JP2004083824A - 電着塗膜形成方法とこれに使用するカチオン電着塗料組成物及び該方法で塗装した塗装物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体樹脂としてアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)、硬化成分としてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料組成物を用いて、電着塗装時における、塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が125〜150kΩ・cm2/μmであり、かつ単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28〜50mg/Cの条件にて、つきまわり性における内板/外板の膜厚(c)が、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10〜12μmで内板膜厚と外板膜厚の比が10/10〜12である塗膜を得ることを特徴とする電着塗膜形成方法と、この方法に使用するカチオン電着塗料組成物及び該方法で塗装された塗装物品である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋構造を有する被塗物の外板膜厚を抑制し、かつ袋構造内部の造膜性が向上する塗膜形成方法と、これに使用する電着塗料組成物及び塗装された物品に関し、詳しくは、カチオン電着塗料のつきまわり性の塗装試験において、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmの塗膜が得られ、均一塗装性に優れる電着塗膜形成方法、及びこれに使用する電着塗料組成物、該電着塗膜形成方法によって被覆された塗装物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
カチオン電着塗料は、塗装作業性が優れ耐食性が良好なことから、自動車ボディなどの金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。
最近、自動車ボディの衝突安全性向上の面から袋構造部などにおいて補強部材が重なり合った構造が多く用いられ、そのような袋構造部では電着塗装時の電気が流れにくく電流密度が低下することから電着塗膜が形成し難くなり、場合によっては、袋構造部が未塗装のままとなり腐食が進行することによって、自動車ボディの強度低下を招くこととなる。
従来からこのような袋構造内部の膜厚を確保し耐食性を得るために、塗装条件の工夫がなされているが、例えば、電着塗装時の電圧を上げると、それに伴い自動車ボディのドアやフェンダーなどの外板膜厚も必要以上に厚くなり塗料使用量が増えコストが上る等の問題点がある。
そこで、袋構造を有する被塗物の外板膜厚の膜厚を抑制し、かつ袋構造内部を造膜させること、詳しくは、カチオン電着塗料の試験方法における「つきまわり性」において内板と外板の膜厚が、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmである均一塗装性に優れる塗膜形成方法が求められている。
つきまわり性は、図1の1−1に示されるように、りん酸亜鉛処理した冷延鋼板で下部に8mmφの穴1が設けられているAB面〜GH面の鋼板の4枚2〜5を20mm間隔で平行に配置した4枚ボックス法により評価する。
電着塗装は、図1の1−2に示すような配線図で行い、対極に最も近いA面鋼板(外板想定)に形成された塗膜の膜厚と、対極から最も遠いG面鋼板(内板想定)5に形成された膜厚によりつきまわり性を評価する。
つきまわり性(%)=G面膜厚(μm)/A面膜厚(μm)×100
この値が大きいほどつきまわり性が良好であると評価できる。つきまわり性が良好であることを「均一塗装性」と称することがある。
従来の発明としては、電導度が1000〜1300μS/cm2 、クーロン効率が40mg/クーロン以上であることによって高いつきまわり性を得る発明(特開2000−204299号公報)として、実施例に記載のG面の膜厚が9〜12μmのときは、A面の膜厚は20μm(12段落目 8行)であるので、つきまわり性は 9〜12μm/20μmであることが示されている。溶解性パラメーター、ガラス転移温度、さらには塗料特性としてクーロン効率の調整により、つきまわり性を得る発明(特開平7−286297号公報)として、G面の膜厚が10〜12μmのときは、電極側面の膜厚が25μmであるので、つきまわり性は、10〜12μm/25μmであることが示されている。
他に、最低造膜温度を電着塗装設定温度±5℃以内、及び塗装時の電導度と1000〜1500μm/cmによるつきまわり性の発明(特開2001−19878号公報)として、実施例に示されるように、つきまわり性は内板膜厚/外板膜厚=0.56〜0.6である。
他に、内板膜厚が12μmに対して、外板膜厚は39〜40μmで、内板膜厚/外板膜厚=12/39〜40のつきまわり性が得られる発明(特開2001−288598号公報)がある。
他に、通電方法によるつきまわり性の発明(WO98/03701)が挙げられるが、この発明の外板膜厚は14〜21μmで厚いものであり、内板膜厚/外板膜厚=10〜19μm/14〜21μmの範囲である。
このように従来は、外板膜厚を10〜12μmに押さえて、かつ内板膜厚が10μmである、即ち、つきまわり性における内板膜厚と外板膜厚が、内板膜厚/外板膜厚=10μm/10〜12μmである高いつきまわり性を得る発明はなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの要求に応えるために鋭意研究を重ねた結果、特定の範囲の塗料特数が得られるカチオン電着塗料を用いた場合に、つきまわり性の塗装試験において内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmが得られることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
「1. 基体樹脂としてアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)、硬化成分としてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料組成物を用いて、電着塗装時における、塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が125〜150kΩ・cm2/μmであり、かつ単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28〜50mg/Cであり、つきまわり性試験における内板と外板の膜厚(c)が、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmである塗膜を得ることを特徴とする電着塗膜形成方法。
