JP2005105413A - エレクトリックスルーホールを形成するカチオン電着塗膜形成方法、及び、エレクトリックスルーホール形成性カチオン電着塗料 - Google Patents
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Abstract
低温硬化性や顔料分散安定性等が良好であって表面平滑性と経済性とをともに維持しつつ防食性や防錆性等の基本性能を保持する、という電着塗装の基本性能に悪影響を全く与えることなく、極めて精巧なつきまわり性を発揮するとともに、優れた耐ガスピン性を獲得しうるカチオン電着塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】
基体樹脂を含むカチオン電着塗料液を浴槽内に満たし、亜鉛鋼板からなる被塗物を上記浴槽内に浸漬して通電することにより上記亜鉛鋼板表面に電着塗膜を形成させるカチオン電着塗膜形成方法であって、上記亜鉛鋼板表面の、上記通電により析出形成しつつ経時的に次第に膜厚を上げてゆく際に生じる塗膜の切れ目において、上記通電により発生する水素ガスが経時的に凝集して生じる水素バブルの存在を原因として発現する放電現象を払拭するために、上記塗膜中にエレクトリックスルーホールを形成せしめて上記塗膜の導電性を確保し、これにより、上記塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を抑制するカチオン電着塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
上記カチオン電着塗膜形成方法において、上記酸基(−COO−)は、酸無水物とアミノ基との反応により生じたものであることが好ましい。
上記カチオン電着塗膜形成方法において、上記エレクトリックスルーホールは、両性イオン基含有樹脂に由来する酸基を存在せしめたものであることが好ましい。
上記カチオン電着塗料において、上記酸基(−COO−)は、酸無水物とアミノ基との反応により生じたものであることが好ましい。
上記カチオン電着塗料において、上記エレクトリックスルーホールは、両性イオン基含有樹脂に由来する酸基を存在せしめたものであることが好ましい。
以下に本発明を詳述する。
図2に示されているように、従来のカチオン電着塗料組成物を使用して電着塗装する場合には(抵抗上昇曲線11)、塗膜の電気抵抗値(KΩ・cm2)の急激な上昇が比較的短時間(図2では塗装時間3秒程度)で生じるが、本発明を用いる場合には(抵抗上昇曲線12)、塗膜の電気抵抗値(KΩ・cm2)の急激な上昇は、従来の電着塗装の場合に比べて、長時間で生じることになる(図2では塗装時間4秒程度)。
上記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基等を挙げることができる。
上記カチオン性樹脂としては特に限定されず、例えば、アミン変性樹脂であることが好ましく、アミノ変性エポキシ樹脂であることがより好ましい。
上記アミノ変性エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を2級アミンでアミノ化したものを挙げることができる。上記基体樹脂がアミノ変性エポキシ樹脂である場合、上記エレクトリックスルーホールは、上記アミン変性エポキシ樹脂の末端アミノ基近傍に酸基(−COO−)を存在せしめたものであることがより好ましい。これにより、ガスピンの発生を抑制することができ、また、つきまわり性を充分に確保することもできる。
上記ポリエポキシドは、1分子中に平均1個以上の1,2−エポキシ基を有する。
上記ポリエポキシドは、エポキシ当量が、下限180、上限1200であることが好ましい。上記下限は、375であることがより好ましく、上記上限は、1000であることがより好ましい。
上記硬化剤としては、ブロックポリイソシアネートが好ましい。なかでも、解離温度が100〜180℃のブロックポリイソシアネートがより好ましい。ブロックポリイソシアネートは別の成分として組成物中に存在してもよく、また他の成分と一体化してもよい。例えば、ハーフブロック化ポリイソシアネートをカチオン性樹脂と反応して、カチオン性樹脂に架橋能力を付与してもよい。ブロックポリイソシアネートを含有しない場合には、硬化性が不足するおそれがある。ブロックポリイソシアネートの解離温度が100℃未満であると、塗料の安定性が著しく劣り、実用性が得られない。180℃を超えると、現行の多くの塗装ラインにおける焼付け条件では硬化性が不足し、防食性が低下するおそれがある。
