JP2007120628A - 緩衝器のバルブ構造および緩衝器 - Google Patents

緩衝器のバルブ構造および緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2007120628A
JP2007120628A JP2005313780A JP2005313780A JP2007120628A JP 2007120628 A JP2007120628 A JP 2007120628A JP 2005313780 A JP2005313780 A JP 2005313780A JP 2005313780 A JP2005313780 A JP 2005313780A JP 2007120628 A JP2007120628 A JP 2007120628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
piston
shock absorber
port
leaf valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005313780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4695490B2 (ja
Inventor
Masaru Fukushima
優 福島
Keizo Takahashi
敬三 高橋
Futoshi Yoshida
太志 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2005313780A priority Critical patent/JP4695490B2/ja
Publication of JP2007120628A publication Critical patent/JP2007120628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4695490B2 publication Critical patent/JP4695490B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】 ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】 ポート2が形成されるバルブディスク1と、バルブディスク1の軸心部から立ち上がる軸部材4と、内周側に上記軸部材4が挿通されるととともに上記バルブディスク1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、内周側に上記軸部材4が挿通されるとともにリーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段15とを備えた緩衝器のバルブ構造において、バルブディスク1の外周に設けた筒部1fの内周と上記バルブ抑え部材11の外周とで環状流路16を形成し、リーフバルブ10の撓みによって閉塞されるバイパス流路17を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造および緩衝器の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図4に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図5に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開2004−190716号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造およびこれを適用した緩衝器にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストン速度すなわち緩衝器の伸縮速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、伸縮速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造および緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、バルブディスクの外周に筒部を設け、該筒部の内周と上記バルブ抑え部材の外周とでポートを通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路を形成し、上記バルブ抑え部材にリーフバルブの撓みによって閉塞されるバイパス流路を設けた。
また、本発明の他の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に2つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、ピストンに設けられた上記2つの圧力室を連通するポートと、ピストンの軸心部から突出するピストンロッドの先端に螺着されピストンをピストンロッドに固定するピストンナットと、内周側に上記ピストンナットが挿通されるととともに上記ピストンに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側にピストンナットが挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器において、ピストンの外周に筒部を設け、該筒部の内周と上記バルブ抑え部材の外周とでポートを通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路を形成し、上記バルブ抑え部材にリーフバルブの撓みによって閉塞されるバイパス流路を設けた。
本発明の緩衝器のバルブ構造および緩衝器によれば、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達すると、リーフバルブの撓みによってバイパス流路を閉塞して、伸縮速度が中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、伸縮速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、緩衝器の伸縮速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。図2は、バルブ抑え部材にリーフバルブが当接した状態を示す図である。図3は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材たるピストンナット4と、内周側に上記ピストンナット4が挿通されるととともにピストン1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15と、ピストン1の外周に設けた筒部1fと上記バルブ抑え部材11の外周とでポート2を通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路16と、上記バルブ抑え部材11に設けたバイパス流路17とを備えて構成され、該バイパス流路17は、リーフバルブ10の撓みによって閉塞されるようになっている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成された弁座1cと、外周側に延設される筒部1fを備えて構成されている。なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、図示はしないが、ピストンロッド5の先端部の外径は、図4に示した従来の緩衝器のピストンロッドRと同様に、図示しない上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に図示しない段部が形成されている。
つづいて、軸部材の一部をなすピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの下端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端部を圧側のリーフバルブ(符示せず)、バルブストッパ等(符示せず)とともにピストン1の挿通孔1bに挿入するとともに、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5aに螺着することによって、ピストン1はピストンロッド5の段部とピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定されている。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて拡径部1eが設けられて段部が形成され、この段部に筒部4aにおける小径部4cの図1中上端の挿入が可能なようになっている。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、図示しないピストン1の上端からピストンナット4の下端までの長さを小さくすることができ、ピストン部を小型化することができる。
