JP3920881B2 - 熱硬化性カチオン性塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明はカチオン性塗料組成物に関し、さらに詳しくは、つきまわり性、防錆鋼板に対する電着塗装適性、防食性などの性能に優れた硬化塗膜を形成し得るカチオン電着塗料組成物に関する。
カチオン電着塗料組成物は、主に電着塗料として自動車下塗り用を始め幅広い用途に使用されており、従来から種々の特性を有するものが開発されている。例えば、カチオン電着塗料組成物として、基体樹脂として、水溶性基としてアミノ基及び/または第4級アンモニウム塩基を含有するエポキシ樹脂をポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルなどの可塑剤で内部可塑化したものを含有する、防食性に優れ、防錆用鋼板に対する電着塗装適性や密着性が良好なカチオン電着塗料組成物が提案されているが、このカチオン電着塗料組成物には、防錆顔料として、例えば、クロム酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、クロム酸ストロンチウムなどの鉛化合物やクロム化合物が配合されている。しかし、近年、公害問題の点から、鉛化合物やクロム化合物のような有害性のある化合物の使用は制限されており、鉛化合物やクロム化合物を配合しなくても防食性に優れているカチオン性塗料組成物の開発が強く望まれている。
可塑剤で内部可塑化されたエポキシ樹脂は、塗膜の防食性を低下させる傾向があるため、基体樹脂として、可塑変性剤を含有しないエポキシ樹脂を使用することにより防食性を向上させることが考えられるが、未可塑化エポキシ樹脂を用いた塗料組成物は、防錆用鋼板に対する電着塗装適性が低下するという問題がある。
また、塗膜の防食性を低下させない可塑剤として、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、アクリルポリオール等のポリオール樹脂;ポリブタジエン、ポリエチレン等のポリオレフィン等をエポキシ樹脂に配合することも提案されているが、これらの材料はエポキシ樹脂との相溶性が十分でなく、防錆鋼板に対する電着塗装適性などの向上にはあまり効果がないばかりか、多量に配合すると塗膜の防食性を低下させるなどの問題がある。
一方、カチオン電着塗料組成物に対しては、自動車車体の袋部(ロッカー、サイドシル、ピラー)等の防錆対策としてつきまわり性が要求されている。特に最近、自動車の安全水準のレベルアップからロッカー部やサイドシル内に補強材を入れるなど、ボディ構造が複雑になり、カチオン電着塗料組成物に対しては、よりいっそうのつきまわり性が要求されている。そのため、高つきまわり性を有し、しかも防食性及び防錆鋼板に対する電着塗装適性に優れたカチオン電着塗料組成物を開発することが要求されている。
本発明者らは、上記の如き要望に応えるべく鋭意研究を重ねた結果、今回、カチオン電着塗料中に、或る種の特定の変性アミノ基含有エポキシ樹脂を配合することにより、高つきまわり性を有し、しかも防錆鋼板に対する電着塗装適性及び防食性に優れたカチオン電着塗料組成物が得られることを見出した。
かくして、本発明によれば、
(a) エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂に、
(b) 下記式(1)のフェノール類及び下記式(2)のカルボン酸類よりなる群から選ばれる酸性化合物、
式中、
Xは水素原子又は場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
Yは場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
ここで、Rはアルキル基を表わす、
(c) 複数の活性水素基を含有する化合物(c)にカプロラクトン(c)を付加して得られるポリオール化合物、及び
(d) アミノ基含有化合物
を反応させることにより得られる変性アミノ基含有エポキシ樹脂を樹脂成分として含有するカチオン性塗料組成物が提供される。

以下、本発明により提供されるカチオン性塗料組成物について、さらに詳細に説明する。
(a) エポキシ樹脂
本発明に従う変性アミノ基含有エポキシ樹脂の主骨格となるエポキシ樹脂(a)としては、エポキシ当量が180〜2,500、好ましくは200〜2,000、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内にあり、また、一般に、少なくとも200、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。エポキシ樹脂のエポキシ当量が180未満であると、形成されるカチオン性塗料組成物の防食性やつきまわり性が悪くなり、逆に2,500を越えると防錆鋼板(亜鉛メッキ鋼板)の電着塗装性が著るしく低下する。
そのようなエポキシ樹脂(a)としては、塗膜の防食性等の観点から、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えばエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
該ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式
で示されるものが好適である。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同1002、同1004、同1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
(b) 酸性化合物
本発明に従い上記エポキシ樹脂(a)に反応せしめられる酸性化合物は、下記式(1)
式中、
Xは水素原子又は場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
