JP2015218355A - カチオン電着塗料の塗装方法 - Google Patents

カチオン電着塗料の塗装方法 Download PDF

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【課題】リン酸亜鉛やジルコニウム化合物による金属素材への化成皮膜処理工程で発生した電気抵抗ムラに対して、塗装膜厚差や仕上り外観差を軽減するカチオン電着塗料を用いた塗装方法を提供する。【解決手段】アミン変性エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)、可塑剤(C)、及び顔料ペースト(D)が構成成分であり、被塗物に均一に塗装した塗膜の焼付後の膜厚が1μmに達したときの塗膜抵抗が15〜50kΩ・cm2であるカチオン電着塗料を用いて塗装することを特徴とするカチオン電着塗料の塗装方法。アミン変性エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は1000〜1600の範囲であることが好ましい。また、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の合計固形分重量に対する可塑剤(C)の重量は0.5〜5.0%の範囲であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、リン酸亜鉛やジルコニウム化合物による金属素材への化成皮膜処理工程で発生した電気抵抗ムラに対して、塗装膜厚差や仕上り外観差を軽減するカチオン電着塗料を用いた塗装方法に関する。
自動車ボデーやパーツ等の金属素材は、耐食性向上を目的として、リン酸亜鉛や近年ではジルコニウム化合物による化成皮膜処理が行われているが、その際に発生する皮膜の組成ムラや濃度ムラによって生じる電気抵抗のムラに対して、電着塗料は塗膜外観異常を起こさないことが要求品質となっている。
一般に塗料面での対策は、顔料(Ash)増量や溶剤減量によって析出塗膜を硬くして、絶縁性を高める手法が知られているが、反面、析出塗膜が硬くなり過ぎると、フロー性が低下して融着による隠蔽性が不足し、絶縁効果が得られ難くなる。
もちろん、塗膜の主成分である樹脂の設計においても、高い絶縁性を得るべく分子量やアミン濃度、中和酸濃度などの細かいレベルで工夫がされているが、最も効率よく化成のムラによる塗膜外観異常を軽減する技術については、十分に確立されていない。
例えば、特許文献1は、電着塗膜の形成を電流値によって細かく規定した高つきまわり性に関するものであり、特許文献2および特許文献3は電着塗膜の形成を電流値によって細かく規定した高つきまわり性、塗膜外観仕上がり性に関するものであるが、いずれも化成皮膜工程で発生した電気抵抗ムラに対する技術を提案するものではない。
特開2006−348316号公報 特開2007−246806号公報 特開2008−50689号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、リン酸亜鉛やジルコニウム化合物による金属素材への化成皮膜処理工程で発生した電気抵抗ムラに対して、塗装膜厚差や仕上り外観差を軽減するために必要な析出特性を限定したカチオン電着塗料の塗装方法を提供することにある。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討した結果、化成皮膜のない被塗物金属と化成皮膜のある被塗物金属の電気抵抗差を測定し、その差を電着塗装の初期段階で埋めることができれば、膜厚差や仕上り外観差を軽減することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)の構成を有するものである。
(1)アミン変性エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)、可塑剤(C)、及び顔料ペースト(D)が構成成分であり、被塗物に均一に塗装した塗膜の焼付後の膜厚が1μmに達したときの塗膜抵抗が15〜50kΩ・cmであるカチオン電着塗料を用いて塗装することを特徴とするカチオン電着塗料の塗装方法。
(2)アミン変性エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が1000〜1600の範囲であることを特徴とする(1)に記載の塗装方法。
(3)カチオン電着塗料において、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の合計固形分重量に対する可塑剤(C)の重量が0.5〜5.0%の範囲であることを特徴とする(1)または(2)に記載の塗装方法。
本発明の塗装方法によれば、リン酸亜鉛やジルコニウム化合物による金属素材への化成皮膜処理工程で発生した電気抵抗ムラに対して、塗装膜厚差や仕上り外観差を軽減することができる。また、本発明の塗装方法によれば、その他の基本的な塗装作業性は保持することができるので、塗装設備条件等を変えなくてよい。
図1は、膜厚の測定方法を説明する模式図である。
本発明の塗装方法で使用するカチオン電着塗料は、アミン変性エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)、可塑剤(C)、及び顔料ペースト(D)が構成成分であり、かつ被塗物に均一に塗装した塗膜の焼付後の膜厚が1μmに達したときの塗膜抵抗が15〜50kΩ・cmであることを特徴とする。
[アミン変性エポキシ樹脂(A)]
アミン変性エポキシ樹脂(A)を構成する成分のうち、エポキシ骨格は平均して1分子当り2個のエポキシ基を有し、数平均分子量は400〜2400、特に1000〜1600が好ましい。具体的に例示すると、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有するポリフェノールのグリシジルエーテル、あるいはその重縮合物であり、好ましいポリフェノールとしては、レゾルシン、ハイドロキノン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニール等が挙げられるが、特に好ましくは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、いわゆるビスフェノールAである。さらに、1分子中に2個のアルコール性水酸基を有するジオールのグリシジルエーテル、あるいはその重縮合物が挙げられ、好ましいジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等の低分子ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオリゴマージオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、好適な分子量に調整するためには、上記化合物を連結剤で高分子量化反応させることが必要である。好ましい連結剤としては、上記のポリフェノールや1分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、カルボキシル基含有のブタジエン重合体、あるいはブタジエン/アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。また、アミノ基を含有する連結剤として、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、あるいはヘキサメチレンジアミン等のジアミンの各アミノ基をモノエポキシ化合物で2級化したジアミン等が挙げられる。さらに、エポキシ基の開環により生成した水酸基に対して、ジイソシアネートによる連結も可能である。特に好ましくは、上記ポリフェノールのグリシジルエーテルあるいは上記ジオールのグリシジルエーテル、もしくはこれらの混合物を上記ポリフェノールで連結反応する方法により達成でき、触媒存在下で70〜180℃で反応させるのが好適である。
エポキシ末端はアミノ化を基本とするが、エポキシ基の一部を必要に応じて1分子中に1個のカルボキシル基を有する化合物、あるいは1分子中に1個のフェノール性水酸基を有する化合物で付加反応させて樹脂の塩基性を調整することができる。アミノ化剤としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエチレントリアミンの1級アミノ基をケトンと反応させたジケチミン、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。特に好ましくは、水酸基を有するアルカノールアミン類を用いた場合であり、反応は無溶剤あるいは溶剤存在下で50〜130℃で行なうのが好適である。
[ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)]
ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の構成成分はポリイソシアネートとブロック剤であり、ポリイソシアネートとしては、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−あるいは1,4−ビス−(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビス−(イソシアネートメチル)−ノルボルナン、3−あるいは4−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、m−あるいはp−キシレンジイソシアネート、m−あるいはp−テトラメチルキシレンジイソシアネート、さらには上記イソシアネートのビュレット変性体あるいはイソシアヌレート変性体が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、混合物も可能である。
また、上記ポリイソシアネートは一部をポリオールと反応させることができる。かかる例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリラクトンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ブロック剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族アルコール化合物、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等のセロソルブ化合物、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のカルビトール化合物、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、ε−カプロラクタム等のラクタム化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール化合物、アセト酢酸エチルエステル、マロン酸ジエチルエステル等の活性メチレン基含有化合物が挙げられる。
ポリイソシアネートとブロック剤の反応は、無溶剤あるいはイソシアネート基と反応しない溶剤の存在下で、50〜130℃で行なうのが好適である。
[可塑剤(C)]
可塑剤(C)は従来公知のものを使用することができ、具体的には、三洋化成工業(株)製のニューポールBPE−40、BPE−60、BPE−100、BPE−180(いずれもビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物)を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、混合して使用することも可能である。
可塑剤(C)の使用量は、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の合計固形分重量に対して、0.5〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。0.5重量%未満では本発明の効果が十分に発揮され難くなり、5.0重量%を超えるとつきまわり性や塗膜の耐食性が低下するおそれがある。なお、可塑剤(C)の配合方法は特に限定されないが、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)にブレンドする方法が好ましい。
[顔料ペースト(D)]
顔料ペースト(D)は、顔料分散樹脂を水溶化し、必要に応じて消泡剤や界面活性剤、はじき防止剤等の添加剤を配合したビヒクルに体質顔料、着色顔料、防錆顔料、硬化触媒顔料等を混合し、分散機を通して顔料分散したものである。
顔料分散樹脂にはアミン変性エポキシ樹脂(A)をギ酸や酢酸、乳酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸等で中和した3級アミン型やエポキシ末端を4級化した4級アンモニウム塩型が使用でき、体質顔料にはカオリン、タルク、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、シリカ等、着色顔料にはカーボンブラック、チタンホワイト、ベンガラ等、防錆顔料にはリン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、ビスマス化合物等、硬化触媒にはスズ化合物、ビスマス化合物等が使用できる。
本発明に使用されるカチオン電着塗料におけるアミン変性エポキシ樹脂(A)/ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の重量割合は特に限定されるものではないが、固形分重量比で55〜75/45〜25であることが好ましい。また、合計樹脂重量(A+B)/顔料ペースト(D)の重量割合も特に限定はされないが、70〜80/30〜20であることが好ましい。
アミン変性エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)、及び可塑剤(C)を混合した樹脂をエマルション化する際に必要な中和酸は、ギ酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸等が好適であり、これらの混合物も使用可能である。
カチオン電着塗料は、上記エマルションを脱イオン水で希釈し、顔料ペースト(D)を撹拌下で混合することによって得られるが、塗料の固形分濃度は、20%前後に調整することが好ましい。
[塗膜抵抗]
本発明で使用するカチオン電着塗料は、被塗物に均一に塗装した塗膜の焼付後の膜厚が1μmに達したときの塗膜抵抗が15〜50kΩ・cmである。好ましくは20〜50kΩ・cm、より好ましくは23〜45kΩ・cmである。塗膜抵抗が上記範囲未満であっても、上記範囲を超えても化成処理ムラによって生じる電着塗膜外観差を消すことができないため、好ましくない。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(アミン変性エポキシ樹脂A1の製造)
表1に記載の原料配合に従ってアミン変性エポキシ樹脂A1を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットルのフラスコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)を投入し、撹拌を開始し、150℃で3時間保温した後、原料(5)を徐々に投入しながら80℃まで冷却した。次いで原料(6)、(7)を順次投入し、100℃で4時間保温して、固形分70重量%のアミン変性エポキシ樹脂A1を得た。アミン変性エポキシ樹脂A1の数平均分子量は、1400であった。
(アミン変性エポキシ樹脂A2の製造)
表2に記載の原料配合に従ってアミン変性エポキシ樹脂A2を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットルのフラスコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)を投入し、撹拌を開始し、150℃で4時間保温した後、原料(5)を徐々に投入しながら80℃まで冷却した。次いで原料(6)、(7)を順次投入し、100℃で4時間保温して、固形分70重量%のアミン変性エポキシ樹脂A2を得た。アミン変性エポキシ樹脂A2の数平均分子量は、1300であった。
(アミン変性エポキシ樹脂A3の製造)
表3に記載の原料配合に従ってアミン変性エポキシ樹脂A3を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットルのフラスコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)を投入し、撹拌を開始し、150℃で5時間保温した後、原料(5)を徐々に投入しながら80℃まで冷却した。次いで原料(6)、(7)を順次投入し、100℃で4時間保温して、固形分70重量%のアミン変性エポキシ樹脂A3を得た。アミン変性エポキシ樹脂A3の数平均分子量は、1450であった。
(ブロックイソシアネート硬化剤樹脂B1の製造)
表4に記載の原料配合に従ってブロックイソシアネート硬化剤樹脂B1を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットルのフラスコに、原料(1)、(2)を投入し、撹拌を開始し、50〜100℃保温下で原料(3)、(4)の混合液を滴下した。滴下終了後は100℃で3時間保温して、固形分80重量%のブロックイソシアネート硬化剤樹脂B1を得た。
(顔料分散樹脂Pの製造)
表5に記載の原料配合に従って顔料分散樹脂を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットルのフラスコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)を投入し、撹拌を開始した。150℃で4時間保温した後、原料(5)を徐々に投入しながら70℃まで冷却した。次いで原料(6)、(7)を順次投入し、80℃で2時間保温して、固形分60重量%の顔料分散樹脂Pを得た。
(エマルションの製造)
表6に記載の原料配合に従ってエマルションE1〜E6を製造した。具体的には、撹拌機、温度計、冷却管および減圧装置を備えた3リットルのフラスコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を投入し、撹拌を開始した。次いで原料(6)、(7)を順次投入し、300〜600mmHg(ゲージ圧)の減圧下で60〜80℃を保持しながら、溶剤留出がなくなるまで脱溶剤を行なった。その後、抜き取った溶剤と同重量の脱イオン水を加えながら55℃以下に冷却し、さらに原料(8)を投入して、固形分30重量%のエマルションE1〜E6を得た。
※表中の数値は重量[g]を表わす
(顔料ペーストDの製造)
表7に記載の原料配合に従って顔料ペーストDを製造した。具体的には、容器に原料(1)を投入し、撹拌を開始した。原料(2)をゆっくりと投入して溶解させた。次いで原料(3)、(4)、(5)、(6)を投入し、常温で1時間均一混合したものを横型サンドミルで粒度10μm以下になるまで分散した。あらかじめ別の容器で原料(7)、(8)を均一混合しておき、分散が終了したものにこれを添加し、常温で約1時間均一混合して、固形分50重量%の顔料ペーストDを得た。
実施例1〜4および比較例1〜2
表8に記載の配合に従って実施例1〜4及び比較例1〜2の電着塗料を製造した。具体的には、容器に各エマルション1975gをはかりとり、撹拌下で脱イオン水1610gを投入し、次いで顔料ペースト415gを投入して、固形分20重量%の各電着塗料を得た。実施例1〜4及び比較例1〜2の電着塗料の塗膜抵抗、膜厚、化成処理ムラ、敏感性の試験結果を表8に示す。また、これらの試験方法も以下に記載する。
[塗膜抵抗]
70mm×150mmサイズの冷延鋼板を化成処理したパネルを用意する。実施例1〜4、比較例1〜2のいずれも、非リン酸塩系処理皮膜としてジルコニウム系金属酸化膜処理、リン酸亜鉛処理をそれぞれ施したパネル(SPCC−SD)を用いて、裏面をガムテープなどでマスキングする。極板/被塗物比を1/4、極間距離を150mmとして、30℃に調整した塗料にパネルを全没させる。撹拌下に荷電圧30Vで1秒単位の塗装を行ない、式(1)から、塗膜が1μmに達した時の塗膜抵抗[kΩ・cm]を求める。
R=V×S×(1/Af−1/Ai)・・・式(1)
式中、R:塗膜抵抗(kΩ・cm
V :極間電圧(V)
Ai:初期電流値(A)
Af:最終電流値(A)
S :被塗面積(cm
[膜厚]
35mm×150mmサイズの合金化溶融亜鉛メッキ鋼板で、化成皮膜処理したパネルと化成皮膜処理していないパネルを用意し、70mm×150mm板になるよう合体させて上部をクリップで止める。図1に示されるように、30℃に調整した塗料にパネルを深さ115mmまで浸漬させ、撹拌下に90秒かけて200Vまで昇圧し、その後150秒間200Vを保持して塗装する。水洗後、170℃×20分焼き付けし、硬化した塗膜の膜厚をそれぞれ測定し、化成皮膜処理していないパネル上の膜厚に対する化成皮膜処理したパネル上の膜厚の比を膜厚比とする。膜厚比は、その数値が小さいほど好ましい。
[化成処理ムラ、敏感性]
70mm×150mmサイズの冷延鋼板をリン酸亜鉛処理あるいはジルコニウム化合物処理し、NO.400研磨紙で皮膜の半分を除去する。極板/被塗物比を1/4、極間距離を150mmとして、30℃に調整した塗料にパネルを全没させる。撹拌下に30秒かけて200Vまで昇圧し、その後150秒間200Vを保持して塗装する。水洗後、170℃×20分焼き付けし、塗膜外観を目視判定する。
○:境界部に段差や著しい外観差がない
×:境界部に段差や著しい外観差がある
表8の結果からわかるように、塗膜抵抗が本発明の範囲内である実施例1〜4は、いずれもリン酸亜鉛やジルコニウム化合物による皮膜処理工程で発生する膜厚差を軽減することができる。一方、塗膜抵抗が本発明の範囲外である比較例1〜2は、いずれの試験項目も実施例1〜4より明らかに劣っていた。
本発明の塗装方法は、リン酸亜鉛やジルコニウム化合物による金属素材への化成皮膜処理工程で発生した電気抵抗ムラに対して、塗装膜厚差や仕上り外観差を軽減することができるので、極めて有用である。

Claims (3)

  1. アミン変性エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)、可塑剤(C)、及び顔料ペースト(D)が構成成分であり、被塗物に均一に塗装した塗膜の焼付後の膜厚が1μmに達したときの塗膜抵抗が15〜50kΩ・cmであるカチオン電着塗料を用いて塗装することを特徴とするカチオン電着塗料の塗装方法。
  2. アミン変性エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が1000〜1600の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. カチオン電着塗料において、アミン変性エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート硬化剤樹脂(B)の合計固形分重量に対する可塑剤(C)の重量が0.5〜5.0%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装方法。
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