そして、ピストン1の底部1aには、上記ピストンナット4の筒部4aにおける小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状の間座7が複数積層され、この間座7の下方から小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であって小径部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じく小径部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されこの図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、筒部11bと、筒部11bの上方側外周から延設される鍔11aとを備えており、この鍔11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15で上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
すなわち、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
そして、上記バルブ抑え部材11の外周は、ピストン1の筒部1fに対向しており、このバルブ抑え部材11の外周と筒部1fの内周とで、ポート2を通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路16が形成されている。
また、上記バルブ抑え部材11には、図1中上下に貫通するバイパス流路17が設けられており、このバイパス流路17は、リーフバルブ10の外周が撓んでバルブ抑え部材11の上面に当接する当接部位より内周側に設けられており、緩衝器の伸縮速度が所定速度以上となると、図2に示すように、リーフバルブ10がピストン1から下方に後退するとともにリーフバルブ10の外周が撓んでバルブ抑え部材11の上面に当接して閉塞されるようになっている。
そして、リーフバルブ10の外周が撓んでバイパス流路17を閉塞するときの緩衝器の伸縮時における所定速度は、リーフバルブ10の撓み剛性によって調節することができ、本実施の形態においては、1m/s以上となるように設定されている。また、実用性を勘案すると、上記所定速度は、1m/s以上であって2m/s以下に設定されるとよい。なお、上記したバイパス流路17は、数は任意であり一つだけでなく、複数設けるようにしてもよい。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
また、ピストン1が下方に移動してポート2を通過する作動油の圧力を受けてリーフバルブ10の外周が撓み、ピストン速度の上昇に伴ってその撓み量も増加するが、リーフバルブ10の撓みが大きくなるとリーフバルブ10の外周側がバルブ抑え部材11に当接してそれ以上のリーフバルブ10の撓みが規制され、このリーフバルブ10の撓み量は、リーフバルブ10とバルブ抑え部材11との間に介装される間座8の全体における軸方向厚みの設定によって調節することができるようになっている。なお、バルブ抑え部材11の図1中内周側上部に間座8と同様の機能を果たす凸部を設けておけば、間座8を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
また、リーフバルブ10の枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意とされてよく、たとえば、複数枚でも差し支えなく、また、リーフバルブ10の外径についても、それぞれを任意に設定することができる。
つづいて、一実施の形態におけるバルブ構造および緩衝器の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられているので、リーフバルブ10の外周縁が間座8の外周縁を支点として撓んで、作動油は、ポート2を介してリーフバルブ10が弁座1cから離座してできるリーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間を通過する。この場合、上記リーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間を通過した作動油は、ピストン速度が低速であるのでリーフバルブ10の外周がバルブ抑え部材11の図1中上面に当接せずバイパス流路17を閉塞していないので、該バイパス流路17および環状流路16を通過して上室41から下室42へ移動することになる。
このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図3に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるとともに、該力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
このとき、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aから離れ、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きく、また、ピストン速度に比例して隙間が大きくなる。なお、このピストン速度が中速領域にあるときは、緩衝器の伸縮時の速度であるピストン速度が所定速度に達しておらず、バルブ抑え部材11の上面にリーフバルブ10の外周が当接せずバイパス通路17は開通状態を維持しているので、ピストン速度が中速領域にあっても、該バイパス流路17および環状流路16を通過して上室41から下室42へ移動する。
したがって、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
そして、ピストン速度が上記所定速度以上となる高速領域に達すると、作動油のリーフバルブ10を下方へ押し下げる力は一層大きくなり、図2に示すように、コイルバネ15の附勢力に抗してリーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストン1から後退させるとともに、リーフバルブ10も大きく撓んでその外周がバルブ抑え部材11の図1中上面に当接するようになる。
すると、バルブ抑え部材11に設けたバイパス流路17がリーフバルブ10によって閉塞されることになる。
したがって、ピストン速度が高速領域に達すると、バイパス通路17の通路断面積分の流路面積が減じられることになり、ポート2を通過した作動油は環状流路16のみを通過して下室42に移動することになって、ピストン速度が高速領域にある場合におけるピストン速度に対する減衰力の増加割合(減衰係数)は、ピストン速度が中速領域にある場合におけるピストン速度に対する増加割合(減衰係数)より大きくなる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰係数は、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰係数より大きくなるので、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図3に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの中速領域より減衰係数は大きく、減衰特性の傾きが大きくなる。
したがって、本実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が高速領域に達すると、リーフバルブの撓みによってバイパス流路を閉塞して、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、バイパス流路17がリーフバルブ10によって閉塞される緩衝器の伸縮時の所定速度は、本実施の形態においては、1m/s以上となるように設定されている、すなわち、減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境が1m/s以上となるように設定されているので、ピストン速度が中速領域にあるときには、減衰係数を比較的小さく保っておくことができるので、減衰力が大きくなり過ぎることがなく、車両における乗り心地を確保することができる。
また、上記減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境を1m/s以上であって2m/s以下に設定することで、緩衝器が適用される実車に好適となり、実用性が向上することになる。
なお、上記した実施の形態では、ピストン1をピストンナット4で固定しているが、ピストン1をピストンロッド5に別の手段で固定することができる場合には、コイルスプリング15の図1中下端を支承する部材を設けておけば、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストンロッド5の外周に直接摺接させておくようにしてもよく、さらに、ピストン1に挿通孔1aを設けてピストンロッド5の先端部を挿入するようにして、ピストンロッド5を突出させているが、バルブディスクたるピストン1と一体あるいは別体な軸部材をピストン1の軸心部に設けるようにしてもよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 バルブ抑え部材にリーフバルブが当接した状態を示す図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f,4a,11b 筒部
3 窓
4 軸部材たるピストンナット
4b,11a 鍔
4c 小径部
5 ピストンロッド
5a 螺子部
