JPWO2015005299A1 - 培養装置、培養システム、及び培養方法 - Google Patents

培養装置、培養システム、及び培養方法 Download PDF

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Abstract

本発明の培養装置10は、細胞、磁性粒子、及び培養液を収容する培養容器10と、培養容器10の温度調節ユニット5と、培養容器10の外部に設けられる磁石7aと、磁石7aの磁力を調節する磁力調節ユニット7bと、磁力調節ユニット7bの動作を制御する制御部とを具備する。磁力調節ユニット7bが磁石7bの磁力を調節して、磁性粒子及び細胞を培養容器10内の所定領域に保持するか、又は磁性粒子及び細胞を前記培養容器内で分散する。

Description

本発明は、磁性粒子を用いて細胞培養を行う培養装置、培養システム、及び培養方法に関するものである。
体細胞等の付着細胞は、培養容器の底面に付着し、足場を形成してから細胞分裂と細胞伸長を繰り返し、細胞数を増加させていく。その際、細胞は培養容器の底面に付着したままであるから、細胞数の増加が続くと、細胞同士が容器底面の接着面の奪い合いになる。そのため、細胞数の増加が続くと、細胞間の隙間がなくなり、最終的には細胞が重層化し、細胞が窒息し、栄養が十分に行き渡らなくなるため(コンフルエント状態)、死細胞が発生してしまう。
そのため、付着細胞を培養容器で培養する際は、コンフルエント状態になる前に、細胞数が一定数(一定密度)になった段階で、培養容器から細胞を剥がして、他の容器に移し替え、細胞に栄養が十分に行き渡るようにしながら培養していく必要がある(継代培養)。
培養容器から細胞を引き剥がして、他の容器に移し替えるためには、トリプシン等の酵素溶液で細胞接着タンパク質を分解して細胞を浮遊させるか、スクレイパーで培養容器から細胞を物理的に引き剥がす必要がある。細胞培養の分野において、これらの方法は細胞にストレスを付与するものであり、細胞にとって好ましくない処理であることは周知の事項である。例えば、トリプシンは細胞に毒性があることが知られており、トリプシン処理によって細胞の性質が変化し、死細胞が発生することが知られている。したがって、これらの細胞にストレスを付与する処理を、できる限り少なくすることが求められている。
また、培養容器から細胞を引き剥がして、他の容器に移し替える作業はクリーンベンチにおいて手作業で行われる。手作業においては、常にコンタミネーション(雑菌混入)の危険性がある。
以上の問題点から、体細胞等の付着細胞を培養容器で培養する際には、手作業の工程のない完全に自動化された中で、細胞が安定して栄養を吸収できるように位置を変えることのできる培養装置が求められている。
ところで、これまでに磁性粒子を利用した細胞培養として、磁性粒子に細胞を付着させ、磁性粒子を含む培養液に磁場を与えて、磁性粒子を培養液中で移動させ、磁性粒子を撹拌しながら細胞を三次元で培養すること(特許文献1参照)、細胞が付着した磁性粒子に与える磁場の強さを変化させて、細胞に機械的な応力を発生させ、細胞を培養すること(特許文献2参照)が知られている。また、これらの特許文献には、磁場を与える磁石を移動させることができることも記載されている。
特開2004−313008号公報 特表2004−520028号公報
しかしながら、特許文献1や2には、外部磁石を使って磁性粒子で細胞を所定領域に保持(固定)させたり、分散させたりすることは記載されていない。特に特許文献1の発明は、磁石の磁場を使って培養液内で細胞を撹拌しながら培養するものであり、磁石の磁場を細胞培養に使用するものの、磁場により細胞を撹拌することなく、培養容器内で細胞を所定領域に保持して細胞を培養することは記載も示唆もされていない。
本発明の目的は、培養効率のよい新規な培養装置、及び培養システムを提供することである。本発明の別の目的は、磁石の磁場を用いて培養容器内で細胞を所定領域に保持しつつ、細胞を所定領域である程度位置が変位可能な状態で培養することができる培養装置、及び培養システムを提供することである。
また、これまでに、細胞を継代培養するためには、コンタミネーションの危険性を伴う手作業で、細胞にストレスを与えながら、細胞を他の容器に移し替えるなどして、細胞の位置を移動させながら、栄養を吸収できる新たな環境を細胞に与えなければならないという問題点を有していた。
本発明のさらに別の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、手作業を行わず、細胞にストレスを与えることなく、細胞が栄養を吸収できるように細胞の位置を非接触で制御することができる培養装置、及び培養システムを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、培養容器の外部に配置した磁石ユニットと培養容器との距離および/または位置を変動させて、磁性粒子及び細胞を培養容器内で所定領域に保持、または培養容器内で分散させることにより、細胞の位置を非接触で制御することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)は、細胞、前記細胞を直接的又は間接的に付着する磁性粒子、及び溶液を収容する培養容器と、前記培養容器の温度調節ユニットと、前記培養容器の外部に設けられる磁石と、前記磁石の磁力を調節する磁力調節ユニットとを具備する培養装置であって、前記磁力調節ユニットが前記磁石の磁力を調節して、前記磁性粒子及び前記細胞を前記培養容器内の所定領域に保持した状態で、細胞培養を行うことを特徴とする、培養装置である。
(2)は、前記磁力調節ユニットが前記磁石の磁力を調節して、前記磁性粒子及び前記細胞を前記培養容器内に分散することを特徴とする、(1)に記載の培養装置である。(3)は、前記磁石が、間隔をあけて配置された複数の磁石であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の培養装置である。(4)は、前記複数の磁石のそれぞれが、前記培養容器の一面に対向するように配置されることを特徴とする、(3)に記載の培養装置である。(5)は、前記複数の磁石のそれぞれが、隣接する磁石と極性が異なるように配置されることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の培養装置である。(6)は、前記複数の磁石が、マトリックス状に配置されることを特徴とする(3)〜(5)のいずれか1項に記載の培養装置である。(7)は、前記磁性粒子及び前記細胞が、前記培養容器内の前記所定領域に保持された状態で濃縮又は凝集されている、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の培養装置である。(8)は、前記磁力調節ユニットが、前記磁石と前記培養容器との距離及び/又は位置を変動させることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の培養装置である。
