JP2003082498A - 隙間部における塗膜形成方法及び塗装物品 - Google Patents
隙間部における塗膜形成方法及び塗装物品Info
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Abstract
良好な塗膜形成方法を見出し、隙間つきまわり性(クリ
アランス塗装性)が良好な塗装物品を得ること。 【解決手段】 カチオン電着塗料の電着塗装において、
電流密度の最高値(I)が通電開始から5秒間以内に発
現し、かつ電流密度の最高値(I)の1/2の電流密度
(0.5I)以上を有する時間が5秒間以内であること
を特徴とする隙間部における塗膜形成方法
Description
ンス)部における塗膜形成方法、詳しくは、隙間部にお
けるつきまわり性(クリアランス塗装性)に優れた塗膜
形成方法、及び塗装物品に関する。
装作業性が優れ形成した塗膜の防食性が良好なことか
ら、これらの性能が要求される自動車ボディなどの導電
性金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。
車ボディの強度アップが図られ、例えば図2で示される
ようにスポット溶接で部材を補強したりする構造が多く
なってきた。
スと称することがある。)部を有し、電着塗装時に電流
密度(mA/cm2)が低下することから塗膜が析出し
難く、未塗装となることから防食性が低下することがあ
る。
ため塗装条件の工夫がなされているが、電着時の塗装電
圧を上げて塗装するだけでは、図4の隙間構造のモデル
図に示されるように開口部(図4の44)を塞いでしま
い、隙間部(クリアランス部)のつきまわり性(図4の
43)が得られない。また塗装電圧を上げて塗装する
と、被塗物の外板膜厚(μm)が厚くなり塗料使用量が
増えるなどの問題がある。そこで、隙間部を有する被塗
物において、塗膜形成性が良好な塗料を見い出すことが
強く求められていた。
題に対応するために鋭意研究を重ねた結果、下記の手段
により目的が達成できることを見出し本発明を完成する
に至った。
値(I)が通電開始から5秒間以内に発現し、かつ電流
密度の最高値(I)の1/2の電流密度(0.5I)以
上を有する時間が5秒間以内であることを特徴とする隙
間部における塗膜形成方法、 2.塗装の条件が、極比(陰極/陽極)=1/2〜1/
8の範囲、かつ塗装に必要な電圧値(V)に到達するに
要する時間が20〜90秒間の範囲、かつ極間距離(陰
極と陽極の距離)が0.1〜1mの範囲であることを特
徴とする1項に記載の隙間部における塗膜形成方法、 3.カチオン電着塗料の単位電気量当たりの塗料析出量
(a)が35mg/C以上、かつ180秒間のカチオン
電着塗装における分極抵抗値(b)が1500kΩ・cm
2以上であることを特徴とする1項又は2項に記載の隙
間部における塗膜形成方法。 4.1項乃至3項のいずれか1項に記載の隙間部におけ
る塗膜形成方法により塗装された塗装物品、に関するも
のである。
隙間部を有する被塗物において良好な隙間部つきまわり
性を得る塗膜形成方法、及び塗装物品に関する。
るため広く一般的に用いられており、その被塗物として
は、自動車ボディ、2輪車部品、家庭用機器、その他の
機器等が挙げられ、金属であれば特に制限はなく、鋼板
として、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電
気亜鉛−鉄二層めっき鋼板、有機複合めっき鋼板、Al
素材、Mg素材など、並びにこれらの鋼板や冷延鋼板な
どの基材を必要に応じてアルカリ脱脂などの表面を洗浄
化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理などの表
面処理を行ったものが挙げられる。
600μmの非常に狭い合わせ目で、脱脂、表面処理が
されにくく、ほとんどが未処理の鋼板の状態である。そ
の上、カチオン電着塗料も入りにくく、さらに電着時に
電流が流れにくいために塗装されないことがある。
42に示されるように析出した電着塗膜がクリアランス
部の開口部(図4の44)を塞いでしまい、図4の43
で示されるようなクリアランス部の内部への塗膜形成を
妨げることがあった。
(クリアランス)部は、水がたまり易い部位でもあり、
融雪塩などが撒かれた状態での走行によりより厳しい環
境下にさらされると腐食により穴があくことが生じたり
した。そこで、このクリアランス部にも塗装ができるク
リアランス塗装性が良好な塗膜形成方法を見出すことは
重要となってきた。
.クリアランス部の内部への電着塗装性の向上、.
クリアランス部の内部へのぬれ性の向上がある。 .クリアランス部の内部への電着塗装性の向上には、
電着塗装時における電流密度(注1)を測定しカチオン
電着塗料の電着塗装において、電流密度の最高値(I)
が通電開始から5秒間以内に発現し、かつ電流密度の最
高値(I)の1/2の電流密度(0.5I)以上を有す
る時間が、5秒間以内であることを特徴とする隙間部に
おける塗膜形成方法であるカチオン電着塗料によって見
出される。
から5秒間以内に発現し、かつ電流密度の最高値(I)
の1/2の電流密度(0.5I)以上を有する時間が、
5秒間以内であれば、塗料の電着塗装時に発生するジュ
ール熱の蓄積(特に、攪拌の遅いクリアランス部では多
い)が少なく、クリアランス開口部を析出した塗料が融
着して塞ぐことのない状態となることから塗料がクリア
ランス内部まで電流が侵入し、カチオン電着塗料が析出
し、塗膜を形成することからクリアランス塗装性の向上
には好ましい。
着塗装時に端子(1cm2)を取り付けデータロガーと
変換機を用いて測定を行った。(詳細は、特開平1−1
56498号公報参照) クリアランス部の内部へのぬれ性の向上には、図4の4
4で示されるクリアランス部における開口部が析出した
塗膜によって塞がれないことが挙げられる。そのための
電着塗装条件としては、塗装電圧(V)に達するまでの
昇電圧時間として徐々に電圧を上げていく方法が用いら
れ、例えば、印加電圧を250Vにする場合、一度に2
50Vを印加すると多量の電流が被塗物に流れるためピ
ンホールやブツなどの仕上がり不良になったり、また塗
装時の危険性が伴うためである。(以下、このような通
電方法をスロースタート電着塗装と称することがあ
る。)このスロースタート電着塗装の昇電圧に要する時
間としては、極比(陰極/陽極)=1/2〜1/8、極
間距離(陰極〜陽極)0.1〜1mの条件下で、20〜
90秒間の昇電圧に要する時間、好ましくは30〜60
秒間であることがよい。ここでスロースタートの昇電圧
に要する時間が20秒以下であるとクリアランス部の開
口部を塞いでしまうことからクリアランス塗装性向上に
好ましくない。またスロースタートの昇圧に要する時間
が90秒を越えると、一定の通電時間内(例えば、18
0秒間)に所定の印加電圧(例えば、250V)での通
電時間が短くなるので塗料の析出が遅れることからクリ
アランス塗装性向上に好ましくない。
=1/2〜1/8、極間距離(陰極〜陽極)0.1〜1
mの条件下で、昇圧に要する時間を20〜90秒間とす
る理由として自動車ボディ塗装ラインを想定したラボ実
験での再現性、また逆にラボ実験データをもとに自動車
ボディ塗装ラインでの実車へのクリアランス塗装性向上
の対応をとることもある。
の電着塗装性、及び.クリアランス部の内部へのぬれ
性の向上に好ましいカチオン電着塗料における塗料特数
として、単位電気量当たりの塗料析出量(a)が35m
g/C以上、かつ180秒間のカチオン電着塗装におけ
る分極抵抗値(b)が1500kΩ・cm2以上であるこ
とが好ましく、このようなカチオン電着塗料としては、
カチオン電着塗料である限り特に制限なく使用すること
ができ、目標とする塗膜性能(例えば、防食性、耐候
性、塗面平滑性)に応じて、その組成である顔料ペース
トの配合とエマルションにおける樹脂成分を適宜選択し
て使用すればよい。
の塗料析出量(a)が35mg/C未満である場合に
は、塗料の析出を早く開始させる効果が十分でなく、ク
リアランス塗装性が不十分なことがある。
塗料の単位電気量当たりの塗料析出量(a)が35mg
/C以上に調整するには、上記電着塗料に使用する基体
樹脂のアミン価を45mgKOH/g以下として中和価を
6〜15mgKOH/g、好ましくは7〜12mgKO
H/gとする方法が有効である。基体樹脂アミン価の調
整には基体樹脂の平均分子量を高くする方法、基体樹脂
への付加アミン量を減量する方法などがあり、これら方
法の一種またはこれらを組み合わせた調整により達成さ
れる。
量で1000〜10000、好ましくは3000〜50
00が有効であり、基体樹脂の平均分子量が10000
を超える場合には樹脂粘度が高くなり、焼き付け時の熱
流動性の低下により電着塗膜の仕上がり性において不具
合を生じ、平均分子量が1000未満の場合にはアミン
付加量によるアミン価の調整が困難であり、エマルショ
ン分散性の低下の不具合を生じる。
mg/C以下とすることにより、少ない酸量で高い中和
当量のエマルションを作成とすることができ、塗膜の単
位電気量当たりの塗料析出量(a)が35mg/C以上
に調整(塗料の析出開始が速く)することができる。
超える樹脂においては、エマルション化時の中和にに必
要な酸量が多くなり、塗膜の析出開始に必要な電気量を
小さくする効果が十分でなく、またその樹脂(アミン価
が45mgKOH/gを超える樹脂)を少ない酸量でエマ
ルション化した場合にはエマルションの貯蔵性の低下な
どの不具合を生じる。
80秒間の電着塗装における分極抵抗値(b)が150
0kΩ・cm2/μm以上、好ましくは1600kΩ・cm2/
μmにあることがよい。
(b)を1500kΩ・cm2/μm以上に調整するには、
カチオン電着塗料に使用する基体樹脂の分子量を高くす
