JP2007111437A - 高機能性フィルター及びその製造法 - Google Patents

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【課題】 茶の抽出成分をフィルターに含浸又は練りこみや、従来のような媒染剤による染色的手法では、機能性成分であるカテキン自体は添着されているものの、その効果が持続せず、さらなる改良が必要であった。本発明は、機能性成分であるエピガロカテキンガレートを効率的に繊維に結合する方法を見出し、添加されたエピガロカテキンガレートの量に期待される効果を有する抗菌・消臭性フィルター及びその持久力のすぐれたフィルターの製造法を提供することを目的とする。
【解決手段】 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維に抗菌、消臭、抗ウイルス、抗カビ成分であるエピガロカテキンガレートを化学的に結合させ、その効果の持続性を高めたフィルター及びその製造法に関するものである。
自動車や家庭用の空気清浄機やエアーコンディショナーの天然フィルターに機能性素材を付着させて、消臭、抗ウイルス等を目的としてフィルターが汎用されている。
茶の抽出成分、例えばポリフェノール類やカテキン類等を有効成分とするウィルス不活性化剤をフィルターに含浸又はフィルター素材に練り込む方法(例えば特許文献1)、集塵フィルターと茶の抽出成分を添着する方法(例えば特許文献2)、フィルターを構成する繊維としてコロナ放電処理された繊維を用い、それに、植物由来のポリフェノール化合物系消臭成分が染着担持されている方法(例えば特許文献3)、媒染剤の助けを借りた染色手段により染色担持されている方法(例えば特許文献4)等が挙げられる。
用途については、肌と接触する用途、ファッション性を有する用途のほか、空気清浄機やエアーコンディショナーのフィルター等しても用いることができるとしている。
特開平7−148407号公報(第2頁〜第8頁、補1〜2) 特開平8−266828号公報(第2頁〜第7頁) 特開平11−333225号公報(第2頁〜第8頁) 特開平9−316786号公報(第2頁〜第5頁)
しかしながら、茶の抽出成分をフィルターに含浸又は練りこみや、従来のような媒染剤による染色的手法では、機能性成分であるカテキン自体は添着されているものの、その効果が持続せず、さらなる改良が必要であった。
茶の抽出成分を水に溶解して水溶液としてからフィルターに含浸付着させた場合、つまり含浸による担持方法にあっては、固着性も耐水性も不足するため、水分と接触する使い方や、時々水洗を行うような使い方をするときには、付着成分が容易に失われてしまうという問題点がある。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的とし、鋭意研究を重ねた結果、機能性成分であるエピガロカテキンガレートを効率的に繊維に結合する方法を見出し、添加されたエピガロカテキンガレートの量に期待される効果を有する抗菌・消臭性フィルター及びその持久力のすぐれたフィルターの製造法を提供することを目的とするものである。
本発明に使用しているエピガロカテキンガレートは、カテキン類の中でも、特に、抗菌性、消臭能力、抗酸化能、抗ウイルス作用を始め様々な作用に優れることが一般的に知られている。そこでエピガロカテキンガレートを多く含む組成物をフィルターに用いることで、従来以上の抗菌能力、消臭能力に優れたフィルターを提供できる。しかし、エピガロカテキンガレートの有用な作用がある反面、酸素中や光で酸化されやすいことが知られている。そこでアスコルビン酸を併用することによりアスコルビン酸がエピガロカテキンガレートの還元剤として作用し、その効果が持続される。また、本発明におけるエピガロカテキンガレートの担持法では、長期にわたってその効果を発揮することができ、エアーコンディショナーや空気清浄機のフィルターをはじめ多目的素材としてさまざまな分野での利用が期待される。
本発明においては、有効成分を担持させる材料として、フィルターを構成するための繊維を用いる。その繊維の材質としては、セルロース系繊維やタンパク質系繊維等の親水性官能基を有する、表面が親水性の繊維が好ましい。セルロース系繊維には例えば、紙、木綿、亜麻、ラミー、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセル等が挙げられ、タンパク質系繊維には例えば、羊毛・絹・再生タンパク質繊維等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いてもよい。繊維のもつ官能基によってカテキンとの結合状態がかわるが、好ましくは毛・絹であり、さらに好ましくは木綿・亜麻である。