(9)は、前記磁力調節ユニットが前記磁石を前記培養容器に接近させることにより、前記磁性粒子及び前記細胞を前記所定領域に保持した状態で、前記細胞培養を行うことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の培養装置である。(10)は、前記磁石及び前記培養容器の一方に対して他方を相対的にスライドするスライド機構を備えることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の培養装置である。(11)は、前記スライド機構により前記細胞培養の振盪培養を行うことを特徴とする、(10)に記載の培養装置である。(12)は、前記培養容器を揺動する揺動機構を備えることを特徴とする、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の培養装置である。
(13)は、前記磁力調節ユニットが前記培養容器内で前記磁性粒子及び前記細胞を前記所定領域に保持した状態で、前記培養容器に溶液を注入するか、又は前記培養容器から溶液を排出することを特徴とする、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の培養装置である。(14)は、前記磁力調節ユニットが、前記磁石の接近、振動、及び離間から選択される複数の動作を組み合わせて、前記細胞培養を行うことを特徴とする、(1)〜(13)のいずれか1項に記載の培養装置である。
(15)は、前記磁力調節ユニットが、前記培養容器内で前記磁性粒子及び前記細胞を分散可能とした状態で、前記培養容器から培養細胞を含む溶液を回収することを特徴とする、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の培養装置である。(16)は、前記培養容器に対して、前記温度調節ユニット、及び前記磁力調節ユニットの少なくとも一つが脱着可能であることを特徴とする、(1)〜(15)のいずれか1項に記載の培養装置である。(17)は、(1)〜(16)のいずれか1項に記載の培養装置を具備する培養システムであって、細胞培養に用いる材料及び溶液を前記培養容器に供給する供給部と、前記培養容器で培養された細胞を含む溶液から前記磁性粒子を分離する磁性粒子分離ユニットとを具備したことを特徴とする、培養システムである。
(18)は、前記溶液が重力落下によって移送されることを特徴とする、(17)に記載の培養システムである。(19)は、前記供給部、前記培養容器、前記磁性体分離ユニットが、順に上方から下方に配置されることを特徴とする、(17)又は(18)に記載の培養システムである。(20)は、前記供給部と前記培養容器との間、前記培養容器と前記磁性体分離ユニットとの間を、それぞれ管路で接続することを特徴とする、(17)〜(19)のいずれか1項に記載の培養システムである。(21)は、前記管路のそれぞれを開閉する弁を備えることを特徴とする、(20)に記載の培養システムである。(22)は、前記細胞培養に用いる前記材料及び溶液を前記供給部に分注する分注機構を備えることを特徴とする、(17)〜(21)のいずれか1項に記載の培養システムである。
(23)は、(1)〜(16)のいずれか1項に記載の培養装置を用いて細胞の培養を行うことを特徴とする細胞の培養方法である。(24)は、(17)〜(22)のいずれか1項に記載の培養システムを用いて、細胞を培養する方法であって、前記供給部から前記培養容器へ、細胞培養に用いる前記材料及び溶液を供給する工程と、前記培養装置である。を用いて細胞を培養する工程と、前記磁性粒子分離ユニットで細胞を含む溶液から磁性粒子を分離する工程と、前記磁性粒子が分離された溶液から細胞を分取する工程と、を具備することを特徴とする、方法である。(25)は、分注機構を用いて前記細胞培養に用いる前記材料又は溶液を前記供給部に分注する工程を備える、(24)に記載の方法である。(26)は、制御部が前記各工程を自動的に実行することを特徴とする、(24)又は(25)に記載の方法である。
本発明では、手作業を行わず、細胞にストレスを与えることなく、細胞が栄養を吸収できるように細胞の位置を自動的に制御しながら細胞培養を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る培養装置を示す分解斜視図である。 図1の培養装置を備える培養システムを示す斜視図である。 図2の培養システムのブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る培養システムを示す側面模式図である。 図4の培養システムを示す上面模式図である。 図4の培養システムのブロック図である。 図4の培養システムにおける磁力調節ユニットの動作を示す拡大図である。 図4の培養システムにおけるスライド状態を示す拡大図である。 図4の培養システムにおける傾動機構の動作を示す拡大図である。 図4の培養システムの変形例を示す拡大図である。 図4の培養システムにおける磁性粒子分離ユニットを示す模式図である。 図4の培養システムにおける磁性粒子分離ユニットの変形例を示す模式図である。 本発明の培養装置の前提となる培養試験を示す写真である。
(概要)
本発明は、培養容器の外部に設けられた磁石を培養容器に接近させて、培養容器の内表面(所定領域)に磁性粒子及び細胞を固定(保持)させた状態で細胞培養を行ったり、培養容器に接近した磁石を振動させて培養容器の内表面に固定した磁性粒子及び細胞を揺らしたり、培養容器から磁石を離間させて培養容器内に磁性粒子及び細胞を分散させたりするなど、手作業を行わず、細胞にストレスを与えることなく、細胞の位置を自動的に制御することができる培養装置である。また、本発明は、重力落下によって前記培養装置内に溶液を移動させるか、前記培養装置から外に溶液を移動させることにより、より細胞にストレスを与えずに細胞の播種から回収までを、無菌状態で且つ自動的に行うことができる細胞培養システムである。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。以下、「固定する」とは、所定領域に保持することを意味し、この所定領域に保持された状態で、ある程度、揺れ動くことが可能な状態を意味する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る培養装置10を図1を用いて説明する。培養装置10は、培養容器3と、温度調節ユニット5と、磁力調節ユニット7とを具備している。
図1に基づいて、培養装置10を説明する。培養容器3は薄い内部空間を有し、温度調節ユニット5は凹部5rを備え、培養容器3の下側部が温度調節ユニット5の凹部5rに収容される。培養容器3、温度調節ユニット5、及び磁力調節ユニット7は、積層構造である。温度調節ユニット5及び/又は磁力調節ユニット7は、培養容器3の上下両面または片面に配置することができる。
培養容器3の厚さは好ましくは1.0〜10mm、より好ましくは3.0〜5mmの薄層とすることができるが、これらに限られない。培養容器3の形状は1辺が20cmの矩形とし、培養容器3の材質は、薄く透明な可撓性樹脂とし、培養容器3の容量は、20〜40mlとすることが好ましいが、これらに限られない。培養容器3の形状は、立方体、円柱、角柱でもよく、蛇行するパイプ状のものでもよい。
培養容器3には、入口ポート3a〜3eと出口ポート3fが設けられており、培養容器3内に磁性粒子、培養液、二酸化炭素等を供給したり、培養容器3からこれらを排出したりすることができる。図1に示すように、入口ポート3a〜3eを、培養容器3の一側面に設け、出口ポート3fは、培養容器3の他側面に設けることが好ましいが、これに限られない。
温度調節ユニット5は、サーマルサイキュラー等の温度管理装置、フィルムヒータ(面状発熱体)、または冷却及び加熱が可能なペルチェ素子とすることが好ましいが、これらに限られない。培養容器3を温度調節ユニット5の凹部5rに収容すると、凹部5rの表面と培養容器3とが密着して、培養容器3と温度調節ユニット5との間で熱交換可能となる。温度調節ユニット5には、入口ポート3a〜3eと出口ポート3fとを収容するために窪んだポート収容部5a〜5fが形成されている。温度調節ユニット5の大きさや形状は、培養容器の温度管理を迅速にできるものであればよい。培養容器3の温度を検知する温度センサーを含んでもよい。
磁力調節ユニット7は、培養容器3の外部からその内部に磁力を加える磁石7aと、培養容器3に対して磁石7aを接近、離間、振動を可能にする磁石移動機構7bとを備える。磁石移動機構7bの動作は、後述する制御部20により制御される。磁石7aは、永久磁石または電磁石であることが好ましいが、これに限らず、磁石の大きさや形状は、磁性粒子に磁場を及ぼすものであればよい。磁石7aは、第2の実施形態の磁石207aのように複数の磁石をマトリックス状に配置したものとすることもできる。なお、磁石7aおよび磁石移動機構7bに代えて、電磁石と、電磁石に電流を供給しかつ遮断する電流供給装置を設けるようにしても良い。
培養溶液に含まれる磁性粒子は、径の大小を問わず、ボール状、粒状及び微粒子を含み、形状は球状のものに限定されるものではなく、いかなる形状のものも含んでよい。磁性粒子に用いる材料は、Fe等の酸化鉄、ニッケルコバルト合金等、細胞に悪影響を与える溶出物のない磁石吸引性材料を用いることが好ましいがこれらに限定されない。培養細胞が磁性粒子に直接的に付着しにくい場合には、磁性粒子と培養細胞とをその表面で保持可能な担体を用いることができる。担体を用いることにより、細胞は担体を介して間接的に磁性粒子と付着することができる。細胞及び磁性粒子を付着する担体としては、繊維集合体、多孔質固体素材、又はイオン交換樹脂が挙げられる。磁性粒子は、繊維集合体の間隙又は多孔質固体素材の孔に入り一体化され、且つ繊維集合体又は多孔質固体素材の表面に細胞が吸着される。好ましい担体としては、セルロースキャリアを用いることができる。さらに、このような担体は、その表面に細胞栄養素の付着も可能である。
本発明の第1の実施形態に係る培養システム100を、図2に基づいて説明する。培養システム100は、図1に示した培養装置10と、不図示のガス供給ユニットが接続されるガス供給部8と、培養容器3に各種溶液や試薬を供給する複数の溶液供給部9と、培養容器3で培養された細胞を含む溶液から磁性粒子を分離する磁性粒子分離ユニット15と、磁性粒子分離ユニット15から供給された細胞を含む溶液から細胞を分取する細胞分取ポート17と、細胞分取ポート17から排出された溶液を収容する廃液ボトル19とを具備している。
溶液供給部9は、培養容器3内に磁性粒子、培養液、洗浄液、溶出液等の各種溶液、試薬、又は細胞を供給する。図2には、4つの溶液供給部が記載されているが、その個数は4つに限られず、必要な試薬等に応じて適宜調節可能である。1つのガス供給部8及び4つの溶液供給部9と、培養容器3の5つの入口ポート3a〜3eとは、それぞれ可撓性の接続チューブ(管路)で接続される。これらの5つの接続チューブには弁11がそれぞれ設けられる。培養容器3の出口ポート3fと磁性粒子分離ユニット15とは、可撓性の接続チューブで接続され、この接続チューブには開閉可能な弁13が設けられる。弁11、13は、ピンチコック等の手動で開閉される弁であってもよいし、後述する制御部20により自動で開閉される、電磁弁、エア作動弁等であってもよい。
図2に示すように、溶液供給部9は培養容器3より上方に配置されるため、溶液供給部9から供給される培養液や試薬等は、接続チューブを介して、培養容器3に落下移送される。但し、不図示のポンプ等によって、各種溶液を加圧して自動移送することもできる。
ガス供給部8は、ガス供給ユニットから提供される細胞培養に必要な濃度の二酸化炭素、湿度の気体を培養容器に供給する。通常、二酸化炭素濃度5%、湿度95%、温度37%の気体条件が細胞培養に適している。ガス供給ユニットは、前記条件の気体を培養容器に提供するほか、培養細胞の種類や培養状況に応じて、二酸化炭素濃度、湿度、温度を適宜調節した気体をガス供給部に提供することができる。
弁13は、細胞培養中は培養容器3から溶液が漏出しないように閉鎖されている。そして、細胞培養終了後に弁13は開放され、培養細胞が付着した磁性粒子を含む溶液を磁性粒子分離ユニット15に移動させる。
磁性粒子分離ユニット15は、不図示の分離容器と、分離容器の外部に配置される磁石と、前記磁石を移動する磁石移動機構とを備える第2の磁力調節ユニットを具備している。分離容器内に溶液が流入すると、磁石が分離容器に接近し、溶液中の磁性粒子を捕獲する。そして、分離容器から培養液のみを排出し、培養細胞が付着した磁性粒子を分離容器に保持することにより、分離容器中で培養溶液から磁性粒子を分離することができる。その後、溶液供給部9、または磁性粒子分離ユニット15に設けられた不図示の溶液注入口から供給される洗浄液、溶出液によって、磁性粒子に付着した培養細胞は洗浄、溶出される。第2の磁石移動機構の動作は、制御部20により制御される。
磁性粒子分離ユニット15の分離容器内で細胞を溶出する方法は、トリプシンで処理する方法、または大量の緩衝液によって剥離させる方法が好ましいが、これらに限られない。本発明においては、細胞が培養容器3に付着することなく、磁性粒子分離ユニット15の分離容器に移動されるため、分離容器内で細胞に使用されるトリプシンの濃度を、従来のものに比べて少なくすることができ、細胞にストレスを与えにくい。
細胞分取ポート17では、無菌状態を保持したまま磁性粒子分離ユニット15から溶出した培養細胞を分取して他の容器に移し替えることができる。細胞分取ポート17には、不図示の三方コック(三方弁)が配置されている。洗浄液の溶液を廃液ボトル19に移動させた後、三方コックを操作して、溶出液によって磁性粒子から分離した培養細胞を含む溶液が細胞分取ポート17に流れるように流れを変えることができる。細胞分取ポート17には、培養細胞を受け入れる容器が接続されている。また、細胞分取ポート17には、三方コックに限られず、溶液の流れを変えることができる機構であれば、例えば三方ボール切替弁等、任意の機構を配置することができる。図2において、細胞分取ポート17は、磁性粒子分離ユニット15よりも高い位置に設けるように図示したが、溶液が、磁性粒子分離ユニット15から細胞分取ポート17に落下するように、細胞分取ポート17を磁性粒子分離ユニット15よりも低い位置に配置してもよい。
廃液ボトル19は、細胞分取ポート17から排出した溶液を貯留する。廃液ボトルの先端には、弁を設置してもよい。この弁を閉鎖すると無菌状態を保持したままボトルの交換ができる。
図3は、培養システム100の制御ブロック図である。制御部20には、各種センサー21と、計時部22と、磁石移動機構7bと、温度調節ユニット5と、弁11を開閉する弁駆動部11aと、弁12を開閉する弁駆動部12aとが接続されている。制御部20は、各種センサー21からの信号に基づき、磁石移動機構7bを、入力したプログラムによって周期的、規則的に磁石を動かすことができる。また、制御部20は、温度調節ユニット5により温度を制御し、弁駆動部11aにより弁11を開閉し、弁駆動部12aにより弁12を開閉する。
各種センサー20は、温度センサー、湿度センサー、二酸化炭素濃度センサー、pHセンサー、溶液速度センサー、溶液容量センサー、菌センサー等である。培養装置10には、各種センサー20として、温度センサー、湿度センサー、二酸化炭素濃度センサー、溶液容量センサー、pHセンサー、菌センサーのいずれか1つ又は複数を設けることができる。溶液供給部9、磁性粒子分離ユニット15、細胞分取ポート17、又は廃液ボトル19には、各種センサー20として、溶液容量センサー、pHセンサー、菌センサーの少なくとも1つを設けることができる。弁11又は12の近傍の接続チューブには、各種センサー20としてフローセンサーを設けることができる。制御部20は、上記各種センサー20の信号に応じて、各構成を連動して運転制御したり、異常を検知した場合は自動停止したりすることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る培養システム100を用いて細胞を培養し、培養細胞を回収する方法を具体的に説明する。
磁性粒子、培養細胞、及びセルロースキャリア等の担体を含む培養液が、溶液供給部9から培養容器3に供給される。その後、培養容器3には、細胞培養に必要な濃度の二酸化炭素、湿度の気体がガス供給部8から供給される。ガス供給部8は、二酸化炭素濃度5%、湿度95%、温度37%の気体条件に維持するように培養容器3に気体を供給する。培養容器3内の溶液は、培養容器3の下面に取り付けられている温度調節ユニット5によって温度が調節される。
培養容器3内で、培養細胞が直接的又は間接的に付着した磁性粒子は、培養容器3に接近した磁力調節ユニット7の磁石7aによって培養容器3の内表面に濃縮され固定される。細胞培養は、静置培養と振盪培養を繰り返して行われる。振盪培養を行う際には、磁力調節機構7bを図2に矢印で示すように揺動して磁石の磁力を変化させることより、培養容器3内の磁性粒子を振動することができる。または、不図示のスライド機構により培養容器3を左右に振動することもできる。培養容器3の位置は、スライド機構により変動するため、培養容器3に接続される接続チューブは、培養容器3の位置が変動しても接続が維持されるように、その長さに余裕を持たせて配置される。
このように、磁性粒子を揺らすことにより、磁性粒子に付着した細胞も揺らして、磁性粒子上における培養細胞の位置を動かして、周囲の溶液を攪拌することができる。この攪拌によって、成長した細胞は、常に自然に栄養を吸収できる状態を維持することができる。
細胞培養終了後、培養容器3から磁石7aを離間させると、培養容器3の内表面から磁性粒子が分散する。そして、閉鎖していた弁13を開放すると、磁性粒子分離ユニット15は培養容器3よりも低い位置にあるため、磁性粒子を含む培養液は、重力にしたがって落下して、培養容器3から磁性粒子分離ユニット15内の分離容器に移動する。
分離容器内に溶液を流入させた後、第2の磁力調節ユニットの磁石を分離容器に接近させ、溶液中の磁性粒子は分離容器の内表面に固定し、分離容器から培養液のみを排出し、培養液から培養細胞及び磁性粒子が付着した担体を分離する。その後、溶液供給部9、または磁性粒子分離ユニット15に設けられた供給口から供給される洗浄液によって、培養細胞及び磁性粒子が付着した担体を洗浄し、その後、分離容器内に供給された溶出液により、担体から培養細胞を溶出する。
溶出した培養細胞は、細胞分取ポート17を介して、無菌状態を保持したまま他の容器に移動する。廃液ボトル19は、一連の工程で発生した溶液を貯留する。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る培養システム200を図4〜11を用いて説明する。図4及び図5に示すように、培養システム200は、薄い内部空間を有する培養容器203と、培養容器203の上面側に設けられた温度管理ユニット205と、培養容器203の下面側に設けられた磁力調節ユニット207とを備える。培養容器203には傾動機構212が接続され、図3に角度θで示す範囲で培養容器203を周期的に傾動させる。傾動機構212は、モータを用いることができる。傾動機構212が培養容器203を傾動する角度範囲は、好ましくは10〜20°とすることができる。
培養容器203には、スライド機構214が接続され、スライド機構214は、図4の矢印214aで示す水平方向に培養容器203を周期的にスライド(振動)させる。スライド機構214は、モータの回転をラックやカムで直線運動に変換することにより実現される。培養容器203の位置は、傾動機構212やスライド機構214により変動するため、培養容器203に接続される接続チューブは、培養容器203の位置が変動しても接続が維持されるように、その長さに余裕を持たせて配置される。
図4では、温度管理ユニット205を培養容器205の上面に設けるとしたが、温度管理ユニット205を培養容器205の上下両面に設けたり、下面に設けてもよい。温度管理ユニット205は、サーマルサーキュラー等の温度管理装置、ペルチェ素子、又はフィルムヒータ(面状発熱体)を用いることができるが、これらに限定されない。
スライド機構214は、図4に示したよう培養容器203自体をスライドさせるものに限定されず、培養容器203及び磁石207aの一方に対して他方を相対的にスライドさせればよい。例えば、図10に示すように、培養容器203を動かさずに、スライド機構214’が、第2の磁力調節ユニット207’をスライドさせてもよい。第2の磁力調節ユニット207’内の磁石207’aの配置は、磁力調節ユニット207内の磁石207aの配置と同じにすることができる。スライド機構214’は、スライド機構214と同じ機構を用いることができる。図10では、第2の磁力調節ユニット207’が培養容器203の上面側に設けられており、スライド機構214’により、水平方向に繰り返しスライドされる。このスライドにより、第2の磁力調節ユニット207’の磁石207’aが培養容器203内の磁性粒子に及ぼす磁力が変動して、培養容器203内で濃縮及び固定されている磁性粒子及び細胞がスライド方向(ほぼ水平方向)に揺動される。なお、図10には、温度管理ユニット205が図示されていないが、温度管理ユニットを、培養容器203と第2の磁力調節ユニット207’との間、又は第2の磁力調節ユニット207’の上面側に設けることができる。
図4及び図5において、培養容器203の左側面には、弁11を有する可撓性の接続チューブを介して、二酸化炭素等を含むガスボンベ230と、溶液供給容器209と、開口部209aがそれぞれ接続される。接続チューブには、弁11が設けられている。溶液供給容器209は、培養容器203より高い位置に配置されるため、溶液供給容器209から供給された溶液は重力落下により培養容器203に移動する。
図4に示すように、培養システム200は、三次元的に移動可能な自動分注器240を備え、調整ステージ上250には、試薬、溶液、培養細胞等を収容する各種容器250aが複数配置されており、自動分注器240は各種容器250aから試薬、溶液、培養細胞等を必要量吸引して調整し、溶液供給容器209に移動することができる。
図4及び図5において、培養容器203の右側面には、弁11を有する可撓性の接続チューブを介して、培養容器203からの廃液を溜める廃液槽260と、連結点Cとが接続される。連結点Cには、図11に示す磁性粒子分離ユニット206、又は図12に示す磁性粒子分離ユニット206’が接続される。
図5に示すように、磁力調節ユニット207には、複数の永久磁石207aが、マトリックス状に、即ち、等間隔で縦横に配列されている。この配列に含まれる永久磁石207aが、それぞれ培養容器203内の培養溶液に含まれる磁性粒子及び細胞を、培養容器203の内面上に濃縮して固定することができる。隣合う磁石207aの極性は、常に逆になるように配置される。これによって、隣合う磁石207aに吸着した磁性粒子の極性が異なるようになり、両者の間に斥力が働く結果、磁石207aに吸着された磁性粒子及び細胞の集団が集中しやすくなる。
図4に示すように磁力調節ユニット207は、磁力調節ユニット移動機構207cにより、ガイド207bに沿って、培養容器203に接近したり離間したりすることができる。磁力調節ユニット207が培養容器3の下面に接近すると、磁石207aの磁力により培養容器203内の培養溶液に含まれる磁性粒子及び細胞を、培養容器203内下面上に濃縮して固定(吸着)することができる。磁力調節ユニット207が培養容器3の下面から離間すると、磁石207aの磁力が培養容器203内に及ばなくなり、培養容器203内下面上から磁性粒子及び細胞が移動して分散する。
図6は、培養システム200の制御ブロック図である。制御部220には、各種センサー221と、計時部222と、磁石移動機構207bと、温度調節ユニット205と、弁11を開閉する弁駆動部11aと、培養容器203を傾動する傾動機構212と、培養容器203をスライドするスライド機構214aと、分注器240を三次元的に移動する分注器移動機構241と、自動分注器240の吸引及び吐出を制御する分注用ポンプ242と、第2の磁石移動機構206aとが接続されている。制御部220は、自動分注器240を用いて溶液等を調整し、溶液を溶液供給容器209に分注し、各種センサー221からの信号に基づき、磁石移動機構207bを動作させ、温度調節ユニット205により温度を制御し、弁駆動部11aにより弁11を開閉する。制御部220は、傾動機構212や、スライド機構214aを動作して、培養容器203の傾動や、スライドを実行する。制御部220は、第2の磁石移動機構206aの移動を制御して、磁性粒子分離ユニット206内で磁性粒子を濃縮して固定する。
各種センサー221は、温度センサー、湿度センサー、二酸化炭素濃度センサー、pHセンサー、溶液速度センサー、溶液容量センサー、時間センサー、菌センサー等である。培養容器203には、各種センサー20として、温度センサー、湿度センサー、二酸化炭素濃度センサー、溶液容量センサー、pHセンサー、菌センサーのいずれか1つ又は複数を設けることができる。溶液供給容器209、磁性粒子分離ユニット206、細胞回収容器218、又は廃液槽206には、各種センサー220として、溶液容量センサー、pHセンサー、菌センサーの少なくとも1つを設けることができる。弁11の近傍の接続チューブには、各種センサー220としてフローセンサーを設けることができる。制御部220は、上記各種センサー220の信号に応じて、各構成を連動して運転制御したり、異常を検知した場合は自動停止したりすることができる。
図7に示すように、分離機構207cにより、培養容器203及び磁力調節ユニット207の一方に対して他方を、相対的に数mm〜数十mm垂直方向に移動できるようにしてもよい。分離機構207cの垂直移動によって、培養容器203内に、磁力調節ユニット207の磁石207aの磁力を及ぼしたり遮断したりすることを確実に制御できる。
図8に示すように、磁性粒子を含む凝集体A(結合体)が、磁石207aにより培養容器203の内底面上で濃縮(凝集)され固定された状態にある。この状態で、スライド機構214が培養容器203及び磁石207aの一方に対して他方を数mm〜数十mmの距離にわたって相対的に繰り返し矢印で示す水平方向にスライドをする。これによって、凝集体Aの周囲が攪拌され、凝集体Aに含まれる細胞の間に栄養素を導入できる。凝集体Aは、磁性粒子と、培養細胞と、糸状のセルロースキャリア(担体)とから構成されている。
図9に示すように、傾動機構212が、温度管理ユニット205と培養容器203と磁力調節ユニット207とから構成される培養装置210を、角度θの範囲で揺動させることができる。これにより培養液を継続的に攪拌して細胞に栄養を供給することができる。
図11に示すように、磁性粒子分離ユニット206の上部には、カプラー206b(又はルアー)を介して連結点Cに至る接続チューブが接続されている。磁性粒子分離ユニット206は、連結点C及び培養容器203よりも低い位置に配置されている。したがって、培養容器203と連結点Cとを接続するチューブに設けた弁11(図4)を開放することにより、培養容器203内の溶液は、重力にしたがって自動的に、培養容器203から磁性粒子分離ユニット206へ落下移送される。磁性粒子分離ユニット206には、第2の磁石移動機構206aが設けられ、第2の磁石移動機構206aが溶液中に含まれる磁性粒子を吸着する。
磁性粒子分離ユニット206の上方には、弁11が設けられた接続チューブを介して洗浄液供給部270が設けられる。洗浄液供給部270には、自動分注器240により洗浄液やトリプシン溶液等が分注され、これらは、洗浄液供給部270から落下移送されて、磁性粒子分離ユニット206の分離容器内に供給される。磁性粒子分離ユニット206の下部には、弁11が設けられた接続チューブ、及びこの接続チューブに連結されるカプラー(又はルアー)219aを介して廃液槽219が接続されている。また、磁性粒子分離ユニット206の下部には、弁11が設けられた接続チューブを介して培養細胞回収容器218が配置される。図11では、磁性粒子分離ユニット206及び廃液槽219を接続するライン(接続チューブ)と、磁性粒子分離ユニット206及び培養細胞回収容器218を接続するラインとを独立して設けたが、これらを途中まで1つのラインとし、三方弁により分岐して、廃液槽219又は培養細胞回収容器218に選択的に落下移送できるようにしてもよい。
図12の磁性粒子分離ユニット206’は、図11の磁性粒子分離ユニット206の変形例である。磁性粒子分離ユニット206’の上部には、連結点Cに至る接続チューブが接続されている。磁性粒子分離ユニット206は、連結点C及び培養容器203よりも低い位置に配置されている。磁性粒子分離ユニット206’の上部には、カプラー206’bを介してシリンダ270’が接続され、シリンダ270’は、磁性粒子分離ユニット206’と着脱自在である。シリンダ270’には、ピストン270’aが上下方向に進退自在に収容されている。ピストン270’aを実線状態から破線状態に引き上げることにより、磁性粒子分離ユニット206’内の溶液をシリンダ270’内へ吸引することができる。ピストン270’aを破線状態から実線状態に押し下げることにより、シリンダ270’から磁性粒子分離ユニット206’内へ溶液を吐出することができる。また、磁性粒子分離ユニット206’の上部には、ピストン270’aの動作に応じて空気を出し入れする空気抜き管206’cが接続される。
以下、本発明の第2の実施形態に係る培養システム200を用いて細胞を培養し、培養細胞を回収する方法を具体的に説明する。
磁性粒子、培養細胞、及びセルロースキャリア等の担体を含む培養液が、分注器240を用いて、溶液供給容器209に分注される。培養液は、溶液供給容器209から培養容器203に接続チューブを介して落下移送される。ガスボンベ230から二酸化炭素等が、培養容器203に供給される。培養容器203内の溶液は、温度調節ユニット205によって温度が調節される。
培養容器203内で、培養細胞が直接的又は間接的に付着した磁性粒子は、培養容器203に接近した磁力調節ユニット207の複数の磁石207aによって培養容器3の内表面に、マトリックス状に配置されて、この配置で濃縮され固定される。この固定状態で、培養容器207は、スライド機構214により左右にスライドしたり、傾動機構212により傾動されて、磁性粒子及び細胞が揺動される。さらに、分離機構207bにより、磁石207aの培養容器207への接近、離間を行ってもよい。これらの運動により、細胞の周囲雰囲気が攪拌され細胞に栄養を供給することができる。
細胞培養終了後、培養容器203から磁力調節ユニット207bを離間させると、培養容器203内で細胞及び磁性粒子が分散して、培養容器203内で磁性粒子及び細胞の結合体を浮遊状態化することができる。この浮遊状態で、連結点C側の弁11を開放し細胞及び磁性粒子を含む溶液を、連結点Cを介して、図10の磁性粒子分離ユニット206又は図11の磁性粒子分離ユニット206’に落下移送する。
図11の磁性粒子分離ユニット206では、次の工程が実行される。培養容器203から落下移送された細胞及び磁性粒子の結合体を含む溶液が、磁性粒子分離ユニット206に収容される。この収容状態で、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動して、磁性粒子分離ユニット206aの分離容器の内表面に細胞及び磁性粒子を濃縮して固定する。この固定状態で、廃液槽219側の弁11を開放すると、磁性粒子及び細胞の結合体から溶液(培養液)が分離され、廃液槽219に排出される。溶液を排出した状態で、洗浄液供給部270側の弁11を閉鎖して、洗浄液を自動分注器240を用いて洗浄液供給部270に分注する。洗浄液が洗浄液供給部270に収容された状態で、廃液槽219側の弁11を閉鎖し、洗浄液供給部270側の弁を開放すると、洗浄液が磁性粒子分離ユニット206の分離容器内に落下移送される。洗浄液が分離容器内に収容された状態で、第2の磁石移動機構206aを破線の位置に移動すると、分離容器内で細胞及び磁性粒子の結合体が分散され、結合体を洗浄することができる。洗浄後に、再度、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動すると、磁性粒子分離ユニット206の分離容器の内表面に結合体を濃縮して再固定することができる。
この再固定状態で廃液槽219側の弁11を開放して結合体から洗浄液を分離して、廃液槽219に排出する。洗浄液の排出後、廃液槽219側の弁11を閉鎖し、自動分注器240で分注されたトリプシン溶液等の分離液を、洗浄液供給部270を介して、磁性粒子分離ユニット206に落下移送する。分離液が磁性粒子分離ユニット206内の分離容器に収容された状態で、第2の磁石移動機構206aを破線の位置に移動させると、細胞及び磁性粒子の結合体が分離容器内に浮遊し、さらに不図示のボルテックスミキサー等の攪拌装置を用いて分離容器内に渦を形成して攪拌すると、結合体が破壊され磁性粒子から細胞が分離する。この分離状態で、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動すると、磁性粒子が分離容器の内表面に濃縮され固定される一方、細胞が分離容器内の溶液中に浮遊される。この細胞浮遊状態で、細胞回収容器218側の弁11を開放すると、磁性粒子が分離された細胞を含む溶液が細胞回収容器218に落下移送され、培養細胞を分取することができる。
図12の磁性粒子分離ユニット206’では、図11の磁性粒子分離ユニット206が実行した工程に換えて次の工程が実行される。培養容器203から落下移送された細胞及び磁性粒子の結合体を含む溶液が、磁性粒子分離ユニット206’に収容される。この収容状態で、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動して、磁性粒子分離ユニット206’の分離容器の内表面に細胞及び磁性粒子の結合体を濃縮して固定する。この固定状態で、シリンダ270’のピストン270aを引き上げると、結合体から溶液(培養液)が分離され、溶液がシリンダ270’内に吸い出される。溶液を吸い出した状態で、シリンダ270’を磁性粒子分離ユニット206’から取り外して、シリンダ270’から不図示の廃液槽に溶液が排出される。シリンダ270’を洗浄した後に、シリンダ270’内に洗浄液を吸引した状態で、シリンダ270’を磁性粒子分離ユニット206’に接続する。この接続状態で、ピストン270’aを押し下げて、洗浄液をシリンダ270’から磁性粒子分離ユニット206’の分離容器内に注入する。洗浄液が分離容器内に注入された状態で、第2の磁石移動機構206aを破線の位置に移動すると、分離容器内で細胞及び磁性粒子の結合体が分散される。この分散状態で、結合体が洗浄される。洗浄後に、再度、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動すると、磁性粒子分離ユニット206の分離容器の内表面に結合体を濃縮して再固定することができる。再固定状態で、洗浄液のみをシリンダ270’に吸引し、シリンダ270’を磁性粒子分離ユニット206’から取り外して、シリンダ270’から洗浄液を廃液槽に排出する。
洗浄液の排出後、シリンダ270’を洗浄し、トリプシン溶液等の分離液をシリンダ270’に吸引する。このシリンダ270’を磁性粒子分離ユニット206’に接続して、磁性粒子分離ユニット206’内に分離液を注入する。分離液が磁性粒子分離ユニット206内の容器に収容された状態で、第2の磁石移動機構206aを破線の位置に移動させると、細胞及び磁性粒子の結合体が分離容器内に浮遊する。シリンダ270’を用いて、結合体が浮遊した溶液の吸引、吐出を繰り返すことにより、結合体が破壊され細胞が磁性粒子から分離する。この分離状態で、第2の磁石移動機構206aを実線の位置に移動すると、磁性粒子が分離容器の内表面に濃縮され固定される一方、細胞が分離容器内の溶液中に浮遊される。この細胞浮遊状態で、細胞回収容器218側の弁11を開放すると、磁性粒子が分離された細胞を含む溶液が細胞回収容器218に落下移送され、培養細胞を分取することができる。
第2の実施の形態においては、溶液の重力移動原理と、ガスボンベ230による培養容器203内へのガス供給制御、ピンチコック等の弁11の開閉、及び細胞分離ユニット206、206’での培養細胞と液体及び磁性粒子との分離により、培養システム200への細胞の導入から細胞の回収までを一貫継続して繰り返し行うことができる。これによって、ES細胞やiPS細胞といった幹細胞を、必要量、自動的に培養して、患者毎に病院等にて供給できる。
本発明は、ES細胞、iPS細胞、体性幹細胞、免疫細胞、樹状細胞等、培養を要する細胞全てに実施可能である。本発明において、細胞培養に用いる要素の混合、攪拌、温度制御、反応、分離、洗浄、液体・気体の供給、移送等は、プログラムにしたがって制御部により自動的に行うことができる。
本発明の各実施形態の培養装置及び培養システムは、培養細胞が磁性粒子に直接的又は間接的付着することを前提としている。本実施例では、前記培養装置の前提となる培養細胞の磁性粒子への付着に関して実験を行った。実験にあたっては、培養細胞が磁性粒子に間接的に付着するように、イオン交換樹脂製の担体を用いた。本実験は、培養細胞が担体に結合したまま、形状を保持することを確認するために行った。
実験で使用した試薬及び消耗品は下記のとおりである。
・培養細胞株:Jurkat細胞 (human, T-cell Leukemia, ATCC)
・培地:RPMI media 1640 (Life technologies, 11875-093)
・ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum):Life technologies, 10437-028
・抗生物質:Antibiotic-Antimycotic, 100X (Life technologies, 15240-062)
・リン酸緩衝生理食塩水(PBS, pH 7.4): Life technologies, 10010023
・細胞凍結保存液:セルバンカー(LSIメディエンス, BLC-1)
・担体:強塩基性陰イオン交換樹脂破砕物(アンバーライトIRA400J, 粒径45〜150 μm)
・培養容器:浮遊培養用シャーレ35φ(住友ベークライト, MS-1135R)
・ディスポーザブルピペット 50 ml, 25 ml, 5 ml
・ディスポーザブルチップ 1 ml
実験で使用した機器は下記のとおりである。
・CO2インキュベーターHeracell 150SS (Helaeus, 155SS)
・倒立顕微鏡(カールツァイスマイクロイメージング社, Primo Vert)
・電動ピペッター(Thermo Scientific S1 Pipet Filler)
・ピペッターP1000 (Gilson, P1000)
500 mlのRPMI1640に50 mlのFetal Bovine Serumを加え、5 mlのAntibiotic-Antimycotic, 100Xを加えた。これを培地とし、4℃で保管し、使用時に室温に戻した。10 mlの培地を無菌的にシャーレに分取した。セルバンカーによって保存されたJurkatのチューブを取り出し、融解後、シャーレに全量(1×106 cells, 1 ml)を加えた。37 ℃のCO2 インキュベーター(CO2 : 5 %)にて3日間培養した。
9 mlのRPMI1640を新たなシャーレに無菌的に分取した。3日間培養した培養液を電動ピペッターで、撹拌し、1 mlの培養液をシャーレに加え、電動ピペッターで培養液を撹拌した。200 μlの担体(5 g/ml)を シャーレに加え、電動ピペッターで培養液を撹拌した。なお、電動ピペッターによる撹拌は、培養液の全量を吸引し全量を吐出する動作を10回繰り返えすことにより行った。撹拌後の培養液を倒立顕微鏡で観察した。シャーレをCO2 インキュベーター(CO2 : 5 %)にて3日間培養し、培養液を倒立顕微鏡で観察した。さらに3日間培養し、培養液を倒立顕微鏡で観察した。
観察結果の写真(初日、3日目、5日目)を図13に示す。図13中の「x100」、「x400」は倒立顕微鏡の倍率を示す。図13(A)に示すように、Jurkat細胞は、担体と接触後に直ち担体に結合した。さらに、図13(B)及び(C)に示すように、撹拌培養によって、3日後、及び5日後も、細胞と担体との結合が保持された状態で、細胞が増殖している様子が伺えた。したがって、細胞は、撹拌状態で培養細胞が担体に結合すると共に、担体上で増殖しうることが示唆された。
上記実験では、磁化した担体を用いていないが、担体の表層状態を保持したまま担体を磁化することは可能である。イオン交換樹脂製の担体と鉄粉の磁性粒子とは結合するため、これらを混合することにより、担体を間接的に磁化することができる。このような結合は、例えば、本出願人による特開2009−247244号公報「担体と磁性体の結合を含む微生物分離方法」に記載されており、これを参照により援用する(incorporate by reference)。
3 培養容器
5 温度調節ユニット
7 磁力調節ユニット
7a 磁石
7b 磁石移動機構7b
8 ガス供給部
9 溶液供給部
10 培養装置
11 弁
15 磁性粒子分離ユニット
17 細胞分取ポート
19 廃液ボトル
100 培養システム
203 培養容器
205 温度調節ユニット
206 磁性粒子分離ユニット
207 磁力調節ユニット
207a 磁石
207c 移動機構
214 スライド機構
218 回収容器
230 ガスボンベ
240 分注器
260 廃液槽
200 培養システム

Claims (26)

  1. 細胞、前記細胞を直接的又は間接的に付着する磁性粒子、及び溶液を収容する培養容器と、前記培養容器の温度調節ユニットと、前記培養容器の外部に設けられる磁石と、前記磁石の磁力を調節する磁力調節ユニットとを具備する培養装置であって、
    前記磁力調節ユニットが前記磁石の磁力を調節して、前記磁性粒子及び前記細胞を前記培養容器内の所定領域に保持した状態で、細胞培養を行うことを特徴とする、培養装置。
  2. 前記磁力調節ユニットが前記磁石の磁力を調節して、前記磁性粒子及び前記細胞を前記培養容器内に分散することを特徴とする、請求項1に記載の培養装置。
  3. 前記磁石が、間隔をあけて配置された複数の磁石であることを特徴とする、請求項1又は2項に記載の培養装置。
  4. 前記複数の磁石のそれぞれが、前記培養容器の一面に対向するように配置されることを特徴とする、請求項3に記載の培養装置。
  5. 前記複数の磁石のそれぞれが、隣接する磁石と極性が異なるように配置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の培養装置。
  6. 前記複数の磁石が、マトリックス状に配置されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の培養装置。
  7. 前記磁性粒子及び前記細胞は、前記培養容器内の前記所定領域に保持された状態で濃縮又は凝集されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の培養装置。
  8. 前記磁力調節ユニットが、前記磁石と前記培養容器との距離及び/又は位置を変動させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の培養装置。
  9. 前記磁力調節ユニットが前記磁石を前記培養容器に接近させることにより、前記磁性粒子及び前記細胞を前記所定領域に保持した状態で、前記細胞培養を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の培養装置。
  10. 前記磁石及び前記培養容器の一方に対して他方を相対的にスライドするスライド機構を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の培養装置。
  11. 前記スライド機構により前記細胞培養の振盪培養を行うことを特徴とする、請求項10に記載の培養装置。
  12. 前記培養容器を揺動する揺動機構を備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の培養装置。
  13. 前記磁力調節ユニットが前記培養容器内で前記磁性粒子及び前記細胞を前記所定領域に保持した状態で、前記培養容器に溶液を注入するか、又は前記培養容器から溶液を排出することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の培養装置。
  14. 前記磁力調節ユニットが、前記磁石の接近、振動、及び離間から選択される複数の動作を組み合わせて、前記細胞培養を行うことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の培養装置。
  15. 前記磁力調節ユニットが、前記培養容器内で前記磁性粒子及び前記細胞を分散可能とした状態で、前記培養容器から培養細胞を含む溶液を回収することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の培養装置。
  16. 前記培養容器に対して、前記温度調節ユニット、及び前記磁力調節ユニットの少なくとも一つが脱着可能であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の培養装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の培養装置を具備する培養システムであって、細胞培養に用いる材料及び溶液を前記培養容器に供給する供給部と、前記培養容器で培養された細胞を含む溶液から前記磁性粒子を分離する磁性粒子分離ユニットとを具備したことを特徴とする、培養システム。
  18. 前記溶液が重力落下によって移送されることを特徴とする、請求項17に記載の培養システム。
  19. 前記供給部、前記培養容器、前記磁性体分離ユニットが、順に上方から下方に配置されることを特徴とする、請求項17又は18に記載の培養システム。
  20. 前記供給部と前記培養容器との間、前記培養容器と前記磁性体分離ユニットとの間を、それぞれ管路で接続することを特徴とする、請求項17〜19のいずれか1項に記載の培養システム。
  21. 前記管路のそれぞれを開閉する弁を備えることを特徴とする、請求項20に記載の培養システム。
  22. 前記細胞培養に用いる前記材料及び溶液を前記供給部に分注する分注機構を備えることを特徴とする、請求項17〜21のいずれか1項に記載の培養システム。
  23. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の培養装置を用いて細胞の培養を行うことを特徴とする細胞の培養方法。
  24. 請求項17〜22のいずれか1項に記載の培養システムを用いて、細胞を培養する方法であって、
    前記供給部から前記培養容器へ、細胞培養に用いる前記材料及び溶液を供給する工程と、
    前記培養装置を用いて細胞を培養する工程と、
    前記磁性粒子分離ユニットで細胞を含む溶液から磁性粒子を分離する工程と、
    前記磁性粒子が分離された溶液から細胞を分取する工程と、
    を具備することを特徴とする、方法。
  25. 分注機構を用いて前記細胞培養に用いる前記材料又は溶液を前記供給部に分注する工程を備える、請求項24に記載の方法。
  26. 制御部が前記各工程を自動的に実行することを特徴とする、請求項24又は25に記載の方法。
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