JP2003210559A - エアフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
エアフィルタ及びその製造方法Info
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Abstract
く、しかも安価な、エアフィルタ及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 本発明のエアフィルタ10は、カテキン
を有効成分とする消臭剤12と、消臭剤12を担持した
濾材11とを備えたものである。汚れた空気13は、エ
アフィルタ10を通ることによって、塵埃14、アルデ
ヒド類15、悪臭成分16等が吸着及び除去され、きれ
いな空気17となる。このとき、アルデヒド類15等の
化学物質や悪臭成分16は、濾材11の繊維表面に担持
されたカテキンによって吸着される。この吸着は化学的
反応によるので、活性炭のような物理的吸着とは異な
り、温度上昇に伴う吸着物質の再放出は極めて少ない。
Description
行機、鉄道車両、住宅、事務所、工場などのあらゆる室
内において、空気から塵埃、化学物質、臭気等を除去す
る、エアフィルタ及びその製造方法に関する。塵埃と
は、チリ、ホコリ、花粉などである。化学物質とは、室
外から侵入するアルデヒド類や、タバコの煙に含まれる
成分などである。臭気とは、タバコの臭いや、人体から
発するアンモニアやアミン系の臭いである。
フィルタとして、活性炭粒子を用いたものがある。図7
は、この種のエアフィルタを示す概略断面図である。エ
アフィルタ90は、自動車用エアキャビンフィルタであ
って、二枚のポリエステル繊維の不織布からなる濾材9
1,92の間に、直径1mm程の粒子状の活性炭93を
均一散布した、サンドイッチ構造を呈している。汚れた
空気94は、エアフィルタ90を通ることによって、き
れいな空気95となる。
いや化学物質に対して吸着性能を有している。活性炭に
よる脱臭メカニズムは、活性炭の表面及び内部に存在す
る微細ポアに、化学物質が浸透しかつトラップされる、
物理吸着現象によるものである。
を用いたエアフィルタでは、次のような問題があった。
高温雰囲気下になると、活性炭から脱離して、室内に再
放出される。特に、自動車においては、真夏の直射日光
下で窓を閉めエアコン(エアーコンディショナ)を停止
させると、車室内の温度が50℃以上に達する。そのた
め、高温下においては、活性炭に吸着された化学物質
が、容易に再放出されてしまう。.活性炭は、物理吸
着できる化学物質の量が少ないため、吸着効果の持続性
が短い。.活性炭を用いた車載用エアフィルタは、三
層構造となるため、製造が面倒でコスト高になる。.
物理吸着を促進させるには、通気抵抗を増加させる必要
がある。その結果、送風ファンの出力容量も増加させな
ければならない。
着効果が高く、通気抵抗が低く、しかも安価な、エアフ
ィルタ及びその製造方法を提供することにある。
タ(請求項1)は、カテキンを有効成分とする消臭剤
と、この消臭剤を担持した濾材とを備えたものであり、
次の作用を奏する。.カテキンは化学物質を化学的に
吸着する。物理吸着の結合エネルギよりも、化学吸着の
結合エネルギの方がはるかに大きい。したがって、高温
雰囲気下でも、カテキンに一度吸着された化学物質は、
カテキンから脱離しにくい。.カテキンは、化学吸着
であるので、吸着効果の持続性が長い。.濾材は単一
層で十分であるので、製造が容易でコスト安になる。
.化学吸着であるため、通気抵抗をそれほど増加させ
る必要がない。その結果、送風ファンの出力容量も小さ
くてよい。.カテキンは、心を和やかにする芳香を発
する。なお、ここでいう「担持」には、「挟持」も含ま
れる。請求項1記載のエアフィルタは、濾材が単一層で
十分であるので、製造が容易でコスト安になる。
側に設けられた第一の濾材と、カテキンを有効成分とす
る消臭剤を担持するとともに空気流出側に設けられた第
二の濾材と、の二層構造を備えたものである。汚れた空
気は、まず第一の濾材を通ることにより主に塵埃が捕集
され、続いて第二の濾材を通ることにより主に化学物質
が吸着される。そのため、二重の濾材によって、塵埃に
対する捕集効果が向上する。また、塵埃の多くが第一の