2. 電着塗料組成物のエポキシ樹脂が、エポキシ当量180〜2500であり、数平均分子量が少なくとも200のエポキシ樹脂である、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
3. 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるアルキルフェノールが化学式(1)で示されるアルキルフェノールである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
式(1)
【0004】
【化2】
【0005】
(式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1〜15の炭化水素基を表す。)
4. 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、数平均分子量62〜5000のポリオールである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
5. 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、活性水素基を2〜10有する活性水素基含有化合物にカプロラクトンを付加したポリオールである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
6. 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、活性水素基を有する化合物の活性水素基1モルに対し、カプロラクトン1〜30モル反応させたポリオールである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
7. ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)が、ブロック剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを含有するものである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
8. ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)が、ポリオールで変性し高分子量化してなるものである、7項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
9. 電着塗料組成物のアミン変性エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂60〜85重量%、アルキルフェノール2〜15重量%、ポリオール5〜20重量%、アミノ基含有化合物5〜25重量%の付加物である、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
10. 電着塗料組成物のイソシアネートをブロックするジオールが反応性の異なる2個の水酸基を有するジオールである、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
11. 電着塗料組成物が固形分重量でアミン付加エポキシ樹脂50〜85重量%とブロックポリイソシアネート15〜55重量%からなる、1項に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
12. 1項ないし11項のいずれか1項に記載された電着塗膜形成方法よって被覆された塗装物品。」
に関する。
勿論、2項〜11項の発明を組み合わせた発明、例えば、電着塗料組成物のエポキシ樹脂が、エポキシ当量180〜2500であり、数平均分子量が少なくとも200のエポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂と反応させるアルキルフェノールが化学式(1)で示されるアルキルフェノールである、電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物等も包含されるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、カチオン電着塗料のつきまわり性において、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmで内板膜厚と外板膜厚の比が10/10〜12が得られるカチオン電着塗膜形成方法と、この方法により使用するカチオン電着塗料組成物及び該塗膜形成方法で塗装した塗装物品に関する。
本発明の塗料特性とするためには、少ない中和剤量で安定なエマルションとし、塗膜の分極抵抗を通常より高めるには基体樹脂や硬化剤の選定が極めて重要であり、基体樹脂の面では適正なアミン種・量および可塑変性剤種の選択による塩基強度、親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要で、また硬化剤の面でもポリイソシアネート種・分子量、変性方法及びブロック剤種・分子量の調整による親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要である。
そのようなカチオン電着塗料組成物の基体樹脂としてアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)、硬化成分として用いるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)の好ましいとされる組成について説明する。
次に、塗料特性である塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)、単位電気量当たりの塗料析出量(b)、つきまわり性の塗装試験における内板/外板の膜厚(c)について説明する。
【0007】
アミン付加エポキシ樹脂(I)
本発明に用いるアミン付加エポキシ樹脂(I)は、エポキシ当量180〜2500のエポキシ樹脂に、化学式(1)で表されるアルキルフェノール(1)と、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール(2)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなる、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂である。
化学式(1)
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1〜15の炭化水素基を表す。)
骨格となるエポキシ樹脂は、エポキシ当量180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、また、少なくとも200、好ましくは400〜4,000、更に好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
エポキシ当量が180未満であると防食性やつきまわり性効果がなく、また2,500を越えるものは防錆鋼板(亜鉛メッキ鋼板)の電着塗装性を低下させる。また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
該ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
例えばエポキシ樹脂の具体例として、エピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)などを用いることができる。
アルキルフェノール(1)
アルキルフェノール(1)は、以下の化学式(1)で示される。
化学式(1)
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1〜15の炭化水素基を表す。)
アルキルフェノール(1)のR1で表される炭素原子数1〜15の炭素水素基としては、酸素原子、窒素原子などを一部含有していてもよいが、なかでも、例えば、メチル、エチル、n−ブチル、tert−ブチル、ノニル基などの炭素原子数1〜15のアルキル基が好適である。
【0012】
複数の活性水素基を含有する化合物
複数の活性水素基を含有する化合物としては、活性水素基としてアルコール性水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の基であり、具体的には、化合物として低分子ポリオール、線状または分岐状のポリエーテルポリオール、線状または分岐状のポリエステルポリオール、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を含有するアミン化合物やこれらのアミノ基と水酸基を含有するアミン化合物などが挙げられる。
活性水素基の数としては2個以上、10個未満が好ましい。活性水素基が2個未満では目的とするポリオールができず。また10個以上では未反応物ができる為、防食性の低下を招く。
低分子ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。
線状または分枝状のポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAポリエチレングリコール、ビスフェノールAポリプロピレングリコール等が挙げられる。
線状または分岐状のポリエステルポリオールは、例えば有機ジカルボン酸またはその無水物を、有機ジオールでエステル化することにより製造することができる。
なお、ポリエステルの製造のために使用するジオールは、たとえばアルキレングリコール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびその他のジオール、たとえばジメチロールシクロヘキサンからなる。しかし、少量のポリオール、たとえばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリットを添加してもよい。ポリエステルの酸成分は、1分子中2〜44、好ましくは4〜36個の炭素原子を有する低分子ジカルボン酸またはその無水物からなる。例えばその酸としてo−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、テトラクロロフタル酸及び/又は脂肪酸の三量体である。またポリエステルポリオールの形成の際に、少量の3個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸無水物や不飽和脂肪酸の付加物を併用しても構わない。1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を含有するアミン化合物やこれらのアミノ基と水酸基を含有するアミン化合物としては、例えば、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、などのアルキルアミン類:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどのアルカノールアミン類:1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサノン、イソホロンジアミンなどの脂環族ポリアミン類;
キシリレンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類:エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン類:ピペラジンやこれらのポリアミン類を変性してなる、ポリアミド、ポリアミドアミン、エポキシ化合物とのアミンアダクト、ケチミン、アルジミンなどのその他のアミン化合物を挙げることができる。
カプロラクトン
カプロラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンなどがあるが、ε−カプロラクトンが好ましい。
【0013】
ポリオール(2)
上記複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンは、既知の方法により付加させることができる。得られたポリオールは、下記の化学式(2)で示されるポリエステル単位が繰り返されるのが特徴である。
化学式(2)
−(CO−(CHR2)n−CH2−O)m−
この場合、nは4〜6、mは1〜100、R2は水素、アルキル基、シクロアルキル基、またはアルコキシ基である。
末端がポリカプロラクトン性の水酸基であるポリオールの製造に用いられる、ε−カプロラクトンは上記の式(2)においてn=4であり、R2は水素を示す。
この反応には、触媒として例えば、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタン等のチタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物、塩化第1錫などの金属化合物の存在化で、複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンと100〜250℃の温度で約1〜15時間加熱することによって行うことができる。
上記触媒は一般に、複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンとの合計量に基づいて0.5〜1,000ppmの量で使用するのが良い。
ポリオールは、複数の活性水素基を含有する化合物の活性水素1モルに対して、カプロラクトンのモル比が1〜30、好ましくは1〜20である。
上記変性によって得られたポリオール(2)は末端がポリカプロラクトン性の水酸基を有し、ポリオールに基づく高い可塑性能とポリカプロラクトンに基づくエポキシ樹脂に対する高い相溶性と末端水酸基による高い反応性をもつので、本発明で明示した性能を高度に持たせることができる。
複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加したポリオール(2)であるが、分子量が数平均分子量で62〜5,000、好ましくは70〜4,000である。
【0014】
アミノ基含有化合物(3)
アミノ基含有化合物(3)は、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどのアルキルアミン類:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、及びこれらのポリアミン化合物のケチミン化物を挙げることができる。挙げられる。
アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)における各成分の配合割合は、各成分の固形分総合計量に対して、エポキシ樹脂が60〜85重量%の範囲、アルキルフェノール(1)が2〜15重量%の範囲、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール(2)が5〜20重量%の範囲、アミノ基含有化合物(3)が5〜25重量%の範囲である。
エポキシ樹脂が60重量%未満であると防食性が不十分であり、85重量%を越えると防錆鋼板の電着塗装性が劣る。アルキルフェノールが2重量%未満であると、つきまわり性の内板膜厚10μmと外板膜厚10μm〜12μmの内板膜厚と外板膜厚の比10/10〜12を得るために効果がなく、15重量%を越えるとアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)の安定性が不良になる。
複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール(2)が5重量%未満であると防錆鋼板の電着塗装適性に効果がなく、20重量%を越えると防食性が低下する。またアミノ基含有化合物(3)が5重量未満であると樹脂の水分散性が低下し、25重量%を越えると防食性が低下する。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)に、さらにブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を含有することにより得ることができる。以下に、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)の特徴について述べる。
【0015】
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。
ここで使用されるポリイソシアネート化合物としては、従来からあるものが使用でき、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDI、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族のポリイソシアネート化合物;これらのポリイシアネート化合物の環化重合体、イソシアネートビゥレット体;これらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物などを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生するものであることが望ましい。
このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系化合物を挙げることができる。この中でもつきまわり性の向上には、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが分極抵抗値を上げる面から好ましい。
【0016】
これらのブロック剤の他に、互いに反応性の異なる2個の水酸基を有する分子量76〜150のジオールや分子量106〜500のカルボキシル基含有ジオールをブロック剤として用いたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を用いることもでき、本発明の塗料特性を得るには好ましい。
上記、ジオールは、反応性の異なる2個の水酸基、例えば、1級水酸基と2級水酸基、1級水酸基と3級水酸基、2級水酸基と3級水酸基との組み合わせの2個の水酸基を有し、且つ76〜150の分子量を有するものであり、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオールなどの反応性の異なる2個の水酸基を有するジオール類を挙げることができる。
なかでもプロピレングリコールの変性によるブロック化ポリイシアネート硬化剤(II)が、反応性、加熱減量の低減、塗料安定性などの観点から好適である。これらのジオールは、通常、反応性の高いほうの水酸基からイソシアネート基と反応しイソシアネート基をブロック化する。
上記のカルボキシル基含有ジオールには、分子量106〜500のカルボキシル基含有ジオールが包含され、分子中にカルボキシル基を有することによって、低温解離性が向上し低温での硬化性を向上させることができ、特に、硬化触媒として、有機錫化合物を使用した場合に低温での硬化性を大きく向上させることができる。
カルボキシル基含有ジオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチロール吉草酸、グリセリン酸等を挙げることができる。
【0017】
カチオン電着塗料における基体樹脂であるアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)とブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)との配合割合は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、アミン付加エポキシ樹脂は一般に50〜85重量%、好ましくは55〜80重量%、さらに好ましくは65〜75重量%、そしてブロックポリイソシアネート硬化剤(II)は一般に15〜55重量%、好ましくは20〜45重量%、さらに好ましくは25〜35重量%の範囲内とすることができる。
