JP7309194B2 - 幹細胞運搬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬する幹細胞運搬方法に関する。
幹細胞を培養する培地と、幹細胞に対して照射エネルギーが0を超え10ジュール/cm以下、レーザパワー密度が0.1W/cm以下、照射エネルギーを0.1以上2.5ジュール/cm以下の低出力の炭酸ガスレーザーの照射光をデフォーカスして培地全体に照射し、幹細胞を活性化させるレーザー照射手段とを備え、幹細胞に低出力のレーザーを照射して活性化させた後、幹細胞に所定の休止期間を設けて目標増殖数まで増殖させる幹細胞培養方法が開示されている。この幹細胞培養方法によれば、ヒト、非ヒト(動物)から採取した組織またはその細胞に存在する幹細胞を活性化させて飛躍的に増殖させることができる。
特開2015-186465号公報
幹細胞は、各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)の治療や再生医療、非治療的用途に利用される。前記特許文献1に開示の幹細胞培養方法や他の幹細胞培養方法によって培養された幹細胞は、それの製造地(出発地点)からそれを使用する使用地(目的地点)まで運送車両や航空機、列車、船舶等の所定の運搬手段によって運搬(輸送)する必要がある。幹細胞の運搬(輸送)では、幹細胞を冷凍して凍結させ、凍結した状態の幹細胞を収容した収容容器を保冷バックに収容し、その保冷バックを冷凍庫を備えた運送車両や航空機、列車、船舶等で出発地点から目的地点まで搬送する。しかし、凍結させた幹細胞を解凍した場合、わずかな幹細胞のみしか生存せず、幹細胞の大部分が死滅し、幹細胞を生存させまま使用地(目的地点)に運ぶことができない。更に、生存している幹細胞の活性がきわめて低く、その幹細胞を各種の疾患に対して有効に利用することができないとともに、再生医療における再生において有効な効果を得ることができない。
又、幹細胞を冷凍せずに目的地点まで運搬すると、幹細胞の寿命が早く進み、出発地点からの運搬時間が24時間経過後における幹細胞の生存率が50%未満になるとともに、出発地点からの運搬時間が36時間経過後における幹細胞の生存率が略0%になり、幹細胞の運搬に24時間以上を要する場合、幹細胞の生存率を50%以上に保持することができない。
本発明の目的は、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる幹細胞運搬方法を提供することにある。本発明の他の目的は、運搬(輸送)後の幹細胞を各種の疾患に対して有効に利用することができ、その幹細胞を利用することで再生医療における再生において有効な効果を得ることができる幹細胞運搬方法を提供することにある。本発明の他の目的は、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができる幹細胞運搬方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、ドナーから採取した骨髄液を培養することから作られた幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬する幹細胞運搬方法である。
前記前提における本発明の特徴として、幹細胞運搬方法は、幹細胞を収容する収容スペース及び頂部開口を気密に閉塞する開閉蓋とを有する所定容積の細胞収容容器と、複数個の細胞収容容器を収容する所定容積の容器収容スペースを有して容器収容スペースを所定の低温に保持する保温運搬容器とを利用し、細胞収容容器の収容スペースが、細胞収容容器の頂部開口から底壁に向かって上下方向へ三分されて上部収容スペースと中間収容スペースと下部収容スペースとに区分され、保温運搬容器が、密閉蓋と、真空断熱層を有して容器収容スペースを囲繞する周壁及び底壁と、容器収容スペースを冷却する保冷剤を収容する保冷剤収容スペースとを備え、幹細胞運搬方法が、幹細胞を細胞収容容器の下部収容スペースに収容し、無菌空気を溶存させた培養液を細胞収容容器の中間収容スペースに収容するとともに、無菌空気を細胞収容容器の上部収容スペースに収容し、開閉蓋によって細胞収容容器の頂部開口を気密に閉塞する第1収容工程と、第1収容工程によって幹細胞と培養液と無菌空気とを収容した細胞収容容器の複数個を保温運搬容器の容器収容スペースに収容し、保冷剤収容スペースに保冷剤を収容しつつ、密閉蓋によって保温運搬容器を気密に閉塞する第2収容工程と、第2収容工程によって容器収容スペースに収容された複数個の細胞収容容器を保冷剤収容スペースに収容された保冷剤によって所定温度に冷却しつつ、複数個の細胞収容容器を収容した保温運搬容器を所定の輸送手段によって出発地点から目的地点まで運搬する細胞運搬工程とを有することにある。
本発明の一例としては、幹細胞運搬方法が、第1収容工程によって幹細胞と培養液と無菌空気とを収容した細胞収容容器の頂部開口を開閉蓋によって気密に閉塞した後、細胞収容容器を所定の温度に冷却し、下部収容スペースに収容された幹細胞を休眠状態にする細胞休眠工程を含む。
本発明の他の一例としては、幹細胞運搬方法が、細胞収容容器の中間収容スペースに収容する培養液に無菌空気を溶存させる無菌空気溶存工程を含む。
本発明の他の一例としては、幹細胞運搬方法が、運搬工程によって目的地点に運搬された保温運搬容器の保冷剤収容スペースから保冷剤を取り外し、保温運搬容器に収容された複数個の細胞収容容器を所定時間静的に放置して細胞収容容器を室温に戻す温度戻し工程を含む。
本発明の他の一例として、細胞収容容器では、細胞収容容器の上部収容スペースが収容スペースの19~21%を占め、細胞収容容器の中間収容スペースが収容スペースの41~45%を占めるとともに、細胞収容容器の下部収容スペースが収容スペースの36~38%を占め、細胞収容容器の収容スペースに対する無菌空気の収容割合が19~21%の範囲、細胞収容容器の収容スペースに対する無菌空気を溶存させた培養液の収容割合が41~45%の範囲にあり、細胞収容容器の収容スペースに対する幹細胞の収容割合が36~38%の範囲にある。
本発明の他の一例として、保温運搬容器では、保冷剤によって保温運搬容器の容器収容スペースの温度が2~4℃の範囲に保持される。
本発明の他の一例としては、幹細胞の出発地点から目的地点までの運搬時間が、24~48時間であり、出発地点からの運搬時間が36時間経過後における幹細胞の生存率が、87~89%の範囲にあり、出発地点からの運搬時間が48時間経過後における幹細胞の生存率が、74~76%の範囲にある。
本発明の他の一例としては、幹細胞が、幹細胞を所定期間保存した後の休眠状態にある休眠幹細胞を活性化させた活性化幹細胞であり、幹細胞運搬方法が、活性化幹細胞を細胞収容容器に収容する前に、休眠幹細胞を活性化させて活性化幹細胞を作る幹細胞活性化手段を含み、幹細胞活性化手段が、休眠幹細胞と所定の培養液と休眠幹細胞の保存前の幹細胞の培養過程において生成された培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有する第1培養容器に注入し、休眠幹細胞を第1培養容器の底面に定着させる休眠幹細胞定着工程と、休眠幹細胞定着工程によって第1培養容器の底面に定着させた休眠幹細胞を培養し、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達するまで休眠幹細胞を増殖かつ活性化させ、休眠幹細胞を活性化幹細胞に変質させる休眠幹細胞培養工程とを有し、休眠幹細胞定着工程では、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、第2の方向へ傾斜させた第1培養容器内の休眠幹細胞の初期平面形状からの変形を前記12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、休眠幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、休眠幹細胞が第1培養容器の底面に定着したと判断し、休眠幹細胞培養工程では、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置しつつ、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達したかを判断する。
本発明の他の一例としては、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積の第1目標割合が、70~80%であり、休眠幹細胞培養工程では、休眠幹細胞定着工程によって休眠幹細胞を第1培養容器の底面に定着させた後、培養液と培養生成液との混合培養液を第1培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを第1培養容器に注入し、第1培養容器の底面に定着させた休眠幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる。
本発明の他の一例としては、幹細胞活性化手段が、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達した時点で第1培養容器から活性化幹細胞を抽出し、抽出した活性化幹細胞とあらたな培養液とあらたな培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有して第1培養容器よりも大きい容量の第2培養容器に注入し、活性化幹細胞を第2培養容器の底面に定着させる活性化幹細胞定着工程と、活性化幹細胞定着工程によって第2培養容器の底面に定着させた活性化幹細胞を培養し、第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達するまで活性化幹細胞を増殖かつ活性化させる活性化幹細胞培養工程とを含み、活性化幹細胞定着工程では、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、第2の方向へ傾斜させた第2培養容器内の活性化幹細胞の初期平面形状からの変形を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、活性化幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、活性化幹細胞が第2培養容器の底面に定着したと判断し、活性化幹細胞培養工程では、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置し、第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達したかを判断する。
本発明の他の一例としては、第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積の第2目標割合が、88~92%であり、活性化幹細胞培養工程では、活性化幹細胞定着工程によって活性化幹細胞を第2培養容器の底面に定着させた後、培養液と培養生成液との混合培養液を第2培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを第2培養容器に注入し、第2培養容器の底面に定着させた活性化幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる。
本発明の他の一例としては、培養生成液が、幹細胞の培養過程において幹細胞から分泌された所定の代謝物質を含む。
本発明に係る幹細胞運搬方法によれば、幹細胞を細胞収容容器の下部収容スペースに収容し、無菌空気を溶存させた培養液を細胞収容容器の中間収容スペースに収容するとともに、無菌空気を細胞収容容器の上部収容スペースに収容し、開閉蓋によって細胞収容容器の頂部開口を気密に閉塞する第1収容工程と、第1収容工程によって幹細胞と培養液と無菌空気とを収容した細胞収容容器の複数個を保温運搬容器の容器収容スペースに収容し、保冷剤収容スペースに保冷剤を収容しつつ、密閉蓋によって保温運搬容器を気密に閉塞する第2収容工程と、第2収容工程によって容器収容スペースに収容された複数個の細胞収容容器を保冷剤収容スペースに収容された保冷剤によって所定温度に冷却しつつ、複数個の細胞収容容器を収容した保温運搬容器を所定の輸送手段によって出発地点から目的地点まで運搬する細胞運搬工程とを有し、細胞運搬工程において細胞収容容器に収容された幹細胞を所定温度に冷却することで幹細胞を休眠状態に維持することができるから、幹細胞の寿命がゆっくりと進み、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。幹細胞運搬方法は、幹細胞を生存させたまま目的地点に運ぶことができるから、生存する幹細胞を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、生存する幹細胞を利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
第1収容工程によって幹細胞と培養液と無菌空気とを収容した細胞収容容器の頂部開口を開閉蓋によって気密に閉塞した後、細胞収容容器を所定の温度に冷却し、下部収容スペースに収容された幹細胞を休眠状態にする細胞休眠工程を含む幹細胞運搬方法は、幹細胞と培養液と無菌空気とを収容した細胞収容容器を所定の温度に冷却して幹細胞を休眠状態にするとともに、細胞運搬工程において細胞収容容器に収容された幹細胞を所定温度に冷却した状態で運搬(輸送)することで、幹細胞の休眠状態を維持することができるから、幹細胞の寿命をゆっくりと進めることができ、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。
細胞収容容器の中間収容スペースに収容する培養液に無菌空気を溶存させる無菌空気溶存工程を含む幹細胞運搬方法は、無菌空気溶存工程によって培養液に無菌空気を溶存させ、無菌空気を溶存させた培養液に幹細胞を浸漬させた状態で運搬(輸送)するから、培養液中において幹細胞の生存が確実に維持され、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。
運搬工程によって目的地点に運搬された保温運搬容器の保冷剤収容スペースから保冷剤を取り外し、保温運搬容器に収容された複数個の細胞収容容器を所定時間静的に放置して細胞収容容器を室温に戻す温度戻し工程を含む幹細胞運搬方法は、所定温度に冷却された細胞収容容器を所定時間静的に放置して細胞収容容器を室温に戻すことで、細胞収容容器に収容された休眠状態の幹細胞を死滅させることなく休眠状態から活動状態に戻すことができ、活動状態に戻した幹細胞を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、活動状態に戻した幹細胞を利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
細胞収容容器の上部収容スペースが収容スペースの19~21%を占め、細胞収容容器の中間収容スペースが収容スペースの41~45%を占めるとともに、細胞収容容器の下部収容スペースが収容スペースの36~38%を占め、細胞収容容器の収容スペースに対する無菌空気の収容割合が19~21%の範囲、細胞収容容器の収容スペースに対する無菌空気を溶存させた培養液の収容割合が41~45%の範囲にあり、細胞収容容器の収容スペースに対する幹細胞の収容割合が36~38%の範囲にある幹細胞運搬方法は、無菌空気の収容スペースに対する収容割合が前記範囲にあり、無菌空気を溶存させた培養液の収容スペースに対する収容割合が前記範囲にあるから、細胞収容容器の収容スペースにおいて無菌空気が充満し、無菌空気によって培養液中の幹細胞の生存が確実に維持され、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。
保冷剤によって保温運搬容器の容器収容スペースの温度が2~4℃の範囲に保持される幹細胞運搬方法は、保冷剤収容スペースに収容された保冷剤を利用して細胞収容容器に収容された幹細胞を前記温度範囲に冷却することで、幹細胞を休眠状態に維持することができるから、幹細胞の寿命がゆっくりと進み、幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に長時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。
幹細胞の出発地点から目的地点までの運搬時間が24~48時間であり、出発地点からの運搬時間が36時間経過後における幹細胞の生存率が87~89%の範囲にあり、出発地点からの運搬時間が48時間経過後における幹細胞の生存率が74~76%の範囲にある幹細胞運搬方法は、運搬時間が36時間経過後における幹細胞の生存率が前記範囲にあり、運搬時間が48時間経過後における幹細胞の生存率が前記範囲にあるから、幹細胞を出発地点から目的地点まで36時間から48時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞の生存率を高い値に保持することができ、幹細胞の運搬(輸送)に36時間から48時間を要したとしても、幹細胞を生存させたまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる。