上記顔料分散樹脂としては特に限定されず、例えば、上記カチオン性樹脂等周知のものが含まれる。上記顔料としては特に限定されず、例えば、カーボンブラック、黒鉛、酸化チタン、亜鉛華等の着色顔料、ケイ酸アルミニウム、カオリン等の体質顔料、リンモリブデン酸アルミニウム等の合成顔料を挙げることができる。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、炭化水素類(例えば、キシレン又はトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)やそれらの混合物を挙げることができる。上記溶剤の使用量は、塗料全体に対して、下限0質量%、上限5質量%であることが好ましい。上記下限は、0.2質量%であることがより好ましく、上記上限は、2質量%であることがより好ましい。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備したフラスコに、液状エポキシ940部、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)59.5部及びメタノール24.4部を仕込んだ。反応混合物は撹拌下室温から40℃まで昇温したあと、ジブチル錫ラウレート0.01部及びトリレンジイソシアネート(以下TDIと略す)21.8部を投入した。40〜45℃で30分間反応を継続した。反応はIRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備したフラスコに、液状エポキシ546.2部、MIBK36.7部及びメタノール19.3部を仕込んだ。反応混合物は撹拌下室温から50℃まで昇温したあと、ジブチル錫ラウレート0.07部及びTDI43.6部を投入した。40〜45℃で30分間反応を継続した。反応はIRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
MDI1333部及びMIBK276.1部とジブチル錫ラウレート2部を反応容器に仕込み、これを85〜95℃まで加熱した後、カプロラクタムのエチレングリコールモノブチルエーテル溶液(当量比20/80)1170部を2時間かけて滴下した。滴下終了後100℃に昇温し一時間保温した。IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認しその後MIBK347.6部を投入しブロックイソシアネート硬化剤を得た。
撹拌装置、冷却管、窒素導入管及び温度計を装備した反応容器にイソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略す)2220部MIBK342.1部を仕込み、昇温し50℃でジブチル錫ラウレート2.2部を投入し60℃でメチルエチルケトンオキシム(以下MEKオキシムと略)878.7部を仕込んだ。その後、60℃で1時間保温し、NCO当量が348となっていることを確認し、ジメチルエタノールアミン890部を投入した。60℃で1時間保温しIRでNCOピークが消失していることを確認後MEKオキシム17.8部エチレングリコールモノエチルエーテル204.2部投入した。60℃を超えないよう冷却しながら50%乳酸1872.6部と脱イオン水273.8部を投入して4級化剤を得た。
サンドグラインドミルに製造例4で得た顔料分散用樹脂を106.9部、カーボンブラック1.6部、カオリン40部、二酸化チタン55.4部、リンモリブデン酸アルミニウム3部、ジブチル錫オキサイド11.7部及び脱イオン水11.9部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分60%)。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備したフラスコに、アミン価255のアミノポリエーテル(三洋化成社製のジエチレントリアミン・プロピレンオキサイド付加物、商品名:AP−10,分子量684)362部を90と無水マレイン酸49部を90℃で30分間混合しアミノポリエーテル無水酸導入体を得た。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備したフラスコに、イソホロンジイソシアネート226.6質量部,MIBK56.7質量部,ジブチル錫ラウレート0.2質量部を仕込みメチルエチルケトンオキシム(以下MEKオキシムと略)142.1質量部を40℃で攪拌しながら滴下した。その後、グリコール酸31.0部を仕込み70℃〜75℃で10時間攪拌し、ヒドロキシ酸導入ブロックイソシアネートを得た。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備したフラスコに、液状エポキシ941.1部、MIBK155.6部及びビスフェノールA355.2部、2−エチルヘキサン酸103.7部を投入した。100℃まで昇温したあと、2エチル4メチルイミダゾール2質量%のキシロール溶液を7.5質量部加え、更に145℃まで昇温し保持した。エポキシ当量が1296となったところでMIBKで不揮発分70%となるまで希釈し反応混合物を冷却して4級アンモニウム樹脂を得た。
製造例1で得られたカチオン性基を有する変性エポキシ樹脂1と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合した。その後、85℃〜90℃で脱イオン水を予め無水マレイン酸の1.5倍当量加え30分間攪拌した後、無水マレイン酸を樹脂固形分に対し酸価3.9となるように加えた。これに中和率が37.7%になるよう氷酢酸を、更に脱イオン水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が38%のエマルションを得た。このエマルション1758.2部及び製造例5で得られた顔料分散ペースト221部と、脱イオン水2020.7部を混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における顔料と樹脂固形分との比率は1/7.0であった。
製造例1で得られたカチオン性基を有する変性エポキシ樹脂1と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合し、製造例6で得られたアミノポリエーテル無水酸導入体を樹脂固形分に対し酸価3.9となるように加えた。これに中和率が37.7%になるよう氷酢酸を、更に脱イオン水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が38%のエマルションを得た。このエマルション1758.2部及び製造例5で得られた顔料分散ペースト221部と、脱イオン水2020.7部を混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における顔料と樹脂固形分との比率は1/7.0であった。
製造例1で得られたカチオン性基を有する変性エポキシ樹脂1に製造例7で得られたヒドロキシ酸導入ブロックイソシアネートをMEQ(A)が塗料固形分中の3.9になるよう仕込み、更に変性エポキシ基体樹脂1と、ヒドロキシ酸導入ブロックイソシアネートと製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤の合計量が70/30となるようブロックイソシアネート硬化剤を投入して90℃で30分間攪拌した後、これに中和率が37.7%になるよう氷酢酸を、更に脱イオン水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が38%のエマルションを得た。このエマルション1758.2部及び製造例5で得られた顔料分散ペースト221部と、脱イオン水2020.7部を混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における顔料と樹脂固形分との比率は1/7.0であった。
製造例1で得られたカチオン性基を有する変性エポキシ樹脂1と総樹脂量の5質量%に相当する製造例8の4級アンモニウム樹脂を混合し、更に基体樹脂とブロックイソシアネート硬化剤の比率が70/30となるよう製造例3のブロックイソシアネート硬化剤を投入して90℃で30分間攪拌した後、これに中和率が37.7%になるよう氷酢酸を、更に脱イオン水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が38%のエマルションを得た。このエマルション1758.2部及び製造例5で得られた顔料分散ペースト221部と、脱イオン水2020.7部を混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における顔料と樹脂固形分との比率は1/7.0であった。
製造例1で得られたカチオン性基を有する変性エポキシ樹脂1と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合し、更に平均分子量2000のポリエチレングリコールを加えた。これに金属亜鉛として500ppmとなるよう酢酸亜鉛と中和率が37.7%になるよう氷酢酸を、更に脱イオン水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が38%のエマルションを得た。このエマルション1758.2部及び製造例5で得られた顔料分散ペースト221部と、脱イオン水2020.7部を混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における顔料と樹脂固形分との比率は1/7.0であった。
実施例1において、脱イオン水及び無水マレイン酸を混合しない以外は同様にして、カチオン電着塗料組成物を得た。
製造例6で得られたアミノポリエーテル無水酸導入体を混合しない以外は実施例2と同様にして、カチオン電着塗料組成物を得た。
つきまわり性は、いわゆる4枚ボックス法により評価した。すなわち、図4に示すように、4枚のリン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC−SDのサーフダインSD−5000(日本ペイント社製)処理)31〜34を、立てた状態で間隔20mmで平行に配置し、両側面下部及び底面を布粘着テープ等の絶縁体で密閉したボックス30を用いる。なお、鋼板34以外の鋼板31〜33には下部に8mmφの貫通穴35が設けられている。このボックス30を、図5に示すように各実施例又は比較例の電着塗料37を入れた電着塗装容器36内に浸漬し、各貫通穴35からのみ電着塗料37がボックス30内に侵入するようにする。そして、各鋼板を電気的に接続し、最も近い鋼板31との距離が150mmとなるように対極38を配置した。各鋼板31〜34を陰極、対極38を陽極として電圧を印加して鋼板にカチオン電着塗装を行った。塗装は、印加開始から5秒間で鋼板31のA面に形成される塗膜の膜厚が20μmに達する電圧まで昇圧し、その後175秒間その電圧を維持することにより行った。このときの電着塗装設定温度は28℃に調節した。塗装後の各鋼板は、水洗した後、160℃で20分間焼き付けし、空冷後、対極38に最も近い鋼板31のA面に形成された塗膜の膜厚と、対極38から最も遠い鋼板34のG面に形成された塗膜の膜厚とを測定し、膜厚(G面)/膜厚(A面)の比(G/A値)によりつきまわり性を評価した。この値が大きいほどつきまわり性が良いと評価できる。
化成処理を行った合金化溶融亜鉛めっき鋼板に、200V、220V、240Vへそれぞれ5秒で昇圧後、175秒で各実施例又は比較例の塗料を電着した後、水洗し、160℃で10分間焼き付けし、塗面状態を観察した。なお図5の容器36を用い、極間距離は15cm、液深は10cm、対面となるアノード/カソード比が1/1となるような電極面積とした。クレーターが発生した電圧が高いほどガスピンホール性が良いと評価できる。評価基準は、以下のとおりである。
◎;ピンホールが0.1個/cm2未満
〇;ピンホールが0.1個/cm2以上〜1.0個/cm2未満
△;ピンホールが1.0個/cm2以上〜5.0個/cm2未満
×;ピンホールが5.0個/cm2以上
図5の容器を用い、被塗物面積140cm2、極/被塗物=1/2の面積比とし、極間距離15cmとなるように、化成処理を行った合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を浸漬し塗装した。塗装電圧は所定の電圧までは5秒管で等速に上昇しその後所定電圧を保持するようにした。鋼板の質量を予め秤量し、通電時間は2秒から3秒まで1秒毎の水準とし、塗装終了時の残余電流値を記録後、水洗し、160℃で20分間焼き付けて、空冷後塗膜の質量を測定した。なお、所定の電圧は3分間で15μmの膜厚を得られる電圧とした。
S:被塗物面積(cm2)
I:残余電流(A)
W:塗膜質量(mg)
2 水素バブル
3 電流
4 火花放電
5 水素ガスの抜け穴
11 従来の塗膜の抵抗上昇曲線
12 本発明の抵抗上昇曲線
21 電流
22 導電性部
23 被塗物
24 水素バブル
25 エレクトリックスルーホール
26 肥大化した水素バブル
30 ボックス
31 亜鉛鋼板
32 亜鉛鋼板
33 亜鉛鋼板
34 亜鉛鋼板
35 貫通穴
36 電着塗装容器
37 電着塗料
38 対極
Claims (18)
- 基体樹脂を含むカチオン電着塗料液を浴槽内に満たし、亜鉛鋼板からなる被塗物を前記浴槽内に浸漬して通電することにより前記亜鉛鋼板表面に電着塗膜を形成させるカチオン電着塗膜形成方法であって、
前記亜鉛鋼板表面の、前記通電により析出形成しつつ経時的に次第に膜厚を上げてゆく際に生じる塗膜の切れ目において、前記通電により発生する水素ガスが経時的に凝集して生じる水素バブルの存在を原因として発現する放電現象を払拭するために、前記塗膜中にエレクトリックスルーホールを形成せしめて前記塗膜の導電性を確保し、
これにより、前記塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を抑制する
ことを特徴とするカチオン電着塗膜形成方法。 - 前記塗膜を構成する成分が前記基体樹脂からなり、前記基体樹脂がアミン変性エポキシ樹脂であり、前記エレクトリックスルーホールは、前記アミン変性エポキシ樹脂の末端アミノ基近傍に酸基(−COO−)を存在せしめたものである請求項1記載のカチオン電着塗膜形成方法。
- 酸基(−COO−)は、酸無水物とアミノ基との反応により生じたものである請求項2記載のカチオン電着塗膜形成方法。
- 前記エレクトリックスルーホールは、酸基を含有する水難溶性樹脂に由来する酸基を存在せしめたものである請求項1記載のカチオン電着塗膜形成方法。
- 前記エレクトリックスルーホールは、両性イオン基含有樹脂に由来する酸基を存在せしめたものである請求項1記載のカチオン電着塗膜形成方法。