ここで、Rはアルキル基を表わす、
で示されるフェノール類及び下記式(2)
式中、
Yは場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
ここで、Rはアルキル基を表わす、
で示されるカルボン酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
上記式(1)において、Xで表わされる炭素原子数1〜15の炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状であることができ、中でも、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ノニル基などの炭素原子数1〜15、特に1〜12のアルキル基が好適である。これらの基は場合により水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、メルカプト基(−SH)及びアルキルチオ基(−SR)よりなる群から選ばれる基により置換されていてもよい。
しかして、上記式(1)のフェノール類の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げられ、特にアルキルフェノールが好適である。
また、上記式(2)において、Yで表わされる炭素原子数1〜15の炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状であることができ、具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ノニル基などのアルキル基;ビニル、オレイル基などのアルケニル基;フェニル基のようなアリール基などが包含される。これらの基は場合により水酸基、アルコキシ基、メルカプト基及びアルキルチオ基よりなる群から選ばれる少なくとも1個、好ましくは1〜3個の基により置換されていてもよい。かかる基で置換された炭化水素基としては、例えば、1−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチロールエチル、1,1−ジメチロールプロピル、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基などが挙げられる。
しかして、上記式(2)のカルボン酸類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、オレイン酸、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、安息香酸、没食子酸などが挙げられ、中でも、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、安息香酸が好適である。
(c) ポリオール化合物
本発明において、ポリオール化合物(c)は、前記エポキシ樹脂(a)の内部可塑化に役立つものであり、複数の活性水素基を含有する化合物(c1)にカプロラクトン(c2)を付加することにより製造される。
活性水素基は少なくとも1個の活性水素を含有する原子団を意味し、例えば、アルコール性水酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基などが包含される。しかして、かかる活性水素基を1分子中に複数個含有する化合物(c1)としては、例えば、
(i) 低分子量ポリオール、
(ii) 線状又は分岐状のポリエーテルポリオール、
(iii) 線状又は分岐状のポリエステルポリオール、
(iv) 第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を含有するアミン化合物、或は第1 級アミノ基及び/又は第2級アミノ基と水酸基とを併有するヒドロキシアミン 化合物
などが挙げられる。これらの活性水素基含有化合物(c1)は、一般に62〜5,000、好ましくは62〜4,000、さらに好ましくは62〜1,500の範囲内の数平均分子量を有することができる。また、活性水素基含有化合物(c1)は、1分子あたり、平均して、少なくとも2個かつ30個未満、特に2〜10個の活性水素基を含有するものが好適である。
上記の低分子量ポリオール(i)は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を含有する化合物であり、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグリコシドなどのテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキソール類;シュークロースなどのオクトール類等が挙げられる。
上記の線状又は分岐状のポリエーテルポリオール(ii)は、通常62〜10,000、好ましくは62〜2,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、アルキレンオキサイド(e.g.,エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなど)の開環付加反応によって製造される、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコール、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。