そのほか、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂やビスコースレーヨン、アンモニアレーヨン、アセテート、トリアセテート等のセルロース系高分子を不織布化したものや紙製品、木製品等も本発明にいう繊維として使用可能である。
本願発明におけるエピガロカテキンガレートとは、茶等のツバキ科植物から抽出したエピガロカテキンガレート、及びこれらの誘導体、重合体、立体異性体から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。天然・合成のいずれも使用できるが、天然の植物抽出物が好ましい。
中でも、効果の点より、緑茶より抽出して得られるエピガロカテキンガレートが好ましい。
エピガロカテキンガレートは、上記の植物より、公知の方法、例えば、熱水、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等から選ばれる1種又は2種以上の溶媒により抽出することができる。エピガロカテキンガレートを含有した茶抽出物を得る方法としては、特に限定するものではなく、例えば、茶葉又は茶葉を粉砕したものを、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分、又は、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分に酢酸エチルやアセトンを加えて分画したときの酢酸エチルやアセトン画分より得ることができる。好ましくは、茶葉又は茶葉を粉砕したものを、水又は熱水より抽出した画分に酢酸エチル又はアセトンを加えて分画したときの酢酸エチルやアセトン画分より得る方法である。
得られた抽出物中のエピガロカテキンガレートは特に単離する必要はないが、抽出物中のエピガロカテキンガレート含量は、抽出物中の総カテキン含量に対して好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。
なお、サンフェノン(太陽化学株式会社製)、カメリアエキス(太陽化学株式会社製)、テアフラン(株式会社伊藤園製)、ポリフェノン(東京フードテクノ株式会社製)等、市販のエピガロカテキンガレート含有素材も使用できる。
本願発明におけるアスコルビン酸とは、果実・野菜類等多くの植物に含まれる有機酸であり、果実・野菜類から抽出したものや化学合成品等が利用できる。
本発明で用いる2価以上の金属イオンとしては、銅イオン(硫酸銅等の銅塩)、鉄イオン(木酢酸鉄、硫酸第一鉄、硝酸鉄、酢酸第一鉄、木酢酸鉄等の鉄塩)、カルシウムイオン(酢酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム塩)、チタンイオン(有機酸のチタン塩)、アルミニウムイオン(酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバン、焼ミョウバン、カリミョウバン等のアルミニウム塩)、スズイオン(スズ塩)、亜鉛イオン(亜鉛塩)、クロムイオン(クロム塩)、コバルトイオン(コバルト塩)マンガンイオン(マンガン塩)、バリウムイオン(バリウム塩)等が挙げられる。
金属イオンの種類によって結合状態が異なるが、好ましくは銅イオン又はアルミニウムイオンである。
銅イオン又はアルミニウムイオンとしては、特に限定するものではないが、好ましくは硫酸銅又はミョウバンを使用するとよい。
2価以上の金属イオンを繊維に含有させる方法としては、特に限定するものではないが、例えば、2価以上の金属イオンを含む溶液に繊維を含浸させる方法や、2価以上の金属を繊維に練りこむ方法が挙げられる。
2価以上の金属イオンを含む溶液に繊維を含浸させるときの条件として、2価以上の金属を含む溶液の濃度は特に限定するものではないが、0.1重量%〜10重量%が好ましく、1重量%〜5重量%がさらに好ましい。
2価以上の金属イオンを含む溶液の温度についても特に限定するものではないが、10℃〜沸騰温度までの水又は温水が好ましい。
また、処理時間は特に限定するものではないが、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分から2時間である。
2価以上の金属イオンの繊維製品への付着量としては特に限定するものではないが、繊維重量に対して0.01重量%〜5重量%が好ましく、0.05重量%〜2重量%がさらに好ましい。
また、2価以上の金属をあらかじめフィルターの材料となる繊維に練りこんでもよい。繊維に練りこむときの温度条件としては特に限定するものではないが、例えば150℃〜300℃であり、200〜300℃で混練することが好ましい。
2価以上の金属イオンの繊維への混入量としては特に限定するものではないが、繊維重量に対して0.01重量%〜5重量%が好ましく、0.05重量%〜2重量%がさらに好ましい。
2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させる方法としては、特に限定されるものではないが、エピガロカテキンガレートを含む溶液に2価以上の金属イオンを含有する繊維を含浸させればよい。
さらに、エピガロカテキンガレートの効果を持続させるために、アスコルビン酸を結合させることが好ましい。アスコルビン酸を結合させる方法としては、アスコルビン酸を含む溶液に繊維を含浸させればよい。
この時、2価以上の金属イオンを含有する繊維を、エピガロカテキンガレートを含む溶液に含浸させた後、アスコルビン酸を含む溶液に含浸させてもよいし、エピガロカテキンガレート及びアスコルビン酸の両方を含む溶液に含浸させてもよい。エピガロカテキンガレート及びアスコルビン酸の両方を含む溶液に繊維を含浸させた方が、工程が簡単となるため好ましい。
エピガロカテキンガレートとアスコルビン酸を含む溶液に含浸させるときの条件として、エピガロカテキンガレートの濃度は特に限定するものではないが、0.01重量%〜20重量%が好ましく0.1重量%〜10重量%がさらに好ましい。アスコルビン酸の量としては特に限定するものではないが、エピガロカテキンガレートに対して、1重量%〜100重量%が好ましく、5重量%〜30重量%がさらに好ましい。
エピガロカテキンガレートとアスコルビン酸を含む溶液の温度についても特に限定するものではないが、10℃〜沸騰温度までの水又は温水が好ましい。
また、処理時間は特に限定するものではないが、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分から2時間である。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(材料)
エピガロカテキンガレートを含む組成物の一例として、緑茶抽出物(商品名:サンフェノン100S、太陽化学株式会社製、総カテキン含量に対するエピガロカテキンガレート含量:40%)を、繊維の一例として、ろ紙(材質:セルロース繊維、30cm×30cm,10g)を使用した。2価以上の金属として硫酸銅溶液、ミョウバンを使用した。
実施例1.本願発明品のフィルターの調製1
硫酸銅15gを、水300mlに溶解し、2価以上の金属イオンを含む処理液を調製した。この処理液にろ紙10gを80℃で30分含浸させ、自然乾燥処理をおこなった。
緑茶抽出物(サンフェノン100S、太陽化学製)15gを300mlの水に溶解した後、この溶液中に上述処理後のろ紙を、80℃で30分含浸させた。
次いで、水洗・自然乾燥処理をおこない、本願発明品のフィルターAを得た。
得られたフィルターへの銅イオンの付着量は0.1g(1%)、エピガロカテキンガレートの結合量は0.054gであった。
実施例2.本願発明品のフィルターの調製2
硫酸銅15gを、水300mlに溶解し、2価以上の金属を含む処理液を調製した。この処理液にろ紙10gを80℃で30分含浸させ、自然乾燥処理をおこなった。
緑茶抽出物(サンフェノン100S、太陽化学製)15g、アスコルビン酸(和光純薬製)1.5gを300mlの水に溶解し、エピガロカテキンガレートとアスコルビン酸を含む処理液を調製した。この処理液中に上述処理後のろ紙を、80℃で30分含浸させた。
次いで、水洗・自然乾燥処理をおこない、本願発明品のフィルターBを得た。
得られたフィルターへの銅イオンの付着量は0.1g(1%)、エピガロカテキンガレートの結合量は0.054gであった。
実施例3.本願発明品のフィルターの調製3
ミョウバン15gを、水300mlに溶解し、2価以上の金属を含む処理液を調製した。この処理液にろ紙10gを80℃で30分含浸させ、自然乾燥処理をおこなった。
緑茶抽出物(サンフェノン100S、太陽化学製)15g、アスコルビン酸(和光純薬製)1.5gを300mlの水に溶解し、エピガロカテキンガレートとアスコルビン酸を含む処理液を調製した。この処理液中に上述処理後のろ紙を、80℃で30分含浸させた。
次いで、水洗・自然乾燥処理をおこない、本願発明品のフィルターCを得た。
得られたフィルターへのアルミニウムイオンの付着量は0.1g(1%)、エピガロカテキンガレートの結合量は0.051gであった。
比較例1.比較品のフィルターの調製1
緑茶抽出物(サンフェノン100S、太陽化学製)15gを300mlの水に溶解した後、この溶液中に上述処理後のろ紙を、80℃で1時間含浸させた。
