JP2007127426A - 診断薬用磁性粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】非特異吸着が少なく、かつ、磁気分離の後のペレットが適度な粘度を有する診断薬用磁性粒子を提供する。
【解決手段】本発明の磁性粒子は、磁性体微粒子と、親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含むポリマー部と、を含み、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°である。
【選択図】なし

Description

本発明は、非特異吸着が少なく、かつ、磁気分離の後のペレットが適度な粘度を有する診断薬用磁性粒子に関する。
近年、磁性粒子は、磁気分離による洗浄が容易で、抗原と抗体との免疫反応やDNA同士またはDNAとRNAとのハイブリダイゼーション、医薬品候補物質と体内物質の相互作用などの研究において優れた反応場を提供できることから、特に診断薬や医薬品研究用などの生化学用途への応用が活発になっている。
中でも、生化学用担体粒子としては、物理吸着感作用として主にポリスチレン粒子が、化学結合感作用として主にカルボキシル基変性ポリスチレン粒子が広く使用されている。しかしながら、これらの粒子は、細胞、タンパク、DNAなどの試験検体中に存在する、目的としない他の生理活性物質等の吸着(以下、本明細書において「非特異吸着」という)が大きく、この非特異吸着が感作粒子の性能を阻害する。すなわち、非特異吸着はこれらの粒子を使用するうえでの大きな障害になっていた。
この非特異吸着の問題を解決するため、グリシジル基(特開平10−195099号公報)、ポリエチレングリコール基(特開2002−121549号公報、特開2004−61301号公報)、水酸基またはメトキシ基(特開2003−231648号公報)、多量のカルボキシル基(特開2003−277455号公報)などの種々の親水性官能基を粒子表面に導入する試みがなされている。
磁性粒子に関しても同様に、非特異吸着性を低減させることが求められており、例えば、特開2005−69926号公報では、親水性モノマーを構成成分として含む非特異吸着が少ない磁性粒子が提案されている。しかしながら、非特異吸着を少なくするために親水性の官能基を多量に導入すると、磁気分離後の磁性粒子の凝集塊(以下、本明細書において「ペレット」という)の粘度が低くなりすぎ、磁気分離後の上清を取り除く際に磁性粒子が上清に混入するなどの問題があった。
特開平10−195099号公報 特開2002−121549号公報 特開2004−61301号公報 特開2003−231648号公報 特開2003−277455号公報 特開2005−69926号公報
本発明は、非特異吸着が少なく、かつ、磁気分離の後のペレットが適度な粘度を有する診断薬用磁性粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、磁性粒子の組成を特定し、この磁性粒子の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が特定の範囲に入るように設計することで、非特異吸着の少なさと、磁気分離の後のペレットが適度な粘度を有することとを両立することができることを見出し、本発明に至った。
本発明の磁性粒子は、
磁性体微粒子と、
親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含むポリマー部と、
を含み、
水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°である。
ここで、親水性ポリマー部は架橋性ポリマー部を兼ねていてもよいし、あるいは、親水性ポリマー部と架橋性ポリマー部とが別々に存在していてもよい。
上記本発明の磁性粒子において、前記ポリマー部は、親水性モノマーおよび架橋性モノマーを含む原料モノマーを重合することにより得られ、
前記親水性ポリマー部は、前記原料モノマーの重合によって前記親水性モノマーから得られ、
前記架橋性ポリマー部は、前記原料モノマーの重合によって前記架橋性モノマーから得られる。
ここで、親水性モノマーは架橋性モノマーを兼ねていてもよいし、あるいは、親水性モノマーおよび架橋性モノマーをそれぞれ別々に使用してもよい。
上記本発明の磁性粒子において、前記ポリマー部は、ポリマーコア部およびポリマーコート層を含み、
前記磁性体微粒子は磁性体微粒子層を構成し、該磁性体微粒子層は、前記ポリマーコア部の外側に存在し、
前記ポリマーコート層は、前記磁性体微粒子層の外側に存在することができる。
この場合、前記親水性ポリマー部は、アルコール性水酸基を有し、前記ポリマーコート層は、前記親水性ポリマー部を含み、前記乾燥塗膜と水との接触角が10〜30°であることができる。
また、この場合、前記親水性ポリマー部は、カルボキシル基を有し、前記ポリマーコート層は、前記親水性ポリマー部を含み、前記乾燥塗膜と水との接触角が20〜40°であることができる。