- 基体樹脂を含むカチオン電着塗料液を浴槽内に満たし、亜鉛鋼板からなる被塗物を前記浴槽内に浸漬して通電することにより前記亜鉛鋼板表面に電着塗膜を形成させるカチオン電着塗膜形成方法であって、
前記通電により析出形成する塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を制御することにより前記亜鉛鋼板表面での水素バブルにおける放電現象を阻止する
ことを特徴とするカチオン電着塗膜形成方法。 - 基体樹脂を含むカチオン電着塗料液を浴槽内に満たし、亜鉛鋼板からなる被塗物を前記浴槽内に浸漬して通電することにより前記亜鉛鋼板表面に電着塗膜を形成させるカチオン電着塗膜形成方法であって、
前記通電により析出形成する塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)は、前記通電の開始から4秒以内においては1.0以下であり、前記通電の開始から10秒を経過した後においては2.0以上である
ことを特徴とするカチオン電着塗膜形成方法。 - 基体樹脂を含むカチオン電着塗料液を浴槽内に満たし、亜鉛鋼板からなる被塗物を前記浴槽内に浸漬して通電することにより前記亜鉛鋼板表面に電着塗膜を形成させるカチオン電着塗膜形成方法であって、
前記亜鉛鋼板表面の、前記通電により析出形成しつつ経時的に次第に膜厚を上げてゆく際に生じる塗膜の切れ目において、前記通電により発生する水素ガスが経時的に凝集して生じる水素バブルの存在を原因として発現する放電現象を払拭するために、前記塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を、通電開始から4秒間抑制する
ことを特徴とするカチオン電着塗膜形成方法。 - 前記通電条件は、予め設定した印加電圧に到達せしめるまでの時間を5秒とした条件において、等速度で電圧を上昇させるものであり、
塗装時の浴液の温度は、20〜40℃であり、
塗装時の浴液の不揮発分濃度は、15〜25質量%であり、
被塗物と極板との面積比は1/1〜2/1、極間距離は15cmである
請求項7又は8記載のカチオン電着塗膜形成方法。 - 基体樹脂を含むカチオン電着塗料であって、
前記カチオン電着塗料は、カチオン電着塗装中の通電により析出形成する塗膜中にエレクトリックスルーホールを形成せしめて前記塗膜の導電性を確保することができるものであり、かつ、前記塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を抑制することができることを特徴とするカチオン電着塗料。 - 前記塗膜を構成する成分が前記基体樹脂からなり、前記基体樹脂がアミン変性エポキシ樹脂であり、前記エレクトリックスルーホールは、前記アミン変性エポキシ樹脂の末端アミノ基近傍に酸基(−COO−)を存在せしめたものである請求項10記載のカチオン電着塗料。
- 酸基(−COO−)は、酸無水物とアミノ基との反応により生じたものである請求項11記載のカチオン電着塗料。
- 前記エレクトリックスルーホールは、酸基を含有する水難溶性樹脂に由来する酸基を存在せしめたものである請求項10記載のカチオン電着塗料。
- 前記エレクトリックスルーホールは、両性イオン基含有樹脂に由来する酸基を存在せしめたものである請求項10記載のカチオン電着塗料。
- カチオン電着塗装中の通電により析出形成する塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を制御することができるものである
ことを特徴とするカチオン電着塗料。 - カチオン電着塗装中の通電により析出形成する塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)が前記通電の開始から4秒以内においては1.0以下とすることができ、前記通電の開始から10秒を経過した後においては2.0以上とすることができるものである
ことを特徴とするカチオン電着塗料。 - カチオン電着塗装中の通電により析出形成しつつ経時的に次第に膜厚を上げてゆく際に生じる塗膜の切れ目において、前記通電により発生する水素ガスが経時的に凝集して生じる水素バブルの存在を原因として発現する放電現象を払拭するために、前記塗膜の単位質量(mg)あたりの電気抵抗値(KΩ・cm2)の上昇を、通電開始から4秒間抑制することができるものである
ことを特徴とするカチオン電着塗料。 - 前記通電条件は、予め設定した印加電圧に到達せしめるまでの時間を5秒とした条件において、等速度で電圧を上昇させるものであり、
塗装時の浴液の温度は、20〜40℃であり、
塗装時の浴液の不揮発分濃度は、15〜25質量%であり、
被塗物と極板との面積比は1/1〜2/1、極間距離は15cmである
請求項16又は17記載のカチオン電着塗料。
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