JP5180575B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された建具は、片側一対2枚の障子がそれぞれ障子収納部に引き込まれて全開される四枚建ての引き分け、引き込み窓であり、各一対の障子(室内側障子および室外側障子)は、それぞれ左右スライド自在に窓枠に支持され、障子収納部に収納されることで全開可能に構成されている。また、この引き込み窓では、室内側障子の一方の縦框(戸先框)が障子収納部の側端縁(方立)に重なるとともに、室内外の障子の縦框(召合せ框)同士が見込み方向に重なることで閉鎖可能に構成されている。この閉鎖状態において、左右各組の室外側障子における縦框(戸先框)同士が当接することで窓全体が閉鎖されるようになっている。
また、従来の引き込み窓において、開口面積を拡大しようとして障子ストッパーを省略した場合には、室内側障子の召合せ框が方立の見込み面に当接してしまうこととなる。このため、室内側障子の支持位置(および室外側障子の支持位置)を室外側に移動させ、召合せ框が方立ての室外側に重なるようにした構成が考えられるが、このような構成を採用した場合には、窓全体の見込み寸法が拡大するとともに、外壁面からの突出量も大きくなってしまい、製造コストや施工性、意匠性の点などで不都合を生じる。
また、全開状態において、第2框の見込み方向室内側の先端部と縦部材の係合部とが見込み方向において対向しないことで、障子を開閉操作する際に第2框の室内側先端部を手で持って障子を開放しても、この第2框の室内側先端部と縦部材の係合部との間に手が挟まれにくくすることができる。
さらに、障子を全開した状態で第2框の見込み方向室内側面と縦部材の後退部との隙間がカバー部材で覆われるので、隙間の内部が見えないようになって意匠性を向上させることができる。さらに、カバー部材が弾性変形可能であり、変形した状態のカバー部材と第2框との間に隙間を設けることができるので、万一、第2框とカバー部材との間に手が挿入されても、手の怪我が防止できる。また、障子を閉じる際に第2框と縦部材との間に手が引き込まれそうになっても、手が当たってカバー部材が弾性変形することで、即座に利用者が気付いて手を離すことができるので、手が引き込まれることが防止できる。
このような構成によれば、第2框の見込み方向室内側面が後退部から係合部に近づくにしたがって係合部から離れるような形態や、係合部および後退部の外形に沿った形態に構成できる。これにより、第2框の見込み方向室内側面と係合部との間に所定の隙間を確保しつつ、係合部と後退部との見付け方向の距離を近づけて縦部材の見付け寸法をコンパクトにすることができる。さらに、第2框の室内側面が傾斜面状や曲面状に形成されていれば、この第2框が掴みにくくなるので、第2框を持って障子を開閉する操作を予防することができ、第2框と縦部材との間に手が挟まれにくくすることができる。
このような構成によれば、第2框の見込み方向室内側面を対称形状に形成したことで、第2框の意匠性が向上できるとともに、見込み方向室内側先端部に向かって徐々に細くなる形態となってさらに掴みにくくなるので、この先端部を持った操作を予防することができる。
このような構成によれば、内障子および外障子からなる一対2枚の障子を備えた二枚建て片引きの建具や、これら一対の障子を左右対称に配置した4枚の障子を備えた四枚建て引き分け形式の建具が構成できる。そして、内障子の第2框と外障子の第3框とが見込み方向に重なって2枚の障子が閉じる、つまり第2框および第3框によって召合せ框が構成される場合において、第2框が框突出部を有して構成されているので、第2框の強度および剛性が確保でき、内障子および外障子に面外方向から作用する風圧力等に対する抵抗力を確保することができる。すなわち、召合せ框を構成する第2框および第3框は、閉鎖状態において縦枠などに支持されないため、風圧力等に抵抗するために見込み寸法を大きくする必要があるが、第2框の見込み寸法が大きく形成されていることで、面外方向の強度、剛性が確保できる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具であるサッシ窓1を示す横断面図である。
図1において、サッシ窓1は、建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る二枚建て片引き形式(引き込み形式)の全開口タイプの建具である。このサッシ窓1は、外壁Wに固定される枠体としての窓枠2と、この窓枠2に左右スライド開閉自在に支持された一対2枚の障子10と、障子10の室外側に左右スライド開閉自在に支持された網戸20とを備えて構成されている。