本発明の磁性粒子によれば、磁性体微粒子と、親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含むポリマー部と、を含み、本発明の磁性粒子の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が特定の範囲に入るように設計することで、非特異吸着の少なさと、磁気分離の後のペレットが適度な粘度を有することとを両立することができる。
本発明の磁性粒子は、診断薬用担体などの生化学用担体、塗料、紙、電子材料、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒など広い分野で利用できる。応用例としては、医療用診断薬用途、特に自動測定器対応粒子に応用が可能である。
以下、本発明の磁性粒子について詳細に説明する。
1.磁性粒子
本発明の診断薬用磁性粒子は、磁性体微粒子と、親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含むポリマー部と、を含み、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°である。
本発明の磁性粒子の好ましい内部構造としては、例えば、ポリマー部が、ポリマーコア部およびポリマーコート層を含み、磁性体微粒子は磁性体微粒子層を構成し、この磁性体微粒子層はポリマーコア部の外側に存在し、ポリマーコート層は前記磁性体微粒子層の外側に存在する。
以下に、本発明の磁性粒子の構成要素についてそれぞれ説明する。
1−1.磁性体微粒子
本発明において、磁性体微粒子の組成は、磁性体である限り、特に制限はないが、酸化鉄系の物質が代表的であり、MFe(M=Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5Fe0.5等)で表現されるフェライト、Feで表現されるマグネタイト、あるいはγFeが挙げられる。特に、飽和磁化が高く、かつ残留磁化が低い磁気材料として、γFe、Feが好ましい。
本発明で使用する磁性体微粒子は、残留磁化が少ないことが求められ、例えば、粒子径5〜20nm程度のフェライトおよび/またはマグネタイトの微粒子が好適に使用できる。
また、磁性体微粒子としては、表面が疎水化処理されたものを用いることができる。磁性体微粒子表面の疎水化処理方法は特に限定されないが、例えば、磁性体微粒子と極めて親和性の高い部分と疎水性の部分とを分子内に有する化合物を磁性体微粒子に接触させて結合させる方法を挙げることができる。このような化合物としては、シランカップリング剤に代表されるシラン化合物および長鎖脂肪酸石鹸に代表される界面活性剤を挙げることができる。
磁性体微粒子として、表面が疎水化処理されたものを用いることにより、後述の磁性体微粒子層の外側にポリマーコート層を形成しやすくなるという利点を有する。ここで、磁性体微粒子層は、複数の磁性体微粒子が堆積して形成される層をいう。
シラン化合物による疎水化は、薬品耐性、特にアルカリ耐性に優れており、使用中に疎水性部分が脱落することによる磁性体の剥離、磁気性能の低下、ならびに脱離した磁性体微粒子および界面活性剤の浮遊による系内への汚染物の混入を効果的に防止することができる。また、本発明においては、表面が疎水化処理された磁性体微粒子が、たとえばトルエンに良好に分散することができる場合に、表面が十分に疎水化されているということができる。
1−2.ポリマー部
本発明の磁性粒子を構成するポリマー部は、親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含む。ポリマー部は、親水性モノマーおよび架橋性モノマーを含む原料モノマー(以下、単に「原料モノマー」とする)を重合することにより得ることができる。
1−2−1.親水性ポリマー部
親水性ポリマー部はポリマー部の構成成分であり、本発明の磁性粒子の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角を小さくする機能を有する。この親水性ポリマー部は、原料モノマーの重合によって親水性モノマーから得ることができる。
親水性モノマーは、ポリマー中の分子構造から還元されるモノマーであることができ、25℃における水への溶解度が10g/100cc以上のものが好ましい。
また、親水性モノマーは、親水性でかつ非架橋性であることが好ましい。親水性でかつ非架橋性であるモノマーとしては、例えば、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの親水性官能基を有する(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アリルグリシジルエーテルなどを例示することができる。これらのモノマーは、このまま原料モノマーの成分として重合することにより、ポリマー部における親水性ポリマー部となる。
さらに、本発明においては、重合によって、親水性ポリマー部を形成することができるモノマーを親水性モノマーに含める。
