JP2004313008A - 細胞培養方法および細胞培養装置 - Google Patents

細胞培養方法および細胞培養装置 Download PDF

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晃 山本
Takeshi Sugao
健 菅生
Yae Kurosawa
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Kikuka Kishiro
きくか 木城
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【課題】培養液を均一かつ緩やか(マイルド)に撹拌することができ、細胞を効率よく増殖させ得る細胞培養方法および細胞培養装置を提供すること。
【解決手段】本発明の細胞培養装置100は、細胞と粒状の細胞培養担体1と磁性粒子2とを含む培養液140を収納する培養容器110と、培養液140中で磁性粒子2を移動させるための磁場を発生する磁場発生装置120と、コントローラ130と、加温装置150とを有している。この細胞培養装置100では、培養液140へ磁場を与え、培養液140中で磁性粒子2を移動させることにより、培養液140を撹拌し、細胞を細胞培養担体1の表面に付着させ、増殖させる。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞培養方法および細胞培養装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、細胞培養技術が、細胞組織工学、医薬品等の安全性試験、治療や診断を目的としたタンパク質の生産等、様々な産業、研究分野で応用されている。
【0003】
現在、この細胞培養には、付着依存性細胞を大量に効率よく培養するために、培養フラスコによる平面培養ではなく、細胞の足場となるビーズ状の担体を用いた三次元高密度培養(マイクロキャリヤー培養)が用いられている。
【0004】
このマイクロキャリヤー培養には、各種の担体(細胞培養担体)が用いられている。
【0005】
ところで、マイクロキャリヤー培養では、担体を均一に懸濁させ、付着させた各細胞に偏りなく栄養を供給するため、細胞培養を行っている間は、培養液を十分に撹拌することが重要となる。
【0006】
これまで、このマイクロキャリヤー培養には、一般に、羽根(フィン)が形成された撹拌子を用い、これを回転させながら培養液の撹拌を行うスピンナーフラスコが使用されている(特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、スピンナーフラスコを用いるマイクロキャリヤー培養では、撹拌子の回転速度が速過ぎると、羽根と担体とが激しく衝突して細胞が担体から脱落したり、破壊されてしまう場合があり、細胞を十分に増殖させることができない。一方、撹拌子の回転速度が遅過ぎると、担体がスピンナーフラスコ中で沈んでしまい、培養液中に均一に懸濁されない。このような場合、細胞への栄養供給に偏りが生じ、期待する程の増殖率が得られないため、攪拌子を適度な回転速度で回転させることが極めて重要となる。
【0008】
ところが、スピンナーフラスコを用いるマイクロキャリヤー培養では、攪拌子を適度な回転速度で回転させることが非常に難しいという問題がある。また、用いる細胞の種類やフラスコの形状等に応じて、培養条件(攪拌子の回転速度等)の設定が必要であるという問題もある。
【0009】
【特許文献1】
特開平06−209761号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一かつ緩やか(マイルド)に培養液を撹拌することができる細胞培養方法および細胞培養装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(27)の本発明により達成される。
【0012】
(1) 細胞と、粒状の細胞培養担体と、磁性粒子とを含む培養液へ磁場を与え、前記培養液中で前記磁性粒子を移動させることにより、前記培養液を撹拌し、前記細胞を前記細胞培養担体の表面に付着させ、増殖させることを特徴とする細胞培養方法。
【0013】
本発明によれば、均一かつ緩やかに培養液を撹拌することができ、その結果、細胞を効率よく増殖させることができる。
【0014】
(2) 前記培養液へ与える磁場の強度を、経時的に変化させる上記(1)に記載の細胞培養方法。
これにより、培養液をより均一に攪拌することができる。
【0015】
(3) 前記培養液へ与える磁場の位置を、経時的に変化させる上記(1)または(2)に記載の細胞培養方法。
これにより、培養液をより均一に攪拌することができる。
【0016】
(4) 前記細胞培養担体は、主として樹脂材料で構成された基材と、該基材の表面の少なくとも一部を覆うように形成され、前記細胞が付着し得る被覆層とを有するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0017】
これにより、細胞培養担体に、細胞を付着、増殖させる機能を好適に発揮させつつ、その形状、大きさ(平均粒径等)、物性(密度等)の調整が容易となる。
【0018】
(5) 前記被覆層は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0019】
リン酸カルシウム系化合物は、生物学的に不活性であり、細胞に対してダメージを与えるおそれが極めて低いことから好ましい。
【0020】
(6) 前記被覆層は、前記基材の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子の一部が貫入することにより形成されたものである上記(5)に記載の細胞培養方法。
これにより、被覆層と基材との密着性を優れたものとすることができる。
【0021】
(7) 前記被覆層は、前記基材の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子を衝突させることにより形成されたものである上記(6)に記載の細胞培養方法。
かかる方法によれば、容易かつ確実に、被覆層を形成することができる。
【0022】
(8) 前記細胞培養担体の密度は、0.8〜1.4g/cmである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の細胞培養方法。
これにより、細胞培養担体を培養液中でより均一に懸濁させることができる。
【0023】
(9) 前記細胞培養担体の平均粒径をA[μm]とし、前記細胞培養担体に付着させる細胞の最大長さをB[μm]としたとき、A/Bが2〜100である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0024】
これにより、細胞培養担体の表面積を細胞の大きさ(サイズ)に対して十分に大きくすることができるため、細胞が細胞培養担体の表面に付着、増殖するのがより容易となる。
【0025】
(10) 前記細胞培養担体の平均粒径をA[μm]とし、前記磁性粒子の平均粒径をC[μm]としたとき、C/Aが0.02〜10である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0026】
これにより、磁性粒子の移動による培養液の攪拌を十分に行うことができ、細胞培養担体を培養液中でより均一に懸濁させることができる。
【0027】
(11) 前記細胞培養担体の平均粒径は、50〜500μmである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0028】
これにより、細胞が細胞培養担体の表面に付着、増殖するのがより容易となるとともに、細胞培養担体を培養液中でより均一に懸濁させることができる。
【0029】
(12) 前記磁性粒子は、樹脂材料と磁性材料とを複合化してなるものである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0030】
これにより、樹脂材料と磁性材料との配合比率(混合比率)を設定することで、容易に磁性粒子の密度(比重)を調整することができるとともに、磁性粒子の形状、大きさ(平均粒径等)等の調整が容易となる。
【0031】
(13) 前記磁性粒子の密度は、0.8〜2.5g/cmである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の細胞培養方法。
これにより、培養液の撹拌を十分に行うことができる。
【0032】
(14) 前記磁性粒子の平均粒径は、10〜500μmである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の細胞培養方法。
これにより、培養液の撹拌を十分に行うことができる。
【0033】
(15) 前記磁性粒子は、その表面の少なくとも一部を覆うように形成され、前記細胞が付着し得る被覆層を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0034】
これにより、磁性粒子の表面にも細胞を付着させ、増殖させることが可能となり、細胞の増殖効率をより向上させることができる。
【0035】
(16) 前記被覆層は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている上記(15)に記載の細胞培養方法。
【0036】
リン酸カルシウム系化合物は、生物学的に不活性であり、細胞に対してダメージを与えるおそれが極めて低いことから好ましい。
【0037】
(17) 前記被覆層は、前記磁性粒子の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子の一部が貫入することにより形成されたものである上記(16)に記載の細胞培養方法。
これにより、被覆層と基材との密着性を優れたものとすることができる。
【0038】
(18) 前記被覆層は、前記磁性粒子の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子を衝突させることにより形成されたものである上記(17)に記載の細胞培養方法。
かかる方法によれば、容易かつ確実に、被覆層を形成することができる。
【0039】
(19) 前記磁性粒子と前記細胞培養担体との混合比は、容積比で10:90〜50:50である上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の細胞培養方法。
【0040】
これにより、培養液を十分に撹拌することができるとともに、細胞培養担体からの細胞の脱落を防止することもできる。
【0041】
(20) 上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の細胞培養方法に用いることを特徴とする細胞培養装置。
【0042】
本発明によれば、均一かつ緩やかに培養液を撹拌することができ、その結果、細胞を効率よく増殖させることができる。
【0043】
(21) 細胞と、粒状の細胞培養担体と、磁性粒子とを含む培養液を収納する培養容器と、
前記培養液中で前記磁性粒子を移動させるための磁場を発生する磁場発生装置とを有することを特徴とする細胞培養装置。
【0044】
本発明によれば、均一かつ緩やかに培養液を撹拌することができ、その結果、細胞を効率よく増殖させることができる。
【0045】
(22) 前記磁場発生装置は、発生する磁場の強度を経時的に変化させるよう構成されている上記(21)に記載の細胞培養装置。
これにより、培養液をより均一に攪拌することができる。
【0046】
(23) 前記磁場発生装置は、発生する磁場の位置を経時的に変化させるよう構成されている上記(21)または(22)に記載の細胞培養装置。
これにより、培養液をより均一に攪拌することができる。
【0047】
(24) 前記磁場発生装置は、前記培養容器の外周部に設けられている上記(21)ないし(23)のいずれかに記載の細胞培養装置。
【0048】
(25) 前記磁場発生装置は、前記培養液に接触して設けられている上記(21)ないし(23)のいずれかに記載の細胞培養装置。
【0049】
(26) 前記磁場発生装置は、前記培養容器内に収納された前記培養液の液面付近に設けられている上記(21)ないし(25)のいずれかに記載の細胞培養装置。
【0050】
これにより、磁性粒子を上下方向に大きく移動させることができ、培養液をより均一に撹拌することができる。
【0051】
(27) 前記磁場発生装置を複数個有する上記(21)ないし(26)のいずれかに記載の細胞培養装置。
【0052】
これにより、磁性粒子の培養液中での移動をより複雑なパターンとすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明は、細胞を懸濁させた培養液(液体培地)を撹拌しながら、細胞を浮遊状態で増殖させる撹拌培養に適用される。
【0054】
ここで、この撹拌培養では、特に細胞が付着依存性細胞の場合、細胞とともに、細胞を付着させる細胞培養担体を培養液中に懸濁し、この細胞培養担体の表面に細胞を付着させた状態で増殖させることが行われる。
【0055】
細胞培養担体を用いる培養方法は、特にマイクロキャリヤー培養と称され、本発明は、このマイクロキャリヤー培養に好適に用いることができる。
【0056】
以下、本発明の細胞培養方法および細胞培養装置をマイクロキャリヤー培養に適用した場合を一例として説明する。
【0057】
まず、本発明の細胞培養方法について説明する。
本発明の細胞培養方法は、細胞と、粒状の細胞培養担体と、磁性粒子とを含む培養液へ磁場を与え、培養液中で磁性粒子を移動させることにより、培養液を撹拌し、細胞を細胞培養担体の表面に付着させ、増殖させるものである。すなわち、本発明の細胞培養方法により、細胞の培養を行う際には、まず、細胞および細胞培養担体とともに、磁性粒子を培養液中に添加する。そして、この培養液に磁場を与え、培養液中で磁性粒子を移動させることにより、培養液を撹拌する。この状態で、細胞を細胞培養担体の表面に付着させ、増殖させる。
【0058】
本発明によれば、均一かつ緩やかに培養液を撹拌することができ、その結果、細胞を効率よく増殖させることができる。
【0059】
また、このような細胞培養方法では、培養液へ与える磁場の強度や位置を、経時的に変化させることにより、培養液をより均一に攪拌することができる。
【0060】
ここで、磁場の強度を経時的に変化させる方法としては、例えば、磁場の発生をオン/オフする方法、磁場の強度を増減する方法等が挙げられる。
【0061】
また、磁場の位置を経時的に変化させる方法としては、例えば、複数の磁場発生装置からの磁場を経時的に切り替える方法、培養液と磁場発生装置とを相対的に移動させる方法等が挙げられる。
【0062】
以下、各構成要素について、順次説明する。
図1は、本発明で用いられる細胞培養担体の構成を示す断面図、図2は、本発明で用いられる磁性粒子の構成を示す断面図、図3は、本発明で用いられる磁性粒子の他の構成を示す断面図である。
【0063】
[細胞培養担体1]
細胞培養担体1は、細胞の増殖の足場となるものであり、粒状(好ましくは、ほぼ球状)をなすものである。
【0064】
細胞培養担体1としては、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、セルロース、デキストラン等を主材料とするもの(これらは、通常、マイクロキャリヤー培養において用いられるものである。)が使用可能である他、図1に示すように、基材11と、基材11の表面を覆うように形成され、細胞が付着し得る被覆層12とを有する構成のものを用いることもできる。
【0065】
細胞培養担体1として、図1に示す構成のものを用いることにより、細胞培養担体1に、細胞を付着、増殖させる機能を好適に発揮させつつ、その形状、大きさ(平均粒径等)、物性(密度等)の調整が容易となる。
【0066】
基材11は、樹脂材料を主材料とするものが好適である。これにより、前記効果をより向上させることができる。
【0067】
樹脂材料としては、各種熱硬化性樹脂、各種熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的には、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン等、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、熱硬化性ポリウレタン、エボナイド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】
また、樹脂材料は、有機顔料、無機顔料、酸性染料、塩基性染料等で着色されたものであってもよい。
【0069】
被覆層12の構成材料は、細胞が付着し得るものであればよいが、特に、リン酸カルシウム系化合物を主材料とするものが好適である。リン酸カルシウム系化合物は、生物学的に不活性であり、細胞に対してダメージを与えるおそれが極めて低いことから好ましい。
【0070】
リン酸カルシウム系化合物としては、特に限定されず、Ca/P比が1.0〜2.0の各種化合物を用いることができ、例えば、Ca10(PO(OH)、Ca10(PO、Ca10(POCl、Ca(PO、Ca、Ca(PO、CaHPO等のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0071】
これらの中でも、リン酸カルシウム系化合物としては、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))を主成分とするものが最適である。ハイドロキシアパタイトは、生体材料として用いられるものであり、細胞が極めて効率よく付着することができ、かつ、細胞に対するダメージを与える可能性が特に低い。
【0072】
また、フッ素アパタイト(Ca10(PO)を用いる場合には、全リン酸カルシウム系化合物中のフッ素含有率を、5重量%以下とするのが好ましい。全リン酸カルシウム系化合物中のフッ素含有率を、5重量%以下とすることにより、被覆層12(細胞培養担体1)からのフッ素の溶出が防止または極めて少量とされるので、細胞へのダメージは、無いかまたは極めて小さいものとすることができ、その結果、細胞の増殖効率が低下するのが防止される。
【0073】
なお、これらのリン酸カルシウム系化合物は、公知の湿式合成法、乾式合成法などによって合成することができる。この場合、リン酸カルシウム系化合物中には、その合成の際に残存する物質(原料等)または合成の過程で生じる二次反応生成物等が含まれていてもよい。
【0074】
被覆層12を主としてリン酸カルシウム系化合物で構成する場合、この被覆層12は、基材11の表面に、リン酸カルシウム系化合物を吸着させることにより形成されたものであってもよいが、図1に示すように、基材11の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子13(以下、単に「粒子13」と言う。)の一部が貫入することにより形成されたものであるのが好ましい。これにより、被覆層12と基材11との密着性を優れたものとすることができる。このため、被覆層12の基材11の表面からの剥離を好適に防止すること、すなわち、細胞培養担体1の強度を優れたものとすることができる。
【0075】
また、この場合、被覆層12は、例えば、基材11の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子(以下、単に「多孔質粒子」と言う。)を衝突させることにより形成することができる。かかる方法によれば、容易かつ確実に、被覆層12を形成することができる。
【0076】
基材11の表面に多孔質粒子を衝突させると、多孔質粒子は、基材11に衝突する際に、破砕されて比較的小さい粒径の粒子13となり、その一部が基材11に貫入する。このとき、粒子13の一部が基材11に貫入すると、基材11は、自らの弾性力により粒子13を掴み込むようにして固定する。
【0077】
また、多孔質粒子は、リン酸カルシウム系化合物の一次粒子を凝集結合させることにより製造されたものを用いるのが好ましい。このような多孔質粒子は、基材11に衝突した際に、より効率よく破砕されるので、基材11の表面をより確実に被覆することができる。
【0078】
多孔質粒子の平均粒径は、特に限定されないが、100μm以下であるのが好ましい。多孔質粒子の平均粒径が100μmを超えると、基材11への衝突時の速度が低くなり、多孔質粒子が効率よく破砕されない場合がある。
【0079】
この基材11と多孔質粒子との衝突は、例えば、市販のハイブリダイゼーション装置を用いて、乾式で行うことができる。このときの条件は、例えば、基材11と多孔質粒子との混合比が、重量比で400:1〜50:1程度、装置内の温度が、基材11の主材料として用いた樹脂材料の軟化温度以下(通常、80℃以下)とされる。
【0080】
また、このような多孔質粒子は、例えば、次のような公知の方法で製造することができる。
【0081】
すなわち、多孔質粒子は、公知の方法で湿式合成したリン酸カルシウム系化合物の結晶粒子(一次粒子)を含むスラリーを、直接噴霧乾燥などにより二次粒子に造粒するか、または、前記スラリーに粘度調整剤、加熱により消失する有機化合物粒子または繊維等の添加物を加えて、噴霧乾燥などにより二次粒子に造粒する。なお、得られた二次粒子は、必要に応じて焼成するようにしてもよい。
【0082】
この二次粒子自体が多孔質粒子となっているので、この二次粒子をそのまま被覆層12の形成に使用することができる。
【0083】
さらに、より高気孔率の多孔質粒子が好ましい場合には、例えば、次の方法で製造するようにする。
【0084】
まず、前記二次粒子を再びスラリー状に懸濁して、湿式成形または加圧による乾式成形等により、ブロック体に成形する。なお、この際、後の焼成工程で消散して、気孔を形成するための有機化合物を添加してもよい。また、かかる有機化合物を添加せずに、例えば焼成温度等の他の条件を調節することにより、気孔径を制御することもできる。次いで、得られたブロック体を400〜1300℃程度の温度範囲で焼成する。焼成温度が400℃未満では、有機化合物の熱消失、ブロック体の焼結等が充分に行われないおそれがある。一方、焼成を1300℃を超える高温で行うと、焼結体が緻密化し過ぎたり、リン酸カルシウム系化合物が分解を起こすおそれがある。次いで、このように焼成したブロック体を粉砕後、分級して所望の粒径のものとする。
【0085】
この多孔質粒子の気孔径は、例えば、前記一次粒子の大きさ、スラリーの粘度、添加物等を適宜設定することによって、調整することができる。
【0086】
このようにして得られる多孔質粒子は、その比表面積が10m/g以上、かつ、細孔径(気孔径)が500〜1000Å程度であることが好ましい。かかる条件を満足する多孔質粒子を用いて製造される細胞培養担体1は、その表面への細胞の付着の効率、付着した細胞の増殖の効率をより向上させることができる。
【0087】
なお、被覆層12の形成方法(細胞培養担体1の製造方法)は、これに限定されるものではない。
【0088】
このような被覆層12は、緻密質なものまたは多孔質なもののいずれであってもよい。
【0089】
また、被覆層12の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜5μm程度であるのが好ましく、0.5〜2μm程度であるのがより好ましい。被覆層12の平均厚さが前記下限値未満である場合、細胞培養担体1では、部分的に基材11が露出してしまうおそれがある。一方、被覆層12の平均厚さが前記上限値を超えた場合、細胞培養担体1の密度の調整が困難となる。
【0090】
このような細胞培養担体1は、その密度(比重)が水の密度に近いのものであるのが好ましい。具体的には、細胞培養担体1の密度は、0.8〜1.4g/cm程度であるのが好ましく、0.9〜1.2g/cm程度であるのがより好ましい。これにより、細胞培養担体1を培養液中でより均一に懸濁させることができる。
【0091】
また、細胞培養担体1の大きさ(サイズ)も、特に限定されないが、例えば、次のようなものが好ましい。
【0092】
すなわち、細胞培養担体1の平均粒径をA[μm]とし、細胞培養担体1に付着させる細胞の最大長さをB[μm]としたとき、A/Bが2〜100程度であるのが好ましく、5〜50程度であるのがより好ましい。これにより、細胞培養担体1の表面積を細胞の大きさ(サイズ)に対して十分に大きくすることができるため、細胞が細胞培養担体1の表面に付着、増殖するのがより容易となる。
【0093】
また、細胞培養担体1の平均粒径をA[μm]とし、後述する磁性粒子2の平均粒径をC[μm]としたとき、C/Aが0.02〜10程度であるのが好ましく、0.3〜3程度であるのがより好ましい。これにより、磁性粒子2の移動による培養液の攪拌(後述参照)を十分に行うことができ、細胞培養担体1を培養液中でより均一に懸濁させることができる。
【0094】
具体的には、細胞培養担体1の平均粒径は、50〜500μm程度であるのが好ましく、100〜300μm程度であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果をより向上させることができる。
【0095】
以上説明したような細胞培養担体1は、その表面により多くの細胞を付着させ、増殖させる観点からは、本実施形態のように、基材11の表面のほぼ全てが被覆層12で覆われているのが好ましいが、付着させる細胞の種類や、基材11の構成材料の種類等によっては、その表面の一部が被覆層12で覆われたような構成(換言すれば、基材11の一部が被覆層12から露出する構成)であってもよい。
【0096】
[磁性粒子2]
磁性粒子2は、磁場が与えられることにより、培養液中で移動し得るものである。この磁性粒子2が、培養液の全体に亘って移動することにより、培養液は、均一かつ緩やか(マイルド)に撹拌され、その結果、細胞培養担体1は、培養液中で均一に懸濁される。
【0097】
このため、細胞が細胞培養担体1の表面に付着し易くなるとともに、付着した細胞には、均一に栄養が供給されることになる。また、従来のスピンナーフラスコを用いた培養のように、羽根と細胞培養担体1とが衝突して生じる激しい衝撃が細胞培養担体1に加わるのを防止することができるので、付着した細胞が細胞培養担体1の表面から脱落することや、細胞が破壊されるのを防止することができる。このようなことから、本発明によれば、細胞をより効率よく増殖させることができる。
【0098】
磁性粒子2は、磁場を与えることにより容易に移動可能であり、また、磁場を取り除いたときには培養液中で沈降(沈殿)し得るものであるのが好ましい。これにより、培養液をより容易かつ確実に攪拌することができる。
【0099】
かかる観点からは、磁性粒子2の密度(比重)は、0.8〜2.5g/cm程度であるのが好ましく、1.2〜1.9g/cm程度であるのがより好ましい。磁性粒子2の密度が小さ過ぎると、磁場を取り除いた際に、磁性粒子2が培養液中で沈降し難くなり、一方、磁性粒子の密度が大き過ぎると、磁性粒子2を培養液中で移動させるのに大きな磁場が必要となり、いずれの場合も、培養液の撹拌を十分に行えないおそれがある。
【0100】
磁性粒子2は、その全体が磁性材料で構成されたものであってもよいが、樹脂材料と磁性材料とを複合化してなる複合化粒子であるのが好ましい。これにより、樹脂材料と磁性材料との配合比率(混合比率)を設定することで、容易に磁性粒子2の密度(比重)を調整することができる。また、磁性粒子2の形状、大きさ(平均粒径等)等の調整が容易となるという利点もある。
【0101】
この複合化粒子(磁性粒子2)の形態としては、図2に示すように、主として樹脂材料で構成された基材21中に磁性材料(磁性粉体)22が分散されたものが好適である。かかる磁性粒子2は、例えば、磁性材料22を混合した溶融状態の樹脂材料を粒状に成形(造粒)することにより、比較的容易に製造することができる。なお、複合化粒子は、磁性材料22が基材21の表面付近にのみ分散されたものであってもよい。
【0102】
この磁性材料22としては、例えば、酸化鉄、Fe、Ni、Co等を主成分とする強磁性合金、フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0103】
また、樹脂材料としては、細胞培養担体1の基材11で挙げたものと同様のものを用いることができる。
【0104】
磁性粒子2の平均粒径は、10〜500μm程度であるのが好ましく、100〜300μm程度であるのがより好ましい。磁性粒子2の平均粒径が小さ過ぎると、培養液に十分な乱流を生じさせることができず、一方、磁性粒子2の平均粒径が大き過ぎると、磁性粒子2を培養液中で移動させるのに大きな磁場が必要となり、いずれの場合も、培養液の撹拌を十分に行えないおそれがある。なお、磁性粒子2の平均粒径が小さ過ぎると、磁性粒子2同士が容易に凝集してしまうおそれもある。
【0105】
このような磁性粒子2の培養液中への添加量は、特に限定されないが、前記磁性粒子と前記細胞培養担体との混合比が、容積比で10:90〜50:50程度(特に、20:80〜40:60程度)となるように混合するのが好ましい。磁性粒子2の培養液中への添加量が少な過ぎると、培養液を十分に撹拌することができないおそれがある。一方、磁性粒子2の培養液中への添加量が多過ぎると、磁性粒子2と細胞培養担体1とが衝突する頻度が高くなり、これにより、細胞培養担体1から細胞が脱落するおそれがある。
【0106】
また、このような磁性粒子2には、例えば、図3に示すように、その表面の少なくとも一部(図示の構成では、表面のほぼ全体)を覆うように形成され、細胞を付着し得る被覆層23を有する構成のものを用いることもできる。これにより、磁性粒子2の表面にも細胞を付着させ、増殖させることが可能となり、細胞の増殖効率をより向上させることができる。
【0107】
この被覆層23の構成は、細胞培養担体1の被覆層12で記載したのと同様の構成とするのが好ましい。すなわち、被覆層23は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されたものであるのが好ましい。また、この被覆層23は、磁性粒子2の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子24の一部が貫入することにより形成されたものであるのが好ましく、この場合、磁性粒子2の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子を衝突させることにより形成されたものであるのが好ましい。
【0108】
特に、リン酸カルシウム系化合物を主材料として被覆層23を形成することにより、磁性材料22から生じる金属イオンを被覆層23で捕捉して、培養液中に金属イオンが溶出するのを防止することもできる。これにより、細胞への悪影響を防止することができる。この場合、被覆層23は、イオンバリヤ層として機能する。
【0109】
[培養液]
培養液140は、用いる細胞の種類等により適宜選択され、特に限定されないが、例えば、ダルベッコMEM培地、ニッスイMEM培地、BME培地、MCDB−104培地等を用いることができる。
【0110】
また、これらの培養液140中には、必要に応じて、例えば、血清、アルブミン等の血清タンパク質、各種ビタミン類、アミノ酸、塩類等の添加剤を添加するようにしてもよい。
【0111】
次に、このような細胞培養方法に用いられる細胞培養装置(本発明の細胞培養装置)について説明する。
【0112】
<第1実施形態>
まず、本発明の細胞培養装置の第1実施形態について説明する。
【0113】
図4は、本発明の細胞培養装置の第1実施形態を示す模式図、図5は、磁場発生装置が発生する磁場のパターンを示す図である。
【0114】
図4に示す細胞培養装置100は、培養容器110と、磁場発生装置120と、コントローラ(制御部)130と、加温装置150とを有している。コントローラ130が電源に接続されることにより、細胞培養装置100の各部の作動に必要な電力が供給される。
【0115】
培養容器110は、培養液140を収納するものであり、上部に培養液140を供給・排出するための開口部111が形成されている。この開口部111は、必要に応じて栓体112によって閉塞され、培養容器110内の気密性が保たれるようになっている。
【0116】
培養容器110の形状、容量等は、特に限定されず、用いる細胞の種類、培養液140の種類等に応じて適宜設定される。
【0117】
磁場発生装置120は、培養液140中で磁性粒子2を移動させるための磁場を発生するものであり、電磁石121と、この電磁石121を収納する非磁性体カバー(図示せず)とを有している。
【0118】
本実施形態では、電磁石121は、金属製の環状の芯材122と、この芯材122の外周部にラセン状に巻回された導線123とで構成され、導線123に通電することにより周辺に磁場を発生する。
【0119】
非磁性体カバーは、電磁石121を保護、固定する機能を有するものであり、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料等で構成されている。
【0120】
このような磁場発生装置120の内側には、培養容器110が設けられている。換言すれば、磁場発生装置120は、培養容器110の外周部に設けられている。なお、磁場発生装置120は固定部材(図示せず)により、固定・保持されている。磁場発生装置120の培養容器110の高さ方向における設置位置は、培養液140を培養容器110内に収納(貯留)したときに、培養液140の液面付近とするのが好ましい。これにより、磁性粒子2を上下方向に大きく移動させることができ、培養液140をより均一に撹拌することができる。
【0121】
また、磁場発生装置120と培養容器110との離間距離(図2中d)は、特に限定されないが、磁場発生装置120と培養容器110とができるだけ接近しているのが好ましく、特に、これらが接触(密着)して設けられているのが好ましい。
【0122】
磁場発生装置120は、発生する磁場の強度を経時的に変化させるよう構成されている。この磁場発生装置120が発生する磁場のパターンとしては、例えば、一定間隔でオン/オフするパターン(図5(a)参照)が挙げられる。磁場を発生させると、磁性粒子2が磁場発生装置120側に引き寄せられ、培養液140中で浮上する。また、この状態から磁場の発生を停止すると、磁場発生装置120側に引き寄せられた磁性粒子2がその自重によって沈降する。このような磁性粒子2の上下移動の繰り返しにより培養液140には乱流が生じ、培養液140が均一かつ緩やかに撹拌される。
【0123】
磁場の最大強度(絶対値)は、磁性粒子2の密度(比重)、培養液140の組成や容積等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.1〜100Wb/m程度であるのが好ましく、0.2〜50Wb/m程度であるのがより好ましい。磁場の最大強度(磁束密度)が小さ過ぎると、磁性粒子2を磁場発生装置120側に十分に引き寄せることが困難となり、培養液140の撹拌が不十分になるおそれがある。また、磁場の最大強度を前記上限値を超えて大きくしても、消費電力が無駄にかかるばかりか、磁場が細胞へ悪影響を及ぼすおそれがある。
【0124】
なお、磁場発生装置120が発生する磁場のパターンは、一定間隔でオン/オフするパターン(図5(a)参照)に限らず、例えば、発生する磁場の強度を一定間隔で増減させるパターン(図5(b)参照)、発生する磁場の強度や向き等を連続的に変化させるパターン(図5(c)参照)等であってもよい。また、これらのパターンは、任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0125】
コントローラ130は、電源から供給される電流の条件(例えば、種類、量、方向、時間、周波数等)を変化させる機能を有するものである。そして、コントローラ130は、電源から供給される電流を変換して、所定の条件(パターン)の電流を電磁石121(磁場発生装置120)に供給する。例えば、磁場発生装置120に間欠的に磁場を発生させる場合、電源から供給される交流電流をパルス電流に変換し、電磁石121に供給する。
【0126】
また、コントローラ130には、加温装置150が電気的に接続されている。この加温装置150は、例えば、ヒータ、ペルチェ素子等が内蔵されており、コントローラ130の制御により培養液140を加温する。
【0127】
次に、このような細胞培養装置100の使用方法(細胞培養方法)の一例を説明する。
【0128】
[1] まず、細胞培養担体1および磁性粒子2に、それぞれ滅菌処理を施す。これにより、細胞培養担体1および磁性粒子2の表面に存在する微生物やカビ等の数を低減、または、これらを完全に死滅させることができる。これにより、微生物やカビ等による細胞へのダメージが低減または除去され、細胞は、より効率よく増殖することができる。
【0129】
この滅菌処理には、例えば、細胞培養担体1および磁性粒子2と滅菌液とを接触させる方法、オートクレーブ滅菌、ガス滅菌、放射線滅菌等を用いることができるが、これらの中でも、細胞培養担体1および磁性粒子2と滅菌液とを接触させる方法が好適である。かかる方法によれば、大量の細胞培養担体1および磁性粒子2を、より効率よく滅菌することができる。
【0130】
滅菌液を用いる場合、滅菌処理後の細胞培養担体1および磁性粒子2を洗浄して、細胞培養担体1および磁性粒子2の表面に付着した滅菌液を除去する。
【0131】
[2] 次に、前記工程[1]終了後の細胞培養担体1および磁性粒子2と、細胞(付着させる細胞)とを培養液140に添加(混合)し、この培養液140を、細胞培養装置100の培養容器110内に収納(貯留)する。
【0132】
ここで、細胞には、例えば、目的とするタンパク質をコードする遺伝子を含むシャトルベクター(ベクター)を移入しておくようにする。
【0133】
この細胞としては、例えば、動物細胞、植物細胞、細菌、ウイルス等が挙げられるが、これらの中でも、特に、動物細胞が好適である。細胞として動物細胞を用いることにより、本発明をより広範な技術分野へ適用することが可能となるとともに、タンパク質の生産を行う場合には、より複雑な構造を有するもの(例えば、糖タンパク質等)の生産を好適に行うことができる。
【0134】
[3] 次に、細胞培養装置100を作動させると、前述のようにして培養液140には、磁場発生装置120から所定のパターンの磁場が与えられる(印加される)。これにより、培養液140中で磁性粒子2が移動し、この磁性粒子2の移動により培養液140が攪拌され、細胞培養担体1は、培養液140中に均一に懸濁される。
【0135】
また、このとき、加温装置150により培養液140は加温される。この培養液140の加温の温度は、培養する細胞の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、通常、4〜40℃程度、好ましくは25〜37℃程度とされる。
【0136】
このような状態で、培養液140中では、細胞が細胞培養担体1の表面に付着し、その表面で増殖する。特に、磁性粒子2の移動による培養液140の攪拌は、均一かつ緩やかに行われるため、細胞の培養を極めて効率よく行うことができる。
【0137】
そして、増殖した細胞は、目的とするタンパク質を生産(産生)して、このタンパク質を、例えば培養液140中へ放出したり、細胞内に蓄積したり等する。
【0138】
なお、このとき、必要に応じて、酸素ガスを含むガスを供給しつつ、細胞の培養を行うようにしてもよい。
【0139】
[4] 次に、生産されたタンパク質を回収する。例えば、培養液140中に放出されたタンパク質を回収する場合には、次のようにすることができる。
【0140】
すなわち、前記工程[3]における培養液140の攪拌を停止して、細胞培養担体1および磁性粒子2が培養液140中で沈殿した後上清を採取するか、または、培養液140を濾過して濾液を採取する。そして、この採取液(上清または濾液)を処理(例えば、クロマトグラフィー等)することにより、目的とするタンパク質を容易に回収することができる。
【0141】
<第2実施形態>
次に、本発明の細胞培養装置の第2実施形態について説明する。
【0142】
図6は、本発明の細胞培養装置の第2実施形態を示す模式図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0143】
図6に示す細胞培養装置100では、磁場発生装置120の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の細胞培養装置100と同様である。
【0144】
すなわち、第2実施形態の磁場発生装置120は、直線状(円柱状)の芯材122の外周部にラセン状に導線123が巻回されてなる電磁石121を有している。なお、磁場発生装置120は、磁場に影響を与えない材料を主材料として構成される防水カバーで覆うことが好ましい。
【0145】
この磁場発生装置120は、培養容器110に装着される栓体112に挿通された状態で、固定(固着)されている。そして、本実施形態では、細胞の培養を行う際に、磁場発生装置120は、培養液140に接触するように設置される。
【0146】
磁場発生装置120が発生する磁場のパターンは、例えば、前述した図5に示すパターンとすることができる。
【0147】
このような第2実施形態の細胞培養装置100においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0148】
<第3実施形態>
次に、本発明の細胞培養装置の第3実施形態について説明する。
【0149】
図7は、本発明の細胞培養装置の第3実施形態を示す模式図、図8は、磁場発生装置が発生する磁場のパターンを示す図である。
【0150】
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0151】
図7に示す細胞培養装置100では、磁場発生装置120の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の細胞培養装置100と同様である。
【0152】
すなわち、第3実施形態の磁場発生装置120は、4つ(複数)の電磁石121A〜121Dを備えている。
【0153】
そして、各電磁石121A〜121Dは、培養容器110の周方向に沿って、ほぼ等間隔で設けられている。
【0154】
このような構成により、通電する電磁石121A〜121Dを順次切り替えると、すなわち、発生する磁場の位置を経時的に変化させると、磁性粒子2の培養液140中での移動をより複雑なパターンとすることができる。これにより、細胞培養担体1を培養液140中でより均一に懸濁させることができ、その結果、細胞をより効率よく増殖させることができる。
【0155】
各電磁石121A〜121Dが発生する磁場のパターン(各電磁石121A〜121Dへの通電の切替)は、例えば、図8に示すようにすることができる。すなわち、1つの電磁石が磁場を発生している間は、他の電磁石は磁場を発生しないようにし、磁場を発生する電磁石を順次(同期させて)切り替えていく。これにより、磁性粒子2を培養容器110の内面に沿って移動させることができる。
【0156】
なお、各電磁石121A〜121Dが発生する磁場のパターンは、図8に示すものに限定されず、例えば、図5に示すようなパターンを任意に組み合わせたものであってもよい。
【0157】
また、各電磁石121A〜121Dは、互いに、例えば導線123の巻回数、全体形状、大きさ等が同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0158】
このような第3実施形態の細胞培養装置100においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0159】
以上、本発明の細胞培養方法および細胞培養装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、各前記実施形態の任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
【0160】
また、各前記実施形態では、磁場発生装置が固定された構成のものであったが、本発明では、磁場発生装置と培養容器とが相対的に移動可能に設けられ、培養液へ与える磁場の位置を経時的に変化させる構成であってもよい。このような構成としては、磁場発生装置を培養容器に対して、例えば、上下方向へ、左右方向へ、接近離間させる方向へ、周方向に沿って、または、これらを組み合わせて移動させる構成等が挙げられる。
【0161】
さらに、本発明では、磁場発生装置は、前述したようなパターンで培養液へ与える磁場の強度を経時的に変化させるとともに、培養容器に対して相対的に移動可能に設けられ、培養液へ与える磁場の位置を経時的に変化させる構成とされていてもよい。
【0162】
また、各前記実施形態では、磁場発生装置は、電磁石を備える構成のものであったが、電磁石に代えて永久磁石を用いることもできる。
【0163】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0164】
1.細胞培養担体および磁性粒子の用意
[細胞培養担体A]
まず、平均粒径150μm、密度1.02g/cmのナイロン粒子(基材)50gと、Ca/P比1.67、平均粒径10μmのハイドロキシアパタイト粒子(一次粒子が凝集結合した多孔質粒子)0.25gとを用意した。
【0165】
なお、ハイドロキシアパタイト粒子は、その比表面積が45m/g、かつ、その細孔径が600Åであった。
【0166】
次に、これらナイロン粒子およびハイドロキシアパタイト粒子をNARAハイブリダイゼーションシステムNHS−1((株)奈良機械製作所製、定格動力5.5kW、定格電流23A)に投入し、この装置を6400回転/分、32〜50℃で5分間稼動させた。これにより、表面がハイドロキシアパタイトで被覆された細胞培養担体A(図1参照)を得た。
【0167】
なお、得られた細胞培養担体Aは、平均粒径151μm(ハイドロキシアパタイト被覆層の平均厚さ1μm)、密度1.03g/cmであった。
【0168】
[細胞培養担体B]
細胞培養担体Bとして、平均粒径200μm、密度1.03g/cmのデキストラン粒子(ファルマシア社製)を用意した。
【0169】
[細胞培養担体C]
細胞培養担体Cとして、平均粒径150μm、密度1.02g/cmのナイロン粒子を用意した。
【0170】
[磁性粒子A]
磁性粒子Aとして、平均粒径150μm、密度1.90g/cmのフェライト複合化ナイロン粒子(図2参照)を用意した。
【0171】
[磁性粒子B]
まず、平均粒径150μm、密度1.90g/cmのフェライト複合化ナイロン粒子50gと、Ca/P比1.67、平均粒径10μmハイドロキシアパタイト粒子(一次粒子が凝集結合した多孔質粒子)0.25gとを用意した。
【0172】
なお、ハイドロキシアパタイト粒子は、その比表面積が45m/g、かつ、その細孔径が600Åであった。
【0173】
次に、これらフェライト複合化ナイロン粒子およびハイドロキシアパタイト粒子をNARAハイブリダイゼーションシステムNHS−1((株)奈良機械製作所製、定格動力5.5kW、定格電流23A)に投入し、この装置を6400回転/分、32〜50℃で5分間稼動させた。これにより、表面がハイドロキシアパタイトで被覆された磁性粒子Bを得た。
【0174】
なお、得られた磁性粒子Bは、平均粒径151μm(ハイドロキシアパタイト被覆層の平均厚さ1.0μm)、密度1.93g/cmであった。
【0175】
2.細胞の培養
2−1. ヒト骨肉腫由来細胞(HOS)の培養
このヒト骨肉腫由来細胞は、最大長さが約20μmの細胞である。
【0176】
(実施例1A)
細胞培養担体A:0.8gと、磁性粒子A:0.6gと、2×10個/mLのヒト骨肉腫由来細胞(HOS)懸濁液:30mLとを、ニッスイMEM培地(培養液)100mLに添加した。なお、ニッスイMEM培地中には、10vol%のウシ胎児血清を添加して用いた。
また、細胞培養担体Aと磁性粒子Aとの容積比は、70:30であった。
【0177】
この培養液を、図4に示すような細胞培養装置の培養容器(IWAKI−PYREX社製、耐熱広口ガラス瓶)に収納して、細胞の培養を行った。なお、培養条件は、発生する磁場のパターン:図5(a)、パルス間隔:2秒、培養液の温度:37℃、培養の日数:5日間とした。
【0178】
(実施例2A)
パルス間隔を10秒とした以外は、前記実施例1Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0179】
(実施例3A)
磁性粒子Aに代えて、磁性粒子Bを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、細胞の培養を行った。
なお、細胞培養担体Aと磁性粒子Bとの容積比は、70:30であった。
【0180】
(実施例4A)
細胞培養担体A:0.8gに代えて、細胞培養担体B:0.2gを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0181】
(比較例1A)
細胞培養担体A:0.8gと、2×10個/mLのヒト骨肉腫由来細胞(HOS)懸濁液:30mLとを、ニッスイMEM培地(培養液)100mLに添加した。なお、ニッスイMEM培地中には、10vol%のウシ胎児血清を添加して用いた。
【0182】
この培養液を、スピンナーフラスコ(柴田科学社製)に収納して、細胞の培養を行った。なお、培養条件は、撹拌子の回転速度:30rpm、培養液の温度:37℃、培養の日数:5日間とした。
【0183】
(比較例2A)
攪拌子の回転速度を60rpmとした以外は、前記比較例1Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0184】
(比較例3A)
細胞培養担体Aに代えて、細胞培養担体Cを用いた以外は、前記比較例1Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0185】
2−2. サル腎臓由来細胞(Vero)の培養
このサル腎臓由来細胞は、最大長さが約20μmの細胞である。
【0186】
(実施例1B〜4B、比較例1B〜3B)
サル腎臓由来細胞を用いた以外は、それぞれ、前記実施例1A〜4Aおよび比較例1A〜3Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0187】
2−3. 蚊由来細胞(C6/36)の培養
この蚊由来細胞は、最大長さが約20μmの細胞である。
【0188】
(実施例1C〜4C、比較例1C〜3C)
蚊由来細胞を用いた以外は、それぞれ、前記実施例1A〜4Aおよび比較例1A〜3Aと同様にして、細胞の培養を行った。
【0189】
3.評価
各実施例および各比較例において、それぞれ、培養開始(撹拌開始)から3時間後、1日後、3日後、5日後に、各培養液の所定量を採取し、細胞培養担体(15mg)の表面に付着している細胞の数を計測した。この細胞数の計測は、EDTAまたはトリプシン処理した細胞をトリパンブルー染色することにより行った。
その結果を、表1〜表3に示す。
【0190】
【表1】
Figure 2004313008
【0191】
【表2】
Figure 2004313008
【0192】
【表3】
Figure 2004313008
【0193】
各表に示すように、各実施例(本発明)では、いずれも、細胞の種類によらず、各比較例に対して、細胞の培養効率が高いことが明らかとなった。
【0194】
また、実施例(本発明)では、磁場の発生パターンのパルス間隔を変更した場合でも、細胞の増殖効率に大きな変動は、認められなかった。このことから、実施例では、細胞の種類等に応じた培養条件の厳密な設定を要しないことが判る。
【0195】
これに対して、スピンナーフラスコを用いる培養である比較例では、攪拌子の回転速度の違いにより、細胞の培養効率が大きく変動するものであった。すなわち、比較例では、いずれの細胞も、その育成状態が攪拌子の回転速度の違いにより大きく異なるものであった。このため、培養条件の最適化が極めて難しいことが判る。
また、比較例では、細胞培養担体からの細胞の脱落も認められた。
【0196】
なお、図4、図6および図7に示すような細胞培養装置を用いて、磁場のパターンを種々変更して、各前記実施例と同様にして細胞の培養を行ったが、前記と同様の結果が得られた。
【0197】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、培養液を均一かつ緩やか(マイルド)に撹拌することができ、細胞を効率よく増殖させることができる。
【0198】
また、細胞培養担体および磁性粒子の構成を適宜設定することにより、前記効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる細胞培養担体の構成を示す断面図である。
【図2】本発明で用いられる磁性粒子の構成を示す断面図である。
【図3】本発明で用いられる磁性粒子の他の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の細胞培養装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図5】磁場発生装置が発生する磁場のパターンを示す図である。
【図6】本発明の細胞培養装置の第2実施形態を示す模式図である。
【図7】本発明の細胞培養装置の第3実施形態を示す模式図である。
【図8】磁場発生装置が発生する磁場のパターンを示す図である。
【符号の説明】
1 細胞培養担体
11 基材
12 被覆層
13 粒子
2 磁性粒子
21 基材
22 磁性材料
23 被覆層
24 粒子
100 細胞培養装置
110 培養容器
111 開口部
112 栓体
120 磁場発生装置
121 電磁石
121A〜121D 電磁石
122 芯材
123 導線
130 コントローラ
140 培養液
150 加温装置

Claims (27)

  1. 細胞と、粒状の細胞培養担体と、磁性粒子とを含む培養液へ磁場を与え、前記培養液中で前記磁性粒子を移動させることにより、前記培養液を撹拌し、前記細胞を前記細胞培養担体の表面に付着させ、増殖させることを特徴とする細胞培養方法。
  2. 前記培養液へ与える磁場の強度を、経時的に変化させる請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 前記培養液へ与える磁場の位置を、経時的に変化させる請求項1または2に記載の細胞培養方法。
  4. 前記細胞培養担体は、主として樹脂材料で構成された基材と、該基材の表面の少なくとも一部を覆うように形成され、前記細胞が付着し得る被覆層とを有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の細胞培養方法。
  5. 前記被覆層は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞培養方法。
  6. 前記被覆層は、前記基材の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子の一部が貫入することにより形成されたものである請求項5に記載の細胞培養方法。
  7. 前記被覆層は、前記基材の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子を衝突させることにより形成されたものである請求項6に記載の細胞培養方法。
  8. 前記細胞培養担体の密度は、0.8〜1.4g/cmである請求項1ないし7のいずれかに記載の細胞培養方法。
  9. 前記細胞培養担体の平均粒径をA[μm]とし、前記細胞培養担体に付着させる細胞の最大長さをB[μm]としたとき、A/Bが2〜100である請求項1ないし8のいずれかに記載の細胞培養方法。
  10. 前記細胞培養担体の平均粒径をA[μm]とし、前記磁性粒子の平均粒径をC[μm]としたとき、C/Aが0.02〜10である請求項1ないし9のいずれかに記載の細胞培養方法。
  11. 前記細胞培養担体の平均粒径は、50〜500μmである請求項1ないし10のいずれかに記載の細胞培養方法。
  12. 前記磁性粒子は、樹脂材料と磁性材料とを複合化してなるものである請求項1ないし11のいずれかに記載の細胞培養方法。
  13. 前記磁性粒子の密度は、0.8〜2.5g/cmである請求項1ないし12のいずれかに記載の細胞培養方法。
  14. 前記磁性粒子の平均粒径は、10〜500μmである請求項1ないし13のいずれかに記載の細胞培養方法。
  15. 前記磁性粒子は、その表面の少なくとも一部を覆うように形成され、前記細胞が付着し得る被覆層を有する請求項1ないし14のいずれかに記載の細胞培養方法。
  16. 前記被覆層は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている請求項15に記載の細胞培養方法。
  17. 前記被覆層は、前記磁性粒子の表面付近に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された粒子の一部が貫入することにより形成されたものである請求項16に記載の細胞培養方法。
  18. 前記被覆層は、前記磁性粒子の表面に、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成された多孔質粒子を衝突させることにより形成されたものである請求項17に記載の細胞培養方法。
  19. 前記磁性粒子と前記細胞培養担体との混合比は、容積比で10:90〜50:50である請求項1ないし18のいずれかに記載の細胞培養方法。
  20. 請求項1ないし19のいずれかに記載の細胞培養方法に用いることを特徴とする細胞培養装置。
  21. 細胞と、粒状の細胞培養担体と、磁性粒子とを含む培養液を収納する培養容器と、
    前記培養液中で前記磁性粒子を移動させるための磁場を発生する磁場発生装置とを有することを特徴とする細胞培養装置。
  22. 前記磁場発生装置は、発生する磁場の強度を経時的に変化させるよう構成されている請求項21に記載の細胞培養装置。
  23. 前記磁場発生装置は、発生する磁場の位置を経時的に変化させるよう構成されている請求項21または22に記載の細胞培養装置。
  24. 前記磁場発生装置は、前記培養容器の外周部に設けられている請求項21ないし23のいずれかに記載の細胞培養装置。
  25. 前記磁場発生装置は、前記培養液に接触して設けられている請求項21ないし23のいずれかに記載の細胞培養装置。
  26. 前記磁場発生装置は、前記培養容器内に収納された前記培養液の液面付近に設けられている請求項21ないし25のいずれかに記載の細胞培養装置。
  27. 前記磁場発生装置を複数個有する請求項21ないし26のいずれかに記載の細胞培養装置。
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