JP6615552B2 - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents
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Description
[1]
樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物であって、
上記樹脂エマルション(i)は、アミン化樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤(B)、金属酸化物および/または水酸化物(C)、および有機酸(D)を含み、
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
上記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
上記樹脂エマルション(i)は、下記条件;
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、上記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
を満たす、カチオン電着塗料組成物。
[2]
上記有機酸(D)は、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびメタンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、カチオン電着塗料組成物。
[3]
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)に含まれる金属元素はLaである、カチオン電着塗料組成物。
[4]
上記樹脂エマルション(i)中に含まれる金属酸化物および/または水酸化物(C)の量は、樹脂エマルション(i)の固形分に対して、金属元素換算で0.01〜2質量%である、カチオン電着塗料組成物。
[5]
さらにビスマス化合物(E)を含む、カチオン電着塗料組成物。
[6]
樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物の調製方法であって、
上記樹脂エマルション(i)は、金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)との混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)の混合物とを混合する工程によって調製され、ここで、
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
上記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、上記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
調製方法。
[7]
樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物の調製方法であって、
上記樹脂エマルション(i)は、金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)とを混合し、次いで中和酸(F)を混合して得られた混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)とを混合する工程によって調製され、ここで、
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
上記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、上記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
調製方法。
[8]
上記金属酸化物および/または水酸化物(C)に含まれる金属元素はLaである、上記調製方法。
[9]
上記樹脂エマルション(i)中に含まれる金属酸化物および/または水酸化物(C)の量は、樹脂エマルション(i)の固形分に対して、金属元素換算で0.01〜2質量%である、上記調製方法。
アミン化樹脂(A)は電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。アミン化樹脂(A)として、樹脂骨格中のオキシラン環を有機アミン化合物で変性して得られるカチオン変性エポキシ樹脂が好ましい。一般にカチオン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のオキシラン環を1級アミン、2級アミンあるいは3級アミンおよび/またはその酸塩などのアミン類との反応によって開環して調製される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5−306327号公報に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のイソシアネート基をメタノール、エタノールなどの低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって調製することができる。
ブロックイソシアネート硬化剤(B)(以下、単に「硬化剤(B)」ということがある)も電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。ブロックイソシアネート硬化剤(B)は、ポリイソシアネートを、封止剤でブロック化することによって調製することができる。
硬化剤としては、メラミン樹脂またはフェノール樹脂などの有機硬化剤、シランカップリング剤、金属硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の硬化剤を、ブロックイソシアネート硬化剤(B)と併用してもよい。
金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含む、希土類化合物である。金属酸化物および/または水酸化物(C)に含まれる金属元素は、La、Nd、Y、Ybからなる群から選択される1種またはそれ以上であるのが好ましく、Laであるのがさらに好ましい。
有機酸(D)は、例えば、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物である。
・乳酸、グリコール酸などの、全炭素原子数2〜5、好ましくは2〜4のモノヒドロキシモノカルボン酸、特に脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸;
・ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、グリセリン酸などの、全炭素原子数3〜7、好ましくは3〜6のジヒドロキシモノカルボン酸、特に脂肪族ジヒドロキシモノカルボン酸。
本発明の電着塗料組成物は、アミン化樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤(B)、金属酸化物および/または水酸化物(C)、および有機酸(D)を含む樹脂エマルション(i)を含む。
本発明の電着塗料組成物に含まれる樹脂エマルション(i)の調製方法の1態様として、例えば、
金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)との混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)の混合物とを混合する工程によって調製する態様が挙げられる。
本発明の電着塗料組成物に含まれる樹脂エマルション(i)の調製方法の他の1態様様として、例えば、
金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)とを混合し、次いで中和酸(F)を混合して得られた混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)とを混合する工程によって調製する態様が挙げられる。
顔料分散ペーストは、電着塗料組成物中に任意に含まれる成分であり、通常は顔料分散樹脂および顔料を含む。
顔料分散樹脂は、顔料を分散させるための樹脂であり、水性媒体中に分散されて使用される。顔料分散樹脂として、4級アンモニウム基、3級スルホニウム基および1級アミン基から選択される少なくとも1種またはそれ以上を有する変性エポキシ樹脂などの、カチオン基を有する顔料分散樹脂を用いることができる。水性溶媒としてはイオン交換水または少量のアルコール類を含む水などを用いる。
顔料は、電着塗料組成物において通常用いられる顔料である。顔料として、例えば、通常使用される無機顔料および有機顔料、例えば、チタンホワイト(二酸化チタン)、カーボンブラックおよびベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸アルミニウム、およびリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料など、が挙げられる。
顔料分散ペーストは、顔料分散樹脂および顔料を混合して調製される。
本発明の電着塗料組成物は、必要に応じてビスマス化合物(E)を含んでもよい。ビスマス化合物(E)はビスマス金属を含有する化合物であり、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマスまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましいビスマス化合物(E)は、酸化ビスマスおよび水酸化ビスマスからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の電着塗料組成物は、上述の樹脂エマルション(i)をイオン交換水によって所望の固形分量に調整することによって調製してもよく、また、樹脂エマルション(i)および顔料分散ペーストを混合することによって調製してもよい。
本発明の電着塗料組成物を用いて被塗物に対し電着塗装することによって、電着塗膜を形成することができる。本発明の電着塗料組成物を用いる電着塗装においては、被塗物を陰極とし、陽極との間に、電圧を印加する。これにより、電着塗膜が被塗物上に析出する。
メチルイソブチルケトン92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA325部、オクチル酸65部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を140℃に保持し、エポキシ当量が1220g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が120℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)52部とジエタノールアミン83部の混合物を添加し、120℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂)を得た。
この樹脂の数平均分子量は2,560、アミン価は50mgKOH/g(うち1級アミンに由来するアミン価は14mgKOH/g)、水酸基価は240mgKOH/gであった。
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1680部およびMIBK732部を反応容器に仕込み、これを60℃まで加熱した。ここに、トリメチロールプロパン346部をMEKオキシム1067部に溶解させたものを60℃で2時間かけて滴下した。さらに75℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK27部を加えて固形分が78%のブロックイソシアネート硬化剤(1)を得た。イソシアネート基価は252mgKOH/gであった。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート1340部およびMIBK277部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK349部を加えてブロックイソシアネート硬化剤(2)を得た(固形分80%)。イソシアネート基価は251mgKOH/gであった。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)385部、ビスフェノールA120部、オクチル酸95部、2−エチル−4−メチルイミダゾール1%溶液1部を仕込んで、窒素雰囲気下160〜170℃で1時間反応させ、ついで120℃まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)198部を加えた。反応混合物を120〜130℃で1時間保持した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル157部を加えた。そして85〜95℃に冷却して均一化させた。つぎにジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)277部を加え120℃で1時間撹拌しエチレングリコールモノn−ブチルエーテル13部を加え、アミン化樹脂を製造した。ついで18部のイオン交換水とギ酸8部を仕込み上記アミン化樹脂を混合し15分撹拌し、イオン交換水200部を混合して、顔料分散樹脂(平均分子量2,200)の樹脂溶液(樹脂固形分25%)を得た。
