JP2007119887A - カチオン電着塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 陰極を被塗物とするカチオン電着塗装において、対極である陽極の表面積と陰極である被塗物の表面積の比(極比=陽極の表面積/陰極の表面積)が1/8〜1/20であり、かつ該カチオン電着塗装に用いるカチオン電着塗料が高つきまわり性を有することを特徴とするカチオン電着塗装方法。
【選択図】図1
Description
本発明の電着塗装方法においては、一般に使用される任意のつきまわり性の高いカチオン電着塗料組成物を用いることができる。しかしながら、カチオン電着塗料組成物、例えば被塗物に対して厚さ15μmに電着された電着塗膜の膜抵抗が700〜1800kΩ・cm2であるつきまわり性に優れたものでなければならない。カチオン電着塗料組成物はまた、電導度が1300〜2000μS/cmが好ましい。電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、硬化剤および必要に応じて顔料や添加剤を含むものが挙げられる。以下、それぞれの成分について説明する。
本発明で用いるカチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。カチオン性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
本発明で使用する硬化剤は、ポリイソシアネートをブロック剤でブロックして得られたブロックポリイソシアネートが好ましく、ここでポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれのものであってもよい。
本発明で用いられる電着塗料組成物は、通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を顔料分散樹脂と呼ばれる樹脂と共に予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料分散ペーストを水性媒体中に分散することによって調製される。また、通常、水性媒体にはカチオン性エポキシ樹脂の分散性を向上させるために中和剤を含有させる。中和剤は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。その量は少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を達成する量である。
ブロックイソシアネート硬化剤の製造
ジフェニルメタンジイソシアネート1250部およびメチルイソブチルケトン(以下「MIBK」という。)266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ジブチルスズジラウレート2.5部を加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK336.1部を加えてブロックイソシアネート硬化剤を得た。
アミン変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)87部、MIBK85部およびジブチルスズジラウレート0.1部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール32部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
アミン変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)87部、MIBK85部およびジブチルスズジラウレート0.1部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール32部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
顔料分散樹脂分散物の製造
まず、攪拌装置、冷却管、窒素導入管、温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここへジブチルスズジラウリート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに製造例4で得た顔料分散樹脂分散物を120部、カーボンブラック2.0部、焼成カオリン50重量部、ケイ酸化合物50.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料ペーストを得た(固形分48%)。
製造例2で得られたアミン変性エポキシ樹脂エマルションと製造例5で得られた顔料分散ペーストを混合した。さらにジブチルスズオキサイドを樹脂固形分に対し1質量%分、エチレングリコールモノヘキシルエーテル及びイオン交換水を加えて、固形分が15重量%および膜抵抗値(15μ時)1260kΩ・cm2を有するカチオン電着塗料組成物を得た。
つきまわり性は、いわゆる4枚ボックス法により評価した。すなわち、図2にしめすように、4枚のリン酸亜鉛処理鋼鈑(JIS G3141 SPCC−SD、サーフダインSD−5000(日本ペイント社製)を用いて処理)11〜14を、立てた状態で間隔20mmで平行に配置し、両側面下部および底面を布粘着テープ等の絶縁体で密閉したボックス10を調製した。なお、鋼鈑14以外の鋼鈑11〜13には下部に8mmφの貫通穴15が設けられている。
製造例2で得られたアミン変性エポキシ樹脂エマルションと製造例5で得られた顔料分散ペーストを混合した。さらにジブチルスズオキサイドを樹脂固形分に対し1質量%分、エチレングリコールモノヘキシルエーテル及びイオン交換水を加えて、固形分が7.5重量%、膜抵抗値(15μ時)790kΩ・cm2を有するカチオン電着塗料組成物を得た。こうして得た電着塗料組成物を用いて、カチオン電着塗装を行った。その際、極比を2種類(1/8および1/20)用いた。極比1/8の方を実施例2とし、極比1/20の方を実施例3とし、実施例1と同様にして評価した。結果については表1に示した。
製造例3で得られたアミン変性エポキシ樹脂エマルションに、製造例5で得られた顔料分散ペーストを混合した。さらにジブチルスズオキサイドを樹脂固形分に対し1質量%分、エチレングリコールモノヘキシルエーテル及びイオン交換水を加えて、固形分20重量%および膜抵抗値(15μ時)650kΩ・cm2を有するカチオン電着塗料組成物を得た。こうして得た電着塗料組成物を用いて、カチオン電着塗装を行った。その際、極比1/20を用い、実施例1と同様にして評価した。結果については表1に示した。
Claims (11)
- 陰極を被塗物とするカチオン電着塗装において、対極である陽極の表面積と陰極である被塗物の表面積の比(極比=陽極の表面積/陰極の表面積)が1/8〜1/20であり、かつ該カチオン電着塗装に用いるカチオン電着塗料が高つきまわり性を有することを特徴とするカチオン電着塗装方法。
- 該カチオン電着塗料組成物が、被塗物に対して厚さ15μmに電着された電着塗膜の膜抵抗が700〜1800kΩ・cm2である請求項1記載のカチオン電着塗装方法。
- 被塗物が自動車の車体または自動車部品である請求項1または2に記載されたカチオン電着装方法。
- カチオン電着塗装における被塗物である陰極に対する対極である陽極の表面積の比(陽極の表面積/陰極の表面積)を極比とする場合において、該カチオン電着塗装に用いるカチオン電着塗料を高つきまわり性を有するものにして極比の使用できる範囲を拡大することを特徴とするカチオン電着塗装における極比の使用範囲を拡大する方法。
- 極比の使用範囲が、1/3〜1/8から、1/3〜1/20に拡大される請求項4記載のカチオン電着塗装における極比の使用範囲を拡大する方法。
- 該カチオン電着塗料組成物が、被塗物に対して厚さ15μmに電着された電着塗膜の膜抵抗が700〜1800kΩ・cm2である請求項4記載のカチオン電着塗装における極比の使用範囲を拡大する方法。
- 被塗物が自動車の車体または自動車部品である請求項4また5に記載されたカチオン電着塗装における極比の使用範囲を拡大する方法。
- カチオン電着塗装における被塗物である陰極に対する対極である陽極の表面積の比(陽極の表面積/陰極の表面積)を極比とする場合において、該カチオン電着塗装に用いるカチオン電着塗料を高つきまわり性を有するものにすることにより極比の使用できる範囲を拡大することによってカチオン電着塗装における被塗物の表面積の大きな変化に対応にする方法。
- 極比の使用範囲が、1/3〜1/8から、1/3〜1/20に拡大される請求項8記載のカチオン電着塗装における被塗物の表面積の大きな変化に対応にする方法。
- 該カチオン電着塗料組成物が、被塗物に対して厚さ15μmに電着された電着塗膜の膜抵抗が700〜1800kΩ・cm2である請求項8記載のカチオン電着塗装における被塗物の表面積の大きな変化に対応にする方法。
- 被塗物が自動車の車体または自動車部品である請求項8または9に記載されたカチオン電着塗装における被塗物の表面積の大きな変化に対応にする方法。
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