JP2007111308A - 消音装置およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の消音装置およびそれを用いた電気掃除機は、電動送風機より発生する耳障りな突出音であるNZ音を低減することができる消音装置を提供することを目的とする。
【解決手段】面状体24の厚みを、騒音の主成分の周波数が最も減衰するように設定すれば、その音が弱められ静音化を図ることができる。本発明では、面状体24の厚みを消音したい周波数に合わせて設定し複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
【選択図】図1
【解決手段】面状体24の厚みを、騒音の主成分の周波数が最も減衰するように設定すれば、その音が弱められ静音化を図ることができる。本発明では、面状体24の厚みを消音したい周波数に合わせて設定し複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気流と共に伝搬する騒音を低減する消音装置およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
従来の消音装置を用いた電気掃除機については、運転騒音の音源となる電動送風機の周囲を吸音材などの消音装置で囲ったものが公知の技術として、活用されている。
この従来の消音技術について、図10、図11、図12を用いて説明する。図10は電気掃除機の略構造断面図であり、図11は電気掃除機本体の側断面図、図12は電気掃除機本体に内蔵される電動送風機の側断面図である。
掃除機の本体1には、電動送風機2を内蔵しており、本体1前半部の集塵室3内には集塵袋4が脱着可能に組み込まれており、さらに本体1前部に設けられた吸引部5は、ホース6が前記集塵袋4と連通して接続され、前記ホース6の他方には、延長管7、吸込具8が接続された構成である。すなわち電動送風機2の吸引力により床面上の塵埃などが、吸込具8から吸引され、集塵袋4で吸引気流と分離されて貯留されることとなる。また、本体1の後方には本体の排気口9が設けられており、排気口9に組み込まれている排気フィルタ10を通じて、空気が排出される。
次に電動送風機2周辺について説明する。インペラ本体11は、中央に吸気口11aを有しており、複数枚のブレード12を板金製の後ろシュラウド13とこれに対向する板金製の前シュラウド14で挟持し構成しており、電動機15により回転駆動される。エアガイド16には、複数の静翼17が設けられており、隣り合う静翼17間でボリュート室18を形成している。さらにインペラ本体11とエアガイド16は、中央部に吸気口19aを有するケーシング19に内包されており、かつケーシング19は、電動機15の外周に気密に取り付けられている。
吸気口19aより吸引された空気を排出する排気口20は、電動機15上に設けられている。さらに電動送風機2は、硬質の樹脂で形成された防音筒21で囲って本体1に組み込まれており、排気口20から排出された空気は、防音筒21の排気口22を経て、本体1の排気口9へ流れていく。
さらに、防音筒21、本体1の内壁には、フェルト、連続気泡を有する発泡ウレタン等の吸音材23等の消音装置を適宜貼付または設置している。
以上の構成における電動送風機2の動作について説明すると、インペラ本体11が電動機15により高速回転すると、インペラ本体11の吸込口11aから流入した空気流は、ブレード12で回転運動エネルギーを与えられ、インペラ本体11外周部から排出される。さらに空気流はエアガイド16に形成された複数の静翼17で形成されるボリュート室18を通過しながら減速し、運動エネルギーを静圧に変換し、その後電動機15内部を通過し、電動機の排気口20より、排出される。この際、空気流と共に、騒音も電動機の排気口20より伝播されるが、防音筒の排気口22、吸音材23を通過する過程で、減衰される。
また他の従来技術によれば、防音筒21に特定の周波数の騒音を低減する共鳴空間を設けているものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−165097号公報
しかしながら、前記従来の構成では、インペラ本体11のブレード12の枚数Zと、インペラ本体11の1秒当たりの回転数Nとの積または、その整数倍で定まる周波数帯に特に顕著なNZ音と呼ばれる突出音が発生するが、防音筒21、吸音材23を配置してもこの突出音を十分に低減できず、掃除機使用中にこの音が大変耳障りとなる課題を有していた。
また、前記従来の構成では、突出音の対策として、吸音材23の厚みを増した場合には、さらに騒音の減衰は高まるが、空気流路の圧力損失の増加による掃除機の吸引力低下、および掃除機本体の重量増加等の弊害も起きるという課題も有していた。
また、特許文献1に示す様に防音筒21に共鳴空間を設けた場合には、電動送風機2の運転モードに応じて複数の共鳴空間が必要となり、防音筒21形状の複雑化、大型化を招くと共に、設置スペースの関係から最適な共鳴空間を形成し難い等の課題も有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡便な構成で電動送風機から発生する顕著な突出音であるNZ音を低減し、耳障りな騒音を発生しない電気掃除機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の消音装置は、空気流と共に音波が伝搬する流路壁面に設けられ、特定の厚みを有しかつ厚み方向に特定形状の複数の連通開口穴を有した面状体を備え、前記流路壁面と前記複数の連通開口穴の壁面が組み合わさることで、前記複数の連通開口穴の流路壁面側が閉ざされて形成される音響的な共鳴空間を形成するものである。
例えば、本発明の消音装置を電気掃除機に用い、電動送風機の排気から本体の排気までの経路の途中の何処かに貼り付けることで、開口穴と流路壁面からなる、特定の深さを持った共鳴空間を形成し、これが音響回路におけるサイドブランチの役割を果たし、開口穴の深さによって定まるある特定の周波数の騒音を抑制することができる。このため消音装置の開口部の深さを、NZ音の周波数と共鳴する寸法に設定しておけば、突出音であるNZ音の音波が、消音装置を貼り付けた流路を通過したときに、騒音を抑制することができ、電気掃除機を静かに運転することができる。
また、本発明の消音装置は、騒音が伝播する空気流路の壁面に貼り付けさえすれば、騒音低減効果を得ることができ、防音筒等の風路を形成する成型部品を新たに騒音対策用に作る必要がなく、低コストかつ簡便に騒音対策を実施可能である。
本発明の消音装置およびそれを用いた電気掃除機は、電動送風機より発生する耳障りな突出音であるNZ音を低減することができる。
第1の発明は、空気流と共に音波が伝搬する流路壁面に設けられ、特定の厚みを有しかつ厚み方向に特定形状の複数の連通開口穴を有した面状体を備え、前記流路壁面と前記複数の連通開口穴の壁面が組み合わさることで、前記複数の連通開口穴の流路壁面側が閉ざされて形成される音響的な共鳴空間を形成することにより、この面状体を騒音を含む音波が伝播する経路の途中の何処かに貼り付けることで、開口穴と流路壁面からなる特定の深さを持った共鳴空間を形成し、これが音響回路におけるサイドブランチの役割を果たし、開口穴の深さによって定まるある特定の周波数の騒音を抑制することができる。このため消音装置の開口部の深さを、音波の周波数と共鳴する寸法に予め設定しておけば、音波が、消音装置を貼り付けた流路を通過したときに、音波のレベルを低減することができる。また、本発明の消音装置は、騒音が伝播する空気流路の壁面に貼り付けさえすれば、騒音低減効果を得ることができ、流路を形成する成型部品を新たに騒音対策用に作る必要がなく、低コストかつ簡便に騒音対策を実施可能である。
第2の発明は、特に第1の発明の消音装置の面状体には、厚みの異なる面状体を複数組み合わせた面状体としたことにより、深さの異なる開口穴が、それぞれ特定の周波数の騒音と共鳴することとなり、複数の周波数のピークを有する騒音の低減に対応でき、また回転数が段階的に変化して、騒音の特定周波数が変化する使われ方が多い送風機が騒音源の場合でも、各回転数に合わせた低騒音化ができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の消音装置の面状体は、複数の連通開口穴を有した面状体を複数枚互いの連通開口穴中心軸が略一致した配置で積層し、かつ各面状体の連通開口穴の面積は、流路壁面側の面状体の連通開口穴の面積が他の面状体の面積より大きくしたことにより、この面状体を騒音を含む音波が伝播する経路の途中の何処かに貼り付けることで、開口穴と流路壁面からなる、特定の深さ及び特定の容積を持った共鳴空間を形成し、これが音響回路におけるヘルムホルツ共鳴器の役割を果たし、開口穴の深さ及び流路壁面側に形成される空間の内容積によって定まるある特定の周波数の騒音を抑制することができる。このため消音装置の開口部の深さ及び空間の内容積を、音波の周波数と共鳴する寸法に予め設定しておけば、音波が、消音装置を貼り付けた流路を通過したときに、音波のレベルを低減することができ、また、音の共鳴する空間をより厳密に設定できるため、低減させたい騒音の周波数に対して精度良く共鳴させることができ、騒音低減の性能が向上する。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれか1つの発明の消音装置の面状体を構成する材質は、樹脂素材とすることにより、高い寸法精度で、開口穴の加工ができるため、特定の周波数を狙い通り共鳴させて、騒音を低減することができる。
第5の発明は、特に第1から第4のいずれか1つの発明の消音装置の面状体を構成する材質は、弾性素材とすることにより、消音装置の面状体を貼り付ける音の伝搬経路の形状が曲面の場合でも、面状体と空気流路の壁面の間に隙間を生じることなく、確実に共鳴空間を形成することができる。
第6の発明は、特に第1から第5のいずれか1つの発明の消音装置の面状体を構成する素材は、多孔質素材とすることにより共鳴空間の形成による騒音低減に加えて、他の周波数の騒音に対しても、多孔質体部に騒音が衝突した際に、騒音のエネルギーを多孔質部が吸収して熱エネルギーに変換し、吸音することとなるため、全体的な騒音レベルを低減することができる。
第7の発明は、特に第5の発明または第6の発明の面状体の連通開口穴の内壁面は、硬化処理が施されていることにより、騒音値を低減させたい周波数に合わせて、開口穴の深さ、容積等を設定した場合に、共鳴空間部の壁面において音の吸音による共鳴周波数の変化が無くなり狙いの騒音の周波数に対する共鳴の精度が高まり、騒音を確実に低減できるようになる。
第8の発明は、電動機の回転軸に取り付られた複数のブレードを有するインペラと、インペラで発生した気流を導くエアガイドと、中央部に吸気口を有し、インペラとエアガイドを内包するケーシングで構成された電動送風機を、硬質の防音筒で囲って本体に内蔵した電気掃除機において、ケーシングの吸気口から本体の排気口までの空気流路の途中壁面に、第1から第7のいずれか1つの発明の消音装置を設けたことにより、電動送風機から発生するNZ音の周波数に対して最適な厚み及び穴形状で連通開口部を設けた面状体の消音装置を、騒音が伝播する空気流路の壁面に貼り付けることで、連通開口部と壁面より形成される共鳴空間を容易に得ることができ、NZ音を含んだ音波が共鳴部を通過した際に、共鳴部においてNZ音の周波数に対応した共鳴周波数の音波が発生することで、NZ音を減衰させることができる。また面状体を貼り付けることができる空気流路であれば、様々な場所に共鳴空間を構成できるため、騒音対策を低コストで簡便に実施することができる。この面状体を、電動送風機の吸気部から本体の排気部までの間の気流が流れる経路の途中の何処かに貼り付けることで、開口穴と流路壁面からなる特定の深さを持った共鳴空間を形成し、これが音響回路におけるサイドブランチやヘルムホルツの役割を果たし、開口穴の深さや共鳴部の空間容積によって定まるある特定の周波数の騒音を抑制することができる。このため消音装置の共鳴空間の寸法を、掃除機の電動送風機から発生する特に耳障りな突出音であるNZ音の周波数と共鳴する寸法に予め設定しておけば、音波が消音装置を貼り付けた流路を通過したときに、NZ音のレベルを低減することができ、静かに掃除することができる。
第9の発明は、特に第8の発明のケーシングの側面には、エアガイドから流れてくる気流を直接排出できる横吹き出し穴を備え、前記吹き出し穴の近傍に消音装置を備えたことにより、ケーシングの側面に横吹きだし穴を設けると、インペラからエアガイドに流れる気流の圧力損失を低減でき吸引力を高め吸引仕事率の向上を図ることができる反面、突出音であるNZ音も同時に横吹き出し穴から直接的に出てくる課題に対し、本発明の消音装置の面状体を横吹き出し穴の近傍の壁面に貼り付けることで、空気流と共に音波が面状体部分を通過する際にNZ音の特定周波数が面状体の共鳴空間で共鳴する作用によって、NZ音の騒音を低下することができる。また、音源近傍で騒音対策を図ることで、低減したNZ音を、流路の下流側に移動する過程でさらに低減することもでき、吸引仕事率の向上と耳障りなNZ音の発生抑制を両立することができる。
