用意する必要がなくなり、省スペースとなる。また、テーブルの簡単な形状変更やポケット部分の動作構造等の付加等で足りるため、構造が簡単でコストアップも少なくなる。そして、ハブボルトのタイプに応じた作業体制の変更は、仮締め機やロボットハンド側での交換を除いてナットの整列側では不要となるため、作業能率の低下も生じない。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、割り込み部材によって両旋回アームを同時に旋回させることができ、部品点数が少ない合理的な構成となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、例えば貫通ナットと袋ナットといった複数のナットにも対応して整列可能となり、使い勝手に優れる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、割り込み部材によって両旋回アームを同時に旋回させることができ、部品点数が少ない合理的な構成となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、例えば貫通ナットと袋ナットといった複数のナットにも対応して整列可能となり、使い勝手に優れる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ナット整列機の一例を示す正面図、図2はその平面図、図3は右側面図で、ナット整列機1は、機台2上に、ナット供給手段となる2つのナットフィーダ3,4と、各ナットフィーダ3,4から供給されるナットを所定位置に整列させるテーブルユニット5とを備える。ナットフィーダ3,4は、中央のドラム6に貯留したナットを外周側へ送りながら所定姿勢で直進フィーダ7,8上に並べ、直進フィーダ7,8の先端からテーブルユニット5へ一つずつ供給可能とした周知の構造で、一方のナットフィーダ3が、ネジ穴が貫通した貫通ナット用、他方のナットフィーダ4が、ネジ穴が閉塞された袋ナット用となっている。
図1は、ナット整列機の一例を示す正面図、図2はその平面図、図3は右側面図で、ナット整列機1は、機台2上に、ナット供給手段となる2つのナットフィーダ3,4と、各ナットフィーダ3,4から供給されるナットを所定位置に整列させるテーブルユニット5とを備える。ナットフィーダ3,4は、中央のドラム6に貯留したナットを外周側へ送りながら所定姿勢で直進フィーダ7,8上に並べ、直進フィーダ7,8の先端からテーブルユニット5へ一つずつ供給可能とした周知の構造で、一方のナットフィーダ3が、ネジ穴が貫通した貫通ナット用、他方のナットフィーダ4が、ネジ穴が閉塞された袋ナット用となっている。
テーブルユニット5の後方側上方には、電源スイッチや、何れか一方のナットフィーダ3,4を選択して駆動させる選択スイッチ等が設けられた操作盤9が設けられ、テーブルユニット5の左側上方には、傾倒によってONする起動スイッチ10が設けられている。この起動スイッチ10がONすると、選択されたナットフィーダ3,4が動作してナットを一つずつ供給すると共に、テーブルユニット5のテーブル20が後述するように回転しながらナットを所定のポケットに受ける一連の動作を行うものとなる。11,11は各ドラム6にナットを供給するホッパ、12は制御ボックスである。
テーブルユニット5は、図4〜6に示すように、機台2のコーナーに立設されるフレーム13に、モータ14を出力軸15を上向きにして取り付けると共に、その上方で固定板16を水平に支持し、フレーム13から上方に突設した回転軸17に、固定板16の略中央に形成された円形孔18内に収まる円盤状のテーブル20を備えている。モータ14の出力軸15と回転軸17との間にはベルト19が張設されて、出力軸15の回転により、ベルト19を介して回転軸17と共にテーブル20が回転するようになっている。モータ14は、後述するようにテーブル20を所定角度ずつ精度良く回転制御するために、例えばステッピングモータが用いられる。
