JP6954159B2 - 細胞培養フラスコ、収納容器、キット、細胞懸濁液製造方法及び細胞輸送方法 - Google Patents

細胞培養フラスコ、収納容器、キット、細胞懸濁液製造方法及び細胞輸送方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養フラスコ、収納容器、キット、細胞懸濁液製造方法及び細胞輸送方法に関する。
培養細胞は、細胞培養における細胞の存在形態により接着細胞と浮遊細胞とに分類することができる。接着細胞は培養容器に付着して増殖する培養細胞であり、浮遊細胞は培地内において浮遊状態で増殖する培養細胞である。
細胞を受け入れて試験等を行う施設(以下、「受領施設」という。)が細胞を用いた試験や培養を行うには、まず、細胞バンクから細胞を入手し、これを受領施設まで輸送する必要がある。
細胞バンクでは種細胞は通常はアンプル内で細胞と培地とが混ざった状態で凍結保存されている。
また、接着細胞を輸送するときは細胞培養フラスコに細胞が接着した状態で輸送する必要があり、受領施設では、受け入れた細胞の利用にあたって、受け入れた細胞培養フラスコに接着した状態にある細胞を細胞と培地とからなる懸濁液の状態とする必要がある。
以下では、アンプル内で凍結保存された種細胞を受領施設が入手し試験するまでの一般的な手順を図7に基づいて説明する。
(細胞の搬出までの工程)
(a)凍結保存された細胞を収容したアンプルを取り出して解凍する。
(b)解凍した種細胞に培地を加えて細胞懸濁液を作製する。
(c)細胞懸濁液を、細胞を培養する細胞培養フラスコに移し替えて播種し、細胞培養フラスコに細胞を接着させる。
上記の(a)〜(c)の各工程は全てクリーンルーム内で行う。
(輸送工程)
(d)細胞を接着させた細胞培養フラスコを収納した収納容器を受領施設まで搬送する。
(受領施設に搬入した後の工程)
(e)クリーンルーム内で細胞培養フラスコ内の培地を交換した後、培養を継続する。
(f)培養容器から培地を吸引して除去した後、各種薬剤を用いて接着細胞の洗浄、剥離を行い、新しい培地を加えて細胞を新しい容器に移し替え、細胞懸濁液を得る。
上記の(e)及び(f)の工程は全てクリーンルーム内で行う。
また、細胞懸濁液を得た後は、通常はスケールアップ培養を行い、細胞を増やし、受領者が各自の目的に応じて、試験にかける。
上記の(e)の工程以降の操作を受領施設が行うためには受領施設がクリーンルームやクリーンベンチといったクリーンな環境を整備することが必須となる。
しかしながら、各受領施設がクリーンな環境を整備することは負担が大きく困難である。
特許文献1には、細胞輸送容器としては、細胞を長期にわたり恒温で輸送可能にするために、球体状容器と、該球体状容器内部の中心部に輸送対象品を保持する空間を残して前記空間と前記球体状容器との間に蓄熱材を有する輸送容器が記載されている。
この輸送容器は輸送には適したものであるが、接着細胞は培養容器に接着した形で搬送する必要があるため、上記の輸送容器を用いて接着細胞を搬送した後は、受領施設のクリーンルーム内で接着細胞を細胞懸濁液の形態にする必要がある。
特開2007−284137号公報
本発明は、受領施設内で細胞培養フラスコ内の接着細胞を細胞懸濁液とするプロセスを簡便に行う細胞培養フラスコを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
(1)接着細胞を輸送するための細胞培養フラスコであって、一方の端部に液体流入用の開閉コックを有するチューブが設けられ、他方の端部に液体排出用の開閉コックを有するチューブが設けられてなる細胞培養フラスコ。
(2)前記液体流入用の開閉コックを有するチューブが、細胞洗浄液流入用のチューブ、細胞剥離液流入用のチューブ及び培地流入用のチューブであり、前記液体排出用の開閉コックを有するチューブが、洗浄廃液排出用のチューブ及び剥離した細胞と培地とからなる細胞懸濁液排出用のチューブである、上記(1)に記載の細胞培養フラスコ。
(3)前記細胞洗浄液流入用のチューブ、前記細胞剥離液流入用のチューブ及び前記培地流入用チューブがそれぞれ独立して前記細胞培養フラスコの一方の端部に設けられている、上記(2)に記載の細胞培養フラスコ。
(4)前記細胞洗浄液流入用のチューブ、前記細胞剥離液流入用のチューブ及び前記培地流入用チューブが一本のチューブから分岐した構造であり、前記一本のチューブが前記細胞培養フラスコの一方の端部に設けられている、上記(2)に記載の細胞培養フラスコ。
(5)上記(1)〜(4)の何れかに記載の細胞培養フラスコを収納するための収納容器であって、
容器内部の空間は、
洗浄液の収容容器を収納する区画、剥離液の収容容器を収納する区画及び培地の収容容器を収納する区画に分かれた上部空間と、
前記細胞培養フラスコを収納するための区画からなる中央部空間と、
洗浄廃液を回収する回収容器及び細胞及び培地を含む細胞懸濁液を回収する回収容器を収納するための下方部空間と
に仕切られている、収納容器。
(6)上記(5)に記載の収納容器からなる細胞輸送容器。
(7)上記(5)に記載の収納容器と、
上記(1)〜(4)の何れかに記載の細胞培養フラスコと、
洗浄液を収容し、洗浄液流出用の開閉コックを有するチューブを備えた洗浄液収容容器と、
剥離液を収容し、剥離液流出用の開閉コックを有するチューブを備えた剥離液収容容器と、
培地を収容し、培地流出用の開閉コックを有するチューブを備えた培地収容容器と、
洗浄廃液が流入するための開閉コックを有するチューブを備えた洗浄廃液を回収する洗浄廃液回収容器と、
細胞及び培地を含む細胞懸濁液が流入するための開閉コックを有するチューブを備えた細胞懸濁液を回収する細胞懸濁液回収容器と
からなる、細胞培養フラスコ内の接着細胞から、細胞及び培地を含む細胞懸濁液を製造するためのキット。
(8)上記(7)に記載のキットを用いて細胞培養フラスコ内の接着細胞から、細胞及び培地を含む細胞懸濁液を製造する方法であって、
接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、剥離液収容容器、培地収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記各収容容器のチューブ及び各回収容器のチューブとを接続し、次いで少なくとも以下に記載する(1)〜(3)の工程を実施することによって細胞懸濁液を製造する細胞懸濁液製造方法。
(1)接着細胞を有する細胞培養フラスコに洗浄液収容容器から洗浄液を供給し、細胞を洗浄した後、洗浄廃液を洗浄廃液回収容器に回収する工程。
(2)洗浄後の細胞培養フラスコに剥離液収容容器から剥離液を供給して細胞を剥離する工程。
(3)剥離された細胞を有する細胞培養フラスコに培地を供給して、剥離した細胞と培地とからなる細胞懸濁液を細胞懸濁液回収容器に回収する工程。
(9)上記(7)に記載のキットを用いて接着細胞を有する細胞培養フラスコを輸送する細胞輸送方法であって、
クリーンな環境内で、細胞培養フラスコに接着細胞を播種し、前記接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、剥離液収容容器、培地収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記各収容容器のチューブ及び各回収容器のチューブとを接続した状態で収納容器を輸送する、細胞輸送方法。
(10)上記(7)に記載のキットを用いて接着細胞を有する細胞培養フラスコを輸送する細胞輸送方法であって、
クリーンな環境内で、細胞培養フラスコに接着細胞を播種し、前記接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記洗浄液収容容器のチューブ及び前記各回収容器のチューブとを接続した状態で収納容器を輸送する、細胞輸送方法。
本発明の細胞培養フラスコにより以下の効果が奏される。
・細胞の懸濁操作を簡便化することができる。
・よりクローズドな条件下で細胞懸濁液を作製できるので、汚染リスクを低減することができる。
図1は本発明の細胞培養フラスコの実施形態の一つを示す図である。 図2は本発明の細胞培養フラスコの実施形態の一つを示す図である。 図3は本発明の細胞培養フラスコを収納するための収納容器の一例を示す図である。 図4は本発明の細胞培養フラスコを含むキットを組み立てた状態の一例を示す図である。 図5は細胞培養フラスコに接続されるチューブに設ける開閉コックの一例を示す図である。 図6は本発明の細胞培養フラスコを含むキットを組み立てた状態の一例を示す図である。 図7は種細胞を細胞培養フラスコに播種し、接着培養し、接着培養した細胞から細胞懸濁液を製造するまでの一般的なプロセスを説明するフロー図である。
本発明の細胞培養フラスコ(以下単に「フラスコ」ともいう。)を収納する収納容器は、容器内部の空間は、洗浄液の収容容器を収納する区画、剥離液の収容容器を収納する区画及び培地の収容容器を収納する区画に分かれた上部空間と、前記細胞培養フラスコを収納するための区画からなる中央部空間と、洗浄廃液を回収する回収容器及び細胞及び培地を含む細胞懸濁液を回収する回収容器を収納するための下方部空間とに仕切られ、フラスコ、洗浄液を収容した洗浄液収容容器、接着細胞を容器から剥離する剥離液を収容した剥離液収容容器、培地を収容した培地収容容器、洗浄廃液を回収する洗浄廃液回収容器、及び、剥離した接着細胞を懸濁させた懸濁液を回収する細胞懸濁液回収容器を収納することができ、フラスコと、その他の収容容器及び回収容器とを開閉手段を設けたチューブによって接続できるようにした構造を有する。
このようにすると、チューブの開閉手段の開閉操作だけで培養容器内の培地の排出、培養容器の洗浄、洗浄廃液の洗浄廃液回収容器への回収、接着細胞の剥離、フラスコへの培地の充填、懸濁液回収容器への細胞懸濁液の回収を行うことができる。
すなわち、この収納容器を用いて、上記(c)迄の工程をクリーンルーム内で行い、細胞を接着したフラスコを収納した収納容器を受領施設に輸送すると、上記(d)〜(f)の工程を収納容器内で行うことができる。
従って、本発明の細胞培養フラスコを用いることにより、細胞の懸濁操作を簡便化することができ、また、よりクローズドな条件下で細胞懸濁液を作製できるので、汚染リスクを低減することができる。
本発明を第1の実施形態に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態はフラスコの構造に関するものである。
本実施形態のフラスコの構造を図1(a)、(b)に基づいて以下説明する。
図1(a)はフラスコ10の下方部に側面から中央に向かう下向きの傾斜を設けたものであり、図1(b)はフラスコ10の下方部に側面から中央に向かう下向きの傾斜を設け、上方部に側面から中央に向かう上向きの傾斜を設けたものである。
液体をスムーズに流すために傾斜は直線的であることが好ましい。
フラスコ10はフラスコの容器だけを用いてもよいが、大量培養を行うために繊維状担体をフラスコ内に充填したものを用いてもよい。
図示したフラスコ10はプラスチック製で全体形状はTフラスコと同じ形状である。
フラスコ10は3本の液体流入用のチューブと、2本の液体排出用のチューブとを有している。
フラスコ10の一方の端面には下記の3本の液体流入用のチューブT1、T2、T3が設けられ、他方の端面には下記の2本の液体排出用のチューブT4、T5が設けられている。
T1:洗浄液であるリン酸緩衝液(PBS)をフラスコ10に供給するためのチューブ
T2:接着細胞の剥離液であるトリプシンやEDTAをフラスコ10に供給するためのチューブ
T3:培地をフラスコ10に供給するためのチューブ
T4:洗浄廃液をフラスコ10から排出するためのチューブ
培地をフラスコ10から排出する際にも用いることができる。
T5:細胞及び培地を含む細胞懸濁液をフラスコ10から排出するためのチューブ
上記のチューブT1〜T5はいずれも端部にコネクタC1〜C5と流路開閉用の開閉コックF1〜F5を有している。
チューブT1〜T3の端部は、フラスコに流入する液体がフラスコ内に行き渡るように、フラスコの端部中央付近に接続されることが好ましい。
フラスコ10は図1に示すように、フラスコの下方部が外側から中央に向かって下がる傾斜を有していることが好ましい。そして、チューブT4、T5の端部はフラスコから流出する液体が完全に排出されるように、フラスコの下端中央部に接続することが好ましい。
(第2の実施形態)
図2にフラスコの他の構成例を示す。
本実施形態では、チューブT1、チューブT2及びチューブT3がそれぞれ一本のチューブT0から分岐した構造を有する。この構造にすると、フラスコ10とチューブとの取り付け構造が簡易なものとなる。
また、フラスコ10から液体を流出させるチューブT4、T5を分岐構造としてもよい。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態のフラスコを収納する収納容器に関する。
フラスコを収納する収納容器の構造を図3、図4に基づいて以下、説明する。
収納容器20の内部空間は下記に記載するBF及びB1〜B5の区画に分かれている。
BF:フラスコ10を収納する区画
B1:洗浄液であるリン酸緩衝液(PBS)の収容容器1を収納する区画
B2:接着細胞の剥離液であるトリプシンやEDTAを収容した収容容器2を収納する区画
B3:培地を収容した収容容器3を収納する区画
B4:フラスコから流出する廃液を回収するための回収容器4を収納する区画
B5:細胞及び培地を含む細胞懸濁液を回収するための回収容器5を収納する区画
なお、区画B4及び区画B5は、収納される収容容器が常温に保持されるので、特に両者を壁で区画する必要はない。
また、収納容器の外部壁21及び区画壁22はいずれも断熱材を用いた断熱構造となっている。当該区画に収納される収容容器が保冷又は保温を必要とする場合には当該区画には保冷手段又は保温手段を設ける。
保冷手段としては保冷剤を用いることができ、保温手段としては蓄熱材を用いることができる。
収納容器20は使用時には図4に示したように収容容器1〜3が上方に位置し、回収容器4、5が下方に位置するように配置され、収容容器1〜3内の液体が重力によってフラスコ10に流入し、次いで、フラスコ10から回収容器に流入するようにする。
また、図3、4には示していないが、収納容器20は蓋を有しており、収納容器20内にフラスコ10、収容容器1〜3、回収容器4、5を収納した後、内部のフラスコ10及び収容容器1〜3、回収容器4、5を保護するために収納容器20の前面は蓋で覆われる。蓋材としては緩衝性、断熱性のある材料を用いることが好ましい。
各区画はそれぞれの区画に収容されるフラスコ10及び収容容器1〜5に適した温度に保持される。
フラスコ10を収納する区画BFは細胞培養に適した温度である37℃程度に保持される。
洗浄液の収容容器1、回収容器4、回収容器5を収納する区画B1、B4、B5は常温に保持される。
剥離液を収納する収容容器2を収納する区画B2は−5℃程度に保持される。
培地を収容する収容容器3を収納する区画B3は2℃程度に保持される。
各区画を独立して温度制御するため、各区画は断熱材によって区画されている。
そして、区画B2及び区画B3は所定の低温に保持するため保冷手段を備えている。
また、区画BFは培養温度に適した温度とするために保温手段を備えている。
(第4の実施形態)
本実施形態は図3に示した収納容器20と、フラスコ10、収容容器1〜3及び回収容器4、5とを備えたキットにかかるものである。
図4はキットを組み立てた状態を示す。
なお、図4においては、図1、2で示したコネクタC1〜C5については図示を省略した。
まず、図4に基づいて、収容容器1〜3、回収容器4、5について説明する。
収容容器1〜3には、収容容器内部に収容された液体を流出するためのチューブt1〜t3が設けられており、回収容器4、5にはフラスコ10から排出される液体を回収するためのチューブt4、t5が設けられている。
これらのチューブt1〜t5はそれぞれフラスコ10に設けられたチューブT1〜T5と接続される。
また、t1とT1とを接続して形成される液体の流路P1の収容容器側には流路を開閉するための開閉コックf1が設けられており、t2とT2、t3とT3、t4とT4、t5とT5のそれぞれによって形成される流路P2〜P5の収容容器側及び回収容器側にも同様に開閉コックf2〜f5が設けられる。
なお、図4においては開閉コックとして図5に示すような二重コックを用いている。
二重コックについて、フラスコ10と収容容器1とを結ぶ流路P1を例にとって説明する。チューブT1側の開閉コックを開閉コックF1とし、チューブt1側の開閉コックを開閉コックf1とする。開閉コックF1と開閉コックf1との間には清浄な高圧空気30が充填されている。このような構造とすることにより、開閉コックの誤作動があった場合でも、流路P1内の液体は高圧空気30により収容容器側へ押し戻されるので液の漏出、交差汚染を防止することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態は本発明のキットを用いて細胞を輸送し、受領した細胞から細胞懸濁液を製造する方法に係るものである。
図4に基づいて本実施形態を説明する。
本実施形態では、前記一般的な手順の、細胞の搬出までの工程の前記(a)の工程、前記(b)の工程は、一般的な方法と同様に行うことができ、前記(c)の工程及び搬送工程の前記(d)の工程を図3に示した収納容器(細胞輸送容器)20を用いて行う。
まず、洗浄液収容容器1、剥離液収容容器2、培地収容容器3、洗浄廃液回収容器4、細胞懸濁液回収容器5が収納された収納容器20を準備する。
次いで、クリーンルームやクリーンベンチ等のクリーンな環境内で、収納容器20の区画BFに接着細胞13を有するフラスコ10を収納する。
次いで、クリーンな環境内で収容容器1〜3、回収容器4、5のチューブt1〜t5のそれぞれをフラスコ10のチューブT1〜T5のそれぞれに接続する。
前記接着細胞13を有するフラスコ10を収納した収納容器20を受領施設まで輸送する。この時、収納容器20を密閉状態とすることによりクリーンな環境を保つ。
受領施設では、収納容器20について次の操作を行う。
(1)収容容器4とフラスコ10とを結ぶ流路P4の開閉コックF4及び開閉コックf4を開放して、フラスコ10内の古い培地を流路P4を介して回収容器4に回収する。
(2)収容容器3とフラスコ10とを結ぶ流路P3の開閉コックF3及び開閉コックf3を開放して、(1)で回収した古い培地と同量の培地をフラスコ10に供給する。このあと例えば半日〜1日培養を継続して細胞を安定化させる。
(3)収容容器1とフラスコ10とを結ぶ流路P1の開閉コックF1及び開閉コックf1を開放して、洗浄液をフラスコ10に供給し、洗浄処理を行う。
ついで、開閉コックF1及び開閉コックf1を閉じて、フラスコ10と回収容器4とを結ぶ流路P4の開閉コックF4及び開閉コックf4を開放して、洗浄廃液を回収容器4に回収する。
この操作を必要な回数行って開閉コックF1、開閉コックf1、開閉コックF4、開閉コックf4を閉じる。洗浄操作の際にはフラスコ10を揺することにより洗浄効果を高めることができる。
(4)収容容器2とフラスコ10とを結ぶ流路P2の開閉コックF2及び開閉コックf2を開放して、剥離液をフラスコ10に供給し、接着細胞の剥離処理を行い、開閉コックF2及び開閉コックf2を閉じる。剥離操作の際にはフラスコ10を揺すったりタップしたりすることにより洗浄効果を高めることが出来る。
(5)収容容器3とフラスコ10とを結ぶ流路P3の開閉コックF3及び開閉コックf3を開放して、培地をフラスコ10に供給し、次いで、流路P5の開閉コックF5及び開閉コックf5を開放して、剥離した細胞と培地とをフラスコ10から流出させて回収容器5に細胞懸濁液を回収する。
上記(1)〜(5)の操作は、クリーンベンチを必要とせずに行うことができる。
(第6の実施形態)
本実施形態は本発明のキットを用いて細胞を輸送し、受領した細胞から細胞懸濁液を製造する方法に係るものである。
図6に基づいて本実施形態を説明する。
本実施形態では、第5の実施形態において、収容容器2及び収容容器3を収納容器20に収納しないで上記(c)の工程を行う。
収容容器2及び収容容器3は所定の温度に保冷するために保冷手段が必要である。そこで、本実施形態では収容容器2及び収容容器3を受領施設内で保冷保管しておき、収納容器20を受領施設に受け入れてから収容容器2及び収容容器3を収納容器20に収納するようにする。このため、収容容器2のチューブt2の端部及び収容容器3のチューブt3の端部には無菌コネクタ40を設ける。
一方、チューブt2とチューブt3に接続するフラスコ10のチューブT2の端部及びチューブT3の端部にも無菌コネクタ40を設ける。
そして、受領施設内でt2とT2及びt3とT3を接続することにより、クリーンベンチを必要とせず無菌接続が可能となる。
その後の工程は第5の実施形態で説明したのと同様である。
(第7の実施形態)
第6の実施形態では前記工程(c)を行う際に、収容容器2及び収容容器3を収納容器20に収納しない例を示したが、前記工程(c)を行う際に、収容容器1〜3、回収容器4、5を収納容器20に収納しないようにすることも可能である。
この場合は、フラスコ10のチューブT1〜T5の末端に無菌コネクタ40を設ける必要があり、コスト高になる。
収容容器1、回収容器4及び回収容器5はいずれも常温環境で保管してよいため、実施形態6で示したような前記工程(c)を行う際に収容容器2及び収容容器3を収納容器20に収納しないようにすることが得策である。
(第8の実施形態)
本実施形態では、フラスコ10に接続されているチューブT1〜T5の端部のコネクタC1〜C5を無菌コネクタ40とする。
上記(c)の工程を、クリーンルーム内で無菌コネクタ40を備えたフラスコを用いて行う。この場合、フラスコの輸送には収納容器20を用いても用いなくてもよい。
フラスコの輸送に収納容器20を用いた場合には、受領施設で、無菌コネクタを有する収容容器1〜3、回収容器4、5を収納容器に収納して、収容容器側及び回収容器側のチューブとフラスコ側のチューブとの無菌的接続を行い所定の処理操作を行う。
また、フラスコの輸送に収納容器20を用いない場合には、受領施設で、フラスコ10及び無菌コネクタを有する収容容器1〜5をそれぞれ収納容器20に収納して収容容器側及び回収容器側のチューブとフラスコ側のチューブとの無菌的接続を行い所定の処理操作を行う。
1、2、3 収容容器
4、5 回収容器
10 細胞培養フラスコ
11 繊維状担体
12 培地
13 接着細胞
20 収納容器
21 外部壁
22 区画壁
30 高圧空気
40 無菌コネクタ
C1、C2、C3、C4、C5 コネクタ
T1、T2、T3、T4、T5 チューブ
t1、t2、t3、t4、t5 チューブ
P1、P2、P3、P4、P5 流路
F1、F2、F3、F4、F5 開閉コック
f1、f2、f3、f4、f5 開閉コック

Claims (6)

  1. 一方の端部に液体流入用の開閉コックを有するチューブが設けられ、他方の端部に液体排出用の開閉コックを有するチューブが設けられてなる、接着細胞を輸送するための細胞培養フラスコを収納するための収納容器であって、
    容器内部の空間は、
    洗浄液の収容容器を収納する区画、剥離液の収容容器を収納する区画及び培地の収容容器を収納する区画に分かれた上部空間と、
    前記細胞培養フラスコを収納するための区画からなる中央部空間と、
    洗浄廃液を回収する回収容器及び細胞及び培地を含む細胞懸濁液を回収する回収容器を収納するための下方部空間と
    に仕切られている、収納容器。
  2. 請求項に記載の収納容器からなる細胞輸送容器。
  3. 請求項に記載の収納容器と、
    一方の端部に液体流入用の開閉コックを有するチューブが設けられ、他方の端部に液体排出用の開閉コックを有するチューブが設けられてなる、接着細胞を輸送するための細胞培養フラスコと、
    洗浄液を収容し、洗浄液流出用の開閉コックを有するチューブを備えた洗浄液収容容器と、
    剥離液を収容し、剥離液流出用の開閉コックを有するチューブを備えた剥離液収容容器と、
    培地を収容し、培地流出用の開閉コックを有するチューブを備えた培地収容容器と、
    洗浄廃液が流入するための開閉コックを有するチューブを備えた洗浄廃液を回収する洗浄廃液回収容器と、
    細胞及び培地を含む細胞懸濁液が流入するための開閉コックを有するチューブを備えた細胞懸濁液を回収する細胞懸濁液回収容器と
    からなる、細胞培養フラスコ内の接着細胞から、細胞及び培地を含む細胞懸濁液を製造するためのキット。
  4. 請求項に記載のキットを用いて細胞培養フラスコ内の接着細胞から、細胞及び培地を含む細胞懸濁液を製造する方法であって、
    接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、剥離液収容容器、培地収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記各収容容器のチューブ及び各回収容器のチューブとを接続し、次いで少なくとも以下に記載する(1)〜(3)の工程を実施することによって細胞懸濁液を製造する細胞懸濁液製造方法。
    (1)接着細胞を有する細胞培養フラスコに洗浄液収容容器から洗浄液を供給し、細胞を洗浄した後、洗浄廃液を洗浄廃液回収容器に回収する工程。
    (2)洗浄後の細胞培養フラスコに剥離液収容容器から剥離液を供給して細胞を剥離する工程。
    (3)剥離された細胞を有する細胞培養フラスコに培地を供給して、剥離した細胞と培地とからなる細胞懸濁液を細胞懸濁液回収容器に回収する工程。
  5. 請求項に記載のキットを用いて接着細胞を有する細胞培養フラスコを輸送する細胞輸送方法であって、
    クリーンな環境内で、細胞培養フラスコに接着細胞を播種し、前記接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、剥離液収容容器、培地収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記各収容容器のチューブ及び各回収容器のチューブとを接続した状態で収納容器を輸送する、細胞輸送方法。
  6. 請求項に記載のキットを用いて接着細胞を有する細胞培養フラスコを輸送する細胞輸送方法であって、
    クリーンな環境内で、細胞培養フラスコに接着細胞を播種し、前記接着細胞を有する細胞培養フラスコ、洗浄液収容容器、洗浄廃液回収容器、及び、細胞懸濁液回収容器を前記収納容器内の所定の位置に収納し、前記細胞培養フラスコのチューブと前記洗浄液収容容器のチューブ及び前記各回収容器のチューブとを接続した状態で収納容器を輸送する、細胞輸送方法。
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