JP3807729B2 - 電着塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋構造を有する被塗物において、内部の造膜性を向上させながら外板の膜厚を抑える「均一塗装性」に優れる電着塗膜形成方法、塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
カチオン電着塗料は、塗装作業性が優れ防錆性が良好なことから、自動車ボディなどの金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。
最近、自動車ボディの衝突安全性向上から袋構造部などにおいて補強部材が重なり合った構造が多く用いられ、そのような部位では電着塗装時の電流密度が低下することから電着塗膜が形成し難いため薄膜または未塗装となり、また水や塩分などの腐食物質が構造的にたまり易いため腐食が促進され自動車ボディの強度低下を招くことになる。
【0003】
従来から袋構造内部における防錆性を得るのに必要な塗装膜厚10μm以上を確保するために種々の塗装条件の工夫がなされているが、例えば、塗装時の電圧を上げると、それに伴って自動車ボディのドアやフェンダーなどの外板膜厚が厚くなり塗料使用量が増えるなどの問題がある。
【0004】
このようなことから、袋構造において内部の造膜性が良く外板の膜厚が厚くならないという「均一塗装性」(注1)が良好であって、その結果、防錆性・経済性に優れる電着塗料が求められてきた。
【0005】
(注1)均一塗装性:「均一塗装性」は、4枚ボックス法によるつきまわり性試験によって評価する。すなわち図1に示すように、4枚のリン酸亜鉛処理した冷延鋼板を、20mm間隔で平行に配置したボックスを用いる。なお、GH面の鋼板以外の鋼板AB面〜EFには下部に8mmφの穴が設けられている。図2に示すような配線図で電着塗装を行い、対極から最も近いA面の膜厚と最も遠いG面の膜厚の値から均一塗装性を評価する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの要望に応えるために鋭意研究を行なった結果、下記の手段により目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は
1.カチオン電着塗料の電着塗装時において、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が100〜400C/m2であることを特徴とする電着塗膜形成方法、
2.カチオン電着塗料の電着塗装時において、単位膜厚当たりの分極抵抗値(b)が50〜300kΩ・cm2/μmである1項に記載の電着塗膜形成方法、
3.1項又は2項に記載のカチオン電着塗料が、基体樹脂としてエポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(i)に液状キシレンホルムアルデヒド樹脂(ii)及びアミノ基含有化合物(iii)を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(I)、硬化剤としてポリイソシアネート化合物をブロック剤によりブロックしてなるブロックポリイソシアネート硬化剤(II)を含有する電着塗膜形成方法、
4.カチオン電着塗料が、プロピレングリコールを含有する活性水素含有成分と芳香族ポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネート硬化剤(II)を含有する1項乃至3項のいずれか1項に記載の電着塗膜形成方法、
5.カチオン電着塗料の電着塗装時において、単位電気量当たりの塗料析出量(c)が50〜150mg/Cである1項乃至4項のいずれか1項に記載の電着塗膜形成方法、
6.1項乃至5項のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料が、少なくとも1種のビスマス化合物を含有する電着塗膜形成方法、
1乃至6のいずれか1項に記載の電着塗膜形成方法によって得られた塗装物、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、「均一塗装性」に優れるカチオン電着塗料の電着塗膜形成方法、及び塗装物に関するものであり、「均一塗装性」を得るための適正な塗料特性として、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)、塗膜の単位膜厚当りの抵抗値(b)および単位電気量当たりの塗料析出量(c)を見出し、かつ該塗料特性を得るのに必要なカチオン電着塗料の基体樹脂および硬化剤の調整方法について明らかにしたものである。
【0009】
電着塗膜形成方法について
塗膜の析出開始に必要な電気量(a):
本発明の特徴は、カチオン電着塗料の電着塗装において、塗膜の析出開始に必要な電気量を100〜400C/m2、好ましくは200〜300C/m2とすることにあり、これにより通常、電流密度が低く塗膜が十分析出し難い袋構造内部において、塗膜を早く形成させ内板面の膜厚を厚くすることができる。
【0010】
塗膜の析出開始に必要な電気量(a)は、各電圧(例えば、100V、150V、200V、250V、300V)の3分間の電着塗装において、電気量 X(クーロン)に対して析出した乾燥重量 Y(mg)の関係に回帰分析を適用して得られる式(1)のX切片値(乾燥重量Y=0の時に流れた電気量X)から求められる。
Y=(c)X+(a) … 式(1)
なお(c)は、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を表す。(図3を参照)ここで塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が400C/m2を超える場合には、塗料の析出開始を早める効果が十分でなく、袋構造内部の膜厚を向上、即ち、「均一塗装性」への寄与が少ない。また析出開始に必要な電気量が100C/m2未満の場合には過度に塗料の析出が早くなり、鋼板や化成処理の不均一部の影響を受け易く仕上がり性が低下する。
【0011】
単位膜厚当りの分極抵抗値(b):