例えば、グリシジル基を有するモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど)は、原料モノマーの重合によって、グリシジル基が加水分解されて、本発明の磁性粒子の水系分散体において、グリセロール基となる。すなわち、グリシジル基を有するモノマーを用いて重合を行なうことにより、アルコール性水酸基を含み親水性基であるグリセロール基を有する親水性ポリマー部を形成することができる。このため、本発明では、グリシジル基を有するモノマーを親水性モノマーに含める。
また、例えば、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)を原料モノマーとして使用する場合、重合後にエステル部位を意図的に加水分解させることにより、親水性ポリマー部を形成することができる。この場合、ビニルエステル類を親水性モノマーに含めることができる。
1−2−2.架橋性ポリマー部
架橋性ポリマー部はポリマー部の構成成分であり、磁気分離後のペレットの粘度が低くなりすぎないように調整する機能を有する。この架橋性ポリマー部は、原料モノマーの重合によって架橋性モノマーから得ることができる。
架橋性モノマーは、1分子中に2個以上のビニル基を有するモノマーであることが好ましい。また、架橋性モノマーは、親水性または非親水性であることができる。
非親水性である架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどを例示することができる。
親水性である架橋性モノマーとしては、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリビニルアルコールのポリ(メタ)アクリルエステルなどを例示することができる。親水性である架橋性モノマーを用いてポリマー部を形成する場合、該ポリマー部は親水性の架橋性ポリマー部を含むことができる。すなわち、この場合、架橋性ポリマー部は親水性ポリマー部でもある。
1−2−3.その他のモノマー
本発明の磁性粒子を構成するポリマー部を形成する際に使用する原料モノマーは、親水性モノマーおよび架橋性モノマー以外に、他のモノマーを含むことができる。他のモノマーとしては、例えば、非架橋性でかつ非親水性のモノマーが挙げられる。
非架橋性で非親水性のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類(重合後、加水分解せずに使用する場合)、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルを例示することができる。
1−2−4.ポリマー部の構造
本発明におけるポリマー部は、(i)親水性である架橋性モノマーの単独重合体であってもよく、あるいは、(ii)上述した親水性モノマーおよび架橋性モノマーを必須成分として含む2種以上のモノマーからなる共重合体であってもよい。ここで、(i)の場合、ポリマー部において、親水性ポリマー部は架橋性を有するため、親水性ポリマー部は架橋性ポリマー部でもある。また、(ii)の場合、親水性ポリマー部は、原料モノマーの重合によって親水性モノマーから得られ、架橋性ポリマー部は、原料モノマーの重合によって架橋性モノマーから得ることができる。
また、本発明におけるポリマー部は、(i)の単独重合体および(ii)の共重合体のうち少なくとも一方を2種以上含むブレンドポリマー、(i)の単独重合体をコア(またはシェル)とし、(ii)の共重合体をシェル(またはコア)とするコアシェル構造を有するポリマー部であってもよい。
1−3.水分散液
本発明の磁性粒子は、分散媒に分散させて使用することができる。分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。水系媒体は特に限定されないが、例えば、水、水系溶剤を含む水が挙げられる。水系溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、エタノール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテルなど)が挙げられる。
本発明において、「水分散液」とは、純水を分散媒とする分散液をいう。分散液に界面活性剤など水以外の成分を含む場合、上清を純水で数回置換することにより水分散液を得ることができる。
1−4.水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角
本発明の磁性粒子は、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°、好ましくは10〜50°、最も好ましくは10〜40°である。接触角が5°未満の場合、磁気分離後のペレットの粘度が低くなりすぎ、一方、接触角が60°を超える場合、非特異吸着が多くなる。
本発明において、「水分散液から得られる乾燥塗膜」(以下、単に「乾燥塗膜」ともいう)とは、50mgの磁性粒子を0.2mlの純水に分散させて得られた水分散液を、アプリケーターなどを用いてスライドガラスなどの平滑な基材に塗布し、湿度40%、気温25℃で24時間乾燥することにより得られる塗膜のことをいう。
乾燥塗膜と水との接触角は、約1μLの水滴を乾燥塗膜に滴下し、直ちに水平方向からの画像をカメラでデータとして取り込み、水滴の輪郭を円周の一部と仮定して塗膜の水平線との角度から求めることができる。
水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角は、本発明の磁性粒子を製造する際に使用する上述の親水性モノマーと非親水性ポリマー部(例えば非親水性の架橋性モノマー)との比を調整することにより、制御することができる。本発明の磁性粒子の内部構造によるが、例えば、少なくとも磁性粒子の最表面に存在するポリマー部(ポリマーコート層)を形成するために使用されるモノマーとして、上述の親水性モノマーの割合をより多く(より少なく)することにより、接触角をより小さく(より大きく)することができる。また、ポリマー部の形成において、非親水性の架橋性モノマーを使用することにより、磁気分離後のペレットの粘度が低くなりすぎることを防止することができる。
1−5.磁性粒子の内部構造
本発明の磁性粒子内部における磁性体微粒子およびポリマー部の存在形態としては、例えば、ポリマー部の連続相中に磁性体微粒子が均一に分散した形態、磁性体微粒子およびポリマー部がコア/シェル構造に偏在した形態をとることができる。
本発明の磁性粒子がコア/シェル構造である場合においては、ポリマー部は、コアおよびコアを覆うシェルのうち少なくとも一方に含まれる。この場合、コアおよびシェルの少なくとも一方の中に磁性体微粒子が混在することができる。
本発明における好ましい磁性粒子の内部構造は、ポリマーコア部、ポリマーコア部の外側に存在する磁性体微粒子層、および磁性体微粒子層の外側に存在するポリマーコート層を含む構造である。このような磁性粒子の製造方法は、特開平2004−205481号公報に開示されている。
この構造において、ポリマーコア部を形成するためのモノマーは、親水性モノマーおよび架橋性モノマーを必ずしも含む必要はない。ポリマーコア部を形成するモノマーの好ましい組み合わせとしては、非親水性でかつ非架橋性のモノマーを主として、少量の親水性モノマーおよび/または架橋性モノマーからなる組み合わせである。
ポリマーコア部の外側に磁性体微粒子層を形成させる方法としては、例えば、ポリマーコア部および磁性体微粒子を混合し、ポリマーコア部の表面に磁性体微粒子を物理的に吸着させることにより、磁性体微粒子層をポリマーコア部の表面に形成する方法が挙げられる。ここで、「物理的吸着」とは、化学反応を伴わない吸着を意味する。「物理的吸着」の原理としては、例えば、疎水/疎水吸着、溶融結合または吸着、融着結合または吸着、水素結合、ファンデルワールス結合などが挙げられる。疎水/疎水吸着を利用する吸着としては、例えば、ポリマーコア部の表面および磁性体微粒子の表面が疎水性のものあるいは疎水化処理されたものを選択し、これらのポリマーコア部および磁性体微粒子をドライブレンドするか、あるいは、ポリマーコア部および磁性体微粒子の双方を侵すことなく良分散性の溶剤(例えばトルエン、ヘキサン)中で充分分散させた後、混合条件下で溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
あるいは、例えば、物理的に強い力を外部から加えて、ポリマーコア部および磁性体微粒子の複合化を実現させることにより、磁性体微粒子をポリマーコア部の表面に付着させることができる。物理的に強い力の付加としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、あるいはジェットミル、ハイブリダイザーなど高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。効率よくかつ強固に複合化を実施するには、物理的吸着力が強いことが望ましい。その方法としては、攪拌翼付き容器中で攪拌翼の周速度が好ましくは15m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは40〜150m/秒で実施することが挙げられる。撹拌翼の周速度が15m/秒より低いと、ポリマーコア部の表面に磁性体微粒子を吸着させるのに十分なエネルギーを得ることができないことがある。なお、撹拌翼の周速度の上限については、特に制限はないが、使用する装置、エネルギー効率などの点から自ずと決定される。
次いで、磁性体微粒子層の外側にポリマーコート層を形成させる方法としては、外側に磁性体微粒子層を形成させたポリマーコア部を分散媒中でモノマーと反応させる方法が挙げられる。ポリマーコート層を構成するモノマーとしては、上述のモノマーとして例示するものを使用することができ、その好ましい組み合わせとしては、親水性モノマーおよび架橋性モノマーを主とする組み合わせである。ポリマーコート層は、2層以上の多ポリマー成分からなることができる。
