JP4548598B2 - 磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体 - Google Patents

磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体 Download PDF

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Description

本発明は、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出が少なく、かつ、生化学物質結合容量に優れた磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体に関する。
近年、平均粒径が小さい磁性粒子は、その単位重量当たりの表面積が大きいため、抗原と抗体との免疫反応やDNA同士またはDNAとRNAとのハイブリダイゼーションにおいて優れた反応場を提供できることから、特に診断薬や医薬品研究用などへの応用が活発になっている。
例えば、本出願人による特開2004−205481号公報には、磁性体の脱離や鉄イオンの溶出などの問題がなく、EIA法などの診断薬用担体としても利用可能な磁性粒子が開示されている。しかしながら、この磁性粒子は、粒子表面が平滑であるので、単位重量あたりの表面積が比較的小さいため、生化学物質結合容量が十分でない場合がある。
一方、米国特許第5,648,124号には、ポリマー粒子と磁性体微粒子とをヘテロ凝集を利用して複合化することにより、粒子表面が凸凹であり、かつ単位重量あたりの表面積が比較的大きな磁性粒子が開示されている。しかしながら、この磁性粒子では、磁性体微粒子が表面近傍に存在するため、磁性体の脱離や鉄イオンの溶出などの問題が生じる。
特開2004−205481号公報 米国特許第5,648,124号
本発明は、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出がなく、かつ、生化学物質結合容量に優れた磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体に関するものである。
本特許出願の発明者は、磁性粒子が、粒径dの磁性母粒子(A)と、磁性母粒子(A)の表面上に存在する粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)とを含むことにより、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出がなく、かつ、表面が凸凹であることにより、単位重量あたりの表面積が比較的大きいため優れた生化学物質結合容量を得ることができることを見出し、本発明を想到するに至った。
本発明の磁性粒子は、粒径dの磁性母粒子(A)と、前記磁性母粒子(A)の表面上に存在する粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)と、を含む。
本発明において、母粒子とは、本発明の磁性粒子の中心体となる粒子をいい、子粒子とは、母粒子の表面を被覆する粒子をいう。
ここで、上記本発明の磁性粒子において、前記磁性母粒子(A)および前記非磁性子粒子(B)を被覆するポリマー層(C)をさらに含むことができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子において、前記磁性母粒子(A)は、核粒子(a)と、前記核粒子(a)の表面上に存在する磁性体微粒子(b)と、を含むことができる。
この場合、前記磁性母粒子(A)は、前記核粒子(a)および前記磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)をさらに含むことができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子において、前記磁性母粒子(A)は、磁性体微粒子(b)を含むポリマー粒子(d)であり、前記磁性体微粒子(b)は、前記ポリマー粒子(d)中に分散されていることができる。
本発明の生化学用担体は、上記本発明の磁性粒子を用いることができる。
本発明の磁性粒子の製造方法は、(1)粒径dの磁性母粒子(A)の表面に粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)を吸着させる工程を含む。
ここで、上記本発明の磁性粒子の製造方法において、前記工程(1)の後、(2)前記磁性母粒子(A)および前記非磁性子粒子(B)を被覆するポリマー層(C)を重合によって形成する工程をさらに含むことができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子の製造方法において、前記磁性母粒子(A)は、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させることにより得ることができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子の製造方法において、前記磁性母粒子(A)は、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させた後、前記核粒子(a)および前記磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)を重合によって形成することにより得ることができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子の製造方法において、前記磁性母粒子(A)は、水系媒体中で正または負の表面荷電を有し、前記非磁性子粒子(B)は、前記水系媒体中で負または正の表面荷電を有し、前記工程(1)において、前記磁性母粒子(A)と前記非磁性子粒子(B)とを前記水系媒体中で混合することにより、前記磁性母粒子(A)の表面に前記非磁性子粒子(B)を吸着させることができる。
ここで、上記本発明の磁性粒子の製造方法において、前記磁性母粒子(A)は、前記水系媒体中で正の表面荷電を有することができる。
本発明の生化学用担体は、上記本発明の磁性粒子の製造方法によって得ることができる。
本発明の磁性粒子によれば、粒径dの磁性母粒子(A)と、磁性母粒子(A)の表面上に存在する粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)とを含むことにより、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出がなく、かつ、表面が凸凹であることにより、単位重量あたりの表面積が比較的大きいため優れた生化学物質結合容量を得ることができる。
本発明の磁性粒子の製造方法によれば、(1)粒径dの磁性母粒子(A)の表面に粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)を吸着させる工程を含むことにより、本発明の磁性粒子を簡便な方法にて効率良く得ることができる。
本発明の生化学用担体によれば、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出がなく、かつ、優れた生化学物質結合容量を得ることができる。
以下、本発明の磁性粒子およびその製造方法、ならびに生化学用担体について詳細に説明する。
1.磁性粒子
本発明の磁性粒子は、磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)を含む。非磁性子粒子(B)は磁性母粒子(A)の表面上に存在する。「非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面上に存在する。」とは、(1)非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面と接触している場合だけでなく、(2)例えば本発明の磁性粒子が後述するポリマー層(C)を含む場合に、非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面と接触しておらず、非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面から浮き上がった状態にある場合も含む。本発明の磁性粒子においては、非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面上において、上記(1)および(2)のいずれか一方の状態であることができる。
本発明の磁性粒子は、複数の非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)の表面を被覆するように存在するのが好ましく、複数の非磁性子粒子(B)が均一な厚さを有する被覆層を構成していることがより好ましい。
非磁性子粒子(B)は、例えば、磁性母粒子(A)の表面に吸着されていてもよいし、あるいは磁性母粒子(A)の表面または該表面の上方に固定されていてもよい。非磁性子粒子(B)が、磁性母粒子(A)の表面に吸着されている場合、吸着は例えば物理的吸着および化学的吸着のいずれかであってもよい。また、磁性母粒子(A)の表面または該表面の上方に非磁性子粒子(B)を固定する方法としては、例えば、他の層(例えば後述するポリマー層(C))によって、磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)を被覆する方法が挙げられる。
本発明の磁性粒子の粒子径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることがより好ましい。前記粒子径が0.1μm未満である場合、十分な磁気応答性が発現されず、当該粒子を分離するために相当に長い時間を要し、また、分離するために相当に大きい磁力が必要となるため好ましくない。一方、前記粒子径が10μmを超える場合、当該粒子が分散媒中で沈降しやすくなるため、標的物質を捕捉する際に分散媒を攪拌する操作が必要となり、また、粒子の重量に対する表面積の割合が小さくなるため、十分な量の標的物質を捕捉することが困難となることがある。
本発明の磁性粒子は、分散媒に分散させて使用することができる。分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。水系媒体は特に限定されないが、例えば、水、水系溶剤を含む水が挙げられる。水系溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、エタノール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテルなど)が挙げられる。分散媒には分散剤を含んでいてもよい。
1.1.磁性粒子(A)
1.1.1.磁性粒子(A)の構造および製造
磁性粒子(A)は、磁石で集めることが可能な公知の粒子状物質であり、その粒径dは、好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.2〜5μm、もっとも好ましくは0.5〜3μmである。粒径dが0.1μm未満であると、磁力による分離精製に長時間を要する場合があり、一方、粒径dが10μmを超えると、生化学物質結合容量が少ない場合がある。
磁性母粒子(A)は、均質な磁性体粒子であってもよく、あるいは不均質な磁性体粒子であってもよい。しかしながら、上記の好ましい粒径範囲にある均質な磁性体粒子は常磁性である物質が多く、磁力による分離精製を繰り返すと媒質への再分散が困難になる場合がある。このため、磁性母粒子(A)は、残留磁化が少ない、磁性体微粒子(b)を含む不均質な粒子であるのが好ましい。このような不均質構造の磁性母粒子(A)の内部構造としては、例えば、(i)ポリマーなどの非磁性体をコア(核粒子)とし、磁性体微粒子の2次凝集体をシェルとする構造磁性体、(ii)磁性体微粒子(b)の2次凝集体をコアとし、ポリマーなどの非磁性体をシェルとする構造、(iii)磁性体微粒子(b)をポリマーなどの非磁性の連続相中に分散させた構造などが挙げられる。
(i)の構造においては、例えば、磁性母粒子(A)は、核粒子(a)と、核粒子(a)の表面上に存在する磁性体微粒子(b)(2次凝集体)とを含むことができる。この場合、磁性母粒子(A)は、例えば、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させることにより得ることができる。「磁性体微粒子(b)が核粒子(a)の表面上に存在する。」とは、(1)磁性体微粒子(b)が核粒子(a)の表面と接触している場合、(2)例えば磁性母粒子(A)が後述する母粒子コート層(c)を含む場合に、磁性体微粒子(b)は核粒子(a)の表面と接触しておらず、磁性体微粒子(b)が核粒子(a)の表面から浮き上がった状態にある場合も含む。本発明の磁性母粒子(A)においては、磁性体微粒子(b)が核粒子(a)の表面上において、上記(1)および(2)のいずれか一方の状態であることができる。
この場合、磁性母粒子(A)は、複数の磁性体微粒子(b)が核粒子(a)の表面を被覆するように存在するのが好ましく、複数の磁性体微粒子(b)が均一な厚さを有する被覆層を構成していることがより好ましい。
また、この場合、磁性母粒子(A)は、核粒子(a)および磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)を含んでいてもよい。ここで、磁性母粒子(A)は、例えば、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させた後、核粒子(a)および磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)を重合によって形成することにより得ることができる。磁性母粒子(A)が母粒子コート層(c)を含むことにより、磁性体微粒子(b)を核粒子(a)の表面上に存在させることができるため、磁性体微粒子(b)が溶出するのをより効果的に防止することができる。
本発明において、「物理的吸着」とは、化学反応を伴わない吸着を意味する。「物理的吸着」の原理としては、例えば、疎水/疎水吸着、溶融結合または吸着、融着結合または吸着、水素結合、ファンデルワールス結合などが挙げられる。疎水/疎水吸着を利用する吸着としては、例えば、核粒子(a)の表面および磁性体微粒子(b)の表面が疎水性のものあるいは疎水化処理されたものを選択し、これらの核粒子(a)および磁性体微粒子(b)をドライブレンドするか、あるいは、核粒子(a)および磁性体微粒子(b)の双方を侵すことなく良分散性の溶剤(例えばトルエン、ヘキサン)中で充分分散させた後、混合条件下で溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
また、例えば、核粒子(a)の表面および磁性体微粒子(b)の表面を多少溶かす材質あるいは溶剤を選択することにより、および/または混合時の温度条件を選択することにより、溶融結合または吸着、融着結合または吸着を利用した複合化も可能である。
あるいは、物理的に強い力を外部から加えることにより、核粒子(a)および磁性体微粒子(b)の複合化を実現させる方法も有効である。物理的に強い力の付加としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、あるいはジェットミル、ハイブリダイザーなど高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。効率よくかつ強固に複合化を実施するには、物理的吸着力が強いことが望ましい。その方法としては、攪拌翼付き容器中で攪拌翼の周速度が好ましくは15m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは40〜150m/秒で実施することが挙げられる。撹拌翼の周速度が15m/秒より低いと、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を吸着させるのに十分なエネルギーを得ることができないことがある。なお、撹拌翼の周速度の上限については、特に制限はないが、使用する装置、エネルギー効率などの点から自ずと決定される。
(ii)の構造においては、例えば、磁性母粒子(A)は、磁性体微粒子(b)の2次凝集体と、磁性体微粒子(b)の2次凝集体の表面上に存在するポリマー粒子(d)とを含むことができる。
(ii)(iii)の構造においては、例えば、磁性母粒子(A)は、磁性体微粒子(b)を含むポリマー粒子(d)であり、磁性体微粒子(b)はポリマー粒子(d)中に分散されていることができる。
(i)〜(iii)の構造のうち、磁性母粒子(A)としてより好ましい内部構造は、(i)の構造、すなわち、ポリマーなどの非磁性体をコア(核粒子)とし、磁性体微粒子(b)の2次凝集体をシェルとする構造である。
1.1.2.核粒子(a)
核粒子(a)は、基本的に非磁性物質であり、有機物質および無機物質のいずれも使用可能であるが、好ましくは有機物質である。有機物質の代表例としては、例えばポリマーを挙げることができる。かかるポリマーとしては、特に、ビニル系ポリマーが好ましく、その製造に使用するビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルなどを例示することができる。このビニル系ポリマーは単独重合体であっても、あるいは上記ビニル系モノマーから選ばれた2種以上のモノマーからなる共重合体であってもよい。また、上記ビニル系モノマーとブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの共重合可能なモノマーとの共重合体も使用することができる。
本発明で使用する核粒子(a)の平均粒子径は好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.2〜5μm、もっとも好ましくは0.3〜2μmである。
上述した範囲内の平均粒子径を有する核粒子(a)がポリマー粒子である場合、例えば上記のビニル系モノマーの懸濁重合、あるいはポリマーバルクの粉砕によって得ることもできる。均一な粒子径を有する核粒子(a)の作製方法としては、例えば、特公昭57−24369号公報記載の膨潤重合法、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・ポリマーレター・エディション(J.Polym.Sci.,Polymer Letter Ed.21,937(1963))記載の重合方法、特開昭61−215602号公報記載の方法、特開昭61−215603号公報記載の方法、および特開昭61−215604号公報記載の方法によって容易に製造することができる。
1.1.3.磁性体微粒子(b)
磁性体微粒子(b)は、特に制限はないが、酸化鉄系の物質が代表的であり、MFe(M=Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5Fe0.5等)で表現されるフェライト、Feで表現されるマグネタイト、あるいはγFeが挙げられる。特に、飽和磁化が高く、かつ残留磁化が低い磁気材料としてγFe、Feが好ましい。
本発明で使用する磁性体微粒子(b)は、核粒子(a)の平均粒子径の好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10以下、さらに好ましくは1/20以下の平均粒子径を有する。磁性体微粒子(b)の平均粒子径が核粒子(a)の平均粒子径の1/5を超えると、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)からなる被覆層を均一でかつ十分な厚みを有するように形成することができない場合がある。
また、磁気による分離精製の後の再分散性の点から、磁性体微粒子(b)は残留磁化が少ないことが好ましい。このため、磁性体微粒子(b)としては、例えば、粒径5〜20nm程度のフェライトおよび/またはマグネタイトの微粒子が好適に使用できる。
磁性体微粒子(b)は、表面が疎水化処理されたものを用いることができる。磁性体微粒子(b)の表面の疎水化処理方法は特に限定されないが、例えば、磁性体微粒子(b)と極めて親和性の高い部分と疎水性の部分とを分子内に有する化合物を、磁性体微粒子(b)に接触させて結合させる方法を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、シランカップリング剤に代表されるシラン化合物や、長鎖脂肪酸石鹸に代表される界面活性剤を挙げることができる。
シラン化合物による疎水化は、薬品耐性、特にアルカリ耐性に優れており、使用中に疎水性部分が脱落することによる磁性体の剥離、磁気性能の低下、ならびに脱離した磁性体微粒子(b)および界面活性剤の浮遊による系内への汚染物の混入を効果的に防止することができる。また、本発明においては、表面が疎水化処理された磁性体微粒子(b)が、たとえばトルエンに良好に分散することができる場合に、表面が十分に疎水化されているということができる。
シランカップリング剤に代表されるシラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどがある。これらのシラン化合物を磁性体微粒子(b)に結合させる方法としては、例えば、磁性体微粒子(b)とシラン化合物とを水などの無機媒質またはアルコール、エーテル、ケトン、エステルなどの有機媒質中で混合し、撹拌しながら加熱した後、磁性体微粒子(b)をデカンテーションなどにより分離した後、減圧乾燥により無機媒質または有機媒質を除去する手段を挙げることができる。また、磁性体微粒子(b)とシラン化合物とを直接混合し加熱させて両者を結合させてもよい。これらの手段において、加熱温度は通常30〜100℃であり、加熱温度は0.5〜2時間程度である。また、シラン化合物の使用量は、磁性体微粒子(b)の表面積によって適宜定められるが、通常、磁性体微粒子(b)100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。
長鎖脂肪酸石鹸に代表される界面活性剤としては、ステアリン酸(塩)、オレイン酸(塩)、リノール酸(塩)、リノレン酸(塩)、リシノレイン酸(塩)、エルシン酸(塩)、パルミチン酸(塩)、ミリスチン酸(塩)などの他、ピリジウム塩型撥水剤、メチロールアミド型撥水剤などの撥水剤を挙げることができる。これらの界面活性剤を磁性体微粒子(b)に結合させる方法としては、例えば、磁性体微粒子と界面活性剤とをアルコール、エーテル、ケトン、エステル、アルカンなどの有機溶媒質中または水で混合し、攪拌しながら加熱した後、磁性体微粒子をデカンテーションなどにより分離して減圧乾燥により有機媒質または水を除去する手段を挙げることができる。これらの手段において、加熱温度は通常30〜100℃であり、加熱温度は0.5〜2時間程度である。また、界面活性剤の使用量は、磁性体微粒子の表面積によって適宜定められているが、通常磁性体微粒子100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。
本発明において、核粒子(a)と磁性体微粒子(b)との比(核粒子(a):磁性体微粒子(b))は、重量比で75:25〜20:80が好ましい。磁性体微粒子(b)がこの範囲の量より少ないと、磁気分離性が劣る場合があり、一方、磁性体微粒子(b)がこの範囲の量より多いと、核粒子(a)の相対量が過剰となり、複合化されない磁性体微粒子(b)が多くなる場合がある。
1.1.4.母粒子コート層(c)
母粒子コート層(c)は上述したように、磁性母粒子(A)において、母粒子(a)および磁性体微粒子(b)を被覆する。すなわち、磁性母粒子(A)において、母粒子コート層(c)は、表面が磁性体微粒子(b)で覆われた母粒子(a)をさらに覆うように形成されている。
より具体的には、母粒子コート層(c)は、表面に磁性体微粒子(b)が吸着している核粒子(a)の存在下で、主原料(重合性モノマー)と、必要に応じて副原料(重合開始剤、乳化剤、分散剤、界面活性剤、電解質、架橋剤、分子量調節剤など)とが添加された液体中で重合を行なうことにより形成することができる。このような方法により、母粒子コート層(c)を重合によって形成することにより、鉄イオンなどの阻害物質が磁性体微粒子(b)から流出するのを隠蔽できるとともに、母粒子コート層(c)の表面に所望の官能基を導入することにより、後述する水系媒体中での表面電荷の調整が可能になる。
母粒子コート層(c)の成分としては特に、ビニル系ポリマーが好ましく、その製造に使用するビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルなどを例示することができる。このビニル系ポリマーは単独重合体であっても、あるいは上記ビニル系モノマーから選ばれた2種以上のモノマーからなる共重合体であってもよい。
また、上記ビニル系モノマーとブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、スチレンスルホン酸およびそのナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、イソプレンスルホン酸およびそのナトリウム塩、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびその塩化メチル4級塩、アリルアミンなどの共重合可能なモノマーとの共重合体も使用することができる。
重合開始剤としては、油溶性開始剤および水溶性開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等の過酸化化合物、アゾ化合物が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)鉱酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびそのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩等があげられ、また、過硫酸塩、過酸化水素塩と重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化第一鉄等を組み合わせたレドックス開始剤もあげられ、中でも過硫酸塩が好適に用いられる。これらの重合開始剤のモノマー全体に対する割合は0.01〜8重量%の範囲が好適に用いられる。
水への溶解性の観点から分類すると、油溶性重合開始剤が好ましい。水溶性の重合開始剤を用いると複合粒子表面での重合でなく、磁性体被覆粒子を含まない疎水性重合重合モノマーのみが重合した新粒子が多量に生じる傾向がある。
乳化剤としては、通常使用されている陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤等を単独もしくは組み合わせて用いることができる。例えば反応性陰イオン性界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルのリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物などの陰イオン性界面活性剤の他、ラテムルS−180A(花王(株)製)、エレミノールJS−2(三洋化成(株)製)、アクアロンHS−10、KH−10(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−10N、SR−10(旭電化工業(株)製)などを挙げることができる。
また、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン(塩)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(塩)、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などを挙げることができる。
また、非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのほか、アクアロンRS−20(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−20、RN−20(旭電化工業(株)製)などの反応性非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
母粒子コート層(c)の形成におけるモノマーの重合系への添加方法は、とくに制限されず、一括方式、分割方式あるいは連続添加方式のいずれであってもよい。重合温度は重合開始剤によって異なるが、通常10〜90℃好ましくは30〜85℃であり、重合に要する時間は通常1〜30時間程度である。
1.2.非磁性子粒子(B)
非磁性子粒子(B)は基本的に非磁性物質であり、有機物質および無機物質のいずれも使用可能であるが、好ましくは有機物質である。有機物質の代表例としては、例えばポリマーを挙げることができる。かかるポリマーとしては、上述の核粒子(a)を製造する際に使用できるものを用いることができる。上述のようにモノマー成分を選択することにより、生化学物質を結合するサイトとしての官能基を導入することができる。このような官能基としては特に限定されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホン基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基などが挙げられる。また、官能基と生化学物質との結合様式としては、特に限定されないが、例えば、共有結合、イオン結合、金属結合、配位結合などが挙げられ、好ましくは共有結合または金属結合である。
非磁性子粒子(B)の粒径は、磁性母粒子(A)の粒径dに対してd/2以下であり、好ましくは、d/100〜d/4であり、さらに好ましくは、d/50〜d/6である。非磁性子粒子(B)の粒径がd/2を超えると、非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)に吸着しないことがあり、また、吸着したとしても生化学物質結合容量が劣る。
本発明の磁性粒子において、1つの磁性母粒子(A)の表面上に存在する複数の非磁性子粒子(B)のCV(Coefficient of Variation)値は、30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
1.3.ポリマー層(C)
本発明の磁性粒子においては、上述したように、必要に応じてポリマー層(C)を含むことができる。ポリマー層(C)は磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)を被覆する。すなわち、ポリマー層(C)は、表面が非磁性子粒子(B)で覆われた磁性母粒子(A)をさらに覆うように形成されている。
ポリマー層(C)の成分、原料および製造方法は、上述の母粒子コート層(c)の成分、原料および製造方法と同様である。
より具体的には、非磁性子粒子(B)が吸着した磁性母粒子(A)の存在下で、主原料(重合性モノマー)と、必要に応じて副原料(重合開始剤、乳化剤、分散剤、界面活性剤、電解質、架橋剤、分子量調節剤など)とを添加した液体中で重合を行なうことにより、ポリマー層(C)を形成することができる。このようなポリマー層(C)を重合によって形成することにより、非磁性子粒子(B)が磁性母粒子(A)から脱着することを防止することができるため、磁性母粒子(A)から鉄イオンなどの阻害物質が流出するのを隠蔽することができる。また、ポリマー層(C)の表面に所望の官能基を導入することにより、生化学物質との結合サイトを設けることができる。このような官能基としては特に限定されないが、例えば、1.2.非磁性子粒子(B)の欄で例示したものを使用することができる。
1.4.用途
本発明の磁性粒子は、生化学分野、塗料、紙、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒など広い分野で利用できる。
本発明の磁性粒子の主たる用途の一つは、生化学用担体である。生化学用担体としての用途では、さらに、粒子からの不純物の溶出、あるいは磁性体微粒子(b)そのものの溶出あるいは磁性体微粒子(b)からの不純物の溶出は望ましくないが、上記の本発明の磁性粒子ではこのような不都合がないので、特に、診断薬用担体粒子に好適である。さらに本発明の磁性粒子は、このような診断薬用担体粒子の用途において、粒子表面が凸凹で、反応場としての広い担体面積を有していることから、生化学物質結合容量に優れる。
本発明の磁性粒子を診断薬用担体粒子として使用する場合、例えば、本発明の磁性粒子にタンパク質等の抗原あるいは抗体を結合して、測定対象である抗体あるいは抗原との抗原抗体反応に基づく受身凝集反応による溶液の濁度変化を利用した定量・定性検出用途,本発明の磁性粒子に抗体を結合して、抗原であるウイルス・細菌・細胞・ホルモン・ダイオキシン類等の化学物質などを前記抗体に結合させて回収・濃縮する用途,本発明の磁性粒子にDNAなどの核酸アナログを結合して、ハイブリダイゼーションを利用して該核酸アナログに核酸を結合させて回収・検出したり、核酸に結合するタンパク質や色素等の化学物質を前記核酸アナログに結合させて回収・検出したりする用途,本発明の磁性粒子にアビジンまたはビオチンを結合し、前記アビジンまたはビオチンにビオチンあるいはアビジンを有する分子を結合させて回収して検出する用途,本発明の磁性粒子に抗体や抗原を結合し、比色法や化学発光を利用した酵素免疫測定法用の担体として本発明の磁性粒子を使用する用途などが挙げられる。従来、96穴プレート等を担体として用いていた診断項目であれば、本発明の磁性粒子を用いることによって、磁性を利用した自動分析機に置き換えて使用できる。診断の対象となる物質としては、生体由来のタンパク質、黄体形成ホルモン、甲状腺刺激ホルモン等のホルモン、各種ガン細胞や、前立腺特異マーカー、膀胱ガンマーカー等のガンのマーカーとなるタンパク質、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルスなどのウイルス、淋菌、MRSA等の細菌、カンジダ、クリプトコックス等の真菌、トキソプラズマ等の原虫・寄生虫、あるいはそれらウイルス・細菌・真菌・原虫・寄生虫などの構成要素であるタンパク質や核酸、ダイオキシン類等の環境汚染物質、抗生物質や抗てんかん剤など医薬品等の化学物質などがあげられる。
なお、本発明の磁性粒子の用途は生化学用担体用途に限定されるわけではなく、例えば、上述した各分野で使用可能である。
2.磁性粒子の製造方法
本発明の磁性粒子の製造方法は、(1)粒径dの磁性母粒子(A)の表面に粒径d/2以下の非磁性子粒子(B)を吸着させる工程を含む。本発明の磁性粒子がポリマー層(C)を含む場合、前記工程(1)の後に、(2)磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)を被覆するポリマー層(C)を重合によって形成する工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の磁性粒子の製造方法における反応温度は、使用する磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)の種類、比重、濃度によって異なるが、40〜100℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。
磁性母粒子(A)の表面に非磁性子粒子(B)を吸着させる工程としては、磁性母粒子(A)の表面に非磁性子粒子(B)を物理的に吸着させる方法のほか、クーロン引力を用いる方法が好適である。クーロン引力を用いる方法としては、例えば、水系媒体中で正または負の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と、これと逆の表面荷電(負または正)を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合する工程が挙げられる。中でも、(1)カルボキシル基など常用される、アニオン性官能基を磁性粒子表面に容易に導入可能、(2)DNAなどのアニオン性生体物質の非特異的吸着が少なくなるという点で、磁性母粒子(A)が正の表面荷電を有することが好ましい。この場合、正の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と負の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合することにより、磁性母粒子(A)の表面に非磁性子粒子(B)を吸着させる。ここで、水系媒体としては、磁性粒子の欄で例示したものを使用することができる。
磁性母粒子(A)および非磁性子粒子(B)の表面荷電を正または負に調整する方法は、公知のコロイド界面化学的手法を用いればよく、例えば、以下の(1)〜(6)の方法を使用することができる。
(1)水系媒体中で正の表面荷電を有する磁性母粒子(A)を作製する方法としては、例えば、(i)酸化鉄系の磁性体微粒子(b)を表面処理せずに使用して核粒子(a)を被覆し、磁性体微粒子(b)の等電点(通常pH9.5程度)未満の水分散体とする方法、(ii)N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系シランカップリング剤で表面処理した磁性体微粒子(b)を使用する方法、(iii)母粒子コート層(c)の形成時に、重合性モノマーとしてN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのカチオン基を有するモノマーを使用し、かつ/または、副原料として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩などのカチオン基を有する開始剤を使用し、かつ/または、分散剤としてカチオン性界面活性剤を使用して重合を行なう方法などが挙げられる。
(2)水系媒体中で負の表面荷電を有する磁性母粒子(A)を作製する方法としては、例えば、(i)酸化鉄系の磁性体微粒子(b)を表面処理せずに使用して核粒子(a)に被覆し、磁性体微粒子(b)の等電点(通常pH9.5程度)を越える水分散体とする方法、(ii)長鎖脂肪酸などで表面処理した磁性体微粒子(b)を使用する方法、(iii)母粒子コート層(c)の形成時に、重合性モノマーとしてメタクリル酸などのアニオン基を有するモノマーを使用し、かつ/または、副原料として過硫酸カリウムなどのアニオン基を有する開始剤を使用し、かつ/または、分散剤としてアニオン性界面活性剤を使用して重合を行なう方法などが挙げられる。
(3)非磁性子粒子(B)がポリマーからなる場合、水系媒体中で正の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)を作製する方法としては、ポリマー粒子の重合時に、重合性モノマーとしてN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのカチオン基を有するモノマーを使用し、かつ/または、副原料として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩などのカチオン基を有する開始剤を使用し、かつ/または、分散剤としてカチオン性界面活性剤を使用して重合を行なう方法が挙げられる。
(4)非磁性子粒子(B)が酸化金属からなる場合、水系媒体中で正の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)を作製する方法としては、酸化金属の等電点を越える水分散体とする方法が挙げられる。
(5)非磁性子粒子(B)がポリマーからなる場合、水系媒体中で負の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)を作製する方法としては、ポリマー粒子の重合時に、重合性モノマーとしてメタクリル酸などのアニオン基を有するモノマーを使用し、かつ/または、副原料として過硫酸カリウムなどのアニオン基を有する開始剤を使用し、かつ/または、分散剤としてアニオン性界面活性剤を使用して重合を行なう方法が挙げられる。
(6)非磁性子粒子(B)が酸化金属からなる場合、水系媒体中で負の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)を作製する方法としては、酸化金属の等電点未満の水分散体とする方法が挙げられる。
磁性母粒子(A)の表面に非磁性子粒子(B)を吸着させるためには、水系媒体中で正の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と、負の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合するのがより好ましく、上記(1)〜(3)の方法により作製された水系媒体中で正の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と、上記(5)の方法により作製された負の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合するのがさらに好ましい。このような工程を採用することにより、鉄イオンなどの生化学反応妨害物質の溶出がよりいっそう少なくなり、かつ、生化学物質結合容量がよりいっそう多くなる。
水系媒体中で正または負の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と、これと逆の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合する工程では、非磁性子粒子(B)を攪拌および/または超音波分散しながら、磁性母粒子(A)を徐々に加えていく方法が好ましい。また、磁性母粒子(A)と非磁性子粒子(B)との混合比率はそれぞれの粒径の比によって異なるが、非磁性子粒子(B)の吸着が完了した状態で、なお、吸着していない非磁性子粒子(B)が残留するような比率であると分散系が安定するため、本発明の磁性粒子の作製が容易となる。なお、残留した非磁性子粒子(B)は、磁気分離により、本発明の磁性粒子と容易に分離精製することができる。
水系媒体中で正または負の表面荷電を有する磁性母粒子(A)と、これと逆の表面荷電を有する非磁性子粒子(B)とを水系媒体中で混合する工程では、非磁性子粒子(B)の結合を促進するイオン性化合物を添加することが好ましい。このようなイオン性化合物としては、磁性母粒子(A)が正の表面荷電を有する場合、塩酸、硝酸、硫酸などの酸性化合物を、磁性母粒子(A)が負の表面荷電を有する場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの塩基性化合物をそれぞれ例示することができる。
磁性母粒子(A)の表面に非磁性子粒子(B)が吸着する様式は、非磁性子粒子(B)がなるべく多く吸着した一層吸着が好ましい。このような吸着様式であると生化学物質結合容量がよりいっそう多く、かつ、非特異な生化学物質の結合が少なくなり、ノイズが減少する。
3.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
3.1.評価方法
本実施例および比較例において、得られた磁性粒子の鉄イオン量およびビオチン結合量は以下の方法によって測定された。また、粒子の粒径は、特に説明がない限り以下の方法により測定された。
3.1.1.鉄イオン量
o−フェニレンジアミン13mg、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH5)50mL、および30%過酸化水素水15μLを混合して、鉄イオン検出液を調製した。次に、本実施例または比較例で得られた乾燥重量2mgの磁性体微粒子を前記鉄イオン検出液500μLと混合しながら25℃で1時間反応させた後、上清300μLを取り出し、マイクロプレートリーダー(型名:Model450、バイオラッド(BIO−RAD)社製)によって450nmでの吸光度を測定することにより、生化学反応阻害物質である鉄イオン量を評価した。なお、吸光度が高いほど鉄イオン量が多いことを示す。
3.1.2.ビオチン結合量
本実施例または比較例で得られた磁性粒子とアビジンとを化学結合させて得られたアビジン化磁性粒子5mgと、蛍光標識されたビオチン(蛍光標識化ビオチン)5000pmolとを1mlの1MNaCl PBS溶液中で反応させた。反応後、アビジンと反応しなかった蛍光標識化ビオチン(未反応蛍光標識化ビオチン)の蛍光強度を測定し、得られた蛍光強度から、蛍光標識化ビオチンの蛍光強度と濃度との関係式に基づいて、測定溶液中における未反応蛍光標識化ビオチンの濃度を算出し、さらに、該濃度および該測定溶液の容積から未反応蛍光標識化ビオチンの量を算出した。
本実施例または比較例で得られた磁性粒子のビオチン結合量は、以下の式(1)より算出された。
ビオチン結合量(pmol/mg)=
{(結合前の蛍光標識化ビオチンの量(pmol))−(未反応蛍光標識化ビオチンの量(pmol))}/(磁性粒子の質量(2mg)) ・・・・・(1)
3.1.3.粒径
1μM以上の粒子については、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製)SALD−200Vにより、1μM未満の粒子についてはレーザ散乱回折法粒度分布測定装置LS 13 320((株)ベックマン・コールター)により粒径を測定した。
3.2.磁性母粒子(A)の作製
3.2.1.核粒子(a−1)の作製
特開平07−238105号公報(例えば実施例1,2)記載の重合方法を参考にして、スチレン/ジビニルベンゼン=96/4共重合体を重合した後、反応液を水洗して遠心分離により上清を分離して廃棄する操作を5回繰り返した後、下層のスラリーを60℃の乾燥機で24時間乾燥することにより、粉体の核粒子(a−1)(平均粒子径1.6μm)を得た。
3.2.2.磁性体被覆粒子の形成
特開2004−205481号公報記載の実施例2にしたがって、油性磁性流体「FV55」(松本油脂(株)製)(FeとγFeの混合物)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された磁性体微粒子(b−1)10gを得た。次に、3.2.1.で得られた核粒子(a−1)10gと磁性体微粒子(b−1)10gとを混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(攪拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で5分間処理して、磁性体被覆粒子(磁性体微粒子(b−1)によって被覆された核粒子(a−1))を得た。
3.2.3.母粒子コート層(c−1)の形成
3.2.2で得られた磁性体被覆粒子30gと、分散剤としてノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.25%およびカチオン性乳化剤(商品名:「コータミン24P」,花王(株)製)0.25%を含む水溶液750gとを1Lセパラブルフラスコに投入し、充分に分散させた。別の容器にノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.25%およびカチオン性乳化剤(商品名:「コータミン24P」)0.25%を含む水溶液150gを入れ、これに、モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート30g、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド7.5g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(商品名:「パーブチルO」,日本油脂(株)製)1.5gを添加し、混合することにより、モノマー乳化物を作製した。次いで、イカリ型撹拌羽を用いて前記セパラブルフラスコ中の内容物を回転速度200rpmにて撹拌しつつ、Nガスでパージしながら60℃に昇温した後、前記モノマー乳化物を2時間かけて前記セパラブルフラスコに連続添加した。連続添加終了後、80℃で2時間攪拌を続けて反応を完結させ、母粒子コート層(c−1)を形成した。得られた磁性母粒子の水分散体を磁気精製および遠心精製した。以上のようにして作製された磁性母粒子を磁性母粒子(A−1)とする。磁性母粒子(A−1)の粒径をレーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製)により測定した結果、2.8μmであった。
3.3.磁性粒子の作製
3.3.1.実施例1
スチレン/メタクリル酸=95/5共重合体からなる平均粒径0.1μmの非磁性子粒子(B−1)5gを含む水分散体1000gをビーカーに入れ、水浴中で間接超音波をかけながら、別の容器で調製した磁性母粒子(A−1)6gと、0.1MのHCl50gと、ノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%とを含む水溶液500gを前記ビーカーに滴下することにより、磁性母粒子(A−1)の表面に非磁性子粒子(B−1)を吸着させた。得られた粒子分散体を磁気精製することにより、磁性母粒子(A−1)の表面に非磁性子粒子(B−1)が吸着した磁性粒子(1)を得た。磁性粒子(1)をSEM(走査電子顕微鏡)により観察したところ、磁性母粒子(A−1)の表面に非磁性子粒子(B−1)が吸着しているのが観察された(図1参照)。なお、この磁性粒子(1)は、ポリマー層を有していない。
次に、この磁性粒子(1)6gと、ノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%を含む水溶液150gとを500mLセパラブルフラスコに投入して、充分に分散させた。別の容器にノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%を含む水溶液0.75gを入れ、この水溶液にモノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート0.15g、メタクリル酸0.0375g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート0.0075gを添加して混合することにより、モノマー乳化物を作製した。次いで、イカリ型撹拌羽を用いて回転速度200rpmにて撹拌しつつ、Nガスでパージしながら前記モノマー乳化物全量を前記セパラブルフラスコに加えた後、80℃に昇温して3時間攪拌を続けることにより、磁性粒子(1)の表面にポリマー層(C−1)を形成した。得られた磁性粒子(1’)の水分散体を磁気精製および遠心精製した。この磁性粒子(1’)をSEMにより観察したところ、磁性母粒子(A−1)の表面上に非磁性子粒子(B−1)が存在し、かつ、非磁性子粒子(B−1)および磁性母粒子(A−1)を被覆するポリマー層(C−1)が形成されているのが観察された。
本実施例により製造された磁性粒子(1)および(1’)の鉄イオン量およびビオチン結合量の測定結果を表1に示す。
3.3.2.実施例2
非磁性子粒子(B−1)のかわりに、スチレン/メタクリル酸=95/5共重合体からなる平均粒径0.2μmの非磁性子粒子(B−2)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて、ポリマー層(C−2)を有さない磁性粒子(2)(図2参照)およびポリマー層(C−2)を有する磁性粒子(2’)を得た。
本実施例により製造された磁性粒子(2)および(2’)の鉄イオン量およびビオチン結合量の測定結果を表1に示す。
3.3.3.比較例1
非磁性子粒子が吸着していない磁性母粒子(A−1)6gと、ノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%を含む水溶液150gとを500mLセパラブルフラスコに投入して充分に分散させた。別の容器にノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%を含む水溶液0.75gを入れ、これにモノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート0.15g、メタクリル酸0.0375g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート0.0075gを添加して混合することにより、モノマー乳化物を作製した。次に、イカリ型撹拌羽を用いて回転速度200rpmにて撹拌しつつ、Nガスでパージしながら前記モノマー乳化物全量を前記セパラブルフラスコに加えた後、80℃に昇温して3時間攪拌を行なうことにより、磁性母粒子(A−1)の表面にポリマー層(C−3)を形成させた。得られた磁性粒子(3)の水分散体を磁気精製および遠心精製した。本比較例により製造された磁性粒子(3)の鉄イオン量およびビオチン結合量の測定結果を表1に示す。
3.3.4.比較例2
非磁性子粒子(B−1)のかわりに、スチレン/メタクリル酸=95/5共重合体からなる平均粒径1.5μmの非磁性子粒子(B−3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて、ポリマー層(C−4)を有する磁性粒子(4)を得た。得られた磁性粒子(4)をSEMにより観察した結果、磁性母粒子(A−1)の表面において非磁性子粒子(B−3)の吸着はほとんど見られなかった。本比較例により製造された磁性粒子(4)の鉄イオン量およびビオチン結合量の測定結果を表1に示す。
3.3.5.比較例3
特開2004−205481号公報記載の実施例2にしたがって、油性磁性流体「FV55」(松本油脂(株)製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、磁性体微粒子800gを得た。次に、得られた乾燥磁性体微粒子5gを、水浴中で間接超音波をかけながら2Lビーカー中に入れた水1000gに分散させ、これに別の容器で調製した非磁性母粒子(スチレン/N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド=96/4共重合体、平均粒径2.8μm)6gと、0.1M塩酸50gと、ノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%とを含む水溶液500gを前記ビーカーに滴下して、非磁性母粒子に磁性体微粒子を吸着させた。得られた粒子分散体を磁気精製することにより、非磁性母粒子の表面に磁性体微粒子が吸着した磁性粒子6gを得た。次に、この磁性粒子6gと、分散剤としてノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%とを含む水溶液150gを500mLセパラブルフラスコに投入して、充分に分散させた。次いで、別の容器にノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」)0.5%を含む水溶液0.75gを入れ、これにモノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート0.15g、メタクリル酸0.0375g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート0.0075gを添加して、混合することにより、モノマー乳化物を作製した。次いで、イカリ型撹拌羽を用いて回転速度200rpmにて撹拌しつつ、Nガスでパージしながら、このセパラブルフラスコにモノマー乳化物全量を加えた後、80℃に昇温して3時間攪拌を行なって反応を完結させた。得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製して、磁性粒子(5)を得た。この磁性粒子(5)をSEMにより観察したところ、非磁性母粒子の表面に磁性体微粒子が吸着し、かつ、磁性体微粒子および非磁性母粒子のまわりに新たなポリマー層(C−5)が形成されているのが観察された。本比較例により製造された磁性粒子(5)の鉄イオン量およびビオチン結合量の測定結果を表1に示す。
表1によれば、実施例1,2の磁性粒子によれば、比較例1〜3の磁性粒子と比較して、磁性母粒子の表面上に非磁性子粒子が存在することにより、ビオチン結合量が多いことが確認された。また、実施例1,2の磁性粒子によれば、比較例2の磁性粒子と比較して、粒径dの磁性母粒子の表面上に粒径d/2以下の非磁性子粒子が存在することにより、ビオチン結合量が多いことが確認された。さらに、実施例1,2の磁性粒子によれば、ポリマー層が形成されていることにより、流出する鉄イオンの量を低下させることができることが確認された。これに対して、比較例3の磁性粒子によれば、非磁性母粒子の表面上に磁性体微粒子が存在するため、ポリマー層が非磁性母粒子および磁性体微粒子を被覆するように形成されているにも関わらず、流出する鉄イオンの量が多かった。
実施例1で得られた磁性粒子(1)のSEM写真である。 実施例2で得られた磁性粒子(2)のSEM写真である。

Claims (15)

  1. 粒径dの磁性母粒子(A)と、
    前記磁性母粒子(A)の表面上に存在する粒径d/100〜d/4の非磁性子粒子(B)と、
    を含む、磁性粒子。
  2. 請求項1において、
    前記磁性母粒子(A)および前記非磁性子粒子(B)を被覆するポリマー層(C)をさらに含む、磁性粒子。
  3. 請求項1または2において、
    前記磁性母粒子(A)は、
    核粒子(a)と、
    前記核粒子(a)の表面上に存在する磁性体微粒子(b)と、
    を含む、磁性粒子。
  4. 請求項3において、
    前記磁性母粒子(A)は、前記核粒子(a)および前記磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)をさらに含む、磁性粒子。
  5. 請求項1または2において、
    前記磁性母粒子(A)は、磁性体微粒子(b)を含むポリマー粒子(d)であり、
    前記磁性体微粒子(b)は、前記ポリマー粒子(d)中に分散されている、磁性粒子。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    粒径が0.1〜10μmである、磁性粒子。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の磁性粒子を用いた、生化学用担体。
  8. (1)粒径dの磁性母粒子(A)の表面に粒径d/100〜d/4の非磁性子粒子(B)を吸着させる工程を含む、磁性粒子の製造方法。
  9. 請求項において、
    前記工程(1)の後、(2)前記磁性母粒子(A)および前記非磁性子粒子(B)を被覆するポリマー層(C)を重合によって形成する工程をさらに含む、磁性粒子の製造方法。
  10. 請求項またはにおいて、
    前記磁性母粒子(A)は、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させることにより得られる、磁性粒子の製造方法。
  11. 請求項またはにおいて、
    前記磁性母粒子(A)は、核粒子(a)の表面に磁性体微粒子(b)を物理的に吸着させた後、前記核粒子(a)および前記磁性体微粒子(b)を被覆する母粒子コート層(c)を重合によって形成することにより得られる、磁性粒子の製造方法。
  12. 請求項ないし11のいずれかにおいて、
    前記磁性母粒子(A)は、水系媒体中で正または負の表面荷電を有し、
    前記非磁性子粒子(B)は、前記水系媒体中で負または正の表面荷電を有し、
    前記工程(1)において、前記磁性母粒子(A)と前記非磁性子粒子(B)とを前記水系媒体中で混合することにより、前記磁性母粒子(A)の表面に前記非磁性子粒子(B)を吸着させる、磁性粒子の製造方法。
  13. 請求項12において、
    前記磁性母粒子(A)は、前記水系媒体中で正の表面荷電を有する、磁性粒子の製造方法。
  14. 請求項8ないし13のいずれかにおいて、
    粒径が0.1〜10μmである磁性粒子の製造方法。
  15. 請求項ないし14のいずれかに記載の磁性粒子の製造方法によって得られる、生化学用担体。
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