さらにカチオン電着塗料の電着塗装において、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)を100〜400C/m2、好ましくは200〜300C/m2とすることに加え、単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を50〜300kΩ・cm2/μm、好ましくは100〜150kΩ・cm2/μmとすることにより、袋構造を有する被塗物において析出塗膜の膜厚に伴う抵抗の上昇速度が早いために外板面への塗膜の析出が抑えられ、内部への電流が回り込み易くなり袋構造内部の造膜性がより向上するとともに、内外板面の膜厚差を抑えることが出来る。
【0012】
塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値とは、電着塗装(例えば、浴温28℃、極比A/C=1/2、極間距離10cmの一定条件)において、各電圧(例えば、50〜300V)にて3分間塗装し、3分後に流れた電流値(A)、電圧(V)、塗装面積(cm2)により
分極抵抗値YV(kΩ・cm2)=電圧(V)×塗装面積(cm2)/(定電圧塗装3分後の電流値(A)×1000) … 式(2) を求め。
【0013】
次に、各電圧(V)で析出した乾燥膜厚XV(μm)と、各電圧(V)での分極抵抗値YV(kΩ・cm2)の関係を、回帰分析を適用して得られる近似式の傾きから塗膜の単位膜厚当たりの分極抵抗値Y(kΩ・cm2)が求められ、式(3)のように表される。
分極抵抗値Y(kΩ・cm2)=塗膜の単位膜厚当たりの抵抗値(b)×乾燥膜厚X(μm)+Z …(式3) (図4を参照)
単位膜厚当りの分極抵抗値(b)が50kΩ・cm2/μm未満であると、「均一塗装性」に対する効果が不十分であり、また単位膜厚当りの分極抵抗値(b)が300kΩ・cm2/μmを越えると、析出した塗膜が硬くなり仕上がり性が低下する。
【0014】
単位電気量当たりの塗料析出量(c):
カチオン電着塗料の電着塗装において、さらに単位電気量当たりの塗料析出量(c)が50〜150mg/Cの範囲にあると、全体に塗膜の析出量が多くなるため袋構造内部の造膜性がより向上させることができる。
【0015】
単位電気量当たりの塗料析出量(c)は、図3に示すような、電気量 X(クーロン)に対して析出した乾燥重量 Y(mg)の関係を回帰分析を適用して得られる式(1)の傾きから求められる。
Y=(c)X+(a) … 式(1) (図3を参照)
ここで単位電気量当たりの塗料析出量(c)が150mg/Cを超える場合には、カチオン電着塗料の析出量が多くなり全体膜厚が増加することから塗料使用量が増加する。また単位電気量当たりの塗料析出量(c)が50 mg/C未満の場合には、全体膜厚が低下する。
【0016】
上記、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)、単位膜厚当たりの分極抵抗値(b)、さらには単位電気量当たりの塗料析出量(c)を「均一塗装性」や「防錆性」の向上に必要とされる適性範囲内とするためには、通常のカチオン電着塗料とは異なった塗料設計が必要である。
【0017】
すなわち、塗膜の析出開始に必要な電気量を100〜400C/m2とするためにまず第1に、カチオン電着塗料の中和剤量を通常より低減して、かつ水分散安定性が低下しないようにすることが必要である。
【0018】
第2に、少ない中和剤量で安定なエマルションとし、塗膜の分極抵抗を通常より高めるには基体樹脂や硬化剤の選定が極めて重要であり、基体樹脂の面では適正なアミン種・量および可塑変性剤種の選択による塩基強度、親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要で、また硬化剤の面でもポリイソシアネート種・分子量およびブロック剤種・分子量の調整による親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要である。
【0019】
カチオン電着塗料の基体樹脂としては、通常、防食性の面からアミン付加エポキシ樹脂、硬化剤としては、環状構造ブロックポリイソシアネートが優れているため多く使用されているため、これを例に挙げて上記手段の内容を述べる。
【0020】
基体樹脂に用いるエポキシ樹脂の平均分子量としては、特に通常と異ならず、平均分子量で1,000〜10,000、さらには2,000〜5,000が好ましく、基体樹脂の平均分子量が10,000を超える場合には樹脂粘度が高くなり、焼き付け時の熱流動性の低下により電着塗膜の仕上がり性において不具合を生じ、平均分子量が1,000未満の場合にはアミン付加量によるアミン価の調整が困難であり、エマルション分散性の低下の不具合を生じる。
【0021】
エポキシ樹脂に付加するアミン化合物としては、1級アミノ基を含有し、かつアミン価が30〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲、好ましくは40〜60mgKOH/g樹脂固形分以下とすることが好ましい。
【0022】
低い中和剤量で高い水分散安定性を得るための基体樹脂の変性方法としては、片方の末端に疎水性の変性剤を付加し、エポキシ樹脂の別の末端にアミン化合物を付加して、基体樹脂内の分極化を図ることが好ましく、そのような変性剤としてエポキシ基との反応性を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂や、ポリカプロラクトンを用いた基体樹脂が挙げられる。
【0023】
変性量としては可塑化に必要な最少量に留める必要があり、エポキシ樹脂100重量部に対し5〜50重量部、さらには10〜30重量部が好ましい。
硬化剤としては、環状構造ポリイソシアネートとしては芳香環、脂環式イソシアネートいずれのものでも使用できるが、1分子中に平均1.5ヶ以上、特に2〜3ヶの環構造を有するものが好ましい。特に好ましい原料イソシアネート化合物の例としてはジフェニルメタンジイソシアネートや水添ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0024】
上記環状構造ポリイソシアネートのブロック剤としては、低分子量で解離性の高いものが好ましく、特に好ましいものとしてジフェニルメタンジイソシアネートの場合は1,2級水酸基含有アルコール化合物のプロピレングリコール、また水添ジフェニルメタンジイソシアネートの場合はオキシム化合物のメチルエチルケトキシムが挙げられる。
【0025】
上記手段の内容について、さらに詳細に説明する。
【0026】
基体樹脂の出発材料として用いられるエポキシ樹脂(i)としては、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