1−6.最も好ましい構成(1)
本発明の磁性粒子の最も好ましい第1の構成は、「ポリマーコア部、ポリマーコア部の外側に存在する磁性体微粒子層、および磁性体微粒子層の外側に存在するポリマーコート層を含み、かつ、親水性ポリマー部は、アルコール性水酸基を有し、ポリマーコート層は、この親水性ポリマー部を含み、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が10〜30°である磁性粒子」である。
アルコール性水酸基を有する親水性ポリマー部を形成するためには、少なくとも重合後にアルコール性水酸基を含む親水性ポリマー部を形成することができる親水性モノマーを使用するのが好ましい。このような親水性モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリビニルアルコールの(メタ)アクリルエステルが挙げられる。
本発明の磁性粒子が上記の構成を有することにより、特に、非特異吸着がきわめて少なくなるうえに、本発明の磁性粒子をELISA法で用いる場合、高いS/Nが得られる粒子となる。
1−7.最も好ましい構成(2)
本発明の磁性粒子の最も好ましい第2の構成は、「ポリマーコア部、ポリマーコア部の外側に存在する磁性体微粒子層、および磁性体微粒子層の外側に存在するポリマーコート層を含み、かつ、親水性ポリマー部は、カルボキシル基を有し、ポリマーコート層は、この親水性ポリマー部を含み、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が20〜40°である磁性粒子」である。
カルボキシル基を有する親水性ポリマー部を形成するためには、少なくとも重合後にカルボキシル基を含む親水性ポリマー部を形成することができる親水性モノマーを使用するのが好ましい。このような親水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。
本発明の磁性粒子が上記の構成を有することにより、特に、抗体やアビジンなどのタンパク質を多量に結合することのできる粒子となる。さらに、粒子表面が多孔質である場合、さらに多量のタンパク質を結合することができる。
このような磁性粒子のカルボン酸換算表面荷電量は、好ましくは50〜400[μmol/g]であり、さらに好ましくは70〜300[μmol/g]である。
1−8.用途
本発明の磁性粒子は、生化学分野、塗料、紙、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒など広い分野で利用できる。
本発明の磁性粒子の主たる用途は、生化学用担体である。また、本発明の磁性粒子の表面に、ビオチン類(後述するビオチンまたはビオチン誘導体)結合部位を有する物質を固定化させることにより、ビオチン類結合用粒子として使用できる。ビオチン類結合部位を有する物質としては、例えば、アビジンや、ストレプトアビジンなどのアビジン誘導体が挙げられる。
本発明の磁性粒子を生化学用担体粒子として使用する場合、例えば、本発明の磁性粒子に抗体を結合して、抗原であるウイルス・細菌・細胞・ホルモン・ダイオキシン類等の化学物質などを前記抗体に結合させて回収・濃縮する用途,本発明の磁性粒子にDNAなどの核酸アナログを結合して、ハイブリダイゼーションを利用して該核酸アナログに核酸を結合させて回収・検出したり、核酸に結合するタンパク質や色素等の化学物質を前記核酸アナログに結合させて回収・検出したりする用途,本発明の磁性粒子にアビジン類(またはビオチン類)を結合し、前記アビジン類(またはビオチン類)にビオチン類(あるいはアビジン類)を有する分子を結合させて回収して検出する用途,本発明の磁性粒子に抗体や抗原を結合し、比色法や化学発光を利用した酵素免疫測定法用の担体として本発明の磁性粒子を使用する用途などが挙げられる。一般に、96穴プレート等を担体として用いる診断項目であれば、本発明の磁性粒子を用いることによって、磁性を利用した自動分析機に置き換えて使用できる。診断の対象となる物質としては、生体由来のタンパク質、黄体形成ホルモン、甲状腺刺激ホルモン等のホルモン、各種ガン細胞や、前立腺特異マーカー、膀胱ガンマーカー等のガンのマーカーとなるタンパク質、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルスなどのウイルス、淋菌、MRSA等の細菌、カンジダ、クリプトコックス等の真菌、トキソプラズマ等の原虫・寄生虫、あるいはそれらウイルス・細菌・真菌・原虫・寄生虫などの構成要素であるタンパク質や核酸、ダイオキシン類等の環境汚染物質、抗生物質や抗てんかん剤など医薬品等の化学物質などがあげられる。
なお、本発明の磁性粒子の用途は生化学用担体用途に限定されるわけではなく、例えば、上述した各分野で使用可能である。
2.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
2−1.評価方法
2−1−1.水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角
50mgの磁性粒子を1mlの純水で10回洗浄し、最後に0.2mlの純水に分散させた。この磁性粒子を含む水分散液をアプリケーターでスライドガラスに塗布し、湿度40%、気温25℃で24時間乾燥して乾燥塗膜を得た。得られた乾燥塗膜と水との接触角を、協和界面科学製FAMAS接触角測定システム(商品名:DropMaster900)を用いて、以下の手順で測定した。
1.0μLの水滴を乾燥塗膜に滴下してから0.15秒後の水平方向からの画像をカメラでデータとして取り込み、水滴の輪郭を円周の一部と仮定して、乾燥塗膜の水平線との角度から、得られた乾燥塗膜と水との接触角を求めた。
2−1−2.非特異吸着
1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するリン酸緩衝塩溶液0.5mLを、各実施例および比較例の磁性粒子1mgに加えて、25℃で2時間転倒混和を行った。次に、磁気分離により該磁性粒子を分離し、緩衝リン酸塩溶液で2回洗浄した後、該磁性粒子に非特異吸着したBSAをドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液で溶出し、SDSゲル電気泳動で分離してから銀染色にて発色させた。同じゲル内で、既知重量のBSAを発色させた。発色したゲルをBio−Rad製GS−700イメージングデンシトメーターに読み込み、各磁性粒子に吸着していたBSA量を定量した。
2−1−3.ペレットの粘度
1.5mlのプラスチック(ポリプロピレン)製チューブ(エッペンドルフ社製、商品名「セイフ−ロックチューブ」)中で2mgの磁性粒子を0.5mlの0.1%Triton X−100水溶液に分散させてから、該チューブを垂直に立てた。このチューブ側面から表面磁束密度3000ガウスのネオジウム磁石を30秒間接触させることにより集磁して、ピペットでチューブの底から上清を全量取り除いた後、磁石を外してもペレットがチューブ側面から流れ落ちないもの(ペレットが適度な粘度を有するもの)をA、流れ落ちるもの(ペレットの粘度が低すぎるもの)をBとした(表1参照)。
2−2.実施例1;最も好ましい構成(1)
75%ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド炭化水素溶液(日本油脂製「パーロイル355−75(S)」)2部を1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液20部に混合し、超音波分散機にて微細乳化した。これを0.77μmポリスチレン粒子13部および水41部の入ったリアクターに入れ、25℃で12時間攪拌した。別の容器にて、スチレン96部およびジビニルベンゼン4部を0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液400部で乳化し、この乳化物を前記リアクターに入れて、40℃で2時間攪拌した後、75℃に昇温して8時間重合した。室温まで冷却後、遠心分離により粒子のみ取り出したものをさらに水洗した。平均粒子径は1.5μmであった。これを乾燥、粉砕し、ポリマーコア部とした。
次に、油性磁性流体(商品名:「EXPシリーズ」,(株)フェローテック製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子(平均一次粒子径:0.01μm)を得た。
次いで、ポリマーコア部15gおよび上記疎水化された磁性体微粒子15gをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で5分間処理し、ポリマーコア部の外側に磁性体微粒子層が形成された粒径1.6μmの複合粒子(M−1)を得た。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液750gを1Lセパラブルフラスコに投入し、次に複合粒子(M−1)30gを投入して、ホモジナイザーで分散した後、70℃に加熱した。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液75gに、シクロヘキシルメタクリレート14g、トリメチロールプロパントリメタクリレート1gおよびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.3gを入れて分散したプレエマルジョンを、70℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間かけて滴下した(以上、ポリマーコート層1層目)。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液75gに、グリシジルメタクリレート14g、トリメチロールプロパントリメタクリレート1gおよびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.3gを入れて分散させたプレエマルジョンを、70℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間かけて滴下した(以上、ポリマーコート層2層目)。80℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させた。
得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度10%の水分散体とした。得られた磁性粒子の粒子径は2.0μmであり、収率は約50%であった。また、乾燥粒子塗膜の反射型FT−IRスペクトルにおいて、グリシジル基は観測されなかったことから、モノマーとして使用したグリシジルメタクリレート由来のグリシジル基が加水分解されたことが確認された。この加水分解により、アルコール性水酸基が生成するため、本実施例の磁性粒子では、ポリマーコート層が親水性ポリマー部を含み、この親水性ポリマー部がアルコール性水酸基を有する。
本実施例で得られた磁性粒子について、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角、非特異吸着量、ならびにペレットの粘度を評価した。その結果を表1に示す。
2−3.実施例2;最も好ましい構成(2)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.25重量%を含む水溶液750gを、1Lセパラブルフラスコに投入し、次いで、実施例1で得られた複合粒子(M−1)30gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。次いで、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液50gに、シクロヘキシルメタクリレート30g、tert−ドデカンチオール1.2g、およびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(日本油脂社製;パーブチルO)1.5gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに2時間かけて滴下した(以上、ポリマーコート層1層目)。
次いで、反応溶液を室温まで冷却した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液50gに、ターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.375gを入れて分散させたプレエマルジョンを、前記1Lセパラブルフラスコへ投入して、室温で15時間撹拌した。次いで、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液50gに、メタクリル酸2.25gおよびエチレングリコールジメタクリレート9.0gを入れて分散させたプレエマルジョンを、室温で15時間撹拌した前記1Lセパラブルフラスコに投入し、さらに室温で2時間撹拌した。次に、前記1Lセパラブルフラスコを80℃に昇温し、さらに2時間重合を続けて反応を完了させた(以上、ポリマーコート層2層目)。
得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度1%の磁性粒子の水分散体を得た。次いで、アセトン1Lを用いて該水分散体を2回洗浄した。次いで、該粒子をアセトン1Lに分散させて2時間撹拌することにより、アセトン(有機溶剤)に該粒子を接触させた。これにより、アセトンを用いて前記粒子からポリマー部の一部を溶出させた。次いで、アセトン1Lで2回洗浄し、さらにアセトンを取り除くため水で洗浄することにより、粒子表面が多孔質の磁性粒子を得た。
本実施例で得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度10%の水分散体とした。本実施例で得られた磁性粒子の粒子径は2.2μmであり、収率は約10%であった。
本実施例で得られた磁性粒子について、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角、非特異吸着量、ならびにペレットの粘度を評価した。その結果を表1に示す。
2−4.比較例1
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液750gを1Lセパラブルフラスコに投入し、次に、実施例1で得られた複合粒子(M−1)30gを投入して、ホモジナイザーで分散した後、70℃に加熱した。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液75gに、メタクリル酸1g、スチレン15gおよびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.3gを入れて分散したプレエマルジョンを、70℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間かけて滴下した。80℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させた。