また、テーブル20の上面は、固定板16の上面から僅かに低くなる周縁を除いて上方へ段部21を突設した二段形状となって、段部21の周縁で一方の半周側には、図7にも示すように、テーブル20の半径方向で、貫通ナット又は袋ナットを一つだけ収容可能な平面U字状のポケットP1〜P5が5カ所設けられている。このポケットP1〜P5は、車体側のハブボルトが4本の場合(以下「4軸」という。)と5本の場合(以下「5軸」という。)とに合わせて夫々同心円周上に配置されたもので、P2,P4が4軸用ポケット、P1,P3,P5が5軸用ポケットとなる(但し、以下ではどちらも単に「ポケット」という。)。よって、ポケットP2,P4の中心間を通る弧の中心角は90度、ポケットP1,P3,P5間での夫々の中心角は72度となる。
ここでは、5軸用の3つのポケットの中央に位置するポケットP3を中心に、4軸用の2つのポケットP2,P4が対称に配置されている。また、4軸用のポケットP2,P4は、5軸用のポケットP1,P3,P5よりもテーブル20の中心側へ深く形成されている。
ここでは、5軸用の3つのポケットの中央に位置するポケットP3を中心に、4軸用の2つのポケットP2,P4が対称に配置されている。また、4軸用のポケットP2,P4は、5軸用のポケットP1,P3,P5よりもテーブル20の中心側へ深く形成されている。
さらに、段部21の他方の半周側には、開放部22が、ポケットP3とテーブル中心とを結ぶ線Lを中心とした線対称形に形成されており、開放部22内の中央最深部には、線Lと直交する基端部24と、平面視で線L上に位置する先端部25とからなるT字状のホルダ23が固定されている。また、開放部22内には、図8にも示すように、外周側に切欠状のポケットP6,P7を設けた一対の旋回アーム26,26(2つの5軸用ポケット部分)が、ボルト27によって水平旋回可能に設けられている。この旋回アーム26は、ホルダ23の先端部25に当接して互いに近接する第1の位置と、基端部24に当接して互いに離反する第2の位置との間で旋回可能となっており、第1の位置では、ポケットP6,P7が夫々ポケットP1,P5から中心角72度に位置して、開放部22の内縁に設けた半径方向の側面部28と共に5軸用ポケットの残りの2つを形成し、第2の位置では、ポケットP6,P7がポケットP2,P4から中心角90度に位置して、開放部22の内縁に設けた円弧状の凹部29と共に4軸用ポケットの残りの2つを形成するものとなる。ホルダ23の基端部24には、各旋回アーム26を夫々第1の位置へ付勢する付勢手段となる板バネ30,30が設けられている。
ここで、袋ナット用のナットフィーダ4の直進フィーダ8は、固定板16の左右方向で左側から固定板16上に固定されて、袋ナットをテーブル20の外周側に供給可能としている。一方、貫通ナット用のナットフィーダ3の直進フィーダ7は、袋ナット用の直進フィーダ8とは72度の角度で固定板16の後方から同様に固定板16上に固定されて、貫通ナットをテーブル20の外周側に供給可能としている。テーブル20は、線Lが直進フィーダ8と同一線上にあってポケットP3が直進フィーダ8に、ポケットP5が直進フィーダ7に夫々対応する図5の位置が原点位置となる。
また、固定板16における円形孔18の内縁側には、各直進フィーダ7,8と後述するシフト用シリンダ32との取付部分を除いて、円形孔18内に張り出して段部21の周面に近接する枠体31,31・・が取り付けられている。
また、固定板16における円形孔18の内縁側には、各直進フィーダ7,8と後述するシフト用シリンダ32との取付部分を除いて、円形孔18内に張り出して段部21の周面に近接する枠体31,31・・が取り付けられている。
一方、固定板16上には、エア駆動のシフト用シリンダ32とガイドスライダ36,36とが設けられている。シフト用シリンダ32は、テーブル20を挟んだ直線フィーダ8の向かい側で直進フィーダ8の延長線上に配置されて、先端にローラ34を備えた割り込み部材としてのロッド33をテーブル20の中心側へ向けて進退動可能としている。このロッド33が前進すると、ローラ34が旋回アーム26,26間に割り込んで旋回アーム26,26を互いの離反方向へ旋回させ、第2の位置に位置決めすることができる。なお、旋回アーム26における線L側でローラ34寄りの側面には、ローラ34の進入による旋回アーム26の旋回を案内する傾斜面35が設けられている。