【0027】
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来のものと同様のものが使用でき、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
【0028】
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式
【0029】
【化1】
ここでn=0〜8で示されるものが好適である。
【0030】
エポキシ樹脂(i)は、一般に180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、一般に少なくとも200、特に400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
【0031】
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
【0032】
アミン化合物は、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有し、該エポキシ樹脂をカチオン化できるものであれば種類を問わないが、特に1級アミノ基を導入できるものを使用することが好ましい。
【0033】
上記の1級アミノ基を導入できるアミン化合物としては、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ヒドロキシエチルアミノエチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのケチミン化物が挙げられる。
【0034】
上記1級アミンと併用できるアミン化合物としては、従来からエポキシ樹脂のカチオン化に用いられるものが使用できるが、特に2級アミンが好ましい。例としてジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどが挙げられる。
【0035】
このような基体樹脂のアミン価としては、30〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲、さらには40〜60mgKOH/g樹脂固形分以下とすることが好ましい。アミン価が70mgKOH/g樹脂固形分を越えると樹脂の中和剤の必要量が増すために本発明に不適当となる。またアミン価が30mgKOH/g樹脂固形分未満の場合は、析出した塗膜が下地の不均一さの影響を受けるため好ましくない。
【0036】
また基体樹脂は、疎水性変性剤により内部の分極化を図ることが好ましく、そのような変性剤としてエポキシ基との反応性を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂やカプロラクトン性ポリオール化合物が挙げられる。
【0037】
液状キシレンホルムアルデヒド樹脂は例えば、キシレン、ホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類を酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。
【0038】
上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物などを例示することができる。
なお、本明細書において、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等の重合体を用いる場合、その配合量の規定は、ホルムアルデヒド1分子を基準に規定するものとする。
【0039】
さらに、上記のフェノール類には2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えばフェノール、クレゾール類、パラ−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノール等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上の組合せて用いることができる。この中では特にフェノール、クレゾール類が好適である。
【0040】
かくして得られる液状キシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に、20〜50,000センチポイズ(25℃)、好ましくは30〜15,000センチポイズ(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に200〜10,000の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。
【0041】
また好ましい変性剤の例としては、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるカプロラクトン性ポリオール化合物を使用することもできる。
【0042】
活性水素基は少なくとも1個の活性水素を含有する原子団を意味し、例えば、アルコール性水酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基などが包含される。しかして、かかる活性水素基を1分子中に複数の活性水素基を含有する化合物としては、例えば、低分子量ポリオール、第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を含有するアミノ化合物、或いは第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基と水酸基とを併用するヒドロキシアミン化合物、線状又は分枝状のポリエーテルポリオール、線状又は分枝状のポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0043】
これらの活性水素基含有化合物は、一般に62〜5,000、好ましくは62〜4,000、さらに好ましくは62〜1,500の範囲内の数平均分子量を有することができる。また活性水素含有化合物は、1分子あたり、平均して、少なくとも2個かつ30個未満、特に2〜10個の活性水素基を含有するものが好適である。
【0044】
