JP2007122879A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、雑音防止効果に優れ、かつ、生産性に優れたスパークプラグを提供すること。
【解決手段】軸方向に形成された貫通孔5を有し、前記貫通孔5が第1貫通孔5aとこれよりも孔径の大きい第2貫通孔5bとからなる絶縁体2に対し、前記貫通孔5の前記第1貫通孔5a側に中心電極3が固定され、前記貫通孔5の前記第2貫通孔5b側に端子金具23が固定されてなるスパークプラグ100であって、前記第2貫通孔5b内における前記中心電極3と前記端子金具23との間に少なくともセラミック焼結体からなるセラミック焼結体抵抗器21が配置されてなり、前記セラミック焼結体抵抗器21の長さが前記第2貫通孔5bの長さの40%以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関に使用されるスパークプラグに関し、特に電波ノイズ発生防止用のセラミック焼結体抵抗器を組み込んだスパークプラグに関する。
従来より、内燃機関用スパークプラグとして、軸方向に貫通孔を有する筒状の絶縁体と、この貫通孔内の一方の端部に嵌め込まれた中心電極と、貫通孔内の他方の端部に嵌め込まれた端子金具と、絶縁体の外周に嵌め合わされた主体金具とを備えたものが知られている。そして、中心電極および端子金具と絶縁体の貫通孔との間の気密は、一般に金属粉末とガラス粉末の混合物からなる導電性ガラスシール材を中心電極と端子金具との間の貫通孔内に充填するガラスシール法により行われ、これにより中心電極と端子金具との電気的な接続も同時に行われる。
このような内燃機関用スパークプラグは、火花放電の際に妨害電波を発生し各種の電子機器に障害を与える。このためスパークプラグとしての機能と電波ノイズ防止器としての機能を合わせ持った抵抗入りスパークプラグが考え出されている。抵抗入りスパークプラグとしては、その抵抗体の性状によりモノリシック式とカートリッジ式とに大別されている。
モノリシック式のスパークプラグは、例えば中心電極を絶縁体の貫通孔内に差し込み、さらにその中心電極の後端側の貫通孔内にガラス粉末と金属粉末を混合した導電性ガラスシール材粉末、セラミック粉末、カーボンブラック、炭質物質およびガラス粉末等を混合したガラス質抵抗体組成物粉末、上述の導電性ガラスシール材粉末を順に充填し、これらを高温(例えば800℃〜1000℃)に加熱して、導電性ガラスシール材粉末およびガラス質抵抗体組成物粉末を軟化させた状態で端子金具を絶縁体の貫通孔内に熱間加圧することにより中心電極と端子電極との間を封着することにより製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなモノリシック式のスパークプラグにおいては、主に導電性ガラスシール材粉末およびガラス質抵抗体組成物粉末を絶縁体の貫通孔内に充填、加熱する工程で済むため、生産工程が少なく生産性に優れており、また耐久性にも優れている。
一方、カートリッジ式のスパークプラグは、例えば中心電極を絶縁体の貫通孔内に差し込み、ガラス粉末と金属粉末を混合した導電性ガラスシール材を充填した後、絶縁物の表面に螺旋状に電気抵抗材料を形成した巻線抵抗器を挿入し、さらに導電性ガラスシール材を充填し、これらを高温(例えば800℃〜1000℃)に加熱して、導電性ガラスシール材を軟化させた状態で端子電極を絶縁体の貫通孔内に熱間加圧することにより中心電極と端子電極との間を封着することにより製造されている。
この巻線抵抗器としては、例えば円柱状の絶縁物の表面に螺旋状の溝が形成され、その螺旋状の溝に抵抗被膜が形成されたもの(例えば、特許文献2参照。)、円柱状の絶縁物の表面に螺旋状に電気抵抗材料を印刷して焼結したもの(例えば、特許文献3参照。)、また、被膜の抵抗値やその温度依存性から被膜の厚さを特定の厚さとしたもの(例えば、特許文献4参照。)等が挙げられる。一般に、巻線抵抗器を用いたカートリッジ式のスパークプラグは、モノリシック式のものに比べて雑音電流が少なく、雑音防止効果に優れている。
特開昭51−27494号公報 特開昭49−116559号公報 特開昭61−135079号公報 特開平1−283784号公報
しかしながら、モノリシック式のスパークプラグにおいては、生産性、耐久性に優れているものの、絶縁体への導電性ガラスシール材粉末およびガラス質抵抗体組成物粉末の充填、その後の絶縁体の貫通孔内への端子金具の熱間加圧等の製造上の制約から、絶縁体貫通孔の長さに対する抵抗体の長さを十分に長くすることが困難であり、雑音防止効果を向上させることが困難となっている。
また、巻線抵抗器を用いたカートリッジ式のスパークプラグにおいては、雑音防止効果に優れているものの、電気抵抗材料からなる巻線が断線しやすく耐久性が十分でない。また、気密性を向上させるために導電性ガラスシール材粉末を高温に加熱して封着を行う場合、巻線がこの高温での加熱に耐えられないことがある。このため、導電性ガラスシール材粉末を高温に加熱して封着を行うために封着用端子を用いることが検討されているが、封着用端子を用いた場合、封着用端子の長さのために絶縁体貫通孔の長さに対する巻線抵抗器の長さを十分に取ることが困難であり、雑音防止効果を向上させることは困難となっている。
特に、近年ではコンピュータを用いて複雑に制御を行う内燃機関が増加しており、スパークプラグに対する雑音防止の要求が高くなってきている。本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、耐久性、雑音防止効果に優れ、かつ、生産性に優れたスパークプラグを提供することを目的としている。
