JP2007120251A - 開口部装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口部装置は、枠体Aと、この枠体A内に左右方向に移動可能に設けられた障子Cと、この障子Cを収納する障子収納部Dとを備える。枠体Aの開口部Fと障子収納部Dとの間の室内側には方立Eが設けられる。方立Eは、障子Cを障子収納部Dに収納する際に障子Cの障子収納部Dの反対側となる縦框23と前後に重なる。方立Eの開口部F側の端面には、合成樹脂製のアングル33aが取り付けられる。アングル33aは、方立Eの前記端面から所定距離はなれた位置で前記端面を覆う樹脂板34aを備える。樹脂板34aの室内側は、軟質樹脂からなる軟質板部37とされるとともに、軟質板部37の方立E側に軟質板部37を弾性変形可能とする空間が配置される。
【選択図】図1
Description
また、開口部Fの内周面の室内側には枠状(額縁状)に室内側に突出するアングルKが取り付けられるが、複合構造を有する断熱サッシでは、このアングルKが樹脂形材として合成樹脂製となる。この場合に、方立Eの内周面には、上述の合成樹脂製のアングルKが樹脂形材として設けられていることになる。したがって、ストッパHを設けない構造として上述のように方立E等に手(指)をぶつけたり、挟んだりした場合に、指が金属のアルミではなく、樹脂形材(アングルK)に当たることになり、手が直接アルミに当たった場合よりは衝撃が緩和される。
また、上述のような断熱サッシによれば、障子Bを開放した場合に手が当たる可能性がある部分(指を挟む可能性がある部分)が樹脂形材であるアングルKとなることで、アルミの場合より衝撃が緩和されるが、アングルKは、取り付けのためや所定形状を維持するためや上述のようなストッパHを受けるためなどにより強度を必要とし、軟質樹脂やゴム等ではなく、一般的な硬質樹脂からなり、衝撃が大きく緩和されることはない。
障子の開閉動作時に、一つの障子より室内側で、当該障子の一方の縦框の室内側面と重ならない位置から重なる位置に前記障子の縦框に対して相対的に移動する縦部材を備えた開口部装置であって、
前記縦部材が前記障子の縦框と重ならない位置となった際に、前記障子の縦框側を向く前記縦部材の左もしくは右の端面に設けられた前記縦部材用樹脂形材に、前記縦部材の端面から所定距離だけ離れた位置で前記端面を覆う樹脂板が設けられ、
前記樹脂板は、室内側の硬質樹脂からなる硬質板部と当該硬質板部の室外側に設けられた軟質樹脂からなる軟質板部とから形成され、
前記軟質板部を有する前記縦部材用樹脂形材が一体に硬質樹脂と軟質樹脂との共押し出し成型により形成され、
前記軟質板部の室内側の基端部が前記硬質板部と一体とされて固定され、前記軟質板部の室外側の先端部が開放端とされ、
前記軟質板部と前記縦部材との間には、前記軟質板部の先端部を前記縦部材側に近づけるように弾性変形可能な空間が形成されていることを特徴とする。
また、上述のような軟質板部を設ける際に、硬質樹脂からなる部分と軟質樹脂からなる軟質板部とを共押し出し成型で一体に形成することで、硬質樹脂と軟質樹脂との境界部分を判り辛い構造とすることができるとともに、硬質樹脂と軟質樹脂とを顔料の調整等により同系色とすれば、硬質樹脂部分と軟質樹脂部分とで外観上の差をほとんどなくすことも可能となり、複合構造を有する開口部装置における樹脂形材による意匠性の向上を妨げることがない。すなわち、本発明の軟質板部に代えてゴム等の硬質樹脂部分とは異質の軟質な弾性部材を用いた場合のように、軟質板部の部分で他の樹脂形材の部分とは明らかに異なる質感、異なる色の部分ができてしまうのに比較して意匠性を向上することができる。
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る2枚建て片引き全開口タイプのサッシを示す図であって、図1は、全開口状態の横断面図であり、図2は、閉じた状態の横断面図である。
また、前記方立Eの内周側面となる右側の端面が、縦部材が内障子Cの縦框24と重ならない位置となった際に、内障子Cの縦框24側を向く前記縦部材の端面となる。
外障子Bは、上框(図示略)、下框12および左右の縦框13、14により方形枠状の框組体が組み立てられ、この框組体にパネルである複層ガラス16が組み込まれて構成されている。また、内障子Cは、上框(図示略)、下框22および左右の縦框23、24により方形の框組体が組み立てられ、この框組体にパネルである複層ガラス26が組み込まれて構成されている。
外障子B及び内障子Cの上框、下框12,22および左右の縦框13,23、14,24は、例えば、アルミ合金等の金属からなり、複層ガラス26の室内側の側面よりさらに室内側に突出して設けられるとともに、その室内側に露出する面は、複合構造を有する断熱サッシの樹脂形材としての樹脂カバーにより覆われた状態となっており、上述の金属部分が室内側に露出しない状態となっている。すなわち、外障子B及び内障子Cは、室外側がアルミ合金等の金属もしくはその塗装面が露出し、室内側が合成樹脂製の樹脂カバーで覆われた複合構造を有する断熱サッシの障子B,Cとなっている。
外障子Bの戸先側の縦框13の室内側面(見付け面)には、引き手17が設けられている。なお、この例においては、後述のように外障子Bの戸先側の縦框13の室内側面に近接して、方立Eや内障子Cの召合せ側縦框23が重なって配置されるようなことがなく、引き手17は、凹部ではなく室内側に突出する構造となっている。
ここで、枠体Aの障子収納部D側の縦枠4の内側には、内障子Cが配置される前後位置に内障子Cの枠体Aの縦枠4への接触を規制するようにストッパ部材32が配置されている。
そして、外障子Bの戸先側の端面が略完全に開口部Fから出て障子収納部Dに入った状態(外障子Bの戸先側の端面と、方立Eの開口部Fの内周側となる端面とが略同一平面内に配置された状態)となった際に、ちょうど内障子Cがストッパ部材32に当接し、内障子Cのそれ以上の開放側への移動が規制され、内障子Cの移動が規制されることで、内障子Cのストッパ突起27に当接する外障子Bの開放側への移動が規制される。
また、この際には、内障子Cは、上述のように外障子Bが内障子Cのストッパ突起27に当接した状態であり、上述のように外障子Bの戸先側端面と内障子Cの召合い側端面との間に縦框13,14(23,24)の左右幅より僅かに長い間隔があいていることになる。
一方、開口部Fは建物の開口部により室内側からその内周部分が露出した状態となっている。そして、矩形状の開口部Fの周囲は、上側が枠体Aの上枠、下側が枠体Aの下枠2、左側が枠体Aの縦枠3、右側が方立Eにより構成されている。
そして、これら上枠、下枠2、縦枠3及び方立Eから構成される開口部Fの内周面側には、アングル33が取り付けられるとともに、アングル33は、断熱サッシの上述の複合構造の樹脂形材であり、合成樹脂から形成される。
なお、樹脂板34は、意匠性を高めるために、単なる平板ではなく、段差や凹部や凸部や突条や溝等が形成されていても良い。また、樹脂板34は、室内側の窓等の開口部用の内装材の上側(表側)に重なるように、枠体A及び方立Eより開口部F内周面に沿って室内側に向かって延出した状態となっている。
そして、方立Eに用いられるアングル33aは、例えば、図1および図2に示すように、上述の樹脂板34aと、取付部材35aとが一体成型されたものであり、方立Eの上下の長さ方向に沿って、開口部Fの上下に対応する長さだけ延在した状態に配置される。
取付部材35aは、方立Eの端面(内周側面)の室外側縁よりも室内側にあり、例えば、取付部材35aの室外側の側面と方立Eの室外側側面との間の室内−室外方向に沿った距離は、例えば、方立Eの室内−室外方向に沿った幅の1/3〜1/5程度となっている。また、前記距離は、例えば、指の先端から最初の関節程度までの距離とほぼ同じ程度の長さとなっており、指の先端部分の太さよりも長いものとなっている。
前記樹脂板34aは、上述の軟質樹脂と硬質樹脂とから一体に形成されているとともに、樹脂板34aは、その室外側が方立Eの室外側側面より僅かに室外側すなわち内障子C側に突出しており、内障子Cの戸先側の縦框24の室内側に突出する部分に当接もしくは近接する状態となっている。そして、樹脂板34aは、例えば、開口部Fを閉塞した状態で内障子Eに当接若しくは近接することで、開口部装置の気密性を高めるようになっている。
