JP2007129096A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試作段階において、クラックや剥離のない高信頼度な低抵抗配線を備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】まず、FIBによって所定のLSI配線11上の絶縁膜12を加工除去し、LSI配線11の表面を露出する接続穴13を形成する。続いて、第1のCVDガス雰囲気中でFIBを照射することによって接続穴13に例えばW(タングステン)を埋め込み、LSI配線11と電気的に接続されるコンタクト3を形成する。続いて、DMAu−TfacまたはHfacCu−tmvsの第2のCVDガス4雰囲気中でレーザ光5を重畳走査することによって、コンタクト3と電気的に低抵抗で接続されるAuまたはCuからなる導電性膜6を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、試作段階における半導体装置の製造に適用することで、半導体装置の開発期間の短縮に有効な技術に関するものである。
精密工学会第58巻第3号(平成4年3月5日)の「レーザCVDによる低抵抗配線の高速形成」(非特許文献1)には、LSIの回路変更に用いる補修配線の形成手段としてレーザCVDを用いる技術が開示されている。
また、日本国特許第2733244号(特許文献1)には、配線の下地膜を、FIB−CVD法によって形成する技術が開示されている。
また、“Combined experimental and modeling studies of laser-assisted chemical vapor deposition of copper from copper(1)-hexafluoroacetylacetonate trimethylvinylsilane”J.Appl.Phys.75(4),15 Feb 1994(非特許文献2)では、CVDガスにCu(hfac)tmvsを用いてCu膜のレーザCVD実験とモデリングの検討がなされている。
また、“Low Resistivity LCVD Direct Write Cu Conductor Lines For IC Customisation”Rhyscia Scripta.Vol.T69,237-241,1997(非特許文献3)では、ICのカスタム化に用いる低比抵抗Cu配線のレーザCVDの検討がなされている。
日本国特許第2733244号 「レーザCVDによる低抵抗配線の高速形成」精密工学会第58巻第3号(平成4年3月5日) "Combined experimental and modeling studies of laser-assisted chemical vapor deposition of copper from copper(1)-hexafluoroacetylacetonate trimethylvinylsilane"J.Appl.Phys.75(4),15 Feb 1994 "Low Resistivity LCVD Direct Write Cu Conductor Lines For IC Customisation"Rhyscia Scripta.Vol.T69,237-241,1997
試作段階のLSI(Large Scaled Integration)を任意に回路変更し、設計ミスやプロセス不良箇所の特定や、それらを補修して動作や特性を評価することは、LSIの開発期間短縮に有効である。この回路変更に用いる補修配線の形成手段としては、種々の方法がある。
補修配線の形成手段にレーザCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いる場合を、図12を参照して説明する。図12は、本発明者らが検討したLSIチップ上に形成したMo配線を模式的に示す説明図であり、(a)はCr下地膜がない場合、(b)はCr下地膜がある場合が示されている。
このレーザCVDでは、材料ガスである例えばMo(CO)雰囲気中でレーザを照射・走査し、それによって生じた熱により、Mo(CO)を分解して補修配線としてのMo(モリブデン)配線を形成することができる。しかし、形成されたMo配線は、LSI表面の汚染による密着性低下やMo膜中の残留応力により、図12(a)に示すようなクラックや剥離を生ずる場合がある。そこで、非特許文献1ではスパッタエッチによりLSI表面をクリーニングし、清浄化されたLSI表面にスパッタ成膜でCr(クロム)下地膜を形成し、Mo配線形成を行った後、不要なCr下地膜をスパッタエッチで除去することとしている。これにより、図12(b)に示すように、Cr下地膜無しではMo配線が剥離する条件で形成しても、剥離を生ずることが無くなる。
