JP2007112533A - ボビン固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、かつ、容易にボビンを固定することができる、ボビン固定装置を提供する。
【解決手段】回転軸23の外側へ突出していた押さえ片35は、傾斜部分がボビン10に押されて内側位置P2へ移動し、ボビン10は位置決め用部材25の配置された位置まで挿入される。ボビン10が位置決め用部材25に当接されると、バネ部材33により解除ボタン32と共に支持部材34Bが上側へ移動し、アーム34Aの支持部材34B側が上側へ移動すると共に、押さえ片35側が外側へ向かって移動し、規制面35Cがボビン10に当接される位置まで外側に突出される。このとき、押さえ面35Bは、ボビン10の上面に当接され、ボビン10が回転軸23から抜け出す方向(Y方向)の移動が規制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻線機や撚線機等に使用されるボビンを回転可能に保持するためのボビン固定装置に関するものである。
従来、巻線機や撚線機等に線材を供給する際には、線材が巻かれたボビンを回転させながら上記線材を引き出すようにするため、上記ボビンを回転可能に保持するボビン固定装置が用いられている。ボビンの固定方法としては、エアや電力等の動力を使用する方法と、スロットレバー方式、ねじ込み方式、セットピン方式などの人手による機械的な固定方法とがある。
上記のうち、エアや電力等の動力を使用する方式を採用すると、装置が複雑となるため装置サイズが大きくなり、コストも高くなるといった問題がある。一方、スロットレバー方式、ねじ込み方式、セットピン方式など方式では、動力の使用がなく装置を簡素化でき、コストも安くなる。しかしながら、ボビン脱着のための工数が多くなり、作業効率が低下するといった問題があった。
例えば、特許文献1に示されているセットピン方式のボビン固定装置50では、図6に示すように、回転軸55にボビン10のスプールコア部11を挿入し、係止溝55cが正面になるように回転軸55を回転させて位置合わせを行い、ボビン抜け防止ピン58を係止溝55cに挿入する、という工程が必要となる。
特開2003−182935号公報
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、かつ、容易にボビンを固定することができるボビン固定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のボビン固定装置は、ボビンが挿入される回転軸と、前記挿入されたボビンの挿入先端側に当接し前記ボビンの挿入方向の位置決めをする位置決め部材と、前記回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、前記外周面よりも内側の内側位置と、の間を移動可能とされ、前記突出位置において前記ボビンの挿入後端側に当接されて前記ボビンの前記回転軸から抜け出す方向への移動を規制する可動部材と、を含んで構成されている。
本発明のボビン固定装置は、ボビンが挿入される回転軸を備えている。この回転軸に挿入されたボビンは、挿入先端側が位置決め部材に当接され、挿入方向の位置決めがなされる。また、回転軸に挿入されたボビンは、挿入後端側が可動部材に当接して回転軸から抜け出す方向への移動が規制される。この可動部材は、回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、外周面よりも内側の内側位置との間を移動可能とされており、突出位置においてボビンの挿入後端側へ当接する。ボビンを挿入する際には、可動部材は回転軸の外周面よりも内側の内側位置に配置されている。
上記構成によれば、可動部材を内側位置に移動させることにより容易にボビンを回転軸へ挿入することができ、挿入後に可動部材を突出位置へ移動させることにより容易にボビンを回転軸に固定することができる。
なお、本発明のボビン固定装置は、請求項2に記載のように、前記回転軸の端部に取り付けられ、前記回転軸の軸方向に移動可能とされた解除部材と、前記可動部材と前記解除部材とを連結し、前記解除部材の前記軸方向の移動に連動させて前記可動部材を前記突出位置と前記内側位置との間で移動させる連結部材と、を備えたことを特徴とすることができる。
上記構成によれば、回転軸の端部に取り付けられた解除部材を回転軸の軸方向に沿って移動させることにより、可動部材を突出位置と内側位置との間で移動させることができる。
また、本発明のボビン固定装置は、請求項3に記載のように、前記可動部材は、前記位置決め部材側へ向かって前記外周面からより多く突出されるように傾斜がつけられていること、を特徴とすることができる。
上記構成によれば、ボビンの挿入時に、ボビンの挿入先端側で可動部材の傾斜部分を押すことにより、可動部材を容易に内側位置に移動させることができる。
また、本発明のボビン固定装置は、請求項4に記載のように、前記解除部材を前記回転軸から離れる方向に付勢すると共に前記可動部材を前記突出位置へ向かって付勢する付勢部材と、前記解除部材の前記回転軸から離れる方向への移動を規制する解除規制部材と、前記可動部材の前記突出位置よりも外側への移動を規制する突出規制部材と、含んで構成することができる。
上記構成では、付勢部材により解除部材が回転軸から離れる方向に付勢されるが、解除規制部材により同方向への移動が規制されるので、規制された位置に解除部材は配置される。また、可動部材も、付勢部材によって突出位置へ向かって付勢されるが、突出規制部材により突出位置よりも外側への移動が規制されるので、規制された位置に可動部材は配置される。
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成で、かつ、容易にボビンを固定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1に示すように、本実施形態のボビン固定装置20は、基台21、固定軸22、回転軸23、ボビン押さえ30、を備えている。基台21は、ボビン固定装置20を撚線機等のボビン設置装置の固定台座40に取付けるためのブロック状の部材である。固定軸22は、基台21の上に固定されている。回転軸23は、固定軸22の外側に固定軸22とベアリング24A,24Bを介して連結されるスプール状の回転軸である。この回転軸23の下部には、上記回転軸23の外周側から水平に突出して、ボビン10の挿入方向Xの位置決めをする位置決め用部材25が設けられている。位置決め用部材25は、ボビン10側に配置された位置決め板25A、位置決め板25Aを載置する鍔状の位置決め本体25B、及び、位置決め本体25Bの裏面側に設けられた突起部25Cで構成されている。位置決め用部材25は、突起部25Cがボビン設置装置の回転台座40に設けられた案内溝内40M内に挿入されてセットされる。
ボビン押さえ30は、取付部31、解除ボタン32、バネ部材33、連結部34、押さえ片35、及び、押さえ本体36を含んで構成されている。
図3に示すように、押さえ本体36は、回転軸23の軸方向からみて円形とされている。押さえ本体36の下側には、図1に示すように、取付部31が一体的に構成されており、取付部31が回転軸23の上部外周に螺合して、ボビン押さえ30が回転軸23に取り付けられる。
図2にも示すように、解除ボタン32は、押さえ本体36の中央部に形成されたボタン孔36Aに嵌め込まれている。ボタン孔36Aは、上部の径が下部よりも大きく構成されており、上部と下部との境目に段差36Bが形成されている。解除ボタン32は、上部32Aと下部32Bから構成されており、上部32Aはボタン孔36Aの上部の径よりもわずかに小さい径とされ、下部32Bはボタン孔36Aの上部よりも大きく下部よりもわずかに小さい径とされている。
解除ボタン32には、下部32B側に開口したバネ部材33を挿入可能な空間32Cが構成されている。伸縮可能なバネ部材33は、空間32Cに挿入され、解除ボタン32を回転軸23から離れるY方向へ付勢している。解除ボタン32の下部32Bは、段差36BによりY方向への移動が規制される。解除ボタン32の上部32Aは、段差36Bに下部32Bが当接された状態で、押さえ本体36から上側に突出されている。
押さえ本体36には、ボタン孔36Aの下部から径方向に向かって押さえ本体36の外側へ貫通された、押さえ孔36Cが3カ所に構成されている。押さえ孔36Cを構成する上側の壁面の各々には、径方向に沿った案内溝36Dが形成されている。各々の押さえ孔36Cには、連結部34、及び、可動部材としての押さえ片35が配置されている。
連結部34は、解除ボタン32の下側に密着されている支持部材34Bと、押さえ孔36Cの外側に向かう方向に長尺のアーム34Aとで構成されている。アーム34Aの一端部は、支持部材34Bの下部にピンN2で回動可能に取り付けられ、他端は、押さえ片35にピンN1で回動可能に取り付けられている。
各々の押さえ片35は、アーム34Aの外側に配置され、押さえ本体36の案内溝36Dに係合する係合部35Aを備えている。係合部35Aは案内溝36Dに沿って移動可能とされている。押さえ片35は、通常時には、先端部が回転軸23の外周よりも外側へ突出されている(以下この位置を「突出位置P1」という)。押さえ片35の突出部分には、下側(位置決め用部材25側)へ向かって回転軸23の外周からより多く突出されるように傾斜がつけられている。また、押さえ片35の突出部分の下側は、ボビン10の角部に沿った形状とされており、ボビン10の上面に当接されてボビン10のY方向への移動を規制する押さえ面35Bと、ボビン10の面取り部分に当接される規制面35Cが構成されている。
次に、上記構成のボビン固定装置20でのボビン10の着脱方法について説明する。
ボビン10を装着する際には、ボビン10の中心孔へボビン押さえ30を挿入する。すると、図4に示すように、回転軸23の外側へ突出していた押さえ片35は、傾斜部分がボビン10に押されて内側へ移動する(以下この位置を「内側位置P2」という)。これにより、ボビン10を位置決め用部材25の配置された位置まで挿入することができる。押さえ片35が内側位置P2へ移動される際には、係合部35Aが案内溝36Dを内側へ移動し、アーム34Aは押さえ片35側が内側へ、支持部材34B側が下側へ移動し、これにより解除ボタン32も下側へ移動する。
ボビン10が位置決め用部材25に当接されると、図2に示すように、バネ部材33により解除ボタン32と共に支持部材34Bが上側へ移動し、アーム34Aの支持部材34B側が上側へ移動すると共に、押さえ片35側が外側へ向かって移動し、規制面35Cがボビン10に当接される位置まで外側に突出される。このとき、押さえ面35Bは、ボビン10の上面に当接され、ボビン10が回転軸23から抜け出す方向(Y方向)の移動が規制される。
本実施形態のボビン固定装置20によれば、ボビン10にボビン押さえ30を差し込む動作のみにより、容易に押さえ片35でボビン10の抜けを防止することができる。
ボビン10を取り外す際には、解除ボタン32を下側に押し込む。これにより、図5に示すように、支持部材34Bが下側へ移動し、アーム34Aの支持部材34B側が下側へ移動することにより、アーム34Aの押さえ片35側が内側へ向かって移動し、押さえ片35の係合部35Aも案内溝36Dに沿って移動し、押さえ片35が押さえ孔36C内へ移動する。この状態で、ボビン10を上側へ移動させて、ボビン10をボビン固定装置20から取り外す。解除ボタン32の押圧を解除することにより、解除ボタン32はバネ部材33により上側へ押し上げられる。また、押さえ片345も前述のように、突出位置P1へ戻る。
本実施形態のボビン固定装置20によれば、解除ボタン32を押圧することにより、簡単にボビン10を取り外すことができる。
なお、本実施形態では、解除ボタン32の上下動に連動した動作により押さえ片35を突出位置P1と内側位置P2との間で移動させる機構について説明したが、押さえ片35の移動機構は、上記のものに限定されず、他のあらゆる機構を採用することができる。
本発明の実施形態に係るボビン固定装置の断面図である。 本発明の実施形態に係るボビン固定装置の一部の、ボビンが固定された状態における断面図である。 本発明の実施形態に係るボビン固定装置のボビンが固定された状態を示す上面図である。 本発明の実施形態に係るボビン固定装置の一部の、ボビン挿入時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るボビン固定装置の一部の、ボビン取り外し時の状態を示す断面図である。 従来のボビン固定装置の断面図である。
符号の説明
20 ボビン固定装置
21 基台
23 回転軸
25 位置決め用部材
32 解除ボタン
33 バネ部材
34A アーム
34B 支持部材
34 連結部
35 押さえ片
35B 押さえ面
35C 規制面
P1 突出位置
P2 内側位置

Claims (4)

  1. ボビンが挿入される回転軸と、
    前記挿入されたボビンの挿入先端側に当接し前記ボビンの挿入方向の位置決めをする位置決め部材と、
    前記回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、前記外周面よりも内側の内側位置と、の間を移動可能とされ、前記突出位置において前記ボビンの挿入後端側に当接されて前記ボビンの前記回転軸から抜け出す方向への移動を規制する可動部材と、
    を備えたボビン固定装置。
  2. 前記回転軸の端部に取り付けられ、前記回転軸の軸方向に移動可能とされた解除部材と、
    前記可動部材と前記解除部材とを連結し、前記解除部材の前記軸方向の移動に連動させて前記可動部材を前記突出位置と前記内側位置との間で移動させる連結部材と、
    を備えた請求項1に記載のボビン固定装置。
  3. 前記可動部材は、前記位置決め部材側へ向かって前記外周面からより多く突出されるように傾斜がつけられていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のボビン固定装置。
  4. 前記解除部材を前記回転軸から離れる方向に付勢すると共に前記可動部材を前記突出位置へ向かって付勢する付勢部材と、
    前記解除部材の前記回転軸から離れる方向への移動を規制する解除規制部材と、
    前記可動部材の前記突出位置よりも外側への移動を規制する突出規制部材と、
    を備えた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボビン固定装置。
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