上記の低分子量ポリオールは、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を含有する化合物であり、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグルコキシドなどのテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキソール類;シュークロースなどのオクトール類等が挙げられる。
【0045】
上記活性水素基を含有するアミン化合物としてはブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンなどがある。
【0046】
上記の線状又は分枝状のポリエーテルポリオールは、通常62〜10,000、好ましくは62〜2,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなど)の開環付加反応によって製造されるもので、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコール、ビスフェノールAエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。
【0047】
上記の線状または分岐状のポリエステルポリオールは、通常200〜10,000、好ましくは200〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、有機ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとの、有機ジオール過剰の条件下での重縮合反応によって得られるものが挙げられる。ここで使用される有機ジカルボン酸としては、炭素数2〜44、特に4〜36の脂肪酸系、脂環式又は芳香族系ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸などが挙げられる。また、これらジカルボン酸に加えて、3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の無水物や不飽和脂肪酸の付加物などを少量併用することができる。
【0048】
上記変性剤、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂及び/又はポリカプロラクトン性ポリオール化合物、のエポキシ樹脂への反応方法は特に限定しないが、アミン化合物と変性剤をエポキシ樹脂のエポキシ基に同時に反応させることが好ましい。
【0049】
上記のアミン化合物と変性剤のエポキシ樹脂への付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度で行なうことができる。
【0050】
上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0051】
上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂の固形分重量を基準にして5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内が適当である。これより少ないと樹脂の中和剤の必要量が多くなり、またこれより多いと水分散安定性が劣り、本発明に不適となる。
【0052】
次に、硬化剤としてはポリイソシアネート種・分子量およびブロック剤種・分子量の調整による親水性/疎水性のバランス、粘弾性の適正化などが挙げられ、「均一塗装性」や「防錆性」には、環状構造のブロックポリイソシアネートが優れている。
【0053】
環状構造ポリイソシアネートとしては芳香環、脂環式イソシアネートいずれのものでも使用できるが、1分子中に平均1.5ヶ以上、特に2〜3ヶの環構造を有するものが好ましい。
【0054】
そのようなポリイソシアネート種としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4_および/または4,4_−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDI、水添MDI、これらとポリオールとの付加物、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートやフェニレンジイソシアネートとポリオールとの付加物、イソホロンジイソシアネートやビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンとポリオールとの付加物、テトラメチレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアヌレート化合物が挙げられる。特に好ましいポリイソシアネート化合物の例としては、クルードMDIや水添MDIが挙げられる。
【0055】
ブロック剤種としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
【0056】
例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール等の1、2級または1,3級水酸基含有アルコール化合物を挙げることができる。
この中でもブロック剤としては、低分子量で解離性の高いものが好ましく、特に好ましいものとしてジフェニルメタンジイソシアネートの場合は1,2級水酸基含有アルコール化合物のプロピレングリコール、また水添ジフェニルメタンジイソシアネートの場合はオキシム化合物のメチルエチルケトキシムが挙げられる。
【0057】
カチオン電着塗料における基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤との配合割合は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、基体樹脂は一般に55〜90重量%、好ましくは65〜80重量%、そしてブロックポリイソシアネート硬化剤は一般に10〜45重量%、好ましくは20〜35重量%の範囲内とすることができる。
【0058】
上記、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料は、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤を十分に混合した後、通常水性媒体中において、水溶性有機カルボン酸で中和して該エポキシ樹脂を水溶化ないし水分散化することにより調製することができる。
【0059】
中和のための有機カルボン酸としては、特に、酢酸、ギ酸又はこれらの混合物が好適であり、これらの酸の使用により、形成される塗料組成物の均一塗装性、防錆性、仕上がり性、塗料の安定性が向上する。
【0060】
上記有機カルボン酸の使用量は、中和価としては樹脂固形分合計1g当りのmgKOH換算で6〜15、好ましくは8〜13の範囲がよい。
【0061】
本発明で用いる顔料は、従来からカチオン電着塗料に使用されている顔料であれば特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレ−、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料などが挙げられる。その他に、腐食抑制や防錆を目的としてビスマス化合物を含有することができ、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、2種以上の有機酸と上記の如きビスマス化合物とを反応させることによって製造され且つ該有機酸の少なくとも1種が脂肪族ヒドロキシカルボン酸である有機酸ビスマスなどが挙げられる。
【0062】
これらの顔料類の配合量は、基体樹脂と硬化剤との合計固形分100重量部あたり、1〜100重量部、特に10〜50重量部の範囲内が好ましい。
【0063】
カチオン電着塗料中には他に、硬化触媒、沈降防止剤などを適宜配合することができ、このうち、硬化触媒は、基体樹脂と硬化剤との架橋反応を促進するために有効であり、例えば、ジオクチル錫オキサイト、ジブチル錫オキサイト、錫オクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジベンゾエート、オクチル酸亜鉛、ギ酸亜鉛などがあげられ、その配合量は、基体樹脂と硬化剤との合計100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲内が適している。
【0064】
カチオン電着塗料は、上記の顔料ペーストをあらかじめ製造しておき、これを基体樹脂及び硬化剤などを分散したエマルションと混合して、カチオン電着塗料を製造することが好ましい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の塗膜形成方法は、カチオン電着塗料が、以下に挙げるような塗料特性であることにより、袋部を有する被塗物において「均一塗装性」や「防錆性」に優れる電着塗膜が形成される。
1.塗膜の析出開始に必要な電気量を100〜400C/m2、好ましくは200〜300C/m2範囲とする。
2.塗膜の析出開始に必要な電気量(a)を100〜400C/m2、好ましくは200〜300C/m2の範囲で、かつ単位膜厚当たりの分極抵抗値(b)を50〜300kΩ・cm2/μm、好ましくは100〜150kΩ・cm2/μmの範囲とする。
上記、塗料特性の適性範囲や防錆性を得るには、第1に、カチオン電着塗料の中和剤量を通常より低減して、かつ水分散安定性が低下しないようにすることが必要である。第2に、少ない中和剤量で安定なエマルションとし、塗膜の分極抵抗を通常より高めるには基体樹脂や硬化剤の選定が極めて重要であり、基体樹脂の面では適正なアミン種・量および可塑変性剤種の選択による塩基強度、親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要で、また硬化剤の面でもポリイソシアネート種・分子量およびブロック剤種・分子量の調整による親疎水性のバランス、粘弾性の適正化が必要である。
カチオン電着塗料の基体樹脂・硬化剤としては、通常、防食性の面からアミン付加エポキシ樹脂・環状構造ブロックポリイソシアネートが優れており、特に、基体樹脂として、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(I)、硬化剤としてプロピレングリコールを含有する活性水素含有成分とポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネート硬化剤(II)を用いると、上記のような塗料特性を容易に得ることができる。
【0066】
【実施例】
以下に、本発明に関する実施例及び比較例について説明をする。「部」及び「%」はいずれも重量を基準にしており、また本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
【0067】
カチオン電着塗料用の基体樹脂の製造
製造例1 カチオン電着用の基体樹脂Aの製造
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン480g、フェノール110g、98%工業用硫酸202g及びメタキシレン424gを仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ(25℃)のフェノール変性の液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 480gを得た。
別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂 、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂を300g、ジエタノールアミンを137g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を95g加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを403g加え、アミン価57mgKOH/g樹脂固形分、分子量2,000、固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂Aを得た。
【0068】
製造例2 カチオン電着用の基体樹脂Bの製造
製造例1の基体樹脂Aと同様にして、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 480gを得た。
別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂 、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂を300g、ジメチロールブタン酸59g、ジエタノールアミンを95g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を95g加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを407g加え、アミン価45mgKOH/g樹脂固形分、分子量2,000、固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂Bを得た。
【0069】
製造例3 カチオン電着用の基体樹脂Cの製造
PP−1000(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量1000)1000gにε−カプロラクトンを300g加えて130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を合成した。
次に、別の容器にて、 エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g、ジメチルベンジルアミン0.2gを加え 、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させ、変性剤1を650g、ジエタノールアミン130g、ジエチレントリアミンのケチミン化物65gを120℃で4時間反応させ、ブチルセロソルブ500gを加え、アミン価42mgKOH/g樹脂固形分、固形分80%の基体樹脂Cを得た。
【0070】
製造例4 カチオン電着用の基体樹脂Dの製造
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)1010gに、ビスフェノールA 390g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。
次に、ジメチロールブタン酸74g、ジエタノールアミン63g及びジエチレントリアミンのケチミン化物95gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ330gを加え、アミン価43mgKOH/g樹脂固形分、分子量2,000、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂Dを得た。
【0071】
製造例5 カチオン電着用の基体樹脂Eの製造
製造例1の基体樹脂Aと同様にして、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 480gを得た。
別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂 、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂を300g、ジエタノールアミンを63g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を286g加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを271g加え、アミン価72mgKOH/g樹脂固形分、分子量2,000、固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂Eを得た。
【0072】
カチオン電着組成物用の硬化剤の製造
製造例6
反応容器中にコスモネートM−200(三井化学社製、商品名、クルードMDI) 270部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。その中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分90%のブロックポリイソシアネート硬化剤No.1を得た。
【0073】
製造例7
反応容器中にデスモジュールW(住化バイエルウレタン社製、商品名、水添MDI)262部及びメチルエチルケトン39部を加え60℃に昇温した。その中にメチルエチルケトオキシム183部を添加した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分90%のブロックポリイソシアネート硬化剤No.2を得た。
【0074】
エマルションの製造
製造例8 エマルションNo.1製造例
製造例1で得られた基体樹脂A(アミン価57mgKOH/g樹脂固形分) 87.5部(樹脂固形分で70部)、製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤No.1 を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部(中和価12.2に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.1を得た。
【0075】
製造例9 エマルションNo.2の製造例
製造例2で得られた基体樹脂B(アミン価45mgKOH/g樹脂固形分) 87.5部(樹脂固形分で70部)、 製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤No.1 を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部(中和価12.2に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.2を得た。
【0076】
製造例10 エマルションNo.3の製造例
製造例2で得られた基体樹脂B(アミン価45mgKOH/g樹脂固形分) 87.5部(樹脂固形分で70部)、 製造例7で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤No.2 を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部(中和価12.2に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.3を得た。
【0077】
製造例11 エマルションNo.4の製造例
製造例3で得られた基体樹脂C(アミン価42mgKOH/g樹脂固形分)を87.5部(樹脂固形分で70部)、製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤 No.1を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部(中和価12.2に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.4を得た。
【0078】
製造例12 エマルションNo.5の製造例
製造例4で得られた基体樹脂D(アミン価43mgKOH/g樹脂固形分)を87.5部(樹脂固形分で70部)、製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤 No.1を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸13部(中和価12.2に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.5を得た。
【0079】
製造例13 エマルションNo.6の製造例
製造例5で得られた基体樹脂E(アミン価72mgKOH/g樹脂固形分) を87.5g(樹脂固形分で70g)、製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤 No.1を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を18部(中和価16.8に相当)配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.6を得た。
【0080】
製造例14 エマルションNo.7の製造例
製造例3で得られた基体樹脂C(アミン価42mgKOH/g樹脂固形分)を87.5部(樹脂固形分で70部)、製造例6で得られたブロックポリイソシアネート硬化剤 No.1を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸18部(中和価16.8に相当)を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のカチオン電着用のエマルションNo.7を得た。
【0081】
表1に、エマルションNo.1〜7の配合を示す。
【0082】
【表1】
顔料ペーストの製造
製造例15 顔料ペーストNo.1の製造例
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、水酸化ビスマス 2.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.46部、脱イオン水 20.9部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料ペーストNo.1を得た。
【0083】
製造例16 顔料ペーストNo.2の製造例
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン16.5部、精製クレー7.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.46部、脱イオン水 20.9部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料ペーストNo.2を得た。
【0084】
表2に、顔料ペーストNo.1〜No.2の配合を示す。
【0085】
【表2】
実施例及び比較例
実施例1
カチオン電着用のエマルションNo.1(樹脂A、基体樹脂のアミン価57mgKOH/g樹脂固形分) 297部に、製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)250C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を90kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を95mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.1を得た。
【0086】
実施例2
カチオン電着用のエマルションNo.2(樹脂B、基体樹脂のアミン価45mgKOH/g樹脂固形分) 297部に、製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水 297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が230C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を120kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を90mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.2を得た。
【0087】
実施例3
カチオン電着用のエマルションNo.2(樹脂B、基体樹脂のアミン価45mgKOH/g樹脂固形分) 297部に、上記製造例16で得た顔料ペーストNo.2を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料組成物を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が240C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を115kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を85mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.3を得た。
【0088】
実施例4
カチオン電着用のエマルション No.3(樹脂B、基体樹脂のアミン価45mgKOH/g樹脂固形分)297部に、製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が250C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)150kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を60mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.4を得た。
【0089】
実施例5
カチオン電着用のエマルションNo.4(樹脂C、基体樹脂のアミン価42mgKOH/g樹脂固形分)297部に、製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が180C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を120kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を95mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.5を得た。