次いで、水洗・自然乾燥処理をおこない、比較品のフィルターDを得た。
得られたフィルターへのエピガロカテキンガレートの結合量は0.025gであった。
比較例2.比較品のフィルターの調製2
硫酸銅15gを、水300mlに溶解し、2価以上の金属を含む処理液を調製した。この処理液にろ紙10gを80℃で30分含浸させ、自然乾燥処理をおこなった。
ブドウ種子ポリフェノール(グラヴィノール、キッコーマン製、エピガロカテキンガレート含量:0重量%)15g、アスコルビン酸(和光純薬製)1.5gを300mlの水に溶解し、処理液を調製した。この処理液中に上述処理後のろ紙を、80℃で30分含浸させた。
次いで、水洗・自然乾燥処理をおこない、比較品のフィルターEを得た。
得られたフィルターへの銅イオンの付着量は0.1g(1%)であった。
試験例1.抗菌性試験
滅菌処理したマンニット食塩寒天培地を滅菌シャーレに分注し固めた後、実施例1,2,3、比較例1,2で得られたフィルター及び無加工のろ紙(対照として)を1cm四方に切ったものをのせ、さらにその上から黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus IFO 12732)を1.0×10/mlに調製したブイヨン懸濁液を注ぎ、37℃のインキュベーターで24時間培養後の生菌数を計測した。菌数測定法により黄色ブドウ状球菌に対する抗菌活性を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2007111437
この結果より、本願発明品は、黄色ブドウ状球菌に対する抗菌活性があることが示された。
試験例2.消臭効果持続性試験
次に、本願発明品の消臭効果持続性試験をおこなった。
実施例1,2,3、比較例1,2で得られたフィルターの使用回数とタバコ臭に対する消臭率との関係を調べた。
タバコ臭の測定方法は、以下の装置を用いておこなった。1mの密閉されたアクリル製反応器内に、喫煙機、攪拌ファン及びフィルターを装着した吸引ヘッドをセットし、攪拌ファンを回しながら、喫煙機に差し込んだタバコ5本を燃焼させた。測定口よりタバコ臭の成分であるアンモニアの初期濃度を検知管(ガステック製)で測定した。攪拌ファンを停止し、カテキンエアフィルタ用ファン(300m/hrs.)で30分間運転、ファンの吸引力で反応器の気体をフィルターに通過させ、残存濃度を測定した。この操作を20回まで繰り返し、使用回数による消臭率の変化を調べた。
消臭率はフィルターを使用しないときのアンモニア濃度を100とし、下記の式により計算した。
消臭率=(1−C/C)×100
C:初期濃度(ppm)
:残存濃度(ppm)
結果を表2に示す。
なお、使用回数が1回目の消臭率に対する各回数の消臭率の割合(%)を括弧内に併記した。
Figure 2007111437
この結果より、本願発明品は、無加工品や比較品に比べて、優れた持久力を持つことが示された。
試験例3.洗浄残存性試験
実施例1,2,3、比較例1で得られたフィルターについて、洗浄回数とエピガロカテキンガレートの担持量との関係を調べた。なお、比較例2のフィルターは、エピガロカテキンガレートを担持していないため、試験から除外した。
洗浄・乾燥方法は、フィルター10gを100mlの水に1分間含浸させ、取り出し、自然乾燥をおこなった。洗浄・乾燥の操作を30回まで繰り返し、フィルターに残存しているエピガロカテキンガレート含量を測定した。
エピガロカテキンガレート含量の測定は、以下の手順で行った。
試験に供したフィルターを抽出しやすいように細かく切り、0.1%塩酸入りの80%メタノールで30分間抽出しフィルター(PTFE,0.45μm)でろ過後、島津製作所社製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い以下の条件で分析をおこなった。
(分析条件)
サンプル注入量:10μL
流量:0.8mL/min
UV検出器波長:280nm
溶離液A:メタノール/水/リン酸 (17:83:0.5)
カラム:CAPCELL PAK C18 UG120 S3(内径4.6mm×長さ100mm;資生堂)
ガードカラム:CAPCELL PAK C18 UG120 guard cartridge(内径2.0mm×長さ10mm;資生堂)
温度 : 35℃
ここで求めたエリア%から標準物質により重量%を求めた。
結果はフィルター10gあたりに保持されているエピガロカテキンガレート含量(g)で表し、表3に示した。(表中“−”は、検出されなかったことを意味する)
なお、未洗浄の担持量に対する洗浄回数が各回数目の担持量の割合(%)を括弧内に併記した。