上記の線状又は分岐状のポリエステルポリオール(iii)は、通常200〜10,000、好ましくは200〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、有機ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとの、有機ジオール過剰の条件下での重縮合反応によって得られるものが挙げられる。ここで使用される有機ジカルボン酸としては、炭素数が2〜44、特に4〜36の脂肪族系、脂環式又は芳香族系ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸などが挙げられる。また、これらジカルボン酸に加えて、3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の無水物や不飽和脂肪酸の付加物などを少量併用することができる。
また、有機ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコールや、ジメチロールシクロヘキサンなどが挙げられ、これらは場合により、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのポリオールの少量と併用してもよい。
上記の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を含有するアミン化合物、或は第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基と水酸基を併有するヒドロキシアミン化合物(iv)としては、例えば、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどのアルカノールアミン類;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサノン、イソホロンジアミンなどの脂環族ポリアミン類;キシリレンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミンなどのアルキレンポリアミン類;さらに、ピペラジンやこれらのポリアミン類から誘導される、ポリアミド、ポリアミドアミン、エポキシ化合物とのアミンアダクト、ケチミン、アルジミンなどのその他のアミン化合物を挙げることができる。
以上に述べた複数の活性水素基を含有する化合物(c1)のうち、上記(i)、(ii)及び(iv)の化合物、特に、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコール、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテル、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンよりなる群から選ばれるものが好適である。
他方、複数の活性水素基を含有する化合物(c1)に付加しうるカプロラクトン(c2)としては、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンなどが挙げられ、特にε−カプロラクトンが好適である。
上記の複数の活性水素基を含有する化合物(c1)とカプロラクトン(c2)の付加反応はそれ自体既知の方法で行うことができる。具体的には、例えば、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタン等のチタン化合物;オクチル酸錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物;塩化第1錫などの金属化合物のような触媒の存在下に、複数の活性水素基を含有する化合物(c1)とカプロラクトン(c2)とを約100〜約250℃の温度で約1〜約15時間加熱することにより行うことができる。
上記触媒は、一般に、複数の活性水素基を含有する化合物(c1)とカプロラクトン(c2)との合計量に基づいて0.5〜1,000ppmの量で使用することができる。また、カプロラクトン(c2)は、複数の活性水素基を含有する化合物(c1)の活性水素基1当量あたり(すなわち、活性水素1個あたり)、一般に1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜15モルの範囲内で使用することができる。
かくして得られるポリオール化合物(c)は、複数の活性水素基を有する化合物(c1)に基づく高い可塑化性能と、(ポリ)カプロラクトンに基づくエポキシ樹脂に対する高い相溶性と、末端水酸基による高い反応性とを兼備しており、塗料用エポキシ樹脂の内部可塑化剤として極めて有用である。
ポリオール化合物(c)は、一般に、カプロラクトン(c2)に由来する単位を合計で20〜95重量%、好ましくは25〜90重量%の範囲内で含有することができ、また、一般に300〜10,000、好ましくは400〜5,000の範囲内の数平均分子量を有することができる。
(d) アミノ基含有化合物
本発明において、前記エポキシ樹脂(a)に反応せしめられるアミノ基含有化合物(d)は、エポキシ樹脂基体にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
そのような目的で使用されるアミノ基含有化合物としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
変性アミノ基含有エポキシ樹脂:
本発明の塗料組成物においてビヒクルとして使用される変性アミノ基含有エポキシ樹脂は、前記のエポキシ樹脂(a)に、酸性化合物(b)、カプロラクトン由来の末端水酸基を有するポリオール化合物(c)及びアミノ基含有化合物(d)をそれ自体既知の方法で反応させることにより製造することができる。エポキシ樹脂(a)に対する酸性化合物(b)、ポリオール化合物(c)及びアミノ基含有化合物(d)の反応は任意の順序で行うことができるが、一般には、エポキシ樹脂(a)に対して、まず、酸性化合物(b)を反応させ、その反応生成物に、ポリオール化合物(c)及びアミノ基含有化合物(d)を同時に付加反応させるのが好適である。また、エポキシ樹脂(a)の骨格にポリオール化
合物(c)の片末端が付加しているのが好ましい。
エポキシ樹脂(a)と酸性化合物(b)との反応は、通常、適当な溶媒中で、場合により触媒の存在下に、約60〜約250℃、好ましくは約70〜約200℃の温度で1〜25時間程度、好ましくは1〜12時間程度行うことができる。上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙げられ、また、適宜用いられる触媒としては、例えば、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタン等のチタン化合物;オクチル酸錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物;塩化第1錫などの金属化合物;有機アミン化合物などが挙げられる。
かくして、エポキシ樹脂(a)の骨格に酸性化合物(b)が付加した反応生成物が得られる。
この反応生成物に対するポリオール化合物(c)及びアミノ基含有化合物(d)の付加反応は、通常、上記の如き適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。
上記の反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(a)、酸性化合物(b)、ポリオール化合物(c)及びアミノ基含有化合物(d)の4成分の合計固形分重量を基準にして以下の範囲内が適当である。
エ ポ キ シ 樹 脂 (a):一般に60〜85重量%、好ましくは62〜83重量%、
酸 性 化 合 物 (b):一般に0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、
ポリオール化合物 (c):一般に5〜20重量%、好ましくは5〜18重量%、
アミノ基含有化合物(d):一般に5〜25重量%、好ましくは6〜19重量%。
かくして製造される変性アミノ基含有エポキシ樹脂は、通常、30〜55mgKOH/g、好ましくは32〜50mgKOH/gの範囲内のアミン価を有することができる。
カチオン性塗料組成物:
本発明により提供されるカチオン性塗料組成物は、上記の如くして製造される変性アミノ基含有エポキシ樹脂をビヒクルとして含有するものであり、水性塗料、特に電着塗料において好適に使用される。
本発明に従う変性アミノ基含有エポキシ樹脂は、例えば、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂などの架橋剤、特にブロックポリイソシアネート架橋剤と組合わせて使用することにより、熱硬化性のカチオン性塗料組成物を調製することができる。
上記のブロックポリイソシアネート架橋剤は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学量論量での付加反応生成物である。ここで使用されるポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどの芳香族、脂環族又は脂肪族のポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体、イソシアネート・ビウレット体;これらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物などが挙げられる。これらは1種で又は2種以上混合して使用することができる。
これらの内、特に、芳香族ジイソシアネート、なかでもクルードMDIが好適である。
クルードMDIはジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートとジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとを主成分とする混合物であり、市販品として、コスモネートM−50、同M−200、同M−100、同M−300等(以上、いずれも三井化学社製);スミジュール44V10、同44V20、同44V40等(以上、いずれも住化バイエルウレタン社製);ルプラネートM−12、同M−12S、同M−20、同M−20S等(以上、いずれもドイツ国、BASF社製);モンデュアMR(LIGHT)等(バイエル社製)などを挙げることができる。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温においては安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
変性アミノ基含有エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート架橋剤との配合割合は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、変性アミノ基含有エポキシ樹脂は一般に55〜90重量%、好ましくは60〜85重量%、さらに好ましくは60〜80重量%、そしてブロックポリイソシアネート架橋剤は一般に10〜45重量%、好ましくは15〜40重量%、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲内とすることができる。
上記の変性アミノ基含有エポキシ樹脂及びブロックポリイソシアネート架橋剤を含有する本発明のカチオン性塗料組成物は、例えば、変性アミノ基含有エポキシ樹脂及びブロックポリイソシアネート架橋剤を十分に混合した後、通常水性媒体中において、水溶性有機カルボン酸で中和して該エポキシ樹脂を水溶化ないし水分散化することにより調製することができる。中和のための有機カルボン酸としては、特に酢酸、ギ酸又はこれらの混合物が好適であり、これらの酸の使用により、形成される塗料組成物の仕上がり性、つきまわり性、低温硬化性、塗料の安定性が向上する。
