JPH1121170A - Ito焼結体の焼結装置 - Google Patents
Ito焼結体の焼結装置Info
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- JPH1121170A JPH1121170A JP9177891A JP17789197A JPH1121170A JP H1121170 A JPH1121170 A JP H1121170A JP 9177891 A JP9177891 A JP 9177891A JP 17789197 A JP17789197 A JP 17789197A JP H1121170 A JPH1121170 A JP H1121170A
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- JP
- Japan
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- sintering
- sintering furnace
- furnace
- ozone
- ito sintered
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長時間の焼結であっても、焼結中焼結炉内を
安定した酸化性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製
造する。 【解決手段】 Sn酸化物とIn酸化物との混合物成形
体17を密閉型又は両端開放型の焼結炉10にて焼結し
てITO焼結体を製造するITO焼結体の焼結装置であ
る。オゾン発生器25が焼結炉10の外部に設けられ、
オゾン発生器25から発生したオゾンを焼結炉内に導く
導管33がオゾン発生器25と焼結炉10の間に接続さ
れる。
安定した酸化性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製
造する。 【解決手段】 Sn酸化物とIn酸化物との混合物成形
体17を密閉型又は両端開放型の焼結炉10にて焼結し
てITO焼結体を製造するITO焼結体の焼結装置であ
る。オゾン発生器25が焼結炉10の外部に設けられ、
オゾン発生器25から発生したオゾンを焼結炉内に導く
導管33がオゾン発生器25と焼結炉10の間に接続さ
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度のITO薄
膜形成用スパッタリングターゲット材に適するITO焼
結体の焼結装置に関するものである。
膜形成用スパッタリングターゲット材に適するITO焼
結体の焼結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium tin oxide)薄膜は、高い
導電性と可視光の透過性を有することから、液晶ディス
プレイ、エレクトロルミネッセンス、太陽電池などの透
明電極に広く用いられている。このITO薄膜は、IT
O焼結体のターゲットを用いるアルゴンプラズマによる
スパッタリング法により主として形成される。この方法
で形成されたITO薄膜はITO焼結体のターゲットの
特性の影響を大きく受ける。特にターゲットの密度と微
細構造の影響は大きく、ターゲットが高密度である程、
また組成が均一である程、良質の薄膜が得られる。この
ため、ITO焼結体からなるスパッタリングターゲット
材としては、ITO薄膜を均一な組成で良質にするため
に、より高密度で均一な組成のものが求められている。
導電性と可視光の透過性を有することから、液晶ディス
プレイ、エレクトロルミネッセンス、太陽電池などの透
明電極に広く用いられている。このITO薄膜は、IT
O焼結体のターゲットを用いるアルゴンプラズマによる
スパッタリング法により主として形成される。この方法
で形成されたITO薄膜はITO焼結体のターゲットの
特性の影響を大きく受ける。特にターゲットの密度と微
細構造の影響は大きく、ターゲットが高密度である程、
また組成が均一である程、良質の薄膜が得られる。この
ため、ITO焼結体からなるスパッタリングターゲット
材としては、ITO薄膜を均一な組成で良質にするため
に、より高密度で均一な組成のものが求められている。
【0003】従来、ITO焼結体は、一般に酸化スズと
酸化インジウムとの混合粉末、又は塩化スズ水溶液と酸
化インジウムとを混合し、これにアンモニア水を添加混
合して得られたものを焼結原料とし、これを成形して焼
結することにより製造されている。なおこの焼結は、通
常の場合、空気雰囲気で行われている。しかしながら、
従来の空気雰囲気での焼結では、相対密度が高々60〜
70%程度の焼結体しか得られず、この密度向上のため