濾材で捕集されることにより、第二の濾材を覆う塵埃を
抑制できるので、第二の濾材における化学吸着の持続性
が向上する。このように、第一の濾材を空気流入側に設
け、第二の濾材を空気流出側に設けることにより、第一
及び第二の濾材を単に重ねただけでは得られない、新た
な作用が得られる。
記載のエアフィルタにおいて、第一の濾材と第二の濾材
との間に活性炭が挟持されたものである。汚れた空気
は、まず第一の濾材を通ることにより主に塵埃が捕集さ
れ、続いて活性炭を通ることにより主に化学物質が吸着
され、続いて第二の濾材を通ることにより主に活性炭か
ら再放出された化学物質が吸着される。そのため、二重
の濾材によって、塵埃に対する捕集効果が向上する。ま
た、塵埃の多くが第一の濾材で捕集されるとともに化学
物質の多くが活性炭で吸着されることにより、第二の濾
材を覆う塵埃及び化学物質を抑制できるので、第二の濾
材における化学吸着の持続性が向上する。更に、高温下
で活性炭から脱離する化学物質を第二の濾材で捕捉でき
るので、活性炭の欠点を補える。このように、第一の濾
材及び活性炭を空気流入側に設け、第二の濾材を空気流
出側に設けることにより、第一及び第二の濾材及び活性
炭を単に重ねただけでは得られない、新たな作用が得ら
れる。
又は3記載のエアフィルタにおいて、第一の濾材もカテ
キンを有効成分とする消臭剤を担持したものである。こ
れにより、二重の濾材によって、化学物質に対する吸着
効果が向上する。
乃至4のいずれかに記載のエアフィルタにおいて、芳香
剤を担持したものである。カテキンの発する香りと、芳
香剤の発する香りとが相俟って、更に高いアロマテラピ
ー効果が得られる。
乃至5のいずれかに記載のエアフィルタにおいて、エア
コンの空気流入側に設けられるものである。そのため、
空気は、エアフィルタを通ってエアコンに流入する。こ
のとき、エアフィルタのカテキンには抗菌能があるの
で、エアコン臭(悪臭)の原因となるカビ等の繁殖が抑
えられる。
乃至5のいずれかに記載のエアフィルタにおいて、エア
コンの空気流出側に設けられるものである。そのため、
空気は、エアコンを流出して、エアフィルタを通る。こ
のとき、エアフィルタのカテキンには消臭作用があるの
で、エアコンから発生したエアコン臭が抑えられる。
乃至7のいずれかに記載のエアフィルタにおいて、自動
車の室内用としたものである。自動車の室内は、例えば
真夏の炎天下などで容易に50℃に達する。しかし、エ
アフィルタのカテキンは化学物質を化学的に吸着してい
るので、その程度の温度では化学物質がカテキンから脱
離することはない。
求項9)は、カテキンをバインダ溶液に混ぜてカテキン
・バインダ混合溶液を調整し、次のようにして、カテキ
ンを有効成分とする消臭剤を濾材に担持させる。カテキ
ン・バインダ混合溶液を濾材に噴霧する。カテキン・バ
インダ混合溶液を濾材に塗布する。カテキン・バインダ
混合溶液に濾材を浸漬する。これらの方法により、本発
明に係るエアフィルタが容易に生産される。
は、請求項9記載のエアフィルタの製造方法において、
一方のロールに巻き取られた濾材を繰り出し、繰り出さ
れた濾材に対し前記噴霧、前記塗布又は前記浸漬を行い
つつ再び他方のロールに巻き取るものである。この方法
により、カテキンを有効成分とする消臭剤を、濾材に連
続的に担持させることが可能となる。
説明する。低精製度のカテキンには、たんぱく質や糖質
などの不純物が多く含まれる。そのため、低精製カテキ
ンを使用した場合には、以下の問題点が起こる可能性が
ある。
つきが発生する。そのため、エアフィルタを通過する風
もべたついたものとなる。(b).カテキンには本来雑
菌の繁殖を防止する効果がある。しかし、糖質が多い
と、温度・湿度が高い条件下で雑菌が繁殖する可能性が
ある。そのため、雑菌の繁殖により悪臭が発生する可能
性がある。(c).糖質が多いと高温時に、においが発
生する。(d).不純物が多いと、カテキンの担持力が
弱くなるので、結露等によって濾材からカテキンが脱落
する可能性がある。そのため、フィルタの性能劣化が早
くなる可能性がある。
不純物が少ないカテキンを使用することが望ましい。
消臭剤として、カテキンを有効成分として含む植物(以
下「カテキン植物」という。)を用いてもよい。カテキ