上記、カチオン電着塗料組成物の中和に用いる有機カルボン酸としては、特に、酢酸、ギ酸、又はこれらの混合物が好適であり、これらの酸の使用により仕上がり性、つきまわり性、低温硬化性、塗料安定性が向上する。
顔料は、従来からカチオン電着塗料組成物に使用されている顔料であれば特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレ−、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;腐食抑制や防錆を目的として、リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料の他に、ビスマス化合物やアンチモン化合物を含有することができ、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、硝酸アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三塩化アンチモンなどが挙げられる。
これらの顔料類の配合量は、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)とブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)との合計固形分100重量部あたり、1〜100重量部、特に10〜50重量部の範囲内が好ましい。
【0018】
カチオン電着塗料組成物には、硬化触媒を適宜配合することができる。硬化触媒は、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)とブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)との架橋反応を促進するために有効であり、例えば、錫オクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジベンゾエート、酢酸鉛、ケイ酸鉛、オクチル酸亜鉛、ギ酸亜鉛などがあげられ、その配合量は、基体樹脂と硬化剤との合計100重量部あたり0.1〜10重量部の範囲内が適している。
カチオン電着塗料組成物は、上記の顔料組成の分散ペーストを予め製造しておき、これを基体樹脂及び硬化剤などを分散したエマルションと混合し、脱イオン水などで希釈して製造することが好ましい。
【0019】
カチオン電着塗料組成物の塗装は、浴槽の中に塗料を満たした後、被塗物をマイナス極として、極比=陽極/陰極=1/1〜1/10、浴温25〜35℃、電圧100〜400V、塗装時間30〜480秒間の範囲で電着塗装を行うことができる。乾燥焼付けは120〜200℃で、10分〜120分の範囲で行った後、塗膜を得ることができる。
本発明のつきまわり性において、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmで内板膜厚と外板膜厚の比が10/10〜12が得られる塗料特性について、以下に述べる。
【0020】
単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)
「単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)」は、適用電圧(例えば、250V)の3分間の電着塗装において、3分後の電流値(A)、適用電圧(V)、塗装面積(cm2)を用いて、計算式(A)により計算される分極抵抗値(kΩ・cm2)を、その膜厚で割ることによって求められる。
式(A)
分極抵抗値=電圧(V)×塗装面積(cm2)/電流値(A)×1000
【0021】
単位電気量当たりの塗料析出量(b)
「単位電気量当たりの塗料析出量(b)」は、適用電圧(例えば、250V)にて3分間塗装し、析出した塗膜の乾燥重量 (mg)を塗装時間内に流れた適用電圧での電気量 (クーロン)で割ることによって求められる。
上記、「単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)」を125〜150kΩ・cm2/μm、「電気量当たりの塗料析出量(b)」を28〜50mg/Cの範囲に調整するには、カチオン電着塗料組成物の組成面において、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)の適用による析出速度の向上、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)の面からブロック剤として、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系のブロック剤を少なくとも1種含有することによる疎水化、さらにポリオールで硬化剤(II)を変性したりして高分子量化を図る分極抵抗値の向上などの方法が挙げられ、これらの一種、又は組み合わせることにより達成される。
「単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)」が150kΩ・cm2/μmを超える場合には、析出した塗膜が過度に硬くなり仕上がり性の不具合を生じ、また125 kΩ・cm2/μm未満の場合には内板膜厚を十分に確保できない。
「単位電気量当たりの塗料析出量(b)」が50kΩ・cm2/μmを超える場合には、塗料析出量が多くなり外板の膜厚増加を招く、また28kΩ・cm2/μm未満の場合には内板膜厚を十分に確保できない。
【0022】
塗装試験におけるつきまわり性の内板/外板の膜厚(c)について
つきまわり性における内板が10μmで外板の膜厚が10μm〜12μmで両者の比が10/10〜12を得るためには、前記したような、基体樹脂としてアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)、硬化成分として好ましくはポリオール変性のブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料組成物を用いて、電着塗装時における、塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が125〜150kΩ・cm2/μm、かつ単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28〜50mg/Cの条件にて達成できる。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明に関する実施例及び比較例について説明をする。「部」及び「%」はいずれも重量を基準にしており、また本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
【0024】
製造例1 基体樹脂の製造例