る方法、基体樹脂の種類や量を調整する方法、硬化剤と
して含まれるブロック化ポリイソシアネート化合物の分
子量を高くする方法、カチオン電着塗料中の顔料濃度を
調整する方法、カチオン電着塗料中の有機溶剤量を減少
する方法、塗装時の浴温を下げる方法などがあり、これ
ら方法の一種又はこれらを組み合わせた調整により、そ
の他の塗膜性能や塗装作業性を考慮して達成される。こ
こで180秒間の電着塗装における分極抵抗値(b)が
1500kΩ・cm2/μm未満の場合はクリアランス塗装
性が十分でない。
としては、いままでに述べてきた様な塗料特性を得るも
のであれば、それ自体既知のものが使用でき、例えば、
水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂、硬化剤、着
色顔料、防錆顔料、体質顔料、中和剤、有機溶剤などを
脱イオン水などの水に混合分散した水性塗料が使用でき
る。
する樹脂であり、この水酸基は硬化剤との架橋反応に関
与し、カチオン性基は安定な水分散液を形成させるため
のものであって、例えば、(イ)ポリエポキシ樹脂とカ
チオン化剤との反応生成物、(ロ)ポリカルボン酸とポ
リアミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明
細書参照)を酸でプロトン化したもの、(ハ)ポリイソ
シアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又はポリアミン
との重付加物を酸でプロトン化したもの、(ニ)水酸基
及びアミノ基含有アクリル系、またはビニル系モノマ−
の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45−1
2395号公報、特公昭45−12396号公報参
照)、ホ)ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの
付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3403
088号明細書参照)などがあげられる。
フェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンとから得られる
ポリエポキシド樹脂のエポキシ基にカチオン化剤を反応
せしめて得られる生成物は塗膜の防食性がすぐれている
ので好ましい。
分子中に2個以上有する化合物であり、200〜400
0、好ましくは800〜3000の数平均分子量を有す
るものが適しており、このものは、例えば、ポリフェノ
−ル化合物をエピクロルヒドリンとの反応によって得ら
れるポリフェノ−ル化合物のポリグリシジルエ−テルが
包含される。
しては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2
−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニ
ル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシブチ
ル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス
(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、
4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4´
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−ルノボラ
ック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられる。
リオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアミドアミ
ン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネ−ト化合物などと
部分的に反応させたものや、ε−カプロラクトン、アク
リルモノマ−などをグラフト重合させたものも包含され
る。
は、例えば、これらのポリエポキシド樹脂のエポキシ基
の殆どもしくはすべてにカチオン化剤を反応することに
より得られる。
第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアミ
ンなどのアミン化合物があげられ、れらエポキシ基と反
応させて、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級ア
ンモニウム塩基などのカチオン性基を導入してカチオン
化樹脂とする。
合した方がクリアランス塗装性の向上には好ましいが、
塗膜性能を考慮して配合量を決める。このような第1級
アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、
n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノ
−ルアミン、n−プロパノ−ルアミン、イソプロパノ−
ルアミン等の第1級アミン化合物;第2級アミン化合物
としては、例えばジエチルアミン、ジエタノ−ルアミ
ン、ジn−プロパノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルア
ミン、N−メチルエタノ−ルアミン、N−エチルエタノ
−ルアミン等の第2級アミン化合物;トリエチルアミ
ン、トリエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−
ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ
エチルエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミ
ン等の第3級アミン化合物;ポリアミンとしては、例え
ばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキ
シエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミ
ン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチ
ルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等のポリアミ
ンをあげることができる。
ア、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチル
ヒドラジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン等の塩
基性化合物が挙げられる。
は、例えば、上記カチオン化剤中のアルカノ−ルアミン
の反応、エポキシ樹脂中に導入されることがあるカプロ
ラクトンの開環物およびポリオ−ルの反応などにより導
入される第1級水酸基;エポキシ樹脂中の2級水酸基な
どがあげられ、このうち、アルカノ−ルアミンとの反応
により導入される第1級水酸基は、硬化剤との架橋反応
性がすぐれているので好ましい。
における水酸基の含有量は、水酸基当量で20〜500
0、特に100〜1000mgKOH/gが好ましく、
特に第1級水酸基当量は200〜1000mgKOH/
gが好ましい。
のイソシアネ−ト基のすべてを揮発性の活性水素化合物
(ブロック化剤)で反応し封鎖してなるブロック化ポリ
イソシアネート化合物が特に好適であり、このものは常
温では不活性であり、所定温度以上に加熱するとこのブ
ロック化剤が解離して元のイソシアネ−ト基が再生し
て、基体樹脂との架橋反応に関与する。
離のイソシアネ−ト基2個以上有する化合物であり、例
えばヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチレンジ
イソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ダ
イマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト等
の脂肪族ジイソシアネ−ト;イソホロンジイソシアネ−
ト、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、
メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサ
ンジイソシアネ−ト、シクロペンタンジイソシアネ−ト
等の脂環族ジイソシアネ−ト;キシリレンジイソシアネ
−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−ト、トルイ
ジンジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネ−ト;こ
れらのポリイソシアネ−ト化合物のウレタン化付加物、
ビユ−レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加
物;等があげられる。
系ブロック剤、アルコ−ル系ブロック剤、活性メチレン
系ブロック剤、メルカプタン系ブロック剤、酸アミド系
ブロック剤、イミド系ブロック剤、アミン系ブロック
剤、イミダゾ−ル系ブロック剤、尿素系ブロック剤、カ
ルバミン酸系ブロック剤、イミン系ブロック剤、オキシ
ム系ブロック剤、亜硫酸系ブロック剤、ラクタム系ブロ
ック剤などがあげられる。
これらのポリイソシアネ−ト化合物と活性水素化合物
(ブロック剤)とを既知の方法により反応せしめること
により得られ、実質的に遊離のイソシアネ−ト基は存在
しない。基体樹脂と硬化剤との構成比率は、両成分の合
計固形分重量に基づいて、前者は40〜90重量%、特
に50〜80重量%、後者は60〜10重量%、特に5
0〜20重量%が好ましい。
キシレン、トルエン)、アルコール系(例えば、メトル
アルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール)、エーテル系(例え
ば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル)、ケトン系(例えば、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、
アセチルアセトン)、エステル系(例えば、エチレング
ルコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテート)やこれらの混合
物が挙げられる。これらの有機溶剤の添加量は、カチオ
ン電着塗料に対して約0.05〜10重量%の範囲であ
る。
て硬化触媒、沈降防止剤などを適宜配合することができ
る。このうち、硬化触媒は、基体樹脂と硬化剤との架橋
反応を促進するために有効であり、例えば、錫オクトエ
−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジベンゾエ
ート、酢酸鉛、ケイ酸鉛、乳酸ビスマス、水酸化ビスマ
ス、オクチル酸亜鉛、ギ酸亜鉛などがあげられ、その配
合量は、基体樹脂と硬化剤との合計100重量部あたり、
0.1〜10重量部の範囲内が適している。
るアミンなどの塩基性基を、酸でプロトン化してカチオ
ン性基としてもよい。用いる酸としては、ギ酸、酢酸、
グリコ−ル酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸が好ま
しい。
酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で中和してか
ら、水に分散混合することが好ましく、その水分散液の
pHは3〜9、特に5〜7の範囲が適している。単位電
気量当たりの塗料析出量(a)が35mg/C以上とす
るためにも低中和での水分散してエマルションとするこ
とが好まれる。
料、防錆顔料及び体質顔料などをあらかじめ微細粒子に
分散したものであって、例えば、顔料分散用樹脂、中和
剤及び顔料類、さらに必要に応じてビスマス化合物を配
合し、ボ−ルミル、サンドミル、ペブルミルなどの分散
混合機中で分散処理して顔料分散ペ−ストを調製するこ
とにより行なうことができる。
でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂
や界面活性剤などが使用でき、さらに、3級アミン型、
4級アンモニウム塩型、3級スルホニウム塩型などの樹
脂が分散用樹脂として使用できる。
8、好ましくは5〜15の範囲内にあるアセチレングリ
コ−ル系、ポリエチレングリコ−ル系、多価アルコ−ル
系などのノニオン系界面活性剤があげられる。分散剤の
使用量は、顔料100重量部あたり、1〜150重量
部、特に10〜100重量部の範囲内が好適である。顔
料分散ペーストの固形分含有率は20〜80重量%、特
に30〜60重量%が適している。
は、カチオン電着塗料に使用されている顔料であれば特
に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カ−ボンブ
ラック、ベンガラ等の着色顔料;リンモリブデン酸アル
ミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料;
クレ−、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなど
の体質顔料があげられる。これらの顔料類の配合量は、
基体樹脂と硬化剤との合計固形分100重量部あたり、
1〜100重量部、特に10〜30重量部の範囲内が好
ましい。
・cm2以上とするには多い方が好ましいが、その他の
塗装作業性(例えば、防錆鋼板塗装性や仕上がり性)を
考慮して配合量を決めることが好ましい。
ースト、エマルション、及び添加剤、中和剤、脱イオン
水を加えて固形分濃度が約5〜25重量%、pHが5〜
8の範囲内になるように調整する。カチオン電着塗料を
用いて被塗物に電着塗装を行う方法、及び装置として
は、従来から電着塗装において使用されている、既知の
方法、及び装置を使用することができる。
のではないが、一般的には、スロースタート電着塗装に
て20〜90秒、好ましくは30〜60秒の時間で一定
電圧まで昇電圧し、通電時間は30秒〜10分、浴温は
15〜35℃、好ましくは20〜30℃、電圧は100
〜400V、好ましくは200〜300V、極比(陰極
/陽極)=1/2〜1/8、極間距離0.1〜1mで撹
拌状態で電着することが望ましい。
目的とする性能に応じて適宜選定すればよいが、5〜6
0μm 、好ましくは10〜40μm の範囲であることが
よい。
塗料を落とすために、ウルトラフィルトレーションろ液
(UFろ液)、RO透過水、工業用水、純水などで、塗
装物表面にカチオン電着塗料が残らないよう十分に水洗
する。次に、電着塗膜を電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥
機などの乾燥設備を用いて、塗物表面の温度で110℃
〜200℃、好ましくは140〜180℃、時間として
は10分間〜180分間、好ましくは20分間〜50分
間加熱して硬化させることができる。
幅が50〜600μmという隙間部(クリアランス部)
において、そのつきまわり性を向上させる形成方法を見
出した。
て、電流密度の最高値(I)が通電開始から5秒間以内
に発現し、かつ電流密度の最高値(I)の半分の電流密
度(0.5I)以上を有する時間が5秒間以内である。
着塗料の電着塗装における電流密度が、極比(陰極/陽
極)=1/2〜1/8の範囲、かつ塗装に必要な電圧値
(V)に到達するに要する時間が20〜90秒間の範
囲、かつ極間距離(陰極と陽極の距離)が0.1〜1m
の範囲で得られること。
の単位電気量当たりの塗料析出量(a)が35mg/C
以上、かつ180秒間のカチオン電着塗装における分極
抵抗値(b)が1500kΩ・cm2以上である。以上に
より隙間部において良好なつきまわり性が得られ、従来
のカチオン電着塗装では未塗装となることから腐食が進
行し穴アキ腐食、外観の低下になっていたのが、隙間部
内部まで塗膜が形成されることから腐食を抑制し、さら
には腐食に起因する自動車ボディの強度の低下も防ぐこ
とができ安全面でも向上が図れる。
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
約2000)の設定分子量を調整し、数平均分子量28
75、アミン価38の固形分80%のアミン付加可塑変
性エポキシ樹脂Aを得た。次に上記固形分80%のアミ
ン付加可塑変性エポキシ樹脂87.5部(固形分で70
部)、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアヌレート
のメチルエチルケトオキシムブロック化物33.3部
(樹脂固形分で30部)、液状有機錫2.5部(固形分
1部)、10%酢酸水溶液12.8部(中和価12)を
配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水 158部を強
く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34
%のカチオン電着塗料用のエマルションNo.1を得
た。
約2000)の設定分子量を調整し、数平均分子量23
75、アミン価45の固形分80%のアミン付加可塑変
性エポキシ樹脂Bを得た。次に、上記樹脂固形分含有率
80%のアミン付加可塑変性エポキシ樹脂87.5部
(樹脂固形分で70部)、架橋剤としてヘキサメチレン
ジイソシアヌレートのメチルエチルケトオキシムブロッ
ク化物33.3部(樹脂固形分で30部)、液状有機錫
2.5部(固形分1部)、10%酢酸水溶液13.9部
(中和価13)を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン
水157部を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下
し、固形分34%のカチオン電着塗料用のエマルション
No.2を得た。
分子量2000、アミン価53の固形分80%のアミン
付加可塑変性エポキシ樹脂Cを得た。次に、上記樹脂固
形分含有率80%のアミン付加可塑変性エポキシ樹脂8
7.5部(固形分で70部)、架橋剤としてヘキサメチ
レンジイソシアヌレートのメチルエチルケトオキシムブ
ロック化物33.3部(固形分で30部)、液状有機錫
2.5部(固形分1部)、10%酢酸水溶液15部(中
和価14)を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水
156部を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下
し、固形分34.0%のカチオン電着塗料用のエマルシ
ョンNo.3を得た。エマルションNo.1〜No.3
の配合について表1に示す。
88部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製ク
レー7.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.
46部、10%酢酸水溶液(中和剤)2.7部、脱イオ
ン水を加え、ボールミルにて20時間分散し固形分55
%の顔料ペーストを得た。
脂:フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル398部、「EHPE-3150」(ダイセル化学株式会社
製、商品名、エポキシ当量180の脂環式エポキシ樹
脂)900部、アミン化合物(注2)371部、エポキ
シアミン生成物(注3)1651部を仕込み、攪拌しな
がら徐々に加熱し、150℃で反応させ、エポキシ当量
が0になったことを確認して、固形分85%のエポキシ
系3級アミン型分散用樹脂を得た。 (注2)アミン化合物:反応容器に、ステアリン酸28
5部、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン104部及
びトルエン80部を仕込み、混合攪拌しながら徐々に加
熱し、必要に応じてトルエンを除去しながら反応水18
部を分離除去した後、残存するトルエンを減圧除去する
ことによりアミン化合物を得た。アミン価は150、凝
固点76℃であった。 (注3)エポキシアミン生成物:フラスコに、ジエタノ
ールアミン105部、エポキシ当量190のビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル760部、ビスフェノールA
456部及びエチレングリコールブチルエーテル330
部を配合し、150℃でエポキシ基残存量が0になるま
で反応させることにより得られるエポキシアミン生成
物。固形分80%。
(に、上記製造例で得た顔料分散ペーストを50.9
部、脱イオン水 297.1部を加え、固形分20%の
カチオン電着塗料No.1を製造した。
造例 表2で示されるような配合でカチオン電着塗料No.2
〜No.4を作成した。
に含まれる顔料分濃度 (注3)MEQ:カチオン電着塗料を10g精量し、電
位差滴定により酸量を求めた。
条件が、浴温28℃、30秒間にて250Vまで昇電圧
を行い、その後250Vの一定電圧にてトータルで18
0秒間の電着塗装、極比(陰極/陽極)=1/2、極間
距離(陰極〜陽極)0.3mの条件で、試験板として、
パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、商
品名、りん酸亜鉛化成処理)を施した冷延鋼板(70×
15cm)、及びクリアランス塗装性の試験として図3
に示されるような化成処理を施した冷延鋼板の「2枚合
わせ試験板」、及び化成処理を施したGA材鋼板を用い
た。また電流密度は電着塗装時に端子(1cm2)によ
り、変換機とデータロガー(注1)を用いて測定した。
o.4を用いて、表3に示すような塗装条件で電着塗装
を行った。その試験結果も併せて表3に示す。
せ試験板」を用い、2枚の鋼板の間に挟むスペーサーは
50μmのものを挟んだ。電着塗装後クリップをはず
し、試験板の内側のつきまわり性(試験板の下部からの
到達距離を測った ○:塗膜の到達距離が試験板の下部から10mm以上 △:塗膜の到達距離が試験板の下部から5〜10mmの
範囲 ×:塗膜の到達距離が試験板の下部から5mm未満。
板を用いてクリアランス塗装性と同様の塗装条件で塗装
を行った後、乾燥炉で170℃−20分焼き付け乾燥を
行い試験板を作成した。各塗装板に、素地に達するよう
に塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、これ
を35℃ソルトスプレー試験を行い、カット部からの
傷、フクレ幅及び一般部の塗面状態(ブリスター)によ
って以下の基準で評価した ○:錆、フクレの最大幅がカット部より片側1.5mm
以上、片側2.5mm未満 △:錆、フクレの最大幅がカット部より片側2.5mm
以上、3.5mm未満 ×:錆、フクレの最大幅がカット部より片側3.5mm
以上。
冷延鋼板を用いてクリアランス塗装性と同様の塗装条件
で塗装を行った後、乾燥炉で170℃−20分焼き付け
乾燥を行い塗面のピンホールの数を数えた ○:ピンホールの発生がなく問題なし △:塗面に5〜10のピンホールの発生がある ×:塗面全体にピンホールの発生がある。
部のモデル図
合わせ試験板」である。
図である。
る。 13.電流密度の最高値の1/2の値(0.5I)以上
の電流密度を示す時間を表す。 21.ドアで、スポット溶接された鋼板の隙間(クリア
ランアス)部のモデル図を示す。 22.隙間(クリアランス)部で、隙間としては50〜
600μmの隙間である。 23.スポット溶接部である。 31.クリップで2枚の鋼板を張り合わせる。 32.スペーサーを挟んで隙間を作る。 33.隙間(クリアランス)部である。 34.試験板の内側で、未塗装部分である。 35.試験板の内側で、塗装部分である。 41.鋼板 42.電着塗装によって析出した電着塗膜である。 43.クリアランス塗装性でいう、つきまわり性(長
さ)である。 44.隙間(クリアランス)部における開口部の幅であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 カチオン電着塗料の塗装において、電流
密度の最高値(I)が通電開始から5秒間以内に発現
し、かつ電流密度の最高値(I)の1/2の電流密度
(0.5I)以上を有する時間が5秒間以内であること
を特徴とする隙間部における塗膜形成方法。 - 【請求項2】 塗装の条件が、極比(陰極/陽極)=1
/2〜1/8の範囲、かつ塗装に必要な電圧値(V)に
到達するに要する時間が20〜90秒間の範囲、かつ極
間距離(陰極と陽極の距離)が0.1〜1mの範囲であ
ることを特徴とする請求項1に記載の隙間部における塗
膜形成方法。 - 【請求項3】 カチオン電着塗料の単位電気量当たりの
塗料析出量(a)が35mg/C以上、かつ180秒間
のカチオン電着塗装における分極抵抗値(b)が150
0kΩ・cm2以上であることを特徴とする請求項1又は
2に記載の隙間部における塗膜形成方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
隙間部における塗膜形成方法により塗装された塗装物
品。
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- 2001-09-11 JP JP2001275518A patent/JP4606666B2/ja not_active Expired - Lifetime
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