ン植物として、茶又は茶の粉末を用いてもよい。茶は、
カテキンを豊富に含むとともに、広く流通しているの
で、比較的安価である。また、茶の粉末は、茶の廃棄物
である茶殻とすることが好ましい。茶殻は、廃棄物であ
るので更に安価に入手できるからである。
例えば茶殻を粉砕して茶粉末を作製し、濾材の表裏の少
なくとも一方に茶粉末を均一に散布する。このとき、濾
材の作用を損なわない程度に、予め接着剤などを濾材に
散布しておいてもよい。
取り除いた残りであり、茶葉の生産工程において細かく
刻まれて廃棄されるものである。この茶殻にも、カテキ
ンは豊富に含まれている。したがって、茶殻は、廃棄さ
れたそのままを用いてもよいし、更に粉砕して直径25
μm〜数mm程度に整粒したものを用いてもよい。そし
て、濾材の重量に対し例えば0.05wt%〜50wt
%の茶殻を、濾材に均一に散布することにより、エアフ
ィルタに消臭作用及び抗菌能を付加する。また、茶殻か
らのカビの発生を抑えるために、食品用の防カビ剤(例
えばTBZ:チオベンタゾールなど)を添加してもよ
い。
を用いた場合は、次の効果を奏する。
には、次のような問題がある。(1)カテキンを茶など
から抽出する技術が、極めて複雑である。そのため、特
別な設備が必要になるとともに、多くの手間及び時間が
かかる。(2)カテキンを濾材に担持させる技術が、極
めて複雑である。カテキンが親水性であるのに対し、車
載用エアフィルタとして使われる濾材はポリエステルな
どの疎水性のものが多い。そのため、カテキンを濾材へ
担持させるには、バインダと呼ばれる接合材が必要とな
る。したがって、カテキン・バインダ混合溶液を濾材に
含浸、噴霧又は塗布する工程、それを乾燥する工程、及
びそれらの設備が必要となる。
などを、そのまま用いることができる。しかも、二枚の
濾材の間にカテキン植物を挟持するだけで、簡単にカテ
キン植物を濾材に担持できる。したがって、本発明に係
るエアフィルタによれば、カテキンそのものではなくカ
テキン植物を用いることにより、製造が容易であるの
で、低価格化を達成できる。しかも、カテキン植物の深
奥にもカテキンが含まれているので、カテキンの作用を
長続きさせることができる。
詳しく説明する。
を用いる場合は、カテキン植物からカテキンを抽出し、
これをバインダと混ぜる工程が必要となる。これに対
し、本発明では、カテキン植物そのものを用いることに
より、それらの工程が不要になるので、製造費が安価に
なる。しかも、カテキン植物として茶殻を用いれば、本
来廃棄されるものであるため、ほとんど原材料費もかか
らない。
そのものを用いるエアフィルタでは、ロール状濾材(バ
インダ含浸済)→折り加工(プリーツ)→加熱処理、と
いう工程で形状を維持している。これに対し、本発明で
は、カテキン植物が骨材になるので、エアフィルタの加
工の際にバインダが不要となる。カテキン植物が骨材に
なるということは、カテキン植物を濾材に担持させるこ
とにより、濾材にコシができて加工しやすくなる、とい
うことである。つまり、カテキン植物を濾材に担持させ
た場合、濾材の剛性が高くなるため、濾材の折り曲げ加
工等がしやすくなるのである。その結果、濾材の厚みを
薄くできるので、通気抵抗の増加も迎えられる、という
副次的な効果も奏する。
集剤となる。カテキン植物中のカテキンが化学物質を化
学的に吸着する上、カテキン植物中の植物組織(多孔質
層)が微細粒子や塵埃等を物理的に捕集する。したがっ
て、カテキンそのものを用いた場合に比べて、物理的な
除去効果が向上する。
カテキンは、植物組織に覆われているので、少しずつ時
間をかけて外側に出てくる。したがって、本発明ではカ
テキンの作用を長続きさせることができる。また、温度
が高くなるほど、カテキンの化学反応速度が上昇するの
で、カテキンの作用の持続時間が短くなる。本発明で
は、カテキンが植物組織に覆われているので、温度が上
昇してもカテキンの消耗を抑えられる。したがって、直
射日光などによって温度が上昇しやすい自動車等の車室
内用として、好適なエアフィルタを実現することができ
る。
フィルタの第一実施形態を示す概略断面図である。図1
[2]は、本発明で用いられるカテキンの一例の化学構
造を示す説明図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