に原料粉末の微粉砕化や、焼結助剤の添加などの工夫も
されているが、十分な効果が得られていない。一方、相
対密度を90〜97%に高めるために、焼結雰囲気中の
酸素分圧を高くしたり、酸素雰囲気中で焼結する方法が
提案されている(例えば、特開平3−207858号公
報、特開平6−24826号公報)。
酸化インジウムとの混合粉末、又は塩化スズ水溶液と酸
化インジウムとを混合し、これにアンモニア水を添加混
合して得られたものを焼結原料とし、これを成形して焼
結することにより製造されている。なおこの焼結は、通
常の場合、空気雰囲気で行われている。しかしながら、
従来の空気雰囲気での焼結では、相対密度が高々60〜
70%程度の焼結体しか得られず、この密度向上のため
に原料粉末の微粉砕化や、焼結助剤の添加などの工夫も
されているが、十分な効果が得られていない。一方、相
対密度を90〜97%に高めるために、焼結雰囲気中の
酸素分圧を高くしたり、酸素雰囲気中で焼結する方法が
提案されている(例えば、特開平3−207858号公
報、特開平6−24826号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−207858号公報及び特開平6−24826号公
報に示される方法では、9〜10時間という長時間の焼
結中に酸素を一定量焼結炉内に流入させる必要がある。
そのため酸素ボンベから長時間酸素を供給する場合に
は、焼結炉の容積に応じて酸素ボンベを用意しなければ
ならず、特に加圧焼結炉で酸素を加圧して供給する場合
には特別な配慮をする必要があった。本発明の目的は、
長時間の焼結であっても、焼結中焼結炉内を安定した酸
化性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製造する焼結
装置を提供することにある。
3−207858号公報及び特開平6−24826号公
報に示される方法では、9〜10時間という長時間の焼
結中に酸素を一定量焼結炉内に流入させる必要がある。
そのため酸素ボンベから長時間酸素を供給する場合に
は、焼結炉の容積に応じて酸素ボンベを用意しなければ
ならず、特に加圧焼結炉で酸素を加圧して供給する場合
には特別な配慮をする必要があった。本発明の目的は、
長時間の焼結であっても、焼結中焼結炉内を安定した酸
化性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製造する焼結
装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すようにSn酸化物とIn酸化物との
混合物成形体17,53を焼結炉10,50にて焼結し
てITO焼結体を製造するITO焼結体の焼結装置にお
いて、オゾン発生器25,62,63が焼結炉の外部に
設けられ、オゾン発生器25,62,63から発生した
オゾンを焼結炉内に導く導管33,66,67がオゾン
発生器と焼結炉の間に接続されたことを特徴とするIT
O焼結体の焼結装置である。オゾン発生器から導管を介
してオゾンを連続的に流入させることにより、長時間の
焼結に対しても安定して一定量のオゾンを供給すること
ができる。
図1及び図2に示すようにSn酸化物とIn酸化物との
混合物成形体17,53を焼結炉10,50にて焼結し
てITO焼結体を製造するITO焼結体の焼結装置にお
いて、オゾン発生器25,62,63が焼結炉の外部に
設けられ、オゾン発生器25,62,63から発生した
オゾンを焼結炉内に導く導管33,66,67がオゾン
発生器と焼結炉の間に接続されたことを特徴とするIT
O焼結体の焼結装置である。オゾン発生器から導管を介
してオゾンを連続的に流入させることにより、長時間の
焼結に対しても安定して一定量のオゾンを供給すること
ができる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、導管33,66,67の周囲にヒータ3
4,68,69が設けられたITO焼結体の焼結装置で
ある。焼結炉に流入する前に導管にてオゾンを加熱する
ことにより、オゾン流入による焼結炉内の温度低下を防
止し、かつ温度分布を乱さない。
明であって、導管33,66,67の周囲にヒータ3
4,68,69が設けられたITO焼結体の焼結装置で
ある。焼結炉に流入する前に導管にてオゾンを加熱する
ことにより、オゾン流入による焼結炉内の温度低下を防
止し、かつ温度分布を乱さない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の焼結原料となるSn酸化
物とIn酸化物との混合物は、酸化インジウム又は焼結
により酸化インジウムを生成する化合物と、酸化スズ又
は焼結により酸化スズを生成する化合物との混合物であ
って、 酸化インジウム微粉末及び酸化スズ微粉末の
混合物、 酸化インジウム微粉末を含むスズ塩溶液を
加水分解して得られた、酸化インジウム−水酸化スズ混
合析出物、 インジウム塩及びスズ塩を含む溶液を加
水分解して得られた、水酸化インジウム−水酸化スズ共
沈析出物が例示される。上記混合物はスリップキャス
ト、金型プレス等の方法で成形し、得られた成形体は図
1に示す密閉型の焼結炉10又は図2に示す両端開放型
の焼結炉50にて焼結してITO焼結体となる。本発明
の焼結装置は、オゾン発生器より焼結炉内にオゾンが連
続して供給されるように構成される。図1に示す密閉型
の焼結炉10では炉内の圧力を高圧にすることができ
る。図2に示す両端開放型の焼結炉50では連続焼結が
可能で生産性を高めることができる。図1及び図2に示
す焼結炉10,50はすべて給気口及び排気口を有し、
焼結中に成形体から発生するガス(例えば、SnO2の
高温での分解によって発生するSnOガス)を焼結炉の
外部に排出できるようになっている。また炉内をオゾン
雰囲気にすることにより、SnO2 → SnO↑ + 1/2
O2↑ の分解反応が抑制される。この結果、焼結性に
優れたITO焼結体が得られる。
物とIn酸化物との混合物は、酸化インジウム又は焼結
により酸化インジウムを生成する化合物と、酸化スズ又
は焼結により酸化スズを生成する化合物との混合物であ
って、 酸化インジウム微粉末及び酸化スズ微粉末の
混合物、 酸化インジウム微粉末を含むスズ塩溶液を
加水分解して得られた、酸化インジウム−水酸化スズ混
合析出物、 インジウム塩及びスズ塩を含む溶液を加
水分解して得られた、水酸化インジウム−水酸化スズ共
沈析出物が例示される。上記混合物はスリップキャス
ト、金型プレス等の方法で成形し、得られた成形体は図
1に示す密閉型の焼結炉10又は図2に示す両端開放型
の焼結炉50にて焼結してITO焼結体となる。本発明
の焼結装置は、オゾン発生器より焼結炉内にオゾンが連
続して供給されるように構成される。図1に示す密閉型
の焼結炉10では炉内の圧力を高圧にすることができ
る。図2に示す両端開放型の焼結炉50では連続焼結が
可能で生産性を高めることができる。図1及び図2に示
す焼結炉10,50はすべて給気口及び排気口を有し、
焼結中に成形体から発生するガス(例えば、SnO2の
高温での分解によって発生するSnOガス)を焼結炉の
外部に排出できるようになっている。また炉内をオゾン
雰囲気にすることにより、SnO2 → SnO↑ + 1/2
O2↑ の分解反応が抑制される。この結果、焼結性に
優れたITO焼結体が得られる。
【0008】図1に示すバッチ式の焼結装置について更
に詳しく説明する。この焼結炉10の炉壁10aには給
気口11と排気口12が設けられ、これらの給気口11
と排気口12の間には開閉扉13が設けられる。焼結炉
10内には炉内の圧力を測定する圧力センサ13aと炉
内の温度を検出する第1温度センサ13bとオゾン濃度
を検出するオゾンセンサ13cが設けられる。この焼結
炉10は給気口11と排気口12を除いて密閉される構
造になっている。排気口12には排気管14が接続さ
れ、排気管14の途中には電磁弁14aが設けられる。
図示しないが、排気口12又は排気管14に所定圧で開
く圧力調整弁を設けてもよい。焼結炉10の内部には焼
結台15が置かれ、この焼結台15の上には台板16を
介してSn酸化物とIn酸化物との混合物成形体17が
載せられる。焼結炉10はヒータ18で包囲され、ヒー
タ18は焼結炉用コントローラ19及びスイッチ20を
介して商用交流電源21に接続される。このコントロー
ラ19には圧力センサ13a及び第1温度センサ13b
の検出出力が接続され、コントローラ19の制御出力に
は電磁弁14aが接続される。
に詳しく説明する。この焼結炉10の炉壁10aには給
気口11と排気口12が設けられ、これらの給気口11
と排気口12の間には開閉扉13が設けられる。焼結炉
10内には炉内の圧力を測定する圧力センサ13aと炉
内の温度を検出する第1温度センサ13bとオゾン濃度
を検出するオゾンセンサ13cが設けられる。この焼結
炉10は給気口11と排気口12を除いて密閉される構
造になっている。排気口12には排気管14が接続さ
れ、排気管14の途中には電磁弁14aが設けられる。
図示しないが、排気口12又は排気管14に所定圧で開
く圧力調整弁を設けてもよい。焼結炉10の内部には焼
結台15が置かれ、この焼結台15の上には台板16を
介してSn酸化物とIn酸化物との混合物成形体17が
載せられる。焼結炉10はヒータ18で包囲され、ヒー
タ18は焼結炉用コントローラ19及びスイッチ20を