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400gにε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を合成した。
次に、別のフラスコにてエピコート828EL(油化シェルエポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g、ジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。その中にノニルフェノール120gを加えて、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。
次に変性剤1を200g、ジエタノールアミンを95g、ジエチレントリアミンのケチミン化物65gを120℃で4時間反応させ、ブチルセロソルブ414gを加え、アミン価40、アルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂である樹脂固形分80%の基体樹脂No.1を得た。
【0025】
製造例2 アミノ基含有エポキシ樹脂の製造例
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)1010gに、ビスフェノールA 390g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン160g及びジエチレントリアミンのケチミン化物65gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ355gを加え、アミン価43mgKOH/g、分子量2,000、樹脂固形分80%の基体樹脂No.2を得た。
【0026】
製造例3 硬化剤No.1の製造例
反応容器中にコスモネートM−200(三井化学社製、商品名、クルードMDI)270部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。その中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がないことを確認し、固形分80%の硬化剤No.1を得た。
【0027】
製造例4 硬化剤No.2の製造例
製造例3においてエチレングリコールモノブチルエーテル118部から、エチレングリコールモノ2エチルヘキシル 174部に変更する以外は同様の操作にて、固形分80%の硬化剤No.2を得た。
【0028】
製造例5 硬化剤No.3の製造例
製造例3におけるエチレングリコールモノブチルエーテル118部から、エチレングリコールモノブチルエーテル 59部とエチレングリコールモノ2エチルヘキシル 87部に変更する以外は同様の操作にて、固形分80%の硬化剤No.3を得た。
【0029】
製造例6 硬化剤No.4の製造例
製造例3におけるエチレングリコールモノブチルエーテル118部から、エチレングリコールモノブチルエーテル 59部とジエチレングリコールモノエチルエーテル 67部に変更する以外は同様の操作にて、固形分80%の硬化剤No.4を得た。
【0030】
製造例7 硬化剤No.5の製造例
製造例3におけるエチレングリコールモノブチルエーテル118部から、エチレングリコールモノ2エチルヘキシル 87部とジエチレングリコールモノエチルエーテル 67部に変更する以外は同様の操作にて、固形分80%の硬化剤No.5を得た。
【0031】
製造例8 硬化剤No.6の製造例(比較用)
製造例3におけるエチレングリコールモノブチルエーテル118部からジエチレングリコールモノエチルエーテル304部に変更する以外は同様の操作にて、固形分80%の硬化剤No.6を得た。
【0032】
製造例9 硬化剤No.7の製造例(比較用)
反応容器中に、コスモネートM−200 275部及びメチルイソブチルケトン136部を加え、70℃に昇温し、ジエチレングリコールモノエチルエーテル304部をゆっくり加えた後、90℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がないことを確認し、固形分80%の硬化剤No.7を得た。
【0033】
製造例10 エマルションNo.1の製造例
上記、製造例1で得られた基体樹脂No.1を87.5g(樹脂固形分で70g)、製造例3で得られた硬化剤No.1 を33.3g(樹脂固形分で30g)、液状有機錫を2.5g(固形分で1g)、及び10%酢酸15gを配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水158.7gを強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.1を得た。
【0034】
製造例11〜17 エマルションNo.2〜8の製造例
エマルションNo.1の製造例と同様の操作にて、表1に示される配合にて、エマルションNo.2〜8を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
製造例18 顔料分散ペーストの製造
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、水酸化ビスマス 2.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.46部、脱イオン水 20.9部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料分散ペーストを得た。
【0037】
製造例19 カチオン電着塗料No.1の製造
カチオン電着用のエマルションNo.1 297部(固形分101部)に、製造例18で得た顔料分散ペーストを60部(固形分33部)、脱イオン水313部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料組成物No.1 を得た。
【0038】
製造例20〜26 カチオン電着塗料No.2〜8の製造
エマルションNo.2〜8に、顔料分散ペースト、及び脱イオン水を配合し、固形分20%のカチオン電着塗料組成物No.2〜8を得た。表2にカチオン塗料配合内容を示す。
【0039】
【表2】
【0040】
実施例及び比較例
実施例1
カチオン電着塗料No.1を電着槽内に満たし、浴温28℃、陽極/陰極=1/2、極間距離15cmの条件で電着塗装を行い、塗料特性を求めたところ、単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が130kΩ・cm2、単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28mg/Cであった。この塗料を用いて、4枚ボックスによるつきまわり性(前記、注1参照)試験を行ったところ外板膜厚(A面)/内板膜厚(G面)=10μm/10μmの結果が得られた。