ンを有効成分とする消臭剤12と、消臭剤12を担持し
た濾材11とを備えたものである。カテキンとは、茶な
どに多く含まれるポリフェノール類の一種であり、エピ
カテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、
エピガロカテキンガレート等が代表的である。特に緑茶
には、エピガロカテキン及びエピガロカテキンガレート
が豊富に含まれている。濾材11は、例えばポリエステ
ル、ポリエチレンなどの不織布である。濾材11の重量
に対し例えば0.05wt%〜10.0wt%のカテキ
ンを濾材11に担持させることにより、エアフィルタ1
0に消臭作用及び抗菌能を付加する。
る。汚れた空気13は、エアフィルタ10を通ることに
よって、塵埃14、アルデヒド類15、悪臭成分16等
が吸着及び除去され、きれいな空気17となる。このと
き、アルデヒド類15等の化学物質や悪臭成分16は、
濾材11の繊維表面に担持されたカテキンによって吸着
される。この吸着は化学的反応によるので、活性炭のよ
うな物理的吸着とは異なり、温度上昇に伴う吸着物質の
再放出は極めて少ない。更に、カテキンの抗菌能によ
り、例えばエアコン臭の原因となるカビ等の微生物の発
生を抑えることができる。なお、カテキンは、茶に含ま
れる天然物であるので人体に対して無害であるばかりで
なく、その芳香によって心を和ませるなどのアロマテラ
ピー効果がある。
の第二実施形態を示す概略断面図である。以下、この図
面に基づき説明する。ただし、図1[1]と同じ部分は
同じ符号を付すことにより説明を省略する。
入側に設けられた濾材21と、カテキンを有効成分とす
る消臭剤12を担持するとともに空気流出側に設けられ
た濾材11と、の二層構造を備えたものである。汚れた
空気13は、まず濾材21を通ることにより主に塵埃が
捕集され、続いて濾材11を通ることにより主に化学物
質が吸着され、きれいな空気17となる。そのため、二
重の濾材21,11によって、塵埃に対する捕集効果が
向上する。また、塵埃の多くが濾材21で捕集されるこ
とにより、濾材11を覆う塵埃を抑制できるので、濾材
11における化学吸着の持続性が向上する。このよう
に、濾材21を空気流入側に設け、濾材11を空気流出
側に設けることにより、濾材21,11を単に重ねただ
けでは得られない、新たな作用が得られる。
の第三実施形態を示す概略断面図である。以下、この図
面に基づき説明する。ただし、図2[1]と同じ部分は
同じ符号を付すことにより説明を省略する。
1と濾材11との間に活性炭31が挟持されたものであ
る。汚れた空気13は、まず濾材21を通ることにより
主に塵埃が捕集され、続いて活性炭31を通ることによ
り主に化学物質が吸着され、続いて濾材11を通ること
により主に活性炭31から再放出された化学物質が吸着
され、きれいな空気17となる。そのため、二重の濾材
21,11によって、塵埃に対する捕集効果が向上す
る。また、塵埃の多くが濾材21で捕集されるとともに
化学物質の多くが活性炭31で吸着されることにより、
濾材11を覆う塵埃及び化学物質を抑制できるので、濾
材11における化学吸着の持続性が向上する。更に、高
温下で活性炭31から脱離する化学物質を濾材11で捕
捉できるので、活性炭31の欠点を補える。このよう
に、濾材21及び活性炭31を空気流入側に設け、濾材
11を空気流出側に設けることにより、濾材21,11
及び活性炭31を単に重ねただけでは得られない、新た
な作用が得られる。
の第四実施形態を示す概略断面図である。以下、この図
面に基づき説明する。ただし、図2[1]と同じ部分は
同じ符号を付すことにより説明を省略する。
入側の濾材41もカテキンを有効成分とする消臭剤42
を担持したものである。これにより、二重の濾材41,
11によって、化学物質に対する吸着効果が向上する。
の第五実施形態を示す概略断面図である。以下、この図
面に基づき説明する。ただし、図3[1]と同じ部分は
同じ符号を付すことにより説明を省略する。
1の空気流入側にもう一つ濾材51を設けたものであ
る。これにより、三重の濾材51,41,11によっ
て、塵埃に対する捕集効果が向上する。換言すると、本