介して商用交流電源21に接続される。このコントロー
ラ19には圧力センサ13a及び第1温度センサ13b
の検出出力が接続され、コントローラ19の制御出力に
は電磁弁14aが接続される。
【0009】25はオゾン発生器であって、このオゾン
発生器25は誘導体上に電極を形成した一対のオゾン発
生素子26,26とこれらの素子26,26に高周波交
流高電圧を印加するための高周波高電圧電源27とこの
電源27の電圧を調整してオゾン発生量を調整する電圧
調整器28により構成される。電源27はオゾン発生器
用コントローラ29及びスイッチ30を介して商用交流
電源21に接続される。この電圧調整器28は100p
pm〜20000ppmのオゾン濃度範囲内でオゾン発
生量を調整することができる。オゾン発生器25は給気
口31及び焼結炉用送気口32を有する。給気口31に
は加圧された空気が送込まれるようになっている。この
送気口32には電磁弁32aが設けられる。オゾン発生
器用コントローラ29にはオゾンセンサ13cの検出出
力が接続され、コントローラ29の制御出力には電圧調
整器28及び電磁弁32aが接続される。送気口32と
焼結炉10の給気口11の間には導管33が設けられ、
導管33の内部には第2温度センサ33aとその周囲は
ヒータ34が設けられる。ヒータ34はヒータ用コント
ローラ35及びスイッチ36を介して商用交流電源21
に接続される。コントローラ35には第2温度センサ3
3aの検出出力が接続される。
発生器25は誘導体上に電極を形成した一対のオゾン発
生素子26,26とこれらの素子26,26に高周波交
流高電圧を印加するための高周波高電圧電源27とこの
電源27の電圧を調整してオゾン発生量を調整する電圧
調整器28により構成される。電源27はオゾン発生器
用コントローラ29及びスイッチ30を介して商用交流
電源21に接続される。この電圧調整器28は100p
pm〜20000ppmのオゾン濃度範囲内でオゾン発
生量を調整することができる。オゾン発生器25は給気
口31及び焼結炉用送気口32を有する。給気口31に
は加圧された空気が送込まれるようになっている。この
送気口32には電磁弁32aが設けられる。オゾン発生
器用コントローラ29にはオゾンセンサ13cの検出出
力が接続され、コントローラ29の制御出力には電圧調
整器28及び電磁弁32aが接続される。送気口32と
焼結炉10の給気口11の間には導管33が設けられ、
導管33の内部には第2温度センサ33aとその周囲は
ヒータ34が設けられる。ヒータ34はヒータ用コント
ローラ35及びスイッチ36を介して商用交流電源21
に接続される。コントローラ35には第2温度センサ3
3aの検出出力が接続される。
【0010】次に図2に示す連続式の焼結装置について
更に詳しく説明する。両端開放型の焼結炉50の内部に
は水平方向に容器51の通路が形成される。焼結炉50
はその一端に入口50aを、またその他端に出口50b
を有する。これらの入口50a及び出口50bは一直線
上に設けられる。容器51には台板52に載せたSn酸
化物とIn酸化物との混合物成形体53が入れられる。
焼結炉50の入口50a及び出口50bにはガイドロー
ラ54a,54aが配設され、これらのガイドローラ5
4a,54aの下方には駆動ローラ54b,54bが配
設される。ローラ54a及び54bにはエンドレスのコ
ンベヤベルト55が掛渡される。焼結炉50の上部炉壁
50c及び下部炉壁50dに沿ってヒータ56a及び5
6bが配設される。この例ではベルト55は焼結炉50
の内部を通過するようになっている。上部炉壁50cの
入口側及び出口側には給気口57及び58が配設され、
上部炉壁50cの中央部には排気口59が設けられる。
排気口59には排気管60が接続され、排気管60の途
中には電磁弁60aが設けられる。焼結炉50内には炉
内の温度を検出する第1温度センサ61aと給気口5
7,58付近のオゾン濃度を検出するオゾンセンサ61
b,61cが設けられる。
更に詳しく説明する。両端開放型の焼結炉50の内部に
は水平方向に容器51の通路が形成される。焼結炉50
はその一端に入口50aを、またその他端に出口50b
を有する。これらの入口50a及び出口50bは一直線
上に設けられる。容器51には台板52に載せたSn酸
化物とIn酸化物との混合物成形体53が入れられる。
焼結炉50の入口50a及び出口50bにはガイドロー
ラ54a,54aが配設され、これらのガイドローラ5
4a,54aの下方には駆動ローラ54b,54bが配
設される。ローラ54a及び54bにはエンドレスのコ
ンベヤベルト55が掛渡される。焼結炉50の上部炉壁
50c及び下部炉壁50dに沿ってヒータ56a及び5