サンドミルを用いて、製造例3で得られた顔料分散樹脂を含む以下の表1に示す配合に基づき、得られた混合物を40℃において、体積平均粒子径D50が0.6μmとなるまで分散し、顔料分散ペースト1を得た。体積平均粒子径D50の測定は、レーザードップラー式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて、分散体を信号レベルが適性になるようイオン交換水で希釈して、体積平均粒子径D50を測定した。
金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)との混合物の調製
イオン交換水68.8部、50%乳酸水溶液19.5部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた(第1混合)。
製造例1で得たアミン化樹脂350部(固形分)と、製造例2−1で得たブロックイソシアネート硬化剤(1)75部(固形分)および製造例2−2で得たブロックイソシアネート硬化剤(2)75部(固形分)とを混合し、次いで、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように加えた。次に、ギ酸および酢酸を等モルで、それらの合計添加量が樹脂中和率40%相当分になるように加えて中和した。次いで、上記より得られた混合物34.0部を加えて混合した(第2混合)。
その後、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が40%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、樹脂エマルション(i)を得た。
ステンレス容器に、イオン交換水504部、上記で得られた樹脂エマルション(i)370部および製造例4の顔料分散ペースト81部を添加し、その後、40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を得た。
イオン交換水69.6部、50%乳酸水溶液18.7部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ネオジム11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ネオジムを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
イオン交換水56.9部、50%乳酸水溶液30.4部を混合および撹拌しながら、これに、酸化イットリウム12.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化イットリウムを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
イオン交換水73.8部、ジメチロールプロピオン酸14.5部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
イオン交換水75.3部、80%メタンスルホン酸水溶液13.0部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
第2混合において、第1混合で得られた混合物の添加量を10.0部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
第2混合において、第1混合で得られた混合物の添加量を50.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
イオン交換水84.4部、50%乳酸水溶液3.9部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
イオン交換水53.2部、50%乳酸水溶液35.0部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン11.7部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた(第1混合)。
上記より得られた混合物34.0部を用いて、実施例1と同様にして、樹脂エマルション(i)を調製し、電着塗料組成物を調製した。
顔料分散ペーストの調製
分散ペーストの固形分濃度が53質量%になるように、イオン交換水79.2部に、50%乳酸水溶液3.1部および酸化ビスマス4.0部を撹拌・混合しながら、ここに製造例3で得られた顔料分散樹脂を59.2部添加し、室温で1時間、1000rpmにて攪拌し、ビスマス混合物を得た。
他の容器中で、製造例1で得たアミン化樹脂350部(固形分)と、製造例2−1で得たブロックイソシアネート硬化剤(1)75部(固形分)および製造例2−2で得たブロックイソシアネート硬化剤(2)75部(固形分)とを混合し、次いで、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように加えた。次に、ギ酸および酢酸を等モルで、それらの合計添加量が樹脂中和率40%相当分になるように加えて中和し、アミン変性エポキシ樹脂エマルションを得た。
上記ビスマス混合物に、得られたアミン変性エポキシ樹脂エマルション25部を添加し、さらに顔料であるカーボン1部、二酸化チタン40部、サテントン(焼成カオリン)59部を加え、サンドミルを用いて40℃で1時間、2000rpmにて撹拌することで顔料分散ペーストを得た。
金属酸化物および/または水酸化物(C)、有機酸(D)および中和酸(F)の混合物の調製
イオン交換水中で、50%乳酸水溶液32.1部を混合および撹拌しながら、これに、酸化ランタン19.4部を加えた。室温で4時間、1000rpmにて撹拌および混合して、酸化ランタンを溶解させた。次いで、中和酸であるギ酸および酢酸(2種類を等モルで含む混合物)を54.0部(樹脂中和率40%相当分)加えて混合し、混合物を得た(第1混合)。
製造例1で得たアミン化樹脂350部(固形分)と、製造例2−1で得たブロックイソシアネート硬化剤(1)75部(固形分)および製造例2−2で得たブロックイソシアネート硬化剤(2)75部(固形分)とを混合し、次いで、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように加えた。次いで、上記より得られた混合物78.4部を加えて混合した(第2混合)。
その後、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が40%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、樹脂エマルション(i)を得た。
ステンレス容器に、イオン交換水504部、上記で得られた樹脂エマルション(i)370部および製造例4の顔料分散ペースト81部を添加し、その後、40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を得た。