本発明のスパークプラグは、軸方向に延びる貫通孔を有し、該貫通孔が第1貫通孔及び該第1貫通孔よりも後端側に当該第1貫通孔よりも孔径が大きい第2貫通孔となる絶縁体と、前記絶縁体の第1貫通孔内に配置される中心電極と、前記絶縁体の第2貫通孔内に配置される端子金具と、を備えるスパークプラグであって、
前記第2貫通孔内に、導電性セラミック焼結体で形成されると共に、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続するセラミック焼結体抵抗器が配置されてなり、前記セラミック焼結体抵抗器の軸方向長さが前記第2貫通孔の軸方向長さの40%以上であることを特徴とする。
本発明では、このような抵抗体として予め焼結されたセラミック焼結体抵抗器を絶縁体の第2貫通孔に挿入するものとすることで、従来のような製造上の長さの制約を受けず、セラミック焼結体抵抗器の長さを十分に長くすることができる。これにより、中心電極と端子電極との間の実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、雑音防止効果を大きくすることができる。
そして、セラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)を第2貫通孔の長さ(LH)の40%以上とする((LR/LH)×100≧40)ことで、中心電極と端子電極との間の実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、十分な雑音防止効果を得ることが可能となる。なお、セラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)が第2貫通孔の長さ(LH)の40%未満であると、十分な効果を得られにくい。さらに、より好ましいセラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)は、第2貫通孔の長さ(LH)の50%以上である((LR/LH)×100≧50)。
また、本発明のスパークプラグは、前記中心電極の後端及び前記セラミック焼結体抵抗器の先端を固着し、ガラス成分を主成分とするシール部をさらに備えると好ましい。このように、中心電極を固着するシール部にセラミック焼結体抵抗器をさらに固着することで、別途、封着用端子等を用いる必要がなく、セラミック焼結体抵抗器の長さを十分に取ることができ、雑音防止効果を向上させることができる。
また、本発明のスパークプラグは、前記中心電極の後端と前記セラミック焼結体抵抗器の先端との距離が0.5〜1.5mmであることが好ましい。中心電極の後端と前記セラミック焼結体抵抗器の先端との距離が1.5mm以下となることで、セラミック焼結体抵抗器がより中心電極側(発火部側)に近づくこととなり、雑音防止効果がより向上する。一方、中心電極の後端と前記セラミック焼結体抵抗器の先端との距離が0.5mm以上となることで、中心電極及びセラミック焼結体抵抗器の固着力を保つことができる。
また、本発明のスパークプラグは、前記シール部が前記セラミック焼結体抵抗器の先端側外側面と前記第2貫通孔の内周面との間隙に充填された充填部を有し、
前記充填部は、前記セラミック焼結体抵抗器の先端から軸方向の距離が10mm以下で延在していることが好ましい。このようにセラミック焼結体抵抗器の先端側外側面と第2貫通孔の内周面との間隙に充填部を有することで、セラミック焼結体抵抗器をシール部により確実に固着することができる。そして、この充填部の軸方向の距離が長い程、より確実に固着できる。しかし、抵抗値の小さい充填部の距離が長くなればなるほど、その充填部に対応するセラミック焼結体抵抗器が抵抗体として機能しなくなり、実質的に用いられるセラミック焼結体抵抗器の軸方向長さが短くなる。よって、雑音防止効果が低下する。そこで、上述のようにこの充填部の軸方向距離を10mm以下とすることで、セラミック焼結体抵抗器の軸方向長さをできる限り確保し、雑音防止効果の低下を抑制しつつ、かつシール部でセラミック焼結体抵抗器を確実に固着することができる。
また、本発明のスパークプラグは、前記セラミック焼結体抵抗器が、軸線を通る断面において、先端面と側面とが形成する角部が略直角であることが好ましい。これにより、セラミック焼結体抵抗器の先端側外側面と貫通孔の内周面との間隙にシール部を形成するシール材料が入りにくくなり、充填部の軸方向距離を10mm以下とすることが容易にできる。
また、本発明のスパークプラグは、前記セラミック焼結体抵抗器を通り、前記軸線方向に垂直な断面にて切断したとき、前記セラミック焼結体抵抗器の断面積は、前記第2貫通孔の断面積の90%以上であることが好ましい。このように、セラミック焼結体抵抗器の断面積が、第2貫通孔の断面積の90%以上となることで、十分な雑音防止効果を得ることができる。なお、第2貫通孔の断面積の90%未満である場合、十分な雑音防止効果が得られないことがある。さらに、セラミック焼結体抵抗器21の断面積は、好ましくは第2貫通孔の95%以上である。
また、本発明のスパークプラグは、前記セラミック焼結体抵抗器の後端側外側面と前記第2貫通孔の内周面との間隙に充填された絶縁部材をさらに備えることが好ましい。セラミック焼結体抵抗器と第2貫通孔の内周面に間隙が形成されていると、スパークプラグが振動することでセラミック焼結体抵抗器が振動していまい、セラミック焼結体抵抗器に亀裂や折損が生じてしまう虞がある。そこで、その間隙に絶縁部材を介在させることで、セラミック焼結体抵抗器の亀裂や折損を防止することができる。なお、この絶縁部材としては、ガラスが好ましい。
さらに、本発明のスパークプラグは、前記セラミック焼結体抵抗器に、導電性成分として酸化スズを含むことが好ましい。導電性粉末として酸化スズを主として用いることで、セラミック焼結体抵抗器の抵抗値を容易に調整することが可能となり、またその実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、十分な雑音防止効果を得ることができる。
本発明によれば、絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に抵抗体を配置したスパークプラグにおいて、絶縁体の貫通孔を第1貫通孔とこれよりも径大な第2貫通孔とからなるものとし、抵抗体を第2貫通孔の軸方向長さの40%以上の軸方向長さを有する予め焼成されたセラミック焼結体抵抗器とし、かつ、第2貫通孔の外部より挿入、固定したものとすることにより、生産性に優れ、かつ、耐久性、雑音防止効果に優れたスパークプラグとすることが可能となる。
以下、本発明について説明する。図1に、本発明に係るスパークプラグ100の一例を示す。スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、この主体金具1の内部に設けられ、主体金具1から先端部2aが突出するように嵌め込まれた絶縁体2、および、この絶縁体2の内部に設けられ、絶縁体2から先端部である発火部3aが突出するように設けられた中心電極3を有する。なお、本実施形態において、図中の下側を先端側とし、図中の上側を後端側とする。中心電極3の内部には、放熱促進のための芯材3bが埋設されている。
主体金具1の先端部には、一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返され、その側面に設けられた発火部4aが中心電極3の発火部3aと対向するように接地電極4が設けられている。この接地電極4には、芯材が埋設されていてもよい。これら中心電極3の発火部3aと接地電極4の発火部4aとの間の隙間が火花放電ギャップgとされている。これら中心電極3の発火部3aおよび接地電極4の発火部4aは一方又は双方を省略してもよい。
上述したような接地電極4および中心電極3は、主としてNi合金やFe合金等で構成される。また、中心電極3の内部に放熱促進のために埋設される芯材3bは、CuあるいはCu合金等で構成される。中心電極3の発火部3aおよびそれに対向する接地電極4の発火部4aは、例えばIr、PtおよびRhの1種又は2種以上を主成分とする貴金属合金を主体に構成される。
主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部1aが形成されている。さらに、主体金具1を内燃機関等に取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部1bが形成されており、この工具係合部1bは、六角状の軸断面形状を有している。
絶縁体2は、内部に自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔5を有し、全体が後述する絶縁材料により構成されている。絶縁体2の外周面の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2bが例えばフランジ状に形成されている。さらに、該突出部2bよりも後端側に、突出部2bよりも細径に形成された本体部2cとされている。
一方、絶縁体2の突出部2bよりも先端側には、絶縁体2の先端部2a側から順に第1軸部2d、第2軸部2eが順に形成されており、第1軸部2dは細径に形成されており、第2軸部2eはこれよりも径が大きくなるよう形成されている。この第1軸部2dの外周面は先端部2aから後端側へ向かうほど径が大きくなる略円錐面状とされている。
第1軸部2dと第2軸部2eとの外周面における接続部2fは段付面とされ、これが主体金具1の内面に形成された主体金具側係合部としての凸条部1cとリング状の板パッキン10を介して係合することにより、軸方向の抜止めがなされている。
絶縁体2は、アルミナを主体とする絶縁材料により構成され、例えばAl成分を、Al2O3に換算した値にて80〜98mol%(望ましくは90〜98mol%)含有するアルミナ質セラミック焼結体として構成される。
Al以外の成分は、具体的には下記の範囲で1種又は2種以上を含有させることができる:
Si成分:SiO2換算値で1.50〜5.00mol%;
Ca成分:CaO換算値で1.20〜4.00mol%;
Mg成分:MgO換算値で0.05〜0.17mol%;
Ba成分:BaO換算値で0.15〜0.50mol%;
B成分:B2O3換算値で0.15〜0.50mol%。
他方、主体金具1の後端側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状の突出部2bの後端側周縁と係合するリング状の線パッキン11が配置され、そのさらに後端側にはタルク等の充填層12を介してリング状の線パッキン13が配置されている。
そして、絶縁体2を主体金具1に向けて先端側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁をリング状の線パッキン13に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固定されている。なお、本体部2cの外周面後端部にはコルゲーション部2gが形成され、その外周面には釉薬層2hが形成されている。
