JP2007113122A - 編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】強力が高く、人、動物やものを低温から100℃程度までの高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を有する編物を提供する。
本発明の編物は、耐切創手袋、靴下、衣料、テント、ベルト、ケーブル、ホースなどに使用することができる。
【解決手段】 主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維を用い、かつ、(1)2.54cm当たりのウエール数が10〜100、(2)2.54cm当たりのコース数が10〜200、を満たすことを特徴とする編物。
【選択図】なし

Description

本発明は、編物に関する。更に詳しくは、低温から100℃程度までの耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性、耐毛羽性に優れた編物に関する。
近年、高分子化学及び紡糸技術の発展により、アラミド繊維や高分子量ポリエチレン繊維等の高強度高弾性率繊維が工業的に製造されるようになり、保護手袋、保護衣料、保護資材など、人、動物やものを傷、熱、化学薬品等から守る素材として用いられるようになった。しかし、これまでに上市されている高強度高弾性率繊維の利用は、確かに軽量化という点では大きな改善が見られるが、種々の性能の点においては未だ必ずしも十分満足されるとは言えない。
例えば、高強度高弾性率素材の代表格であるアラミド繊維においては吸水性が高く、寸法安定性に問題がある。これは、水にぬれた時の繊維の強度低下を引き起こし耐切創性の低下につながる。また、強アルカリ、強酸に対しては、強度低下が起こりやすく、長時間使用していると、毛羽が発生して強度が低下するという耐久性の問題がある。
また、アラミド繊維以外の高強度高弾性率繊維としての高分子量ポリエチレンにおいては、融点が約150℃と低いために温度が高くなると物性低下を起こす。例えば、製鉄現場などで防護服として使用した場合、周囲の高温な雰囲気のために物性低下を起こし耐切創性性が低下する。
特許文献1には高強度高弾性率素材として主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維が開示されているが、特定の構成を有する編地については一切開示されておらず、低温から100℃程度までの耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性、耐毛羽性に優れた編物が求められていた。
特開2003−013326号公報
本発明は、人、動物やものを低温から100℃程度までの範囲の高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を有する繊維資材を提供することである。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維を用いた編物を用いると、耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性、耐毛羽性に優れた繊維素材になることを見いだし、更に鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維を用い、かつ以下の(1)、(2)を満たすことを特徴とする編物である。
(1)2.54cm当たりのウエール数が10〜100
(2)2.54cm当たりのコース数が10〜200
本発明の編物は、強力が高く、人、動物やものを低温から100℃程度までの範囲の高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を有する。
本発明の編物は、耐切創手袋、靴下、衣料、テント、ベルト、ケーブル、ホースなどに使用することができる。
本発明の編物は、主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレンであるポリケトン繊維から構成される。全繰り返し単位の5モル%未満で1−オキソトリメチレン以外の繰り返し単位、例えば、下記の式(1)に示した繰り返し単位等を含有していてもよい。ちなみに、1−オキソトリメチレン単位とは、式(1)においてRが−CH2CH2−である単位である。ただし、1−オキソトリメチレン以外の繰り返し単位が増えると耐屈曲磨耗性、耐疲労性、機械特性、耐熱性が低下するので、好ましくは1−オキソトリメチレン繰り返し単位は97〜100モル%、好ましくは99〜100モル%である。
Figure 2007113122
式(1)中、Rはエチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。高度な耐屈曲磨耗性、耐疲労性、機械特性が達成可能で、耐熱性が優れるという観点で全繰り返し単位の98モル%以上が1−オキソトリメチレン単位であるポリケトンであることが好ましく、最も好ましくは該単位が100モル%であるポリケトンである。
また、これらのポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のポリケトン繊維は、マルチフィラメント、仮撚糸、甘撚から強撚に至る撚糸、空気噴射加工糸、紡績糸など特に制限はない。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、ポリケトン繊維以外の繊維を混合してもよい。
本発明においてポリケトン繊維には、耐折れ曲げ性、耐圧迫磨耗性以外に更には機械的性質と熱・湿度に対する安定性を有することがより好ましい。このような機械的性質としては強度・弾性率が挙げられ、強度としては、好ましくは5〜30cN/dtex、より好ましくは10〜30cN/dtex、特に好ましくは15〜30cN/dtexであることが望ましい。また、弾性率は好ましくは100〜1000cN/dtex、より好ましくは200〜1000cN/dtex、特に好ましくは300〜1000cN/dtexであることが望ましい。
本発明において、ポリケトン繊維の密度は、高度な耐切創性、耐久性を達成するために、1.300〜1.350g/cm3 であることが好ましい。1.300g/cm3 未満では繊維中に空隙が存在したり、スキンコア構造が進行しており緻密性に欠けるので、耐切創性、耐久性が低下する場合がある。好ましくは、1.310〜1.350g/cm3 である。本発明において、ポリケトン繊維の単糸繊度には特に制約はないが、太すぎると可撓性が低下して取り扱い性が困難になり、一方細すぎると工程上の単糸切れが起こりやすくなるため、0.01〜100dtex、より好ましくは0.1〜3dtexの範囲である。また、ポリケトン繊維の総繊度は編物の使用環境によって異なるが、一般的な用途では10〜100000dtexの範囲であり、好ましくは、織物の工程安定性から50〜500dtexである。
本発明に使用するポリケトン繊維の製造法については特に制約はないが、0〜150℃の温度範囲に相分離温度を有するポリケトン溶液を紡口口金から押し出し、続いて得られた繊維状物から溶媒を除去した後、100〜300℃の範囲で延伸して高性能の繊維を製造することができる。0〜150℃の範囲で相分離温度を有し、かつ相分離温度より高い温度にあるポリケトン溶液を紡口から押出し、相分離温度以下にした凝固浴で凝固すると、吐出したポリケトン溶液は直ちに繊維内部までゲル化し緻密でかつ均質な構造を取る。このゲル状繊維から溶剤を除去し、延伸すると、緻密でかつ均質な延伸糸となり、単糸膠着率も低くなって、耐屈曲磨耗性、耐疲労性、機械特性に非常に優れた、本発明の目的を達成するポリケトン繊維となる。
ポリケトンの溶媒は、無機溶剤であっても、有機溶剤であっても特に制限はないが、亜鉛塩、カルシウム塩、リチウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種の溶液であることが、強度、耐疲労性、加工性の点で好ましい。具体的に亜鉛塩としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等があり、カルシウム塩としては、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等があり、チオシアン酸塩としては、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム等があり、リチウム塩としては、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等があり、鉄塩としては、臭化鉄、ヨウ化鉄等がある。これらの塩の内、ポリケトンの溶解性、溶媒のコスト、溶液の安定性の点で塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、臭化カルシウム、臭化リチウム、臭化鉄から選ばれた少なくとも1種を使用することが好ましい。
また、相分離温度を高くしたり、低くしたりするための制御、溶解性の向上、溶液粘度の低下、ポリケトン溶液の安定性のために、特定の塩を用いることは特に好ましい方法である。ここで、特定の塩は、ハロゲン化塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機塩、酢酸塩、ぎ酸塩、スルホン酸塩等の有機金属塩が挙げられる。もちろん、先に述べた亜鉛塩、カルシウム塩、リチウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩を2種類以上混合して用いてもよい。具体例としては、塩化カルシウム、塩化リチウム、チオシアン酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、臭化ナトリウム、臭化バリウム、臭化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化バリウム等の金属塩が挙げられ、塩化トリアルキルホスホニウム、臭化トリアルキルホスホニウム等の有機塩を用いてもよい。
塩を溶解する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることができる。これらの溶媒は必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
ポリケトン溶液を構成する塩を含有するポリケトン溶媒中の亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、リチウム塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩濃度は、30〜77重量%であることが好ましい。30重量%より低い塩濃度では、紡糸工程において、浴中から引き上げたときの繊維状物がもろく切断しやすくなる傾向がある。また、77重量%より高い塩濃度では凝固浴中でゲル化する速度が遅くなり、凝固浴中から引き上げるときに切断しやすくなる傾向がある。更に好ましくは40〜77重量%であり、50〜70重量%が最も好ましい。尚、ここでいう塩濃度は、以下の式で定義される値である。
塩濃度(重量%)=塩の重量/(塩の重量+塩を溶解する溶媒の重量)×100
ここで、塩を溶解する溶媒は、上記で説明した水、メタノール等の重量であり、ポリケトンの重量は含まれない。
また、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、リチウム塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種に塩を併用する場合、その量は溶剤の重量、すなわち溶媒と全塩量の和に対して0.1〜60重量%、特に好ましくは1〜40重量%、最も好ましくは1〜30重量%である。
ポリケトン溶液中のポリマー濃度は1〜40重量%であることが好ましい。ポリマー濃度が1重量%未満では濃度が低すぎて、紡糸工程において、ポリマー溶液をゲル化させて繊維状に形成することが困難になる欠点を有する他、繊維の製造コストが高くなりすぎる欠点を有する。また、40重量%を越えるともはやポリマーが溶剤に溶解しなくなる。溶解性、紡糸のしやすさ、繊維の製造コストの観点から、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは3〜20重量%である。尚、ここでいうポリマー濃度は、以下の式で定義される値である。
ポリマー濃度(重量%)=ポリマーの重量/(ポリマーの重量+ポリケトン溶媒の重量)×100
ポリケトン溶媒は、金属塩を有する場合、金属塩の総重量と金属塩を溶解する溶媒(水等)を指す。
0〜150℃の温範囲に相分離温度を持つようなポリケトン溶液は、これまで述べたポリケトンのモノマー組成、極限粘度、溶剤として使用する塩の種類、塩を溶かす溶媒、溶解するポリケトンの濃度等を調整することにより達成可能である。
例えば、塩濃度を決定する手順は以下のように行う。
ポリケトンを溶剤に所定量混合し、実質的に均一で透明なポリケトン溶液となるまで温度を上昇させ攪拌溶解する。その後、1時間に10℃の速度で徐々に冷却し、相分離温度を測定する。このときの相分離温度が目標値より高いときは溶剤の塩濃度を増加させ、低いときは塩濃度を減少させる。このような操作を繰り返すことにより、目標の相分離温度を有するポリケトン溶液が決定される。
例えば、極限粘度が5.0dl/gのポリ(1−オキソトリメチレン)をポリマー濃度が5〜15重量%の条件において、塩が塩化亜鉛と塩化カルシウムで、塩化亜鉛と塩化カルシウムの重量比が45/55〜55/45の水溶液に溶解させる時、相分離温度が0〜150℃の範囲であるポリケトン溶液を得るための塩濃度の範囲は55〜67重量%となり、塩が塩化亜鉛と塩化ナトリウムで、塩化亜鉛と塩化ナトリウムの重量比が75/25〜95/5の時は、相分離温度が0〜150℃の範囲であるポリケトン溶液を得るための塩濃度の範囲は65〜70重量%となる。
以上述べてきたポリケトン溶液の種類、組成のうち、高強度、高弾性率の発現、良好な耐疲労性、寸法安定性を高度に達成できる観点で、最も好ましい組み合わせは以下の4種類である。
その第一は、塩化亜鉛と塩化カルシウムの複合塩からなる水溶液(金属塩の重量比が29/71〜44/56、金属塩水溶液の塩濃度は59〜64重量%)であり、更に好ましくは、その重量比が32/68〜39/61(塩化亜鉛/塩化カルシウム)で、塩濃度が60〜63重量%である。
その第二は、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化リチウムの複合塩からなる水溶液である。好ましい組成としては、重量比29/71〜44/56、好ましくは32/68〜41/59で、塩化亜鉛と、塩化カルシウム及び塩化リチウムの混合物を含有し、この時の塩化カルシウムと塩化リチウムの重量比が49/51〜91/9、好ましくは64/37〜88/18であって、塩化亜鉛、塩化カルシウムと塩化リチウムの合計の塩濃度が58〜64重量%、好ましくは60〜63重量%である。
その第三は、塩化亜鉛、塩化カルシウム、チオシアン酸カルシウムの複合塩からなる水溶液である。好ましい組成としては、重量比29/71〜44/56、好ましくは32/68〜41/59で、塩化亜鉛と、塩化カルシウム及びチオシアン酸カルシウムの混合物を含有し、この時の塩化カルシウムとチオシアン酸カルシウムの重量比が76/24〜99.5/0.5、好ましくは85/15〜98.5/1.5であって、塩化亜鉛、塩化カルシウムとチオシアン酸カルシウムの合計の塩濃度が58〜64重量%、好ましくは60〜63重量%である。
その第四は、塩化亜鉛とチオシアン酸カルシウムの複合塩からなる水溶液(金属塩の重量比が32/68〜49/51、金属塩水溶液の塩濃度は57〜65重量%)であり、更に好ましくは、その重量比が35/65〜46/54(塩化亜鉛/チオシアン酸カルシウム)で、塩濃度が60〜63重量%である。
該繊維状物から上記金属塩を除去する方法としては、例えば本発明に用いる溶剤よりもポリケトンに対して溶解性の低い溶剤(凝固溶剤ともいう)に押し出す。このような溶解性の低い溶剤としては、本発明に用いた溶剤より濃度の低い金属塩溶液が好ましく、特に水、酸性水溶液、アルカリ水溶液等を用いることが好ましい。該繊維状物を凝固溶剤に通す場合は、一定速度で引っ張りながら通すことが好ましい。この時の速度としては、特に制限はないが0.001〜1000m/minである。こうして上記金属塩を除去された繊維は、一旦巻き取った後に乾燥してから、あるいは巻き取らずに乾燥させて、あるいは乾燥させながら、あるいは乾燥前に1.1倍以上、好ましくは3倍以上、更には6倍以上延伸を行って延伸糸を得ることができる。延伸は、延伸のしやすさから0〜300℃、好ましくは150〜300℃の温度で、1段もしくは多段延伸することができる。
本発明の編物を構成するポリケトン繊維としては、長繊維、撚糸、仮撚糸、あるいは、紡績糸など、特に制限はない。
本発明の編物は上述のポリケトン繊維を含んでいればその他の繊維を含んでいてもよい。ポリケトン繊維と混用可能な繊維としては、例えば、スチール、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維等が挙げられる。これらの繊維の混用方法としては、混繊あるいは交撚して使用しても、さらには交互に引きそろえて使用してもよい。
本発明の編物に含まれる繊維中のポリケトン繊維の割合は特に制限はないが、高ければ高いほど接着性、可撓性、取り扱い性に優れるため好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは100重量%である。
本発明の編物は、上記で説明した主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維を用い、かつ以下の(1)、(2)を満たすことを特徴とする編物である。
(1)2.54cm当たりのウエール数が10〜100
(2)2.54cm当たりのコース数が10〜200
耐切創性のある布帛としては、編物であることが必要である。布帛としては、織物もあるが、例えば、手袋として使用する場合、加工性が悪く、しかも繊維同士が擦れ合うので耐久性が十分ではない。そこで、編物であることが必要となる。
本発明の編物の2.54cm当たりのウエール数が10〜100である。ウエール数/2.54cmが10未満であると、耐切創性が悪くなる。100を超えると編物が堅くなり過ぎて手袋などに加工すると、操作性が悪くなる。好ましくは、12〜50である。
本発明の編物の2.54cm当たりのコース数が10〜200である。ウエール数/2.54cmが10未満であると、耐切創性が悪くなる。200を超えると編物が堅くなり過ぎて手袋などに加工すると、操作性が悪くなる。好ましくは、12〜100である。
本発明の編物の目付は、通常10〜1000g/m2である。目付が10g/m2未満であると、耐切創性が悪くなる。1000g/m2を超えると編物が堅くなり過ぎて手袋などに加工すると、操作性が悪くなる。好ましくは、20〜500g/m2である。
本発明の編物のカバーファクターKとしては、耐切創性、耐久性の観点から500〜4000が好ましく、特に好ましくは、500〜3700である。500より小さくなると、耐切創性が低下し、4000より大きくなると耐久性の低下が起こる場合があるからである。尚、カバーファクター(K)は以下の式で表される。
K=(D1+D2)×Dr1/2
D1:2.54cm当たりの編物のウェール
D2:2.54cm当たりの編物のコース
Dr:編物に使用する繊維の繊度(単位:デシテックス)
本発明の編物の組織としては、一般的に使用されるものを用いてよく、経編、緯編のいずれでもよく、平編(天竺)、ゴム編、パール編、タック編、浮き編、片畦編、レース編、両畦編、添え糸編、もじり畦編、メリディアン、トリコット、ラッセル、二重トリコットなどがその例として挙げられる。
本発明の編物は、耐久性、耐候性、耐光性の向上などを目的として、表面、内部の一部あるいは全部に樹脂を付着または含浸させてもよい。
含浸させる樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂をそのまま、あるいは改良して使用してもよく、必要に応じては複数種類の樹脂を混合してもよい。使用可能な樹脂としては例えば熱可塑性樹脂では、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、アクリル酸エステルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムなど)、ウレタン樹脂、ナイロン6、ナイロン6・6等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
含浸させる樹脂量としては、編物重量の5〜90重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20〜80重量%であることが望ましい。
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するが、それら実施例などは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた。
[η]=lim(T−t)/(t・C) 単位:dl/g
C→0
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)強度、伸度、弾性率
JIS−L−1013に準じて測定した。
(3)耐切創性
20cm×20cmにカットした編物を机に置き、その下に半紙を置いて、編物の4つの端を固定した。その上から200gの加重でカミソリ刃を押しつけウェール方向、及びコース方向へ5cmなぞった。実験後の半紙の状態により、以下のような判定を行った。数値が大きいほど、耐切創性は優れるとした(5回の実験の平均値で判断した)。
1:穴の最も長い距離の部分の合計が10mmより大きい
2:穴の最も長い距離の部分の合計が5mmより大きく10mm以下
3:穴の最も長い距離の部分の合計が3mmより大きく5mm以下
4:穴の最も長い距離の部分の合計が0より大きく3mm以下
5:半紙の穴なし
(4)耐溶剤性
編物の耐酸性、耐アルカリ性、耐湿熱性は、各々80℃、10%硫酸水溶液で10時間、80℃、5%水酸化ナトリウム水溶液で10時間、200℃蒸気下で2時間、処理した後、上記(3)の耐切創性を評価し、その値をもって耐溶剤性とした。
(5)耐久性
耐久性は、編物に長い時間、圧縮や伸張が繰り返され、繊維のダメージが耐切創性に及ぼす悪影響を評価すべきである。そこで、加速試験として、以下の評価を耐久性の試験とした。
ミキサー(内径:約15cm、深さ30cm)の中に80℃のお湯ともに編物を入れて、60分間、300rpmで撹拌した。得られた織物の上記(3)の耐切創性を評価し、その値をもって耐久性とした。
[実施例1〜4]
塩濃度62重量%の塩化カルシウム、塩化亜鉛と塩化リチウムの混合塩(塩化カルシウム/塩化亜鉛/塩化リチウムの重量比は48.4/35.5/16.1)水溶液に、極限粘度5.5dl/gのポリ(1−オキソトリメチレン)を7.5重量%となるように30℃で混合し、1.3kPaまで減圧した。泡の発生が無くなった後減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た(相分離温度は47℃である)。得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、プランジャー型押出機を用いて、80℃、5m/分の速度で押し出し、エアギャップ長10mmを通過させ、そのまま2℃の水である凝固浴中を通した後、6m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いでそのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、更に1%の塩酸浴を通して6m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた後、そのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、220℃のホットプレート上を通して乾燥後、5.4m/分で巻き取った。この繊維を225℃、240℃、250℃、257℃で徐々に温度を高くしながら4段延伸を行った後、仕上げ油剤を付与して巻き取った。この繊維の断面を光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で観察したところ、スキンコア構造を示さず均質な構造であった。
得られたポリケトン繊維は、250dtex/240フィラメントであり、強度は17.6cN/dtex、伸度は5%、弾性率は380cN/dtexであった。
こうして得られたポリケトン繊維を用い、編機を用いて表1に示す組織を作成し、評価を実施した。これらの編物は、高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を示す。
[実施例5]
仮撚糸は、実施例1のポリケトン繊維を三菱工業社製:LS−2仮撚加工機(ピン仮撚機)を用い、スピンドル回転数2800000rpmで、第一ヒーター、第二ヒーター共210℃、オーバーフィード率10%で仮撚した。
得られた仮撚糸は、強度は12.3cN/dtex、伸度は6%、弾性率は350cN/dtexであった。
こうして得られた仮撚糸を用いて実施例1と同様に表1に示す組織を作成し、評価を実施した。この編物は、高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を示した。
[実施例6]
撚糸はリング撚糸機を用い、200T/mの撚糸を施した。得られた撚糸は、強度は12.8cN/dtex、伸度は6%、弾性率は345cN/dtexであった。
こうして得られた撚糸を用いて実施例1と同様に表1に示す組織を作成し、評価を実施した。この編物は、高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を示した。
[実施例7]
実施例1の繊維を100℃押し込み加工し、50mmにカットして、クリンプ数が10個/2.54cmのステープルを作成した。このステープルを撚り係数100として20/1の紡績糸を作成した。
こうして得られた撚糸を用いて実施例1と同様に表1に示す組織を作成し、評価を実施した。この編物は、高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を示した。
[比較例1]
ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(アラミド繊維、強度20cN/dtex,伸度5%、弾性率580cN/dtex)を用いて、実施例1を繰り返した。
耐溶剤性、耐久性は本発明の編物に対して、劣るものであった。
[比較例2]
ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(アラミド繊維、強度20cN/dtex,伸度5%、弾性率580cN/dtex)を用いて、実施例7を繰り返した。
耐溶剤性、耐久性は本発明の編物に対して、劣るものであった。
[実施例8]
実施例7の紡績糸を用い、実施例7と同様にして軍手編機で軍手を作成した。得られた軍手をアクリロニトリル−ブタジエンラバーラテックス(日本ゼオン社製、Lx550)100部、G15(花王社製、乳化剤)0.2重量部、コロイド硫黄1.5重量部、ジチオカルバメート0.5重量部からなるラテックスに浸漬し、130℃、40分間の処理で架橋させた。耐切創性、耐溶剤性はいずれも5であり、使用感、握り性も良好なものであった。
ゴム処理をしない軍手は、実施例7の特性を有していた。
[実施例9]
実施例7の紡績糸を用い、実施例7と同様にして靴下編機で靴下を作成した。得られた実施例7の特性を有していた。
Figure 2007113122
本発明編物は、強力が高く、人、動物やものを低温から100℃程度までの高度な耐切創防止性、耐溶剤性、耐久性を有する編物であり、該編物は、耐切創手袋、靴下、衣料、テント、ベルト、ケーブル、ホースなどに使用することができる。

Claims (4)

  1. 主たる繰り返し単位が1−オキソトリメチレン単位から構成されたポリケトン繊維を用い、以下の(1)、(2)を満たすことを特徴とする編物。
    (1)2.54cm当たりのウエール数が10〜100
    (2)2.54cm当たりのコース数が10〜200
  2. 編物を構成するポリケトン繊維の強度が5〜30cN/dtex、弾性率が100〜1000cN/dtexであることを特徴とする請求項1記載の編物。
  3. 請求項1又は2に記載の編物の表面、内部の一部あるいは全部に樹脂を付着または含浸させたことを特徴とする編物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の織物を用いたことを特徴とする保護衣料。
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