図4に実線で示すように、全開状態における室内側障子10Aの縦框12は、縦材6の見込み方向室外側に重なり、縦框12および縦材6の見込み面(閉鎖方向の端面)が略同一面内に位置するように室内側障子10Aが開放されるようになっている。このような全開位置に至るまでの開閉移動時において、縦框12は、図4に仮想線(二点鎖線)で示すように、框突出部121の見込み方向室内側最先端部が縦材6の保持部63およびカバー部材6Eの位置を通過することとなる。この縦材6の保持部63の位置を通過する際に、框突出部121の見込み方向室内側最先端部が縦材6の室内部材6Aに最も接近することとなり、そのような框突出部121と保持部63との間に間隔寸法L1となる隙間が設けられている。この際、縦材6の後退部6Dが保持部63よりも室内側に後退して設けられているため、この後退部6Dと框突出部121との間には、間隔寸法L1よりも大きな隙間が設けられるようになっている。
(1)すなわち、障子収納部7の端縁を構成する縦材6の室外側に縦框12が重なって室内側障子10Aが全開されるので、有効開口面積を拡大することができるとともに、全開時に障子10が目立たなくなることで、サッシ窓1の意匠性が良好にできる。そして、縦框12の框突出部121と縦材6との間に間隔寸法L1〜L4の隙間が設けられているので、室内側障子10Aを開閉する際に框突出部121を手で操作したとしても、縦框12と縦材6の間に指が挟まれることが防止できる。
例えば、前記実施形態においては、二枚建て引き込み開放形式の全開口タイプのサッシ窓1を例示して説明したが、本発明の建具はこのようなサッシ窓1に限られない。すなわち、本発明の建具は、前記室内側障子10Aに相当する1枚の障子を有した片引き窓でもよく、また前記室内側障子10Aおよび室外側障子10Bに相当する一対の障子が左右対称に配置された四枚建て引き分け、引き込み開放形式の窓でもよい。また、縦部材としては、窓枠2の内部にて上枠と下枠3とに渡って架設された縦材6に限らず、外壁などの壁体の端縁を縦部材としてもよく、固定パネルや固定障子などの面材の端縁や、可動障子の縦框(召合せ框)で縦部材を構成してもよい。
また、前記実施形態では、縦材6にカバー部材6Eを設けたが、このカバー部材6Eは必須ではなく、省略してもよい。また、カバー部材としては、弾性変形可能な軟質ゴム製のものに限らず、縦材6に対して回動可能またはスライド可能に支持された硬質な部材で構成されていてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 枠体と、この枠体にスライド開閉自在に支持された障子と、この障子の閉鎖状態において当該障子の開放方向側端縁の見込み方向室内側に重なる縦部材とを備えた建具であって、
前記障子は、開放方向側端縁を構成する第1框と、閉鎖方向側端縁を構成する第2框とを有するとともに、前記第1框が前記縦部材の見込み方向室外側に重なる全閉位置から、前記第2框が前記縦部材の見込み方向室外側に重なる全開位置までの間を移動可能に構成され、
前記縦部材には、前記全閉位置にある障子の前記第1框と係合する係合部と、この係合部よりも前記障子の閉鎖方向側にて当該係合部よりも見込み方向室内側に後退した後退部とが形成され、
前記縦部材の後退部における前記閉鎖方向側の端部には、弾性変形可能なカバー部材が設けられ、
前記障子を全開した状態において、前記第2框の見込み方向室内側面における室内側先端部が前記係合部よりも閉鎖方向側に位置して設けられている建具。 - 前記第2框の見込み方向室内側面は、前記室内側先端部よりも開放方向側が傾斜面状、曲面状または段付き状に形成されている請求項1に記載の建具。
- 前記第2框の見込み方向室内側面は、前記室内側先端部よりも閉鎖方向側が傾斜面状、曲面状または段付き状に形成されている請求項2に記載の建具。
- 前記枠体には、前記障子である内障子の室外側に沿って外障子がスライド開閉自在に支持されており、
前記縦部材は、前記枠体または当該枠体が固定される躯体に対して移動不能に設けられ、この縦部材よりも開放方向側かつ見込み方向室外側には、全開状態における前記内外障子を収納する収納部が設けられ、
前記外障子は、開放方向側端縁を構成する第3框と、閉鎖方向側端縁を構成する第4框とを有するとともに、前記全閉位置にある内障子における前記第2框の見込み方向室外側に前記第3框が重なる全閉位置から、前記収納部に収納される全開位置までの間を移動可能に構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
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