JP6588153B2 - 培養容器及びそれを用いた自動培養装置 - Google Patents

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Description

本発明は、培養容器及びそれを用いた自動培養装置に関する。
従来、種々の細胞(浮遊系細胞、接着性細胞)の培養には、定期的に栄養分が含まれる培地培養液の交換が行われている。特に、代謝の速い細胞の培養には、高頻度に培養液の交換をする必要がある。従来、このような培地交換を含む細胞培養操作は、熟練オペレーターによりピペットを用いて行なわれているが、同時に多数培養容器の細胞培養は大変な労力が必要となる問題があった。最近、培養液の交換作業や培養作業向けの自動化システムの開発が盛んで行なわれている。その中、特に無菌性を維持できる閉鎖系培養容器と閉鎖系流路を用いる自動培養構成は注目されている(特許文献1)。
WO2014/049701号公報
特許文献1の構成では、自動培養装置で培養する場合、培養液や混合ガス等の供給及び排出を培養容器外部から培養容器に接続部を介して夫々接続した流路により実施する必要がある。そのため、複数の培養容器を同時に細胞培養に用いる場合、培養容器に接続する流路の構成は複雑化し、流路を培養容器に接続する作業は煩雑となり、作業ミスのリスク増大に繋がる可能性がある。
本発明の目的は、培養容器に接続する流路構成が簡単かつ小型になる培養容器及びそれを用いた自動培養装置を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明においては、培養容器であって、内部に培養空間を有する容器と、容器を封止する容器蓋部材と、容器に対して外部から流体移動を可能とする、容器蓋部材に設けられた第一の流路と、第一の流路の分岐の位置から分岐する第二の流路とを備え、第一の流路は、外部の流路と接続可能な接続部と第一のバルブを有し、第一のバルブは、分岐の位置と第一の流路の容器側の端部との間に設けられ、容器内からの流体を通過させることができ、容器内への流れを止めることができるものであり、第二の流路は、第二のバルブを有し、第二のバルブは、容器内への流体を通過させることができ、容器内からの流れを止めることができるものである培養容器を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、自動培養装置であって、少なくとも一つの培養容器と、培養容器内から排出される流体を収容する第一の収容部と、培養容器内へ供給される流体を収容する第二の収容部と、培養容器から、第一の収容部と第二の収容部に対して分岐して接続する培養容器外部の流路と、培養容器外部の流路に設けられた、流体の流れを制御する開閉バルブと、培養容器に対して流体の供給及び排出をするためのポンプと、開閉バルブとポンプの動作を制御する制御部とを有し、培養容器は、内部に培養空間を有する容器と、容器を封止する容器蓋部材と、容器に対して培養容器外部から流体移動を可能とする、容器蓋部材に設けられた第一の流路と、第一の流路の分岐の位置から分岐する第二の流路とを備え、第一の流路は、培養容器外部の流路と接続可能な接続部と第一のバルブを有し、第一のバルブは、分岐の位置と第一の流路の容器側の端部との間に設けられ、容器内からの流体を通過させることができ、容器内への流体の流れを止めることができるものであり、第二の流路は第二のバルブを有し、第二のバルブは、容器内への流体を通過させることができ、容器内からの流体の流れを止めることができるものである自動培養装置を提供する。
本発明によれば、培養容器に接続する流路構成が簡単かつ小型になる。
実施例1に係る培養容器の構成例を示す図である。 実施例1に係る自動培養装置の概略構成例を示す図である。 実施例1に係る逆止弁の構成例を示す図である。 実施例1に係る自動培養装置の培養液供給時の流れを示す図である。 実施例1に係る自動培養装置の培養液排出時の流れを示す図である。 実施例1に係る自動培養装置の混合ガス送気及び排気時の流れを示す図である。 実施例1に係る複数の培養容器の同時培養の構成例を示す図である。 実施例2に係る培養容器の構成例を示す図である。 実施例3に係る培養容器を用いた自動培養装置の培養液供給時の流れを示す図である。