実施形態エアフィルタ50は、第二実施形態のエアフィ
ルタ20(図2[1])と第四実施形態のエアフィルタ
40(図3[1])とを組み合わせたものである。この
ように、第一乃至第四実施形態のエアフィルタ10,2
0,30,40(図1〜図3)をどのように組み合わせ
てもよい。
の第六実施形態を示す正面図である。図4[2]は、本
実施形態のエアフィルタが取り付けられるエアコンを示
す概略図である。以下、これらの図面に基づき説明す
る。
ンを有効成分とする消臭剤(図示せず)を担持した濾材
61と、濾材61を裏打ちするフレーム62とを備え、
自動車のエアコン70の空気流入側に設けられるもので
ある。エアコン70は、外気を取り込んで冷却させて冷
気を発生させるクーリング・ユニット71と、発生した
冷気とエンジンの水温により作り出される暖気とをミキ
シングして温度調整し、かつ吹き出し口を変えるヒータ
・ユニット72とに分かれている。クーリング・ユニッ
ト71には、空気流入側から空気取り入れ口78、エア
フィルタ60、ブロワ73及びエバポレータ74が設け
られている。ヒータ・ユニット72には、空気流入側か
らヒータ75、吹き出し口切り替え部76、正面用の吹
き出し口77及び足元用の吹き出し口78が設けられて
いる。
は、エアフィルタ60を通ってエアコン70の内部に流
入する。このとき、空気79中に含まれる塵埃は主に濾
材61によって除去される。また、アルデヒド類に代表
される化学物質は、主にカテキンによって除去される。
タ74では)、湿潤な空気79が急に冷却されることに
より、結露が発生しやすい。その結果、カビ等が繁殖し
て、これがエアコン臭となる。本実施形態ではカテキン
が抗菌能を有するので、カビの胞子等は、エアコン70
の内部に入る前にエアフィルタ60のカテキンによって
大部分が死滅し、エアコン70の内部に侵入してもエア
フィルタ60から飛散するカテキンによって繁殖が妨げ
られる。したがって、エアコン臭が抑制される。
に50℃に達する。しかし、エアフィルタ60のカテキ
ンは化学物質を化学的に吸着しているので、その程度の
温度では化学物質がカテキンから脱離することはない。
の気分を和らげる効果もある。更に、エアフィルタ60
に芳香剤を担持させた場合は、カテキンの発する香り
と、芳香剤の発する香りとが相俟って、更に高いアロマ
テラピー効果が得られる。しかも、エアコン70の作動
時のみ芳香が発生するので、常に芳香を発している従来
の車室内設置型の芳香剤に比べて、芳香の持続性が増す
とともに、微香を保つことができる。エアフィルタ60
に芳香剤を担持させるには、例えば濾材61に芳香剤を
噴霧若しくは塗布する、又は濾材61を芳香剤の溶液に
浸漬するなどの方法による。
の空気流出側、例えばヒータ75の空気流出側に設けて
もよい。この場合、エアフィルタ60のカテキンには消
臭作用があるので、エアコン70から発生したエアコン
臭が抑えられる。
法を示す説明図であり、図5[1]は第一実施形態、図
5[2]は第二実施形態、図5[3]は第三実施形態で
ある。以下、これらの図面に基づき説明する。
アフィルタで多く使われているポリエステルのような疎
水性の濾材81への担持が難しい。そこで、バインダと
呼ばれる接合材を使用する。このバインダには、例えば
アクリル系の水溶性バインダを使用する。まず、緑茶又
は紅茶抽出成分から分離精製したカテキンをバインダ溶
液に混ぜ、0.05wt%〜10.0wt%(カテキン
重量/濾材重量)になるようカテキン・バインダ混合溶
液80を調整する。このカテキン・バインダ混合溶液8
0を、次のようにして濾材81に担持させる。
材81にカテキン・バインダ混合溶液80をスプレ82
等で噴霧後、これを乾燥させることにより、カテキンを
濾材81に担持させる。
材81にカテキン・バインダ混合溶液80を刷毛83
(又はローラ等)で塗布後、これを乾燥させることによ
り、カテキンを濾材81に担持させる。
材81をカテキン・バインダ混合溶液80に浸漬した
後、これを乾燥させることにより、カテキンを濾材81
に担持させる。
4に巻き取られた濾材81を繰り出し、繰り出された濾
材81に対し前記噴霧、前記塗布又は前記浸漬を行いつ
つ再び他方のロール85に巻き取っている。この方法に
より、カテキンを有効成分とする消臭剤86を、濾材8