樹脂エマルションの調製
製造例1で得たアミン化樹脂350部(固形分)と、製造例2−1で得たブロックイソシアネート硬化剤(1)75部(固形分)および製造例2−2で得たブロックイソシアネート硬化剤(2)75部(固形分)とを混合し、次いで、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように加えた。次に、ギ酸および酢酸を等モルで、それらの合計添加量が樹脂中和率40%相当分になるように加えて中和した。
その後、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が40%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、樹脂エマルションを得た。
ステンレス容器に、イオン交換水504部、上記で得られた樹脂エマルション(i)370部および製造例4の顔料分散ペースト81部を添加し、その後、40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を得た。
樹脂エマルションの調製
製造例1で得たアミン化樹脂350部(固形分)と、製造例2−1で得たブロックイソシアネート硬化剤(1)75部(固形分)および製造例2−2で得たブロックイソシアネート硬化剤(2)75部(固形分)とを混合し、次いで、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように加えた。次いで酸化ランタン4.0部を加えて混合した。
その後、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が40%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、樹脂エマルション(i)を得た。
ステンレス容器に、イオン交換水504部、上記で得られた樹脂エマルション(i)370部および製造例4の顔料分散ペースト81部を添加し、その後、40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を得た。
電着塗料組成物の調製において、ステンレス容器に、イオン交換水464部、比較例1の樹脂エマルションの調製で得られた樹脂エマルション370部、製造例4の顔料分散ペースト81部および15%硝酸ランタン水溶液39.7部を添加し、その後、40℃で16時間エージングして、電着塗料組成物を得た。
顔料分散ペーストの製造
サンドミルを用いて、製造例3で得られた顔料分散樹脂を含む以下の表に示す配合に基づき、得られた混合物を40℃において、体積平均粒子径D50が0.6μmとなるまで分散し、顔料分散ペースト1を得た。体積平均粒子径D50の測定は、レーザードップラー式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて、分散体を信号レベルが適性になるようイオン交換水で希釈して、体積平均粒子径D50を測定した。
冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製)中に50℃で2分間浸漬して、脱脂処理した。次にサーフファインGL1(日本ペイント社製)に常温30秒浸漬し、サーフダイン6350(日本ペイント社製)に35℃×2分間浸漬した。脱イオン水による水洗を行った。一方、実施例および比較例で得られた電着塗料組成物に、硬化後の電着塗膜の膜厚が15μmとなるように2−エチルヘキシルグリコールを必要量添加した。その後、電着塗料組成物に鋼板を全て埋没させた後、直ちに電圧の印加を開始し、30秒間昇圧し180Vに達してから150秒間保持する条件で電圧を印加して、被塗物(冷延鋼板)上に未硬化の電着皮膜を析出させた。得られた未硬化の電着皮膜を、160℃で15分間加熱硬化させて、硬化電着塗膜を有する電着塗装板を得た。
上記より得られた硬化電着塗膜の表面粗度を、JIS−B0601に準拠し、評価型表面粗さ測定機(Mitsutoyo社製、SURFTEST SJ−201P)を用いて、粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)を測定した。2.5mm幅カットオフ(区画数5)を入れたサンプルを用いて7回測定し、上下消去平均によりRa値を得た。このRa値が小さい程、凹凸が少なく、塗膜外観が良好であるといえる。得られたRa値に基づき、下記基準により評価した。
評価基準
○:Ra値が0.30未満
△:Ra値が0.30以上0.50未満
×:Ra値が0.50以上
実施例および比較例で得られた電着塗料組成物を1000rpmで攪拌し、次いで攪拌を止め、鋼板を水平にすべて埋没させた後、3分間保持し、電圧の印加を開始し、30秒間昇圧し180Vに達してから150秒間保持する条件で電圧を印加して、被塗物(冷延鋼板)上に未硬化の電着皮膜を析出させた。得られた未硬化の電着皮膜を、160℃で15分間加熱硬化させて、電着塗膜を有する電着塗装板を得た。電着塗装板について、上下面の塗膜外観における異常の有無を目視で評価した。評価基準は以下の通りとした。
評価基準
○:上下面ともに均一な塗膜外観を有しており、ムラがない
○△:上下面被膜にややムラがあると視認される部分があるものの、全体として、ほぼ均一な塗膜外観を有している(実用上の問題なし)
△:上下面被膜にムラがあると視認される部分があり、全体として不均一な塗膜外観を有している(実用上の問題あり)
×:水平下面側被膜に著しくムラがあると視認される(実用上問題あり)
得られた電着塗料組成物を、40℃で1ヵ月間保管した。保管後の電着塗料組成物のろ過性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
評価基準
◎:508mesh(NBC製)を容易に通過する
○:508mesh(NBC製)を通過する
○△:508meshをやや通過しにくい
△:508meshを通過しにくい
×:508meshをほとんど通過することができない
本試験の評価は、上記冷延鋼板ではなく、L 型専用替刃(LB10K:オルファ株式会社製)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製)中に50℃で2分間浸漬して脱脂処理し、サーフファインGL−1(日本ペイント社製)で表面調整し、次いでリン酸亜鉛化成処理液であるサーフダインSD−5000(日本ペイント社製、リン酸亜鉛化成処理液)中に40℃で2分間浸漬して、リン酸亜鉛化成処理を行ったものを用いた。これに、上記実施例および比較例によって得られた電着塗料組成物を、上記電着塗装と同様の条件で電着塗装して加熱硬化させ、硬化電着塗膜を形成したのち、JIS Z 2371(2000)に準拠した塩水噴霧試験(35℃×168時間)を行い、L型専用替刃先端部に発生した錆の個数を調べた。