以下、本発明の種々の実施例を図面に従い説明する。本明細書において、自動培養装置の流路を流れる気体、液体、気体及び液体を総称して流体と呼ぶ場合がある。また、本明細書において、バルブとは流体の通路を開閉できるしくみをもつ機器の総称を示し、弁という用語を使う場合があり、例えば開閉弁や逆止弁などが含まれる。更に、本明細書において、容器とはその内部に細胞の培養空間を有する容器自体を意味し、培養容器とは当該容器、容器蓋部材、及び容器外部から流体移動可能とする流路などを含む構造体を意味することとする。図面上の構成の番号について、他の図にて既に番号を付して説明したものについては、別の図にて図番号を省略する場合がある。また、自動培養装置を示す一部の図については、インキュベータ、制御部を構成する制御端末、インキュベータなどの温度を制御する温度制御ユニット等を省略した状態の図を示すこととする。
実施例1は、内部に培養空間を有する容器と、容器を封止する容器蓋部材と、容器に対して外部から流体移動を可能とする、容器蓋部材に設けられた第一の流路と、第一の流路の分岐の位置から分岐する第二の流路とを備え、第一の流路は外部の流路と接続可能な接続部と第一のバルブを有し、第一のバルブは、分岐の位置と第一の流路の容器側の端部との間に設けられ、容器内からの流体を通過させることができ、容器内への流れを止めることができるものであり、第二の流路は第二のバルブを有し、第二のバルブは、容器内への流体を通過させることができ、容器内からの流れを止めることができるものである培養容器と、それを用いた自動培養装置の実施例である。
図1Aは実施例1に係る培養容器の構成を示す図、図1Bは実施例1に係る培養容器を用いた自動培養装置の概略構成を示す図である。
まず、図1Aを用いて、実施例1に係る培養容器の構造例を説明する。培養容器101は、内部に細胞3の培養空間を有する第一の容器としての容器1と、容器1を封止する容器蓋部材9と、容器1外部からの培養液や混合ガス等の流体移動を可能とする、容器蓋部材9に設けられた第一の流路4と、第一の流路4から分岐の位置4Bで分岐する第二の流路6を備えている。同図に示すように、第二の流路6は第一の流路4より短く、第二の流路6は容器1内に保持された培養液2に届かない長さであり、第一の流路4は培養容器101を所定の角度で保持した時、容器1内の培養液2に届く長さを持つ。
また、第一の流路4は、流路内に第一のバルブである逆止弁5を有しており、第二の流路6は、流路内に第二のバルブである逆止弁7を有する。第一の流路4の逆止弁5は、分岐の位置4Bと第一の流路4の容器1側の端部4Aとの間に設けられる。第二の流路6の逆止弁7は、第一の流路4からの分岐の位置4Bと第二の流路6の容器側の端部6Aとの間に設けられる。
ここで、図中に示す逆止弁5、7において流体が通過できる方向は、図2に示す矢印の方向に従うものとする。つまり、第一の流路4の逆止弁5は、容器1内からの流体を通過させることができ、容器1内への流体の流れを止めることができるように設置され、第二の流路6の逆止弁7は、容器1内への流体を通過させることができ、容器1内からの流体の流れを止めることができるように設置される。他の図面に示される逆止弁5、7以外の逆止弁においても流体が通過できる方向は図2の方向になる。
容器1内における第一の流路4の位置は、容器1内に収容された培養液2の排出時に、第一の流路4の容器1側の端部4Aが、容器1の最下点に位置するように設置することが望ましい。そうすることで、培養容器101を任意の角度で保持した時、培養液2は容器1の最下点に集合するので、培養液2の排出効率を向上できる。
容器1内における第二の流路6の位置は、容器1に収容される培養液2の量により変更するべきであるが、容器1内に保持された培養液2に届かない流路の長さとすることにより、収容された培養液2の液面よりも上部となればよい。このように、第二の流路6が第一の流路4から分岐する構成によって、第一の流路4と第二の流路6を容器1内の異なる位置に配置することが可能である。
第一の流路4は、培養容器101の外部の流路と無菌的に接続可能な無菌接続部8を有する。容器1には、容器1内の気体を培養容器101の外部へ排出するために、排気口10が設けられる。排気口10には、気体通過時に培養容器101の外部から微生物等が侵入しないようにエアフィルタ11が設けられる。
次に、図1Bを用いて、実施例1に係る培養容器を用いた自動培養装置の構成例を説明する。培養容器101を用いた自動培養装置102は、培養容器101内から排出される液体である培養液16を収容する第一の収容部である排液用バッグ15と、培養容器101内へ供給される液体である培養液19を収容する第二の収容部である給液用バッグ18と、培養に必要な気体である混合ガスを培養容器内へ送気するための送気装置24を備える。
培養容器外部の流路13は、無菌接続部12を有しており、第一の流路4に設けられた無菌接続部8との合わせにより培養容器101に接続される。培養容器外部の流路13は、培養容器101から排液用バッグ15、給液用バッグ18、送気装置24に対して分岐して接続しており、分岐した夫々の流路に、流路の開閉を可能とする開閉バルブとしての電磁弁17、20、26が設けられる。
送気装置24と電磁弁26との間の流路にはエアフィルタ25が設けられる。培養容器外部の流路13には、更に、ポンプ14と、エアフィルタ22を備えた送気口23と、送気口23の開閉を可能とする開閉バルブとしての電磁弁21が設けられる。培養容器外部の流路13に設置されたポンプ14は、培養容器外部の流路13を通して容器1に対して流体や気体の供給及び排出を可能とする。
培養容器101は細胞の培養に最適な培養温度で保持する必要があるため、インキュベータ27内に設置され、インキュベータ27の外部に設置された温度制御ユニット28により温度調整を行うことができる。
制御部を構成する制御端末30は、通常の中央処理部(CPU)や記憶部、入出力インタフェース部等を備えるコンピュータ構成のパーソナルコンピュータ(PC)等とし、インキュベータ27外部に設置され、電気信号線29を介して、ポンプ14と、電磁弁17、20、21、26と、温度制御ユニット28などを制御することを可能とする。
以下、図3A、図3B、図3Cを用いて本実施例の自動培養装置102の培養容器101の培養液の交換手順を説明する。まず、図3Aに示すように、容器1から培養液2の排出時は、電磁弁17のみを開状態とする。ポンプ14の稼働により容器1から培養液2を、第一の流路4の逆止弁5、無菌接続部8及び12、培養容器外部の流路13、開状態の電磁弁17を通して排液用バッグ15に排出する。
ここで、第二の流路6の逆止弁7は容器1内からの流体の流れを止める構成であるため、第二の流路6は逆止弁7により閉状態になっている。そのため、第二の流路6から流体が逆流することを防ぎ、流路内の圧力を下げることなく、効率的に培養液2を回収できる。
次に、図3Bに示すように、培養液19の供給時は、電磁弁17を閉状態にし、電磁弁20を開状態にする。ポンプ14の稼働により給液用バッグ18から培養液19を開状態の電磁弁20、培養容器外部の流路13、無菌接続部12及び8、第二の流路6の逆止弁7を通して容器1に供給する。
ここで、ポンプ14を稼働したまま電磁弁21を開にすることにより、培養容器外部の流路13内に送気口23からエアフィルタ22を通して気体を導入して培養容器外部の流路13内に残留する培養液を容器1に十分に供給することも可能である。
最後に、図3Cに示すように、細胞培養に必要な混合ガスは、開閉バルブである電磁弁26のみを開状態にし、混合ガスを送気装置24からエアフィルタ25、開状態の電磁弁26、培養容器外部の流路13、無菌接続部12及び8、培地の供給流路6の逆止弁7を通して容器1に供給し、容器1の排気口10とエアフィルタ11より容器1から排出する。
本実施例の構成では、培養容器101に設けられた第一の流路4と第二の流路6にそれぞれ設けられた逆止弁5と逆止弁7の働きによって、第一の流路4より、容器1から培養液2の排出を行い、第一の流路4から分岐する第二の流路6より、容器1へ培養液19の供給と混合ガスの送気を行うことを可能とする。すなわち、第一のバルブである逆止弁5は、容器1から第一の収容部である排液用バッグ15へ排出される液体を通過させることができ、第二の収容部である給液用バッグ18から容器1へ供給される液体及び、送気装置24から供給される気体の流れを止めることができるものであり、第二のバルブである逆止弁7は、給液用バッグ18から容器1へ供給される液体及び、送気装置24から供給される気体を通過させることができ、容器1から排液用バッグ15へ排出される液体の流れを止めることができる。
このように、本実施例により、培養液の供給及び排出と、混合ガスの送気のために培養容器に接続する流路を共通化することで、培養容器に設ける接続部を減らすことができ、培養容器に接続する流路構成が簡単かつ小型になる。
本実施例の自動培養装置は、培養液の供給及び排出、混合ガスの送気及び排気の機構を有しているが、同様な流路を培養容器外部の流路に追加すれば、それ以外の例えば細胞播種、流路洗浄、細胞剥離酵素の導入、細胞懸濁液の回収などを実施することも可能である。
また以上の説明には、1個の培養容器101を搭載した自動培養装置の構成を示して説明したが、複数の培養容器101の接続部各々と接続される複数の開閉弁を、培養容器外部の流路に接続する分岐部を有する自動培養装置の構成とすることもできる。すなわち、図4に示す他の構成例のように、複数の培養容器101を搭載し、無菌接続部8及び12、開閉弁である電磁弁32、分岐部31を介して、夫々の培養容器101を培養容器外部の流路13に接続し、制御端末30により順次開閉弁である電磁弁17、20、21、26、32とポンプ14の切換え制御を実行することにより流体の流れを制御すれば、同時に複数の培養容器101に対する培養液の供給及び排出、混合ガスの送気及び排気の操作を行うこともできる。
本実施例の培養容器には、樹脂などの耐高湿度性、滅菌処理対応可能な材料を使用することが望ましい。それにより、ガンマ線など滅菌対応とすることができ、理化学用途と再生医療用途に適用可能となる。
なお、本実施例の図1−図4では、流路4について縦方向で説明したが、横方向や斜め方向の流路にも適用できる。容器1内における第二の流路6の位置は、容器1内に収容される培養液2の液量により変更すべきであるが、例えば、図示しないが培養液面の位置を計測する位置センサを自動培養装置102に備え、位置センサの位置情報を基に制御端末30により培養液19の供給量を調節することで、第二の流路6の位置が培養液2の上部になるようにすることも可能である。
また、図示しないが、顕微鏡より撮像された細胞画像が、制御端末30に入力され、或いはネットワークを介して制御端末30からデータサーバに送信され、種々の画像処理用のソフトウェアにより細胞画像の画像処理も実施可能である。
実施例1に係る培養容器及びそれを用いた自動培養装置は、その構成の一部を変更することで、二層培養にも適応可能である。実施例2として、二層培養に適用した二層構造の培養容器、並びに自動培養装置の実施例を説明する。すなわち、実施例2は実施例1の構成に加え、容器内に収容し保持され、内部に培養空間を有する上層容器と、上層容器に対して外部から流体移動を可能とする、容器蓋部材に設けられた第三の流路と、第三の流路の分岐の位置から分岐する第四の流路とを更に備え、第三の流路は、外部の流路と接続可能な接続部と第三のバルブを有し、第三のバルブは、第三の流路の分岐の位置と第三の流路の上層容器側の端部との間に設けられており、上層容器内からの流体を通過させることができ、上層容器内への流体の流れを止めることができるものであり、第四の流路は第四のバルブを有し、第四のバルブは、上層容器内への流体を通過させることができ、上層容器内からの流体の流れを止めることができるものである培養容器と、それを用いた自動培養装置の実施例である。
再生医療において注目されている、ES(Embryonic Stem)細胞やiPS(induced Pluripotent Stem)細胞、および皮膚上皮細胞、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞といった細胞種と、培養時に栄養分を提供する役割を担うフィーダー細胞を共培養する場合、フィーダー細胞と治療に用いられる細胞は分離された状態で培養することが望ましく、二層構造の培養容器にて二層培養することが望ましい。
図5は、実施例2に係る二層構造の培養容器を示す図である。同図において、二層構造の培養容器103は、内部に細胞3の培養空間を有する第二の容器としての上層容器33、フィーダー細胞34、第三の流路35、第三の流路35の第三のバルブである逆止弁36、第四の流路37、第四の流路37の第四のバルブである逆止弁38、無菌接続部39を備える。これら以外の部分については実施例1と同様の構成を備えるので、ここでは説明を省略する。
二層構造の培養容器103において、内部に細胞34の培養空間を有する容器1は、更に内部に培養空間を有する上層容器33を収容し、保持している。上層容器33に対して容器1外部からの培養液等の流体移動を可能とするため、容器蓋部材9に、第三の流路35と、第三の流路から分岐する第四の流路37が設けられる。
第三の流路35は、流路内に逆止弁36を有しており、第四の流路37は、流路内に逆止弁38を有している。第三の流路35の逆止弁36は、第一の流路4の逆止弁5同様、第三の流路35の分岐の位置と、第三の流路35の上層容器側の端部35Aとの間に設けられる。
第三の流路35の逆止弁36は、図2で説明した通り、上層容器33内からの流体を通過させることができ、上層容器33内への流体の流れを止めることができるように設置され、第四の流路37の逆止弁38は、上層容器33内への流体を通過させることができ、上層容器33内からの流体の流れを止めることができるように設置される。
上層容器33内における第三の流路35の位置は、上層容器33内に収容された培養液2の排出時に、第三の流路35の上層容器側の端部35Aが、上層容器33の最下点に位置するように設置することが望ましい。そうすることで、二層構造の培養容器103を任意の角度で保持した時、培養液2は上層容器33の最下点に集合するので、培養液2の排出効率を向上できる。
上層容器33内における第四の流路37の位置は、上層容器33に収容される培養液2の量により変更するべきであるが、収容された培養液2の液面よりも上部であればよい。また、第三の流路35は、培養容器外部の流路と無菌的に接続可能な無菌接続部39を有する。
本実施例の二層構造の培養容器103を実施例1で説明した自動培養装置に適応し、実施例1における細胞3の培養の上層容器33内で行い、容器1内の底面でフィーダー細胞34を保持し、容器1と上層容器33のそれぞれにおいて実施例1と同様の手順で培養液2の交換等を行うことで、フィーダー細胞を用いた二層共培養が可能となる。
なお、本実施例の二層構造の培養容器103は、フィーダー細胞を用いた二層共培養を実施することに限定されるものでなく、容器1と上層容器33の夫々に異なる細胞腫を培養することも、同じ細胞腫を培養することも可能である。
本実施例の構成でも、上記実施例1の一層培養の場合と同様の効果を有する。すなわち、二層構造の培養容器に設ける接続部を減らすことができ、培養容器に接続する流路構成を簡単かつ小型にすることができる。
培養液を培養容器内へ供給する際に、培養液に気泡が発生すると、気泡の破裂時の衝撃による細胞への影響と、気泡が疎水性であるために培養液中のタンパク構造が変化してしまうという培養液への影響が考えられる。そこで、気泡の発生を低減するための工夫を要する場合がある。
実施例3は、実施例1の構成に加え、培養液の気泡の発生を低減することが可能な培養容器及びそれを用いた自動培養装置の実施例である。すなわち、実施例1の構成に加え、第一の流路から分岐する第二の流路の容器側の端部が、容器の内壁に近接して設けられる培養容器と、それを用いた自動培養装置の実施例である。
実施例1では、図1に示したように、容器1に培養液19を供給する第二の流路6は、第一の流路4より短い形状にし、培養液2の液面より上部に設置することで、培養液や混合ガス等を供給する時に培養液中で気泡が発生することを抑えられる。実施例3では、更に、培養液の供給時の気泡の発生を低減するのに適した培養容器の構成を提供する。
図6に示すように、第二の流路の形状の更なる工夫として、第二の流路6を第一の流路4の分岐の位置4Bから容器1の内壁に向かって分岐させ、流出する流体を容器1の内壁に沿わせるため、第二の流路6の容器側の端部6Aを容器1の内壁に近接して設置する。ここで内壁に近接して設置するとは、第二の流路6の容器側の端部6Aを、第二の流路6から流出する流体を容器の内壁に沿わせる距離に近づけて設置することを意味する。
本実施例の構成により、培養液19の供給時の流れの勢いで培養液2において気泡が発生するのを低減することができる。実施例3の構成を採ることで、実施例1同様、培養容器に接続する流路構成が簡単かつ小型になり、更に、培養液供給時の細胞と培養液への気泡による影響を低減することができる。なお、本実施例で説明した第二の流路の容器側の端部6Aを容器1の内壁に近接させる構成は、実施例2における上層容器33の内壁と第四の流路の上層容器側の端部37Aとの位置関係に対しても適用することが可能である。
本実施例によれば、培養液の気泡の発生を低減し、細胞と培養液への影響を低減することが可能な培養容器と、それを用いた自動細胞装置を提供することができる。
以上、本発明の種々の実施例を説明したが、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の様々な変形例が含まれる。例えば、上記の各実施例において、第一、第二のバルブとして逆止弁を例示して説明したが、逆止弁に代え、それぞれ容器内からの流体を通過させることができ、且つ容器内への流体の流れを止めることができるものであり、或いは容器内への流体を通過させることができ、且つ容器内からの流体の流れを止めることができるものであれば、他の構造の弁を使って良い。第三、第四のバルブについても同様である。
また、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
更に、上述した各構成、機能、制御部等は、それらの一部又は全部を実現するCPU用プログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。すなわち、制御部の全部または一部の機能は、プログラムに代え、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などにより実現してもよい。
1 容器
2、16、19 培養液
3 細胞
4 第一の流路
4A 第一の流路の容器側の端部
4B 第一の流路の分岐の位置
5、7、36、38 逆止弁
6 第二の流路
6A 第二の流路の容器側の端部
8、12、39 無菌接続部
9 容器蓋部材
10 排気口
11、22、25 エアフィルタ
13 培養容器外部の流路
14 ポンプ
15 排液用バッグ
17、20、21、26、32 電磁弁
18 給液用バッグ
23 送気口
24 送気装置
27 インキュベータ
28 温度制御ユニット
29 電気信号線
30 制御端末
31 分岐部
33 上層容器
34 フィーダー細胞
35 第三の流路
35A 第三の流路の上層容器側の端部
37 第四の流路
37A 第四の流路の上層容器側の端部
101 培養容器
102 自動培養装置
103 二層構造の培養容器

Claims (14)

  1. 培養容器であって、
    内部に培養空間を有する容器と、
    前記容器を封止する容器蓋部材と、
    前記容器に対して外部から流体移動を可能とする、前記容器蓋部材に設けられた第一の流路と、
    前記第一の流路の分岐の位置から分岐する第二の流路と、を備え、
    前記第一の流路は、外部の流路と接続可能な接続部と第一のバルブを有し、前記第一のバルブは、前記分岐の位置と前記第一の流路の前記容器側の端部との間に設けられ、前記容器内からの流体を通過させることができ、前記容器内への流体の流れを止めることができるものであり、
    前記第二の流路は、第二のバルブを有し、前記第二のバルブは、前記容器内への流体を通過させることができ、前記容器内からの流体の流れを止めることができるものであり、
    前記第一のバルブ、前記第二のバルブは、それぞれ逆止弁である
    ことを特徴とする培養容器。
  2. 請求項1に記載の培養容器であって、
    前記接続部は、前記容器に対して前記外部の流路を無菌的に接続可能である、
    ことを特徴とする培養容器。
  3. 請求項1に記載の培養容器であって、
    前記容器は排気口を有する、
    ことを特徴とする培養容器。
  4. 請求項1に記載の培養容器であって、
    前記第一の流路から分岐する前記第二の流路の容器側の端部が、前記容器の内壁に近接して設けられる、
    ことを特徴とする培養容器。
  5. 請求項1に記載の培養容器であって、
    前記容器内に収容し保持され、内部に培養空間を有する上層容器と、
    前記上層容器に対して前記外部から流体移動を可能とする、前記容器蓋部材に設けられた第三の流路と、
    前記第三の流路の分岐の位置から分岐する第四の流路と、を更に備え、
    前記第三の流路は、前記外部の流路と接続可能な接続部と第三のバルブを有し、
    前記第三のバルブは、前記第三の流路の分岐の位置と前記第三の流路の前記上層容器側の端部との間に設けられており、前記上層容器内からの流体を通過させることができ、前記上層容器内への流体の流れを止めることができるものであり、
    前記第四の流路は、第四のバルブを有し、前記第四のバルブは、前記上層容器内への流体を通過させることができ、前記上層容器内からの流体の流れを止めることができるものである、
    ことを特徴とする培養容器。
  6. 請求項に記載の培養容器であって、
    前記第三のバルブ、前記第四のバルブは、逆止弁である、
    ことを特徴とする培養容器。
  7. 請求項に記載の培養容器であって、
    前記第三の流路の前記接続部は、前記上層容器に対して前記外部の流路を無菌的に接続可能である、
    ことを特徴とする培養容器。
  8. 請求項に記載の培養容器であって、
    前記第三の流路から分岐する前記第四の流路の上層容器側の端部が、前記上層容器の内壁に近接して設けられる、ことを特徴とする培養容器。
  9. 自動培養装置であって、
    少なくとも一つの培養容器と、
    前記培養容器内から排出される流体を収容する第一の収容部と、
    前記培養容器内へ供給される流体を収容する第二の収容部と、
    前記培養容器から、前記第一の収容部と前記第二の収容部に対して分岐して接続する培養容器外部の流路と、
    前記培養容器外部の流路に設けられた、流体の流れを制御する開閉バルブと、
    前記培養容器に対して流体の供給及び排出をするためのポンプと、
    前記開閉バルブと前記ポンプの動作を制御する制御部と、を有し、
    前記培養容器は、
    内部に培養空間を有する容器と、
    前記容器を封止する容器蓋部材と、
    前記容器に対して前記培養容器外部から流体移動を可能とする、前記容器蓋部材に設けられた第一の流路と、
    前記第一の流路の分岐の位置から分岐する第二の流路と、を備え、
    前記第一の流路は、前記培養容器外部の流路と接続可能な接続部と第一のバルブを有し、
    前記第一のバルブは、前記分岐の位置と前記第一の流路の前記容器側の端部との間に設けられ、前記容器内からの流体を通過させることができ、前記容器内への流体の流れを止めることができるものであり、
    前記第二の流路は、第二のバルブを有し、前記第二のバルブは、前記容器内への流体を通過させることができ、前記容器内からの流体の流れを止めることができるものである、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  10. 請求項に記載の自動培養装置であって、
    前記培養容器へ送気を行う送気装置を更に有し、前記培養容器外部の流路は、前記送気装置に対して分岐して接続し、
    前記容器は排気口を備える、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  11. 請求項に記載の自動培養装置であって、
    前記第一のバルブは、前記容器から前記第一の収容部へ排出される液体を通過させることができ、前記第二の収容部から前記容器へ供給される液体の流れを止めることができるものであり、
    前記第二のバルブは、前記第二の収容部から前記容器へ供給される液体を通過させることができ、前記容器から前記第一の収容部へ排出される液体の流れを止めることができるものである、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  12. 請求項に記載の自動培養装置であって、
    前記培養容器へ送気を行う送気装置を更に有し、前記第一のバルブは、前記容器から前記第一の収容部へ排出される液体を通過させることができ、前記第二の収容部から前記容器へ供給される液体及び、前記送気装置から供給される気体の流れを止めることができるものであり、
    前記第二のバルブは、前記第二の収容部から前記容器へ供給される液体及び、前記送気装置から供給される気体を通過させることができ、
    前記容器から前記第一の収容部へ排出される液体の流れを止めることができるものである、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  13. 請求項に記載の自動培養装置であって、
    前記培養容器の収容するインキュベータと、前記インキュベータ内の温度を制御する温度制御ユニットを更に有する、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  14. 請求項に記載の自動培養装置であって、
    複数の前記培養容器の前記接続部各々と接続される複数の開閉弁を前記培養容器外部の流路に接続する分岐部を更に有する、
    ことを特徴とする自動培養装置。
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