ところでレーザ照射の熱でMo(CO)を分解して形成した前述のMo配線には金属Mo以外に不純物としてMoOC(モリブデンオキシカーバイド)が含まれているため、比抵抗は20μΩ・cm以上で、金属Moのバルク値(5.4μΩ・cm)よりも4〜8倍と高く、低抵抗接続に適さないという問題がある。この対策として非特許文献1では、真空中でMo配線に再度レーザ照射するレーザアニールを行い、MoOCのOやCが除去することで、10μΩ・cm程度の比抵抗を得ている。
また特許文献1では、前述のMo配線形成前のスパッタ成膜によるCr下地膜形成を、第1のCVDガスを用いたFIB(集束イオンビーム)−CVDによる緩衝膜の局所形成後、第2のCVDガスを用いたレーザCVDにより緩衝膜上に補修配線を形成している。ここで、第1のCVDガスとして例えばCr(CO)等の金属カルボニル、ハロゲン化合物、アルキル化合物、第2のCVDガスとして例えばMo(CO)等の金属カルボニル、ハロゲン化合物、アルキル化合物を用いる。
前述の非特許文献1および特許文献1において、補修配線材料として用いたMoは、図13の表に示すように、配線材料と成り得るAl(アルミニウム)、Au(金)、Cu(銅)、Pt(白金)に比べて硬い材料である。同様に、W(タングステン)、Cr(クロム)も硬い材料である。補修配線を形成するために、CVDガスを熱分解して得られたMo、W、Crは、不純物としてオキシカーバイド(MoOC、WOC、CrOC)を含むため、より硬くて伸び率の低い膜となる。そのため、Cr下地膜や緩衝膜無しで配線形成を行うと、配線にクラックや剥離が生ずることとなる。
しかしながら、密着性向上のためのスパッタ成膜によるCr下地膜形成は、LSIチップ全面におよぶため、パッケージ品の場合、パッケージやチップの側壁およびボンディングワイヤの陰に付着したCr膜がMo配線形成後のスパッタエッチで除去しきれずに残り、短絡を生ずる問題がある。
また、FIB−CVDによる緩衝膜の局所形成では、レーザCVDの補修配線経路のみに緩衝膜を形成することができるため、短絡を生ずる恐れは無いが、FIB−CVDの成膜速度が著しく低く(3μm/min程度)、配線経路が長距離の場合には長時間(配線長1mmの場合、5.6Hr程度)を要することが問題となる。
本発明の目的は、クラックや剥離のない高信頼度な低抵抗配線を備えた半導体装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、クラックや剥離のない高信頼度な低抵抗配線を備えた半導体装置のデバックおよび不良解析を短時間で行うことのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による半導体装置の製造方法は、半導体基板の主面上に形成された複数の配線と、前記複数の配線を覆うように形成された絶縁膜とを備えた半導体装置の製造方法である。まず、FIBによって所定の前記配線上の前記絶縁膜を加工除去し、前記配線の表面を露出する接続穴を形成する。続いて、CVDガス雰囲気中でFIBを照射することによって前記接続穴に例えばW(タングステン)を埋め込み、前記配線と電気的に接続されるコンタクトを形成する。続いて、ジメチル金トリフルオロアセチルアセトネート、またはヘキサフルオロアセチルアセトネート銅トリメチルビニルシランの材料ガス雰囲気中でレーザ光を重畳走査することによって、前記コンタクトと電気的に低抵抗で接続されるAu、またはCuからなる導電性膜を形成する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明の半導体装置の製造技術によれば、クラックや剥離のない高信頼度な低抵抗配線を備えた半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、試作段階における例えばLSIなどの半導体装置のデバックあるいは不良解析に適用する場合について説明する。
まず、本発明の配線修正工程を図1〜図4を参照して説明する。図1〜図4は、配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。なお、図1〜図4中では、半導体基板100の主面にLSIが形成されているが、図示を省略している。
図1に示すように、半導体基板100の主面上に形成されている接続対象のLSI配線11上の絶縁膜12をFIB1で加工除去し、LSI配線11の表面を露出する接続穴13を形成する(工程1)。
続いて、図2に示すように、接続穴13にCVDガス(第1CVDガス)2雰囲気中でFIB1を照射し、導電性物質を埋め込み、LSI配線11と電気的に接続されるコンタクト3を形成する(工程2)。このCVDガス2には、例えばW(CO)(タングステンカルボニル)やメチルシクロペンタジエニルトリメチルPt等を適用し、コンタクト3は、W(タングステン)やPt(白金)の導電性物質(第1導電性物質)から構成される。
接続穴13の埋め込み時において、接続穴13よりも広い領域で且つレーザCVDによる補修配線経路方向に長くFIB1を走査すると、コンタクト3と次工程で形成する補修配線6aとの電気的接続がより低抵抗で確保される。なお、接続穴13の開口寸法が小さい場合やアスペクト比が高い場合には、穴埋めと接続穴13周辺への膜形成とを分けて行っても良い。逆に、接続穴13の開口寸法が大きく(≧□3μm)アスペクト比が低い場合(≦1.5)には、本工程を省略し、次工程のレーザCVDで穴埋めを行った後に補修配線形成を行っても良い。
続いて、図3に示すように、CVDガス(第2CVDガス)4雰囲気中でレーザ光5を相対的に走査し、第1層目の補修配線6aを形成する(工程3)。
このCVDガス4には、補修配線6aの材料がAuの場合には、ジメチル金アセチルアセトネート、ジメチル金トリフルオロアセチルアセトネート(以下、DMAu−Tfac)、ジメチル金ヘキサフルオロアセチルアセトネート等を用い得る。これらCVDガスの中で、特に、室温での蒸気圧が10Pa程度で比較的安全性の高いDMAu−Tfacが最も好適である。本実施の形態1では、CVDガス4にDMAu−Tfacを適用した場合、供給時において室温程度に加熱し、保管時において室温以下に冷却している。
また、補修配線6aの材料がCuの場合には、ビスヘキサフルオロアセチルアセトネート銅、シクロオクタジエン銅ヘキサフルオロアセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトネート銅トリメチルビニルシラン(以下、HfacCu−tmvs)、シクロペンタジエニル銅トリメチルフォスフィンを用い得る。これらCVDガスの中で、特に、室温での蒸気圧が10Pa程度で比較的安全性の高いHfacCu−tmvsが最も好適である。本実施の形態1では、CVDガス4にHfacCu−tmvsを適用した場合、供給時において室温程度に加熱し、保管時において室温以下に冷却している。
また、レーザ光5には、各種レーザを用いることが可能である。中でも、既存の光学顕微鏡用対物レンズを用いることができることから、可視光レーザ(例えば、Arレーザ、YAGレーザの第2高調波)が好適である。発振モードとしては、連続発振の方が成膜速度の点で有利である。
補修配線形成手順は、補修配線6a経路の始点となる接続穴13にレーザ照射開始後、所定の配線経路上を所定速度でレーザ光5を相対的に走査する。これにより、先ず接続穴13に埋め込んだ導電性物質がレーザ光5を吸収して発熱し、ここに触れたCVDガス4を分解してAuまたはCuからなる導電性膜(補修配線)6を形成する。次に、この導電性膜6がレーザ光5を吸収して発熱し、ここに触れたCVDガス4を分解し、レーザ走査に伴って導電性膜6を連続的に形成する。そして、配線経路の終点に達したところでレーザ照射を停止する。これにより、第1層目の補修配線6aが形成されたこととなる。
このように補修配線材料としてAuまたはCuを適用した場合、AuおよびCuは、展性・延性に優れた材料であり、前述の図13の表に示すように、AlやPt同様、柔らかい金属であるため、熱分解によって形成した膜であっても応力を吸収し、例えばCr下地膜なしでもクラックや剥離を生じることなく配線形成が可能となる。また、Al同様、バルクでの比抵抗が低いため、低抵抗の補修配線を得ることができる。
本発明では、クラック・剥離を生じずに低抵抗配線を形成可能ならば、レーザ光を配線経路上に重畳走査(=補修配線の重ね描き)することで、さらなる低抵抗配線が形成可能と考えた。この考えに基づいて、本願発明者らによる実験結果を以下に述べる。
図5は、HfacCu−tmvsのCVDガス(第2CVDガス)から重畳走査によって形成したCu配線を模式的に示す断面図である。図6は、HfacCu−tmvsのCVDガスから重畳走査によって形成したCu配線の特性を示す説明図であり、(a)は配線抵抗、(b)は比抵抗を示す。なお、CVDガスを、DMAu−Tfacとした場合も同様の特性を得ることができる。
図5に示すように、重畳走査によって配線の断面積が顕著に増加することが分かる。また、図6(b)に示すように、重畳走査によって配線の比抵抗が大幅に低減することも分かる。すなわち、レーザの重畳走査によって、配線が形成されると共に、既に形成された配線がアニールされていることが分かる。したがって、図5の配線断面図の増加と、図6(b)の配線比抵抗の低減との相乗効果によって、配線抵抗を図6(a)に示すように低減することができる。
以上のことから、図4に示すように、工程3を必要回数繰り返し、導電性膜6の膜厚を大きくする。具体的には、再び、補修配線経路の始点となる接続穴13に位置合わせ後、レーザ照射を開始し、前記同様に第1層目の補修配線6a経路上を所定速度でレーザ光5を相対的に走査する。これにより、第1層目の補修配線6aがレーザ照射によって加熱され、第1層目の補修配線6aをアニールによって比抵抗を低減すると共に、第1層目の補修配線6aに接触したCVDガス4を分解して第2層目の補修配線6bを形成する。これを必要回数、繰り返すことで補修配線6bの膜厚および断面積は大きくなり、比抵抗は小さくなる。
ここで、この重畳走査において、第2層目のレーザ走査は第1層目のレーザ走査に逆行し、第3層目のレーザ走査は第1層目のレーザ走査に同じとしても良く、始点に戻る必要が無い分、配線形成時間を短縮できる。すなわち、試作段階のLSIを任意に回路変更するに際し、デバックおよび不良解析を短時間で行うことができる。
また、各配線層形成時のレーザパワーおよび走査速度は一定でなくとも良い。例えば、LSIの最上層配線が微細配線で、この上に補修配線を形成する際、第1層目は低いレーザパワーで走査し、第2層目以降は高パワーで走査する。これにより、何らかの原因で補修配線6aが途切れても下層のLSI配線にレーザでダメージを与える恐れは無い。
また、レーザ照射による熱の拡がりが補修配線方向に主となるため、細い配線幅で形成でき、且つ複数の補修配線形成時、その間隔を小さく設定できる。さらに、本実施の形態1では、配線材料として比較的柔らかく、また伸び率の高いAuまたはCuの導電性物質からなる導電性膜6から補修配線6a、6bを構成するため、クラックや剥離のない補修配線6a、6bを備えた半導体装置を製造することができる。
また、本発明では、DMAu−Tfac、HfacCu−tmvsをCVDガス(第2CVDガス)として適用している。これらCVDガスの取り扱いとしては、例えば前述の非特許文献2に記載されているように、結露防止を目的としてCVDガスボンベを36℃に加熱すると共に供給配管とチャンバを38〜40℃程度に加熱して供給する方法や、例えば前述の非特許文献3に記載されているように、CVDガス材料を充填したバブラーの温度と圧力を調整することでガス供給量を制御する方法も考えられる。しかしながら、非特許文献2において、サンプルおよびその保持形態によっては、加熱が不均一で補修配線形成部にCVDガス材料が結露する可能性があり、また、ガス供給配管やチャンバを含めた全体が38〜40℃程度に達するまでに長時間を要してしまう。そこで、本発明では、DMAu−Tfac、HfacCu−tmvsをCVDガス4として適用する場合、これらCVDガス材料およびそのシリンダを、ガス供給時においては室温程度に加熱し、保管時においては室温以下に冷却している。この理由は、DMAu−Tfacは熱に対して特に不安定なため、低温(0℃以下)保存が必要であり、HfacCu−tmvsも分解温度が低い(〜50℃)ことから、ガス材料の長寿命化のためには低温保管が望ましいためである。以上のことから、本実施の形態1では、供給時においてのみ室温程度に加熱し、保管時においては室温以下に冷却することとした。また、前述の非特許文献2や非特許文献3では、CVDガスやバブラーを加熱して蒸気圧を高めている。そして、チャンバを排気しながらCVDガスを供給し、その状態でレーザCVDを行っている。これにより、レーザ照射部には常に新鮮なCVDガスが供給されることとなる。しかし、この方式では、CVDガスの消費量が大きく、CVDガス材料の劣化が早いと言った問題がある。これに対して本発明では、DMAu−TfacおよびHfacCu−tmvs共に、室温での蒸気圧は10Pa程度得られていることから、チャンバ内にCVDガスを供給・閉じ込めた状態でレーザCVDを行っている。チャンバを高真空に排気後、ガスシリンダのバルブを開くことにより、10分程度で8〜10Pa程度のCVDガス圧でチャンバを満たすことができる。室温以上にCVDガス材料を加熱することで、チャンバ内の蒸気圧は高く、高速に配線形成は可能であるが、本発明の8〜10Pa程度でも配線形成に十分適用することができる。
さらに、本発明では、例えば前述の非特許文献2および非特許文献3に記載されているようなHまたはHeのキャリアガスを適用していない。したがって、キャリアガスとしてHを適用する場合、Hが危険性の高いガスであり、最も考慮すべき安全対策を必要とするが、本発明では、Hに対する安全対策を取る必要がない。また、Hを用いなくても、重畳走査によって、配線抵抗を実用レベルまでに低減することができる。また、キャリアガスを適用する場合、補修配線が形成されるサンプル表面への材料ガス吸着確率(量)が減少し、デポレート(成膜速度)を低下させる可能性があるが、本発明では、デポレートを低下させずに、補修配線を形成することができ、さらに、配線経路が長距離の場合でも短時間で形成することができる。
さらにまた、前述のFIB−CVDに用いるCVDガス(第1CVDガス)を、本発明のレーザCVD用ガス(第1CVDガス)であるHfacCu−tmvsまたはDMAu−Tfacに替えても良い。特に、LSI配線がCuであるならば、HfacCu−tmvsを用いてコンタクト3をCuで形成することで、LSI配線から補修配線まで全てCuで接続されることとなり、異種金属介在による接続抵抗の上昇を防止できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1に係る半導体装置の製造技術に適用されるレーザCVD装置について図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係るレーザCVD装置の概略を示す説明図である。
図7のレーザCVD装置は、処理が行われるチャンバ21、チャンバ21内を排気する排気手段、チャンバ21内に原料ガス(CVDガス)を供給するガス供給手段、被対象物にレーザを照射するレーザ照射手段、レーザ照射手段を移動するための移動手段、およびそれぞれの手段を制御するための制御手段を備えている。
チャンバ21には、試料保持手段22、レーザ光導入窓23、圧力計24、排気ポート、ガス導入ポートが適宜配置されている。
排気手段として、高真空排気が可能な真空ポンプ31をバルブ32および配管33を介してチャンバに接続している。
ガス供給手段として、CVDガスを充填したガスシリンダ41をシリンダ冷却機能付きの保持手段42に固定し、バルブ43および配管44を介してチャンバ21に接続している。ここでのシリンダ冷却機能とは、温度によるCVDガスの劣化を抑制するために設けたもので、チャンバ21へのCVDガス導入時以外あるいは本装置の使用時以外は、ペルチェ素子などによりガスシリンダ41を0℃程度に冷却する。そして、CVDガス導入時あるいは本装置の使用時、ペルチェ素子への通電の極性を反転して室温に戻す。また、配線形成終了後のCVDガスパージおよび試料交換時のチャンバ21大気開放時のための不活性ガス供給手段として、バルブ45および配管46を介してチャンバ21に接続している。
レーザ照射手段は、レーザ発振器51、シャッタ52、レーザパワー調整手段53、パワーメータ54、導光ミラー55a、55b、観察光学系56、対物レンズ57a、57b、カメラ58で構成する。観察光学系56には、対物レンズ切換機構59と図示していない自動焦点合わせ機能を設けている。対物レンズ切換機構59には、倍率の異なる複数の対物レンズ57a、57bを装着し、制御部からのリモート制御により、対物レンズの切換を行う。補修配線形成時のレーザパワーは、パワーメータ54への導光ミラー55bをレーザ光路中に配置後、シャッタ52を開けてパワーメータ54にレーザ光50を照射する。この測定値と制御部に入力した設定値とを比較し、略等しくなるようにレーザパワー調整手段53からの透過光量を調整する。調整完了後、シャッタ52を閉じて導光ミラー55bを戻す。
移動手段は、ステージ61とリモートボックスを備えている。ステージ61は、位置検知手段を備え、前述のレーザ照射手段を搭載し、XYZの3軸方向に任意移動可能とする。この内、少なくとも1軸は試料交換時の障害とならない位置まで高速移動可能とする。また、リモートボックスは、ステージ61をXY方向に任意に移動させるためのジョイスティックコントローラ、レーザ照射手段のシャッタを開閉するためのスイッチを備えている。
制御手段は、種々の機能を備えた制御部と、この制御部からの画像出力を表示する画像表示手段で構成され、以下の手段1〜12を行うことができる。
手段1では、真空ポンプ31、各バルブ32、43、45、シリンダ冷却機能付きの保持手段42、レーザ発振器51、シャッタ52、レーザパワー調整手段53、対物レンズ切換機構59、自動焦点合わせ機能、XYZステージ61のリモート制御が可能で、圧力計24、パワーメータ54の測定値を取り込み可能とする。
手段2では、試料交換、チップアライメント、配線形成、電極パッド形成、メンテナンスと言った各処理毎の画面あるいはウィンドウを選択表示可能とし、各処理毎の入力は、当該画面あるいはウィンドウの表示手段時に可能とする。
手段3では、観察光学系に設けたカメラの画像信号を取り込み、手段2のチップアライメント、配線形成、電極パッド形成、メンテナンスと言った処理を行う際の画面あるいはウィンドウに、取り込んだ画像を表示する。
手段4では、手段3において、表示された画像の特定位置を指示することにより、XYZステージ座標を取り込み可能とする。
手段5では、手段2のチップアライメントにおいて、LSIチップ内の既知のチップ座標を有する3点に対応したXYZステージ座標を手段4で取り込み、チップ座標系を作成する。
手段6では、配線形成時や観察のためのXY方向へのステージ移動時等、ステージ座標値またはチップ座標値の何れかを入力することでステージ61を移動可能とする。また、ステージ61の相対移動量を入力することでも移動可能とする。
手段7では、配線経路の座標入力において、ステージ座標系あるいはチップ座標系の何れでも入力可能とし、手段4の操作により、表示画像から始点、折点、終点の座標入力も可能とする。
手段8では、手段7の表示画像から始点、折点、終点の各座標入力において、XY座標と共に、自動焦点合わせ機能の合焦位置におけるZ座標も取り込み、2点間の座標値からZ方向の直線補間処理を行う。Z方向の直線補間処理について図8を参照して説明する。図8は、直線補間機能の説明図である。なお、図8中では、Y方向(紙面に垂直方向)については省略している。
図8に示すように、半導体基板100は、A点およびB点の2点間の座標値から、X方向の距離XおよびZ方向の距離Zからなる傾きZ/Xを有している。傾いた状態の半導体基板100において、A点からB点へレーザ光5が走査する場合、レーザ光5が半導体基板100の主面に集束して照射されるように、傾きZ/Xに従ってX方向への移動速度に合わせてZ方向に連続的に移動させる。若しくは、X方向およびZ方向への移動量を細分化し、細分化された値(z/x)に応じて階段状に移動させる。このため、補修配線形成時、A点、B点の2点間をZ方向の直線補間しながらレーザ走査するため、焦点位置ズレによる補修配線の途切れを防止することができる。
手段9では、手段7の配線経路の座標入力において、始点および終点以外の座標は折点として円弧補間処理を行う。円弧の曲率は、任意設定可能とする。座標入力後、経路確認(表示画面上にレーザ照射位置を表示し、レーザ照射無しでステージ移動)を可能とする。円弧補間処理について図9を参照して説明する。図9は、円弧補間機能の説明図である。
図9に示すように、始点→折点8→終点から成る配線経路7に対し、折点8におけるレーザ走査の方向転換を円弧補間により、曲率Rを付けて曲がる。この曲率Rは、任意に指定可能とすることで、複数の補修配線6が込み入った場所においても、補修配線6同士が短絡することは無い。本発明の円弧補間を行わないで補修配線形成をした場合、レーザ走査は、始点から折点、折点から終点へと直線移動し、その都度、加速と減速を繰り返していたため、折点位置で瞬間的に速度0となる。この時もレーザ照射は継続しているため、局所的に膜厚が大きくなり、従来のMo、W、Cr等と言った配線材料ではクラックや剥離が生じ易い。しかしながら、本発明の円弧補間で方向転換することにより、一定速度で方向転換が可能となることから均一な膜厚が得られ、クラックや剥離は生じにくくなる。本発明の補修配線材料(AuまたはCu)では円弧補間無しでもクラックや剥離を生ずることはないが、LSIへの通電時に不均一膜厚部での電流集中による断線を防止するためには有効である。
手段10では、手段2の配線形成画面において、レーザ光の重畳走査回数の設定を可能とする。
手段11では、補修配線形成時、手段8および手段9のそれぞれの直線補間および円弧補間に基づいたステージ制御を行い、レーザ光を走査する。
手段12では、手段2の電極パッド形成画面において、電極パッド形成寸法入力と手段4の操作による電極パッド形成の開始位置を指定することにより、レーザ光のサーペンタイル走査方向を設定する。なお、チップ最上層に形成された幅広電源系配線上に電極パッドを形成し、両者間でコンデンサを形成することも可能である。
以上、本実施の形態2のレーザCVD装置では、ステージ61をXY方向に任意に移動させるためのジョイスティックコントローラ、およびレーザ照射手段のシャッタを開閉するためのスイッチを備えたリモートボックスを設けたことにより、補修配線経路が単純な場合に、その座標を制御部に入力することなく補修配線形成が可能で、作業時間の短縮を図ることができる。
また、CVDガスシリンダ41をシリンダ冷却機能付きの保持手段42に固定し、CVDガス導入時以外は低温保持するため、温度によって劣化しやすいCVDガス(例えば、DMAu−TfacやHfacCu−tmvs)の長寿命化を図ることができる。
また、補修配線形成時、各点間をZ軸方向の直線補間しながらレーザ走査するため、焦点位置ズレによる補修配線の途切れを防止できる。さらに、補修配線形成時、折点を円弧補間で方向転換することにより、一定速度で方向転換が可能となることから均一な膜厚が得られ、従来の配線材料に対してはクラックや剥離を防止でき、電流集中による断線を防止できる。
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、半導体基板の主面に形成された絶縁膜にFIB加工およびレーザCVDで回路変更のための補修配線を形成した半導体装置について説明した。本実施の形態3では、補修配線を形成後、補修配線およびFIB加工部を含む領域に例えばSOG、PIQなどの保護膜材料を塗布・ベークすることで、動作のみならず水分や熱等の各種環境に対する信頼性をも確保した半導体装置について説明する。
本実施の形態3に係る半導体装置の製造工程の要部を図10を参照して説明する。図10は、本実施の形態3に係る半導体装置を模式的に示す斜視図である。なお、図10には、半導体基板100の主面上にはLSI回路および多層配線が形成され、さらに、LSI回路および多層配線を覆うように例えばPIQ、フォトレジスト、SiNおよびSiOなどからなる保護膜71が形成されている。
図10に示すように、CVDガス雰囲気中のレーザ走査によって生じた熱/光エネルギで保護膜71に溝72形成されると共に、CVDガスが分解して金属を析出し、補修配線6を形成する。このように保護膜71に形成した溝72の中に補修配線6を形成するため、配線密着性を向上することができる。
レーザによる加工は、保護膜71がPIQの場合に可視レーザ光、フォトレジストの場合に紫外レーザ光、SiNの場合に355nm以下の紫外レーザ光、SiOの場合に200nm以下の紫外レーザ光を適用することができる。また、溝72の形成には、パルス発振のレーザ光を用い、補修配線6形成には、連続発振のレーザ光を用いることができる。なお、溝72と補修配線6の同時形成に限らず、溝72を形成した後、補修配線6を形成しても良い。また、CVDガス雰囲気中でレーザ走査する前に、真空または酸素を含む雰囲気中でレーザ走査することによって、より深い溝を形成した後に、補修配線6を形成しても良い。
続いて、補修配線6を覆うように、例えばPIQ、フォトレジスト、エポキシ樹脂、SiOおよび各種金属酸化膜(例えばTiO、TaO)などからなる保護膜73を形成する。このように補修配線6の保護膜73を形成することによって、半導体装置の動作のみならず水分や熱などの各種環境に対する信頼性をも確保することができる。
さらに、本実施の形態3では、図11(b)に示すように保護膜71に補修配線6を形成するのではなく、図11(a)に示すように保護膜71の溝72に補修配線6を形成している。このため保護膜71からの補修配線6の盛り上がりG1は、図11(b)の盛り上がりG2より低くすることができる。したがって、本発明では、補修配線6を覆うようにレジンモールドする場合、レジンに混合されたフィラーによって補修配線6が損傷するのを防止することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態の半導体装置は、各種LSI試作時のデバックや不良解析に適用可能であるが、形成した補修配線の信頼性が確保されるのであれば、修正したチップをワーキングサンプルとして顧客に出荷し、搭載機器のシステムデバッグを実施することも可能である。これにより、LSI開発に並行して搭載機器の開発期間も短縮することができる。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用されるものである。
本発明の実施の形態1に係る配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。 図1に続く配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。 図2に続く配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。 図3に続く配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。 HfacCu−tmvsのCVDガスから重畳走査によって形成したCu配線を模式的に示す断面図である。 HfacCu−tmvsのCVDガスから重畳走査によって形成したCu配線の特性を示す説明図であり、(a)は配線抵抗、(b)は比抵抗を示す。 本発明の実施の形態2に係るレーザCVD装置の概略を示す説明図である。 本発明の直線補間機能の説明図である。 本発明の円弧補間機能の説明図である。 本実施の形態3に係る半導体装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る配線修正工程中の半導体装置を模式的に示す断面図であり、(a)は保護膜の溝を含む補修配線が形成されている場合、(b)は保護膜上に補修配線が形成されている場合を示す。 本発明者らが検討したLSIチップ上に形成したMo配線を模式的に示す説明図であり、(a)はCr下地膜がない場合、(b)はCr下地膜がある場合である。 純金属の物性についての表である。
符号の説明
1 FIB
2 CVDガス(第1CVDガス)
3 コンタクト
4 CVDガス(第2CVDガス)
5 レーザ光
6 導電性膜(補修配線)
6a、6b 補修配線
7 配線経路
8 折点
10 絶縁膜
11 LSI配線
12 絶縁膜
13 接続穴
21 チャンバ
22 試料保持手段
23 レーザ光導入窓
24 圧力計
31 真空ポンプ
32 バルブ
33 配管
41 ガスシリンダ
42 保持手段
43 バルブ
44 配管
45 バルブ
46 配管
50 レーザ光
51 レーザ発振器
52 シャッタ
53 レーザパワー調節手段
54 パワーメータ
55a、55b 導光ミラー
56 観察光学系
57a、57b 対物レンズ
58 カメラ
59 対物レンズ切換機構
61 ステージ
71 保護膜(第1保護膜)
72 溝
73 保護膜(第2保護膜)
100 半導体基板
G1、G2 盛り上がり
R 曲率

Claims (5)

  1. 半導体基板の主面上に形成された複数の配線と、
    前記複数の配線を覆うように形成された絶縁膜とを備えた半導体装置の製造方法であって、
    (a)FIBによって所定の前記配線上の前記絶縁膜を加工除去し、前記配線の表面を露出する接続穴を形成する工程と、
    (b)第1CVDガス雰囲気中でFIBを照射することによって前記接続穴に第1導電性物質を埋め込み、前記配線と電気的に接続されるコンタクトを形成する工程と、
    (c)第2CVDガス雰囲気中でレーザ光を走査することによって、前記コンタクトと電気的に接続される第2導電性物質からなる導電性膜を形成する工程と、
    (d)前記工程(c)を繰り返す工程とを含み、
    前記第2導電性物質は、金または銅であり、
    前記第2CVDガスが、前記第2導電性物質を含んだ材料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記材料ガスが、ジメチル金トリフルオロアセチルアセトネート、またはヘキサフルオロアセチルアセトネート銅トリメチルビニルシランであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記導電性膜は、前記複数の配線の第1配線および第2配線を結ぶ補修配線であり、
    前記補修配線の一端と他端の2点間における前記半導体基板の主面と垂直なZ方向を直線補間しながら前記工程(c)が行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記導電性膜は、前記複数の配線の第1配線および第2配線を結ぶ補修配線であり、
    前記補修配線の一端と他端との間の折点は、円弧補間によって任意の曲率で方向転換されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 半導体基板の主面上に形成された複数の配線と、
    前記複数の配線を覆うように形成された絶縁膜とを備えた半導体装置の製造方法であって、
    (a)FIBによって所定の前記配線上の前記絶縁膜を加工除去し、前記配線の表面を露出する接続穴を形成する工程と、
    (b)第1CVDガス雰囲気中でFIBを照射することによって前記接続穴に第1導電性物質を埋め込み、前記配線と電気的に接続されるコンタクトを形成する工程と、
    (c)第2CVDガス雰囲気中でレーザ光を走査することによって、前記コンタクトと電気的に接続される第2導電性物質からなる導電性膜を形成する工程と、
    (d)前記工程(c)を繰り返す工程と、
    (e)前記第2CVDガスを充填するガスシリンダを、前記工程(c)が行われない時に冷却保持する工程とを含み、
    前記導電性膜は、前記複数の配線の第1配線および第2配線を結ぶ補修配線、または電極パッドの少なくともいずれか一方であり、
    前記工程(c)は、
    (c1)前記補修配線の一端と他端の2点間における前記半導体基板の主面と垂直なZ方向を直線補間する工程と、
    (c2)前記補修配線の一端と他端との間の折点を、円弧補間によって任意の曲率で方向転換する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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