また、絶縁体2の貫通孔5は、中心電極3を挿通、固定させる略円筒状の第1貫通孔5aと、その第1貫通孔5aの後端側においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第2貫通孔5bとを有する。これら第1貫通孔5aと第2貫通孔5bとは、第2軸部2e内において互いに接続しており、その接続位置には、テーパ面状あるいはアール面状の接続部5cが形成されている。中心電極3にはその後端側に外周面から外向きに突出した電極固定用凸部3cが形成されており、この電極固定用凸部3cでこのテーパ面状あるいはアール面状の接続部5cと接している。
ここで、図1に示すように、第2貫通孔5bの長さをLHとする。なお、厳密には、第2貫通孔5bの長さ(LH)は、第1貫通孔5aと第2貫通孔5bとの接続部5cの後端側端部から、第2貫通孔5bの後端側端部までの長さである。
第2貫通孔5b内において、中心電極3の後端側には、導電性シール層20を介してセラミック焼結体抵抗器21が設けられている。さらに、セラミック焼結体抵抗器21の後端側にはバネ等の導電性弾性体22を介して端子金具23が設けられている。これら中心電極3、導電性シール層20、セラミック焼結体抵抗器21、導電性弾性体22および端子金具23は電気的に接続されている。ここで、第2貫通孔5b内に挿入されたセラミック焼結体抵抗器21の軸方向の長さをLRとする。なお、導電性シール層が特許請求の範囲の「シール部」に相当する。
このようなスパークプラグ100におけるセラミック焼結体抵抗器21は、予め焼結されたものを絶縁体2の貫通孔5(第2貫通孔5b)に挿入し、かつ、その長さ(LR)が第2貫通孔の長さ(LH)の40%以上、すなわち(LR/LH)×100≧40である。
本発明では、このような抵抗体として予め焼結されたセラミック焼結体抵抗器21を絶縁体2の貫通孔5(第2貫通孔5b)に挿入するものとすることで、従来のような製造上の長さの制約を受けず、セラミック焼結体抵抗器21の長さを十分に長くすることができる。これにより、中心電極3と端子電極23との間の実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、雑音防止効果を大きくすることができる。
そして、上述したようにセラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)を第2貫通孔部5bの長さ(LH)の少なくとも40%とする((LR/LH)×100≧40)ことで、中心電極3と端子電極23との間の実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、十分な雑音防止効果を得ることが可能となる。より好ましいセラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は、第2貫通孔5bの長さ(LH)の少なくとも50%である((LR/LH)×100≧50)。
なお、セラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は雑音防止効果の点から長いほど好ましく、第2貫通孔の長さ(LH)から中心電極3、導電性弾性体22および端子電極23等に必要な最低限の長さを除いた長さに近づけることが好ましい。
さらに、中心電極3の電極固定用凸部3cよりも後端側の後端部3dとセラミック焼結体抵抗器21とを導電性シール部20で固着されている。このように中心電極3を固着する導電性シール層20にセラミック焼結体抵抗器21をさらに固着することで、別途、封着用端子等を用いる必要がなく、セラミック焼結体抵抗器21の長さを十分に取ることができ、雑音防止効果を向上させることができる。
さらに、図2に示すように、中心電極3の後端とセラミック焼結体抵抗器21の先端との距離t1が0.8mmとなっている。このように中心電極3の後端とセラミック焼結体抵抗器21の先端との距離t1が1.5mm以下となることで、セラミック焼結体抵抗器がより中心電極側(発火部側)に近づくこととなり、雑音防止効果がより向上する。一方、中心電極の後端と前記セラミック焼結体抵抗器の先端との距離が0.5mm以上となることで、中心電極及びセラミック焼結体抵抗器の固着力を保つことができる。
さらに、セラミック焼結体抵抗器21の先端側外側面21aと第2貫通孔5bの内周面との間隙に、この間隙を埋める導電性シール層20の充填部20aが充填されている。このように、セラミック焼結体抵抗器21の先端側外側面21aと第2貫通孔5bの内周面との間隙に充填部20aを有することで、セラミック焼結体抵抗器21を導電性シール層20により確実に固着することができる。
そして、セラミック焼結体抵抗器21の先端からの充填部20aの軸方向の距離t2が7mmとなっている。このように、充填部20aの軸方向距離t2を10mm以下とすることで、セラミック焼結体抵抗器21の軸方向長さをできる限り確保し、雑音防止効果の低下を抑制しつつ、かつ導電性シール層20でセラミック焼結体抵抗器21を確実に固着することができる。
さらに、セラミック焼結体抵抗器21の先端面と側面とが形成する角部21cが略直角である。これにより、セラミック焼結体抵抗器21の先端側外側面21aと第2貫通孔5bの内周面との間隙に導電性シール層20を形成するシール材料が入りにくくなり、充填部20aの軸方向距離t2を10mm以下とすることが容易にできる。
本発明におけるセラミック焼結体抵抗器21の断面積は必ずしも制限されるものではないが、第2貫通孔5bの断面積の90%以上とすることが好ましい。第2貫通孔5bの断面積の90%未満である場合、十分な雑音防止効果が得られないおそれがある。セラミック焼結体抵抗器21の断面積は、好ましくは95%以上である。
さらに、セラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dと第2貫通孔5bの内周面との間隙に、ガラス部材27を介在させている。このように、セラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dと第2貫通孔5bの内周面との間隙にガラス部材27を充填することで、振動によるセラミック焼結体抵抗器21の亀裂や折損を防止することができる。なお、このガラス部材は、特許請求の範囲の「絶縁材料」に相当する。
導電性シール層20は、主としてガラス粉末と導電性粉末とからなるものである。ガラス粉末は、例えばB2O3−SiO2系、BaO−B2O3系、SiO2−B2O3−CaO−BaO系、SiO2−ZnO−B2O3系、SiO2−B2O3−Li2O系およびSiO2−B2O3−Li2O−BaO系等の酸化物を主体とするものであり、導電性粉末は、Cu、FeおよびSn等の金属成分から選ばれる1種または2種以上を主体とするものである。また、導電性シール層20は、必要に応じてTiO2等の半導体性の無機化合物粉末、絶縁性粉末等を含有してもよい。
導電性シール層20における導電性粉末の含有量は、35重量%以上70重量%以下とすることが好ましい。導電性粉末の含有量が35重量%未満であると、導電性シール層20におけるネットワーク状の導電路を形成する導電性粉末の含有量が少ないため導電性の確保が困難となるおそれがあり、導電性粉末の含有量が70重量%を超えると、熱膨張係数の高い導電性粉末が多くなるため導電性シール層20の熱膨張係数が大きくなり、剥離やクラックが発生するおそれがある。
セラミック焼結体抵抗器21は、主として骨材と導電性粉末とを焼成してなるものである。骨材としては、例えばガラス粉末および絶縁性セラミック粉末が挙げられ、これらは1種のみで用いてもよいし、両者を併用してもよい。
ガラス粉末としては、例えばB2O3−SiO2系、BaO−B2O3系、SiO2−B2O3−CaO−BaO系、SiO2−ZnO−B2O3系、SiO2−B2O3−Li2O系およびSiO2−B2O3−Li2O−BaO系等のガラス粉末が挙げられ、これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、絶縁性セラミック粉末としては、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ムライトおよびステアタイト等の絶縁性セラミック粉末が挙げられ、これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性粉末としては、例えば半導体酸化物、金属および非金属導電性材料等からなる導電性粉末が挙げられ、これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
半導体酸化物としては、例えば酸化スズが挙げられ、金属としては例えば亜鉛、アンチモン、スズ、銀およびニッケル等が挙げられ、非金属導電性材料としては、例えば無定形カーボン(カーボンブラック)、グラファイト、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステンおよび炭化ジルコニウム等が挙げられる。これら半導体酸化物、金属および非金属導電性材料として挙げた各材料は、1種のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるセラミック焼結体抵抗器21は上述したような各成分を適宜選択して用いることができるが、例えば骨材としてステアタイト、導電性粉末として酸化スズを主として用いることが好ましい。このような組み合わせとすることで、例えばセラミック焼結体抵抗器21の抵抗値を容易に調整することが可能となり、またその実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、十分な雑音防止効果を得ることができる。本発明におけるセラミック焼結体抵抗器21の抵抗値は、例えば2kΩ以上8kΩ以下とすることが好ましく、4kΩ以上6kΩ以下であればより好ましい。
次に、スパークプラグ100の製造方法の一例を説明する。まず、スパークプラグ100の製造に用いられる絶縁体2、セラミック焼結体抵抗器21および導電性シール層20を形成するための導電性シール粉末の製造について説明する。
絶縁体2は、例えば原料粉末としてアルミナ粉末と、Si成分、Ca成分、Mg成分、Ba成分およびB成分の各成分源粉末を、焼成後に酸化物換算にて前述の組成となる所定の比率で配合し、所定量の結合剤(例えばPVA)と水とを添加・混合して成形用素地スラリーを作る。
なお、各成分源粉末は、例えばSi成分はSiO2粉末、Ca成分はCaCO3粉末、Mg成分はMgO粉末、Ba成分がBaCO3粉末、B成分がH3BO3粉末の形で配合できる。なお、H3BO3は溶液の形で配合してもよい。
成形用素地スラリーは、スプレードライ法等により噴霧乾燥されて成形用素地造粒物とされる。そして、成形用素地造粒物をラバープレス成形することにより、絶縁体の原形となるプレス成形体を作る。ここでは、内部に軸方向に貫通するキャビティを有するゴム型が使用され、そのキャビティの下側開口部に下パンチが嵌め込まれる。また、下パンチのパンチ面には、キャビティ内においてその軸方向に延びるとともに、絶縁体2の貫通孔5の形状を規定するプレスピンが一体的に凸設されている。
この状態でキャビティ内に、所定量の成形用素地造粒物を充填し、キャビティの上側開口部を上パンチで塞いで密封する。この状態でゴム型の外周面に液圧を印加し、キャビティの造粒物を、該ゴム型を介して圧縮することによりプレス成形体を得る。
なお、成形用素地造粒物は、プレス時における造粒物の粉末粒子への解砕が促進されるよう、該成形用素地造粒物の重量を100重量部として、0.7〜1.3重量部の水分が添加された後、上記プレス成形が行われる。成形体は、外面側がグラインダ切削等により加工されて、絶縁体2に対応した外形形状に仕上げられ、次いで大気中で温度1400〜1600℃で1〜8時間焼成されて、例えば図1に示すような絶縁体2となる。
また、セラミック焼結体抵抗器21についても、まず所定の骨材および導電性粉末を所定量だけ配合したものにバインダを加え、溶媒中にて十分に混合した後、乾燥して抵抗体組成物粉末とする。そして、この抵抗体組成物粉末を用いて、上述したような絶縁体2の製造で用いたプレス成形法等によりプレス成形体を得た後、焼成して、所定の形状に加工を施しセラミック焼結体抵抗器21とする。そして、このセラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dにガラス部材27となるガラス材料を塗布する。
ここで、セラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は、絶縁体2の第2貫通孔の長さ(LH)の40%以上となるようにする。また、セラミック焼結体抵抗器21の抵抗値は、抵抗体組成物粉末の組成を変更すること等により、所定の抵抗値に調整されている。
また、導電性シール層20を形成するための導電性シール粉末の調製は、例えば上述したようなベースガラス粉末および導電性粉末を所定の組成で配合して配合原料とし、これを均一に混合、分散させることにより行うことができる。
次に、絶縁体2への中心電極3、セラミック焼結体抵抗器21、端子金具23等の組付けについて、以下に説明する。絶縁体2への中心電極3、セラミック焼結体抵抗器21の組付けは、以下に説明するガラスシール工程により行なわれる。
まず、絶縁体2には、噴霧ノズルから釉薬スラリーを噴霧、塗布した後、これを乾燥し、図1の釉薬層2hとなるべき釉薬スラリー塗布層2ha(図3)を形成する。
次に、図3に示すように、この釉薬スラリー塗布層2haが形成された絶縁体2の貫通孔5に対し、その第1貫通孔5aに中心電極3を挿入する。さらに、図4に示すように、上記導電性シール粉末Hを、第2貫通孔5b内の中心電極3の後端側に充填する。そして、図5に示すように、第2貫通孔5b内に押さえ棒30を挿入し、充填した導電性シール粉末Hを予備圧縮し、導電性シール粉末層20aを形成する。
次いで、図6に示すように、上記抵抗体組成物粉末をプレス成形、焼成し、所定の形状としたセラミック焼結体抵抗器21を絶縁体2の後端側から第2貫通孔5b内に挿入し、導電性シール粉末層20aとセラミック焼結体抵抗器21とを接触させた状態とする。
この状態で、図7に示すように、加熱炉に挿入して700〜950℃の所定温度に加熱し、その後、セラミック焼結体抵抗器21を貫通孔5内の後端側から軸方向の先端側に圧入する。このとき、セラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dと第2貫通孔5bの内周面との間隙に、ガラス部材27も同時に形成される。
こうして導電性シール層20によりセラミック焼結体抵抗器21が固定された絶縁体2には、図8に示すように、貫通孔5の後端側よりバネ等の導電性弾性体22が挿入され、さらに端子金具23が装着され組立体PAとなる。この組立体PAには、さらに主体金具1や接地電極4等が組み付けられて、図1に示すスパークプラグ100となる。このようにして製造されたスパークプラグ100は、そのねじ部1aにおいてエンジンブロックに取り付けられ、燃焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
以上、本発明のスパークプラグ100について説明したが、本発明においてはその趣旨に反しない限度においてその構成を適宜変更することができる。例えば、本実施形態では、予めセラミック焼結体抵抗器にガラス部材27を塗布し、その後、セラミック焼結体抵抗器21をガラスシール工程にて絶縁体2に組付ける際に、セラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dと第2貫通孔5bの内周面との間隙に介在させたが、これに限らず、予めセラミック焼結体抵抗器にガラス部材27を塗布せずにガラスシール工程を行い、その後、軟化させたガラス材料をセラミック焼結体抵抗器21の後端側外側面21dと第2貫通孔5bの内周面との間隙に充填することでガラス部材27を作成しても良い。
以下、本発明について実施例を参照して説明する。
(実施例1〜3)
まず、絶縁体2を次のようにして作製した。原料粉末として、アルミナ粉末(アルミナ95mol%、Na含有量(Na2O換算値)0.1mol%、平均粒径3.0μm)に対し、SiO2(純度99.5%、平均粒径1.5μm)、CaCO3(純度99.9%、平均粒径2.0μm)、MgO(純度99.5%、平均粒径2μm)、BaCO3(純度99.5%、平均粒径1.5μm)、H3BO3(純度99.0%、平均粒径1.5μm)を所定の比率となるように配合するとともに、この配合した粉末総量を100重量部として、親水性バインダとしてのPVAを3重量部と、水103重量部とを加えて湿式混合することにより、成形用素地スラリーを作製した。
次いで、このスラリーをそれぞれスプレードライ法により乾燥して、球状の成形用素地造粒物を調製した。なお、成形用素地造粒物は、ふるいにより粒径50〜100μmに整粒した。そして、この成形用素地造粒物を、既に説明したラバープレス法により圧力50MPaにて成形し、その成形体の外周面にグラインダ研削を施して所定の絶縁体形状に加工するとともに、温度1550℃で2時間焼成することにより絶縁体2を得た。なお、蛍光X線分析により、絶縁体2は下記の組成を有していることがわかった:
Al成分:Al2O3換算値で94.9mol%;
Si成分:SiO2換算値で2.4mol%;
Ca成分:CaO換算値で1.9mol%;
Mg成分:MgOに換算値で0.1mol%;
Ba成分:BaOに換算値で0.4mol%;
B成分:B2O3換算値で0.3mol%。
次に、質量比にて1:1に配合されたCu粉末とFe粉末(いずれも平均粒径30μm)とからなる金属粉末とベースガラス粉末(平均粒径150μm)とを、金属粉末の含有量が約50重量%となるように混合して、導電性シール粉末Hを作製した。
絶縁体2の第1貫通孔5aに中心電極3を挿入した後、この中心電極3の後端側である第2貫通孔5b内に導電性シール粉末Hを充填し、これを押さえ棒30にて予備圧縮し、導電性シール粉末層20aを形成した。
次に、骨材としてのステアタイトおよび導電性粉末としての酸化スズから主としてなり、長さ(LR)が第2貫通孔5bの長さ(LH)の40%以上に調整されたセラミック焼結体抵抗器21を、絶縁体2の第2貫通孔5bの導電性シール粉末層20aの後端側に挿入した。そして、これらを加熱炉に挿入した後、900℃に加熱し、セラミック焼結体抵抗器21を貫通孔5の後端側から軸方向の先端側に圧入した。
なお、実施例1に係るセラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は、第2貫通孔5bの長さ(LH)の61%、同様に実施例2に係るセラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は50%、実施例3に係るセラミック焼結体抵抗器21の長さ(LR)は40%とした。実施例1〜3に係る各セラミック焼結体抵抗器21の断面積および抵抗値は同一とし、断面積は第2貫通孔5bの断面積の97%、抵抗値は5kΩとした。
そして、中心電極3、セラミック焼結体抵抗器21が固定された絶縁体2には、貫通孔5の後端側より導電性弾性体22としてのバネが挿入され、さらに端子金具23を装着し組立体PAとした。さらに、この組立体PAに主体金具1、接地電極4等が組み付けて、スパークプラグ100とした。
(比較例1、2)
実施例1と同様の製造方法にてスパークプラグを製造した。なお、比較例1に係るセラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)は、第2貫通孔の長さ(LH)の37%、同様に比較例2に係るセラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)は33%とした。比較例1、2に係る各セラミック焼結体抵抗器の断面積および抵抗値は同一とし、断面積は第2貫通孔の断面積の97%、抵抗値は5kΩとした。
(比較例3)
実施例1と同様の絶縁体2中に、図9に示すように、中心電極3を挿入した後、導電性シール粉末、抵抗体組成物粉末および導電性シール粉末を順に充填し、押さえ棒により予備圧縮することにより、第1導電性シール粉末層20a、抵抗体組成物粉末層40aおよび第2導電性シール粉末層41aを積層させた。
なお、第1導電性シール粉末層20aと第2導電性シール粉末層41aの形成に用いた導電性シール粉末の組成は、実施例1で用いた導電性シール粉末と同様の組成とし、第1導電性シール粉末層20aの形成に用いた導電性シール粉末の量は実施例1で用いた導電性シール粉末と同量とした。
抵抗体組成物粉末層41aの形成に用いた抵抗体組成物粉末は、実施例1に係るセラミック焼結体抵抗器の製造に用いられたものと同様のものとした。抵抗体組成物粉末層40aの作製に用いた抵抗体組成物粉末の量は、この種の製造方法で一般的に使用可能な量とした。
次に、この状態で900℃に加熱して、図9に示すように、絶縁体2の貫通孔5の後端側から端子金具42を圧入し、積層状態の各層を軸方向にプレスすることにより、図10に示されるような第1導電性シール層20と、抵抗体40と、第2導電性シール層41を備えた組立体PAを作製した。その後、この組立体PAに主体金具等を取り付け、スパークプラグを作製した。なお、得られたスパークプラグにおける抵抗体40の長さ(LR)は、第2貫通孔5bの長さ(LH)の22%であり、抵抗体40の抵抗値は5kΩであった。
(比較例4)
実施例1と同様の絶縁体2中に中心電極3を挿入し、実施例1と同様の導電性シール粉末を充填した後、押さえ棒により予備圧縮することにより導電性シール粉末層20aとした。さらに、図11に示すように、絶縁体2の貫通孔5の後端側から封着端子50を挿入し、導電性シール粉末層20aと封着端子50とを接触させた状態とした。この状態で、加熱炉に挿入して900℃に加熱し、その後、封着端子50を貫通孔5内の後端側から軸方向の先端側に圧入して、図12に示すような導電性シール層20と封着端子50とが固定した状態とした。
その後、図13に示すように、絶縁体2の貫通孔5の後端側から巻線抵抗器51を挿入した後、バネ52、端子金具53を装着し組立体PAとした。この組立体PAに主体金具等を取り付け、スパークプラグを作製した。なお、巻線抵抗器51の長さ(LR)は、第2貫通孔5bの孔長(LH)の31%とした。また、巻線抵抗器51の抵抗値は0.05kΩとした。
表1に、実施例1〜3、比較例1〜4で用いた抵抗体のタイプ、絶縁体の第2貫通孔の長さ、抵抗体の長さ、絶縁体の第2貫通孔の長さに対する抵抗体の長さの比(LR/LH×100[%])および抵抗体の抵抗値をまとめて示す。
次に、実施例1〜3、比較例1〜4のスパークプラグについて、雑音防止効果および耐久性について評価を行った。結果を表2に示す。
なお、雑音防止効果の評価はJASO D 004−91の電流法に基づき、チャンバ圧力400kPa、スパークプラグの印加電圧12kVで、周波数30Hz、250Hzおよび750Hzについて行った。
表中、雑音防止効果の判定は、比較例3のスパークプラグの雑音電流強度を基準とし、比較例3のスパークプラグの雑音電流強度に対して全ての周波数域で雑音電流強度が7.5%以上小さかったものを「◎」、5.0%以上7.5%未満であったものを「○」、5%未満であったものを「△」で示した。
また、耐久性は、スパークプラグの印加電圧20kV、火花回数60Hzで、200時間の抵抗値変化率を測定した。表中、「○」は抵抗値変化率が±50%以内であったもの、「×」は抵抗値変化率が±50%を超えるものを示す。
表2から明らかなように、予め焼成が行われたセラミック焼結体抵抗器を絶縁体に挿入し、かつ、そのセラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)を第2貫通孔5bの長さ(LH)の40%以上とすることにより、従来のモノリシック式のものに比べて大幅に雑音防止効果を向上でき、また一般に雑音防止効果に優れるとされる巻線抵抗器を用いたものに比べても同等以上の雑音防止効果を得られることが認められた。さらに、耐久性についても従来のモノリシック式のものと同等の耐久性を得られることが認められた。
本発明のスパークプラグの一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの部分拡大断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 本発明のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 従来のモノリシック式のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 従来のモノリシック式のスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 従来の巻線抵抗器を用いたスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 従来の巻線抵抗器を用いたスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図 従来の巻線抵抗器を用いたスパークプラグの製造工程の一例を示した断面図
符号の説明
1…主体金具、2…絶縁体、3…中心電極、4…接地電極、5…貫通孔、5a…第1貫通孔、5b…第2貫通孔、20…導電性シール層、21…セラミック焼結体抵抗器、22…導電性弾性体、23…端子金具、100…スパークプラグ

Claims (8)

  1. 軸方向に延びる貫通孔を有し、該貫通孔が第1貫通孔及び該第1貫通孔よりも後端側に当該第1貫通孔よりも孔径が大きい第2貫通孔となる絶縁体と、
    前記絶縁体の第1貫通孔内に配置される中心電極と、
    前記絶縁体の第2貫通孔内に配置される端子金具と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記第2貫通孔内に、導電性セラミック焼結体で形成されると共に、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続するセラミック焼結体抵抗器が配置されてなり、前記セラミック焼結体抵抗器の軸方向長さが前記第2貫通孔の軸方向長さの40%以上であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグであって、
    前記中心電極の後端及び前記セラミック焼結体抵抗器の先端を固着し、ガラス成分を主成分とするシール部をさらに備えることを特徴とするスパークプラグ。
  3. 請求項2記載のスパークプラグであって、
    前記中心電極の後端と前記セラミック焼結体抵抗器の先端との距離が0.5mm〜1.5mmであることを特徴とするスパークプラグ。
  4. 請求項2または3に記載のスパークプラグであって、
    前記シール部は、前記セラミック焼結体抵抗器の先端側外側面と前記第2貫通孔の内周面との間隙に充填された充填部を有し、
    前記充填部は、前記セラミック焼結体抵抗器の先端から軸方向の距離が10mm以下の範囲で延在していることを特徴とするスパークプラグ。
  5. 請求項4に記載のスパークプラグであって、
    前記セラミック焼結体抵抗器は、軸線を通る断面において、先端面と側面とが形成する角部が略直角であることを特徴とするスパークプラグ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記セラミック焼結体抵抗器を通り、前記軸線方向に垂直な断面にて切断したとき、
    前記セラミック焼結体抵抗器の断面積は、前記第2貫通孔の断面積の90%以上であることを特徴とするスパークプラグ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記セラミック焼結体抵抗器の後端側外側面と前記第2貫通孔の内周面との間隙に充填された絶縁部材をさらに備えることを特徴とするスパークプラグ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記セラミック焼結体抵抗器は、導電性成分として酸化スズを含むことを特徴とするスパークプラグ。
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