また、各ガイドスライダ36は、テーブル20側の端部に半円状の凹部37を有し、テーブル20の原点位置での4軸用のポケットP2,P4に夫々対向する位置でテーブル20の半径方向に配置され、凹部37がポケットP2,P4に近接する図5の前進位置と、ポケットP2,P4から離れる後退位置との間でスライド可能となっている。
また、各ガイドスライダ36は、テーブル20側の端部に半円状の凹部37を有し、テーブル20の原点位置での4軸用のポケットP2,P4に夫々対向する位置でテーブル20の半径方向に配置され、凹部37がポケットP2,P4に近接する図5の前進位置と、ポケットP2,P4から離れる後退位置との間でスライド可能となっている。
さらに、テーブル20には、4軸用のポケットP2,P4内の奥側で出没可能で、常態では図示しないコイルバネによってテーブル20内に没入する位置調整ピン38,39が夫々設けられている。一方、フレーム13上には、直進フィーダ7,8にポケットP2,P4の何れかが夫々対応した際に位置調整ピン38,39の真下にロッド41が位置するエア駆動の押し上げシリンダ40,40が夫々配置されている。よって、ポケットP2,P4が直進フィーダ7,8の何れかに対応するテーブル20の回転位置でその真下の押し上げシリンダ40のロッド41が突出すると、位置調整ピン38,39が下方から押し上げられてポケットP2,P4内に突出することになる。
以上の如く構成されたナット整列機1の動作を説明する。なお、テーブル20は図5の平面視で常に右回転する。
まず、袋ナットを5軸対応で供給する場合を図9のフローチャートに基づいて説明する。最初は図5に示すテーブル20の原点位置からスタートとなる。まず、S1において起動スイッチ10がONされると、S2でナットフィーダ4を動作させて、直進フィーダ8から袋ナットN1をそのまま対応しているポケットP3へ供給する(図10)。次にS3でテーブル20を72度右回転させ、ポケットP1を直進フィーダ8に合わせ、S4で当該ポケットP1へ次の袋ナットN1を供給する。このような72度毎のテーブル20の回転によって、ポケットP7−P6−P5の順に袋ナットを供給する(S5〜S10)。この場合、旋回アーム26,26は夫々板バネ30の付勢によってポケットP6,P7を夫々第1の位置に位置させるため、図11に示すように、各袋ナットN1は正五角形の頂点に位置する格好となる。そして、S11で最後にテーブル20を72度回転させて原点位置に復帰させ、S12で仮締め機による取り出しを待つ(図12)。
まず、袋ナットを5軸対応で供給する場合を図9のフローチャートに基づいて説明する。最初は図5に示すテーブル20の原点位置からスタートとなる。まず、S1において起動スイッチ10がONされると、S2でナットフィーダ4を動作させて、直進フィーダ8から袋ナットN1をそのまま対応しているポケットP3へ供給する(図10)。次にS3でテーブル20を72度右回転させ、ポケットP1を直進フィーダ8に合わせ、S4で当該ポケットP1へ次の袋ナットN1を供給する。このような72度毎のテーブル20の回転によって、ポケットP7−P6−P5の順に袋ナットを供給する(S5〜S10)。この場合、旋回アーム26,26は夫々板バネ30の付勢によってポケットP6,P7を夫々第1の位置に位置させるため、図11に示すように、各袋ナットN1は正五角形の頂点に位置する格好となる。そして、S11で最後にテーブル20を72度回転させて原点位置に復帰させ、S12で仮締め機による取り出しを待つ(図12)。
