JP2007113051A - スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法およびこれに用いる箱体 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明のターゲット材の製造方法は、粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、被焼成体を焼成板上に載置し、所定間隔離間した複数のスペーサーブロックを、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記焼成板上の周縁に配置し、さらに前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記スペーサーブロックによって支持された蓋体を設けて、焼成用箱体を形成し、前記焼成用箱体を連続炉内で焼成することによって、箱体内の被焼成体を焼成することを特徴としている。
【効果】本発明の製造方法および焼成用箱体によれば、大型のターゲット材、とくに長手方向に対する幅が250mm以上の被焼成体を焼成して得られるターゲット材を、連続炉を使用して割れなどの発生を防止して高品質で生産効率よく製造できる。
【選択図】図1−1

Description

本発明は、スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法およびこれに好適に用いられる箱体に関する。より詳しくは、本発明は、粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、焼成工程を連続炉で行うターゲット材の製造方法、該製造方法に好適に用いられる焼成用箱体に関する。
従来、酸化インジウムおよび酸化スズを主成分とする酸化物(ITO;Indium Tin Oxide)などの粉末冶金法により製造されるスパッタリングターゲット用ターゲット材は、必要に応じて焼成板上などに載置して、主としてバッチ炉内で焼成を行うことで製造されていた。
しかしながら、バッチ炉を使用したターゲット材の製造では、炉内の水平方向および垂直方向の温度分布の偏りが大きくなり、被焼成体の均一加熱が難しく焼成むらが起こり、得られるターゲット材の反りや割れの発生、ターゲット材の密度むらなどの問題があった。このため、液晶表示デバイスをはじめとしたフラットパネルディスプレイ分野などで、近年求められるようになったディスプレイの大型化に伴うスパッタリングターゲットの大型化の要求を充分に果たせなかった。
これに対して、本発明者らはこれらの問題点を解決すべく、ローラーハースキルンなどの連続炉を用いてスパッタリングターゲット用ターゲット材を連続的に製造する方法を既に提案している。この方法によれば、生産効率よく短時間で、高品質のスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造でき、大型のターゲット材であっても、被焼成体の長手方向に対する幅が235mm程度のものであれば割れなどの発生なく製造できる。しかしながら、被焼成体の長手方向に対する幅が235mmを超えるものについては検討されていなかった。
なお、連続炉における焼成条件の検討に関して言えば、特許文献1には、セラミック原料からなるグリーンチューブを耐火櫃体内に横置きし、グリーンチューブの内外にセラミックボールを充填し、該耐火櫃体を台車に載置して、台車ごと連続炉内を移動させ焼成する多孔質セラミックチューブの製造方法が記載されている。しかしながら、該文献は、セラミックボールを充填することで、焼成中の多孔質セラミックチューブが軟化して変形することを防止しようとするものであって、スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造については何ら検討されていない。
特開2000-84324号公報
本発明は、粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、大型のターゲット材、とくに長手方向に対する幅が250mm以上の被焼成体を焼成して得られるターゲット材を、連続炉を使用して高品質でかつ生産効率よく製造できる方法を提供することを課題としている。
さらに、本発明は、該製造方法に好適に使用できる焼成用箱体を提供することもその課題としている。
本発明に係るターゲット材の製造方法は、粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、
被焼成体を焼成板上に載置し、所定間隔離間した複数のスペーサーブロックを、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記焼成板上の周縁に配置し、さらに前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記スペーサーブロックによって支持された蓋体を設けて、焼成用箱体を形成し、
前記焼成用箱体を連続炉内で焼成することによって、箱体内の被焼成体を焼成することを特徴としている。
さらに、本発明では、ターゲット材が、酸化インジウムおよび酸化スズを主成分とする酸化物(ITO)であることが望ましい。
また、本発明に係る焼成用箱体は、連続炉内で被焼成体を焼成してターゲット材を製造するための焼成用箱体であって、被焼成体が載置された焼成板と、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように、前記焼成板上の周縁に配置され、所定間隔離間した複数のスペーサーブロックと、前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように、前記スペーサーブロックによって支持された蓋体とを備えてなることを特徴としている。
本発明では、前記被焼成体の長手方向に対する幅が250mm以上500mm未満である場合には、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が15〜80%であることが好ましく、
前記被焼成体の長手方向に対する幅が500mm以上である場合には、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が45〜80%であることが好ましい。
さらに、本発明では、前記複数のスペーサーブロックが配置される前記焼成板上の周縁は、前記焼成板上の互いに対向する縁部であることが望ましい。
さらに本発明では、前記焼成用箱体を構成する被焼成体以外の各部材は、アルミナ−ムライトを含有してなることが望ましい。
本発明の製造方法によれば、大型のターゲット材、とくに長手方向に対する幅が250mm以上の被焼成体を焼成して得られるターゲット材を、連続炉を使用して割れなどの発生を防止して高品質で生産効率よく製造できる。
また、本発明の焼成用箱体によれば、焼成板に載置された被焼成体の、焼成板との非接触面を保護することができ、焼成時の被焼成体に対する輻射熱などの影響を低減し、焼成むらによる被焼成体の収縮の不均一さを解消することで、割れなどの発生を有効に防止できる。したがって、本発明の焼成用箱体を使用することにより、大型のターゲット材、とくに長手方向に対する幅が250mm以上の被焼成体を焼成して得られるターゲット材を、連続炉を使用して割れなどの発生を防止して高品質で生産効率よく製造できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のターゲット材の製造方法は、粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、連続炉内で特定の構造を有する焼成用箱体を使用して被焼成体を焼成する焼成工程を有することを特徴としている。該焼成用箱体については後述する。
粉末冶金法では、一般に、原料粉末に所望によりバインダーを加えて圧縮成形し、得ら
れた成形体を必要に応じて脱脂した後、該成形体(以下、被焼成体という。)を焼成し、焼結体を得て、得られた焼結体を必要により研削あるいは研磨してターゲット材を製造しているが、本発明ではこの焼成工程の際に上記焼成用箱体を使用して、焼成用箱体内に収容された被焼成体を連続炉で焼成することを特徴としている。
具体的には、原料粉末に所望によりバインダーを加えて圧縮成形し、成形体を得て、得られた成形体を必要に応じて脱脂するまでの工程(すなわち、被焼成体を得るまでの工程)は、通常行われている公知の手段および条件によって行うことができる。
原料粉末は必要に応じて、仮焼、分級処理を施してもよく、その後の原料粉末の混合は、たとえば、ボールミルなどで行うことができる。
その後、混合した原料粉末を成形型に充填して圧縮成形し、成形体を作製し、大気雰囲気下または酸素雰囲気下で脱脂して被焼成体を得てもよく、あるいは、特開平11-28
6002号公報に記載の濾過式成形法のように、セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水して成形体を得るための非水溶性材料からなる濾過式成形型に、混合した原料粉末、イオン交換水、有機添加剤からなるスラリーを注入し、スラリー中の水分を減圧排水して成形体を作製し、この成形体を乾燥脱脂して被焼成体を得てもよい。
成形体の脱脂は、必要に応じて行われ、脱脂しない場合には該成形体がそのまま被焼成体となる。また、脱脂は、後述する連続炉内で行うこともできる。
次いで、このようにして得られた被焼成体を、連続炉内で焼成するが、本発明ではこの焼成工程の際に特定の構造を有する焼成用箱体を使用して、該焼成用箱体を焼成することで箱体内部に収容された被焼成体を焼成する。
前記焼成用箱体の形成は、前記被焼成体を焼成板上に載置し、所定間隔離間した複数のスペーサーブロックを、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記焼成板上の周縁に配置し、さらに前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記スペーサーブロックによって支持された蓋体を設けることによって行われる。
該焼成用箱体を形成せず、焼成板に被焼成体を載置しただけの状態で、被焼成体を連続炉で焼成した場合には、被焼成体のうち、焼成板との接触面の反対側の面付近や側部が輻射熱などに曝される。その結果、これらの部分と接触面の付近との間に温度差が生じ、被焼成体に焼成むらが起こり、焼成による収縮が不均一となる。しかしながら、小物や粉を焼成する場合、あるいは大型の被焼成体を焼成する場合でも、該被焼成体の長手方向を連続炉の搬送方向と平行にしたときの長手方向に対する被焼成体の幅が235mm程度までのものであれば、この収縮の不均一さは問題とならない程度であり、割れなどの不都合は生じなかった。
その一方、被焼成体の長手方向を連続炉の搬送方向と平行にしたときの長手方向に対する被焼成体の幅が235mmを超え、250mm以上、さらには500mm以上のより大型の被焼成体を焼成すると、焼成むらによる収縮の不均一さが累積されてより大きなものとなり、さらに被焼成体自体の重量も増すため、強度が足りず割れが発生するものと考えられる。
これに対して、本発明のターゲット材の製造方法では、上述したように焼成用箱体を形成して、該焼成用箱体を連続炉で焼成することによって、該焼成用箱体に収容された被焼成体を焼成するため、このような輻射熱などの影響を低減して、焼成むらを抑制し、収縮の不均一さを可能な限り減少でき、割れなどの発生を防止して高品質でより大型のターゲット材が得られるものと期待される。
本発明の製造方法で製造することのできるターゲット材は、粉末冶金法により製造することのできるものであればよく、特に限定されない。該ターゲット材の種類としては、たとえば、酸化インジウムおよび酸化スズを主成分とする酸化物(ITO;In23−SnO2)、In23−ZnO、SnO2−Sb23、ZnO−Al23などのセラミックス焼結体ターゲット材;W系、Mo系、Al系、Ti系などの金属ターゲット材が挙げられる。これらのうちでは、本発明の効果をより明確に発揮しうる点からは、収縮の不均一さの影響を受けやすい、セラミックス焼結体ターゲット材が好ましく挙げられ、なかでもITOターゲット材がより好ましく挙げられる。なお、本明細書中、ITOターゲットとは、通常、酸化インジウム(In23)に1〜35重量%の酸化スズ(SnO2)を添加して
得られた材料を意味する。
以下に、前記ターゲット材の製造方法に好適に用いられる、本発明の焼成用箱体の好ましい実施態様について、必要に応じて図面を参照しつつ述べる。
図1−1は、焼成用箱体の好ましい一例を示す斜視図であり、図1−2、図1−3、図1−4はそれぞれ図1−1に示した焼成用箱体1の分解斜視図、縦側面図および横側面図である。
これらの図中、1は全体で焼成用箱体を示している。焼成用箱体1は、被焼成体5が載置された焼成板3と、焼成板3上に載置された前記被焼成体5と当接しないように、前記焼成板3上の周縁に配置され、所定間隔離間した複数のスペーサーブロック7a群および
7b群とを備え、さらに、前記焼成板3と対向し、焼成板3上に載置された前記被焼成体
5と当接しないように、前記スペーサーブロック7a群および7b群によって支持された蓋体9とを備えている。
ここで、前記複数のスペーサーブロック7a群および7b群が配置される前記焼成板3上の周縁とは、前記焼成板3上の互いに対向する縁部、すなわち、図1−1〜図1−4に示したように前記焼成板3を上から見たときの形状が矩形である場合には、矩形の相対する辺付近の縁部であることが望ましい。なお、図1−1〜図1−4では、複数のスペーサーブロック7a群および7b群が被焼成体5の長手方向と平行になるように前記焼成板上の縁部にそれぞれ一列に配置されている。このとき、個々のスペーサーブロック7aおよび7bは互いに対向するように配置されていることが好ましい。また、該配置に加えてあるいは該配置に代えて、複数のスペーサーブロックを被焼成体5の幅方向と平行になるように配置してもよい。このように複数のスペーサーブロックを被焼成体5の幅方向と平行になるように配置すると、焼成時に蓋体9の熱による変形を防ぐことができる。
また、前記複数のスペーサーブロック7a群および7b群の離間間隔、スペーサーブロックの総数、および個々のスペーサーブロックの体積は、いずれもとくに限定されないが、被焼成体5の大きさによっては後述する被焼成体5の空間占有率の条件を満たすように構成されることが好ましい。複数のスペーサーブロックが所定間隔離間して配置されていると、被焼成体5を輻射熱から効果的に保護できる。さらに該複数のスペーサーブロックの離間した部分は、隣接するスペーサーブロックと焼成板3と蓋体9とで囲まれ、通気口部としての役割を果たす空間を形成する。焼成用箱体1に該通気口部が設けられていると、後述するように連続炉内の雰囲気を制御して焼成する場合に、箱体内外を通じて雰囲気を均一に制御することが容易となり、より良好な焼成が可能となる。
スペーサーブロック7aおよび7bの個々の高さも、とくに限定されないが、蓋体9を支持する際の安定性がよい点からは、すべてのスペーサーブロックが同一の高さであることが好ましく、通常は被焼成体5の厚みよりも3〜20mm程度高いとよい。
前記焼成板3および前記蓋体9の大きさは、それぞれ同一でも異なってもよいが、被焼成体5の大きさによっては後述する被焼成体5の空間占有率の条件を満たすように構成されることが好ましい。さらに、前記焼成板3の長さと前記蓋体9の長さ、前記焼成板3の幅と前記蓋体9の幅は、それぞれ同一である方が最終的に形成される箱体の底部と蓋体との間にずれがないように組み立てられ、焼成むらを防止できるためより好ましい。なお、前記焼成板3の厚みと前記蓋体9の厚みとはそれぞれ同一でも異なってもよい。
さらに、前記焼成用箱体1を構成する被焼成体5以外の各部材は、焼成時の熱履歴によっても反り難くかつ割れ難い点からアルミナ−ムライトを含有してなることが望ましい。
前記被焼成体5は、最終的に得ようとするターゲット材に応じた材料で構成され、その大きさはとくに限定されないが、本発明の効果をより明確に発揮させられる点からは、該被焼成体5は大型の方がよい。たとえば、前記被焼成体5の長手方向を連続炉の搬送方向と平行にしたときの長手方向に対する幅は、好ましくは235mmを超えて、より好ましくは250mm以上であり、長手方向に対する長さは、通常、幅よりも大きい。なお、長手方向に対する厚みは適宜決定できるが、通常は3〜30mm程度である。
前記焼成用箱体1は、さらに下記の条件を満たしていることが望ましい。すなわち、前記被焼成体5の長手方向を連続炉の搬送方向と平行にしたときの長手方向に対する幅が250mm以上500mm未満である場合には、前記焼成用箱体内1の空間に占める前記被焼成体5の空間占有率が、15〜80%であることが好ましく、前記被焼成体5の長手方向を連続炉の搬送方向と平行にしたときの長手方向に対する幅が500mm以上である場合には、前記焼成用箱体内1の空間に占める前記被焼成体5の空間占有率が45〜80%であることが好ましい。後者の場合、前記被焼成体5の長手方向に対する幅の上限は、とくに限定されないが、通常は1000mm以下であると炉からとり出すなどの移動の際に取り扱いが便宜である。
前記焼成用箱体1が上記条件を満たすと、焼成時の輻射熱などの影響を低減し、焼成むらによる被焼成体の収縮の不均一さを可能な限り減少し、割れなどの発生を防止できる。
その一方、前者の場合に前記被焼成体5の空間占有率が15%未満であるとき、ならびに後者の場合に前記被焼成体5の空間占有率が45%未満であるときには、焼成むらが発生し、得られるターゲット材に割れなどが発生する割合が増えて歩留まりが低くなるおそれがある。また、前記被焼成体5の空間占有率が80%を超えると、得られるターゲット材の密度がばらつき、スパッタリング自体およびスパッタリングによって得られる薄膜の性能が安定しなくなるおそれがある。
なお、前記空間占有率とは、前記焼成板と複数のスペーサーブロックと蓋体とで囲まれた焼成用箱体内の空間体積における被焼成体の体積の占める割合(%)を意味し、実施例に記載したように計算式により容易に算出することができる。具体的には、前記焼成板と蓋体とに挟まれ、厚みのない側壁で切り取られた空間体積を仮定し、そこから該空間体積に占める複数のスペーサーブロックの体積の総和を差し引いて、焼成用箱体内の空間体積を求める。求められた焼成用箱体内の空間体積に基づいて、これに占める被焼成体の体積の割合を空間占有率(%)として、式「100×被焼成体の体積/焼成用箱体内の空間体積
」から算出する。
図2−1は、焼成用箱体の好ましい別の一例を示す斜視図であり、図2−2、図2−3、図2−4はそれぞれ図2−1に示した焼成用箱体の分解斜視図、縦側面図および横側面図である。
この例の焼成用箱体1は、基本的には図1−1に示した焼成用箱体と同様な構成であり、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
図2−1〜図2−4に示したように、複数のスペーサーブロック7a群および7b群は、焼成板3上に載置された被焼成体5と当接しないように、前記焼成板3上の周縁、具体的には焼成板3上の互いに対向する縁部に、被焼成体5の長手方向と平行になるようにそれぞれ一列に、かつ所定間隔離間するように配置されている。このとき、個々のスペーサーブロック7aおよび7bは互いに対向するように配置されていることが好ましい。また、該配置に加えてあるいは該配置に代えて、複数のスペーサーブロックを被焼成体5の幅方向と平行になるように配置してもよい。
図2−1〜図2−4に示した態様では、前記焼成板3上の周縁に配置されたスペーサーブロックの数が図1−1〜図1−4に示した態様よりも多い。このようにスペーサーブロック数が多い構造であると、被焼成体の空間占有率を上げる方向に調整することができ、側面部からの輻射熱などの影響をより効果的に除去できるため、長手方向に対する幅がより大きい被焼成体を割れなどの発生なく焼成でき、得られるターゲット材の歩留まりを向上できる。また、図2−1〜図2−4に示した態様でも、図示した配置に加えてあるいは該配置に代えて、複数のスペーサーブロックを被焼成体5の幅方向と平行になるように配置してもよい。このように複数のスペーサーブロックを被焼成体5の幅方向と平行になるように配置すると、焼成時に蓋体9の熱による変形を防ぐことができる。
なお、図1−1〜図1−4および図2−1〜図2−4に示した態様では、焼成用箱体は1段であるが、さらに必要に応じて、蓋体9上に新たな被焼成体を載置し、蓋体9上の周縁に所定間隔離間した複数のスペーサーブロックを配置して、前記蓋体9と対向し、蓋体9上に載置された前記被焼成体と当接しないように、前記スペーサーブロックによって支持された新たな蓋体を設けた2段積みの態様でもよく、さらに同様にして3段積みあるいはそれ以上の段数を積み重ねた態様を採用してもよい。この場合、蓋体9は焼成板3と同じものを使用してもよい。なお、焼成用箱体として、複数段積層した態様が採用される場合には、上述した被焼成体の空間占有率は、被焼成体ごとに、各被焼成体が載置されている前記焼成板(あるいは直近の下段の蓋体)とスペーサーブロックと蓋体とで囲まれた空間体積に占める割合として計算される。
本発明のターゲット材の製造方法では、このようにして形成した焼成用箱体を連続炉内で焼成することによって、箱体内の被焼成体を焼成して、ターゲット材を得ることができる。
連続炉とは、焼成用箱体内の被焼成体を連続的に加熱できる炉、あるいは焼成用箱体内の被焼成体を連続的に加熱および冷却することのできる炉を意味し、具体的には、たとえば、ローラーハースキルン、プッシャー炉、メッシュベルト炉などが挙げられる。
これらのうち、炉内の幅方向の温度分布の偏りを小さくし、焼成用箱体内の被焼成体の幅方向部分の均一加熱を達成しようとする観点からは、前記連続炉は、焼成用箱体の搬送路を境に、上下方向に加熱手段を備えていることが好ましく、ローラーハースキルンであることがより好ましい。なお、焼成用箱体の搬送路を境に、上下方向に加熱手段を設けたときには、熱電対も同様に上下に設け、上下で温度検出及び温度制御をするとよい。
前記連続炉において、前記焼成用箱体は、通常、該箱体内に収容された被焼成体1つあたりについて、該被焼成体の両端が温度差を有するように、互いに異なる温度に設定された隣接する2つ以上の領域に同時に跨がらせられながら、好ましくは該2つ以上の領域を同時に跨ぐように搬送されながら加熱される。
このように、前記焼成用箱体内の被焼成体を前記2つ以上の領域を同時に跨ぐように搬送しながら加熱すると、該被焼成体1つあたりについて、該被焼成体をその搬送方向側の
端から順次加熱し、焼結させていくことができる。このため、いわゆる長尺物や大型のターゲット材を製造する際にも、焼結が被焼成体の搬送方向側の端から順次起こり、該被焼成体の焼結による収縮が順次行われ、最終的に得られるターゲット材の密度を均等に向上でき、密度むらを改善するとともに反りや割れの発生を抑制しうるが、本発明ではさらに、焼成用箱体を使用しているため、輻射熱の影響も低減して焼成むらを抑制し、割れの発生をより確実に防止できる。
連続炉の領域のうち、加熱に用いられる領域の数は2つ以上であれば特に限定されないが、3つ以上が好ましく挙げられる。被焼成体が跨ぐ領域数の上限は得ようとするターゲット材の寸法に応じて適宜設定することができるが、通常の場合5つ以下であると種々の寸法のターゲット材に対応できて便宜である。
なお、前記加熱に用いられる各領域の搬送方向側の長さ(長手方向の長さ)は、領域毎に他の領域と同じでも異なってもよく、被焼成体および焼成用箱体の大きさ、使用する炉の大きさ、配設する領域数などによって適宜決定することができるが、通常300mm〜490mmが望ましい。
前記連続炉の領域のうち、加熱に用いられる2つ以上の領域の、各領域の温度は、これらのなかで互いに隣接する領域の温度と比較して、通常10〜500℃、好ましくは50〜400℃、より好ましくは100〜350℃の範囲内で焼成用箱体の搬送方向に向うに従って順次高くなるようにそれぞれ設定されており、かつ、これら2つ以上の領域内を通過する焼成用箱体の搬送速度は、通常1〜50mm/minの範囲である。なお、加熱に用いられる前記2つ以上の領域のうち、最も温度の低い領域の温度は、通常、室温〜800℃の範囲内にあることが望ましい。このような温度条件や搬送速度の条件であれば、単位時間あたりの生産量の増加が見込まれ生産効率上も好ましい。
ここで、前記連続炉において、加熱に用いられる各領域の設定温度、隣接する各領域の温度差、搬送速度の関係を領域数が3つの場合を例に挙げて説明すると、たとえば、a,b,cの順で焼成用箱体の搬送方向に向うに従って、隣接して存在している3つの領域a〜cでは、各領域a,b,cはそれぞれ異なる温度に設定されており、その設定温度は好ましくはa<b<cであり、領域aと領域bとの温度差(=b−a)、領域bと領域cとの温度差(=c−b)は、それぞれ上記の温度範囲内にある。
そして、焼成用箱体は、該焼成用箱体内の被焼成体が、これらの領域a〜cのうち、少なくとも隣接する2つ以上の領域を同時に跨ぐように、好ましくは該領域a〜c間のうち、少なくとも隣接する2つ以上の領域の間を上記範囲内の搬送速度で搬送されながら加熱される。
被焼成体の一番広い面形状が長方形などのアスペクト比が異なるものである場合には、被焼成体の長い方の辺が搬送方向と平行になるように焼成用箱体内に収容して該焼成用箱体の長いほうの辺が搬送方向と平行になるように載置して搬送するとよい。
なお、加熱をする際の、連続炉内の2つ以上の領域の各領域の設定温度は、領域毎に各領域の搬送方向側の長さ(各領域の長手方向の長さ)に対する略中間点に設置された熱電対などの温度検出装置によって決定付けられる。この際、互いに隣接する領域内に設置された各温度検出装置間の温度は、通常0.02〜1.11℃/mm、好ましくは0.11
〜0.89℃/mm、より好ましくは0.22〜0.78℃/mmの割合で上昇するように調整されていることが望ましい。
さらに、前記焼成用箱体は、上述したように加熱された後で、該箱体内の被焼成体1つ
あたりについてその両端が温度差を有するように冷却される。
具体的には、加熱された後の焼成用箱体内の被焼成体は、通常、該被焼成体1つあたりについて、互いに異なる温度に設定された隣接する2つ以上の領域に同時に跨がらせられながら冷却され、好ましくは、該被焼成体1つあたりについて、互いに異なる温度に設定された隣接する2つ以上の領域を同時に跨ぐように搬送されながら冷却される。
このように冷却されることにより、加熱された後の被焼成体、すなわち焼結体を、該焼結体1つあたりについて、その搬送方向側の端から順次冷却していくことができる。
前記連続炉の領域のうち、冷却に用いられる2つ以上の領域の、各領域の温度は、これらのなかで互いに隣接する領域の温度と比較して、通常10〜500℃、好ましくは50〜400℃、より好ましくは100〜350℃の範囲内で焼成用箱体の搬送方向に向うに従って順次低くなるようにそれぞれ設定されており、かつ、これら2つ以上の領域内を通過する焼成用箱体の搬送速度は通常1〜50mm/minの範囲である。なお、冷却に用いられる前記2つ以上の領域のうち、最も温度の高い領域の温度は、通常1300〜1800℃の範囲内にあることが望ましい。
ここで、前記連続炉において、冷却に用いられる各領域の設定温度、隣接する各領域の温度差、搬送速度の関係を領域数が3つの場合を例に挙げて説明すると、たとえば、d,e,fの順で焼成用箱体の搬送方向に向うに従って、隣接して存在している3つの領域d〜fでは、各領域d,e,fはそれぞれ異なる温度に設定されており、その設定温度は好ましくはd>e>fであり、領域dと領域eとの温度差(=d−e)、領域eと領域fとの温度差(=e−f)は、それぞれ上記の温度範囲内にある。
そして、焼成用箱体は、該焼成用箱体内の被焼成体が、これらの領域d〜fのうち、少なくとも隣接する2つ以上の領域を同時に跨ぐように、好ましくは該領域d〜f間のうち、少なくとも隣接する2つ以上の領域の間を上記範囲内の搬送速度で、搬送されながら冷却される。このような温度条件や搬送速度の条件であれば、単位時間あたりの生産量の増加が見込まれ生産効率上も好ましい。
連続炉の領域のうち、冷却に用いられる領域の数は2つ以上であれば特に限定されないが、3つ以上が好ましく挙げられる。被焼成体が跨ぐ領域数の上限は得ようとするターゲット材の寸法に応じて適宜設定することができるが、通常の場合5つ以下であると種々の寸法のターゲット材に対応できて便宜である。
前記冷却に用いられる各領域の焼成用箱体の搬送方向側の長さ(長手方向の長さ)は、領域毎に他の領域と同じでも異なってもよく、被焼成体の大きさ、使用する炉の大きさ、配設する領域数などによって適宜決定することができるが、通常300mm〜490mmが望ましい。
なお、前記冷却に用いられる、連続炉の2つ以上の領域の各領域の設定温度は、領域毎に各領域の搬送方向側の長さ(各領域の長手方向の長さ)に対する略中間点に設置された熱電対などの温度検出装置によって決定付けられる。この際、互いに隣接する領域内に設置された各温度検出装置間の温度は、通常0.02〜1.11℃/mm、好ましくは0.
11〜0.89℃/mm、より好ましくは0.22〜0.78℃/mmの割合で降下するように設定されていることが望ましい。
さらに、本発明のターゲット材の製造方法では、必要に応じて、連続炉における加熱領域と冷却領域との間、さらに加熱処理が段階的に複数回行われる場合には各加熱処理の間に、保温領域を設けることもできる。保温領域では直近の加熱領域の温度を保持する。保温領域における領域の長さ、数などは、被焼成体の大きさ、使用する炉の大きさ、配設す
る総領域数などによって適宜決定することができる。
また、該連続炉内に、大気、酸素、窒素、水素などを導入することもできる。具体的には、本発明の製造方法により、セラミックス焼結体ターゲット材を製造する場合には、前記連続炉内に、酸素を導入し、酸素雰囲気内で前記加熱工程および/または冷却工程を行
うことが、得られるターゲット材の密度向上の観点から望ましい。前記連続炉内に導入する酸素の流量は、通常0.1〜500m3/hの範囲内の量である。
また、本発明の製造方法により、金属ターゲット材を製造する場合には、前記連続炉内に、水素などの還元雰囲気を導入して、還元雰囲気内で前記加熱工程および/または冷却
工程を行うことが、ターゲット材の金属の酸化を防ぐ観点から望ましい。
以下、本発明のターゲット材の製造方法を、連続炉としてローラーハースキルンを用いて実施する場合を例に挙げ、必要に応じて図を参照しながら説明する。
ローラーハースキルンとは、その設定温度によって、予熱域、加熱域、保温域、冷却域などを設けることができ、特定の温度プロファイルを実行できる連続炉の1種である。
図3−1に本発明に用いることのできるローラーハースキルンの一例の概略横断面図を示す。図3−1中、ローラーハースキルン11で焼成される焼成用箱体1は被焼成体5をその内部に備えており、該焼成用箱体1は、ローラー17からローラー17’までの複数のローラーの回転によって矢印の方向に搬送されていく間に、予熱、加熱、保温、冷却等されて、焼成される。なお、焼成用箱体1は、図1−1と同様の構成をしており、同じ部材には同じ参照番号を付してその説明を省略するが、図示したように1段でもよく、上述した通り2段積みあるいは3段積みなどの多段積みの状態で焼成を行ってもよい。
図3−2は、図3−1に示したローラーハースキルンのI−I’線断面図であり、焼成用箱体1がローラー17によって搬送されていく搬送路を境に上下には、ヒーター19および19’が設けられている。炉内の温度は、これらのヒーター19および19’などによって設定温度に調整される。
図3−1中、焼成用箱体1は、仕切り21によって仕切られ、ヒーター19および19’などによって、互いに異なる温度に設定された隣接する2つ以上の領域(以下、該領域を単に「ゾーン」ということもある。)を、複数のローラー17の回転によって、同時に跨ぐように搬送されながら加熱あるいは冷却されていく(たとえば、図3−1では、4つの領域を同時に跨ぐように搬送されている。)。
この際、好ましくはガス導入・排出口15および15’から、大気、酸素、窒素、水素などのガスを導入・排出し、ガス雰囲気内で焼成を行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
脱脂したITO被焼成体(In23にSnO2 10重量%添加;幅235mm×長さ600m
m×厚み10mm)を焼成板(550mm×650mm×25mm)に載置し、4つのスペーサーブロック(各スペーサーブロックの大きさ;20mm×20mm×20mm)を焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記焼成板上の四隅に配置し、前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記スペーサーブロックによって支持された蓋体(550mm×800mm×10mm)を設けて、図1−1〜図1−4に示した構成の焼成用箱体を形成した。
このとき、空間占有率(%)=[被焼成体体積(cm3)/焼成用箱体の空間体積(cm3)]×100で求められる、焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率は、[1410/(7150-32)]×100=19.8%であった。
なお、上記焼成用箱体の空間体積(cm3)は、焼成板と蓋体とに挟まれた空間を仮定
して、その空間の体積からスペーサーブロックの合計体積を差し引いたものである。
得られた焼成用箱体をローラーハースキルン(ゾーン数16個、全長7200mm)内に載置して、炉内に酸素濃度100%の酸素ガスを流しながら、表1および図4に示す条件で焼成
し、ITOターゲット材を得た。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を目視で観察し、次の基準で評価した。評価基準;割れが生じていない場合を〇で、割れが生じた場合を×で表す。
結果を表2に示す。
[実施例2]
スペーサーブロックを8つのスペーサーブロック(各スペーサーブロックの大きさ;20mm×185mm×20mm)に変え、図2−2〜図2−4に示した構成の焼成用箱体を形成
し、該焼成用箱体を使用したほかは実施例1と同様にして焼成し、ITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[1410/(7150-592)]×100=21.5%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例3]
脱脂したITO被焼成体を幅250mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは実施例1と同様にしてITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[1500/(7150-32)]×100=21.1%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例4]
脱脂したITO被焼成体を幅250mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは実施例2と同様にしてITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[1500/(7150-592)]×100=22.9%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例5]
脱脂したITO被焼成体を幅400mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは実施例1と同様にして、ITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[2400/(7150-32)]×100=33.7%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例6]
脱脂したITO被焼成体を幅400mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは
実施例2と同様にして、ITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[2400/(7150-32)]×100=36.6%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例7]
脱脂したITO被焼成体を幅500mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは実施例2と同様にして、ITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[3000/(7150-592)]×100=45.7%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[実施例8]
脱脂したITO被焼成体を幅505mm×長さ645mm×厚み12mmのものに変え、8つのスペーサーブロックを各スペーサーブロックの大きさが20mm×185mm×15mmのもの
に変えたほかは実施例2と同様にして、ITOターゲット材を得た。このときの焼成用箱体に占める被焼成体の空間占有率を実施例1と同様にして求めたところ、[3908.7/(5362.5-444)]×100=79.5%であった。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[参考例1]
脱脂したITO被焼成体(In23にSnO2 10重量%添加;幅235mm×長さ600m
m×厚み10mm)を使用して焼成用箱体を形成せずに、焼成板(550mm×650mm×25mm)に載置して焼成したほかは実施例1と同様にして、ITOターゲット材を得た。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[比較例1]
脱脂したITO被焼成体(In23にSnO2 10重量%添加;幅250mm×長さ600m
m×厚み10mm)を使用して焼成用箱体を形成せずに、焼成板(550mm×650mm×25mm)に載置して焼成したほかは実施例1と同様にして、ITOターゲット材を得た。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[比較例2]
脱脂したITO被焼成体を幅400mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは比較例1と同様にして、ITOターゲット材を得た。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
[比較例3]
脱脂したITO被焼成体を幅500mm×長さ600mm×厚み10mmのものに変えたほかは比較例1と同様にして、ITOターゲット材を得た。
得られたITOターゲット材について、割れの有無を実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2007113051
Figure 2007113051
表2より、連続炉での焼成時に焼成用箱体を使用した実施例1〜8では、長手方向に対する幅が235mm以上、具体的には250mm、400mm、500mm、505mmの被焼成体を焼成して得られたターゲット材を含めていずれも割れがなく、生産効率よく高品質の大型ターゲット材を製造できることがわかる。
これに対して、参考例1および比較例1〜3より、長手方向に対する幅が235mmまでの被焼成体は焼成用箱体を使用せずに割れなく焼成できる一方、さらに大型のターゲット材を得ようとして、長手方向に対する幅が250mm、400mm、500mmの被焼成体を焼成用箱体を使用せずに焼成した場合には、いずれの場合もターゲット材に割れが生じており、実際にはこのような大型のターゲット材を製造できないことがわかる。
図1−1は、本発明の焼成用箱体の好ましい一例を示す斜視図である。 図1−2は、図1−1に示した焼成用箱体の分解斜視図である。 図1−3は、図1−1に示した焼成用箱体の縦側面図である。 図1−4は、図1−1に示した焼成用箱体の横側面図である。 図2−1は、本発明の焼成用箱体の好ましい一例を示す斜視図である。 図2−2は、図2−1に示した焼成用箱体の分解斜視図である。 図2−3は、図2−1に示した焼成用箱体の縦側面図である。 図2−4は、図2−1に示した焼成用箱体の横側面図である。 図3−1は、ローラーハースキルンの概略横断面図である。 図3−1に示したローラーハースキルンのI−I’線断面図である。 図4は、例中で使用したローラーハースキルンの設定温度プロファイル図である。
符号の説明
1:焼成用箱体
3:焼成板
5:被焼成体
7a、7b:スペーサーブロック
9:蓋体
11:ローラーハースキルン
15、15’:ガス導入・排出口
17、17’:ローラー
19、19’:ヒーター
21:仕切り

Claims (11)

  1. 粉末冶金法によりスパッタリングターゲット用ターゲット材を製造する方法において、
    被焼成体を焼成板上に載置し、
    所定間隔離間した複数のスペーサーブロックを、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記焼成板上の周縁に配置し、
    さらに前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように前記スペーサーブロックによって支持された蓋体を設けて、焼成用箱体を形成し、
    前記焼成用箱体を連続炉内で焼成することによって、箱体内の被焼成体を焼成することを特徴とするターゲット材の製造方法。
  2. 前記被焼成体の長手方向に対する幅が250mm以上500mm未満であり、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が15〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット材の製造方法。
  3. 前記被焼成体の長手方向に対する幅が500mm以上であり、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が45〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット材の製造方法。
  4. 前記複数のスペーサーブロックが配置される前記焼成板上の周縁が、前記焼成板上の互いに対向する縁部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のターゲット材の製造方法。
  5. 前記焼成用箱体を構成する被焼成体以外の各部材が、アルミナ−ムライトを含有してなることを特徴とする請求項1に記載のターゲット材の製造方法。
  6. ターゲット材が、酸化インジウムおよび酸化スズを主成分とする酸化物(ITO)であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット材の製造方法。
  7. 連続炉内で被焼成体を焼成してターゲット材を製造するための焼成用箱体であって、
    被焼成体が載置された焼成板と、
    焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように、前記焼成板上の周縁に配置され、所定間隔離間した複数のスペーサーブロックと、
    前記焼成板と対向し、焼成板上に載置された前記被焼成体と当接しないように、前記スペーサーブロックによって支持された蓋体と
    を備えてなることを特徴とする焼成用箱体。
  8. 前記被焼成体の長手方向に対する幅が250mm以上500mm未満であり、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が15〜80%であることを特徴とする請求項7に記載の焼成用箱体。
  9. 前記被焼成体の長手方向に対する幅が500mm以上であり、前記焼成用箱体内の空間に占める前記被焼成体の空間占有率が45〜80%であることを特徴とする請求項7に記載の焼成用箱体。
  10. 前記複数のスペーサーブロックが配置される前記焼成板上の周縁が、前記焼成板上の互いに対向する縁部であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の焼成用箱体。
  11. 前記焼成用箱体を構成する被焼成体以外の各部材が、アルミナ−ムライトを含有してなることを特徴とする請求項7に記載の焼成用箱体。
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