評価基準
◎:10個未満
○:10個以上〜20個未満
○△:20個以上〜50個未満
△:50個以上〜100個未満
×:100個以上
金属酸化物および/または水酸化物(C)の含有量は、樹脂エマルション(i)の固形分に対する割合であって、金属元素換算での値である。
比較例2は、樹脂エマルション中に有機酸(D)が含まれない電着塗料組成物である。この電着塗料組成物は保存安定性が劣っており、また得られた硬化電着塗膜は、特に塗膜外観(平滑性)が劣ることが確認された。また、エッジ部防錆性能、塗膜外観(色ムラ)についても、実施例のものと比較して劣ることが確認された。
比較例3は、比較例1の電着塗料組成物に、硝酸ランタン水溶液を加えた例である。この電着塗料組成物を用いて得られた硬化電着塗膜は、特に塗膜外観(平滑性)が劣ることが確認された。
比較例4は、顔料分散ペーストの調製において、顔料と共に酸化ランタンを分散させて調製した例である。この電着塗料組成物は、保存安定性が劣っていた。また、得られた硬化電着塗膜は、特に塗膜外観(平滑性)、塗膜外観(色ムラ)が劣ることが確認された。
Claims (13)
- 樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物であって、
前記樹脂エマルション(i)は、アミン化樹脂(A)、ブロックイソシアネート硬化剤(B)、金属酸化物および/または水酸化物(C)、および有機酸(D)を含み、
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
前記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
前記樹脂エマルション(i)は、下記条件;
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、前記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
を満たす、カチオン電着塗料組成物。 - 前記有機酸(D)は、全炭素原子数2〜5のモノヒドロキシモノカルボン酸、全炭素原子数3〜7のジヒドロキシモノカルボン酸および全炭素原子数1〜5のアルカンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記有機酸(D)は、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、グリセリン酸およびエタンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記有機酸(D)は、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびメタンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記金属酸化物および/または水酸化物(C)に含まれる金属元素はLaである、請求項1〜4いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- 前記樹脂エマルション(i)中に含まれる金属酸化物および/または水酸化物(C)の量は、樹脂エマルション(i)の固形分に対して、金属元素換算で0.01〜2質量%である、請求項1〜5いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- さらにビスマス化合物(E)を含む、請求項1〜6いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
- 樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物の調製方法であって、
前記樹脂エマルション(i)は、金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)との混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)の混合物とを混合する工程によって調製され、ここで、
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
前記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、前記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
調製方法。 - 樹脂エマルション(i)を含むカチオン電着塗料組成物の調製方法であって、
前記樹脂エマルション(i)は、金属酸化物および/または水酸化物(C)と有機酸(D)とを混合し、次いで中和酸(F)を混合して得られた混合物と、アミン化樹脂(A)およびブロックイソシアネート硬化剤(B)とを混合する工程によって調製され、ここで、
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)は、金属元素として、La、Nd、Y、Pr、YbおよびCeからなる群から選択される1種またはそれ以上を含み、
前記有機酸(D)は、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物であり、
前記金属酸化物および/または水酸化物(C)における金属のモル数と、前記有機酸(D)のモル数との比率は、(C):(D)=1:0.3〜1:2.7の範囲内である;
調製方法。 - 前記金属酸化物および/または水酸化物(C)に含まれる金属元素はLaである、請求項8または9記載の調製方法。
- 前記樹脂エマルション(i)中に含まれる金属酸化物および/または水酸化物(C)の量は、樹脂エマルション(i)の固形分に対して、金属元素換算で0.01〜2質量%である、請求項8〜10いずれかに記載の調製方法。
- 前記有機酸(D)は、全炭素原子数2〜5のモノヒドロキシモノカルボン酸、全炭素原子数3〜7のジヒドロキシモノカルボン酸および全炭素原子数1〜5のアルカンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項8〜11いずれかに記載の調製方法。
- 前記有機酸(D)は、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、グリセリン酸およびエタンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上である、請求項8〜11いずれかに記載の調製方法。
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