1に連続的に担持させることが可能となる。なお、カテ
キン・バインダ混合溶液80に更に芳香剤を混合しても
よい。
を示すグラフであり、図6[1]は比較用としての従来
のエアフィルタの場合、図6[2]はカテキン5wt%
のエアフィルタの場合、図6[3]はカテキン1wt%
のエアフィルタの場合である。以下、この図面に基づき
説明する。
について、アルデヒド類の吸着効果を実験した。すなわ
ち、自動車のエアコンにカテキンを担持させたエアフィ
ルタを設置し、窓を閉め切った状態で風量最大(300
m3/h)、かつ内気循環でエアコンを作動させ、車室
内のアルデヒド類濃度の経時変化を測定した。
アフィルタを使用した場合の、アルデヒド類濃度の経時
変化を示す。図6[2]は、カテキン5wt%(カテキ
ン重量/濾材重量)を担持させたエアフィルタを使用し
た場合の、アルデヒド類濃度の経時変化を示す。図6
[3]は、カテキン1wt%(カテキン重量/濾材重
量)を担持させたエアフィルタを使用した場合の、アル
デヒド類濃度の経時変化を示す。
ルタでは、アルデヒド類濃度が減少しない。これによ
り、従来のエアフィルタでは、アルデヒド類濃度の低減
効果がないことを確認した。
5wt%のエアフィルタでは、エアコン作動後15分で
アルデヒド類濃度が80%減少しているので、そのアル
デヒド類吸着効果が明らかである。また、図6[3]に
示すように、カテキン1wt%のエアフィルタでは、カ
テキン5wt%のエアフィルタに比べて減少速度は遅い
ものの、エアコン作動後15分でアルデヒド類濃度が7
0%減少した。
ン5wt%及びカテキン1wt%のエアフィルタは、熱
によってアルデヒド類を再放出することはなかった。な
お、本実施例では濾材としてポリエステルを用いたが、
ポリエチレン等でも同様な効果を得ることができる。ま
た、図示しなかったが、活性炭を用いた従来のエアフィ
ルタ(図7)についても、前述と同様の実験を行った。
その結果、エアコン作動後15分でアルデヒド類濃度が
40%減少した。
実施形態に限定されるものではない。本発明に係るエア
フィルタは、エアコン以外にも、空気清浄機、換気装
置、換気扇、通気口、窓枠などに設置され、空気中の塵
埃を取り除くだけでなく、室内の有害な化学成分や臭気
の除去に有効に活用することができる。
テキンを有効成分とする消臭剤と、この消臭剤を担持し
た濾材とを備えたことにより、次の効果を奏する。.
カテキンは化学物質を化学的に吸着するので、高温雰囲
気下における吸着物質の再放出を抑制できる。.カテ
キンは化学吸着であるので、吸着効果の持続性を向上で
きる。.濾材が単一層で十分であるので、製造の容易
化及びコストの低減化を達成できる。.化学吸着であ
るため通気抵抗が小さいので、送風ファンを小型化でき
る。.カテキンは心を和やかにする芳香を発するの
で、防塵効果及び脱臭効果に加えアロマテラピー効果も
得られる。
流入側に設けられた第一の濾材と、カテキンを有効成分
とする消臭剤を担持するとともに空気流出側に設けられ
た第二の濾材とを備えたことにより、塵埃に対する捕集
効果を向上できる。しかも、第二の濾材を覆う塵埃を抑
制できるので、第二の濾材における化学吸着の持続性を
向上できる。
求項2記載のエアフィルタにおいて、第一の濾材と第二
の濾材との間に活性炭が挟持されたものであるので、二
重の濾材によって塵埃に対する捕集効果を向上できる。
また、第二の濾材を覆う塵埃及び化学物質を抑制できる
ので、第二の濾材における化学吸着の持続性を向上でき
る。更に、高温下で活性炭から脱離する化学物質を第二
の濾材で捕捉できるので、活性炭の欠点を補うことがで
きる。
求項2又は3記載のエアフィルタにおいて、第一の濾材
もカテキンを有効成分とする消臭剤を担持したことによ
り、二重の濾材によって化学物質に対する吸着効果を向
上できる。
求項1乃至4のいずれかに記載のエアフィルタに芳香剤
を担持したことにより、カテキンの発する香りと芳香剤
の発する香りとの相乗作用が発生するので、更に高いア
ロマテラピー効果が得られる。
求項1乃至5のいずれかに記載のエアフィルタがエアコ
ンの空気流入側に設けられることにより、エアフィルタ
のカテキンに抗菌能があるので、エアコン内部でカビ等
が繁殖しにくくなり、これによってエアコン臭の発生を
抑制できる。
求項1乃至5のいずれかに記載のエアフィルタがエアコ
ンの空気流出側に設けられることにより、エアフィルタ
のカテキンに消臭作用があるので、エアコン臭の発散を
抑制できる。
求項1乃至7のいずれかに記載のエアフィルタを自動車
の室内用としたことにより、炎天下などの高温下での吸
着物質の再放出を抑制できる。
れば、カテキンをバインダ溶液に混ぜてカテキン・バイ
ンダ混合溶液を調整し、噴霧、塗布又は浸漬によってカ
テキンを有効成分とする消臭剤を濾材に担持させること
により、疎水性の濾材にも簡単にカテキンを担持させる
ことができるので、本発明に係るエアフィルタの生産性
を向上できる。
によれば、請求項9記載のエアフィルタの製造方法にお
いて、一方のロールに巻き取られた濾材を繰り出し、繰
り出された濾材に対し噴霧、塗布又は浸漬を行いつつ再
び他方のロールに巻き取ることにより、カテキンを濾材
に連続的に担持させることができるので、本発明に係る
エアフィルタの生産性を更に向上できる。
一実施形態を示す概略断面図である。図1[2]は、本
発明で用いられるカテキンの一例の化学構造を示す説明
図である。
二実施形態を示す概略断面図である。図2[2]は、本
発明に係るエアフィルタの第三実施形態を示す概略断面
図である。
四実施形態を示す概略断面図である。図3[2]は、本
発明に係るエアフィルタの第五実施形態を示す概略断面
図である。
六実施形態を示す正面図である。図4[2]は、本実施
形態のエアフィルタが取り付けられるエアコンを示す概
略図である。
示す説明図であり、図5[1]は第一実施形態、図5
[2]は第二実施形態、図5[3]は第三実施形態であ
る。
示すグラフであり、図6[1]は比較用としての従来の
エアフィルタの場合、図6[2]はカテキン5wt%の
エアフィルタの場合、図6[3]はカテキン1wt%の
エアフィルタの場合である。
Claims (10)
- 【請求項1】 カテキンを有効成分とする消臭剤と、こ
の消臭剤を担持した濾材と、を備えたエアフィルタ。 - 【請求項2】 空気流入側に設けられた第一の濾材と、
カテキンを有効成分とする消臭剤を担持するとともに空
気流出側に設けられた第二の濾材と、の二層構造を備え
たエアフィルタ。 - 【請求項3】 前記第一の濾材と前記第二の濾材との間
に活性炭が挟持された、請求項2記載のエアフィルタ。 - 【請求項4】 前記第一の濾材もカテキンを有効成分と
する消臭剤を担持した、請求項2又は3記載のエアフィ
ルタ。 - 【請求項5】 芳香剤を担持した、請求項1、2、3又
は4記載のエアフィルタ。 - 【請求項6】 エアコンの空気流入側に設けられる、請
求項1、2、3、4又は5記載のエアフィルタ。 - 【請求項7】 エアコンの空気流出側に設けられる、請
求項1、2、3、4又は5記載のエアフィルタ。 - 【請求項8】 自動車の室内用とした、請求項1、2、
3、4、5、6又は7記載のエアフィルタ。 - 【請求項9】 カテキンをバインダ溶液に混ぜてカテキ
ン・バインダ混合溶液を調整し、このカテキン・バイン
ダ混合溶液を濾材に噴霧若しくは塗布することにより、
又はこのカテキン・バインダ混合溶液に濾材を浸漬する
ことにより、前記カテキンを有効成分とする消臭剤を前
記濾材に担持させる、エアフィルタの製造方法。 - 【請求項10】 一方のロールに巻き取られた前記濾材
を繰り出し、繰り出された前記濾材に対し前記噴霧、前
記塗布又は前記浸漬を行いつつ再び他方のロールに巻き
取る、 請求項9記載のエアフィルタの製造方法。
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---|---|---|---|
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JP2001-348715 | 2001-11-14 | ||
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- 2002-11-12 JP JP2002328560A patent/JP2003210559A/ja active Pending
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