Figure 2007111437
表3から、繰り返しの洗浄によりカテキン担持量は減少していくものの、本発明処理でエピガロカテキンガレートを担時させた場合には、比較品では1回の洗浄により約半分になってしまうのに対し、25回の洗浄後も、なお必要量のカテキンが担持されていることがわかる。フィルターの洗浄頻度を考慮すると、カテキン担持量の減少の度合は、充分に許容範囲にある。
実施例4.本願発明品のフィルターの調製4
フィルター素材であるポリプロピレン300gに、硫酸銅3gを混合し、200〜250℃で溶融し、その後、フィルム状に成形し、カッティングし不織布化を行った。この不織布をフィルターに成形し、緑茶抽出物(サンフェノン100S)5gを300mlに溶解した溶液中に80℃、30分含浸させた。
このフィルターの抗菌性、消臭効果持続性、洗浄残存性を試験したところ、繊維の製造過程において2価以上の金属を練りこんだフィルターにおいても、フィルターを2価以上の金属を含む処理液に浸漬した時と同様の効果があることが判明した。
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1) 2価以上の金属イオンを含む溶液で含浸処理した繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させたことを特徴とするフィルター。
(2) 2価以上の金属イオンを含有した高分子素材を加工したフィルター素材に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させたことを特徴とする前記(1)記載のフィルター。
(3) アスコルビン酸を結合させたことを特徴とする前記(1)又は(2)いずれか記載のフィルター。
(4) エピガロカテキンガレートが緑茶より抽出して得られたものであることを特徴とする前記(1)〜(3)記載のフィルター。
(5) 2価以上の金属イオンが、銅イオン又はアルミニウムイオンであることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載のフィルター。
(6) 2価以上の金属イオンとして、硫酸銅又はミョウバンを使用することを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載のフィルター。
(7) 2価以上の金属イオンの繊維製品への付着量が、繊維重量に対して0.01重量%〜5重量%であることを特徴とする前記(1)〜(6)いずれか記載のフィルター。
(8) 2価以上の金属イオンの繊維製品への付着量が、繊維重量に対して0.05重量%〜2重量%であることを特徴とする前記(1)〜(6)いずれか記載のフィルター。
(9) 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。
(10) 2価以上の金属イオンを含有した高分子素材を加工したフィルター素材に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。
(11) 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物及びアスコルビン酸を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。
(12) 2価以上の金属イオンを含有した高分子素材を加工したフィルター素材に、エピガロカテキンガレート及びアスコルビン酸を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。

Claims (5)

  1. 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させたことを特徴とするフィルター。
  2. 2価以上の金属イオンを含有した高分子素材を用いて加工したフィルター素材に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させたことを特徴とする請求項1記載のフィルター。
  3. アスコルビン酸を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のフィルター。
  4. 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。
  5. 2価以上の金属イオンを含有する繊維に、エピガロカテキンガレート含有組成物及びアスコルビン酸を結合させることを特徴とするフィルターの製造法。
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