JP2002204690A - 細胞付細胞培養器,その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

細胞付細胞培養器,その製造方法及びその使用方法

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JP2002204690A
JP2002204690A JP2001001200A JP2001001200A JP2002204690A JP 2002204690 A JP2002204690 A JP 2002204690A JP 2001001200 A JP2001001200 A JP 2001001200A JP 2001001200 A JP2001001200 A JP 2001001200A JP 2002204690 A JP2002204690 A JP 2002204690A
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incubator
cells
cell
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cell incubator
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JP2001001200A
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Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解凍時、細胞が剥離することがなく、高い細
胞生存率を保つことが可能な、凍結された足場依存性の
動物細胞が付与された細胞付培養器および製造方法およ
び使用方法を提供する。 【解決手段】 足場依存性動物細胞を培養器培養表面上
で培養した後、0〜10℃の範囲内まで冷却し、冷却の
温度を保ったまま凍結保護材を含有する凍結用培地に交
換し放置した後、凍結用培地を除去し、さらに冷却し
て、足場依存性動物細胞が培養面に接着し凍結されてい
る細胞付細胞培養器を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞を用いた実験
や細胞毒性評価などに使用される、足場依存性動物細胞
が付与された細胞培養器,その製造方法及びその使用方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、足場依存性動物細胞の使用は、ア
ンプルなどの容器中に細胞浮遊液の形で凍結されたもの
や、細胞培養用のフラスコの培養面に細胞を培養し、培
地をフラスコに満たし、フラスコの蓋で密封された状態
で行われている。いずれも、そのまま足場依存性動物細
胞を実験や評価に使用するのではなく、一旦細胞を増殖
させ、再び細胞を実験および評価に適した細胞培養器に
細胞を播種し直し、細胞をある程度増殖させたのち、目
的とする実験や評価に使用することになる。このように
細胞の入手から継代、評価および実験に使用できるま
で、かなりの時間と手間を要する。
【0003】このように、足場依存性動物細胞を用いた
実験や評価を行うには、実際の実験作業の他に、細胞の
準備に時間と手間を必要とする。これらの時間と手間を
削減するという目的で、培養表面上に足場依存性動物細
胞を培養させた状態で細胞と培地を培養器ごと凍結させ
れば良いとの考え方があり、実験に用いる状態になるま
での培養の時間を削減できる方法として、培養基質上に
培養された状態で、凍結用培地と共に培養基質ごと凍結
されている足場依存性動物細胞が特開平1−16581
号公報に開示され、発明者らも細胞の凍結保存方法とし
て、シート状の培養面上に細胞を接着させたかたちでの
足場依存性動物細胞の凍結保存方法を特開平6−335
385号公報に開示した。
【0004】足場依存性動物細胞を培養した状態で凍結
しようとすると、凍結保護剤は凍結および解凍時に細胞
のダメージを回避するために必ず必要であり、従来の細
胞が浮遊した状態でのアンプル中での凍結でも、上記2
件の公開公報に開示されている方法でも、凍結保護剤を
含有する培養液中に細胞を存在させ、この培養液ととも
に細胞が凍結されてきた。凍結保護剤としてはDMSO
(ジメチルスルホキシド)が安価であり、且つ凍結時の
細胞を保護する効果が高いため、一般に使用されてい
る。凍結保護剤としてのDMSOの培地への添加量は、
5〜20%と高濃度であり、解凍後室温に放置すると、
細胞への毒性があらわれるため、即座に培地交換を行な
わなければならない。
【0005】そのため、上記2件の公開公報で開示され
ている方法でも、培養を再開する際に凍結保護剤を含有
する培養液から、培養用の培養液に換える作業が必要と
なる。そのため、細胞の解凍の際は、解凍状況を観察し
ている必要があり、実験者は解凍作業時に時間の拘束を
受けることとなる。
【0006】さらに、細胞解凍後の細胞の剥離の問題が
あった。細胞解凍後、培養用の培養液への交換の操作
は、特開平1−16581号公報に開示されている方法
では、凍結保護剤を含有する培養液をピペットやディス
ペンサーにより吸引除去し、培養用培養液を分注する。
この方法における足場依存性動物細胞は、培養面から剥
離し易く、凍結保護剤を含有する培養液の吸引の際のシ
ェア−ストレスにより剥離し、培養液と共に吸引されて
しまう。
【0007】さらに培養用培養液の分注におけるシェア
−ストレスで細胞が剥離し、培養器内の細胞数の減少
や、形成された細胞層が破壊されることとなる。その対
策として、予め培養器に細胞接着促進物質をコーティン
グする方法が提案され、ゼラチン、セルタック、ファイ
ブロネクチン、マトリゲル等をコーティングすることが
有効であると上記公報に開示されている。しかしこれら
細胞接着促進物質は高価な試薬であり工業的に見た場
合、コストが高くなる。
【0008】またこれら細胞接着促進物質は、細胞の接
着を促進するだけでなく、細胞の分化や機能の発現に深
くかかわっており、コーティングの状態などにより、細
胞の状態がばらつく恐れもある。またいわゆるコンフル
エントな状態(個々の細胞が相互に密着し、細胞間の間
隙がほぼなくなる程度の状態)で凍結すれば細胞の剥離
が抑えられると記されているが、コンフルエントな状態
になった細胞は、増殖性が低下するため、適用できる試
験および実験の内容が制限される場合がある。
【0009】また、他の方法として、解凍時の培地交換
における細胞の剥離を防止するための物理的な押さえを
導入する方法も報告されている。押さえとしては、細胞
の播種時に個々の細胞が容易に通過し培養面まで到達で
きるように繊維からできたフィルター状のものが使用さ
れているが、しかしこれらは透明ではないために位相差
顕微鏡での観察に支障をきたしたり、96ウェルのプレ
ートの場合はプレートリーダーによる吸光度などの測定
がなされるが、プレートのウェルの中に透明性の悪い押
さえが存在するため、そのままの状態では測定が困難で
あり、別の96ウェルのプレートなどに反応液を移して
測定を行わなければならない。さらに製造コスト面から
観ると、96ウェルプレートのように多数の小さなウェ
ル中にこのような押さえを導入しようとした場合、多大
な労力と時間を要することになる。
【0010】本発明者らが、特開平6−335385号
公報において開示した方法でも、細胞解凍時は細胞が剥
離し易く、細胞解凍後、培養液の吸引や培養液の分注に
より細胞層にシェア−ストレスを与えると細胞は剥離す
る。しかしこの方法は、シート上に細胞層が形成されて
いるため、解凍後に細胞層が形成されているシートをピ
ンセット等により丁寧に取り出し、培養液が充填された
培養器中に納めれば、細胞を剥離させることなく培養を
開始することは可能であり、さらに、細胞層が形成され
ているシートが透明であれば倒立顕微鏡による観察が可
能であり、又プレートリーダーにより吸光度の測定も可
能である。
【0011】しかし、プレートリーダーにより測定が可
能なのは96ウェルプレートが主であり、ウェルの形状
に合わせて96個のウェル中に1つずつ移すのはかなり
の労力と時間を要する。この間、解凍された細胞はDM
SOを高濃度で含有した培養液中に浸漬されたままの状
態になり、DMSOの毒性の影響により細胞生存率の低
下を招くこととなる。このような理由から、この方法も
96ウェルプレートによる実用化は困難であった。
【0012】さらに、培養器の解凍についてみてみると
このように凍結され保存されている足場依存性動物細胞
は、必要なときに解凍されて再び培養される。この解凍
において重要なことは速やかに解凍することである。解
凍に時間がかかると細胞へのダメージが大きく、解凍時
の生存率を下げることになる。また温度を高く上げすぎ
ると細胞が死んだり、ヒートショックプロテインの発現
のような細胞のストレス応答を惹起することになるた
め、一般的には足場依存性動物細胞の培養温度と同じ3
7℃の温水中に浸漬し解凍する方法がとられている。動
物細胞の凍結保存の形態は一般的にはアンプルや凍結用
チューブの場合が多く密閉状態を保つことができる構造
であり、温水へ浸漬しても容器中へ菌が混入する危険性
は少ない。
【0013】先の特開平1−16581号公報に開示さ
れている方法では、培養器ごと凍結されており、培養用
フラスコを除いて密閉状態になっていないため、シャー
レやプレートの形態の場合は、そのまま温水中に浸漬す
ると、温水が培養器内に容易に浸入する可能性が高く、
それにより菌が混入する可能性が高い。さらに、メカニ
ズムは良く判らないが、培養器の培養面に足場依存性動
物細胞が接着した状態で凍結されている場合において
は、従来の浮遊状態での凍結に比べ、解凍時間が解凍後
の細胞の生存率に与える影響が大きく、より速やかな解
凍が要求される。
【0014】開示された方法で最もメリットが大きいと
思われる96ウェルプレートの場合においては上記のよ
うな解凍の問題のため特に実現が困難であった。複数の
ウェルを有するプレート、特に96ウェルプレートにお
いては、プレート内の各ウエルが均一なスピードで解凍
されることが要求される。その理由は上述したように、
開示された方法では解凍される速さが解凍時の細胞の生
存率へ大きく影響するからである。
【0015】特開平1−16581号公報では37℃イ
ンキュベーター中に放置して解凍する方法がシャーレを
用いた場合において開示されている、シャーレにおいて
は、ほぼ良好な細胞生存率を確保できている。しかし、
前記の公報に開示されている培養器の解凍方法を、複数
のウェルを有するプレート特に96ウェルプレートに適
用しようとした場合、一般に市販されている96ウェル
プレートでは、解凍後の細胞の生存率はゼロに等しかっ
た。
【0016】一般に市販されている96ウェルプレート
はウェル部の肉厚が0.7mm〜1mmと厚く、インキ
ュベーター中の加温では、ウェル内の内容物を解凍する
のに長い時間を要する。ウェル部の肉厚を薄くすればウ
ェル内への熱伝導効率が高まり、解凍スピードが早まる
との考えがあり、96ウェルプレートでの肉厚は0.2
mm以下が理想とされる。96ウェルプレートの場合、
細胞培養後細胞の生存率等をプレートリーダーにより吸
光度の測定や、場合によっては倒立顕微鏡により細胞の
観察を行なうため、透明性に優れたプレートの要求性か
ら、射出成形による成形が必要になるが、ウェル底面の
透明性および顕微鏡での観察を確保しながらの、肉薄な
96ウェルプレートの射出成形はかなりの困難をともな
い、低コストを確保してでの実現は難しい。
【0017】また、インキュベーター中は湿度が高いた
め、冷凍状態の培養器には結露が生じ、温水中に浸漬し
た場合と同等程度の水滴が外壁につくことになる。この
付着した結露はきちんと除去しないと菌の混入をまねく
ことになる。また、37℃インキュベーター中で通常に
細胞が培養されている中に−80℃以下に冷却されてい
るものを持ち込み解凍することは、インキュベーター中
の温度を下げることになりあまり好ましいことではな
い。
【0018】さらに、別の解凍方法について目を向けて
みると、生化学の分野における加温方法としては、アル
ミブロックを加温してチューブ等を加温する方法が広く
普及している。PCR(polymerase chain reaction)
法に用いられているように、アルミブロックに凹みを設
けその中に、解凍する培養器のウェル部を納め加温する
という方法がある。アルミブロックでの加温に用いられ
るチューブの形状は底部が丸くなって且つ傾斜がついて
おり、アルミブロックとチューブが密着するため、効率
良く加温できる。
【0019】しかし、培養に用いられるプレートのウェ
ルの形状は、検鏡性を良くするため底部は平面となって
おり、培養面を広くとる必要性から側壁はほとんど傾斜
はとられておらず、アルミブロックと培養用容器の外壁
を密着させることは難しく、空気層が隔たりとなって加
温効率を下げることになる。また空気抜けを導入した場
合、アルミブロックと密着する面積が少なくなり解凍効
率が落ちることになる。また、アルミブロックは熱伝導
には優れてはいるが、96ウェルプレートのように多数
のウェルを有するプレートを均一に解凍するのは難し
い。
【0020】そのため、この方法では、96ウェルプレ
ートで展開しようとした場合、薄肉なプレートおよび菌
のコンタミを起こす可能性を抑えて効率良く加温できる
解凍方法および解凍用具の準備が必要である。以上記述
したように、従来の足場依存性動物細胞を接着した培養
状態のまま凍結された足場依存性動物細胞は、そのメリ
ットを十分に発揮できるものではなかった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、培養
表面に足場依存性動物細胞が培養面に伸展している培養
された状態で培養器とともに凍結されていて、解凍後、
直ちに培養液の交換をしなければならないという煩わし
さがなく、さらに、細胞の解凍のために特別な器具や道
具を必要とすることなく、さらに、解凍時に細胞が剥離
することなく培養形態を保っており、光学的な測定での
妨げとなる細胞剥離防止のための物理的な押さえを必要
としない、足場依存性動物細胞が付与された細胞培養器
を安価に提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解決するため、培養面に接着した状態で凍
結し解凍した際の細胞の培養基質表面の剥離の要因を検
討した結果、細胞の凍結の際添加される凍結保護剤の存
在が大きく関わっていること、さらに凍結保護剤を含有
する培養液に細胞が浸漬されているときの温度が高いと
細胞が培養表面から剥離することが促進されること、ま
たさらに、凍結用培地が解凍の際存在すると細胞の剥離
が促進されること、さらに、低温下で凍結保護剤を含有
する培養液中で一定時間処理したあと、培養面から凍結
保護剤を含有する培養液を除去すれば、室温で放置され
ても、過度に長時間でなければ細胞は剥離することな
く、凍結保存後の室温による解凍でも高い細胞生存率が
確保でき、解凍後、即座に培養液を分注することなくし
ばらく放置されても細胞の高い生存性を確保できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】即ち、本発明は、(1)足場依存性動物細
胞が培養器の培養面に接着し、凍結保護剤を含有する培
養液が培養面から除去された状態で、足場依存性動物細
胞が培養器ごと凍結されていることを特徴とする細胞付
細胞培養器、(2)足場依存性動物細胞が凍結保護剤を
含有している(1)記載の細胞付細胞培養器、(3)凍
結保護剤としてDMSO(ジメチルスルホキシド)を成
分として含む(1)又は(2)記載の細胞付細胞培養
器、
【0024】(4)培養面における培養液の残留量が1
0μl/cm2以下である(1)〜(3)記載のいずれ
かの細胞付細胞培養器、(5)培養器が1つ又は複数の
ウェルを有するシャーレまたは細胞培養用プレートであ
り、ウェル開口部と蓋の間に、通気性を有するシートが
挟まれてウェル開口部に密着しているか、ウェル開口部
にシールされている(1)〜(4)記載のいずれかの細
胞付細胞培養器、(6)通気性を有するシートがスパン
ボンド不織布、ろ紙又はプラスチックシートに細孔を開
けたシートである(5)記載の細胞付細胞培養器、
【0025】(7)(1)足場依存性動物細胞を培養器
培養表面上で培養、(2)培養器内の培養液の全てまた
は一部の除去、(3)0〜10℃の範囲内までの冷却、
(4)冷却の温度を保ったまま凍結保護剤を含有する培
養液の培養器内への分注、(5)冷却の温度を保ったま
ま凍結保護剤を含有する培養液を培養器中に保持しなが
ら放置、(6)凍結保護剤を含有する培養液の除去、
(7)さらに冷却して細胞を凍結する工程から少なくと
も構成されることを特徴とする細胞付細胞培養器の製造
方法、(8)凍結保護剤がDMSO(ジメチルスルホキ
シド)である(7)記載の細胞付細胞培養器の製造方
法、
【0026】(9)凍結保護剤がDMSO(ジメチルス
ルホキシド)を含有した混合物である(7)記載の細胞
付細胞培養器の製造方法、(10)放置時の凍結保護剤
を含有する培養液中のDMSO(ジメチルスルホキシ
ド)の含有量が5〜15%(V/V)である(7)〜
(9)記載のいずれかの細胞付細胞培養器の製造方法、
(11)培養表面が水滴での接触角が40度以下に親水
化処理されている(7)〜(10)記載のいずれかの細
胞付細胞培養器の製造方法、
【0027】(12)培養面における培養液の残留量が
10μl/cm2以下まで培養液を除去する(7)〜
(11)記載のいずれかの細胞付細胞培養器の製造方
法、(13)培養器が1つ又は複数のウェルを有するシ
ャーレまたは細胞培養用プレートであり、凍結前にウェ
ル開口部と蓋の間に、通気性を有するシートを挟みウェ
ル開口部に密着させるか、ウェル開口部にシールする
(7)〜(12)記載のいずれかの細胞付細胞培養器の
製造方法、(14)通気性を有するシートがスパンボン
ド不織布、ろ紙又はプラスチックシートに細孔を開けた
シートである(13)記載の細胞付細胞培養器の製造方
法、
【0028】(15)培養器は、凍結前に通気性のない
包材に収納され且つ密封されている(7)〜(14)記
載のいずれかの細胞付細胞培養器の製造方法、(16)
包材は内包材と外包材で構成され、外包材は内包材より
さらに通気性が低い(15)記載の細胞付細胞培養器の
製造方法、(17)室温における包材中の気体の体積
が、培養器容量の1.5〜4倍の範囲である(15)又
は(16)記載の細胞付細胞培養器の製造方法、
【0029】(18)(1)〜(6)のいずれかの細胞
付細胞培養器又は(7)〜(17)記載のいずれかの細
胞付細胞培養器の製造方法により製造された細胞付細胞
培養器を室温に放置することにより細胞の解凍を行なう
ことを特徴とする細胞付細胞培養器の使用方法、(1
9)(15)〜(17)記載のいずれかの細胞付細胞培
養器の製造方法により製造された細胞付細胞培養器を包
材中に収納した状態又は外包材より取り出し内包材に収
納した状態で室温で放置することにより細胞を解凍する
ことを特徴とする細胞付細胞培養器の使用方法、(2
0)解凍する方法がエアーキャップシートの袋に収納し
て解凍する(18)又は(19)記載の細胞付細胞培養
器の使用方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いることができる足場依存性動物細胞
は、上皮系や繊維芽細胞系の株化細胞および初代培養さ
れた血管内皮細胞、肝細胞又は皮膚上皮細胞など、培養
面に接着し伸展する細胞である。株化細胞の代表例とし
て、HeLa、Hep G2、A-431、V79、Veroなどがあげられ
る。
【0031】本発明の培養器に使用する培養器の形態に
は特に制限はない。形態としてはシャーレ、細胞培養用
フラスコ、複数の培養分画をもった細胞培養用のプレー
ト、または、カバースリップと呼ばれる細胞培養用のフ
ィルム状の小片にも応用は可能である。中でも本発明の
適用において最も有用なのは96穴プレートなどのプレ
ート類である。複数のウェルを有するプレートの場合、
後で述べるが、解凍時の安定性を考慮すると、ウェルの
底面が各々独立した構造のものを選択するのが良い。培
養器の培養表面であるが、一般の培養器は足場依存性動
物細胞用に培養表面に親水化処理が施されている、一般
の培養面の親水化処理の度合いは接触角で60度程度で
ある。
【0032】剥離しやすい細胞の場合は解凍後の細胞の
伸展状態をより良好に保つために培養面をさらに親水化
しておくのが好ましく、親水化処理の度合いは接触角で
40度以下にすると効果的である。本発明では、従来必
要であった培養表面へのファイブロネクチンやゼラチン
などの細胞接着因子をコーティングをしなくとも解凍時
の細胞の接着状態を良好に保つことができる。株化細胞
の場合は、上記のごとく特に細胞外マトリックスをコー
ティングする必要はないが、初代培養の血管内皮細胞
等、細胞機能の発現に細胞外マトリックスのコーティン
グが必要な場合は、適宜コーティングを行っても差し支
えない。
【0033】本発明の培養器の凍結手順について説明す
る。まず目的とする培養器を準備し細胞を播種し、さら
に培養を行い細胞を増殖させる。細胞培養器の凍結の際
の細胞の密度は、使用される実験の目的にもよるが、培
養表面の約50%が細胞により覆われる程度の細胞密度
で凍結されるのが望ましい。いわゆるコンフルエントな
状態(個々の細胞が相互に密着し、細胞間の間隙がほぼ
なくなる状態)になると、細胞は増殖性が低下すること
があるため、実験の目的によって使用が制限されること
もあるからである。
【0034】まず培養していた培養器を0〜10℃まで
冷却する、この際、培養液が全て入ったまま行っても良
いが、培養液を一部除去し冷却した方が早く冷却でき
る。冷却の方法は、冷蔵庫中に入れても良いし、氷上に
置いても良い。次に冷却された培養器に凍結保護剤を添
加した培養液を0〜10℃に冷却して加える。最終的
に、最適な凍結保護剤の濃度になるように、凍結保護剤
の濃度を調節した凍結保護剤含有培養液を調製してお
く。この冷却温度を保ため冷蔵庫中などで放置する。
【0035】細胞培養の分野では細胞凍結の際、細胞の
ダメージを抑える目的で凍結保護剤が添加される。凍結
保護剤として種々のものが用いられているが、安価で凍
結保護剤としての効果が高いのはDMSO(ジメチルス
ルホキシド)であり、凍結保護剤としてDMSOを主成
分として加え、DMSOの最終的な培地中の濃度が約5
〜15%(V/V)の濃度になるように、さらには8〜
12%(V/V)DMSOを添加し凍結用培地として用いる
のが最適である。細胞の種類によっては、さらに他の凍
結保護剤を加える。
【0036】上記のごとく低温での凍結保護剤を加えて
放置することにより細胞は凍結および解凍への耐性を獲
得する。この放置において培地の温度が10℃を超える
と細胞は剥離してくるが、0〜10℃を保つことによ
り、ここでの細胞の剥離を防止することができる。この
放置時間は10分〜1時間程度が適当である。その後、
凍結保護剤を含有した培養液を除去するが、培養液の除
去の度合いは、細胞内の水分は除去してはならないが、
なるべく培養面の培養液は除去するのが望ましい。培養
液除去後の培養面に残留している培養液の量は、培養面
の単位面積あたり10μl/cm2以下さらには、5μ
l/cm2以下が望ましい。
【0037】培養液の除去は、細胞を乾燥させないよう
に行なわなければならない。培養液の除去は一般に吸引
により行われるが、最終的な培地の除去は、吸引では行
なわない方が望ましい、なぜなら、上記の如くまで培地
を除去しようとした場合、かなりの吸引の力で吸引する
こととなり、培養面の培養液の除去も行なえるが、吸引
用のノズルにより、細胞をきずつけたり、細胞の乾燥を
させることになるからである。
【0038】培養液の除去の手段について96ウェルプ
レートを例に詳細に説明する。まず、凍結保護剤を含有
した培養液がウェルに満たされ一定時間低温下放置され
たプレートのウェルから培養液の一部を除去する。この
ときウェル中に残存している培養液の量を30μl〜5
0μlとする、ウェル開口部に吸水性を有するシートを
おき、プレートを逆さまにして、タッピングによって残
りの培養液を除去する、さらに培養器を逆さまにしたま
ま培養面を上にして、10分程度放置し、さらに培養液
を除去する。
【0039】または、遠心器により、培養液を除去する
方法もある。遠心の度合いは、10G〜50Gで10秒
〜1分程度で十分である。あまり高回転での除去は、細
胞内の水分がとられることになり望ましくない。遠心中
は培養器へは、外からの気流が培養面上の細胞乾燥させ
ないように、培養器内が密閉状態になるようにして行な
う。さらに、遠心器には、遠心中過度な過熱を避けるた
め、冷却機能を有する遠心機を用いるのが望ましい。遠
心機による培地の除去は、培地除去に要する時間の短縮
及び培地除去の度合いの均一化が図れ生産の観点から有
用である。
【0040】培養液が除去された状態では、過度な長時
間でなければ室温に放置しても細胞の剥離は起こらず、
凍結保護剤の細胞への毒性も防止できる。したがって、
多量の培養器を凍結しようとする際も、次に行なう包装
作業や凍結工程へある程度の枚数をまとめて作業を移行
させることが可能である。培養液を除去をし、細胞の凍
結は、今まで実施されなかった。なぜなら、従来の細胞
の凍結は、細胞は浮遊状態で凍結されており必要性がな
かったこともあるが、凍結保存中に細胞が乾燥する可能
性があったからである。
【0041】本発明者らは、凍結保護剤を含有した培養
液で処理したあと培養液を除去しても、細胞内の水分が
乾燥し難いことを見出し、さらに包装の形態に工夫を施
すことにより、凍結保存中も細胞を乾燥させることな
く、長期保存できることを見出した。
【0042】本発明における凍結保護剤含有培地除去後
の、耐乾燥性のメカニズムは良く判らないが、おそら
く、凍結保護剤は、水との親和性が高くかつ蒸発し難い
性質を有しており、凍結保護剤が細胞中に入ることによ
り、細胞中から水分が蒸発し難くなっており、さらに細
胞膜により細胞内の水分が蒸発し難くなっているためで
あると考えられる。逆に培養液が存在したほうが、培養
液の水分の昇華による濃縮が起こり、長期間凍結保存し
た場合解凍時に培地の浸透圧が高くなり、細胞へのダメ
ージが大きくなることも考えられる。
【0043】包装の形態も、培養液を除去した後の細胞
の乾燥を防止し、細胞の凍結保存性を高める手段として
重要である。包装において重要なのは、凍結から解凍ま
での間、培養器内を陰圧にしないことと、外部から培養
面への空気の流入をさせないことであった。
【0044】培養液中に細胞を浸漬させた状態での凍結
保存では、培養液が蒸発しないようになるべく多くの培
養液を入れ密閉系にすれば、細胞が乾燥することはな
く、凍結状態で気密性を保つための工夫を施せばよかっ
た。例えば、96ウェルプレートであれば、空気透過性
がなく密着性の良いシートをウェル開口部に導入すれば
よかった。
【0045】しかし、本発明における包装については全
く逆であり、プレートのウェルが気密状態に置かれる
と、凍結工程での温度の低下にともないウェル内の陰圧
化が起こり、細胞の乾燥が生じることがわかった。ま
た、一般の足場依存性動物細胞の培養に用いられる培養
器類は、フラスコを除いて、蓋と容器本体の間はかなり
の通気性を有しており、外へ空気が流出し易く細胞を乾
燥させる要因となる。また、外から培養面へ一機に到達
する空気の流れは、培養器の温度に比較し培養器外の空
気の温度が高い場合、培養面上への結露を惹起し、それ
により細胞層がダメージを受けることになる。
【0046】そこで、適度なガス透過性をもったシート
を培養器本体と蓋の間に挟みウェルを覆うことにより、
凍結時ウェル内の陰圧化が起こらず、かつウェル内を気
流が生じることなく凍結保存時の細胞の乾燥や培養面の
結露を防ぐことができる。その際、適度なガス透過性を
有するシートと蓋の間に発泡体のシートなどのクッショ
ン材を挟むなどして、通気性のシートをウェル開口部と
密着させるかあるいは、ヒートシールなどによりシール
する。適度なガス透過性をもつシートとしては、ろ紙
や、デュポン社のタイベックの商標で広く知られており
医療用具の包装や建材として用いられているスパンボン
ド不織布や、最近の野菜の保存用にポリエチレンやポリ
プロピレン等のシートにミクロな穴を開口させたシート
等が挙げられる。耐水性やヒートシールのしやすさを考
慮すると、スパンボンド不織布が好ましい。
【0047】長期の凍結保存性を得るためには、さらに
包装を施すと効果的である。包装の材質および形態とし
ては、細胞の乾燥の防止の観点から、空気の透過性の低
いシートからなる袋中に納めシールするのが最適であ
る。この際、注意しなければならないのは、包装に使用
する袋の容量が大きく、シールした際の包装中の空気が
蓄えられていることが必要である。その理由は、袋の容
量および空気量に余裕がないと、冷却した際に袋の中が
陰圧となり、培養器内も陰圧になり、細胞が乾燥するこ
とになるからである。
【0048】袋の容量としては、納められる培養器の外
形容量の1.5〜5倍が適当である、1.5倍の容量で
あれば、室温でフル容量で空気を蓄えシールし凍結した
場合、−80℃においても1気圧を保持することがで
き、培養器内の陰圧化を防止することができる、包装作
業における効率を考慮すると上記のような袋の容量が適
当である。袋の容量が培養器の容量の3〜4倍の袋を用
いれば、特に空気を注入することなく、培養器を中に納
めて袋の端をシールすれば、室温で培養器の容量の1.
5〜3倍のエアーを袋内に留めることができる。
【0049】この袋の材質としては、水分の透過性が小
さければ特に問題はなく、ポリエチレン製の袋で十分で
ある。さらに、外装として、ガス透過性の小さい袋、例
えばアルミ箔とプラスチックとのラミネートのシートか
らなる外袋中に納めることによって、液体窒素中での保
存が可能となり、より長期にわたる凍結保存が可能にな
る。
【0050】包装が終了したら、最後に凍結工程に移
る。凍結は徐々に温度を下げて行なう必要があり、少量
の凍結であればプログラムフリーザーを用いるのが良い
が、現在市販されているプログラムフリーザーは高価で
あり、また、また大容量のものはなく、一度に凍結でき
る培養器の数にも制限があり、販売等の目的で多量に凍
結するのには適さない。徐々に温度を下げる手段とし
て、発泡スチロール中に納めて凍結する方法も報告され
ているが、本発明では培養液を除去しているため培養器
内の温度降下が早く、一層の徐冷を行なった方が良く、
包装した後、さらに発泡シートなどの断熱性のあるシー
トよりなる袋中に納めた後、発泡スチロール製の箱中に
納め、ディープフリーザー中で凍結すればよい。あるい
は、上記の断熱性のシートを袋の上から、培養器底面あ
るいは全体を覆ったのち、外袋中に納めシールし、発泡
スチロール製の箱中に納め、ディープフリーザー中で凍
結しても良い。
【0051】最後に本発明の細胞付細胞培養器の解凍方
法について記載する。アンプルなどの中に細胞が凍結さ
れている場合、37℃温水中にアンプルなどを浸漬し、
速やかに解凍することが解凍時の細胞の生存率を確保す
るために必要とされており、確かに、細胞の解凍時間に
時間を要すると、解凍時の細胞の生存率は悪くなる。こ
の傾向は、培養面に足場依存性動物細胞が接着した状態
で凍結されている場合はより顕著に表れる。この要因
は、細胞の周りに大量に存在する培養液によるものであ
り、速やかに全体が解凍されないと、細胞内および細胞
の周りは培養液が溶けるまでの間、最も不安定なところ
で長時間とどまることになり、細胞への損傷を招くこと
によると思われる。
【0052】一方、本発明の細胞付細胞培養器では、細
胞の周りの培地が除去されているため、解凍における細
胞の温度上昇が滞ることなくおこなわれ、最も不安定な
温度領域を一機に通過できること、さらに細胞が扁平な
ことにより細胞内全体が均一に解凍されるため、室温放
置でもさらに培養器の薄肉化を図らなくとも、高い細胞
の生存性を保持した解凍が可能となっていると考えられ
る。むしろ、本発明では、外部から急激に加温するとに
より、培養器内で温度上昇に不均衡を生じさせると細胞
の生存率のばらつきが大きくなる。そのため、本発明の
細胞付細胞培養器の解凍方法としては室温での空気中の
放置が最も適当であると考えられる。さらに、上記のよ
うに解凍の際、培養器内の温度上昇をなるべく均等にす
るため、細胞培養器に96ウェルプレートのように多数
のウェルを有するプレートを用いる場合、ウェル底面が
各々分離した構造のプレートを選択するのが良い。
【0053】さらに、より安定した解凍を確保するため
には、包装から取り出さず、袋中に納めたままで解凍し
たほうがよい。解凍において、フリーザーから取り出し
培養器を包装等から取り出し直接、外気に触れさせる
と、外気に触れさせた瞬間に、培養器に霜が付着し、そ
の霜が解けるまでの間、温度上昇が滞ることになり、ま
た、培養器全体が均一に温度上昇することを妨げるた
め、局所的に細胞の死滅が認められることもある。ま
た、着霜のあと霜が解けることによる結露のため、菌の
コンタミの危険性が高まるこことになる。
【0054】包装の際、袋内に余分な空気が保持されて
いるため、包装が培養器の培養面に接触しない状態で、
室温に放置するこおことにより、袋外面に付着した霜に
よる温度上昇への影響もなく、プレート全体を均一に温
度上昇を図ることができる。さらには、エアーキャップ
などの熱伝導性の悪いシート上に培養器の蓋側を下にし
た状態でおけば、より均一に培養器全体を加温できる。
または、上記エアーキャップにより袋を作成しその中
に、包装ごと上記のように培養器を納め、実験台上に室
温放置しても良い。
【0055】本発明の方法では、培養器全体が培養液の
分注作業を行なう作業場所での温度にほぼ等しくなるま
で培養器の蓋をあけてはいけない、なぜなら、培養器、
特に培養面が冷たい状態で蓋を開けると、培養器に較べ
暖かい空気が、細胞と接し、細胞表面や培養面に結露を
生じ、細胞にダメージを与え、最悪の場合細胞は死滅す
るからである。上記のように培養器中に培養液が分注で
きるようになるまでのに必要な放置時間は、−80℃の
ディープフリーザーより取り出した96ウェルプレート
で約30分である。実験者が、まず培養器を室温放置を
開始し、培養液の準備等を行なうのに適度な時間であ
る。
【0056】本発明の細胞付培養器は、解凍後室温に2
時間程度放置しても、細胞の剥離や、細胞の生存率の低
下を招くことはなく、実験者は解凍中に解凍時間を気に
することはなく余裕をもって、実験の準備などを行なう
ことができる。現在、培養液の分注はロボットにより行
なうことはできるが、1枚あたりの分注作業に要する時
間は人手による分注の方がむしろ早い。細胞付の培養器
がロボットを使用することにおいて、メリットを出すこ
とができるのは、解凍後培養器への培養液分注まで時間
の余裕をもつことが出来、一度に多量の培養器を解凍
し、ロボットのストッカーに解凍済みの細胞培養器をセ
ットし、後は勝手にロボットが培養液の交換や分注を行
なえる状況である。本発明における細胞付培養器は、上
記のような理想に十分応えれれるものである。このよう
なことからも、本発明の細胞付培養器は、近年のロボッ
ト化にも十分対応できるものである。
【0057】
【実施例】以下実施例により本発明について、具体的に
説明する。 (実施例1)細胞培養用独立ウェル型96ウェルマルチ
ウェルプレート(住友ベークライト(株)製 品番 M
S−3096F)にHeLa細胞を播種した。培養液は
5%子牛血清を添加したMEM培地を用いた。1ウェルあ
たり約1万個細胞を播種し、培地量は100μl/ウェ
ルとし、炭酸ガスインキュベーター中で培養をおこなっ
た。顕微鏡観察により細胞密度が培養面の50%程度に
達したところで細胞とともに培養器ごと凍結した。凍結
の手順は次の通り行った。
【0058】培養してきた培地を50μl/ウェルを除
去し、培養面の乾燥を防ぐために蓋をして冷蔵庫中(4
℃)で40分放置した。同時にDMSOを20%(V/
V)の濃度で上記培養用の培地に添加し凍結用培地とし
て調製し氷冷した。この氷冷した凍結用培地を冷蔵庫中
で冷却したプレートの各ウェルに50μl/ウェル分注
し、再び冷蔵庫中で15分間放置した。その後、ウェル
内のDMSOを含有した培地を50μl除去し、プレー
トウェル開口面に滅菌した吸水性のシートを固定しプレ
ートに蓋をし、プレートを逆さまにした状態でプレート
用遠心ローターにかけ、10Gで1分間遠心し残りの培
地を除去した。
【0059】吸水性シートを除き、タイベックでウェル
開口部を覆い蓋をし、蓋とプレート本体をセロテープで
固定し、ポリエチレン製の袋(大きさ17cm×23c
m)に納め、平面上で袋の端をシールした。ポリエチレ
ン製の袋の上からプレートの底面側を発泡ポリエチレン
製のシートで覆い、ポリエチレン袋の余分な部分を底面
側に発泡ポリエチレンシートを挟むようにして折り曲
げ、アルミ箔とPETのラミネートシートよりなる外袋
(大きさ20cm×15cm)に納め、シールしディー
プフリーザー中で1分間あたり1℃の割合で−80℃ま
で冷却し凍結した。−80℃で保存し下記に示す確認試
験に供した。
【0060】(実施例2)HepG2細胞について、培
養液として10%牛胎児血清を添加したダルベッコ変法
MEM培地を用いた。以下実施例1と同様の条件で 細胞
付細胞培養器を製作および保存をおこなった。
【0061】(96ウェルプレートでの凍結保存後の解
凍時の生細胞率とウェル間のばらつきの検証)実施例
1、2を用いた。−80℃ディープフリーザー中で1、
2、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月間保存した。ディ
ープフリーザーより取り出し、外装袋からポリエチレン
製袋に納められた状態で取り出し、エアーキャップ製の
袋の中に納め、室温23℃の実験室で実験台上に置き、
30分放置した。各々の細胞用の培養用培養液を各ウェ
ル100μlを加えた。その後WST−8((株)同仁
化学研究所製)を各ウェルに10μl加え、2時間37
℃で炭酸ガスインキュベーター中培養し、生細胞数に応
じて生成されるホルマザン量をプレートリーダーによ
り、波長450nmでの吸光度測定した。プレート1枚9
6個のウェルの各々の吸光度より、細胞生存率およびプ
レート内生細胞数のばらつきを算出した。細胞生存率
は、凍結前の吸光度との比率より算出した。ばらつき
は、変動係数(CV値)で比較した。結果を表1に示
す。
【0062】(解凍時の細胞の剥離の状況の検証)実施
例1、2を用いた。−80℃ディープフリーザー中で1
週間保存した。ディープフリーザーより取り出し、外装
袋からポリエチレン製袋に納められた状態で取り出し、
エアーキャップ製の袋の中に納め、室温23℃の実験室
で実験台上に置き、30分放置した。各々の細胞用の培
養用の培地を各ウェル100μlを加え、即座に100
μl全量を吸引し、別の新たな96ウェルプレートのウ
ェル中に各々移した。
【0063】培地を移したプレートにWST−8
((株)同仁化学研究所製)を各ウェルに10μl加
え、2時間37℃で炭酸ガスインキュベーター中で培養
し、剥離しウェル中に存在する細胞数に応じて生成され
るホルマザン量をプレートリーダーにより、波長450
nmでの吸光度を測定した(測定値1)。さらに、解凍し
たプレートには、新たに培地100μl/ウェルを加
え、さらにWST−8を各ウェルに10μl加え、2時
間37℃で炭酸ガスインキュベーター中で培養し、ウェ
ル中に剥離せずに残った細胞数に応じて生成されるホル
マザン量をプレートリーダーにより、波長450nmでの
吸光度測定した(測定値2)。各々のウェルで 下記計
算式により、生細胞の剥離の割合を計算した、平均値お
よびばらつき(CV値)を結果としてを表2に示す。 剥離生細胞率(%)=((測定値1)/(測定値1+測
定値2))×100
【0064】(解凍後の室温放置時間と細胞の生存性の
検証)実施例1、2を用いた。−80℃ディープフリー
ザー中で1週間、保存した。ディープフリーザーより取
り出し、外装袋からポリエチレン製袋に納められた状態
で取り出し、エアーキャップ製の袋の中に納め、室温2
3℃の実験室で実験台上に置き、30分、1時間、2時
間放置した。各々の細胞用の培養用培養液を各ウェル1
00μlを加えた。
【0065】その後WST−8((株)同仁化学研究所
製)を各ウェルに10μl加え、2時間37℃で炭酸ガ
スインキュベーター中培養し、生細胞数に応じて生成さ
れるホルマザン量をプレートリーダーにより、波長45
0nmでの吸光度測定した。プレート1枚96個のウェル
の各々の吸光度より、細胞生存率およびプレート内生細
胞数のばらつきを算出した。細胞生存率は、凍結前の吸
光度との比率より算出した。ばらつきは、変動係数(c
v値)で比較した。結果を表3に示す。なお、WST−
8による吸光度の測定値は、細胞の存在しないウェルで
の吸光度をブランク値として、実際の吸光度からブラン
ク値を差し引いたものである。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】本発明の細胞付細胞培養器は、細胞解凍
時に培養面からの細胞の剥離がなく、解凍において空気
中での室温放置による解凍が可能で、解凍後の培養液の
分注まで時間的余裕があるため解凍後の作業工程が組み
易く、96ウェルプレートへの展開も特別なプレートや
解凍用の器具器械を準備する必要なく展開できる足場依
存性動物細胞付の細胞培養器として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月13日(2001.4.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】特開平1−16581号公報では37℃イ
ンキュベーター中に放置して解凍する方法がシャーレを
用いた場合において開示されているシャーレにおいて
は、ほぼ良好な細胞生存率を確保できている。しかし、
前記の公報に開示されている培養器の解凍方法を、複数
のウェルを有するプレート特に96ウェルプレートに適
用しようとした場合、一般に市販されている96ウェル
プレートでは、解凍後の細胞の生存率はゼロに等しかっ
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】本発明の培養器に使用する培養器の形態に
は特に制限はない。形態としてはシャーレ、細胞培養用
フラスコ、複数の培養分画をもった細胞培養用のプレー
ト、または、カバースリップと呼ばれる細胞培養用のフ
ィルム状の小片にも応用は可能である。中でも本発明の
適用において最も有用なのは96穴プレートなどのプレ
ート類である。複数のウェルを有するプレートの場合、
後で述べるが、解凍時の安定性を考慮すると、ウェルの
底面が各々独立した構造のものを選択するのが良い。培
養器の培養表面であるが、一般の培養器は足場依存性動
物細胞用に培養表面に親水化処理が施されている一般
の培養面の親水化処理の度合いは接触角で60度程度で
ある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】まず培養していた培養器を0〜10℃まで
冷却するこの際、培養液が全て入ったまま行っても良
いが、培養液を一部除去し冷却した方が早く冷却でき
る。冷却の方法は、冷蔵庫中に入れても良いし、氷上に
置いても良い。次に冷却された培養器に凍結保護剤を添
加した培養液を0〜10℃に冷却して加える。最終的
に、最適な凍結保護剤の濃度になるように、凍結保護剤
の濃度を調節した凍結保護剤含有培養液を調製してお
く。この冷却温度を保ため冷蔵庫中などで放置する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】培養液の除去は、細胞を乾燥させないよう
に行なわなければならない。培養液の除去は一般に吸引
により行われるが、最終的な培地の除去は、吸引では行
なわない方が望ましいなぜなら、上記の如くまで培地
を除去しようとした場合、かなりの吸引の力で吸引する
こととなり、培養面の培養液の除去も行なえるが、吸引
用のノズルにより、細胞をきずつけたり、細胞の乾燥を
させることになるからである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】袋の容量としては、納められる培養器の外
形容量の1.5〜5倍が適当である1.5倍の容量で
あれば、室温でフル容量で空気を蓄えシールし凍結した
場合、−80℃においても1気圧を保持することがで
き、培養器内の陰圧化を防止することができる包装作
業における効率を考慮すると上記のような袋の容量が適
当である。袋の容量が培養器の容量の3〜4倍の袋を用
いれば、特に空気を注入することなく、培養器を中に納
めて袋の端をシールすれば、室温で培養器の容量の1.
5〜3倍のエアーを袋内に留めることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】包装が終了したら、最後に凍結工程に移
る。凍結は徐々に温度を下げて行なう必要があり、少量
の凍結であればプログラムフリーザーを用いるのが良い
が、現在市販されているプログラムフリーザーは高価で
あり、また大容量のものはなく、一度に凍結できる培養
器の数にも制限があり、販売等の目的で多量に凍結する
のには適さない。徐々に温度を下げる手段として、発泡
スチロール中に納めて凍結する方法も報告されている
が、本発明では培養液を除去しているため培養器内の温
度降下が早く、一層の徐冷を行なった方が良く、包装し
た後、さらに発泡シートなどの断熱性のあるシートより
なる袋中に納めた後、発泡スチロール製の箱中に納め、
ディープフリーザー中で凍結すればよい。あるいは、上
記の断熱性のシートを袋の上から、培養器底面あるいは
全体を覆ったのち、外袋中に納めシールし、発泡スチロ
ール製の箱中に納め、ディープフリーザー中で凍結して
も良い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】本発明の方法では、培養器全体が培養液の
分注作業を行なう作業場所での温度にほぼ等しくなるま
で培養器の蓋をあけてはいけないなぜなら、培養器、
特に培養面が冷たい状態で蓋を開けると、培養器に較べ
暖かい空気が、細胞と接し、細胞表面や培養面に結露を
生じ、細胞にダメージを与え、最悪の場合細胞は死滅す
るからである。上記のように培養器中に培養液が分注で
きるようになるまでのに必要な放置時間は、−80℃の
ディープフリーザーより取り出した96ウェルプレート
で約30分である。実験者が、まず培養器を室温放置を
開始し、培養液の準備等を行なうのに適度な時間であ
る。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 足場依存性動物細胞が培養器の培養面に
    接着し、凍結保護剤を含有する培養液が培養面から除去
    された状態で、足場依存性動物細胞が培養器ごと凍結さ
    れていることを特徴とする細胞付細胞培養器。
  2. 【請求項2】 足場依存性動物細胞が凍結保護剤を含有
    している請求項1記載の細胞付細胞培養器。
  3. 【請求項3】 凍結保護剤としてDMSO(ジメチルス
    ルホキシド)を成分として含む請求項1又は2記載の細
    胞付細胞培養器。
  4. 【請求項4】 培養面における培養液の残留量が10μ
    l/cm2以下である請求項1〜3記載のいずれかの細
    胞付細胞培養器。
  5. 【請求項5】 培養器が1つ又は複数のウェルを有する
    シャーレまたは細胞培養用プレートであり、ウェル開口
    部と蓋の間に、通気性を有するシートが挟まれてウェル
    開口部に密着しているか、ウェル開口部にシールされて
    いる請求項1〜4記載のいずれかの細胞付細胞培養器。
  6. 【請求項6】 通気性を有するシートがスパンボンド不
    織布、ろ紙又はプラスチックシートに細孔を開けたシー
    トである請求項5記載の細胞付細胞培養器。
  7. 【請求項7】 (1)足場依存性動物細胞を培養器培養
    表面上で培養、(2)培養器内の培養液の全てまたは一
    部の除去、(3)0〜10℃の範囲内までの冷却、
    (4)冷却の温度を保ったまま凍結保護剤を含有する培
    養液の培養器内へ の分注、(5)冷却の温度を保っ
    たまま凍結保護剤を含有する培養液を培養器中に保持し
    ながら放置、(6)凍結保護剤を含有する培養液の除去 (7)さらに冷却して細胞を凍結する 工程から少なくとも構成されることを特徴とする細胞付
    細胞培養器の製造方法。
  8. 【請求項8】 凍結保護剤がDMSO(ジメチルスルホ
    キシド)である請求項7記載の細胞付細胞培養器の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 凍結保護剤がDMSO(ジメチルスルホ
    キシド)を含有した混合物である請求項7記載の細胞付
    細胞培養器の製造方法。
  10. 【請求項10】 放置時の凍結保護剤を含有する培養液
    中のDMSO(ジメチルスルホキシド)の含有量が5〜
    15%(V/V)である請求項7〜9記載のいずれかの
    細胞付細胞培養器の製造方法。
  11. 【請求項11】 培養表面が水滴での接触角が40度以
    下に親水化処理されている請求項7〜10記載のいずれ
    かの細胞付細胞培養器の製造方法。
  12. 【請求項12】 培養面における培養液の残留量が10
    μl/cm2以下まで培養液を除去する請求項7〜11
    記載のいずれかの細胞付細胞培養器の製造方法。
  13. 【請求項13】 培養器が1つ又は複数のウェルを有す
    るシャーレまたは細胞培養用プレートであり、凍結前に
    ウェル開口部と蓋の間に、通気性を有するシートを挟み
    ウェル開口部に密着させるか、ウェル開口部にシールす
    る請求項7〜12記載のいずれかの細胞付細胞培養器の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 通気性を有するシートがスパンボンド
    不織布、ろ紙又はプラスチックシートに細孔を開けたシ
    ートである請求項13記載の細胞付細胞培養器の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 培養器は、凍結前に通気性の低い包材
    に収納され且つ密封されている請求項7〜14記載のい
    ずれかの細胞付細胞培養器の製造方法。
  16. 【請求項16】 包材は内包材と外包材で構成され、外
    包材は内包材よりさらに通気性が低い請求項15記載の
    細胞付細胞培養器の製造方法。
  17. 【請求項17】 室温における包材中の気体の体積が、
    培養器容量の1.5〜4倍の範囲である請求項15又は
    16記載の細胞付細胞培養器の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜6のいずれかの細胞付細胞
    培養器又は請求項7〜17記載のいずれかの細胞付細胞
    培養器の製造方法により製造された細胞付細胞培養器を
    室温に放置することにより細胞の解凍を行なうことを特
    徴とする細胞付細胞培養器の使用方法。
  19. 【請求項19】 請求項15〜17記載のいずれかの細
    胞付細胞培養器の製造方法により製造された細胞付細胞
    培養器を包材中に収納した状態又は外包材より取り出し
    内包材に収納した状態で室温で放置することにより細胞
    を解凍することを特徴とする細胞付細胞培養器の使用方
    法。
  20. 【請求項20】 解凍する方法がエアーキャップシート
    の袋に収納して解凍する請求項18又は19記載の細胞
    付細胞培養器の使用方法。
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