本発明の塗料組成物には、防錆剤としてビスマス化合物を含有せしめることができる。配合しうるビスマス化合物の種類には特に制限はなく、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマスなどの無機ビスマス化合物が挙げられる。特にこれらの中でも水酸化ビスマスが好ましい。
また、ビスマス化合物として、2種以上の有機酸と上記の如きビスマス化合物とを反応させることによって製造され且つ該有機酸の少なくとも1種は脂肪族ヒドロキシカルボン酸である有機酸ビスマス塩を使用することもできる。該有機酸ビスマス塩の製造に用いうる有機酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、ジヒドロキシコハク酸、トリヒドロキシコハク酸、メチルマロン酸、安息香酸、クエン酸などが挙げられる。
上記の無機ビスマス化合物及び有機酸ビスマス塩はそれぞれ単独で使用することができ又は2種以上併用してもよい。
本発明の塗料組成物におけるこれらのビスマス化合物の含有量は厳密に制限されるものではなく、塗料に要求される性能等に応じて広範囲にわたって変えることができるが、通常、本発明の塗料組成物中の樹脂固形分を基準にして10重量%以下、好ましくは0.05〜5重量%の範囲内が適当である。
本発明のカチオン性塗料組成物は、さらに、場合により、硬化触媒として錫化合物を含有することができる。該錫化合物としては、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどの有機錫化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪族または芳香族カルボン酸塩等を挙げることができ、このうち低温硬化性の点からジアルキル錫芳香族カルボン酸塩などが好適である。
本発明の塗料組成物におけるこれらの錫化合物の含有量は、厳密に規定されるものではなく、塗料に要求される性能等に応じて広範囲にわたって変えることができるが、通常、塗料中の樹脂固形分100重量部あたりの錫含有量が0.01〜8重量部、好ましくは0.05〜5.0重量部の範囲内になるようにするのが好適である。
本発明のカチオン性塗料組成物には、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、有機溶剤、顔料分散剤、表面調整剤などの塗料添加物を配合することができる。
本発明のカチオン性塗料組成物は、カチオン電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができる。電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5〜約40重量%、好ましくは15〜25重量%となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.5〜9の範囲内に調整した本発明の塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温約15〜約35℃に調整し、負荷電圧100〜450Vの条件で行うことができる。
本発明の塗料組成物を用いて形成される電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、硬化塗膜に基づいて10〜45μm、特に15〜30μmの範囲内が好ましい。また、塗膜の焼き付け温度は、被塗物表面で一般に約120〜約200℃、好ましくは約140〜約180℃の範囲内の温度が適しており、焼き付け時間は5〜60分程度、好ましくは10〜30分程度とすることができる。
本発明のカチオン性塗料組成物は、カチオン電着塗料として好適に使用されるが、それに限られず、溶剤型塗料として静電塗装、ロール塗装等の方法で塗装するための鋼板の防食用プライマーとして使用することもできる。
また、本発明の塗料組成物は、架橋剤としてポリイソシアネート化合物やメラミン樹脂を使用する2液型常乾塗料や接着剤として使用することもできる。
本発明のカチオン性塗料組成物は、防食性、防錆用鋼板に対する電着塗装適性、基材との密着性に優れた硬化塗膜を形成するものであり、例えば、自動車車体用、自動車部品用、建設・建築分野などの下塗り塗料として有用である。
特に、カチオン電着塗料に対しては、自動車車体の袋部(ロッカー、サイドシル、ピラー)等の防錆対策としてつきまわり性が要求されているが、最近の安全水準のレベルアップからロッカー部やサイドシル内に補強材を入れるなど、ボディ構造が複雑になり、よりいっそうのつきまわり性が要求されている。
本発明のカチオン性塗料組成物は高つきまわり性を有しており、構造が複雑な自動車車体に対しても、優れた電着塗装適性を以て防食性に優れた電着塗膜を形成せしめることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 変性アミノ基含有エポキシ樹脂
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400gにε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を得た。
別に、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000gにビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。その中にノニルフェノール120gを加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。次いで変性剤1を200g、ジエタノールアミンを95g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65g加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ414gを加え、アミン価40、樹脂固形分80%の樹脂 No.1を得た。