幹細胞がそれを所定期間保存した後の休眠状態にある休眠幹細胞を活性化させた活性化幹細胞であり、幹細胞運搬方法が活性化幹細胞を細胞収容容器に収容する前に、休眠幹細胞を活性化させて活性化幹細胞を作る幹細胞活性化手段を含み、幹細胞活性化手段が、休眠幹細胞と所定の培養液と休眠幹細胞の保存前の幹細胞の培養過程において生成された培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有する第1培養容器に注入し、休眠幹細胞を第1培養容器の底面に定着させる休眠幹細胞定着工程と、休眠幹細胞定着工程によって第1培養容器の底面に定着させた休眠幹細胞を培養し、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達するまで休眠幹細胞を増殖かつ活性化させ、休眠幹細胞を活性化幹細胞に変質させる休眠幹細胞培養工程とを有し、休眠幹細胞定着工程において、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、第2の方向へ傾斜させた第1培養容器内の休眠幹細胞の初期平面形状からの変形を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、休眠幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、休眠幹細胞が第1培養容器の底面に定着したと判断し、休眠幹細胞培養工程において、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置しつつ、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達したかを判断する幹細胞運搬方法は、休眠幹細胞定着工程において、幹細胞の培養過程で生成された培養生成液を利用することで、第1培養容器の底面に対する休眠幹細胞の定着やその休眠幹細胞の増殖が促進されるから、その培養生成液を利用して休眠幹細胞を第1培養容器の底面に速やかに定着させることができ、休眠幹細胞培養工程において、その培養生成液を利用して総平面面積が第1目標割合に達するように休眠幹細胞を速やかに活性化幹細胞に変質させることができる。幹細胞運搬方法は、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置することで、第1培養容器の底面に休眠幹細胞を確実に定着させることができ、休眠幹細胞の活性化を確実に促進することができる。幹細胞運搬方法は、第1培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第1培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置することで、休眠幹細胞を速やかに活性化幹細胞に変質させることができる。
第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積の第1目標割合が70~80%であり、休眠幹細胞培養工程において、休眠幹細胞定着工程によって休眠幹細胞を第1培養容器の底面に定着させた後、培養液と培養生成液との混合培養液を第1培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを第1培養容器に注入し、第1培養容器の底面に定着させた休眠幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる幹細胞運搬方法は、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が80%を超過して休眠幹細胞が増殖すると、活性化幹細胞の活性が次第に失われるが、第1培養容器の底面面積に対して休眠幹細胞の総平面面積が70~80%に増殖した時点で、活性化させた活性化幹細胞を第1培養容器から抽出することで、活性化した活性化幹細胞の活性が維持され、休眠幹細胞を十分な活性を有する活性化幹細胞に変質させることができる。幹細胞運搬方法は、休眠幹細胞定着工程において、幹細胞の培養過程で生成されたあらたな培養生成液を利用することで、第1培養容器の底面における休眠幹細胞の増殖が促進されるから、あらたな培養生成液を利用して休眠幹細胞を第1培養容器の底面に速やかに定着させることができ、休眠幹細胞培養工程において、あらたな培養生成液を利用して総平面面積が第1目標割合に達するように休眠幹細胞を速やかに活性化幹細胞に変質させることができる。
幹細胞活性化手段が、第1培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達した時点で第1培養容器から活性化幹細胞を抽出し、抽出した活性化幹細胞とあらたな培養液とあらたな培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有して第1培養容器よりも大きい容量の第2培養容器に注入し、活性化幹細胞を第2培養容器の底面に定着させる活性化幹細胞定着工程と、活性化幹細胞定着工程によって第2培養容器の底面に定着させた活性化幹細胞を培養し、第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達するまで活性化幹細胞を増殖かつ活性化させる活性化幹細胞培養工程とを含み、活性化幹細胞定着工程において、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、第2の方向へ傾斜させた第2培養容器内の活性化幹細胞の初期平面形状からの変形を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、活性化幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、活性化幹細胞が第2培養容器の底面に定着したと判断し、活性化幹細胞培養工程において、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置し、第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達したかを判断する幹細胞運搬方法は、活性化幹細胞定着工程において、幹細胞の培養過程で生成された培養生成液を利用することで、第2培養容器の底面に対する活性化幹細胞の定着やその活性化幹細胞の増殖が促進されるから、その培養生成液を利用して活性化幹細胞を第2培養容器の底面に速やかに定着させることができ、活性化幹細胞培養工程において、その培養生成液を利用して総平面面積が第2目標割合に達するように活性化幹細胞を速やかに増殖かつ活性化させることができる。幹細胞運搬方法は、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置することで、第2培養容器の底面に活性化幹細胞を確実に定着させることができ、活性化幹細胞の一層の活性化を確実に促進することができる。幹細胞運搬方法は、第2培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で第2培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置することで、活性化幹細胞を速やかに増殖かつ活性化させることができる。
第2培養容器の底面面積に対する活性化幹細胞の総平面面積の第2目標割合が88~92%であり、活性化幹細胞培養工程において、活性化幹細胞定着工程によって活性化幹細胞を第2培養容器の底面に定着させた後、培養液と培養生成液との混合培養液を第2培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを第2培養容器に注入し、第2培養容器の底面に定着させた活性化幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる幹細胞運搬方法は、第2培養容器の底面面積に対する休眠幹細胞の総平面面積が92%を超過して休眠幹細胞が増殖すると、活性化幹細胞の活性が次第に失われるが、第2培養容器の底面面積に対して活性化幹細胞の総平面面積が88~92%に増殖した時点で、活性化幹細胞を第2培養容器から抽出することで、活性化幹細胞の活性が維持され、活性化幹細胞を一層活性化した活性化幹細胞に変質させることができる。幹細胞運搬方法は、活性化幹細胞定着工程において、幹細胞の培養過程で生成されたあらたな培養生成液を利用することで、第2培養容器の底面における活性化幹細胞の増殖が促進されるから、あらたな培養生成液を利用して活性化幹細胞を第2培養容器の底面に速やかに定着させることができ、活性化幹細胞培養工程において、あらたな培養生成液を利用して総平面面積が第2目標割合に達するように活性化幹細胞を一層活性化した活性化幹細胞に速やかに変質させることができる。
培養生成液が幹細胞の培養過程において幹細胞から分泌された所定の代謝物質を含む幹細胞運搬方法は、幹細胞から分泌された所定の代謝物質が含まれる培養生成液を利用することで、その幹細胞自体の代謝物質がトリガーとなり、休眠幹細胞や活性化幹細胞が速やかに活性を開始する。従って、第1培養容器の底面に対する休眠幹細胞の定着や第2培養容器の底面に対する活性化幹細胞の定着が促進されるとともに、第1培養容器における休眠幹細胞の増殖や第2培養容器における活性化幹細胞の増殖が促進され、その培養生成液を利用して休眠幹細胞や活性化幹細胞を培養容器の底面に速やかに定着させることができ、その培養生成液を利用して総平面面積が目標割合に達するように休眠幹細胞や活性化幹細胞を速やかに活性化させることができる。
一例として示す第1扁平培養容器の斜視図。 第1の方向へ傾斜させた第1扁平培養容器の側面図。 第2の方向へ傾斜させた第1扁平培養容器の側面図。 休眠幹細胞の平面形状の一例を示す部分拡大図。 休眠幹細胞の平面形状の他の一例を示す部分拡大図。 休眠幹細胞の平面形状の他の一例を示す部分拡大図。 一例として示す細胞収容容器の斜視図。 一例として示す保温運搬容器の斜視図。 一例として示す第2扁平培養容器の斜視図。 第1の方向へ傾斜させた第2扁平培養容器の側面図。 第2の方向へ傾斜させた第2扁平培養容器の側面図。 活性化幹細胞の平面形状の一例を示す部分拡大図。 活性化幹細胞の平面形状の他の一例を示す部分拡大図。 活性化幹細胞の平面形状の他の一例を示す部分拡大図。 幹細胞第1定着工程において使用するガラス試験管の斜視図。 遠心分離後のガラス試験管の斜視図。
一例として示す第1扁平培養容器10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる単一種(特定種類)の活性化幹細胞の幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、第1の方向へ傾斜させた第1扁平培養容器10の側面図であり、図3は、第2の方向へ傾斜させた第1扁平培養容器10の側面図である。図4は、休眠幹細胞11aの平面形状の一例を示す部分拡大図であり、図5は、休眠幹細胞11aの平面形状の他の一例を示す部分拡大図である。図6は、休眠幹細胞11aの平面形状の他の一例を示す部分拡大図であり、図7は、一例として示す細胞収容容器12の斜視図である。図8は、一例として示す保温運搬容器13の斜視図である。図2,3では、第1扁平培養容器10を断面で示す。図4~図6は、電子顕微鏡によって撮影された休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像を示す。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、細胞収容容器12と保温運搬容器13とを利用し、運送車両や航空機、列車、船舶等の所定の運搬(輸送)手段(図示せず)によって活性化幹細胞11b(間葉系活性化幹細胞)を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)する。運搬される活性化幹細胞11b(間葉系活性化幹細胞)は、所定のドナーから採取した骨髄液43を培養することから作られた不要かつ雑多な間葉系幹細胞を含まないピュア(純粋)な単一種の幹細胞11(間葉系活性化幹細胞)を所定期間保存した後の休眠状態にある休眠幹細胞11aを活性化させたものである。
活性化幹細胞11bは、休眠幹細胞11aの保存前の休眠幹細胞11aの元となる幹細胞11の培養過程において生成された培養生成液14を利用し、休眠状態にある休眠幹細胞11aに休眠幹細胞定着工程と休眠幹細胞培養工程とを実施することから作られる。又、活性化幹細胞11bは、休眠幹細胞11aの保存前の休眠幹細胞11aの元となる幹細胞11の培養過程において生成された培養生成液14を利用し、休眠状態にある休眠幹細胞11aに休眠幹細胞定着工程と休眠幹細胞培養工程とを実施するとともに、活性化幹細胞に活性化幹細胞定着工程と活性化幹細胞培養工程とを実施することから作られる。なお、保存する前の幹細胞11と保存された後の休眠幹細胞11aとは、同一の幹細胞である。
培養生成液14は、単一種の幹細胞11の培養過程においてその単一種の幹細胞11から分泌された所定の代謝物質を含んでいる。単一種の幹細胞11から分泌された所定の代謝物質が含まれる培養生成液14を利用することで、その幹細胞11自体の代謝物質がトリガーとなり、休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bが速やかに活性を開始するとともに、速やかに増殖を開始する。従って、休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bの定着が促進されるとともに、休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bの増殖が促進され、その培養生成液14を利用して休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bを速やかに定着させることができ、その培養生成液14を利用して休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bを速やかに活性化させることができるとともに、休眠幹細胞11aを十分な活性を有する活性化幹細胞11bに変質させることができ、活性化幹細胞11bを一層活性化した活性化幹細胞11bに変質させることができる。
細胞収容容器12は、無色透明又は有色透明な合成樹脂(プラスチック)又はガラスから作られて円筒状(角筒状であってもよい)に成形され、その内部が外側から視認可能である。細胞収容容器12は、平面形状が円形の底壁15と、底壁15の周縁から上方へ延びる周壁16と、頂部開口17を開閉する開閉蓋18とから形成され、底壁15及び周壁16に囲繞された所定容積の収容スペース19を有する。開閉蓋18は、それによって頂部開口17を塞いだときに頂部開口17を気密に閉塞(密閉)する。細胞収容容器12の収容スペース19には、単一種(特定種類)の活性化幹細胞11b(幹細胞11)が収容される。
細胞収容容器12の収容スペース19は、細胞収容容器12の頂部開口17から底壁15に向かって上下方向へ三分され、上部収容スペース19aと中間収容スペース19bと下部収容スペース19cとに区分されている。細胞収容容器12の上部収容スペース19aは、収容スペース19の19~21%を占め、細胞収容容器12の中間収容スペース19bは、収容スペース19の41~45%を占めている。細胞収容容器12の下部収容スペース19cは、収容スペース19の36~38%を占めている。
保温運搬容器13は、ステンレスやアルミ合金等の金属から作られて円筒状に成形されている。保温運搬容器13は、平面形状が円形の底壁20と、底壁20の周縁から上方へ延びる周壁21と、頂部開口22を開閉する密閉蓋23(冷却蓋)とから形成され、底壁20及び周壁21に囲繞された所定容積の容器収容スペース24を有する。保温運搬容器13は、その容器収容スペース24に複数個の細胞収容容器12が収容され、容器収容スペース24を所定の低温に保持する。密閉蓋23は、それによって頂部開口22を塞いだときに頂部開口22を気密に閉塞(密閉)する。
保温運搬容器13の底壁20と周壁21とは、内側壁と外側壁とを備えた2重構造であり、内側壁と外側壁との間に真空断熱層25が形成されている。保温運搬容器13の密閉蓋23の中央には、容器収容スペース24を冷却する保冷剤26を収容する保冷剤収容スペース27が形成されている。密閉蓋23の頂面には、保冷剤収容スペース27を開閉可能な旋回蓋28が取り付けられている。旋回蓋28を旋回させて保冷剤収容スペース27を開放し、保冷剤収容スペース27に保冷剤26を収容した後、旋回蓋28を旋回させて保冷剤収容スペース27を閉鎖(密閉)する。保温運搬容器13では、保冷剤26によって容器収容スペース24の温度が2~4℃の範囲に保持される。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、休眠幹細胞11aを活性化させて活性化幹細胞11bを作る幹細胞活性化手段(休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程、又は、休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程と活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程)が実施される。幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)の一例では、休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程(幹細胞活性化手段)が実施された後、第1収容工程や無菌空気溶存工程、細胞休眠工程、第2収容工程、細胞運搬工程、温度戻し工程が実施される。
尚、所定のドナーから採取した骨髄液43を培養することから作られた単一種(特定種類)の幹細胞11(間葉系活性化幹細胞)を直ちに目的地点に運送(輸送)する場合、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程、活性化幹細胞定着工程、活性化幹細胞培養工程(幹細胞活性化手段)を実施することなく、第1収容工程や無菌空気溶存工程、細胞休眠工程、第2収容工程、細胞運搬工程、温度戻し工程を実施する。
骨髄液43を培養することから作られた単一種(特定種類)の幹細胞11(間葉系活性化幹細胞)は、ガラスや合成樹脂から作られた幹細胞収容アンプル(幹細胞収容容器)(図示せず)に収容された状態で冷蔵庫又は冷凍庫において所定期間、所定温度(2~4℃又は冷凍)で保存されている。休眠幹細胞11aや活性化幹細胞11bの元となる幹細胞11の培養過程において生成された培養生成液14は、ガラスや合成樹脂から作られた生成液収容アンプル(生成液収容容器)(図示せず)に収容された状態で冷蔵庫又は冷凍庫において所定期間、所定温度(2~4℃)で保存されている。
幹細胞収容アンプルや生成液収容アンプルを冷蔵庫又は冷凍庫から取り出し、幹細胞収容アンプルや生成液収容アンプルを恒温槽(図示せず)に収容し、幹細胞収容アンプルに収容された休眠幹細胞11aや生成液収容アンプルに収容された培養生成液14を室温に戻す。又は、幹細胞収容アンプルや生成液収容アンプルを冷蔵庫又は冷凍庫から取り出し、幹細胞収容アンプルや生成液収容アンプルを室内に所定時間静的に放置し、幹細胞収容アンプルに収容された休眠幹細胞11aや生成液収容アンプルに収容された培養生成液14を室温に戻す。
次に、第1扁平培養容器10(第1培養容器)を用意し、室温に戻した休眠幹細胞11aを注射器又はピペットを利用して幹細胞収容アンプルから第1扁平培養容器10に注入(収容)し、注射器又はピペットを利用して培養液29を第1扁平培養容器10に注入(収容)するとともに、室温に戻した培養生成液14を注射器又はピペットを利用して生成液収容アンプルから第1扁平培養容器10に注入(収容)する。第1扁平培養容器10に注入する培養生成液14の注入割合は、第1扁平培養容器10に注入する培養液29の総注入量を100%としたときに5~15%、好ましくは、8~12%、より好ましくは、10%である。
第1扁平培養容器10(第1培養容器)は、図1に示すように、透明なガラス又は透明なプラスチックから作られ、小容量かつ所定面積の底面30を有する平面形状が略正四角形の扁平な容器である。第1扁平培養容器10として小容量かつ所定面積の底面30を有する平面形状が円形や楕円形の扁平な容器を使用することもできる。休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程で使用される第1扁平培養容器10は、その容量が約20~30cc(好ましくは、25cc)であり、その底面面積が約25~36mmである。第1扁平培養容器10は、その一辺の長さが5~6mmである。
培養液29には、ペニシリン(約100U/ml)、アムホテリシン(約100ng/ml)、ストレプトマイシン(約100mkg/ml)、L-グルタミン(約2~4ml)、20%ウシ胎児血清を添加したミネラル塩溶液及びアミノ酸が含まれる。尚、培養液には、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM)、Grasgow Minimum Essential Medium(GMEM)、RPMI640等を使用することもできる。培養液には、インスリン、トランスフェリン、エタノールアミン、セレニウム、2-メルカプトエタノール、L―アラニル-L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、L-アラニン、L-アスパラギン、L-アスパラチン酸、グリシン、L-プロリン、L-セリン等を添加することもできる。
休眠幹細胞定着工程では、休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14を第1扁平培養容器10に注入した後、その第1扁平培養容器10を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向へ傾斜させた状態で第1扁平培養容器10を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、12~24時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)する。その後、第1扁平培養容器10を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第1扁平培養容器10を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、12~24時間静的に放置しつつ、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第1扁平培養容器10内の休眠幹細胞11aの初期平面形状からの変形を電子顕微鏡で観察し、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30に定着したか否かを判断する。
具体的には、休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14を第1扁平培養容器10に注入した後、その第1扁平培養容器10を電子顕微鏡(図示せず)の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第1扁平培養容器10の底部33との間にスペーサー34を介在させ、第1扁平培養容器10の底部33をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第1扁平培養容器10の底部33が上となり第1扁平培養容器10の頂部35(注入口)が下となるように、第1扁平培養容器10を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
次に、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第1扁平培養容器10の頂部35との間にスペーサー34を介在させ、第1扁平培養容器10の頂部35をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第1扁平培養容器10の頂部35(注入口)が上となり第1扁平培養容器10の底部33が下となるように、第1扁平培養容器10を第1の方向と逆方向の第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
第1扁平培養容器10に収容された休眠幹細胞11aは、時間の経過とともに第1扁平培養容器10の底面30に定着しつつ、培養液29と培養生成液14との混合培養液によって培養され、第1扁平培養容器10の底面30において次第に増殖(分化)してコロニーを形成する。休眠幹細胞定着工程において、試料ホルダ31の上面32に対して第1扁平培養容器10を第1の方向及び第2の方向へ前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第1扁平培養容器10内において休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14が第1扁平培養容器10の頂部35の側又は底部33の側に偏り、第1扁平培養容器10の頂部35の側又は底部33の側において休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14の水圧が大きくなって休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の頂部35の側又は底部33の側に集中し、それによって休眠幹細胞11aどうしの活性が高まり、第1扁平培養容器10の底面30において休眠幹細胞11aを容易かつ迅速に定着させることができる。
電子顕微鏡には、撮影機能(カメラ機能)が装備され、ディスプレイ36が接続されている。電子顕微鏡は、撮影機能によって第1扁平培養容器10に注入された休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像を所定の時間間隔(約1~2時間間隔)で撮影し、撮影した休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像と撮影時間とをディスプレイ36に出力(表示)する。ディスプレイ36に表示された休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、休眠幹細胞11aの平面形状の変化を観察する。尚、電子顕微鏡の観察窓から休眠幹細胞11aの平面形状の変化を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で直接観察してもよい。
休眠幹細胞11aの初期平面形状(定着前の平面形状)は略円形であり、休眠幹細胞11aの平面形状が略円形の場合、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30(底壁内面)に定着しておらず、休眠幹細胞11aが増殖(分化)を開始していない。休眠幹細胞11aの変形後の平面形状(定着後の平面形状)は定着前の略円形を核として休眠幹細胞11aが一方向(所定方向)へ不定形に伸張(拡張)した扁平形状であり、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30(底壁内面)に定着し、休眠幹細胞11aが増殖(活性化)を開始している。
休眠幹細胞定着工程における観察の結果、図4に示すように、ディスプレイ36に出力(表示)された休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像が略円形のまま観察される場合、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30(底壁内面)に定着していないと判断し、休眠幹細胞11aの平面形状の変化を約1~2時間の間隔で継続して観察する。図5に示すように、ディスプレイ36に出力(表示)された休眠幹細胞11aの平面形状が略円形から略円形を核として不定形の扁平形状に変形した場合、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30に定着したと判断する。
休眠幹細胞11aの定着時に容量が30ccを超過するとともに底面面積が36mmを超過する大きな扁平培養容器を使用すると、休眠幹細胞11aが扁平培養容器の底面に定着し難くなるとともに休眠幹細胞11aの増殖が遅くなるが、前記容量かつ前記底面面積の第1扁平培養容器10を使用することで、休眠幹細胞11aを第1扁平培養容器10の底面30に容易かつ迅速に定着させることができ、第1扁平培養容器10において休眠幹細胞11aを素早く増殖させることができる。
第1扁平培養容器10を第2の方向へ傾斜させた後、第1扁平培養容器10を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第1扁平培養容器10内の休眠幹細胞11aの初期平面形状からの変形を観察するから、休眠幹細胞11aの変形を見逃すことはなく、休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面30に対する定着を正確に確認することができる。
休眠幹細胞定着工程における観察の結果、図5に示すように、休眠幹細胞11aが略円形(初期平面形状)から略円形を核として不定形の扁平形状に変形し、休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面30への定着を確認した後、休眠幹細胞培養工程が行われる。休眠幹細胞培養工程では、休眠幹細胞11aを増殖かつ活性化させ、休眠幹細胞11aを活性化幹細胞11bに変質(改質)させる。
休眠幹細胞培養工程では、第1扁平培養容器10を電子顕微鏡の試料ホルダ31から取り外し、休眠幹細胞定着工程において第1扁平培養容器10に注入した培養液29と培養生成液14との混合培養液を注射器又はピペットを利用して第1扁平培養容器10から排出し、注射器又はピペットを利用してあらたな培養液29を第1扁平培養容器10に注入(収容)するとともに、注射器又はピペットを利用してあらたな培養生成液14(休眠幹細胞11aの元となる幹細胞11の培養過程において生成された培養生成液14)を生成液収容アンプルから第1扁平培養容器10に注入(収容)する。
あらたな培養液29やあらたな培養生成液14は、休眠幹細胞定着工程において第1扁平培養容器10に注入されたそれらと同一である。第1扁平培養容器10に注入するあらたな培養生成液14の注入割合は、第1扁平培養容器10に注入するあらたな培養液29の総注入量を100%としたときに5~15%、好ましくは、8~12%、より好ましくは、10%である。
休眠幹細胞培養工程では、あらたな培養液29やあらたな培養生成液14を第1扁平培養容器10に注入した後、その第1扁平培養容器10を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で傾斜させた状態で第1扁平培養容器10を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、第1扁平培養容器10を36~48時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)しつつ、36~48時間の間において約1~2時間の間隔で第1扁平培養容器10の底面30に定着した休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積を観察し、第1扁平培養容器10の底面面積に対する休眠幹細胞11aの総平面面積が第1目標割合に達したか否かを判断する。第1扁平培養容器10の底面面積に対する休眠幹細胞11a(活性化幹細胞11b)の総平面面積の第1目標割合は、70~80%(70~80%%コンフルエント)である。
具体的には、あらたな培養液29とあらたな培養生成液14とを第1扁平培養容器10に注入した後、その第1扁平培養容器10を電子顕微鏡の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第1扁平培養容器10の底部33との間にスペーサー34を介在させ、第1扁平培養容器10の底部33をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第1扁平培養容器10の底部33が上となり第1扁平培養容器10の頂部35(注入口)が下となるように、第1扁平培養容器10を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。又は、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第1扁平培養容器10の頂部35との間にスペーサー34を介在させ、第1扁平培養容器10の頂部35をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第1扁平培養容器10の頂部35(注入口)が上となり第1扁平培養容器10の底部33が下となるように、第1扁平培養容器10を第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。
休眠幹細胞培養工程では、休眠幹細胞11aの定着を確認した後、第1扁平培養容器10(第1培養容器)から培養液29と培養生成液14との混合培養液を排出しつつ、あらたな培養液29と幹細胞11から分泌された所定の代謝物質が含まれるあらたな培養生成液14とを第1扁平培養容器10に注入することで、その幹細胞11自体の代謝物質がトリガーとなり、休眠幹細胞11aが速やかに活性を開始し、休眠幹細胞11aの増殖を確実に促進することができる。
休眠幹細胞培養工程において、試料ホルダ31の上面32に対して第1扁平培養容器10を前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第1扁平培養容器10内において休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14が第1扁平培培養容器10の頂部35の側又は底部33の側に偏り、第1扁平培養容器10の頂部35の側又は底部33の側において休眠幹細胞11aや培養液29、培養生成液14の水圧が大きくなって休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底部33の側又は頂部35の側に集中し、それによって休眠幹細胞11aどうしの活性が高まり、第1扁平培養容器10の底面30において休眠幹細胞11aを容易かつ迅速に増殖(分化)させることができ、休眠幹細胞11aを速やかに活性化幹細胞11bに変質(改質)させることができる。
