JP2004222821A - 香りフィルタ - Google Patents

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JP2004222821A JP2003011797A JP2003011797A JP2004222821A JP 2004222821 A JP2004222821 A JP 2004222821A JP 2003011797 A JP2003011797 A JP 2003011797A JP 2003011797 A JP2003011797 A JP 2003011797A JP 2004222821 A JP2004222821 A JP 2004222821A
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Akira Yanagida
章 柳田
Ami Rachi
亜美 良知
Katsuya Takeo
勝哉 竹尾
Yuji Terajima
有史 寺嶋
Hidenao Saito
秀直 斎藤
Koichi Taniguchi
晃一 谷口
Tetsuya Sano
哲也 佐野
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Rengo Co Ltd
Shiseido Co Ltd
Suzuki Motor Corp
Tokyo Roki Co Ltd
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Rengo Co Ltd
Shiseido Co Ltd
Suzuki Motor Corp
Tokyo Roki Co Ltd
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Abstract

【課題】室内での香り寿命を長くできる香りフィルタを提供する。
【解決手段】香りフィルタ10は、香りビーズ20、濾材31,32、接着剤40等を備えている。香りビーズ20は、多孔質担体に香料を包埋してなるものであり、接着剤40によって濾材31,32間に挟持されている。香りビーズ20では、多孔質担体23の多数の孔24内に香料21と包理材22との混錬物が充填された構造になっているので、香料21が孔24内から徐々に放出される。したがって、香りフィルタ10の香り寿命は長い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、船舶、飛行機、鉄道車両、住宅、事務所、工場など、あらゆる室内において、長寿命で微香を放つ香りフィルタに関する。この香りフィルタは、エアーコンデショナ、空気清浄機、換気装置などの空調機器、又は換気扇、通気口、窓枠などの室内空気の通過部位に設置され、フィルタを通過する空気中のダストを除去するとともに、その空気を介して室内に芳香を放散するものである。
【0002】
【従来の技術】
人間の感覚の中でも特に嗅覚は、快適性にとって大きな影響を持つ。車室内においても、タバコや排気ガスのにおいが気になる人が多いので、これら悪臭の低減化が望まれる。車室内の据え置き型芳香剤としては、ゲル等に香料を混合したものが広く用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−17846号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の据え置き型芳香剤では、ダッシュボード等の高温環境下に設置されるため、香りが飛散しやすくなるので、香り寿命が1〜2ヶ月と短いという問題があった。また、通常は、香料を多孔質担体に含浸させただけであるため、製造が容易で低コストになるものの、やはり香りが飛散しやすく、寿命が極端に短くなる。
【0005】
そこで、香り寿命を延ばすために香料を多量に用いたり、容器から香料を吸い上げて少量づつ飛散させる吸収材を用いたりする手段が採られている。しかしながら、前者の場合は、密閉された車室内では強烈な香りが内装材や衣服に染み付くことになる上に、人によっては強い香りを不快に感じることもある。また、人は、常に芳香の中にいると、鼻が芳香に慣れてしまうため、時間の経過に伴い芳香を感じなくなってしまう。一方、後者の場合は、微香で心地よさを味わうことができるものの、日光や熱に長時間に渡って暴露されることから、次第に香りが変質する恐れがある。
【0006】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、室内での香り寿命を長くできる香りフィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る香りフィルタは、多孔質担体に香料を包埋してなる香りビーズと、この香りビーズを表面又は内部に保持した濾材とを備えたものである。ここで「包埋」とは、香料と包埋材とを溶融混錬した組成物を、多孔質担体に吸収させて冷却固化することをいう(上記特許文献1参照)。これにより、香料の揮散速度を調整することができるので、ある程度長期間にわたって香料を安定して放出することができる。
【0008】
濾材を通過する空気は、濾材で塵埃が除去されるとともに、香りビーズから発する香料を乗せて室内に芳香を漂わせる。この香りビーズでは、多孔質担体の多数の孔内に香料と包理材との混錬物が充填された構造になっているので、香料が孔内から徐々に放出されるとともに、直射日光等に晒されることもないので、香料の変質を防ぐことができる。
【0009】
請求項2記載の香りフィルタは、請求項1記載の香りフィルタにおいて、香りビーズが二枚の濾材によって挟まれた、というものである。香りビーズは、二枚の濾材によって挟まれているので、濾材に強固に保持される。
【0010】
請求項3記載の香りフィルタは、請求項1又は2記載の香りフィルタにおいて、香りビーズの粒子径が500μm〜3000μmである、というものである。ここでいう「粒子径」とは、ふるい分けにより測定した大きさのことである。香りビーズの粒子径が下限値(500μm)以下では、香りビーズ一個当たりに担持される香料の量が少なくなるために、香りビーズの使用量を多くする必要があり、その結果として濾材の圧力損失が著しく大きくなる。一方、香りビーズの粒子径が上限値(3000μm)以上では、フィルタ加工工程(折加工等)において、折加工を難しくするとともに、香りビーズがつぶれやすくなる。香りビーズがつぶれると、孔がつぶれて包埋材や香料が出てしまうことにより、意図しない芳香の強化や、芳香の持続性の低下を招く。
【0011】
請求項4記載の香りフィルタは、請求項1乃至3のいずれかに記載の香りフィルタにおいて、香りビーズが接着剤によって濾材に保持された、というものである。香りビーズは、接着剤によって濾材に強固に保持される。
【0012】
請求項5記載の香りフィルタは、請求項4記載の香りフィルタにおいて、接着剤が熱可塑性接着剤であり、この熱可塑性接着剤の粒子径が香りビーズの粒子径の25%〜50%である、というものである。熱可塑性接着剤としては、例えばEVA樹脂、PET(ポリエチレン・テレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PA(ポリアミド)等が代表的である。熱可塑性接着剤の粒子径が上限値(50%)以上では、香りビーズの濾材への接着強度が弱くなるので、香りビーズを濾材に十分に固定できなくなる。一方、熱可塑性接着剤の粒子径が下限値(25%)以下では、香りビーズの孔を接着剤が覆うため、香料の放出が阻害される。
【0013】
請求項6記載の香りフィルタは、請求項5記載の香りフィルタにおいて、熱可塑性接着剤の軟化点が80℃〜120℃である、というものである。熱可塑性接着剤の軟化点が上限値(120℃)以上では、加工時の濾材温度も上限値(120℃)以上になることにより、高温のため香料が揮散してしまうので、香り寿命が極端に短くなる。熱可塑性接着剤の軟化点が下限値(80℃)以下では、使用時の耐熱性が不十分になる。
【0014】
請求項7記載の香りフィルタは、請求項1乃至6のいずれかに記載の香りフィルタにおいて、エアコンの空気流路に設けられる、というものである。エアコンが作動しないときは、香りフィルタを空気が通らないので、香り寿命の無駄な消耗がない。これに加え、間欠的に香料が放出されることになるので、人の嗅覚が芳香に慣れてしまうもことも抑えられる。また、エアコンには、カビ臭などのエアコン臭が発生することがある。このエアコン臭は、香りフィルタを通った空気によって抑えられる。
【0015】
請求項8記載の香りフィルタは、請求項1乃至7のいずれかに記載の香りフィルタにおいて、自動車の室内用とした、というものである。自動車の室内は、例えば真夏の炎天下などで容易に50℃に達する。しかし、香料は香りビーズから徐々に放出されるので、高温下でも香り寿命が損なわれない。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1[1]は、本発明に係る香りフィルタの一実施形態を示す概略断面図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0017】
図1[1]に示すように、本実施形態の香りフィルタ10は、香りビーズ20、濾材31,32、接着剤40等を備えている。香りビーズ20は、多孔質担体に香料を包埋してなるものであり、接着剤40によって濾材31,32間に挟持されている。濾材31,32は、例えばポリエステル、ポリエチレンなどの不織布であり、その繊維径が例えば20μmである。
【0018】
図1[2]は、図1[1]における香りビーズを拡大して示した概略断面図である。以下、この図面に基づき、香りビーズについて説明する。
【0019】
香りビーズ20は、香料21と包埋材22とを溶融混錬した組成物を、多孔質担体23に吸収させて冷却固化したものである。香料21及び包埋材22は、多孔質担体23の多数の孔24の中に充填されている。
【0020】
香りビーズ20には、次の性質が要求される。▲1▼.香料21の担持量をできるだけ多くできること。▲2▼.香りの持続期間をできるだけ長くできること。▲3▼.香りの質ができるだけ変えないこと。
【0021】
香料を多孔質担体に含浸させる従来技術では、香料が滲み出ないようにするために、多孔質担体の孔の表面を香料が濡れる程度に、香料の担持量を留めなければならない。これに対し、香料を多孔質担体に包埋させる本発明では、図1[2]に示すように、孔24の内部空間を有効利用できることから、香料21の担持量を多くすることができる。
【0022】
また、香りビーズ20からの香料21の揮散速度を抑えるためには、例えば、香料21に対する包埋材22の配合比を高くする、又は香料21に対して相互作用の強い包埋材22を選ぶ、という方法がある。前者の場合、香料21の担持量をできるだけ増やすためには、それほど包埋材22の配合比を高くできない。逆に包埋材22の配合比が低過ぎると、香料21の揮散を制御できなくなる。一方、後者において、相互作用が強すぎると香りの質が変化させることがあるため、使用する香料に応じて、包埋材の種類や、あるいは複数の包埋材を混合して使用する場合には、その組成を選ぶ必要がある。
【0023】
香料21は、高温にも安定なものを使用することが望ましい。特に香りフィルタ10を自動車の車室内用とした場合は、車室内温度が夏場に50℃以上になることも珍しくないからである。一般の香料は、シトラス系など揮発性の高い成分を多く含んでいるため、高温(50℃程度)に長時間又は繰り返し曝されると、酸化等により変質して、嫌なにおいに変化してしまうことが多い。したがって、香料21は、劣化しやすいアルデヒド類に代えて、安定なアルコール類、ニトリル類などを使用する。例えば、シトラール(シトラス系)の代わりに、シトロネリルニトリル、シトラルバ等を使用する。
【0024】
また、類似した香調の中で、安定性の良い香料を積極的に配合する。例えば、シトラス系の香料の場合、ジハイドロミルセノール、リナロール、テトラハイドロリナロール、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート等を使用する。更に、持続性のあるウッディ系やムスク系の香料を配合することにより、香りの持続性を向上させる。
【0025】
更に、香りのキー成分の追加配合を行う。各香調にはそれぞれキーになる成分があるので、その成分を予め追加配合して香調を長く維持できるように配慮する。例えば、ミント系香料の場合はメントール等を、ライム系香料の場合はアルファーターピネオール等を、それぞれ配合する。
【0026】
香料21の混合割合は、組成物(香料21+包埋材22)100重量部に対して、10〜90重量部が好ましく、30〜70重量部がより好ましい。包埋材22の量を多くすると、香料21の揮散速度が抑制されるものの、香料21の担持量が少なくなるため、香りビーズ20の必要量が多くなる。逆に、包埋材22の量が少ないと、香料21の揮散速度を制御できなくなるとともに、香りの寿命も短くなる。
【0027】
包埋材22は、常温時に固体であること、香料21などと混錬可能であることが必要である。また、包埋材22の種類ごとに、香料21の揮散速度が変化する。包埋材22の種類には次のようなものがあり、これらを単独又は2種以上を混合して使用する。(例1)鉱物ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス。(例2)カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックス。(例3)ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、変性ロジン及びそのエステル化物。(例4)ステアリルアルコール、ステアリン酸アミド、安息香酸等。
【0028】
多孔質担体23は、香料21や包理材22に対して不活性であること、及び高寿命化を図るため空隙率が高いことが望ましい。多孔質担体23の材質としては、例えばセルロースビーズ、セルローススポンジ、パルプボールなどが適当である。
【0029】
香りビーズ20の粒子径は、500μm〜3000μmとすることが好ましい。香りビーズ20の粒子径が500μm以下では、香りビーズ一個当たりに担持される香料の量が少なくなるために、香りビーズの使用量を多くする必要があり、その結果として濾材の圧力損失が著しく大きくなる。一方、香りビーズ20の粒子径が3000μm以上では、フィルタ加工工程において、折加工を難しくするとともに、香りビーズ20がつぶれやすくなる。香りビーズ20がつぶれると、孔24がつぶれて包埋材22や香料21が出てしまうことにより、意図しない芳香の強化や、芳香の持続性の低下を招く。
【0030】
図2は図1[1]における香りビーズと接着剤との粒子径の大きさの関係を示す概略断面図であり、図2[1]は接着剤の粒子径が小さ過ぎる場合、図2[2]は接着剤の粒子径が大き過ぎる場合である。以下、図1及び図2に基づき、接着剤について説明する。
【0031】
接着剤40の粒子径は、香りビーズ20の粒子径の25%〜50%とすることが好ましい。図2[1]では、粒子径が下限値(25%)以下の接着剤41を使用している。この場合は、香りビーズ20の孔24を接着剤41が覆ってしまうため、香料21の放出が阻害される。一方、図2[2]では、粒子径が上限値(50%)以上の接着剤42を使用している。この場合は、香りビーズ20に接することができる接着剤42の数が少なくなってしまうことにより、濾材31,32への接着強度が弱くなるので、香りビーズ20を濾材31,32に十分に固定できなくなる。
【0032】
接着剤40は、EVA樹脂、PET、PE、PA等の、80℃〜120℃の軟化点を有する熱可塑性樹脂とすることが好ましい。接着剤40の軟化点が上限値(120℃)以上では、加工時に濾材31,32及び香りビーズ20の温度も上限値(120℃)以上になることにより、高温のため香料21が揮散してしまうので、香りの寿命が極端に短くなる。接着剤40の軟化点が下限値(80℃)以下では、使用時の耐熱性が不十分になる。
【0033】
次に、図1及び図2に基づき、香りフィルタ10の作用を説明する。
【0034】
香りフィルタ10は、空気流入側に設けられた濾材31と、空気流出側に設けられた濾材32との二層構造を備え、濾材31,32間に香りビーズ20が挟持されたものである。汚れた空気A1は、まず濾材31を貫通することにより塵埃が捕集され、続いて香りビーズ20の周囲を通ることにより香料21が付加され、最後に濾材32を貫通することにより残りの塵埃が捕集され、これにより清浄で芳香を放つ空気A2となる。このとき、香りビーズ20では、多孔質担体23の多数の孔24内に香料21と包理材22との混錬物が充填された構造になっているので、香料21が孔24内から徐々に放出される。したがって、香りフィルタ10の香り寿命は長い。
【0035】
図3は、図1[1]の香りフィルタを製造する方法の一例を示す説明図である。以下、図1及び図3に基づき、香りフィルタの製造方法について説明する。
【0036】
香りフィルタ10を製造する装置は、ロール状に濾材31,32が巻回された濾材繰り出し装置51,52、ロール状に香りフィルタ10を巻き取る香りフィルタ巻き取り装置53、香りビーズ20を供給する香りビーズ供給装置54、接着剤40を供給する接着剤供給装置55、濾材31,32間に香りビーズ20及び接着剤40を挟んで加熱及び加圧して冷却するラミネータ56等からなる。
【0037】
まず、濾材繰り出し装置51から繰り出された濾材31上に、香りビーズ供給装置54及び接着剤供給装置55から香りビーズ20及び接着剤40をそれぞれ供給する。この上に、濾材繰り出し装置52から繰り出された濾材32を重ねて、ラミネータ56に通す。このときの加熱温度及び加熱時間は、香料21が揮散しないように、120℃以下かつ2分以内とする。もちろん、接着剤40には軟化点120℃以下のものを使用する。これにより、香りフィルタ10が完成して香りフィルタ巻き取り装置53に巻き取られる。
【0038】
この例では、一方でロール状に巻き取られた濾材31,32を繰り出し、繰り出された濾材31,32に対し、香りビーズ20及び接着剤40を供給してラミネート処理を施し、再び他方でロール状に巻き取っている。この方法により、連続的に香りフィルタ10を製造することができる。なお、この例で、接着剤40の濾材31上への供給が、香りビーズ20の供給の後となっているが、接着剤40の供給は、香りビーズ20の供給の前又は前後両方で行ってもよい。
【0039】
図4[1]は、図1[1]の香りフィルタの使用例を示す正面図である。図4[2]は、図4[1]の香りフィルタが取り付けられるエアコンを示す概略図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0040】
香りフィルタ10は、香りフィルタ10を保持し形状を維持するフレーム61とともに、エアコンフィルタ60を構成している。エアコンフィルタ60は、自動車のエアコン70の空気流入側に設けられる。エアコン70は、外気を取り込んで冷却させて冷気を発生させるクーリング・ユニット71と、発生した冷気とエンジンの水温により作り出される暖気とをミキシングして温度調整し、かつ吹き出し口を変えるヒータ・ユニット72とに分かれている。クーリング・ユニット71には、空気流入側から空気取り入れ口78、エアフィルタ60、ブロワ73及びエバポレータ74が設けられている。ヒータ・ユニット72には、空気流入側からヒータ75、吹き出し口切り替え部76、正面用の吹き出し口77及び足元用の吹き出し口78が設けられている。
【0041】
外気又は車室内から導入された空気79は、エアコンフィルタ60を通ってエアコン70の内部に流入する。このとき、香りフィルタ10によって、空気79中に含まれる塵埃が除去されるとともに、芳香が付与される。この芳香は、エアコン70から吹き出す風に乗って、車室内を漂う。
【0042】
また、エアコン70の内部では(特にエバポレータ74では)、湿潤な空気79が急に冷却されることにより、結露が発生しやすい。その結果、カビ等が繁殖して、これがエアコン臭となることがある。本例では、香りフィルタ10から発する芳香によって、このエアコン臭が抑制される。
【0043】
更に、車室内は、例えば真夏の炎天下などで容易に50℃に達する。しかし、香料21は香りビーズ20から徐々に放出されるので、高温下でも香り寿命が損なわれない。また、日光等に直接晒されることがないので、香料が変質しない。
【0044】
しかも、エアコン70の作動時のみ芳香が発生するので、常に芳香を発している従来の車室内設置型の芳香剤に比べて、芳香の持続性が増すとともに、微香を保つことができる。
【0045】
なお、エアコンフィルタ60は、エアコン70の空気通路ならばどこの設けてもよく、例えばヒータ75の空気流出側に設けてもよい。この場合も、香りフィルタ60の芳香によって、エアコン70から発生したエアコン臭が抑えられる。
【0046】
【実施例】
次に、図1[1]に示す香りフィルタの実施例について説明する。本実施例では、香料12重量部、包埋材としてステアリン酸アミド(花王製:アマイドS)28重量部を溶融混合して香料組成物を作製し、これを粒径2mmの多孔性セルロースビーズ(レンゴー製:AH−2050L)20重量部に含浸して冷却固化し、賦香率20%の香りビーズを作製した。接着剤40の粒子径を香りビーズ20の粒子径の25%〜50%とし、かつ接着剤40として軟化点が80℃〜120℃のものを用いるとともに、製造時の加熱温度も80℃〜120℃とすることにより、香りフィルタ10を製造した。これに対して、比較例1では、接着剤40の粒子径を下限値(25%)以下とし、他の条件を実施例と同じにして、香りフィルタを製造した。比較例2では、接着剤40の粒子径を上限値(50%)以上とし、他の条件を実施例と同じにして、香りフィルタを製造した。比較例3では、製造時の加熱温度を上限値(120℃)以上とし、他の条件を実施例と同じにして、香りフィルタを製造した。
【0047】
これらの香りフィルタに対して、においセンサ(双葉エレクトロニクス製:FPO−II)を用いて香り値の経時変化を測定するとともに、人の手を用いて接着強度を測定した。その結果を以下に示す。
【0048】
比較例1(接着剤の粒子径が下限値以下):においセンサーによる香り値がほとんど「0」であった。
比較例2(接着剤の粒子径が上限値以上):濾材の接着強度が極めて弱かった。
比較例3(製造時の加熱温度が上限値℃以上):香りの寿命が極端に短かかった。
本実施例:各比較例に対し、香り値、接着強度及び香り寿命の全てにおいて優れていた。
【0049】
このように、本実施例によれば、香り値、接着強度及び香り寿命のバランスに優れた香りフィルタが得られた。
【0050】
なお、本発明は、言うまでもなく、上記実施形態及に限定されない。例えば、本発明に係る香りフィルタは、エアコン以外にも、空気清浄機、換気装置、換気扇、通気口、窓枠などに設置してもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る香りフィルタによれば、多孔質担体に香料を包埋してなる香りビーズと、この香りビーズを表面又は内部に保持した濾材とを備えたことにより、多孔質担体の孔内から香料が徐々に放出されるので、香り寿命を延ばすことができる。また、本発明に係る香りフィルタによれば、各請求項ごとに次の効果も奏する。
【0052】
請求項2記載の香りフィルタによれば、香りビーズが二枚の濾材によって挟まれていることにより、香りビーズを濾材に強固に保持することができる。
【0053】
請求項3記載の香りフィルタによれば、香りビーズの粒子径を500μm〜3000μmとしたことにより、香り寿命を十分に延ばすことができるとともに、香りビーズがつぶれること等による不都合も回避できる。
【0054】
請求項4記載の香りフィルタによれば、香りビーズを接着剤によって濾材に保持することにより、香りビーズを濾材に強固に保持することができる。
【0055】
請求項5記載の香りフィルタによれば、接着剤を熱可塑性接着剤とするとともに、熱可塑性接着剤の粒子径を香りビーズの粒子径の25%〜50%とすることにより、香りビーズの濾材への接着強度を十分に高めることができるとともに、香りビーズの孔を接着剤が覆うことも回避できる。
【0056】
請求項6記載の香りフィルタによれば、軟化点が80℃〜120℃の熱可塑性接着剤を使用することにより、製造時の加熱温度も80℃〜120℃にできるので、高温のため香料が揮散してしまうことを防止できるとともに、使用時の耐熱性も十分なものとすることができる。
【0057】
請求項7記載の香りフィルタによれば、エアコンの空気流路に設けられることにより、エアコンが作動しないときに香りフィルタを空気が通らないので、香り寿命の無駄な消耗を防止できる。これに加え、間欠的に香料が放出されることになるので、人の嗅覚が芳香に慣れてしまうもことも抑えることができる。しかも、エアコン特有の悪臭も芳香によって抑えることができる。
【0058】
請求項8記載の香りフィルタによれば、香料が香りビーズから徐々に放出されることにより、炎天下などの高温下でも香料の放出を抑えられるので、自動車の室内用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1[1]は本発明に係る香りフィルタの一実施形態を示す概略断面図であり、図1[2]は図1[1]における香りビーズを拡大して示した概略断面図である。
【図2】図1[1]における香りビーズと接着剤との粒子径の大きさの関係を示す概略断面図であり、図2[1]は接着剤の粒子径が小さ過ぎる場合、図2[2]は接着剤の粒子径が大き過ぎる場合である。
【図3】図1[1]の香りフィルタを製造する方法の一例を示す説明図である。
【図4】図4[1]は図1[1]の香りフィルタの使用例を示す正面図であり、図4[2]は図4[1]の香りフィルタが取り付けられるエアコンを示す概略図である。
【符号の説明】
10 香りフィルタ
20 香りビーズ
21 香料
22 包埋材
23 多孔質担体
24 孔
31,32 濾材
40 接着剤
60 エアコンフィルタ

Claims (8)

  1. 多孔質担体に香料を包埋してなる香りビーズと、この香りビーズを表面又は内部に保持した濾材と、を備えた香りフィルタ。
  2. 前記香りビーズが二枚の前記濾材によって挟まれた、
    請求項1記載の香りフィルタ。
  3. 前記香りビーズの粒子径が500μm〜3000μmである、
    請求項1又は2記載の香りフィルタ。
  4. 前記香りビーズが接着剤によって前記濾材に保持された、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の香りフィルタ。
  5. 前記接着剤が熱可塑性接着剤であり、この熱可塑性接着剤の粒子径が前記香りビーズの粒子径の25%〜50%である、
    請求項4記載の香りフィルタ。
  6. 前記熱可塑性接着剤の軟化点が80℃〜120℃である、
    請求項5記載の香りフィルタ。
  7. エアコンの空気流路に設けられる、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の香りフィルタ。
  8. 自動車の室内用とした、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の香りフィルタ。
JP2003011797A 2003-01-21 2003-01-21 香りフィルタ Pending JP2004222821A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008132212A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Earth Chem Corp Ltd 除菌消臭剤
KR101428926B1 (ko) 2013-06-03 2014-08-08 고려대학교 산학협력단 그래핀 박막의 전사 방법
JP2019211189A (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 プロモツール株式会社 放香アタッチメント

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