JP2007130143A - 食器洗浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄槽内に加熱水蒸気を供給するためのスチーム工程を実行可能な構造を、容積効率の悪化を伴うことなく実現すること。
【解決手段】アルミニウム製のスチーム生成ユニット40は、洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間の空間部(隙間)に配置される。このスチーム生成ユニット40は、上面に給水口44及び蒸気吐出口45を備えた密閉容器状に形成され、底部にシーズヒータが埋め込み状に設けられおり、内部で加熱水蒸気を生成する。給水口44は、チューブ56を介して給水弁に連結され、蒸気吐出口45は、洗浄槽12内に開口するように形成された噴出口57にチューブ58を介して連結される。
【選択図】図1

Description

本発明は、外箱内に、洗浄槽及びこの洗浄槽内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための洗浄手段を設けた食器洗浄機、特には、洗浄槽内に加熱水蒸気を供給する機能を備えた食器洗浄機に関する。
家庭用の食器洗浄機は、洗浄槽内に貯留された洗浄水を洗浄ポンプで汲み上げ、噴射ノズルから噴射させることにより食器類の汚れを洗い落とすようになっている。また、洗浄工程の実行前に、洗浄槽内に加熱水蒸気を供給するというスチーム工程を予洗い工程として実行し、これにより、食器類にこびりついた汚れを膨潤して洗浄工程での洗浄効率を高めるようにした食器洗浄機が提供されている。このようなスチーム工程を実行するために、従来では、例えば特許文献1に見られるように、外箱内における洗浄槽の側面部に貯水室及びこの貯水室内の水を加熱するヒータを備えたスチーム発生装置を配置することが行われている。
特開平2−82930号公報
近年の食器洗浄機においては、その容積効率(外箱の容積(外形寸法)に対する洗浄槽の容積の比率)を高めることが要求されている。このため、従来のように、外箱内における洗浄槽の側面にスチーム発生装置を配置する構成では、容積効率が悪化して外形寸法に比べて洗浄槽が狭くなるという問題点が出てくる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄槽内に加熱水蒸気を供給するためのスチーム工程を実行可能な構造を、容積効率の悪化を伴うことなく実現できる食器洗浄機を提供することにある。
請求項1記載の発明は、外箱内に、洗浄槽及びこの洗浄槽内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための洗浄手段を設けた食器洗浄機において、
給水口及び蒸気吐出口を備えた密閉容器状に形成され、前記洗浄槽底部と前記外箱底部との間の空間部に配置されたスチーム生成ユニットと、前記空間部に前記スチーム生成ユニットを加熱可能に配置された熱源と、前記洗浄槽に、その槽内に開口するように形成された噴出口とを備えた上で、
前記スチーム生成ユニット内に前記給水口を通じて供給した水を前記熱源により加熱することによって生成した水蒸気を、前記蒸気吐出口から前記噴出口を通じて前記洗浄槽内へ供給する構成としたものである。
外箱内に、洗浄槽及びこの洗浄槽内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための洗浄手段を設けた食器洗浄機においては、洗浄槽底部と外箱底部との間に、デッドスペースとなる空間部(隙間)が存在するという事情がある。請求項1記載の手段では、給水口及び蒸気吐出口を備えた密閉容器状に形成されたスチーム生成ユニット及びこのスチーム生成ユニットを加熱可能な熱源を、上記デッドスペースとなる空間部に配置する構成となっているから、それらスチーム生成ユニット及び熱源の存在が、洗浄槽に係る容積効率の悪化原因になる恐れがなくなる。また、このようなスチーム生成ユニット内で水を加熱することにより生成した水蒸気を、洗浄槽内に開口するように形成された噴出口を通じて当該洗浄槽内へ供給する構成となっているから、結果的に、洗浄槽内に加熱水蒸気を供給するためのスチーム工程を実行可能な構造を、容積効率の悪化を伴うことなく実現できるようになる。
以下、本発明を家庭用の食器洗浄機に適用した一実施例について図面を参照しながら説明する。
図3には食器洗浄機11の外観が示されている。この図3において、食器洗浄機11は、内部に洗浄槽(図1及び図2に符号12を付して示す)が設置された外箱13、この外箱13の前面に洗浄槽12が有する前部開口を開閉するために設けられた下部扉14及び上部扉15、下部扉14の下方に設けられた操作パネル16を備えた構成となっている。尚、操作パネル16には、各種のスイッチや表示部などが設けられている。
下部扉14は、その下端部において外箱13に軸支され、上部扉15は、その上端部において外箱13に軸支されており、図示しないリンク機構により互いに連動してそれぞれ下方及び上方へ回動するように構成されている。また、下部扉14及び上部扉15は、その閉鎖状態が図示しないロック機構により保持される構成となっており、下部扉14の前面には、当該ロック機構をアンロックするための押しボタン17が設けられている。これらの構成により、両扉14及び15は、押しボタン17を押圧操作し、下部扉14を手前に引き下げることにより開放されるようになっている。尚、上部扉15には、洗浄槽12内の水蒸気を排出するための排気口18が設けられている。
図1には食器洗浄機11の縦断面構造が示され、図2には下部扉14及び上部扉15を開放した状態での食器洗浄機11の外観が示されている。これら図1及び図2において、洗浄槽12の内部には上下2個の食器かご19a、19bが出し入れ可能に収容されている。尚、洗浄槽12は、少なくとも底壁部分が合成樹脂により形成されるものである。
洗浄槽12内の奥壁には、食器かご19a、19b内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための噴射ノズル20(洗浄手段に相当)が固定されている。この噴射ノズル20は、洗浄槽12の奥壁に沿って左右に延びる帯状の中空部材20aの前面に複数の噴射孔20bを形成した構成となっている。中空部材20aの途中部には、洗浄槽12の下部まで延びる筒状部21が一体的に連通されている。さらに、洗浄槽12内の底部には、食器かご19a、19b内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための2個の回転式噴射ノズル22(洗浄手段に相当)が左右に並んで設けられている。これら噴射ノズル22は、洗浄水噴射の反動で自己回転する構造のもので、中空状のアーム部22aの上面に複数の噴射孔22bを形成した構成となっており、そのアーム部22aの基端部はアーム支え23に回転自在に接続されている。
前記洗浄槽12の底部における前部(手前側)には貯水部24が陥没形成されている。この貯水部の右方部は浅底に形成されており、この浅底部には、洗浄水の加熱及び乾燥運転用のシーズヒータ25が配置されている。また、貯水部24には、その左方側の底部(深底部)に取り外し可能な残滓フィルタ26が配置され、シーズヒータ25の上方位置には多孔板から成る保護カバー27が被せられている。
洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間の空間部には、洗浄ポンプ及び排水ポンプを兼用するポンプ28並びに送風機29が配設されている。詳しい説明は省略するが、ポンプ28は、洗浄用インペラ及び排水用インペラ(何れも図示せず)を収容するケーシング30と、それら洗浄用及び排水用インペラを回転駆動するポンプモータ(図示せず)とを備えている。ポンプ28は、ポンプモータが正方向に回転するときは例えば洗浄用インペラが機能し、排水用インペラは機能しないようになっている。これに対してポンプモータが逆方向に回転するときは排水用インペラが機能し、洗浄用インペラは機能しないようになっている。つまり、ポンプ28は、ポンプモータの回転方向を切り替えることにより洗浄用ポンプとして機能する状態と排水用ポンプとして機能する状態とに切り替え可能に構成されている。
前記ケーシング30の上部には洗浄用吐出口(図示せず)が設けられており、その吐出口は配水管31a、31bを介して前記アーム支え23及び筒状部21の各下部にそれぞれ接続されている。ケーシング30の側部には排水用吐出口(図示せず)が設けられており、その吐出口には排水ホース32が接続されている。この排水ホース32は、洗浄槽12内の最高水位よりも高い位置を経由させて外箱13の後部寄り部位の下部から外部に引き出されている。
ケーシング30の底部には筒状部33が一体的に連通されており、この筒状部33は、横方向に延びる接続管34を介して貯水部24の下端部(残滓フィルタ26が配置された深底部)に連通されている。図示しないが、ケーシング30の下部のうち筒状部33内と対応する位置には洗浄用吸入口及び排出用吸入口が形成されている。一方、接続管34の内部は洗浄用水路と排水路とに区画されており、洗浄用水路の端部は上記洗浄用吸入口に連通し、排水路の端部は上記排水用吸入口に連通している。
この場合、ポンプ28が排水ポンプとして機能するときは、貯水部24内の洗浄水は、接続管34内の排水路を通り前記排水用吸入口からケーシング30内に吸入された後、そのケーシング30の側部に設けられた排水用吐出口から排水ホース32を経て外部に排出される。これに対して、ポンプ28が洗浄ポンプとして機能するときは、貯水部24内の洗浄水は、接続管34内の洗浄用水路を通り前記洗浄用吸入口からケーシング30内に吸入される。このように吸入された洗浄水は、ケーシング30の上部に設けられた洗浄用吐出口から配水管31a、31bに吐出され、噴射ノズル20、22から洗浄槽12内に噴射される。
前記送風機29は、洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間の空間部のうち前記シーズヒータ25の近傍に配置されている。この送風機29は、ケーシング35内に収容されたファン及びファンモータ(何れも図示せず)から構成されており、そのケーシング35は、送風管36を介して洗浄槽12内のシーズヒータ25近傍に連通されている。
前記洗浄槽12の底部の後部中央には給水口体37が設けられている。この給水口体37は、洗浄槽12の底部を上下方向に貫通した形態で一体的に形成された筒状部37aと、この筒状部37aの上部をこれと所定の隙間を存した状態で覆うカバー37bとから構成されている。また、筒状部37aの下部には給水弁38を介して給水配管39が接続されている。上記給水配管39は、外箱13の後部寄り部位の下部を貫通して外箱13の外部に引き出されており、その引き出し端部は給水ホース(図示せず)を介して水道などの給水源に接続されるようになっている。
さて、洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間の空間部には、本発明の要旨に関係したスチーム生成ユニット40が配置されており、以下、このスチーム生成ユニット40及び関連部分の構成について説明する。尚、スチーム生成ユニット40は、洗浄槽12の底部に対して取り付け固定されるものであるが、その配置状態を示されている図1においては、図面の煩雑化を避けるために、スチーム生成ユニット40の取り付け構造の図示を省略している。但し、当該取り付け固定構造については、後で別図(図9)を参照して説明する。
即ち、図5、図6及び図7には、スチーム生成ユニット40についての斜視図及び縦断面図がそれぞれ示され、図8にはスチーム生成ユニット40の本体部41の下面図及び斜視図がそれぞれ示されている。
これら図5〜図8において、スチーム生成ユニット40は、扁平な矩形(長方形)容器状に形成された本体部41に対して、その上面開口部を閉鎖するための矩形状蓋部42をねじ止めにより固定した構造となっている。この場合、スチーム生成ユニット40にあっては、本体部41と蓋部42との間の当接部の全周に矩形枠状の耐熱パッキン43を介在させることにより、幅寸法及び奥行き寸法に比べて高さ寸法が相対的に低い形態の密閉容器状に形成されている。尚、本体部41及び蓋部42は、熱伝導性が良好な金属である例えばアルミニウムのダイカスト成型により形成されている。
本体部41内の凹部は、加熱水蒸気生成用の加熱皿41aとして機能するものであり、蓋部42における上記加熱皿41aに上方から臨む位置には、給水口44及び蒸気吐出口45が当該蓋部42の長手方向へ互いに離間した状態で形成されている。これら給水口44及び蒸気吐出口45は、蓋部42の上面から上方へ突出するように一体形成された筒状体44a及び45aをそれぞれ備えた構造とされており、この場合、筒状体44aの内径(給水口44の直径)が比較的小さい形状とされているのに対して、筒状体45aの内径(蒸気吐出口45の直径)が比較的大きい形状とされている。
また、蓋部42の下面における給水口44と対応した位置には、当該給水口44を加熱皿41a方向から囲った形態とされた断面半円弧形状の隔壁部44bが下方へ突出するように一体形成されている。さらに、蓋部42の上面には、スチーム生成ユニット40の取り付け固定に使用される例えば4個のボス部46が一体形成されている。
本体部41において、その加熱皿41aの底部(スチーム生成ユニット40の内底部に相当)は、前記給水口44側から前記蒸気吐出口45側へ向かうに従って下降傾斜された形状に形成されている。また、加熱皿41aの底部には、給水口44に下方から対向する部位に他の部位より立ち上がった形態の段部41bが形成されており、この段部41bの上面は加熱皿41aの中央部方向に向かうに従って下降傾斜した構造とされている。
本体部41の底壁部には、U字形状のシーズヒータ47(熱源に相当)が埋め込み状に取り付けられて一体化されている。このシーズヒータ47は、本体部41の周辺部に沿った形態で配置されるものであり、両端の電源端子47a、47aが、本体部41の側面(前記段部41b側の面)から外部に突出されている。尚、前記蒸気吐出口45は、シーズヒータ47の円弧状屈曲部の中心とほぼ対応した位置、つまり、スチーム生成ユニット40においてシーズヒータ47による加熱エネルギが最も集中する部位と対応した位置に設けられることになる。
本体部41における加熱皿41aの底部中央には、その長手方向へ延びる放熱フィン48が一体的に立設されている。また、本体部41の外底面の中央部には、放熱フィン48内まで到達する孔部(図示せず)が形成されており、一方の孔部内には、スチーム生成ユニット40の底部温度、つまり加熱皿41aの温度を検知するためのサーミスタ49(温度センサに相当)が収納される。また、他方の孔部には、サーミスタ49の脱落防止用の押え板50を固定するためのタッピンねじ51がねじ込まれる構成となっている。尚、本体部41における加熱皿41aの両側部には、前記放熱フィン48と直交した配置の複数枚の放熱フィン52が一体形成されている。
本体部41には、前記蒸気吐出口45と対応した位置の両側に一対のフランジ部53及び54が一体に突出形成されており、これらフランジ部53及び54の各下面には、温度ヒューズ53a及び54a(図5のみに図示)が伝熱的に取り付けられている。尚、これら温度ヒューズ53a及び54aは、前記シーズヒータ47に対する給電路に直列に介挿されるものである。
上記のような構成とされたスチーム生成ユニット40にあっては、シーズヒータ47の通電状態で、給水口44から水を供給すると、その水が加熱皿41a内に流入して加熱されることにより水蒸気が生成されるものであり、その加熱水蒸気が蒸気吐出口45から吐出されることになる。
図1に示すように、スチーム生成ユニット40は、洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間の空間部に水平状態(加熱皿41aの底部が給水口44側から蒸気吐出口45側へ向かうに従って下降傾斜した状態)で配置されるものであり、シーズヒータ47の電源端子47a、47aが、上記空間部における前方寄り位置(操作パネル16の裏側)に配置された制御回路ユニット55(制御手段に相当)に対して、前記温度ヒューズ53a及び54aを直列に介して接続されている(接続用リード線は図示せず)。
この場合、スチーム生成ユニット40の給水口44(特には筒状体44a)が、可撓性及び200℃程度の耐熱性を備えたチューブ56を介して図示しない給水弁(給水手段に相当)に連結されている。また、図4に拡大して示すように、洗浄槽12には、当該洗浄槽12の底部を上下に貫通した形態の筒状部材57aにより形成された噴出口57が設けられており、その筒状部材57aの下端部(洗浄槽12の底部から下方へ突出した部分)に対して、スチーム生成ユニット40の蒸気吐出口45(特には、筒状体45a)が、可撓性及び200℃程度の耐熱性を備えたチューブ58を介して連結されている。
この場合、上記筒状部材57aの洗浄槽12内への突出部分には、その筒状部材57aの上端開口部(つまり、噴出口57)を上方から覆い、且つ当該上端開口部より下方の位置に水蒸気通路となる開口部59aが形成されたカバー部材59が設けられている。このカバー部材59は、洗浄槽12の底部に一体的に立設されたボス部12aに対して、ねじ止めにより固定されるものであるが、そのねじ止め時には、筒状部材57aを共締めする構成となっている。尚、筒状部材57aは、抜け止め用のフランジ部57bを備えており、そのフランジ部57bと洗浄槽12の底部との間には、シール用のOリング57cが介在される。
図9には、スチーム生成ユニット40及びシーズヒータ47の一体化物の取り付け固定構造が分解斜視図により示されており、以下これについて説明する。尚、図9では、スチーム生成ユニット40に取り付けられている温度ヒューズ53a、53b(図5参照)の図示を省略している。
即ち、図9において、例えば鉄板を加工して形成された第1支持板60(支持部材に相当)には、スチーム生成ユニット40の上面形状に対応した矩形枠部60aと、この矩形枠部60aの3箇所から外側方向へ突出された3個のアーム部60bとを一体に備えた形状となっている。この第1支持板60は、矩形枠部60aをスチーム生成ユニット40の蓋部42が有する4個のボス部46に対してねじ止めすることにより、当該スチーム生成ユニット40の上面に固定される。
例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)のような耐熱合成樹脂により形成された第2支持板61(支持部材に相当)は、洗浄槽12の底面外部に一体に突出形成された複数個のボス部12bに対してねじ止めにより固定される。
前記第1支持板60は、第2支持板61の底面外部に一体に突出形成された複数個のボス部(図示せず)に対してねじ止めにより固定される。この場合、スチーム生成ユニット40からの熱は、第1支持板60のアーム部60bを介して第2支持板61に伝えられることになるから、その熱伝導がアーム部60bの存在並びに第2支持板61で得られる断熱機能により抑止されることになる。また、第1支持板60の固定時には、スチーム生成ユニット40からの輻射熱を遮るための第1遮熱板62が共締めされるものであり、この第1遮熱板62は、スチーム生成ユニット40を上面、側面及び背面から覆う形状とされている。さらに、スチーム生成ユニット40を下方側から覆う形態の第2遮熱板63も用意されるものであり、この第2遮熱板63は、洗浄槽12の底面外部に一体に突出形成された複数個のボス部12cに対してねじ止めにより固定される。
一方、図10のフローチャートには、前記制御回路ユニット55による制御内容のうち本発明の要旨に関係した部分が示されており、以下これについて関連した作用と共に説明する。
即ち、図10は、洗浄工程に先立って行われるスチーム工程用制御ルーチンを示すものであり、この制御ルーチンでは、まず、シーズヒータ47に対する通電を開始すると共に、スチーム生成ユニット40の給水口44に接続された図示しない給水弁を所定時間(例えば1秒間)だけ駆動する(ステップS1、S2)。これにより、スチーム生成ユニット40内の加熱皿41a内に流入した水が加熱されて水蒸気が生成されるものであり、その加熱水蒸気は、蒸気吐出口45からチューブ58及び噴出口57を介して洗浄槽12内に供給される。
この後には、シーズヒータ47の通電開始後に、スチーム工程の設定継続時間に対応した例えば5分以上経過したか否かを判断する(ステップS3)。5分以上が経過していない状態では、サーミスタ49による検知温度(つまり、スチーム生成ユニット40の底部温度)が予め設定された基準温度(例えば110℃)以上なったか否かを判断するステップS4を、検知温度≧基準温度の関係になるまで反復実行する。
サーミスタ49による検知温度が基準温度以上となったときには、前記図示しない給水弁を1秒間だけ駆動し(ステップS5)、この後に例えば10秒が経過するまで待機するステップS6を実行した後に前記ステップS3へ戻る。つまり、スチーム生成ユニット40に供給された水が全て蒸発したと想定される場合には、加熱皿41a内に新たに水が供給されるものであり、これにより洗浄槽12内への加熱水蒸気の供給が継続される。また、給水弁の駆動後に10秒間の待機時間を経た後、つまり、加熱皿41aへの給水に応じてサーミスタ49による検知温度が110℃以下に確実に下がった後にステップS3、S4が実行されることになるから、ステップS5による給水動作が不要に行われる事態を未然に防止できる。
一方、シーズヒータ47の通電開始後に5分以上経過したとき(ステップS3:YES)には、シーズヒータ47を断電するステップS7を実行した後にスチーム工程用制御ルーチンを終了する。
要するに、図11のタイミングチャートに示すように、上記制御ルーチンでは、その開始後にシーズヒータ47が5分間だけ連続的に通電されると共に、その通電期間において、スチーム生成ユニット40の加熱皿41a内に水を供給するための図示しない給水弁が1秒間ずつ間欠的に駆動されるものであり、これに応じて洗浄槽12内に加熱水蒸気が連続的に供給されるようになる。尚、図11中には、サーミスタ49による検知温度と基準温度との関係も併せて示されている。
上記した本実施例の構成によれば以下に述べるような作用・効果を奏することができる。
即ち、本実施例のように、外箱13内に、洗浄槽12及びこの洗浄槽12内の食器かご19a、19bに収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための噴射ノズル20及び22を設けた食器洗浄機11においては、洗浄槽12の底部と外箱13の底部との間に、デッドスペースとなる空間部(隙間)が存在するという事情がある。本実施例では、給水口44及び蒸気吐出口45を備えた密閉容器状に形成されたアルミニウム製のスチーム生成ユニット40及び当該ユニット40を加熱可能なシーズヒータ47の一体物を、上記デッドスペースとなる空間部に配置する構成となっているから、それらスチーム生成ユニット40及びシーズヒータ47の存在が、洗浄槽12に係る容積効率の悪化原因になる恐れがなくなる。また、このようなスチーム生成ユニット40内において給水口44から供給された水を加熱することにより生成した水蒸気を、蒸気吐出口45及び洗浄槽12内に開口された噴出口57を通じて当該洗浄槽12内へ供給する構成となっているから、結果的に、洗浄効率の向上のために洗浄槽12内に加熱水蒸気を供給するというスチーム工程を実行可能な構造を、容積効率の悪化を伴うことなく実現できるようになる。
この場合、スチーム生成ユニット40の給水口44及び蒸気吐出口45と図示しない給水弁及び噴出口57との各間は、可撓性及耐熱性を備えたチューブ56や58を介して連結されているから、スチーム生成ユニット40の配置に係る自由度を、上記図示しない給水弁及び噴出口57の位置に大きな影響を受けることなく高め得ると共に、スチーム生成ユニット40のための配管構造を単純化できるようになる。
本実施例では、スチーム生成ユニット40は、加熱皿41aを備えた容器状の本体部41と、この本体部41の上面開口部を気密に閉鎖する蓋部42とにより構成され、その蓋部42側(つまり、スチーム生成ユニット40の上面側)に、それぞれ筒状体44a及び45aを備えた前記給水口44及び蒸気吐出口45を設けた構成となっている。このため、特に蒸気吐出口45については、その筒状体44aと、洗浄槽12側の噴出口を構成する筒状部材の下端部(洗浄槽12の底部から下方へ突出した部分)との間のチューブ58による連結を容易に行い得るようになると共に、当該チューブ58を通じた加熱水蒸気の流れを良好な状態に保ち得るようになる。因みに、蒸気吐出口45がスチーム生成ユニット40の下面側に設けられている構造を仮定した場合、この構造では、チューブ58がU字状の配置になるため、その最下部となる途中部分に結露水が溜まり易くなって、加熱水蒸気の流れが悪くなる、という問題点が出てくる。尚、筒状体44a及び45aは、蓋部42の上面と直交した形態で設ければ良いから、当該蓋部42をダイカスト成型する際の型構造が複雑化する恐れもなくなる。
スチーム生成ユニット40の本体部41は扁平な矩形(長方形)容器状に形成され、その本体部41内の凹部が加熱水蒸気生成用の加熱皿41aとして機能するように構成されており、これにより、当該加熱皿41aは、スチーム生成ユニット40の長手方向に延びた形状となっている。また、給水口44及び蒸気吐出口45が、加熱皿41aに上方から臨む位置に長手方向へ互いに離間した状態で形成されていると共に、加熱皿41aの底部は給水口44側から蒸気吐出口45側へ向かうに従って下降傾斜された形状に形成されている。従って、給水口44から加熱皿41aへ流入する水が当該加熱皿41aの全体に速やかに広がるようになるから、加熱皿41aの裏側に位置するシーズヒータ47による水蒸気生成効率が向上するようになり、結果的に、大量の加熱水蒸気を迅速に発生させ得るようになる。また、加熱皿41aには、放熱フィン48及び52が一体形成されているから、加熱水蒸気の生成効率を上げる上で有益になると共に、生成された加熱水蒸気の再加熱機能も得られるようになる。
加熱皿41aの底部には、給水口44に下方から対向する部位に他の部位より立ち上がった形態の段部41bが形成されているから、加熱皿41a内の加熱水が突沸して給水口44の周辺に飛び散る事態が極力抑制されるようになる。従って、給水口44の周辺に、加熱水に含まれる炭酸カルシウムなどによるスケールが生成される事態(ひいては給水口44が詰まる事態)を防止する上で有益になる。また、蓋部42の下面における給水口44と対応した位置には、当該給水口44を加熱皿41a方向から囲った形態とされた断面半円弧形状の隔壁部44bが下方へ突出するように一体形成されているから、この隔壁部44bが、給水口44の周辺に突沸水が飛散する事態を抑止するように機能し、上記のようなスケール生成の防止に寄与できる。尚、段部41bの上面は加熱皿41aの中央部方向に向かうに従って下降傾斜した構造に形成されているから、給水口44から流入する水が飛び跳ねを抑制できるようになる。
スチーム生成ユニット40で生成された加熱水蒸気を洗浄槽12内に供給するために設けられた噴出口57は、当該洗浄槽12の底部を上下方向に貫通した形態の筒状部材57aにより形成されている。この場合、筒状部材57aの洗浄槽12内への突出部分には、その筒状部材57aの上端開口部(つまり、噴出口57)を上方から覆い、且つ当該上端開口部より下方の位置に水蒸気通路となる開口部59aが形成されたカバー部材59を設けた構成となっているから、洗浄槽12内の洗浄水や泡が噴出口57を通じてスチーム生成ユニット40内に流れ込む恐れがなくなり、当該スチーム生成ユニット40の内部が汚れる事態を未然に防止できる。
シーズヒータ47を埋め込み状に組み付けた状態のスチーム生成ユニット40は、外箱13内の被取り付け部位(洗浄槽12の底面外部)に対して、熱伝導を抑止する形態の第1支持板2及び第2支持板61を介して取り付けられているから、少なくとも底壁部分が合成樹脂により形成された洗浄槽12に対して熱による悪影響が及ぶ事態を効果的に防止できるようになる。また、スチーム生成ユニット40からの輻射熱を遮るための第1遮熱板62及び第2遮熱板63が設けられているから、その輻射熱による悪影響が発生する事態を未然に防止できる。
スチーム生成ユニット40の蒸気吐出口45は、当該ユニット40においてシーズヒータ47による加熱エネルギが最も集中する部位と対応した位置に設けられているから、加熱皿41a内で生成された加熱水蒸気を蒸気吐出口45付近で最終加熱することができ、その蒸気吐出口45から、より高温で勢いがある加熱水蒸気を吐出可能になる。
制御回路ユニット55は、スチーム工程を実行する際に、シーズヒータ47を所定時間(例えば5分間)だけ連続的に通電すると共に、その通電期間において、スチーム生成ユニット40の加熱皿41a内に水を供給するための図示しない給水弁を1秒間ずつ間欠的に駆動する制御を行う構成となっているから、スチーム生成ユニット40内において、加熱水蒸気の生成を連続的且つ効率良く行い得るようになる。この結果、スチーム工程においては、洗浄槽12内に大量の加熱水蒸気を短時間で供給できることになるから、食器類にこびりついた汚れの膨潤効果(及び剥がし効果)が高められて、その後に行われる洗浄工程での洗浄効率を大幅に向上させ得るようになる。
また、このような制御を行うために必要となるサーミスタ49は、スチーム生成ユニット40の底部温度、つまり加熱皿41aの温度を検知する構成となっているから、加熱皿41a内の水の有無を正確に検知できるようになり、上記のようなスチーム工程を効率よく実行する上で有益になる。
その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
上記した実施例では、加熱皿41aの底部を、給水口44側から蒸気吐出口45側へ向かうに従って下降傾斜した構造に形成する構成としたが、このような傾斜状態は、スチーム生成ユニット40が所定位置に配置された状態で得られれば良いものであり、従って、スチーム生成ユニット40自体を斜めに配置する構成とする場合には、本実施例のような傾斜構造は不要である。
シーズヒータ47をスチーム生成ユニット40と一体的に設ける構成としたが、別体であっても良いことは勿論である。また、スチーム生成ユニット40をアルミニウムにより形成したが、他の金属製或いはセラミックス製であっても良いものである。
本発明の一実施例による食器洗浄機の縦断面図 扉を開放した状態での食器洗浄機の外観を示す斜視図 扉を閉鎖した状態での食器洗浄機の外観を示す斜視図 要部の拡大縦断面図 スチーム生成ユニットの斜視図 スチーム生成ユニットの縦断面図 スチーム生成ユニットの本体部の下面図 スチーム生成ユニットの本体部の斜視図 スチーム生成ユニットの取り付け固定構造を示す分解斜視図 制御回路ユニットによる制御内容を示すフローチャート 作用説明用のタイミングチャート
符号の説明
11は食器洗浄機、12は洗浄槽、13は外箱、14は下部扉、15は上部扉、20は噴射ノズル(洗浄手段)、22は回転式噴射ノズル(洗浄手段)、40はスチーム生成ユニット、41は本体部、41aは加熱皿、41bは段部、42は蓋部、43は耐熱パッキン、44は給水口、45は蒸気吐出口、47はシーズヒータ(熱源)、49はサーミスタ(温度センサ)、55は制御回路ユニット(制御手段)、56はチューブ、57は噴出口、57aは筒状部材、58はチューブ、59はカバー部材、59aは開口部、60は第1支持板(支持部材)、61は第2支持板(支持部材)を示す。

Claims (9)

  1. 外箱内に、洗浄槽及びこの洗浄槽内に収容された食器類に向けて洗浄水を噴射するための洗浄手段を設けた食器洗浄機において、
    給水口及び蒸気吐出口を備えた密閉容器状に形成され、前記洗浄槽底部と前記外箱底部との間の空間部に配置されたスチーム生成ユニットと、
    前記空間部に前記スチーム生成ユニットを加熱可能に配置された熱源と、
    前記洗浄槽に、その槽内に開口するように形成された噴出口と、
    を備え、
    前記スチーム生成ユニット内に前記給水口を通じて供給した水を前記熱源により加熱することによって生成した水蒸気を、前記蒸気吐出口から前記噴出口を通じて前記洗浄槽内へ供給する構成としたことを特徴とする食器洗浄機。
  2. 前記スチーム生成ユニットは、前記給水口を通じて供給される水が流入する容器状の本体部と、この本体部の上面開口部を気密に閉鎖する蓋部とにより構成され、
    前記給水口及び蒸気吐出口のうち、少なくとも蒸気吐出口が前記蓋部側に設けられることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
  3. 前記噴出口は、前記洗浄槽の底部を上下方向に貫通した形態の筒状部材により形成され、
    前記筒状部材の前記洗浄槽内への突出部分には、その筒状部材の上端開口部を上方から覆い、且つ当該上端開口部より下方の位置に水蒸気通路となる開口部が形成されたカバー部材が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の食器洗浄機。
  4. 前記熱源は前記スチーム生成ユニットに組み付けられて一体化され、これら一体化物は、前記外箱内の被取り付け部位に対して、熱伝導を抑止する形態の支持部材を介して取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の食器洗浄機。
  5. 前記スチーム生成ユニットの内底部は、当該ユニットが所定位置に配置された状態で前記給水口側から前記蒸気吐出口側へ向かうに従って下降傾斜された状態とされることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の食器洗浄機。
  6. 前記スチーム生成ユニットの内底部には、前記給水口に下方から対向する部位に他の部位より立ち上がった形態の段部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の食器洗浄機。
  7. 前記スチーム生成ユニットの前記蒸気吐出口は、当該ユニットにおいて前記熱源による加熱エネルギが最も集中する部位と対応した位置に設けられることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の食器洗浄機。
  8. 前記スチーム生成ユニットの温度を検知する温度センサと、
    前記スチーム生成ユニット内に前記給水口を通じて水を供給する給水手段と、
    前記温度センサによる検知温度が予め設定された基準温度を超える毎に、前記給水手段による給水動作を所定時間だけ実行する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の食器洗浄機。
  9. 前記温度センサは、前記スチーム生成ユニットの底部温度を検知する構成とされていることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の食器洗浄機。

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