電子顕微鏡は、撮影機能によって第1扁平培養容器10の底面30に定着した休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像を所定の時間間隔(約1~2時間間隔)で撮影し、撮影した休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像と撮影時間とをディスプレイ36に出力(表示)する。ディスプレイ36に表示された休眠幹細胞11aの平面形状の拡大画像を36~48時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、第1扁平培養容器10の底面30に定着した休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積を観察しつつ、休眠幹細胞11aの総平面面積が第1扁平培養容器10の底面面積に対して第1目標割合(70~80%コンフルエント)に達したか否かを判断する。尚、電子顕微鏡の観察窓から休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積を36~48時間の間において約1~2時間間隔で直接観察し、休眠幹細胞11aの総平面面積が第1扁平培養容器10の底面面積に対して第1目標割合(70~80%コンフルエント)に達したか否かを判断してもよい。
休眠幹細胞培養工程における観察の結果、図5に示すように、ディスプレイ36に表示された休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積が第1目標割合(70~80%コンフルエント)に達していない場合、休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積を約1~2時間間隔で継続して観察する。尚、ディスプレイ36に表示された拡大画像の全面積に対して休眠幹細胞11aの総平面面積が第1目標割合に達した場合に、休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積が第1目標割合に達したものとする。
休眠幹細胞培養工程における観察の結果、休眠幹細胞11aが第1扁平培養容器10の底面30(底壁内面)において増殖して休眠幹細胞11aがコロニーを形成し、休眠幹細胞11aの平面形状が拡張することで、図6に示すように、ディスプレイ36に表示された休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積が第1目標割合(70~80%コンフルエント)に達した場合、休眠幹細胞11aが十分に増殖かつ活性化し、休眠幹細胞11aが活性化幹細胞11bに変質(改質)している。休眠幹細胞11aの第1扁平培養容器10の底面面積に対する総平面面積が第1目標割合に達した時点で、第1扁平培養容器10から活性化幹細胞11bを抽出する。
第1扁平培養容器10に注入されている混合培養液を注射器又はピペットを利用して第1扁平培養容器10から排出し、第1扁平培養容器10内をPBSで洗浄した後、トリプシン液を第1扁平培養容器10に注入する。第1扁平培養容器10にトリプシン液を注入すると、第1扁平培養容器10の底面30に定着(増殖)した活性化幹細胞11bがトリプシン液によって底面30から剥離し、トリプシン液の水面に浮上する。ピペットを利用して活性化幹細胞11bを吸引し、活性化幹細胞11bをピペット内に収容する。
休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程を実施した後、無菌空気溶存工程及び第1収容工程を実施する。無菌空気溶存工程では、細胞収容容器12の中間収容スペース19bに収容する培養液29に無菌空気を溶存させる。その一例として噴射ノズルから無菌空気の微細な気泡を培養液29中に噴射し、培養液29中に無菌空気(無菌空気の微細な気泡)を溶存させる。尚、幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、無菌空気溶存工程を省略することができ、その場合、休眠幹細胞培養工程の後に第1収容工程が実施される。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、無菌空気溶存工程によって培養液29に無菌空気を溶存させ、無菌空気を溶存させた培養液29に休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11bを浸漬させた状態で運搬(輸送)するから、培養液29中において活性化幹細胞11bの生存が確実に維持され、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11bを出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができ、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、その活性化幹細胞11bを生存させることができる(その活性化幹細胞11bを生存させまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる)。
休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程によって休眠幹細胞11aを活性化させた活性化幹細胞11bは、ピペットから細胞収容容器12に収容される。第1収容工程では、開閉蓋18を細胞収容容器12の頂部開口17から取り外し、細胞収容容器12の頂部開口17を開放し、活性化幹細胞11bをピペットから細胞収容容器12の下部収容スペース19cに収容する。次に、無菌空気を溶存させた培養液29を細胞収容容器12の中間収容スペース19bに収容するとともに、無菌空気の微細な気泡を噴射ノズルから細胞収容容器12に噴射し、無菌空気を細胞収容容器12の上部収容スペース19aに収容する。活性化幹細胞11b、無菌空気を溶存させた培養液29、無菌空気を細胞収容容器12の収容スペース19に収容した後、開閉蓋18によって細胞収容容器12の頂部開口17を気密に閉塞(密閉)する。
細胞収容容器12の収容スペース19(上部収容スペース19a)に対する無菌空気の収容割合は、19~21%の範囲にあり、細胞収容容器12の収容スペース19(中間収容スペース19b)に対する無菌空気を溶存させた培養液29の収容割合は、41~45%の範囲にある。細胞収容容器12の収容スペース19(下部収容スペース19c)に対する活性化幹細胞11aの収容割合は、36~38%の範囲にある。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、無菌空気の収容スペース19に対する収容割合が前記範囲にあり、無菌空気を溶存させた培養液29の収容スペース19に対する収容割合が前記範囲にあるから、細胞収容容器12の収容スペース19において無菌空気が充満し、休眠幹細胞11aを培養した幹細胞11(活性化幹細胞11b)の生存が無菌空気の雰囲気によって確実に維持され、幹細胞11を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、幹細胞11の生存率を高い値に保持することができ、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、その活性化幹細胞11bを生存させることができる(その活性化幹細胞11bを生存させまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる)。
第1収容工程を実施した後、細胞休眠工程及び第2収容工程を実施する。細胞休眠工程では、活性化幹細胞11b、無菌空気を溶存させた培養液29、無菌空気を収容したそれら細胞収容容器12を冷蔵庫(図示せず)又は冷凍庫(図示せず)に収納し、それら細胞収容容器12を所定温度(2~4℃)に冷却し、細胞収容容器12の下部収容スペース19cに収容された活性化幹細胞11bを休眠状態にする。尚、幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、細胞休眠工程を省略することができ、その場合、第1収容工程の後に第2収容工程が実施される。
第2収容工程では、保温運搬容器13から密閉蓋23(冷却蓋)を取り外し、保温運搬容器13の頂部開口22を開放するとともに、旋回蓋28を旋回させて保冷剤収容スペース27を開放し、密閉蓋23の保冷剤収容スペース27に保冷剤26を収容した後、旋回蓋28を旋回させて保冷剤収容スペース27を閉鎖する。次に、冷蔵庫又は冷凍庫からそれら細胞収容容器12を取り出し、細胞休眠工程によって休眠状態にした活性化幹細胞11b、無菌空気を溶存させた培養液29、無菌空気を収容した細胞収容容器12の複数個(細胞休眠工程を実施しない場合、第1収容工程によって幹細胞11と培養液29と無菌空気とを収容した細胞収容容器12の複数個)を保温運搬容器13の容器収容スペース24に収容し、密閉蓋23によって保温運搬容器13の頂部開口22を気密に閉塞(密閉)する。
保温運搬容器13の容器収容スペース24(細胞収容容器12)は、密閉蓋23の保冷剤収容スペース27に収容された保冷剤26によって所定温度(2~4℃)に保持され、細胞収容容器12の下部収容スペース19cに収容された活性化幹細胞11bの休眠状態が維持される。尚、図8では、10個の細胞収容容器12を保温運搬容器13の容器収容スペース24に収容しているが、保温運搬容器13の容器収容スペース24に収容する細胞収容容器12の個数について特に制限はない。
第2収容工程によって複数個の細胞収容容器12を保温運搬容器13の容器収容スペース24に収容した後、細胞運搬工程を実施する。細胞運搬工程では、それら細胞収容容器12を密閉蓋23の保冷剤収容スペース27に収容された保冷剤26によって所定温度に冷却しつつ、複数個の細胞収容容器12を収容した保温運搬容器13を運送車両や航空機、列車、船舶等の所定の輸送手段によって出発地点(幹細胞11の製造場所)から目的地点(活性化幹細胞11bの使用場所)まで運搬(輸送)する。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)と無菌空気を溶存させた培養液29と無菌空気とを収容した細胞収容容器12を所定の温度に冷却して活性化幹細胞11bを休眠状態にするとともに、細胞運搬工程において細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11bを所定温度に冷却した状態で運搬(輸送)することで、活性化幹細胞11bの休眠状態を維持することができ、活性化幹細胞11bの寿命をゆっくりと進めることができ、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができるとともに、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、活性化幹細胞11bを確実に生存させることができる(その活性化幹細胞11bを生存させまま出発地点から目的地点まで運ぶことができる)。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)における休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の出発地点から目的地点までの運搬時間は、24~48時間であり、出発地点からの運搬時間が36時間経過後における休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率は、87~89%の範囲にある。又、出発地点からの運搬時間が48時間経過後における休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率は、74~76%の範囲にある。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、運搬時間が36時間経過後における休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率が前記範囲にあり、運搬時間が48時間経過後における休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率が前記範囲にあるから、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11bを出発地点から目的地点まで36時間から48時間をかけて運搬(輸送)したとしても、その活性化幹細胞11bを生存させることができ(その活性化幹細胞11bを生存させまま輸送することができ)、活性化幹細胞11bの運搬(輸送)に36時間から48時間を要したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができる。
保温運搬容器13を目的地点(活性化幹細胞の使用場所)まで運搬(輸送)した後、温度戻し工程を実施する。温度戻し工程では、細胞運搬工程によって目的地点に運搬された保温運搬容器13の密閉蓋23の保冷剤収容スペース27から保冷剤26を取り外し、保温運搬容器13(密閉蓋23を装着した状態又は密閉蓋23を取り外した状態)を所定時間静的に放置し、保温運搬容器13に収容された複数個の細胞収容容器12を所定時間静的に放置して細胞収容容器12を室温に戻す。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、保温運搬容器13の密閉蓋23を取り外して保温運搬容器13の頂部開口22を開放し、保温運搬容器13の容器収容スペース24から細胞収容容器12を取り出し、細胞収容容器12に収容された休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)の治療や再生医療、非治療的用途に利用する。尚、幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、温度戻し工程を省くことができ、その場合、細胞収容容器13に収容された休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)が各種の疾患の治療や再生医療、非治療的用途に利用される。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、所定温度(2~4℃)に冷却された細胞収容容器12を所定時間静的に放置して細胞収容容器12を室温に戻すことで、細胞収容容器12に収容された休眠状態の活性化幹細胞11b(休眠幹細胞11aを培養した休眠状態の活性化幹細胞11b)を死滅させることなく休眠状態から活動状態に戻すことができ、活動状態に戻した活性化幹細胞11b(休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、活動状態に戻した活性化幹細胞11bを利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)を細胞収容容器12の下部収容スペース19cに収容し、無菌空気を溶存させた培養液29を細胞収容容器12の中間収容スペース19bに収容するとともに、無菌空気を細胞収容容器12の上部収容スペース19aに収容し、開閉蓋17によって細胞収容容器12の頂部開口17を気密に閉塞するとともに、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)と培養液29と無菌空気とを収容した細胞収容容器12の複数個を保温運搬容器12の容器収容スペース24に収容しつつ、保冷剤収容スペース27に保冷剤26を収容した密閉蓋23によって保温運搬容器13の頂部開口22を気密に閉塞し、容器収容スペース24に収容された複数個の細胞収容容器12を保冷剤収容スペース27に収容された保冷剤26によって所定温度に冷却しつつ、複数個の細胞収容容器12を収容した保温運搬容器13を所定の輸送手段によって出発地点から目的地点まで運搬するから、細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11b(幹細胞11)が所定温度(2~4℃)に冷却され、活性化幹細胞11b(休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b)の休眠状態を確実に維持することができる。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)の寿命がゆっくりと進み、不要かつ雑多な幹細胞を含まないピュア(純粋)な単一種の幹細胞11(間葉系活性化幹細胞)を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)を生存させたまま目的地点に運ぶことができ、活性化幹細胞11bの運搬(輸送)に長時間を要したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができる。幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b(幹細胞11)を生存させたまま目的地点に運ぶことができるから、生存する活性化幹細胞11b(休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11b)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、生存する活性化幹細胞11bを利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
図9は、一例として示す第2扁平培養容器37の斜視図であり、図10は、第1の方向へ傾斜させた第2扁平培養容器37の側面図である。図11は、第2の方向へ傾斜させた第2扁平培養容器37の側面図であり、図12は、活性化幹細胞11bの平面形状の一例を示す部分拡大図である。図13は、活性化幹細胞11bの平面形状の他の一例を示す部分拡大図であり、図14は、活性化幹細胞11bの平面形状の他の一例を示す部分拡大図である。図10,11では、第2扁平培養容器37を断面で示す。図12~図14は、電子顕微鏡によって撮影された活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像を示す。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)の他の一例では、休眠幹細胞定着工程と休眠幹細胞培養工程と活性化幹細胞定着工程と活性化幹細胞培養工程と(幹細胞活性化手段)が実施された後、第1収容工程や無菌空気溶存工程、細胞休眠工程、第2収容工程、細胞運搬工程、温度戻し工程が実施される。幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)の他の一例では、既述の休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程によって休眠幹細胞11aを定着・培養し、休眠幹細胞11aを活性化幹細胞11bに変質(改質)させた後、活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程を実施する。
活性化幹細胞定着工程では、注射器又はピペットを利用して活性化幹細胞11bを第1扁平培養容器10(第1培養容器)から第2扁平培養容器37(第2培養容器)に注入(収容)し、注射器又はピペットを利用して培養液29を第2扁平培養容器37に注入(収容)するとともに、注射器又はピペットを利用して培養生成液14を生成液収容アンプルから第2扁平培養容器37に注入(収容)する。第2扁平培養容器37に注入する培養生成液14の注入割合は、第2扁平培養容器37に注入する培養液29の総注入量を100%としたときに5~15%、好ましくは、8~12%、より好ましくは、10%である。培養液29や培養生成液14は、第1扁平培養容器10に注入したそれらと同一である。
第2扁平培養容器37(第2培養容器)は、図9に示すように、透明なガラス又は透明なプラスチックから作られ、中容量かつ所定面積の底面38を有する平面形状が略四角形の扁平な容器である。第2扁平培養容器37(第2培養容器)は、底面38の面積が第1扁平培養容器10(第1培養容器)の約2倍であり、その容量が第1扁平培養容器10(第1培養容器)のそれよりも大きい。第2扁平培養容器37として中容量かつ所定面積の底面38を有する平面形状が円形や楕円形の扁平な容器を使用することもできる。活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程で使用される第2扁平培養容器37は、その容量が約40~60cc(好ましくは、50cc)であり、その底面面積が約50~72mmである。第2扁平培養容器37は、その一辺の長さが約7~8.5mmである。
活性化幹細胞定着工程では、活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14を第2扁平培養容器37に注入した後、図10に示すように、その第2扁平培養容器37を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向へ傾斜させた状態で第2扁平培養容器37を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、12~24時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)する。その後、図11に示すように、第2扁平培養容器37を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第2扁平培養容器37を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、12~24時間静的に放置しつつ、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第2扁平培養容器37内の活性化幹細胞11bの初期平面形状からの変形を電子顕微鏡で観察し、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38に定着したか否かを判断する。
具体的には、活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14を第2扁平培養容器37に注入した後、その第2扁平培養容器37を電子顕微鏡(図示せず)の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第2扁平培養容器37の底部39との間にスペーサー34を介在させ、第2扁平培養容器37の底部39をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第2扁平培養容器37の底部39が上となり第2扁平培養容器37の頂部40(注入口)が下となるように、第2扁平培養容器37を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
次に、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第2扁平培養容器37の頂部40との間にスペーサー34を介在させ、第2扁平培養容器37の頂部40をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第2扁平培養容器37の頂部40(注入口)が上となり第2扁平培養容器37の底部39が下となるように、第2扁平培養容器37を第1の方向と逆方向の第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
第2扁平培養容器37に収容された活性化幹細胞11bは、時間の経過とともに第2扁平培養容器37の底面38に定着しつつ、培養液29と培養生成液14との混合培養液によって培養され、第2扁平培養容器37の底面38において次第に増殖(分化)してコロニーを形成する。活性化幹細胞定着工程において、試料ホルダ31の上面32に対して第2扁平培養容器37を第1の方向及び第2の方向へ前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第2扁平培養容器37内において活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14が第2扁平培養容器37の頂部40の側又は底部39の側に偏り、第2扁平培養容器37の頂部40の側又は底部37の側において活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14の水圧が大きくなって活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の頂部40の側又は底部39の側に集中し、それによって活性化幹細胞11bどうしの活性が高まり、第2扁平培養容器37の底面38において活性化幹細胞11bを容易かつ迅速に定着させることができる。
電子顕微鏡は、撮影機能によって第2扁平培養容器37に注入された活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像を所定の時間間隔(約1~2時間間隔)で撮影し、撮影した活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像と撮影時間とをディスプレイ36に出力(表示)する。ディスプレイ36に表示された活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、活性化幹細胞11bの平面形状の変化を観察する。尚、電子顕微鏡の観察窓から活性化幹細胞11bの平面形状の変化を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で直接観察してもよい。
活性化幹細胞11bの初期平面形状(定着前の平面形状)は略円形であり、活性化幹細胞11bの平面形状が略円形の場合、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38(底壁内面)に定着しておらず、活性化幹細胞11bが増殖(分化)を開始していない。活性化幹細胞11bの変形後の平面形状(定着後の平面形状)は定着前の略円形を核として活性化幹細胞11bが一方向(所定方向)へ不定形に伸張(拡張)した扁平形状であり、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38(底壁内面)に定着し、活性化幹細胞11bが増殖(活性化)を開始している。
活性化幹細胞定着工程における観察の結果、図12に示すように、ディスプレイ36に出力(表示)された活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像が略円形のまま観察される場合、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38(底壁内面)に定着していないと判断し、活性化幹細胞11bの平面形状の変化を約1~2時間の間隔で継続して観察する。図13に示すように、ディスプレイ36に出力(表示)された活性化幹細胞11bの平面形状が略円形から略円形を核として不定形の扁平形状に変形した場合、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38に定着したと判断する。
活性化幹細胞11bの定着時に容量が60ccを超過するとともに底面面積が72mmを超過する大きな扁平培養容器を使用すると、活性化幹細胞11bが扁平培養容器の底面に定着し難くなるとともに活性化幹細胞11bの増殖が遅くなるが、前記容量かつ前記底面面積の第2扁平培養容器37を使用することで、活性化幹細胞11bを第2扁平培養容器37の底面38に容易に定着させることができ、第2扁平培養容器37において活性化幹細胞11bを素早く増殖させることができる。第2扁平培養容器37を第1の方向又は第2の方向へ傾斜させた後、第2扁平培養容器37を体温と略同一の温度で36~48時間静的に放置しつつ、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第2扁平培養容器37内の活性化幹細胞11bの初期平面形状からの変形を観察するから、活性化幹細胞11bの変形を見逃すことはなく、活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面38に対する定着を正確に確認することができる。
活性化幹細胞定着工程における観察の結果、図13に示すように、活性化幹細胞11bが略円形(初期平面形状)から略円形を核として不定形の扁平形状に変形し、活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面38への定着を確認した後、活性化幹細胞培養工程が行われる。活性化幹細胞培養工程では、活性化幹細胞11bを増殖かつ活性化させる。活性化幹細胞培養工程では、第2扁平培養容器37を電子顕微鏡の試料ホルダ31から取り外し、活性化幹細胞定着工程において第2扁平培養容器37に注入した培養液29と培養生成液14との混合培養液を注射器又はピペットを利用して第2扁平培養容器37から排出し、注射器又はピペットを利用してあらたな培養液29を第2扁平培養容器37に注入(収容)するとともに、注射器又はピペットを利用してあらたな培養生成液14(休眠幹細胞11aの保存前(休眠幹細胞11aの元となる)幹細胞11の培養過程において生成された培養生成液14)を生成液収容アンプルから第2扁平培養容器37に注入(収容)する。
あらたな培養液29やあらたな培養生成液14は、活性化幹細胞定着工程において第2扁平培養容器37に注入されたそれらと同一である。第2扁平培養容器37に注入するあらたな培養生成液14の注入割合は、第2扁平培養容器37に注入するあらたな培養液29の総注入量を100%としたときに5~15%、好ましくは、8~12%、より好ましくは、10%である。
活性化幹細胞培養工程では、あらたな培養液29やあらたな培養生成液14を第2扁平培養容器37に注入した後、その第2扁平培養容器37を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で傾斜させた状態で第2扁平培養容器37を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、第2扁平培養容器37を36~48時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)しつつ、36~48時間の間において約1~2時間の間隔で第2扁平培養容器37の底面38に定着した活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積を観察し、第2扁平培養容器37の底面面積に対する活性化幹細胞11bの総平面面積が第2目標割合に達したか否かを判断する。第2扁平培養容器37の底面面積に対する活性化幹細胞11bの総平面面積の第2目標割合は、88~92%(88~92%コンフルエント)である。
具体的には、あらたな培養液29とあらたな培養生成液14とを第2扁平培養容器37に注入した後、その第2扁平培養容器37を電子顕微鏡の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第2扁平培養容器37の底部39との間にスペーサー34を介在させ、第2扁平培養容器37の底部39をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第2扁平培養容器37の底部39が上となり第2扁平培養容器37の頂部40(注入口)が下となるように、第2扁平培養容器37を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。又は、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第2扁平培養容器37の頂部40との間にスペーサー34を介在させ、第2扁平培養容器37の頂部40をスペーサー34によって持ち上げた状態に保持し、第2扁平培養容器37の頂部40(注入口)が上となり第2扁平培養容器37の底部39が下となるように、第2扁平培養容器37を第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。
活性化幹細胞培養工程では、活性化幹細胞11bの定着を確認した後、第2扁平培養容器37(第2培養容器)から培養液29と培養生成液14との混合培養液を排出しつつ、あらたな培養液29と幹細胞11から分泌された所定の代謝物質が含まれるあらたな培養生成液14とを第2扁平培養容器37に注入することで、その幹細胞11自体の代謝物質がトリガーとなり、活性化幹細胞11bが速やかに活性を開始し、活性化幹細胞11bの増殖を確実に促進することができる。
活性化幹細胞培養工程において、試料ホルダ31の上面32に対して第2扁平培養容器37を前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第2扁平培養容器37内において活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14が第2扁平培養容器37の頂部40の側又は底部39の側に偏り、第2扁平培養容器37の頂部40の側又は底部39の側において活性化幹細胞11bや培養液29、培養生成液14の水圧が大きくなって活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底部39の側又は頂部40の側に集中し、それによって活性化幹細胞11bどうしの活性が高まり、第2扁平培養容器37の底面38において活性化幹細胞11bを容易かつ迅速に増殖(分化)させることができ、活性化幹細胞11bの一層の活性化を確実に促進させることができる。
電子顕微鏡は、撮影機能によって第2扁平培養容器37の底面38に定着した活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像を所定の時間間隔(約1~2時間間隔)で撮影し、撮影した活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像と撮影時間とをディスプレイ36に出力(表示)する。ディスプレイ36に表示された活性化幹細胞11bの平面形状の拡大画像を36~48時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、第2扁平培養容器37の底面38に定着した活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積を観察しつつ、活性化幹細胞11bの総平面面積が第2扁平培養容器37の底面面積に対して第2目標割合(88~92%コンフルエント)に達したか否かを判断する。尚、電子顕微鏡の観察窓から活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積を36~48時間の間において約1~2時間間隔で直接観察し、活性化幹細胞11bの総平面面積が第2扁平培養容器37の底面面積に対して第2目標割合(88~92%コンフルエント)に達したか否かを判断してもよい。
活性化幹細胞培養工程における観察の結果、図13に示すように、ディスプレイ36に表示された活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積が第2目標割合(88~92%コンフルエント)に達していない場合、活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積を約1~2時間間隔で継続して観察する。尚、ディスプレイ36に表示された拡大画像の全面積に対して活性化幹細胞11bの総平面面積が第2目標割合に達した場合に、活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積が第2目標割合に達したものとする。
活性化幹細胞培養工程における観察の結果、活性化幹細胞11bが第2扁平培養容器37の底面38(底壁内面)において増殖して活性化幹細胞11bがコロニーを形成し、活性化幹細胞11bの平面形状が拡張することで、図14に示すように、ディスプレイ36に表示された活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積が第2目標割合(88~92%コンフルエント)に達した場合、活性化幹細胞11bが十分に増殖かつ活性化し、活性化幹細胞11bが一層活性化している。活性化幹細胞11bの第2扁平培養容器37の底面面積に対する総平面面積が第2目標割合に達した時点で、第2扁平培養容器37から活性化幹細胞11bを抽出する。
第2扁平培養容器37に注入されている混合培養液を注射器又はピペットを利用して第2扁平培養容器37から排出し、第2扁平培養容器37内をPBSで洗浄した後、トリプシン液を第2扁平培養容器37に注入する。第2扁平培養容器37にトリプシン液を注入すると、第2扁平培養容器37の底面38に定着(増殖)した活性化幹細胞11bがトリプシン液によって底面38から剥離し、トリプシン液の水面に浮上する。ピペットを利用して活性化幹細胞11bを吸引し、活性化幹細胞11bをピペット内に収容する。
活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程を実施した後、無菌空気溶存工程及び第1収容工程を実施する。活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程を実施した後に実施する無菌空気溶存工程は、休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程を実施した後に実施する無菌空気溶存工程と同一である。尚、幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、無菌空気溶存工程を省略することができ、その場合、活性化幹細胞培養工程の後に第1収容工程が実施される。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、無菌空気溶存工程によって培養液29に無菌空気を溶存させ、無菌空気を溶存させた培養液29に活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11bを浸漬させた状態で運搬(輸送)するから、培養液29中において活性化幹細胞11bの生存が確実に維持され、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11bを出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができ、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、その活性化幹細胞11bを生存させることができる(その活性化幹細胞11bを生存させまま輸送することができる)。
活性化幹細胞定着工程及び活性化幹細胞培養工程を実施した後に実施する第1収容工程は、休眠幹細胞定着工程及び休眠幹細胞培養工程を実施した後に実施する第1収容工程と同一である。細胞収容容器12の収容スペース19(上部収容スペース19a)に対する無菌空気の収容割合は、19~21%の範囲にあり、細胞収容容器12の収容スペース19(中間収容スペース19b)に対する無菌空気を溶存させた培養液29の収容割合は、41~45%の範囲にある。細胞収容容器12の収容スペース19(下部収容スペース19c)に対する活性化幹細胞11bの収容割合は、36~38%の範囲にある。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、無菌空気の収容スペース19に対する収容割合が前記範囲にあり、無菌空気を溶存させた培養液29の収容スペース19に対する収容割合が前記範囲にあるから、細胞収容容器12の収容スペース19において無菌空気が充満し、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11bの生存が無菌空気の雰囲気によって確実に維持され、活性化幹細胞11bを出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができ、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、活性化幹細胞11bを生存させることができる(活性化幹細胞11bの生存させたまま目的地点に運ぶことができる)。
第1収容工程を実施した後、細胞休眠工程及び第2収容工程を実施する。細胞休眠工程は、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程、無菌空気溶存工程、第1収容工程を実施した後に実施する細胞休眠工程と同一である。第2収容工程は、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程、無菌空気溶存工程、第1収容工程を実施した後に実施する第2収容工程と同一である。第2収容工程を実施した後、細胞運搬工程を実施する。細胞運搬工程は、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程、無菌空気溶存工程、第1収容工程、細胞休眠工程、第2収容工程を実施した後に実施する細胞運搬工程と同一である。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)と無菌空気を溶存させた培養液29と無菌空気とを収容した細胞収容容器12を所定の温度に冷却して活性化幹細胞11bを休眠状態にするとともに、細胞運搬工程において細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11bを所定温度に冷却した状態で運搬(輸送)することで、活性化幹細胞11bの休眠状態を維持することができ、活性化幹細胞11bの寿命をゆっくりと進めることができ、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができるとともに、活性化幹細胞11bの運搬に長時間を要したとしても、活性化幹細胞11bを生存させることができる(活性化幹細胞11bを生存させまま目的地点に運ぶことができる)。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)における活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の出発地点から目的地点までの運搬時間は、24~48時間であり、出発地点からの運搬時間が36時間経過後における活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率は、87~89%の範囲にある。又、出発地点からの運搬時間が48時間経過後における活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率は、74~76%の範囲にある。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、運搬時間が36時間経過後における活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率が前記範囲にあり、運搬時間が48時間経過後における活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の生存率が前記範囲にあるから、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11bを出発地点から目的地点まで36時間から48時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができ、活性化幹細胞11bの運搬(輸送)に36時間から48時間を要したとしても、その活性化幹細胞11bを生存させることができる(その活性化幹細胞11bを生存させまま運ぶことができる)。
保温運搬容器を目的地点(活性化幹細胞の使用場所)まで運搬(輸送)した後(細胞運搬工程を実施した後)、温度戻し工程を実施する。温度戻し工程は、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程、無菌空気溶存工程、第1収容工程、細胞休眠工程、第2収容工程、細胞運搬工程を実施した後に実施する温度戻し工程と同一である。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、保温運搬容器13の密閉蓋23を取り外して保温運搬容器13の頂部開口22を開放し、保温運搬容器13の容器収容スペース24から細胞収容容器12を取り出し、細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)の治療や再生医療、非治療的用途に利用する。尚、幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)では、温度戻し工程を省くことができ、その場合、細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)が各種の疾患の治療や再生医療、非治療的用途に利用される。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、所定温度(2~4℃)に冷却された細胞収容容器12を所定時間静的に放置して細胞収容容器12を室温に戻すことで、細胞収容容器12に収容された休眠状態の活性化幹細胞11b(活性化幹細胞11bを一層活性化させた休眠状態の活性化幹細胞11b)を死滅させることなく休眠状態から活動状態に戻すことができ、活動状態に戻した活性化幹細胞11b(活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、活動状態に戻した活性化幹細胞11bを利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)を細胞収容容器12の下部収容スペース19cに収容し、無菌空気を溶存させた培養液29を細胞収容容器12の中間収容スペース19bに収容するとともに、無菌空気を細胞収容容器12の上部収容スペース19aに収容し、開閉蓋18によって細胞収容容器12の頂部開口17を気密に閉塞(密閉)するとともに、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)と培養液29と無菌空気とを収容した細胞収容容器12の複数個を保温運搬容器13の容器収容スペース24に収容しつつ、保冷剤収容スペース27に保冷剤26を収容した密閉蓋23によって保温運搬容器13の頂部開口22を気密に閉塞(密閉)し、容器収容スペース24に収容された複数個の細胞収容容器12を保冷剤収容スペース27に収容された保冷剤26によって所定温度に冷却しつつ、複数個の細胞収容容器12を収容した保温運搬容器13を所定の輸送手段によって出発地点から目的地点まで運搬するから、細胞収容容器12に収容された活性化幹細胞11b(幹細胞11)が所定温度(2~4℃)に冷却され、活性化幹細胞11b(活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b)の休眠状態を維持することができる。
幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)の寿命がゆっくりと進み、不要かつ雑多な幹細胞を含まないピュア(純粋)な単一種の活性化幹細胞11b(間葉系活性化幹細胞)を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬(輸送)したとしても、活性化幹細胞11bの生存率を高い値に保持することができ、幹細胞11bの運搬(輸送)に長時間を要したとしても、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)を生存させたまま目的地点に運ぶことができる。幹細胞運搬方法(幹細胞運搬システム)は、活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b(幹細胞11)を生存させたまま目的地点に運ぶことができるから、生存する活性化幹細胞11b(活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11b)を各種の疾患(心血管疾患や中枢神経系疾患等)に対して有効に利用することができ、生存する活性化幹細胞11bを利用することで、再生医療における再生において有効な効果を得ることができる。
図15は、幹細胞第1定着工程において使用するガラス試験管41の斜視図であり、図16は、遠心分離後のガラス試験管44の斜視図である。運搬(輸送)対象の休眠幹細胞11aを培養した活性化幹細胞11bや活性化幹細胞11bを一層活性化させた活性化幹細胞11bの元となる単一種の幹細胞11は、ドナー(人)から採取した原料骨髄液42を利用し、幹細胞培養方法によって幹細胞第1定着工程、幹細胞第1培養工程、幹細胞第2定着工程、幹細胞第2培養工程を実施することから作られる。幹細胞培養方法は、原料骨髄液42に含まれる複数種類の幹細胞(間葉系幹細胞)の中から特定種類の単一種の幹細胞11を培養する。
幹細胞第1定着工程では、ドナーから採取した原料骨髄液42を層状に分離させる。骨髄液採取では、それらドナーの胸骨または腸骨(骨盤)から2~3cc(2~3ml)の原料骨髄液42が採取される。ドナーから採取された2~3ccの原料骨髄液42は、図15に示すように、上下方向へ延びるガラス試験管41(分離容器)内に注入(収容)される。なお、2~3ccの原料骨髄液42には、0.5~1ml(約5×10(cells/ml))の複数種類の幹細胞(間葉系幹細胞)が含まれる。
原料骨髄液42を注入したガラス試験管41は、試験管立てにセットされ、試験管立てとともに恒温槽(図示せず)の内部に収容される。試験管立てを恒温槽の内部に収容し、原料骨髄液42を注入したガラス試験管41を恒温槽において所定時間(約2時間)静的に放置(動かすことなく静かに放置)する。恒温槽の内部の温度は、体温と略同一の約36~37℃に保持されている。ガラス試験管41を恒温槽に所定時間(約2時間)静的に放置することで、図15に示すように、試験管41に注入された原料骨髄液42が試験管41内において上下方向へ何層かの層状に分離する(図15では3層に分離)。
原料骨髄液42を層状に分離させた後、骨髄液43の抽出が行われる。骨髄液43の抽出では、層状に分離した原料骨髄液42から中間層骨髄液43を抽出する。恒温槽から試験管立てを取り出し、試験管立てからガラス試験管41を引き抜き、原料骨髄液42が層状に分離したことを確認した後、層状に分離した原料骨髄液42の特定の層に存在する中間層骨髄液43を抽出する。注射器又はピペットを利用して層状に分離した原料骨髄液42のうちの中間層に位置する3~4mmの層厚みの中間層骨髄液43を吸引する。多種雑多な幹細胞(間葉系幹細胞)を含む原料骨髄液42を上下方向へ層状に分離させた後、原料骨髄液42から特定の中間層骨髄液43を抽出することで、原料骨髄液42に含まれる不要かつ雑多な幹細胞を除去する。
原料骨髄液42から中間層に位置する特定の中間層骨髄液43を抽出した後、注射器又はピペットを利用して中間層骨髄液43及び培養液29を第3扁平培養容器(第3培養容器)に注入(収容)し、第3扁平培養容器を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持しつつ、12~24時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)し、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第3扁平培養容器内の中間層骨髄液43に含まれる幹細胞11の初期平面形状からの変形を電子顕微鏡で観察し、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面に定着したか否かを判断する。
幹細胞第1定着工程や幹細胞第1培養工程で使用される第3扁平培養容器は、休眠幹細胞定着工程や休眠幹細胞培養工程に使用された第1扁平培養容器10(第1培養容器)と同一(同形同大)である(図1参照)。第3扁平培養容器は、その容量が約20~30cc(好ましくは、25cc)であり、その底面面積が約25~36mmである。第3扁平培養容器は、その一辺の長さが5~6mmである。
第3扁平培養容器を電子顕微鏡の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第3扁平培養容器の底部との間にスペーサーを介在させ、第3扁平培養容器の底部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第3扁平培養容器の底部が上となり第3扁平培養容器の頂部(注入口)が下となるように、第3扁平培養容器を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する(図2参照)。
次に、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第3扁平培養容器の頂部との間にスペーサーを介在させ、第3扁平培養容器の頂部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第3扁平培養容器の頂部(注入口)が上となり第3扁平培養容器の底部が下となるように、第3扁平培養容器を第1の方向と逆方向の第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する(図3参照)。
第3扁平培養容器に収容された幹細胞11は、時間の経過とともに第3扁平培養容器の底面に定着しつつ、培養液29によって培養され、第3扁平培養容器の底面において次第に増殖(分化)してコロニーを形成する。試料ホルダ31の上面32に対して第3扁平培養容器を第1の方向及び第2の方向へ前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第3扁平培養容器内において幹細胞11や培養液29が第3扁平培養容器の頂部の側又は底部の側に偏り、第3扁平培養容器の頂部の側又は底部の側において幹細胞11や培養液29の水圧が大きくなって幹細胞11が第3扁平培養容器の頂部の側又は底部の側に集中し、それによって幹細胞11どうしの活性が高まり、第3扁平培養容器の底面において幹細胞11を容易かつ迅速に定着させることができる。
電子顕微鏡は、撮影機能によって第3扁平培養容器に注入された幹細胞11の平面形状の拡大画像を所定の時間間隔(約1~2時間間隔)で撮影し、撮影した幹細胞11の平面形状の拡大画像と撮影時間とをディスプレイ36に出力(表示)する。ディスプレイ36に表示された幹細胞11の平面形状の拡大画像を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、幹細胞11の平面形状の変化を観察する。
幹細胞11の初期平面形状(定着前の平面形状)は略円形であり、幹細胞11の平面形状が略円形の場合、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着しておらず、幹細胞11が増殖(分化)を開始していない。幹細胞11の変形後の平面形状(定着後の平面形状)は定着前の略円形を核として幹細胞11が一方向(所定方向)へ不定形に伸張(拡張)した扁平形状であり、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着し、幹細胞11が増殖(活性化)を開始している。
幹細胞第1定着工程における観察の結果、ディスプレイ36に出力(表示)された幹細胞11の平面形状の拡大画像が略円形のまま観察される場合(図4参照)、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着していないと判断し、幹細胞11の平面形状の変化を約1~2時間の間隔で継続して観察する。ディスプレイ36に出力(表示)された幹細胞11の平面形状が略円形から略円形を核として不定形の扁平形状に変形した場合(図5参照)、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面に定着したと判断する。
幹細胞第1定着工程における観察の結果、幹細胞11が略円形(初期平面形状)から略円形を核として不定形の扁平形状に変形し(図5参照)、幹細胞11の第3扁平培養容器の底面への定着を確認した後、幹細胞第1培養工程が行われる。幹細胞第1培養工程では、幹細胞11を増殖かつ活性化させ、幹細胞11を培養する。幹細胞第1培養工程では、第3扁平培養容器を電子顕微鏡の試料ホルダ31から取り外し、幹細胞第1定着工程において第3扁平培養容器に注入した培養液29を注射器又はピペットを利用して第3扁平培養容器から排出し、注射器又はピペットを利用してあらたな培養液29を第3扁平培養容器に注入(収容)する。
幹細胞第1培養工程では、あらたな培養液29を第3扁平培養容器に注入した後、その第3扁平培養容器を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で傾斜させた状態で第3扁平培養容器を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、第3扁平培養容器を36~48時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)しつつ、36~48時間の間において約1~2時間の間隔で第3扁平培養容器の底面に定着した幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を観察し、第3扁平培養容器の底面面積に対する幹細胞の総平面面積が第3目標割合に達したか否かを判断する。第3扁平培養容器の底面面積に対する幹細胞11の総平面面積の第3目標割合は、70~80%(70~80%%コンフルエント)である。
あらたな培養液29を第3扁平培養容器に注入した後、その第3扁平培養容器を電子顕微鏡の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第3扁平培養容器の底部との間にスペーサーを介在させ、第3扁平培養容器の底部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第3扁平培養容器の底部が上となり第3扁平培養容器の頂部(注入口)が下となるように、第3扁平培養容器を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。又は、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第3扁平培養容器の頂部との間にスペーサーを介在させ、第3扁平培養容器の頂部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第3扁平培養容器の頂部(注入口)が上となり第3扁平培養容器の底部が下となるように、第3扁平培養容器を第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。
ディスプレイ36に表示された幹細胞11の平面形状の拡大画像を36~48時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、第3扁平培養容器の底面に定着した幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を観察しつつ、幹細胞11の総平面面積が第3扁平培養容器の底面面積に対して第3目標割合(70~80%コンフルエント)に達したか否かを判断する。
休眠幹細胞培養工程における観察の結果、ディスプレイ36に表示された幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第3目標割合(70~80%コンフルエント)に達していない場合(図5参照)、幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を約1~2時間間隔で継続して観察する。尚、ディスプレイ36に表示された拡大画像の全面積に対して幹細胞の11総平面面積が第3目標割合に達した場合に、幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第3目標割合に達したものとする。
幹細胞第1培養工程における観察の結果、幹細胞11が第3扁平培養容器の底面(底壁内面)において増殖して幹細胞11がコロニーを形成し、幹細胞11の平面形状が拡張することで、ディスプレイ36に表示された幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第3目標割合(70~80%コンフルエント)に達した場合(図6参照)、幹細胞11が十分に増殖かつ活性化している。幹細胞11の第3扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第3目標割合に達した時点で、第3扁平培養容器から幹細胞11を抽出する。
第3扁平培養容器に注入されている培養液29を注射器又はピペットを利用して第3扁平培養容器から排出し、第3扁平培養容器内をPBSで洗浄した後、トリプシン液を第3扁平培養容器に注入する。第3扁平培養容器にトリプシン液を注入すると、第3扁平培養容器の底面に定着(増殖)した幹細胞11がトリプシン液によって底面から剥離し、トリプシン液の水面に浮上する。ピペットを利用して幹細胞11を吸引し、幹細胞11をピペット内に収容する。
第3扁平培養容器から幹細胞11を抽出した後、幹細胞第2定着工程が行われる。幹細胞第2定着工程では、抽出された幹細胞11を遠心分離器(図示せず)によって層状に遠心分離する。幹細胞11を第3扁平培養容器からピペットに吸引した後、ピペット内の幹細胞11をガラス試験管44に注入(収容)し、ガラス試験管44を遠心分離器に設置(セット)する。幹細胞11を遠心分離器によって所定時間遠心分離した後、ガラス試験管44を遠心分離器から取り出す。ガラス試験管44内の幹細胞11は、遠心分離器によって上下方向へ何層かの層状に分離する。
遠心分離器によって幹細胞11を上下方向へ層状に分離させた後、ガラス試験管44を遠心分離器から取り出し、層状に分離した幹細胞11から最下層に位置する幹細胞11を抽出する。不要かつ雑多な幹細胞11を含む幹細胞11を遠心分離器で遠心分離して上下方向へ層状に分離させ、層状に遠心分離した幹細胞11のうちの最下層に位置する幹細胞11を抽出することで、幹細胞11から特定(単一)の幹細胞11を確実に抽出することができ、幹細胞11から不要かつ雑多な幹細胞11を除去することができる。
幹細胞第2定着工程や幹細胞第2培養工程で使用される第4扁平培養容器は、活性化幹細胞定着工程や活性化幹細胞培養工程に使用された第2扁平培養容器37(第2培養容器)と同一(同形同大)である(図9参照)。第4扁平培養容器は、その容量が約40~60cc(好ましくは、50cc)であり、その底面面積が約50~72mmである。第4扁平培養容器は、その一辺の長さが約7~8.5mmである。
ガラス試験管44において層状に分離した幹細胞11のうちの最下層に存在する幹細胞11を注射器又はピペットを利用して抽出した後、その幹細胞11及び培養液29を第4扁平培養容器(第4培養容器)に注入(収容)し、その第4扁平培養容器を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向へ傾斜させた状態で第4扁平培養容器を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、12~24時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)する(図10参照)。その後、第4扁平培養容器を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で第4扁平培養容器を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し(図11参照)、12~24時間静的に放置しつつ、12~24時間の間において約1~2時間の間隔で第4扁平培養容器内の幹細胞11の初期平面形状からの変形を電子顕微鏡で観察し、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面に定着したか否かを判断する。
幹細胞11と培養液29とを第4扁平培養容器に注入した後、その第4扁平培養容器を電子顕微鏡(図示せず)の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第4扁平培養容器の底部との間にスペーサーを介在させ、第4扁平培養容器の底部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第4扁平培養容器の底部が上となり第4扁平培養容器の頂部(注入口)が下となるように、第4扁平培養容器を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
次に、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第4扁平培養容器の頂部との間にスペーサーを介在させ、第4扁平培養容器の頂部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第4扁平培養容器の頂部(注入口)が上となり第4扁平培養容器の底部が下となるように、第4扁平培養容器を第1の方向と逆方向の第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で12~24時間静的に保持する。
第4扁平培養容器に収容された幹細胞11は、時間の経過とともに第4扁平培養容器の底面に定着しつつ、培養液29によって培養され、第4扁平培養容器の底面において次第に増殖(分化)してコロニーを形成する。幹細胞第2定着工程において、試料ホルダ31の上面32に対して第4扁平培養容器を第1の方向及び第2の方向へ前記傾斜角度α1で傾斜させることで、第4扁平培養容器内において幹細胞11や培養液29が第4扁平培養容器の頂部の側又は底部の側に偏り、第4扁平培養容器の頂部の側又は底部の側において幹細胞11や培養液29の水圧が大きくなって幹細胞11が第4扁平培養容器の頂部の側又は底部の側に集中し、それによって幹細胞11どうしの活性が高まり、第4扁平培養容器の底面において幹細胞11を容易かつ迅速に定着させることができる。
ディスプレイ36に表示された幹細胞11の平面形状の拡大画像を12~24時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、幹細胞11の平面形状の変化を観察する。幹細胞11の初期平面形状(定着前の平面形状)は略円形であり、幹細胞11の平面形状が略円形の場合、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着しておらず、幹細胞11が増殖(分化)を開始していない。幹細胞11の変形後の平面形状(定着後の平面形状)は定着前の略円形を核として幹細胞11が一方向(所定方向)へ不定形に伸張(拡張)した扁平形状であり、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着し、幹細胞11が増殖(活性化)を開始している。
幹細胞第2定着工程における観察の結果、ディスプレイ36に出力(表示)された幹細胞11の平面形状の拡大画像が略円形のまま観察される場合(図12参照)、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面(底壁内面)に定着していないと判断し、幹細胞11の平面形状の変化を約1~2時間の間隔で継続して観察する。ディスプレイ36に出力(表示)された幹細胞11の平面形状が略円形から略円形を核として不定形の扁平形状に変形した場合(図13参照)、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面に定着したと判断する。
幹細胞第2定着工程における観察の結果、幹細胞11が略円形(初期平面形状)から略円形を核として不定形の扁平形状に変形し、幹細胞11の第4扁平培養容器の底面への定着を確認した後、幹細胞第2培養工程が行われる。幹細胞第2培養工程では、幹細胞11を増殖かつ活性化させる。幹細胞第2培養工程では、第4扁平培養容器を電子顕微鏡の試料ホルダ31から取り外し、幹細胞第2定着工程において第4扁平培養容器に注入した培養液29を注射器又はピペットを利用して第4扁平培養容器から排出し、注射器又はピペットを利用してあらたな培養液29を第4扁平培養容器に注入(収容)する。
幹細胞第2培養工程では、あらたな培養液29を第4扁平培養容器に注入した後、その第4扁平培養容器を2~5°の傾斜角度α1(好ましくは、2~3°の傾斜角度α1)で傾斜させた状態で第4扁平培養容器を体温と略同一の温度(約36~37℃)に保持し、第4扁平培養容器を36~48時間静的に放置(動かすことなく静かに放置)しつつ、36~48時間の間において約1~2時間の間隔で第4扁平培養容器の底面に定着した幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を観察し、第4扁平培養容器の底面面積に対する幹細胞11の総平面面積が第4目標割合に達したか否かを判断する。第4扁平培養容器の底面面積に対する幹細胞11の総平面面積の第4目標割合は、88~92%(88~92%コンフルエント)である。
あらたな培養液29を第4扁平培養容器に注入した後、その第4扁平培養容器を電子顕微鏡の試料ホルダ31に設置(セット)する。電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第4扁平培養容器の底部との間にスペーサーを介在させ、第4扁平培養容器の底部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第4扁平培養容器の底部が上となり第4扁平培養容器の頂部(注入口)が下となるように、第4扁平培養容器を第1の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。又は、電子顕微鏡の試料ホルダ31の上面32と第4扁平培養容器の頂部との間にスペーサーを介在させ、第4扁平培養容器の頂部をスペーサーによって持ち上げた状態に保持し、第4扁平培養容器の頂部(注入口)が上となり第4扁平培養容器の底部が下となるように、第4扁平培養容器を第2の方向へ所定角度α1(2~5°、好ましくは、2~3°)傾斜させた状態で静的に保持する。ディスプレイ36に表示された幹細胞11の平面形状の拡大画像を36~48時間の間において約1~2時間の間隔で確認(視認)し、第4扁平培養容器の底面に定着した幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を観察しつつ、幹細胞11の総平面面積が第4扁平培養容器の底面面積に対して第4目標割合(88~92%コンフルエント)に達したか否かを判断する。
活性化幹細胞培養工程における観察の結果、ディスプレイ36に表示された幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第4目標割合(88~92%コンフルエント)に達していない場合(図13参照)、幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積を約1~2時間間隔で継続して観察する。尚、ディスプレイ36に表示された拡大画像の全面積に対して幹細胞11の総平面面積が第4目標割合に達した場合に、幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第4目標割合に達したものとする。
幹細胞第2培養工程における観察の結果、幹細胞11が第4扁平培養容器の底面(底壁内面)において増殖して幹細胞11がコロニーを形成し、幹細胞11の平面形状が拡張することで、ディスプレイ36に表示された幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第4目標割合(88~92%コンフルエント)に達した場合(図14参照)、幹細胞11が十分に増殖かつ活性化している。幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第4目標割合に達した時点で、第4扁平培養容器から増殖(分化)した単一種の幹細胞11を抽出する。尚、第4扁平培養容器に収容された(残存する)培養液29には単一種の幹細胞11(間葉系幹細胞)の培養過程(増殖過程)においてその幹細胞11から分泌された所定の代謝物質が含まれ、第4扁平培養容器に残存する培養液29が培養生成液14になっている。
幹細胞11の第4扁平培養容器の底面面積に対する総平面面積が第4目標割合に達したことを確認した後、ピペットを利用して第4扁平培養容器に注入されている培養生成液14(培養液29)を第4扁平培養容器から吸引し、培養生成液14をピペット内に収容する。次に、第4扁平培養容器内をPBSで洗浄した後、トリプシン液を第4扁平培養容器内に注入する。第4扁平培養容器にトリプシン液を注入すると、第4扁平培養容器の底面に定着した幹細胞11がトリプシン液によって底面から剥離し、トリプシン液の水面に浮上する。ピペットを利用して幹細胞11を吸引し、幹細胞11をピペット内に収容する。
培養生成液14と幹細胞11とを抽出した後、幹細胞収容アンプル(幹細胞収容容器)と生成液収容アンプル(生成液収容容器)とを用意し、幹細胞11をピペットから幹細胞収容アンプルに注入(収容)する。幹細胞収容アンプルに注入された単一種の幹細胞11は、不要かつ雑多な幹細胞が除去された活性を有する培養対象の特定種類の単一種の幹細胞11(間葉系幹細胞)である。幹細胞11(単一種の間葉系幹細胞)をピペットから幹細胞収容アンプルに注入した後、その幹細胞収容アンプルを冷蔵庫又は冷凍庫に収納する。単一種の幹細胞11(間葉系幹細胞)は、幹細胞収容アンプルに収容された状態で冷蔵庫又は冷凍庫において所定期間、所定温度(2~4℃)で保存される。
培養生成液14をピペットから生成液収容アンプルに注入(収容)する。生成液収容アンプルに注入された培養生成液14は、不要かつ雑多な幹細胞が除去された活性を有する培養対象の特定種類の単一の幹細胞11(間葉系幹細胞)から分泌された所定の代謝物質を含んでいる。培養生成液14をピペットから生成液収容アンプルに注入した後、その生成液収容アンプルを冷蔵庫又は冷凍庫に収納する。培養生成液14は、生成液収容アンプルに収容された状態で冷蔵庫又は冷凍庫において所定期間、所定温度(2~4℃)で保存される。
10 第1扁平培養容器(第1培養容器)
11 幹細胞
11a 休眠幹細胞
11b 活性化幹細胞
12 細胞収容容器
13 保温運搬容器
14 培養生成液
15 底壁
16 周壁
17 頂部開口
18 開閉蓋
19 スペース
19a 上部収容スペース
19b 中間収容スペース
19c 下部収容スペース
20 底壁
21 頂壁
22 頂部開口
23 密閉蓋
24 容器収容スペース
25 真空断熱層
26 保冷剤
27 保冷剤収容スペース
28 旋回蓋
29 培養液
30 底面
31 資料ホルダ
32 上面
33 底部
34 スペーサー
35 頂部
36 ディスプレイ
37 第2扁平培養容器(第2培養容器)
38 底面
39 底部
40 頂部
41 ガラス試験管
42 原料骨髄液
43 骨髄液
44 ガラス試験管


Claims (12)

  1. ドナーから採取した骨髄液を培養することから作られた幹細胞を出発地点から目的地点まで所定時間をかけて運搬する幹細胞運搬方法において、
    前記幹細胞運搬方法は、前記幹細胞を収容する収容スペース及び頂部開口を気密に閉塞する開閉蓋とを有する所定容積の細胞収容容器と、複数個の前記細胞収容容器を収容する所定容積の容器収容スペースを有して該容器収容スペースを所定の低温に保持する保温運搬容器とを利用し、前記細胞収容容器の収容スペースが、該細胞収容容器の頂部開口から底壁に向かって上下方向へ三分されて上部収容スペースと中間収容スペースと下部収容スペースとに区分され、前記保温運搬容器が、密閉蓋と、真空断熱層を有して前記容器収容スペースを囲繞する周壁及び底壁と、前記容器収容スペースを冷却する保冷剤を収容する保冷剤収容スペースとを備え、
    前記幹細胞運搬方法が、前記幹細胞を前記細胞収容容器の下部収容スペースに収容し、無菌空気を溶存させた培養液を前記細胞収容容器の中間収容スペースに収容するとともに、前記無菌空気を前記細胞収容容器の上部収容スペースに収容し、前記開閉蓋によって前記細胞収容容器の頂部開口を気密に閉塞する第1収容工程と、前記第1収容工程によって前記幹細胞と前記培養液と前記無菌空気とを収容した細胞収容容器の複数個を前記保温運搬容器の容器収容スペースに収容し、前記保冷剤収容スペースに保冷剤を収容しつつ、前記密閉蓋によって前記保温運搬容器を気密に閉塞する第2収容工程と、前記第2収容工程によって前記容器収容スペースに収容された前記複数個の細胞収容容器を前記保冷剤収容スペースに収容された保冷剤によって所定温度に冷却しつつ、該複数個の細胞収容容器を収容した前記保温運搬容器を所定の輸送手段によって前記出発地点から前記目的地点まで運搬する細胞運搬工程とを有することを特徴とする幹細胞運搬方法。
  2. 前記幹細胞運搬方法が、前記第1収容工程によって前記幹細胞と前記培養液と前記無菌空気とを収容した細胞収容容器の頂部開口を前記開閉蓋によって気密に閉塞した後、前記細胞収容容器を所定の温度に冷却し、前記下部収容スペースに収容された前記幹細胞を休眠状態にする細胞休眠工程を含む請求項1に記載の幹細胞運搬方法。
  3. 前記幹細胞運搬方法が、前記細胞収容容器の中間収容スペースに収容する培養液に無菌空気を溶存させる無菌空気溶存工程を含む請求項1又は請求項2に記載の幹細胞運搬方法。
  4. 前記幹細胞運搬方法が、前記運搬工程によって前記目的地点に運搬された前記保温運搬容器の保冷剤収容スペースから前記保冷剤を取り外し、該保温運搬容器に収容された複数個の細胞収容容器を所定時間静的に放置して該細胞収容容器を室温に戻す温度戻し工程を含む請求項1ないし請求項3いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
  5. 前記細胞収容容器では、該細胞収容容器の上部収容スペースが収容スペースの19~21%を占め、該細胞収容容器の中間収容スペースが収容スペースの41~45%を占めるとともに、該細胞収容容器の下部収容スペースが収容スペースの36~38%を占め、前記細胞収容容器の収容スペースに対する前記無菌空気の収容割合が19~21%の範囲、前記細胞収容容器の収容スペースに対する前記無菌空気を溶存させた培養液の収容割合が41~45%の範囲にあり、前記細胞収容容器の収容スペースに対する前記幹細胞の収容割合が36~38%の範囲にある請求項1ないし請求項4いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
  6. 前記保温運搬容器では、前記保冷剤によって該保温運搬容器の容器収容スペースの温度が2~4℃の範囲に保持される請求項1ないし請求項5いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
  7. 前記幹細胞の出発地点から目的地点までの運搬時間が、24~48時間であり、前記出発地点からの運搬時間が36時間経過後における前記幹細胞の生存率が、87~89%の範囲にあり、前記出発地点からの運搬時間が48時間経過後における前記幹細胞の生存率が、74~76%の範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
  8. 前記幹細胞が、前記幹細胞を所定期間保存した後の休眠状態にある休眠幹細胞を活性化させた活性化幹細胞であり、前記幹細胞運搬方法が、前記活性化幹細胞を前記細胞収容容器に収容する前に、前記休眠幹細胞を活性化させて前記活性化幹細胞を作る幹細胞活性化手段を含み、前記幹細胞活性化手段が、前記休眠幹細胞と所定の培養液と該休眠幹細胞の保存前の前記幹細胞の培養過程において生成された培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有する第1培養容器に注入し、前記休眠幹細胞を前記第1培養容器の底面に定着させる休眠幹細胞定着工程と、前記休眠幹細胞定着工程によって前記第1培養容器の底面に定着させた前記休眠幹細胞を培養し、前記第1培養容器の底面面積に対する前記休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達するまで該休眠幹細胞を増殖かつ活性化させ、前記休眠幹細胞を前記活性化幹細胞に変質させる休眠幹細胞培養工程とを有し、前記休眠幹細胞定着工程では、前記第1培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で該第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、前記第1培養容器を2~5°の傾斜角度で前記第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で該第1培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、前記第2の方向へ傾斜させた第1培養容器内の休眠幹細胞の初期平面形状からの変形を前記12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、前記休眠幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、該休眠幹細胞が前記第1培養容器の底面に定着したと判断し、前記休眠幹細胞培養工程では、前記第1培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で該第1培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置しつつ、前記第1培養容器の底面面積に対する前記休眠幹細胞の総平面面積が第1目標割合に達したかを判断する請求項1ないし請求項7いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
  9. 前記第1培養容器の底面面積に対する前記休眠幹細胞の総平面面積の第1目標割合が、70~80%であり、前記休眠幹細胞培養工程では、前記休眠幹細胞定着工程によって前記休眠幹細胞を前記第1培養容器の底面に定着させた後、前記培養液と前記培養生成液との混合培養液を前記第1培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを該第1培養容器に注入し、前記第1培養容器の底面に定着させた前記休眠幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる請求項8に記載の幹細胞運搬方法。
  10. 前記幹細胞活性化手段が、前記第1培養容器の底面面積に対する前記休眠幹細胞の総平面面積が前記第1目標割合に達した時点で該第1培養容器から該活性化幹細胞を抽出し、抽出した前記活性化幹細胞とあらたな前記培養液とあらたな前記培養生成液とを所定容量かつ所定面積の底面を有して前記第1培養容器よりも大きい容量の第2培養容器に注入し、前記活性化幹細胞を前記第2培養容器の底面に定着させる活性化幹細胞定着工程と、前記活性化幹細胞定着工程によって前記第2培養容器の底面に定着させた前記活性化幹細胞を培養し、前記第2培養容器の底面面積に対する前記活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達するまで該活性化幹細胞を増殖かつ活性化させる活性化幹細胞培養工程とを含み、前記活性化幹細胞定着工程では、前記第2培養容器を2~5°の傾斜角度で第1の方向へ傾斜させた状態で該第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置した後、前記第2培養容器を2~5°の傾斜角度で前記第1の方向とは逆方向の第2の方向へ傾斜させた状態で該第2培養容器を体温と略同一の温度で12~24時間静的に放置しつつ、前記第2の方向へ傾斜させた第2培養容器内の活性化幹細胞の初期平面形状からの変形を前記12~24時間の間において約1~2時間の間隔で観察し、前記活性化幹細胞が初期平面形状から所定の平面形状に変形した場合、該活性化幹細胞が前記第2培養容器の底面に定着したと判断し、前記活性化幹細胞培養工程では、前記第2培養容器を2~5°の傾斜角度で傾斜させた状態で該第2培養容器を体温と略同一の温度で静的に放置し、前記第2培養容器の底面面積に対する前記活性化幹細胞の総平面面積が第2目標割合に達したかを判断する請求項8又は請求項9に記載の幹細胞運搬方法。
  11. 前記第2培養容器の底面面積に対する前記活性化幹細胞の総平面面積の第2目標割合が、88~92%であり、前記活性化幹細胞培養工程では、前記活性化幹細胞定着工程によって前記活性化幹細胞を前記第2培養容器の底面に定着させた後、前記培養液と前記培養生成液との混合培養液を前記第2培養容器から排出しつつ、あらたな培養液とあらたな培養生成液とを該第2培養容器に注入し、前記第2培養容器の底面に定着させた前記活性化幹細胞をあらたな培養液とあらたな培養生成液とのあらたな混合培養液を利用して活性化させる請求項10に記載の幹細胞運搬方法。
  12. 前記培養生成液が、前記幹細胞の培養過程において該幹細胞から分泌された所定の代謝物質を含む請求項8ないし請求項11いずれかに記載の幹細胞運搬方法。
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