6bが配設される。この例ではベルト55は焼結炉50
の内部を通過するようになっている。上部炉壁50cの
入口側及び出口側には給気口57及び58が配設され、
上部炉壁50cの中央部には排気口59が設けられる。
排気口59には排気管60が接続され、排気管60の途
中には電磁弁60aが設けられる。焼結炉50内には炉
内の温度を検出する第1温度センサ61aと給気口5
7,58付近のオゾン濃度を検出するオゾンセンサ61
b,61cが設けられる。
【0011】焼結炉50の両側にはオゾン発生器62及
び63が配設される。これらのオゾン発生器62及び6
3は前記実施の形態で述べたオゾン発生器25と同一の
構成であるため、繰返しの説明を省略する。オゾン発生
器62及び63の焼結炉用送気口64及び65には電磁
弁64a及び65aが配設される。送気口64及び65
と、焼結炉50の給気口57及び58の間には導管66
及び67が配設され、導管66及び67の内部には第2
温度センサ66a,67aとその周囲はヒータ68及び
69が配設される。焼結炉50及び導管66,67の加
熱制御、オゾン濃度制御は図示しないコントローラによ
り前記実施の形態と同様に行われる。なお、図2におい
て、2つのオゾン発生器62及び63を用いる代りに、
単一のオゾン発生器62を用いて、その単一の送気口6
4から2本の導管を配管し、これらの導管を図示しない
が、焼結炉の上部炉壁の入口側及び出口側に設けられた
給気口57及び58にそれぞれ接続するようにしてもよ
い。
び63が配設される。これらのオゾン発生器62及び6
3は前記実施の形態で述べたオゾン発生器25と同一の
構成であるため、繰返しの説明を省略する。オゾン発生
器62及び63の焼結炉用送気口64及び65には電磁
弁64a及び65aが配設される。送気口64及び65
と、焼結炉50の給気口57及び58の間には導管66
及び67が配設され、導管66及び67の内部には第2
温度センサ66a,67aとその周囲はヒータ68及び
69が配設される。焼結炉50及び導管66,67の加
熱制御、オゾン濃度制御は図示しないコントローラによ
り前記実施の形態と同様に行われる。なお、図2におい
て、2つのオゾン発生器62及び63を用いる代りに、
単一のオゾン発生器62を用いて、その単一の送気口6
4から2本の導管を配管し、これらの導管を図示しない
が、焼結炉の上部炉壁の入口側及び出口側に設けられた
給気口57及び58にそれぞれ接続するようにしてもよ
い。
【0012】
【実施例】図1に示す焼結装置を用いて以下の実施例1
〜4及び比較例1,2のITO焼結体を製造し、図2に
示す焼結装置を用いて以下の実施例5〜8及び比較例
3,4のITO焼結体を製造した。実施例1〜8及び比
較例1〜4の成形体は、15重量%の硝酸インジウム水
溶液と15重量%の塩化スズ水溶液を混合し、アンモニ
アを添加して加水分解することにより得られた水酸化イ
ンジウム−水酸化スズ共沈析出物(In/Sn酸化物
(重量比)=9/1)を原料として用いて、スリップキ
ャスト法(スリップ濃度70重量%)によりそれぞれ成
形した。これらの成形体のサイズは、すべて直径100
mm、厚さ5mm、重量300gの円板状であった。
〜4及び比較例1,2のITO焼結体を製造し、図2に
示す焼結装置を用いて以下の実施例5〜8及び比較例
3,4のITO焼結体を製造した。実施例1〜8及び比
較例1〜4の成形体は、15重量%の硝酸インジウム水
溶液と15重量%の塩化スズ水溶液を混合し、アンモニ
アを添加して加水分解することにより得られた水酸化イ
ンジウム−水酸化スズ共沈析出物(In/Sn酸化物
(重量比)=9/1)を原料として用いて、スリップキ
ャスト法(スリップ濃度70重量%)によりそれぞれ成
形した。これらの成形体のサイズは、すべて直径100
mm、厚さ5mm、重量300gの円板状であった。
【0013】<実施例1〜4>図1に示した焼結炉10
の開閉扉13を開け、得られた成形体17を台板16に
載せて、これを焼結台15上に配置した後、扉13を閉
め、スイッチ20,30及び36を入れ、焼結炉10及
び導管33を昇温するとともに、オゾン発生器25の給
気口31より空気が送込まれ、オゾン発生器25内でオ
ゾンを発生させた。コントローラ19により焼結炉10
が、またオゾンを予熱するようにコントローラ35によ
り導管33が表1に示す温度にそれぞれ維持された。ま
たコントローラ29により炉内のオゾン濃度が表1に示
すように維持された。更にコントローラ19により炉内
の圧力は表1に示す気圧になるように維持された。電磁
弁32a及び14aの開度を調整して焼結炉10には表
1に示す流量のオゾンを含む空気が流れるようにした。
この条件下で約4時間成形体17を加熱し、ITO焼結
体を得た。焼結後、ヒータ18及び34を切り、炉が約
100℃になったところで開閉扉13を開け、ITO焼
結体を取出した。
の開閉扉13を開け、得られた成形体17を台板16に
載せて、これを焼結台15上に配置した後、扉13を閉
め、スイッチ20,30及び36を入れ、焼結炉10及
び導管33を昇温するとともに、オゾン発生器25の給
気口31より空気が送込まれ、オゾン発生器25内でオ
ゾンを発生させた。コントローラ19により焼結炉10
が、またオゾンを予熱するようにコントローラ35によ
り導管33が表1に示す温度にそれぞれ維持された。ま
たコントローラ29により炉内のオゾン濃度が表1に示
すように維持された。更にコントローラ19により炉内
の圧力は表1に示す気圧になるように維持された。電磁
弁32a及び14aの開度を調整して焼結炉10には表
1に示す流量のオゾンを含む空気が流れるようにした。
この条件下で約4時間成形体17を加熱し、ITO焼結
体を得た。焼結後、ヒータ18及び34を切り、炉が約
100℃になったところで開閉扉13を開け、ITO焼
結体を取出した。
【0014】<比較例1>スイッチ30及び36を切
り、給気口31より空気を送込まず、これにより焼結炉
10内に空気もオゾンも送込まないようにした以外は、
実施例1と同様にしてITO焼結体を得た。 <比較例2>電磁弁32aを開け、オゾンの代りに空気
を焼結炉10内に送込むようにした以外は、実施例1と
同様にしてITO焼結体を得た。
り、給気口31より空気を送込まず、これにより焼結炉
10内に空気もオゾンも送込まないようにした以外は、
実施例1と同様にしてITO焼結体を得た。 <比較例2>電磁弁32aを開け、オゾンの代りに空気
を焼結炉10内に送込むようにした以外は、実施例1と
同様にしてITO焼結体を得た。
【0015】<実施例5〜8>図2に示すように、得ら
れた成形体53を台板52に載せて、これを容器51に
入れ、焼結炉50の入口50aに配置した後、ベルトコ
ンベヤ55により焼結炉50内に送込んだ。焼結炉50
及び導管66,67はヒータ56a,56b,68及び
69により表2に示す温度に加熱され、オゾン発生器6
2及び63の給気口62d,63dより空気が送込ま
れ、オゾン発生器62及び63で発生したオゾンが表2
に示す濃度で炉内に供給された。電磁弁64a,65a
及び60aの開度を調整して焼結炉50には表2に示す
流量のオゾンを含む空気が流れるようにした。この条件
下で炉内の通過時間が約4時間となるように、ベルトコ
ンベヤ55の速度を調整し、成形体53を加熱すること
によりITO焼結体を得た。焼結後、出口50bから容
器51を取出し、ITO焼結体を得た。
れた成形体53を台板52に載せて、これを容器51に
入れ、焼結炉50の入口50aに配置した後、ベルトコ
ンベヤ55により焼結炉50内に送込んだ。焼結炉50
及び導管66,67はヒータ56a,56b,68及び
69により表2に示す温度に加熱され、オゾン発生器6
2及び63の給気口62d,63dより空気が送込ま
れ、オゾン発生器62及び63で発生したオゾンが表2
に示す濃度で炉内に供給された。電磁弁64a,65a
及び60aの開度を調整して焼結炉50には表2に示す
流量のオゾンを含む空気が流れるようにした。この条件
下で炉内の通過時間が約4時間となるように、ベルトコ
ンベヤ55の速度を調整し、成形体53を加熱すること
によりITO焼結体を得た。焼結後、出口50bから容
器51を取出し、ITO焼結体を得た。
【0016】<比較例3>給気口62d,63dより空
気を送込まず、これにより焼結炉50内に空気もオゾン
も送込まないようにした以外は、実施例7と同様にして
ITO焼結体を得た。 <比較例4>電磁弁64a,65aを開け、オゾンの代
りに空気を焼結炉50内に送込むようにした以外は、実
施例7と同様にしてITO焼結体を得た。
気を送込まず、これにより焼結炉50内に空気もオゾン
も送込まないようにした以外は、実施例7と同様にして
ITO焼結体を得た。 <比較例4>電磁弁64a,65aを開け、オゾンの代
りに空気を焼結炉50内に送込むようにした以外は、実
施例7と同様にしてITO焼結体を得た。
【0017】<比較と評価>実施例1〜8及び比較例1
〜4の焼結体の相対密度、焼結体中のSnO2の含有割
合を調べた。その結果を表1及び表2に示す。
〜4の焼結体の相対密度、焼結体中のSnO2の含有割
合を調べた。その結果を表1及び表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1及び表2から明らかなように、ITO
焼結体の相対密度に関しては、比較例1〜4が60.8
〜67.8%であるのに対して、実施例1〜8は92.
0〜98.3%であって、より高密度のものが得られる
ことが判った。特に、密閉型の焼結炉で加圧して焼結し
た実施例4のものが最も高密度であった。焼結体中のS
nO2の含有割合に関しては、実施例1〜8及び比較例
1〜4すべて10%であった。
焼結体の相対密度に関しては、比較例1〜4が60.8
〜67.8%であるのに対して、実施例1〜8は92.
0〜98.3%であって、より高密度のものが得られる
ことが判った。特に、密閉型の焼結炉で加圧して焼結し
た実施例4のものが最も高密度であった。焼結体中のS
nO2の含有割合に関しては、実施例1〜8及び比較例
1〜4すべて10%であった。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、長
時間の焼結であっても、焼結中焼結炉内を安定した酸化
性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製造することが
できる。
時間の焼結であっても、焼結中焼結炉内を安定した酸化
性雰囲気にして高密度のITO焼結体を製造することが
できる。
【図1】本発明の密閉型焼結炉からなるITO焼結体の
焼結装置の構成図。
焼結装置の構成図。
【図2】本発明の両端開放型焼結炉からなるITO焼結
体の別の焼結装置の構成図。
体の別の焼結装置の構成図。
10 密閉型焼結炉 17 Sn酸化物とIn酸化物との混合物成形体 25 オゾン発生器 33 導管 34 ヒータ 50 両端開放型焼結炉 53 Sn酸化物とIn酸化物との混合物成形体 62,63 オゾン発生器 66,67 導管 68,69 ヒータ
Claims (2)
- 【請求項1】 Sn酸化物とIn酸化物との混合物成形
体(17,53)を密閉型又は両端開放型の焼結炉(10,50)にて
焼結してITO焼結体を製造するITO焼結体の焼結装
置において、 オゾン発生器(25,62,63)が前記焼結炉(10,50)の外部に
設けられ、前記オゾン発生器から発生したオゾンを前記
焼結炉内に導く導管(33,66,67)が前記オゾン発生器と前
記焼結炉の間に接続されたことを特徴とするITO焼結
体の焼結装置。 - 【請求項2】 導管の周囲にヒータ(34,68,69)が設けら
れた請求項1記載のITO焼結体の焼結装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9177891A JPH1121170A (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | Ito焼結体の焼結装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9177891A JPH1121170A (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | Ito焼結体の焼結装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121170A true JPH1121170A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16038876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9177891A Withdrawn JPH1121170A (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | Ito焼結体の焼結装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121170A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006038538A1 (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-13 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法 |
JP2007113051A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法およびこれに用いる箱体 |
JP2007246315A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | Ito焼結体、スパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット、ならびにスパッタリングターゲット材の製造方法 |
-
1997
- 1997-07-03 JP JP9177891A patent/JPH1121170A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006038538A1 (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-13 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法 |
JPWO2006038538A1 (ja) * | 2004-10-01 | 2008-05-15 | 三井金属鉱業株式会社 | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法 |
KR100873088B1 (ko) * | 2004-10-01 | 2008-12-09 | 미쓰이 긴조꾸 고교 가부시키가이샤 | 스퍼터링 타깃용 타깃재의 제조 방법 |
JP2007113051A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法およびこれに用いる箱体 |
JP2007246315A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | Ito焼結体、スパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット、ならびにスパッタリングターゲット材の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |