JP2007110235A - スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スピーカ10が駆動されると、スピーカ10のコーン紙の振動がスピーカエンクロージャー90内の空気に伝搬され、この空気の振動によって振動板91の振動部位91aが振動する。スピーカ10は振動板91に取り付けられているため、振動板91の振動面積を十分にとることができる。この場合、スピーカ10は振動板91の振動の負荷になるから、その自重や取付位置によるモーメントの調整により、第1次振動モード以外の振動モードの抑制をするという機能を合わせ持たせることができる。
【選択図】図1
Description
バスレフは、ヘルムホルツ共鳴を利用して低音を増強するものであり、ドローンコーンは駆動回路のないスピーカユニットを取り付け、エンクロージャーの容積内の空気との共振を利用して低音を増強するものである。
本発明の好ましい態様として、前記スピーカは複数取り付けられているようにしてもよい。
図1は、この発明の実施形態であるスピーカシステムの構成を示す図であり、図1の(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−A線断面図、(c)は(a)に示すB−B線断面図である。また、同図(d)は側断面方向から見た分解組み立て図である。これらの図において、10、10は、ボイスコイル、マグネット等を備えたスピーカであり、スピーカエンクロージャー90の前面に取り付けられている。スピーカエンクロージャー90は、密閉型のエンクロージャーであり、板状の部材(例えば、木材、合成樹脂、金属もしくはそれらを張り合わせた合成材等)により形成されている。
また、図1の(b)に示すように、スピーカエンクロージャー90の正面の開口部90bには薄い板状の振動板91が取り付けられている。振動板91は、スピーカエンクロージャー90の正面と同じ大きさに形成され、スピーカエンクロージャー90の正面全体を覆っている。振動板91の上端部分は、枠部材92の上部に幅方向に沿って取り付けられた直方体状の取付部材93に取り付けられ、振動板91の下端部分は自由端となっている。この結果、振動板91は取付部材93を支点として振動自在となっている。
また、「弾性」の度合いは、この振動板91の一辺を固定して水平に置いたときに自重とスピーカの重量を支えてほぼ水平に保つことができる程度である。このような特性を満足させるために、振動板91は、例えば薄い木の板、薄い合成樹脂、金属の板もしくはそれらを張り合わせた合成材等からなる。
この振動板91の中央上部には、振動板91を貫通して2つのスピーカ取付穴が設けられ、このスピーカ取付穴に前述したスピーカ10、10が挿入されている。この場合、スピーカ10の前面のフレームがネジにより振動板91に固定されている。
この場合、スピーカ10は振動板91の振動の負荷になるから、その自重や取付位置によるモーメントの調整により、第1次振動モード以外の振動モードの抑制をするという機能を合わせ持たせることができる。
また、振動板91の共振周波数は、振動板91の質量を大きくすることで下げることができる。すなわち、振動板91の大きさや材質などによっても調整が可能であり、振動板91に何らかの部材を貼り付けることによっても容易に調整が可能である。
ここで、
Re=ボイスコイル直流抵抗
Le,L2,R2=高域インピーダンス上昇要素
Cmes=スピーカ振動系の等価質量容量
Lces=スピーカ振動系の等価コンプライアンスインダクタンス
Res=スピーカ振動系のメカニカル制動抵抗
である。
図4は、従来のドローンコーンやヒンジ固定フラップなどのパッシブラジエターの等価回路である。図示のように、スピーカからボイスコイルのファクターを無くした回路構成を持つ。質量Cmepは、エッジの持つコンプライアンスLcepと制動抵抗Repで支えられている。
ここで、
Cmep=パッシブラジエターの等価質量容量
Lcep=パッシブラジエターの等価コンプライアンスインダクタンス
Rep=パッシブラジエターのメカニカル制動抵抗
である。図5は従来のパッシブラジエターシステムの等価回路である。信号電圧がスピーカを駆動し、スピーカの音響出力がスピーカエンクロージャー容積を介してパッシブラジエターを駆動する。
図6において、
Cmeb=振動板の等価質量容量
Lceb=振動板の等価コンプライアンスインダクタンス
Lcex=振動板エッジの等価コンプライアンスインダクタンス
Rex=振動板エッジのメカニカル制動抵抗
である。図7は本件発明におけるスピーカシステムの等価回路である。図5と比較した場合、スピーカとスピーカエンクロージャー容積を同じとすると、
Cmep=Cmeb
とすれば、低域の共振周波数も同じになる。この重量を支えるコンプライアンスも同等のものが必要になるが、図5ではLcepであり、図7ではLcex>>Lcebであるから、ほとんどLcebとなり、適切な設計をすればほぼ
Lcep=Lceb
となる。ここまでのファクターに大きな差異はない。しかし、ここまでの説明で明らかなように、
Rex>>Rep
となることが、本願発明の重要な特徴であり、これにより従来方式に較べてロスが大幅に少なくなり、低音再生が有利になることが分かる。
Claims (3)
- 内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、
前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、
前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられ、前記スピーカエンクロージャーの内部空間が露出する開口構造と、
前記振動板と前記開口構造との間に取り付けられ、前記開口構造によって露出する空間を前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と、
前記振動板に取り付けられたスピーカと
を具備することを特徴とするスピーカシステム。 - 前記スピーカは複数取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
- スピーカが取り付けられるスピーカ取り付け穴を有した密閉型のスピーカエンクロージャーにおいて、
前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、
前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられ、前記スピーカエンクロージャーの内部空間が露出する開口構造と、
前記振動板と前記開口構造との間に取り付けられ、前記開口構造によって露出する空間を前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と
を備え、
前記スピーカ取り付け穴は、前記振動板に設けられている
ことを特徴とするスピーカエンクロージャー。
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JP2005296587A JP4600241B2 (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャー |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7481295B2 (en) * | 2005-06-30 | 2009-01-27 | Yamaha Corporation | Speaker system and speaker enclosure |
US8819938B2 (en) | 2009-05-26 | 2014-09-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Panel positioning apparatus and panel integration method |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62232296A (ja) * | 1986-04-01 | 1987-10-12 | Hiroaki Otani | スピ−カ−ボツクス |
JPH04309096A (ja) * | 1991-04-05 | 1992-10-30 | Sony Corp | スピーカシステム |
JP2002531036A (ja) * | 1998-11-24 | 2002-09-17 | ビーアンドダブリュ ラウドスピーカーズ リミティド | 補助低音放射器ユニット |
-
2005
- 2005-10-11 JP JP2005296587A patent/JP4600241B2/ja not_active Expired - Fee Related
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