製造例2 変性アミノ基含有エポキシ樹脂
BPE−100(三洋化成社製、商品名、ビスフェノールAポリエチレングリコール、分子量 660)660gにε−カプロラクトン400gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01を加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤2を合成した。
次に、変性剤1の代わりに変性剤2を使用する以外は製造例1と同様の操作を行い、アミン価40、樹脂固形分80%の樹脂 No.2を得た。
製造例3 変性アミノ基含有エポキシ樹脂
ジエチレントリアミン103gにε−カプロラクトン697gを加えて130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤3を合成した。
次に、変性剤1の代わりに変性剤3を使用する以外は製造例1と同様の操作を行い、アミン価40、樹脂固形分80%の樹脂 No.3を得た。
製造例4 変性アミノ基含有エポキシ樹脂
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000gにビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。その中に安息香酸61gを加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。次いで製造例1と同様にして得られた変性剤1を200g、ジエタノールアミンを95g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65g加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ400gを加え、アミン価41、樹脂固形分80%の樹脂 No.4を得た。
製造例5
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000gにビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。次いで、製造例1と同様にして得られた変性剤1を200g、ジエタノールアミンを140g、ジエチレントリアミンのケチミン化物を65gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを400g加え、アミン価56、樹脂固形分80%の樹脂 No.5を得た。
製造例6
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂)1010gにビスフェノールA390g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン160g及びジエチレントリアミンのケチミン化物65gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセルソルブ355gを加え、アミン価67、固形分80%の樹脂 No.6を得た。
製造例7 ポリイソシアネートブロック化硬化剤
スモネートM−200(三井化学製、商品名、クルードMDI)270gにメチルイソブチルケトン46gを加え70℃に昇温した。次いでジエチレングリコールモノエチルエーテル281gをゆっくり加えた後、90℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認することにより、固形分90%のポリイソシアネートブロック化硬化剤を得た。
カチオン電着用クリアーエマルションの製造
上記製造例1で得られた樹脂 No.1 87.5g(樹脂固形分で70g)及び製造例7で得られたポリイソシアネートブロック化硬化剤33.3g(樹脂固形分で30g)、LSN−105(三共有機合成社製、商品名、ジブチル錫ジベンゾエート、固形分40%)2.5g及び10%酢酸15gを混合し、均一に攪拌した後、脱イオン156gを強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着用クリアーエマルション(a)を得た。同様にして下記表1に示すような配合割合で、エマルション(b)、(c)、(d)、(e)を得た。
さらに、製造例6で得られた樹脂 No.6 68.8g(樹脂固形分で55.0g)及び製造例7で得られたポリイソシアネートブロック化硬化剤33.3g(樹脂固形分で30g)、製造例1と同様にして得られた変性剤1 15g、LSN−105(三共有機合成社製、ジブチル錫ジベンゾエート、固形分40%)2.5g及び10%酢酸15gを混合し、均一に攪拌した後、脱イオン水160gを強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着用クリアーエマルション(f)を得た。
顔料分散ペーストの製造
60%の第4級塩化エポキシ樹脂5.83部、チタン白14.5部、カーボンブラック0.4部、体質顔料7.0部及び水酸化ビスマス2.0部に脱イオン水2.24部を加え、十分に攪拌して固形分55.0%の顔料分散ペーストを得た。
実施例及び比較例
実施例1
カチオン電着用クリアーエマルション(a)297部に、顔料分散ペースト49.8部及び脱イオン水235.7部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料 No.1を得た。
実施例2〜4及び比較例1〜2
実施例1と同様にして、カチオン電着用クリアーエマルション(b)〜(f)のそれぞれに顔料分散ペースト及び脱イオン水を、実施例1と同じ配合割合で加え固形分20%のカチオン電着塗料 No.2〜No.6を得た。
塗装試験
上記実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料中に、パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの亜鉛メッキ鋼板を浸漬し、これをカソードとして電着塗装を行った(防錆鋼板の塗装電圧:270V)。形成された電着塗膜を、電着熱風乾燥機を用いて170℃で20分間焼き付けた。得られた塗装板の性能試験結果を下記表2に示す。
性能試験は下記の方法に従って実施した。
(注1) つきまわり性:4枚ボックス法による。すなわち、化成処理鋼板(0.8×150×70mm)4板(そのうち3板には中央やや下方に直径8mmの円孔を穿つ)を図1(A)に示すようにボックス状に組み立て(各板の間隔20mm)、図1(B)に示すようにして電着浴に浸漬し、上記条件下に電着塗装を行う。AH面は自動車ボディの外板を想定し、FG面は自動車ボディの袋部を想定したものであり、FG面膜厚/AH面膜厚(%)により評価する。
(注2) 防錆用鋼板電着適性:亜鉛メッキ鋼板を電着浴のカソードとして浸漬し、電圧270V、浴温度28℃にて塗装したときのテストピース10×10cm中のピンホールの数をかぞえる。○はピンホールの発生なし、△は3〜5個発生、×は10個以上発生、を示す。
(注3) 防食性:温度170℃で20分間焼き付けることにより得られた各電着塗板に、素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これをJISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。○は錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側);△は錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未満(片側)でかつ塗面全体にブリスターの発生がみられる;×は錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上でかつ塗面全体にブリスターの発生がみられる、ことを示す。
(注4) 耐衝撃性(デュポン式):温度170℃で20分間焼き付けることにより得られた試験板を、温度20±1℃、湿度75±2%の恒温恒湿室に24時間置いたのち、デュポン衝撃試験器に規定の大きさの受台と撃心を取り付け、試験板の塗面を上向きにして、その間に挟み、次に規定の重さのおもりを撃心の上に落とし、衝撃による塗膜のワレ、ハガレがない最大高さを測定した。
(注5) 2次付着性:前記塗装試験で得た塗装板の塗面にさらに、TP−37グレー(関西ペイント社製、商品名、アミノアルキド系中塗り塗料)及びネオアミラック6000(関西ペイント社製、商品名、アミノアルキド系上塗り塗料)を順次塗装し、焼き付け硬化させた塗板を40℃の温水に240時間浸漬し、2mm角のゴバン目カットを入れたあと、セロテープ(R)剥離試験を行い塗膜の残存割合(残存個数/100)を評価する。○は100/100、△は90〜99/100、×は89以下/100、をそれぞれ示す。
(注6) 耐屈曲性:試験板を温度20±1℃、湿度75±2%の恒温、恒湿室に24時間置いたのち、1〜2秒で180°折り曲げを行う。○は折り曲げ部分の表裏両面共に異常のない;×は少なくともどちらかに一方にワレ、ハガレ等の異常のある、ことを示す。
図1は、「4枚ボックス法」によるつきまわり性試験に用いる装置のモデル図であり、A及びH面は自動車車体の外板を想定し、F及びG面は自動車車体の袋部を想定する。

Claims (6)

  1. (a) エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂に、
    (b) 下記式(1)のフェノール類及び下記式(2)のカルボン酸類よりなる群から選ばれる酸性化合物、
    式中、
    Xは水素原子又は場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
    Yは場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、
    ここで、Rはアルキル基を表わす、
    (c) 複数の活性水素基を含有する化合物(c)にカプロラクトン(c)を付加して得られるポリオール化合物、及び
    (d) アミノ基含有化合物
    を反応させることにより得られる、エポキシ樹脂(a)の骨格にポリオール化合物(c)の片末端が付加してなる変性アミノ基含有エポキシ樹脂と、ブロックされたクルードMDI及び塗料組成物中の樹脂固形分100重量部あたりの錫含有量が0.01〜8重量部の範囲内となる量のジアルキル錫芳香族カルボン酸を含有する熱硬化性カチオン性塗料組成物。
  2. 変性アミノ基含有エポキシ樹脂とブロックされたクルードMDIの合計固形分重量を基準にして、ブロックされたクルードMDIを10〜45重量%の範囲内で含有する請求項1に記載の熱硬化性カチオン性塗料組成物。
  3. 防錆剤としてのビスマス化合物をさらに含有する請求項1又は2に記載の熱硬化性カチオン性塗料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性カチオン性塗料組成物を含んでなるカチオン電着浴。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性カチオン性塗料組成物を用いることを特徴とするカチオン電着塗装方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性カチオン性塗料組成物を用いて塗装された物品。
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