【0041】
実施例2〜5
実施例1と同様の操作にて、表2のような塗料特性及びつきまわり性の試験結果を得た。
【0042】
比較例1
カチオン電着塗料No.6を電着槽内に満たし、浴温28℃、陽極/陰極=1/2、極間距離15cmの条件で電着塗装を行い塗料特性を求めたところ、単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が105kΩ・cm2、単位電気量当たりの塗料析出量(b)が35mg/Cであった。
【0043】
比較例2〜3
比較例1と同様の操作にて、表3の結果を得た。
【0044】
【表3】
【0045】
(注2)つきまわり性:図1の1−1ような4枚ボックス法つきまわり性試験の治具を用い、図1の1−2ような配線図を用い、塗装浴温30℃±0.5℃、塗装電圧230Vで3分間電着塗装を行った。均一塗装性の評価としては、外板膜厚(A面)に対して、内板膜厚(G面)を評価した。
(注3)無処理鋼板耐食性−1:70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施したSPCC鋼板に膜厚が20μmとなる塗装条件で電着塗装を実施し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた電着単独塗膜による35℃ソルトスプレー試験480時間後のテープ剥離を行い評価した
○:テープ剥離幅が3mm未満で良好な範囲
△:テープ剥離幅が3mm以上、4mm未満
×:テープ剥離幅が4mm以上。
(注4)無処理鋼板耐食性−2:70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施したSPCC鋼板に170℃で20分間の膜厚が20μmとなる塗装条件で電着塗装を実施し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた電着単独塗膜による50℃塩水浸漬試験480時間後、試験板全面にテープ剥離を行い評価した
○:剥がれ面積が10%未満
△:剥がれ面積が10〜20%
×:剥がれ面積が20%を超える
【0046】
【発明の効果】
本発明は、塗装時における塗料特数が以下の範囲、塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が125〜150kΩ・cm2/μmかつ単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28〜50mg/Cであるカチオン電着塗料により、つきまわり性の試験において、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmで内板膜厚と外板膜厚の比が10/10〜12が得られる均一塗装性に優れた塗膜形成方法及び塗装物品を提供することができる効果を奏する。
詳しくは、外板膜厚を従来の15μm〜20μmから10μm〜12μmに低下することによって、塗料使用量を軽減しコスト低下を図ることができる。さらに内板膜厚においても10μmの膜厚が得られることから、複雑な袋構造を有する被塗物において耐食性に優れた塗装物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
4枚ボックスのつきまわり性試験のモデル図(治具、配線図)である。
【符号の説明】
1.8mmφのパンチ孔
2.AB面の鋼板
3.CD面の鋼板
4.EF面の鋼板
5.G面の鋼板
6.H面の鋼板
Claims (12)
- 基体樹脂としてアルキルフェノール及びポリカプロラクトンで変性したアミン付加エポキシ樹脂(I)、硬化成分としてブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料組成物を用いて、電着塗装時における、塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値(a)が125〜150kΩ・cm2/μmであり、かつ単位電気量当たりの塗料析出量(b)が28〜50mg/Cであり、つきまわり性試験における内板と外板の膜厚(c)が、内板膜厚が10μmで外板膜厚が10μm〜12μmである塗膜を得ることを特徴とする電着塗膜形成方法。
- 電着塗料組成物のエポキシ樹脂が、エポキシ当量180〜2500であり、数平均分子量が少なくとも200のエポキシ樹脂である、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、数平均分子量62〜5000のポリオールである、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、活性水素基を2〜10有する活性水素基含有化合物にカプロラクトンを付加したポリオールである、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物のエポキシ樹脂と反応させるポリオールが、活性水素基を有する化合物の活性水素基1モルに対し、カプロラクトン1〜30モル反応させたポリオールである、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)が、ブロック剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを含有するものである、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(II)が、ポリオールで変性し高分子量化してなるものである、請求項7に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物のアミン変性エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂60〜85重量%、アルキルフェノール2〜15重量%、ポリオール5〜20重量%、アミノ基含有化合物5〜25重量%の付加物である、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物のイソシアネートをブロックするジオールが反応性の異なる2個の水酸基を有するジオールである、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 電着塗料組成物が固形分重量でアミン付加エポキシ樹脂50〜85重量%とブロックポリイソシアネート15〜55重量%からなる、請求項1に記載された電着塗膜形成方法に使用するカチオン電着塗料組成物。
- 請求項1ないし11のいずれか1項に記載された電着塗膜形成方法よって被覆された塗装物品。
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