そして、樹脂板34aは、前記取付部材35aの室外側面より室内側となる硬質板部36が硬質樹脂から形成され、前記取付部材35aの室外側面より室外側となる軟質板部37が軟質樹脂から形成されている。
軟質樹脂からなる軟質板部37は、取付部材35aの内周側面と室外側面との角部から室内−室外方向に沿って室外側に延出した状態に形成され、基端部が硬質板部36および取付部材35aに固定されて支持された状態で、先端部が開放端となっており、軟質樹脂からなることから先端部が僅かな力で容易に大きく変位可能(弾性変形可能)となっている。特に、軟質板部37の方立E側には、樹脂板34aを方立Eに取り付ける取付部材35aが軟質板部37の基端部を除いて存在せず、軟質板部37の方立Eに近づく方向への変位(弾性変形)を可能とする空間が形成されている。すなわち、軟質板部37の基端部から先端部までの間の方立E側には、軟質板部37と方立Eとの距離だけ間隔が設けられており、例えば、先端部が方立Eに接触するまで、軟質板部37を変位可能となっている。
そして、方立Eのアングル33aは、開口部Fの他の内周側に設けられたアングル33とともに、アルミ合金部材に対して断熱性を高めるために配置されるとともに、アングル33aの樹脂板34が開口部Fの室内側の内装材と連携して開口部Fの室内側の障子B,Cの近傍部分の装飾を行うものである。
ここで、通常の使用方法として、上述のように外障子B及び内障子Cを外障子Bの引き手17に手をかけて開閉した場合に、指を方立Eと内障子Cの召合い側縦框23との間に挟むようなことは有り得ないが、上述のように内障子Cの召合い側縦框23が複層ガラス26の室内側面より突出していることにより、内障子Cの縦框23に手の指をかけたり、縦框23を左右から指で挟んで掴んだりすることで、内障子Cの開閉を行う可能性がある。
さらに、全開口タイプ以外でも、例えば、引き違いサッシにおいて、内障子と外障子を通常の開口部を閉めた状態の配置と逆配置とするような場合に、内障子の召合い側の縦框と、外障子の戸先側の縦框との間で、上述の方立Eと縦框23との間に指が挟まれるような状況が発生する可能性があるが、この際に内障子の召合せ側縦框の端面に上述の方立Eのアングル33aのような軟質板部37を有する構造の樹脂形材を設けることで、上記例と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、本発明においては、室内側に樹脂形材が取り付けられた断熱サッシにおいて、障子の移動に際して、障子の縦框部材と室内−室外方向(前後方向)に重なる状態と重ならない状態とに変換可能で上下に延在した縦部材がある場合に適用可能であり、前記縦部材が上述のような方立Eの場合もあるし、前記障子とは別の障子の縦框である場合もある。
C 内障子(障子)
E 方立(縦部材)
23 縦框
33a アングル(縦部材用樹脂形材)
34a 樹脂板
36 硬質板部
37 軟質板部
Claims (1)
- 枠体と、この枠体内に左右方向に移動可能に設けられた障子とを備え、かつ、室内側に合成樹脂製の樹脂形材が設けられた複合構造を有し、
障子の開閉動作時に、一つの障子より室内側で、当該障子の一方の縦框の室内側面と重ならない位置から重なる位置に前記障子の縦框に対して相対的に移動する縦部材を備えた開口部装置であって、
前記縦部材が前記障子の縦框と重ならない位置となった際に、前記障子の縦框側を向く前記縦部材の左もしくは右の端面に設けられた前記縦部材用樹脂形材に、前記縦部材の端面から所定距離だけ離れた位置で前記端面を覆う樹脂板が設けられ、
前記樹脂板は、室内側の硬質樹脂からなる硬質板部と当該硬質板部の室外側に設けられた軟質樹脂からなる軟質板部とから形成され、
前記軟質板部を有する前記縦部材用樹脂形材が一体に硬質樹脂と軟質樹脂との共押し出し成型により形成され、
前記軟質板部の室内側の基端部が前記硬質板部と一体とされて固定され、前記軟質板部の室外側の先端部が開放端とされ、
前記軟質板部と前記縦部材との間には、前記軟質板部の先端部を前記縦部材側に近づけるように弾性変形可能な空間が形成されていることを特徴とする開口部装置。
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