JP2006226691A - 免疫検査用磁性粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 免疫検査用の磁性粒子であって、検査対象物質と結合する一次プローブと磁性粒子との結合に用いる粒子表面の官能基量がパーキングエリアとして50平方Å/官能基を超える値をしめすことを特徴とする免疫検査用磁性粒子。
【選択図】 なし
Description
一次プローブの結合に用いられる磁性粒子上の官能基量は、官能基一個当たりが占める面積(パーキングエリア)で示される。一般的に、一次プローブの結合量はパーキングエリアの数値に反比例する。すなわち、パーキングエリアが小さいほど一次プローブ量は多く結合できる。しかしながら、検査項目によっては粒子表面への抗体結合量を減らして感度を低く設定したい場合があり、このような場合、パーキングエリアが小さく、粒子表面に多数の官能基がある粒子を用いると、粒子表面官能基と一次プローブ分子の多数箇所で結合するため、一次プローブの活性が失われ、感度がまったく得られないことがある。このような場合、大きなパーキングエリアを持ち、少量の一次プローブを高活性に保ったまま粒子表面に結合できる磁性粒子が要望されていた。
官能基のパーキングエリアPA(平方Å/官能基)は、平滑な表面を持つ粒子の場合は、表面の官能基密度(Q mmol/g粒子)、粒子径(D μm)、粒子比重(ρ g/cm3)を用いて、式(1)であらわすことができる。
一次プローブと磁性粒子との結合に用いる官能基(以下、特定官能基という)としては、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、チオール基、水酸基、トシル基などをあげることができるが、特にカルボキシル基が好ましく用いることができる。
磁性粒子の表面に特定官能基を導入する方法としては、(1)磁性粒子の存在下で、特定官能基を有する(共)重合性モノマー、必要に応じてその他の共重合性モノマーを液体中で重合を行う方法、(2)磁性粒子表面に特定官能基を有する分子を結合させる方法等をあげることができる。
本発明の免疫検査用磁性粒子の粒径は、0.5〜10μmの範囲が好ましく用いることができる。粒径が0.5μm以下では、磁気分離に時間がかかりすぎ、また10μm以上では自然沈降の速度が速すぎるため免疫検査用としては好ましくない。
実施例1
1.核粒子の作製
特公昭57−24369号公報記載の膨潤重合法、ジャーナル オブポリマーサイエンス ポリマーレター エディション(J.Polym.Sci.,Polymer Letter Ed.)記載の重合方法、あるいは本発明者らが先に提案した重合方法(特開昭61−215602、同61−215603、同61−215604)を参考に下記核粒子を作製した。下記核粒子は、重合後遠心分離により粒子のみ取り出したものをさらに水洗し、乾燥、粉砕した。
核粒子1;メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン=80/20共重合体
(平均粒子径1.5μm CV値2.2%)
核粒子2;スチレン/ジビニルベンゼン=80/20共重合体
(平均粒子径0.8μm CV値3%)
2.核粒子への磁性体の被覆(磁性体層の形成)
油性磁性流体「FV55」[松本油脂(株)製]にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の超常磁性体(平均粒子径:0.02μm)を得た。なおこの磁性体は界面活性剤により疎水化処理された表面を有するものである。得られた磁性体をトルエン/水(重量比1:1)に添加し、十分に攪拌した後静置したところ、磁性体はトルエンのみに分散されており、表面が疎水化されたことを確認した。ついで、核粒子に、疎水化された磁性体を混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で3分間処理した。
3.母粒子の表面のコーティング重合(コーティングポリマー層の形成)
実施例1 核粒子1の50gに磁性体50gを複合化した磁性体被覆粒子30gと、分散剤としてノニオン性乳化剤「エマルゲン150」(花王製)の0.5重量%水溶液375gと、アニオン性乳化剤ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)の0.5重量%水溶液375gとを1Lセパラブルフラスコに投入し充分に分散させた。ついで、イカリ型撹拌羽200rpm撹拌、N2ガス気流下60℃とした。これに、モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート15g、メタクリル酸0.9g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(日本油脂社製;パーブチルO)0.7g、分散剤としてノニオン性乳化剤「エマルゲン150」(花王製)の0.5重量%水溶液75gおよびアニオン性乳化剤ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)の0.5重量%水溶液75gの混合物を10℃以下において超音波微分散により乳化させて、2時間にわたり連続添加して反応させた。その後、さらに温度を80℃とし3時間継続し反応を完結させた。その後、室温に冷却し500メッシュステンレス製網で粗大物を除去し、さらに磁気精製において非磁性成分を除去した。粒径は2.1μm、比重1.6g/cm3であった。得られた粒子は気体収着法により平滑な表面を持っていた。
核粒子2の50gに磁性体100gを複合化した磁性体被覆粒子30gと、モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート6g、メタクリル酸0.12g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(日本油脂社製;パーブチルO)0.6gの混合物を、分散剤としてノニオン性乳化剤「エマルゲン150」(花王製)の0.5%水溶液375gを1Lセパラブルフラスコに投入し充分に分散させた後、イカリ型撹拌羽200rpm撹拌、N2ガス気流下、25℃で1時間攪拌した。ついで、温度を60℃とし2時間反応させた。その後、さらに温度を80℃とし3時間継続し反応を完結させた。その後、室温に冷却し500メッシュステンレス製網で粗大物を除去し、さらに磁気精製において非磁性成分を除去した。粒径は1.1μm、比重1.9g/cm3であった。得られた粒子は気体収着法により平滑な表面を持っていた。
実施例1においてメタクリル酸を6.0gとした以外は全て実施例1の方法に基づいて実施した。粒径は2.1μm、比重1.6g/cm3であった。得られた粒子は気体収着法により平滑な表面を持っていた。
比較例2
実施例2においてメタクリル酸を0.6gとした以外は全て実施例2の方法に基づいて実施した。粒径は1.1μm、比重1.9g/cm3であった。得られた粒子は気体収着法により平滑な表面を持っていた。
抗体直接結合法による免疫測定評価
実施例1〜4および比較例1〜3で得られた診断薬用粒子の100mgを10mM MES−NaOH(pH6)10mLに分散させ、水溶性カルボジイミド 10mgを加え、室温で回転攪拌機にて30分間攪拌した。磁性粒子を磁気分離にて2回洗浄後、10mM MES−NaOH(pH6)10mLに分散させ、これに抗AFPマウスIgG抗体溶液(1mg/mL、10mM MES−NaOH(pH6))を0.2mL加え、室温で回転攪拌機にて2時間間攪拌した。上清を除去し、上清中の残存抗体量から抗体結合量を求めた。次に、粒子に0.1重量%BSA含有リン酸緩衝塩溶液(pH 7.4)を10mL加え室温で回転攪拌機にて2時間攪拌した。2時間後、実施例、比較例ともにリン酸緩衝液(pH 7.4)で4回洗浄後、粒子濃度が0.5重量%となるように0.1重量%BSA含有リン酸緩衝液(pH 7.4)に再分散し、抗AFPIgG結合磁性粒子(免疫測定用粒子)とした。
この免疫測定用粒子10μLに100ng/mLのAFPを含むサンプル50μLを加えて攪拌し、室温で5分放置した。磁気分離法により免疫測定用粒子をリン酸緩衝塩溶液(PBS)で2回洗浄を行った。
次に、アルカリフォスファターゼコンジュゲート抗AFP抗体(抗体濃度2.5μg/mL、0.1重量%BSA/PBS)を100μL加えて攪拌し、室温で10分放置した。これを前述の磁気分離法により洗浄を行った。この粒子にAMPPD200μg/mLを含む基質液100μLを加え攪拌の後、10分間放置後、ルミノメータ(ベルトールド社製)で測定した。図1に抗体結合量と化学発光強度を示す。
Claims (3)
- 免疫検査用の磁性粒子であって、検査対象物質と結合する一次プローブと磁性粒子との結合に用いる粒子表面の官能基量がパーキングエリアとして50平方Å/官能基を超える値をしめすことを特徴とする免疫検査用磁性粒子。
- 一次プローブとの結合に用いる粒子表面の官能基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の免疫検査用磁性粒子。
- 磁性粒子が核粒子の表面にFe2O3およびFe3O4の少なくとも一方を含む磁性体層が形成された母粒子に重合により該磁性体層上にポリマー層を形成する磁性粒子である請求項1または2または3に記載の免疫検査用磁性粒子。
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