第10の発明は、特に第8の発明の吸気口から本体の排気口までの空気流路に複数個の面状体を配置し、前記空気流路の上流側に設けた面状体は、下流側に設けた面状体に比べ、低い周波数の音波と共鳴する面状体を設けたことにより、特に低減が難しい周波数の低い突出音であるNZ音を、音源付近で共鳴作用により予め低減することで、空気流の下流側に吸音材等を配置した場合の音の減衰効果がさらに高まり、本体の排気口から出る時点では大幅に騒音を低下することになる。また、さらにNZ音の周波数の整数倍の突出音である2NZ、3NZ等の騒音についても、これらの周波数と共鳴する寸法に設定した消音装置の面状体を、NZ音用の消音装置より下流側の空気流路の途中に複数個配置することにより、同時に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、なお、従来例と同一構成部品については、同一符合を付して、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における消音装置を示すものである。面状体24には、厚みLの方向に円形断面の穴25が連通開口しており、穴25は、面状体24平面上に複数個開口している方が、特定周波数の音波に対して効率よく共鳴させることができる点で好ましい。この面状体24を音波が通過する流路の壁面26に貼り付け固定することで、穴25の内壁と、壁面26が組み合わさった空間27を形成することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態における消音装置を示すものである。面状体24には、厚みLの方向に円形断面の穴25が連通開口しており、穴25は、面状体24平面上に複数個開口している方が、特定周波数の音波に対して効率よく共鳴させることができる点で好ましい。この面状体24を音波が通過する流路の壁面26に貼り付け固定することで、穴25の内壁と、壁面26が組み合わさった空間27を形成することができる。
前記面状体24と略平行に音波が通過した場合には、音波中に含まれる特定の周波数の音が、空間27と共鳴することとなり、共鳴した周波数の音は、音のレベルが弱められることとなる。これは、空間27部が音響回路におけるサイドブランチの役割を果たすためである。すなわち、空間27の深さL(m)が、次式で表される周波数f(Hz)の音と共鳴し消音するのに効果があるものである。
f=C/4/L
f:周波数(Hz)
C:音速(m/s)
L:空間の深さ(m)
この効果を利用することで、空間27の深さ、すなわち面状体24の厚みを、騒音の主成分の周波数が最も減衰するように設定すれば、その音が弱められ、静音化を図ることができる。本実施の形態では、面状体24の厚みを消音したい周波数に合わせて設定し、複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
f=C/4/L
f:周波数(Hz)
C:音速(m/s)
L:空間の深さ(m)
この効果を利用することで、空間27の深さ、すなわち面状体24の厚みを、騒音の主成分の周波数が最も減衰するように設定すれば、その音が弱められ、静音化を図ることができる。本実施の形態では、面状体24の厚みを消音したい周波数に合わせて設定し、複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
また、面状体24に開口する穴25の形状としては、図2、図3に示すように円形だけでなく、角形、スリット形の穴を連通開口しても類似の消音効果を得ることができる。
また、面状体24の素材については、樹脂、金属、ゴム、ウレタン等、貼り付ける側の材質や、形状に合わせて、選択するのがよいが、多孔質なウレタン系の素材を用いると、空間27の深さによって定まる共鳴周波数の騒音以外の騒音についても、素材の細孔部で音のエネルギーを熱エネルギーに変換する吸音作用も期待できるため、総合的に騒音を低くすることができる。
また、さらに面状体24として、ウレタン等の素材を用いる場合には、穴25の内壁面を硬質に加工することで、空間27の深さLによって定まる共鳴周波数の理論値とのずれを少なくすることができる。具体的には、穴25の壁面をエポキシ接着剤を塗布して硬化させたり、穴25を開ける加工をレーザー加工で行うことにより、切断面が熱で硬化するため、目的を達成できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における消音装置を示すものである。本実施の形態では、実施の形態1の消音装置の面状体24の厚みLが異なるものを複数組み合わせたものである。騒音は、複数の周波数ピークを持った音であることが多い。しかしながら本発明では、厚みの異なる面状体24を、騒音の主成分の複数の周波数に合わせて用意し、騒音の通路の壁面26に貼り付け固定すれば、各周波数の音を個別に弱めるという効果を容易に得ることができるものである。
図4は、本発明の第2の実施の形態における消音装置を示すものである。本実施の形態では、実施の形態1の消音装置の面状体24の厚みLが異なるものを複数組み合わせたものである。騒音は、複数の周波数ピークを持った音であることが多い。しかしながら本発明では、厚みの異なる面状体24を、騒音の主成分の複数の周波数に合わせて用意し、騒音の通路の壁面26に貼り付け固定すれば、各周波数の音を個別に弱めるという効果を容易に得ることができるものである。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における電気掃除機を示すものである。本実施の形態は、電気掃除機の電動送風機2から発生する騒音の伝搬経路の途中部分となる本体1内壁に、本発明の消音装置の面状体24を貼り付け固定したものである。
図5は、本発明の実施の形態3における電気掃除機を示すものである。本実施の形態は、電気掃除機の電動送風機2から発生する騒音の伝搬経路の途中部分となる本体1内壁に、本発明の消音装置の面状体24を貼り付け固定したものである。
本実施の形態では、消音装置としての面状体24を、防音筒排気口22に対向する本体1内壁、及び本体排気口9手前の空気流路の内壁面に貼り付け固定することにより、穴25内壁と本体1壁面とを組み合わせた複数個の空間27を形成したものである。
上記の構成により、電動送風機2を駆動すると、増速された気流は図中に矢印で示すように電動送風機2の排気口20より排出され、防音筒21の排気口22、本体1の排気口9を経て、本体1外へ放出される。このとき、インペラ11のブレード12枚数Zと、その回転数Nの積またはその整数倍によって周波数が決まるNZ音と呼ばれる突出音がその他の騒音に混じって、排気とともに排出される。
このような場合でも、空気流路に貼り付けた前記面状体24の厚みを、NZ音の周波数と共鳴するように最適な厚みに設定すれば、空気と共にNZ音が、防音筒出口22から排気口9までの面状体24の空間27を通過する過程で、音のレベルが弱められることとなり、電気掃除機の運転中に発生する耳障りな騒音を低減することができる。
また、本実施の形態では、厚みの異なる面状体24を壁面に複数個貼り付けると共に、厚みの大きい面状体24を電動送風機に近い流路に設置している。
ふつうNZと呼ばれる突出音は、その整数倍の周波数の突出音である2NZ音、3NZ音も同時に発生し、これらの突出音は周波数的に人間の耳に感じやすい領域に入ることが多い。しかしながら、本実施の形態に示した上記の構成により、複数の突出音に合わせて厚みを設定した複数の面状体24を流路に貼り付けているため、NZ及びその整数倍のNZ音も同時に低減でき、電気掃除機の運転音を静かにすることができる。
さらに、厚みの大きい面状体24を電動送風機に近い流路に設定しているため、波長が長い低周波数のNZ音は、一旦面状体24の空間27で減衰させた後に、残りの本体排気口9までの経路の過程でも減衰できる距離を稼げるので、NZ音のさらなる低減化を図ることができる。
尚、面状体24の貼り付け位置は、本実施の形態の貼り付け位置に限定されることはなく、穴25と本体1の内壁面、防音筒21内壁面など、空間27を形成できる位置でかつ音が伝搬する経路上であればどこでも音レベルの減衰効果が得ることができるものである。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4の電気掃除機を示すものである。図7は、同実施の形態の電動送風機を示すものである。
図6は、本発明の実施の形態4の電気掃除機を示すものである。図7は、同実施の形態の電動送風機を示すものである。
図6、図7において、本実施の形態の電動送風機は、ケーシング19の側面に、インペラ11、エアガイド16を経由して流れてくる空気流を、直接排出する横吹き出し穴28を設けており、これを電気掃除機の本体1に組み込んでいる。
また、前記横吹き出し穴28に対向する防音筒21の内壁には、本発明の消音装置の面状体24を貼り付けて、空間27を形成している。
ふつう、横吹き出し穴28をケーシング19に設けた場合、電動送風機の圧力損失が低減し、吸込仕事率が向上する反面、NZ音などの突出音も直接的に放出され、横吹き出し穴28が無い場合に比べ、突出音由来の騒音レベルが増加する。
このような場合でも、本実施の形態では、横吹き出し穴28の近傍に面状体24を貼り付けてNZ音などの突出音に対して共鳴させる構成となっているため、横吹き出し穴28から出てきたNZ音などが減衰されることとなり、吸引仕事率の向上と耳障りなNZ音の発生抑制を両立することができ、吸込仕事率が高く、静かな掃除機を実現することができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5の消音装置の面状体を示すものである。図9は、同実施の形態の消音装置を設置した電気掃除機を示すものである。
図8は、本発明の実施の形態5の消音装置の面状体を示すものである。図9は、同実施の形態の消音装置を設置した電気掃除機を示すものである。
厚みLの方向に円形断面の穴25が連通開口した面状体24を、2枚積層したものであり、2枚の面状体24に複数個連通開口している穴25の中心は同軸上にあり、かつ壁面26に貼り付ける側の面状体24の穴25の方が他方の面状体の穴25より、内径が大きい。この面状体24の積層体を音波が通過する流路の壁面26に対して貼り付け固定することで、穴25の内壁と、壁面26が組み合わさった凸断面の空間29を形成することができる。
前記面状体24と略平行に音波が通過した場合には、音波中に含まれる特定の周波数の音が、凸断面の空間29と共鳴することとなり、共鳴した周波数の音は、音のレベルが弱められることとなる。これは、凸断面の空間29部が、音響回路におけるヘルムホルツの役割を果たすためである。すなわち、上層側の面状体24の厚みL(m)及び穴25の断面積S、壁面側の面状体の空間容積Vの数値を次式で計算して得られる周波数f(Hz)の音と共鳴し消音するのに効果があるといわれている。
f=C/2π×√(S/L/V)
f:周波数(Hz)
C:音速(m/s)
π:円周率
S:上層側面状体の穴断面積(m2)
L:上層側面状体の厚み(m)
V:壁面側面状体の穴容積(m3)
このヘルムホルツの音響回路は、共鳴周波数fの前後で急激に吸音率が立ち上がる特性であり、騒音の周波数特性として、ピークが急激に立ち上がるNZ音のような突出音に対しての吸音効果が高い。このため、上層側の面状体24の穴断面積S、厚みL、及び壁面側の面状体の穴容積Vの数値を、消音したい騒音の周波数に合わせて最適に設定することで、ピークの立った騒音に対してより高い減衰効果を得ることができる。本実施の形態では、各面状体24の厚み、穴25の内径を消音したい周波数に合わせて設定し、複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に積層して貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
f=C/2π×√(S/L/V)
f:周波数(Hz)
C:音速(m/s)
π:円周率
S:上層側面状体の穴断面積(m2)
L:上層側面状体の厚み(m)
V:壁面側面状体の穴容積(m3)
このヘルムホルツの音響回路は、共鳴周波数fの前後で急激に吸音率が立ち上がる特性であり、騒音の周波数特性として、ピークが急激に立ち上がるNZ音のような突出音に対しての吸音効果が高い。このため、上層側の面状体24の穴断面積S、厚みL、及び壁面側の面状体の穴容積Vの数値を、消音したい騒音の周波数に合わせて最適に設定することで、ピークの立った騒音に対してより高い減衰効果を得ることができる。本実施の形態では、各面状体24の厚み、穴25の内径を消音したい周波数に合わせて設定し、複数個の穴を連通開口したものを、騒音の通路の壁面に積層して貼り付けるだけで、簡便にかつ効果の高い消音を実施することができる。
図9は、前記本発明の消音装置の面状体24の積層体を、電気掃除機の防音筒21の内壁に貼り付け固定したものである。
以上のような構成により、電動送風機2を駆動すると、増速された気流は図中に矢印で示すように電動送風機2の排気口20より排出され、防音筒21の排気口22、本体1の排気口9を経て、本体1外へ放出される。このとき、インペラ11のブレード12枚数Zと、その回転数Nの積またはその整数倍によって周波数が決まるNZ音と呼ばれる突出音がその他の騒音に混じって、排気とともに排出される。
このような場合でも、防音筒21内壁に貼り付けた凸断面の空間29を形成している面状体24における凸断面の空間の寸法をNZ音の周波数と共鳴するように最適な値に設定すれば、空気と共にNZ音が防音筒21内壁を通過する際に、NZ音を上記ヘルムホルツの音響回路作用で大幅に吸音するため、電気掃除機の運転中に発生する耳障りな騒音を低減することができる。
また、本実施の形態では、面状体24の積層体を防音筒21内壁に貼り付けたが、貼り付け位置はこの位置に限定されることはなく、騒音の伝搬経路で、かつ凸断面を形成でき位置であれば、どこでもよいものである。
以上のように、本発明にかかる消音装置およびそれを用いた電気掃除機は、電動送風機の運転時に発生する突出音を共鳴作用を利用して減衰することができ、また、消音装置の構成自体は単純な構成で高い効果が得ることができるため、騒音対策を必要とする様々な機器に使用することも可能である。
1 本体
2 電動送風機
9 本体の排気口
11 インペラ
11a インペラ吸気口
12 ブレード
16 エアガイド
19 ケーシング
19a ケーシング吸気口
21 防音筒
24 面状体
25 穴
26 壁面
27 空間
28 横吹き出し穴
2 電動送風機
9 本体の排気口
11 インペラ
11a インペラ吸気口
12 ブレード
16 エアガイド
19 ケーシング
19a ケーシング吸気口
21 防音筒
24 面状体
25 穴
26 壁面
27 空間
28 横吹き出し穴
Claims (10)
- 空気流と共に音波が伝搬する流路壁面に設けられ、特定の厚みを有しかつ厚み方向に特定形状の複数の連通開口穴を有した面状体を備え、前記流路壁面と前記複数の連通開口穴の壁面が組み合わさることで、前記複数の連通開口穴の流路壁面側が閉ざされて形成される音響的な共鳴空間によって消音効果を得る消音装置。
- 厚みの異なる面状体を複数組み合わせた請求項1に記載の消音装置。
- 複数の連通開口穴を有した面状体を複数枚互いの連通開口穴中心軸が略一致した配置で積層し、かつ各面状体の連通開口穴の面積は、流路壁面側の面状体の連通開口穴の面積が他の面状体の面積より大きくした請求項1または請求項2に記載の消音装置。
- 面状体を構成する材質は、樹脂素材である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の消音装置。
- 面状体を構成する材質は、弾性素材である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の消音装置。
- 面状体を構成する素材は、多孔質素材である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の消音装置。
- 面状体の連通開口穴の内壁面は、硬化処理が施されている請求項5または請求項6に記載の消音装置。
- 電動機の回転軸に取り付られた複数のブレードを有するインペラと、インペラで発生した気流を導くエアガイドと、中央部に吸気口を有し、インペラとエアガイドを内包するケーシングで構成された電動送風機を、硬質の防音筒で囲って本体に内蔵した電気掃除機において、ケーシングの吸気口から本体の排気口までの空気流路の途中壁面に、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の消音装置を設けた電機掃除機。
- ケーシングの側面には、エアガイドから流れてくる気流を直接排出できる、横吹き出し穴を備え、前記吹き出し穴の近傍に、消音装置を設けた請求項8に記載の電気掃除機。
- 吸気口から本体の排気口までの空気流路に複数個の面状体を配置し、前記空気流路の上流側に設けた面状体は、下流側に設けた面状体に比べ、低い周波数の音波と共鳴する面状体とした請求項8に記載の電気掃除機。
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---|---|---|---|
JP2005306896A JP2007111308A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 消音装置およびそれを用いた電気掃除機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2005-10-21 JP JP2005306896A patent/JP2007111308A/ja not_active Withdrawn
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