仮締め機50は、図13に示すように、モータを内蔵し、電源としてバッテリーパック52を装着したハウジング51の前端(図13では下方)に、中央の出力軸からベルトを介して回転伝達され、正五角形の頂点に配置されるプーリを備えた5軸ユニット53を有し、5軸ユニット53の各プーリに、先端に袋ナットN1の嵌着部を有するソケット54,54・・を連結したもので、作業者がハウジング51を把持して仮締め機50を下向きにし、各ソケット54をテーブル20上の各袋ナットN1の位置に合わせて下方へ押し込みながらトリガースイッチ55を押し込むと、各ソケット54が回転しながら袋ナットN1を嵌合させ、嵌着部に設けた磁石によって吸着させる。よって仮締め機50を持ち上げると、全ての袋ナットN1をテーブル20から取り出して装填可能となる(S13)。よって、テーブル20は原点位置のままナット供給前の状態に復帰する。
なお、貫通ナットを5軸対応で供給する場合は、図14のフローチャートの処理となる。これは袋ナットの場合とは、ナットの供給位置と供給順序が異なる。すなわち、S21で起動スイッチ10をONすると、図15に示すように、直進フィーダ7からの貫通ナットN2の供給をポケットP5から開始し(S22)、その後はテーブル20を72度毎に回転させてP3,P1,P7,P6の順で貫通ナットを供給し、最後の72度の回転で原点位置に復帰することになる(S23〜31、図16)。その後の仮締め機50(ソケットは貫通ナット用に交換されている)による貫通ナットの取り出し処理は袋ナットの場合と同じである(S32,33)。
次に、袋ナットを4軸対応で供給する場合を図17のフローチャートに基づいて説明する。
原点位置からS41で起動スイッチ10がONされると、テーブル20を45度右回転させてポケットP2を直進フィーダ8に合わせる(S42)。次にS43で押し上げシリンダ40の動作で位置調整ピン38を上昇させてポケットP2内に突出させて、S44でポケットP2へ袋ナットN1を供給する。このとき、袋ナットN1は位置調整ピン38に当接してポケットP2の最深部へは達せず、5軸の場合と同じ円周上に位置する(図18)。このように位置調整ピン38で袋ナットN1の位置決めを行うのは、最初から最深部へ袋ナットN1を供給すると、次の袋ナットN1が直進フィーダ8とポケットP2との間に跨ってしまうため、5軸の場合と同じ位置に規制することで、次の袋ナットN1を適正位置で待機可能としたものである。
原点位置からS41で起動スイッチ10がONされると、テーブル20を45度右回転させてポケットP2を直進フィーダ8に合わせる(S42)。次にS43で押し上げシリンダ40の動作で位置調整ピン38を上昇させてポケットP2内に突出させて、S44でポケットP2へ袋ナットN1を供給する。このとき、袋ナットN1は位置調整ピン38に当接してポケットP2の最深部へは達せず、5軸の場合と同じ円周上に位置する(図18)。このように位置調整ピン38で袋ナットN1の位置決めを行うのは、最初から最深部へ袋ナットN1を供給すると、次の袋ナットN1が直進フィーダ8とポケットP2との間に跨ってしまうため、5軸の場合と同じ位置に規制することで、次の袋ナットN1を適正位置で待機可能としたものである。
よって、袋ナットN1が供給された後は、ナットフィーダ4の動作も停止しているので、S45で位置調整ピン38を下降させて、袋ナットN1の最深部への移動を可能とする。次にS46でテーブル20を99度回転させて、ポケットP7を直進フィーダ8に合わせ、ここに袋ナットN1を供給する(S47)。次に、テーブル20を72度回転させてポケットP6を直進フィーダ8に合わせ(S48)、ここに袋ナットN1を供給する(S49)。続いてS50でテーブル20を99度回転させてポケットP4を直進フィーダ8に合わせ、S51で位置調整ピン39を上昇させてポケットP4内に突出させ、図19に示すように、S52で当該ポケットP4へ袋ナットN1を供給した後、S53で位置調整ピン39を下降させる。こうして4つの袋ナットN1をポケットP2,P7,P6,P4に夫々供給した後、S54でテーブル20を45度回転させて原点に戻す(図20)。
次に、S55でシフト用シリンダ32を動作させてロッド33を前進させると共に、ガイドスライダ36,36を夫々前進させる(S55)。すると、図21に示すように、開放部22では、ローラ34が旋回アーム26,26間に割り込んで両旋回アーム26,26を第2の位置へ回転させ、ポケットP6,P7に夫々収容されている袋ナットN1を凹部29とで形成される4軸への対応位置に移動させる。同時に各ガイドスライダ36が、ポケットP2,P4の外周寄りに位置している袋ナットN1を夫々最深部側に移動させる。よって、4つの袋ナットN1は、正方形の頂点となる4軸の適正位置に夫々セットされ、仮締め機による装填待ち状態となる(S56)。
そして、今度はプーリ及びソケットを正方形の頂点に配置した4軸用の仮締め機で4つの袋ナットN1を取り出した後(S57)、シフト用シリンダ32のロッド33と各ガイドスライダ36とを夫々後退させる(S58)。すると、ローラ34の後退によって両旋回アーム26,26が夫々板バネ30の付勢によって第1の位置へ戻り、テーブル20は原点位置となる。
そして、今度はプーリ及びソケットを正方形の頂点に配置した4軸用の仮締め機で4つの袋ナットN1を取り出した後(S57)、シフト用シリンダ32のロッド33と各ガイドスライダ36とを夫々後退させる(S58)。すると、ローラ34の後退によって両旋回アーム26,26が夫々板バネ30の付勢によって第1の位置へ戻り、テーブル20は原点位置となる。
なお、貫通ナットを4軸対応で供給する場合は、図22のフローチャートの処理となる。これも図17で説明した袋ナットの場合とは、ナットの供給位置と供給順序とが異なる。まず、S61で起動スイッチ10がONされると、テーブル20が27度回転してポケットP4を直進フィーダ7に合わせて位置調整ピン39を上昇させた後、貫通ナットN2を供給する(S62〜S64、図23)。その後、S65で位置調整ピン39を下降させ、テーブル20を90度回転させてポケットP2を直進フィーダ7に合わせて位置調整ピン38を上昇させ、ポケットP2に貫通ナットN2を供給して位置調整ピン38を下降させる(S66〜S69)。次に、テーブル20を99度回転させてポケットP7に、72度回転させてポケットP6に夫々貫通ナットN2を供給した後、72度の回転で原点位置に復帰させることになる(S70〜S74、図24)。後のシフト用シリンダ32及びガイドスライダ36の動作と仮締め機による貫通ナットN2の取り出し手順は図17と同様である(S75〜78、図25)。
このように、上記形態のナット整列機1によれば、テーブル20の外周に、ポケットP3を中心とした対称位置で、且つ中心間を結ぶ弧の中心角が90度となる位置に、4軸用ポケットP2,P4を夫々形成し、ポケットP3とテーブルの回転中心を挟んで反対側に位置する2つのポケットP6,P7部分(旋回アーム26,26)を、テーブル20内で、正五角形の頂点に位置する第1の位置と、ポケットP2,P4と共に正方形の頂点に位置する第2の位置とに夫々独立して移動可能とすると共に、常態では板バネ30によって旋回アーム26,26を第1の位置に付勢する一方、旋回アーム26,26を共に第2の位置へ強制的に移動させるシフト用シリンダ32を設けて、シフト用シリンダ32の動作の選択により、旋回アーム26,26を第1の位置に位置させた際には5つのナットを正五角形の頂点位置に、第2の位置に位置させた際には4つのナットを正方形の頂点位置に夫々配置可能としたことで、ナット整列機1つで5軸用も4軸用も共通して対応可能となる。よって、ハブボルトのタイプに合わせて整列機を複数用意する必要がなくなり、省スペースとなる。また、テーブル20の簡単な形状変更や旋回アーム26,26の動作構造等の付加等で足りるため、構造が簡単でコストアップも少なくなる。そして、ハブボルトのタイプに応じた作業体制の変更は、仮締め機やロボットハンド側での交換を除いてナットの整列側では不要となるため、作業能率の低下も生じない。
特にここでは、2つの5軸用ポケット部分を、テーブル20に夫々水平旋回可能に設けられ、常態で互いに近接する第1の位置へ付勢される旋回アーム26,26とし、移動手段を、テーブル20の外周側から両旋回アーム26,26間に突出する前進位置と、両旋回アーム26,26間から離脱する後退位置との間で進退動可能で、前進位置で両旋回アーム26,26を互いに離反する第2の位置へ旋回させるロッド33としたことで、ロッド33によって両旋回アーム26,26を同時に旋回させることができ、部品点数が少ない合理的な構成となる。
また、ナット供給手段として2つのナットフィーダ7,8を設けたことで、貫通ナットと袋ナットといった複数のナットにも対応して整列可能となり、使い勝手に優れる。
また、ナット供給手段として2つのナットフィーダ7,8を設けたことで、貫通ナットと袋ナットといった複数のナットにも対応して整列可能となり、使い勝手に優れる。
なお、上記形態では袋ナット用と貫通ナット用との2つのナットフィーダを併設して、何れのナットも供給可能としているが、何れか一方のナットフィーダのみを設けて一種類のナットを整列させるものであっても良い。また、ナットの取り出しは仮締め機を用いているが、従来技術で示したようなロボットハンドで取り出しを行うことも勿論可能である。
さらに、ホルダをなくして板バネの取付や旋回アームの当接をテーブルの段部で直接行ったり、板バネをトーションスプリング等の他の付勢手段に代えたりしても差し支えない。
さらに、ホルダをなくして板バネの取付や旋回アームの当接をテーブルの段部で直接行ったり、板バネをトーションスプリング等の他の付勢手段に代えたりしても差し支えない。
一方、上記形態では、2つのポケット部分(旋回アーム)を常態では5軸用の第1の位置へ付勢して、移動手段の動作で4軸用の第2の位置へ移動させる構成としているが、これとは逆に、常態では4軸用の第2の位置へ付勢し、移動手段の動作で2つのポケット部分を第1の位置へ移動させる構成も選択可能である。例えば上記形態であれば、旋回アームの側面に、突出したロッドが当接して旋回アームを互いの近接側に回転させる当接部を形成して、板バネやトーションスプリング等で第2の位置に付勢される両旋回アームを第1の位置に強制移動させる構造が考えられる。
また、この形態では旋回アームを水平旋回させてポケットの移動を図っているが、ポケット部分をシフト用シリンダのロッドの進退方向と交差する方向で直線移動可能として互いの近接位置(5軸対応位置)に付勢し、ロッドの前進によるローラの割り込みで互いに離反して4軸対応位置に移動させるような構造も採用可能である。この場合、5軸と4軸とが同一円上にある場合も対応できる。よって、ポケットの形態が5軸と4軸とで同じであれば位置調整ピンを省略しても良い。
その他、割り込み部材としてはローラを備えたロッドに限らず、テーパ状の楔部材等とすることもできるし、旋回アーム毎に複数設けることもできる。また、割り込み部材の作動もエア駆動に限らず、油圧やソレノイド、ラックとギヤ等の他の機構を採用しても差し支えない。これはガイドスライダの場合も同様である。
その他、割り込み部材としてはローラを備えたロッドに限らず、テーパ状の楔部材等とすることもできるし、旋回アーム毎に複数設けることもできる。また、割り込み部材の作動もエア駆動に限らず、油圧やソレノイド、ラックとギヤ等の他の機構を採用しても差し支えない。これはガイドスライダの場合も同様である。
1・・ナット整列機、2・・機台、3,4・・ナットフィーダ、5・・テーブルユニット、7,8・・直進フィーダ、10・・起動スイッチ、13・・フレーム、16・・固定板、17・・回転軸、20・・テーブル、22・・開放部、23・・ホルダ、26・・旋回アーム、29・・凹部、32・・シフト用シリンダ、34・・ローラ、36・・ガイドスライダ、38,39・・位置調整ピン、40・・押し上げシリンダ、50・・仮締め機、54・・ソケット。N1・・袋ナット、N2・・貫通ナット。
Claims (3)
- 外周に、ナットを1つ収容可能な5つの5軸用ポケットを、回転中心と同心円の正五角形の頂点に夫々形成して任意の角度を水平回転可能としたテーブルと、そのテーブルの外周側の所定位置からナットを一つずつ供給可能なナット供給手段と、を備え、前記テーブルの回転制御により、前記ナット供給手段から供給されるナットを前記各5軸用ポケットへ順に供給可能としたナット整列機であって、
前記テーブルの外周に、1の5軸用ポケットを中心とした対称位置で、且つ中心間を結ぶ弧の中心角が90度となる位置に、ナットを1つ収容可能な一対の4軸用ポケットを夫々形成し、
前記1の5軸用ポケットと前記テーブルの回転中心を挟んで反対側に位置する2つの5軸用ポケット部分を、前記テーブル内で、前記正五角形の頂点に位置する第1の位置と、前記一対の4軸用ポケットと共に正方形の頂点に位置する第2の位置とに夫々独立して移動可能とすると共に、常態では付勢手段によって前記2つの5軸用ポケット部分を共に前記第1の位置と第2の位置との何れか一方の位置に付勢する一方、前記2つの5軸用ポケット部分を共に他方の位置へ強制的に移動させる移動手段を設けて、
前記移動手段の動作の選択により、前記2つの5軸用ポケット部分を前記第1の位置に位置させた際には5つのナットを正五角形の頂点位置に、前記第2の位置に位置させた際には4つのナットを正方形の頂点位置に夫々配置可能としたことを特徴とするナット整列機。 - 2つの5軸用ポケット部分が、テーブルに夫々水平旋回可能に設けられ、常態で互いに近接する第1の位置へ付勢される旋回アームであり、移動手段は、前記テーブルの外周側から前記両旋回アームの間に突出する前進位置と、前記両旋回アーム間から離脱する後退位置との間で進退動可能で、前記前進位置で前記両旋回アームを互いに離反する第2の位置へ旋回させる割り込み部材である請求項1に記載のナット整列機。
- ナット供給手段が複数備えられる請求項1又は2に記載のナット整列機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005327935A JP2007130732A (ja) | 2005-11-11 | 2005-11-11 | ナット整列機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005327935A JP2007130732A (ja) | 2005-11-11 | 2005-11-11 | ナット整列機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007130732A true JP2007130732A (ja) | 2007-05-31 |
Family
ID=38152803
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007130732A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010240757A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Honda Motor Co Ltd | ワーク整列システムおよびワーク移動方法 |
CN106044169A (zh) * | 2016-07-26 | 2016-10-26 | 迈飞特自动化技术(苏州)有限公司 | 一种用于紧固件的智能分料机构 |
KR101797634B1 (ko) | 2014-07-02 | 2017-11-15 | 오타케 루트 코교 컴퍼니 리미티드 | 나사 공급기의 나사 커팅 기구 |
KR20190005282A (ko) * | 2017-07-05 | 2019-01-16 | 주식회사 유진코 메탈 | 볼트 너트 체결 장치 |
-
2005
- 2005-11-11 JP JP2005327935A patent/JP2007130732A/ja active Pending
Cited By (5)
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KR101960065B1 (ko) | 2017-07-05 | 2019-03-21 | 주식회사 유진코 메탈 | 볼트 너트 체결 장치 |
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