JP2020079555A - 建具 - Google Patents
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Abstract
Description
障子を戸尻側に向けて障子の面内方向にスライドすることで折戸を折り畳みでき、障子を戸先側に向けて障子の面内方向にスライドすることで折戸を展開できるから、一直線方向の力で障子を開閉できるので、使い勝手が良い。
図1に示すように、第1実施の形態にかかる建具1は、浴室戸であり、閉空間としての浴室と脱衣室とを連通する開口部に取付けてある。この建具1は、枠3と障子5とを備え、障子5は、折戸7と、折戸7の戸先側に設けた引戸9を有している。引戸9には取手9aが設けてある。
枠3は、戸尻竪枠11と、戸先竪枠13と、上枠15と、下枠(図示せず)を組んで枠3の開口4を形成している。
図2に示すように、枠3は、左右方向の開口寸法Lが障子5の左右方向の寸法Mよりも大きくしてある。また、図1(a)及び図2に示すように、障子5の全閉状態では、障子5は戸先側に寄せてあり、戸尻竪枠11と障子5の戸尻竪框19との間に障子5の移動空間Sを形成している。
戸尻竪枠11には、その室外側で移動空間Sに対向する仕切部21が、戸尻竪枠11の長手方向に亘って設けてある。仕切部21の障子側端部には、気密材23が設けてあり、気密材23の先端部は戸尻竪框19の室外側面に当接している。
戸先竪枠13には、その見込み面の室外側から内周側に突設する室外側壁部25と、室内側から内周側に突設する室内側壁部27とが設けてあり、全閉位置にある障子5の戸先側端部29を、室外側壁部25と室内側壁部27との間に配置している。また、障子5の戸先側端部29には、戸先竪枠13の室内側壁部27よりも室外側に突設する横断面がL字形状を成す室内側突設部31が設けてある。このように、戸先竪枠13の室外側壁部25及び室内側壁部27と、これらの間に位置する障子5の戸先側端部29と、障子5の室内側突設部31とで、障子5と戸先竪枠13との間にジクザク状の通気路26を形成している。
図2に示すように、折戸7は、戸先側折戸7aが折戸ヒンジ35に戸先側回動軸37aで連結してあり、戸尻側折戸7bが折戸ヒンジ35に戸尻側回動軸37bで連結してあり、戸先側回動軸37a及び戸尻側回動軸37bは、共に折戸の回転軸33よりも寸法Eだけ室内側にずれて位置している。
2つの引寄せガイド43及び2つの引寄せローラ49は、各々戸先側折戸7aと戸尻側折戸7bとに対応して設けてあり、同じ構成であるから以下の説明では戸尻側折戸7a対応する位置にある引寄せガイド43とこれに係合する引寄せローラ49について説明する。
図3、図5〜図7に示すように、吊元ガイド41は、主部品41aと補助部品41bとを組み付けて構成してあり、主部品41aと補助部品41bとで吊元ガイドローラ47の移動を案内するローラ案内溝51を形成していると共に、補助部品41bには折戸の回転軸33が左右方向に移動するのを案内する回転軸案内部52が形成してある。
図1(a)(b)に示すように、主部品41aは、障子5が移動空間Sを左右方向に移動したときに吊元ガイドローラ47を案内する見付壁部54と、折戸7を折り畳むときに吊元ガイドローラ47の移動軌跡に沿って設けた湾曲壁部56とを有し、湾曲壁部56がローラ案内溝51の室内側壁を構成している。
図5及び図7に示すように、補助部品41bは、ローラ案内溝51を規定する室外側壁51cを有し、室外側壁51cは平面視直線状の傾斜部51aと、湾曲部51bとを連続して設けてある。図2、図5及び図7に示すように、傾斜部51aは戸尻側を室内側へ向けて突設するように傾斜している。回転軸案内部52には、折戸7が展開状態にあるときに、折戸の回転軸33が戸尻竪枠側に移動するのを案内する移動案内部53と戸尻竪枠側の基端位置を規制する基端位置規制部55とが形成してある。
図8に示すように、吊元ガイドローラ47は障子固定部57に対してスプリング59で戸先側に付勢してある。
図2及び図10に示すように、引寄せガイド43は、戸尻側折戸7bに取り付けた引寄せローラ49を、戸尻側折戸7bの折り畳み開始時と締め切り時の軌跡に沿って案内する湾曲状案内部61と、障子5の閉じ位置を規制するストッパ63とを備えている。引寄せローラ49は、ストッパ63に係合することで、室内側及び戸先側への移動が規制される。
図9に示すように、引寄せローラ49は、障子固定部65に対してスプリング67で戸先側に付勢してある。
図1(a)及び図2に示すように、建具1の全閉状態では、折戸7は展開した状態にあり、戸尻竪枠11と障子5の戸尻竪框19との間に移動空間Sを形成している。この移動空間Sに対向した位置には仕切部21があり、仕切部21に設けた気密材23が戸尻竪框19に当接して移動空間Sの室外側開口を塞いでいる。