【0090】
比較例1
カチオン電着用のエマルションNo.5(樹脂D、基体樹脂のアミン価43mgKOH/g樹脂固形分) 297部に、上記製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が80C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を140kΩ・cm2/μm、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を90mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.6を得た。
【0091】
比較例2
カチオン電着用のエマルションNo.6(樹脂E、基体樹脂のアミン価72mgKOH/g樹脂固形分)297部に、上記製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、余分の溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が450C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を100kΩ・cm2/μmに、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を55mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.7を得た。
【0092】
比較例3
カチオン電着用のエマルションNo.7(樹脂C、基体樹脂のアミン価42mgKOH/g樹脂固形分) 297部に、上記製造例15で得た顔料ペーストNo.1を50.9部、脱イオン水297.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料を製造した。
次に、30℃に保持した状態で開放して攪拌し、溶剤を取り除き、除去された溶剤量は純水で補給することにより、塗膜の析出開始に必要な電気量(a)が460C/m2、塗膜の単位膜厚当りの分極抵抗値(b)を50kΩ・cm2/μmに、単位電気量当たりの塗料析出量(c)を50mg/Cに調整したカチオン電着塗料No.8を得た。
【0093】
塗料配合及び試験結果
実施例1〜5、及び比較例1〜3で得たカチオン電着塗料No.1〜8の塗料配合、及び試験結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
(注2)防錆性:70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施したSPCC鋼板に170℃で20分間焼き付け後の膜厚が10μmとなる塗装条件で電着塗装を実施し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた電着単独塗膜によるSST試験480時間後のテープ剥離を行い評価した
◎:テープ剥離幅が2mm未満
○:テープ剥離幅が2mm3mm未満で良好な範囲
△:テープ剥離幅が3mm以上、4mm未満
×:テープ剥離幅が4mm以上。
【0095】
(注3)均一塗装性:図1のような4枚ボックス法つきまわり性試験の治具を用い、図2のような配線図を用い、塗装浴温30℃±0.5℃、塗装電圧230Vで3分間電着塗装を行った。均一塗装性の評価としては、外板(A面)膜厚に対して、内板(G面)膜厚を評価した。
【0096】
(注4)下地不均一部仕上がり性:70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施したSPCC鋼板の半面(35mm×150mm)を#400のサンドペーパーで研ぎ出した試験板を170℃で20分間焼き付け後の膜厚が15μmとなる塗装条件で電着塗装を実施し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた後の研ぎ出した部分の仕上がり性を目視で評価した
○:塗膜の平滑性が非研ぎ出し部と同等
△:塗膜にラウンドが発生するが塗膜欠陥は発生しない
×:塗膜にラウンド、およびピンホールなどの塗膜欠陥が発生する。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】 均一塗装性の評価治具である。
【図2】 均一塗装性の評価方法を示す配線図である。
【図3】 電気量(X)に対する、乾燥重量 (mg)のグラフである。
【図4】 乾燥膜厚(X)に対する、抵抗値(kΩ・cm2)のグラフである。
【符号の説明】
1.8mmφの穴をあける
2.A面/B面
3.C面/D面(裏面)
4.E面/F面(裏面)
5.G面
6.H面
7.均一塗装性を評価する4枚ボックス法つきまわり性の試験治具(4枚ボックス)
8.カチオン電着塗料
Claims (5)
- 基体樹脂としてエポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂に液状キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂と、硬化剤としてポリイソシアネート化合物をブロック剤によりブロックしてなるブロックポリイソシアネート硬化剤を含有し、電着塗装時における塗膜の析出開始に必要な電気量が100〜400C/m2であり且つ電着塗装時における単位膜厚当たりの分極抵抗値が50〜300 k Ω・ cm 2 /μmであることを特徴とするカチオン電着塗料。
- ブロックポリイソシアネート硬化剤が、プロピレングリコールを含有する活性水素含有成分と芳香族ポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネート硬化剤である請求項1に記載のカチオン電着塗料。
- 電着塗装時における単位電気量当たりの塗料析出量(c)が50〜150mg/Cである請求項1または2に記載のカチオン電着塗料。
- 少なくとも1種のビスマス化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料が塗装された塗装物。
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