本比較例で得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度10%の水分散体とした。本比較例で得られた磁性粒子の粒子径は2.0μmであり、収率は約50%であった。
本比較例で得られた磁性粒子について、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角、非特異吸着量、ならびにペレットの粘度を評価した。その結果を表1に示す。
2−5.比較例2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液750gを1Lセパラブルフラスコに投入し、次に、実施例1で得られた複合粒子(M−1)30gを投入して、ホモジナイザーで分散した後、70℃に加熱した。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液75gに、シクロヘキシルメタクリレート15gおよびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.3gを入れて分散したプレエマルジョンを、70℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間かけて滴下した(以上、ポリマーコート層1層目)。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液75gに、カルボキシメチルセルロース10g、グリシジルメタクリレート10gおよびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)0.3gを入れて分散させたプレエマルジョンを、70℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間かけて滴下した(以上、ポリマーコート層2層目)。80℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させた。
本比較例で得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度10%の水分散体とした。本比較例で得られた磁性粒子の粒子径は2.1μmであり、収率は約50%であった。乾燥粒子塗膜の反射型FT−IRスペクトルにおいて、グリシジル基は観測されなかったことから、モノマーとして使用したグリシジルメタクリレート由来のグリシジル基が加水分解されたことが確認された。
本比較例で得られた磁性粒子について、水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角、非特異吸着量、ならびにペレットの粘度を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2007127426
表1に示されるように、実施例1,2の磁性粒子は、本発明の要件を満たしているために、非特異吸着が少なく、かつ、ペレットが適度な粘度を有していた。
一方、接触角が60°を超える比較例1は非特異吸着が多く、また、接触角が5°未満の比較例2はペレットの粘度が低すぎて、ペレットがチューブの側面に保持できなかった。

Claims (5)

  1. 磁性体微粒子と、
    親水性ポリマー部および架橋性ポリマー部を含むポリマー部と、
    を含み、
    水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が5〜60°である、診断薬用磁性粒子。
  2. 請求項1において、
    前記ポリマー部は、親水性モノマーおよび架橋性モノマーを含む原料モノマーを重合することにより得られ、
    前記親水性ポリマー部は、前記原料モノマーの重合によって前記親水性モノマーから得られ、
    前記架橋性ポリマー部は、前記原料モノマーの重合によって前記架橋性モノマーから得られる、診断薬用磁性粒子。
  3. 請求項1または2において、
    前記ポリマー部は、ポリマーコア部およびポリマーコート層を含み、
    前記磁性体微粒子は磁性体微粒子層を構成し、該磁性体微粒子層は、前記ポリマーコア部の外側に存在し、
    前記ポリマーコート層は、前記磁性体微粒子層の外側に存在する、診断薬用磁性粒子。
  4. 請求項3において、
    前記親水性ポリマー部は、アルコール性水酸基を有し、
    前記ポリマーコート層は、前記親水性ポリマー部を含み、
    前記乾燥塗膜と水との接触角が10〜30°である、診断薬用磁性粒子。
  5. 請求項3において、
    前記親水性ポリマー部は、カルボキシル基を有し、
    前記ポリマーコート層は、前記親水性ポリマー部を含み、
    前記乾燥塗膜と水との接触角が20〜40°である、診断薬用磁性粒子。
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