一方、障子5の戸先竪框13の戸先側端部29は、戸先竪枠13の見込み面から突設した室外側壁部25と室内側壁部27との間に位置しており、室内側突設部31と共にジグザグの通気路26を形成して、室内側と室外側との換気を図ると共に室内(浴室)のシャワー水等が脱衣室側に浸入するのを防いでいる。
また、建具1の全閉状態では、吊元ガイドローラ47は吊元ガイド41の見付壁部54の室外側に位置している。各引寄せローラ49は、引寄せガイド43のストッパ63に係合して戸先側への移動が規制されていると共に折戸7の展開状態が保持されている。
これにより、障子5の全体が戸尻竪枠11側へ移動空間S分移動する。障子5が戸尻竪枠11側へ移動すると折戸の回転軸33が吊元ガイド41の回転軸案内部52に案内されて移動し、基端位置規制部55(図2参照)に当接して移動が規制されると共に吊元ガイドローラ47は見付壁部54に沿って移動し、ローラ案内溝51の手前に位置する。一方、各引寄せローラ49は、戸尻側に移動して対応する引寄せガイド43から外れる。
図1(c)に示すように、更に、引戸9の取手9aを矢印T方向へ引くと、折戸の回転軸33と、折戸ヒンジ35の戸尻側回転軸37b及び戸先側回転軸37aが、水平方向でずれた位置にあることから、戸尻側回転軸37b及び戸先側回転軸37aに回転モーメントが作用して、折戸7の折り畳みが開始する。一方、吊元ガイドローラ47は、吊元ガイド41の傾斜部51a(図2参照)に沿って移動することで、折り畳みを促進する。
更に、取手9aを矢印T方向へ引くと、折戸7が次第に折り畳まれ、吊元ガイドローラ47は湾曲状のローラ案内溝51内を移動する。
そして、図1(d)に示すように、折戸7の戸先側折戸7aと戸尻側折戸7bとが面を対向させるようにして折り畳みが完了し、建具1を全開する。
図1(c)に示す折戸7が展開する途中の状態では、折戸7の回転軸33は基端位置にあり戸尻側折戸7bに対して相対的に回転するが、このとき吊元ガイドローラ47は吊元ガイド41の円弧状のローラ案内溝51を移動するので、折戸7が引戸9のスライド方向(符号Tと反対方向)へ移動しようとすると、吊元ガイドローラ47は案内溝51の湾曲壁部56(図2参照)に当接して戸先側への移動が規制される。これにより、折戸7が戸先側へ移動することなく、折戸7の回転軸33は基端位置に保持される。
そして、図1(c)の状態を経て、更に引戸9を戸先側へスライドすると、図1(b)に示すように、折戸7が展開状態になる。この状態で、吊元ガイドローラ47は吊元ガイド41のローラ案内溝51から外れ、引寄せローラ49は引寄せガイド43に対向して位置する。吊元ガイドローラ47はローラ案内溝51から外れるので、障子5は戸先側へ移動可能な状態になる。
図1(b)の状態では、戸先側に移動空間分の隙間Wができるので、引戸9を更に戸先側へ引いて障子5全体を戸先側へ移動空間分の隙間W分移動すると、引寄せローラ49が引寄せガイド43のストッパ63に係合してそれ以上の移動が阻止される。これにより、図1(a)に示すように、引戸9の戸先側端部29は室外側壁部25と室内側壁部27との間に位置して、通気路26を形成した状態(図2参照)で建具1を全閉にする。
図1(a)に示すように、全閉状態にあるときには、障子5の戸先には戸先竪枠13との間に通気路26が形成されているが、この通気路26を通る空気は、折戸の開閉時の空気抵抗を解消する流通量ではない。
これに対して、本実施の形態では、図1(b)に示すように、障子5を開き始めるときには、折戸5の回転軸33を基端位置にすることで、障子5の戸先側と枠3との間に移動空間分の隙間Wが形成され、この隙間Wを空気が流通するから、折戸5の折畳み開始時に、浴室のように密閉された閉空間内の空気を圧縮する抵抗が小さく、軽い力で開くことができる。
同様に、折戸7を展開して障子5を閉じ切るときには、障子5の戸先側部29と戸先竪枠13との間に移動空間分の隙間Wがあるのでこの隙間Wを空気が流通するから、閉空間内の空気を吸引する抵抗が小さく、軽い力で閉じることができる。
障子5を戸尻側に向けて障子5の面内方向にスライドすることで折戸7を折り畳み、障子5を戸先側に向けて障子5の面内方向にスライドすることで折戸7を展開できるから、一直線方向の力で障子5を開閉できるので、使い勝手が良い。
図2に示すように、障子5が全閉状態にあるときに、障子5の戸先端部29と戸先竪枠13との間に通気路26を形成しているので、戸先での換気を図ることができる。また、障子5を開くと、通気路26を形成している戸先側部29及び戸先竪枠13の対向面が露出できるので、汚れがたまりやすい通気路26の清掃がし易い。更に、ジグザクの通気路26を形成することで、室内と室外の換気を図りつつ浴室(室内)から脱衣室側(室外)に水が浸入するのを防止できる。
仕切部21を設けることにより、移動空間Sを通じて浴室の水が脱衣室側に浸入するのを防止できると共に浴室内への空気の流入を防ぎ、浴室(閉空間)の気密性を高めることができる。
図2及び図3に示すように、吊元ガイド41には、平面視直線状の傾斜部51aを設けているから、障子5を開くときには、引戸9の引き操作に対して戸尻側折戸7bが傾斜部51aの傾斜に沿って室内側へ移動することで、折戸7の折り畳み開始を促進できる。
図1(a)に示すように、折戸の回転軸33を基端位置から戸先側へ移動した全閉状態では、引寄せローラ49は引寄せガイド43のストッパ63(図10参照)に係合して、戸先側への移動が規制されるから、全閉位置にある障子5が戸先側へ移動するのを規制し、障子5の戸先側端部29と戸先竪枠13との間の通気路26を確保することができる。更に、引寄せローラ49は引寄せガイド43のストッパ63に係合することで、室内側への移動が規制されるから、戸が風圧等により開くのを防止できる。
図11に、本発明の第2実施の形態にかかる建具1を示す。この第2実施の形態では、障子5は折戸7のみで構成してあり、折戸7の戸先側に引戸9が無いことが第1実施の形態と異なっている。即ち、折戸7の戸先竪框7cは、戸先側折戸7aの本体7dに対して回動自在に取付けてあり、戸先竪框7cに取手9aが設けてあり、戸先竪框7cが障子5の面内方向にのみスライドするようにしてある。その他の構成は、第1実施の形態と同様である。
この第2実施の形態によれば、第1実施の形態にかかる引戸9に替えて、戸先竪框7cを引戸9と同様にスライドすることで、第1実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
そして、躯体2は仕切部21の室外側見付面と躯体取付部11bの外周側見込面に対向して配置している。即ち、仕切部21は躯体2により室外側から隠蔽されていることが上述した第1及び第2実施の形態と異なっている。
この第3実施の形態によれば、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
更に、仕切部21は、室外側面を躯体2で隠してあり、室外側から見えないと共に枠3の開口部内周に突設しているように見えないから、意匠性が良い。
この第4実施の形態では、図13に二点鎖線で示すように、戸尻竪框19が戸尻竪枠11側へ移動すると仕切部21が弾性変形して、室内側と室外側との間の仕切り状態を保持する。
この第4実施の形態によれば、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
例えば、建具1は、浴室戸に限らず、ウォーキングクローゼットや建物内の部屋等の少なくとも一方の空間が閉空間である空間同士を連通する開口部に設けるものであれば良い。
第1及び第2実施の形態において、仕切部21は、面状の板材に限らず、ガラリ等であって良く、移動空間Sを仕切るものであれば、通気可能なものであってもよい。
第4実施の形態では、仕切部21は、アコーディオンカーテンのように山谷を折り畳み自在に設けたものであっても良い。
吊元ガイド41は主部品41aと補助部品41bとの2部品で構成したが、これに限らず、1つの部品で構成するものであっても良い。
第2実施の形態において、戸先竪框7cは戸先側折戸7aの本体7dに対して回動自在に設けないで、戸先側折戸7aの本体7dに固定してあっても良く、戸先竪框7cが上枠15又は下枠に案内されて左右方向にスライドするものであれば良い。
尚、閉空間には、開閉戸を付けたり、換気・通風構造を設けたりすることも可能である。そして、閉空間は完全なる密閉状態のものであっても良い。
3 枠
5 障子
7 折戸
9 引戸
21 仕切部
33 折戸の回転軸
L 左右方向の開口寸法
M 障子の左右方向の寸法
S 移動空間
W 移動空間分の隙間
Claims (1)
- 隣接する空間のうち、少なくとも一方を閉空間とした空間同士を連通する開口部に取付けるものであり、枠と、障子を備え、障子は折戸を有し、枠は、左右方向の開口寸法が障子の左右方向の寸法よりも大きく、戸尻側に障子の戸尻側が気密状態で移動可能な移動空間を有し、障子は、折戸の回転軸が枠の戸尻側端に位置する基端位置で折戸が展開状態にあるときに、戸尻側にスライドすることで折戸を折り畳み、基端位置で展開状態にある折戸が、展開状態のまま戸先側に移動空間分スライドしたときに、障子の戸先端部と戸先竪枠との間に通気路を形成した状態で全閉にすることを特徴とする建具。
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