7,8 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
15 附勢手段たるコイルスプリング
16 環状流路
17 バイパス通路
40 シリンダ
41 上室
42 下室

Claims (5)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、バルブディスクの外周に筒部を設け、該筒部の内周と上記バルブ抑え部材の外周とでポートを通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路を形成し、上記バルブ抑え部材にリーフバルブの撓みによって閉塞されるバイパス流路を設けたことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. バイパス流路は、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上となるときに、リーフバルブの撓みによって閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 緩衝器の伸縮速度が1m/s以上となると、バイパス流路がリーフバルブの撓みによって閉塞されることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に2つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、ピストンに設けられた上記2つの圧力室を連通するポートと、ピストンの軸心部から突出するピストンロッドの先端に螺着されピストンをピストンロッドに固定するピストンナットと、内周側に上記ピストンナットが挿通されるととともに上記ピストンに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側にピストンナットが挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器において、ピストンの外周に筒部を設け、該筒部の内周と上記バルブ抑え部材の外周とでポートを通過する流体の流れに抵抗を与える環状流路を形成し、上記バルブ抑え部材にリーフバルブの撓みによって閉塞されるバイパス流路を設けたことを特徴とする緩衝器。
  5. バイパス流路は、附勢手段の附勢力に抗してリーフバルブがバルブディスクからピストンから後退すると開通され、かつ、バルブディスクからバルブ抑え部材が所定量以上後退すると閉じられることを特徴とする請求項4に記載の緩衝器。
JP2005313780A 2005-10-28 2005-10-28 緩衝器のバルブ構造および緩衝器 Expired - Fee Related JP4695490B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313780A JP4695490B2 (ja) 2005-10-28 2005-10-28 緩衝器のバルブ構造および緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313780A JP4695490B2 (ja) 2005-10-28 2005-10-28 緩衝器のバルブ構造および緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007120628A true JP2007120628A (ja) 2007-05-17
JP4695490B2 JP4695490B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=38144695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005313780A Expired - Fee Related JP4695490B2 (ja) 2005-10-28 2005-10-28 緩衝器のバルブ構造および緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4695490B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525256A (ja) * 2007-04-16 2010-07-22 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド ベースラインバルビングを行う連続的に可変なバルブを備えるショックアブソーバ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03113139A (ja) * 1989-09-25 1991-05-14 Tokico Ltd 油圧緩衝器
JP2002221248A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JP2004190716A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03113139A (ja) * 1989-09-25 1991-05-14 Tokico Ltd 油圧緩衝器
JP2002221248A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JP2004190716A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525256A (ja) * 2007-04-16 2010-07-22 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド ベースラインバルビングを行う連続的に可変なバルブを備えるショックアブソーバ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4695490B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4987283B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP5284595B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4883695B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5226221B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4695489B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP5090034B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4695490B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP4733624B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4683636B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP4630757B2 (ja) バルブ構造
JP4839201B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4584844B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP5165870B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4726079B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4617220B2 (ja) バルブ構造
JP2007113681A (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4726080B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2007255585A (ja) 緩衝器のバルブ構造および緩衝器
JP2007113680A (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4733625B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4883694B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2008144895A (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP4777912B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP2007046668A (ja) バルブ構造
JP5190889B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4695490

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees