JP4148253B2 - スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャー - Google Patents
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Description
この共鳴管を用いたスピーカシステムの低音特性をさらに向上させたものとして、例えば特許文献1にて開示された技術が知られている。図19は、特許文献1で提案されているスピーカシステムの断面図である。エンクロージャー91は矩形断面を有しており、隔壁92によって2つのサブチャンバ91aおよび91bに分割されている。隔壁92にはスピーカユニット93を取り付けるための開口部92aが設けられており、スピーカユニット93のコーン前面がサブチャンバ91aに面するようにスピーカユニット93が隔壁92に取り付けられている。さらに、サブチャンバ91a、91bにはそれぞれ共鳴管94a、94bが設けられており、サブチャンバ91a、91bの内部空間がエンクロージャー91の外部空間と結合されている。
別の好ましい態様として、前記スピーカ手段は2つのスピーカの振動面の前面を対向配置した一対または複数対のスピーカ対であって、各スピーカ対の一方のスピーカの振動面の背面を前記一面とし、各スピーカ対の他方のスピーカの振動面の背面を前記他面としてもよい。
図1は、本発明の実施形態のスピーカシステムの外観を示す斜視図である。図2は、スピーカシステムを図1におけるz方向から見た平面図である。図3は、図1におけるA−A断面図である。
スピーカエンクロージャー20は、直方体状の筐体であり、6面とも板状の部材(例えば、木材、合成樹脂、金属もしくはそれらを張り合わせた合成材等)により形成されている。図3に示されるように、スピーカエンクロージャー20の内部空間は、隔壁部材25によって分割されており、サブチャンバ23、24が形成されている。隔壁部材25にはスピーカ取付穴が設けられている。スピーカ10は、コーン形状の振動紙11を有し、この振動紙11が設けられた面(以下、「スピーカ10の前面」という)がサブチャンバ24に面するようにスピーカ取付穴に挿入され、隔壁部材25に取り付けられている。
図2、図3に示すように、スピーカエンクロージャー20の側面20d、20eのy方向の長さは、連結部材20aの振動板30との接合面から底面20iまでの距離よりもやや短く形成され、連結部材20aから側端部20d、20eにかけて傾斜し、傾斜部20g、20hを形成している。このようにして、傾斜部20g、20hと振動板30との間には空隙が形成されている。振動板30は、連結部材20aによって固定されているが、振動板30の両端部は片持ち梁のように自由端になっており、振動板30の弾性によって自由に振動できるようになっている。なお、以下においては、振動板30の連結部材20aとの接合部の両側を振動部位31、32という。
また、「弾性」の度合いは、この振動板30の一辺を固定して水平に置いたときに自重を支えてほぼ水平に保つことができる程度である。このような特性を満足させるために、振動板30は、例えば薄い木の板、薄い合成樹脂、金属の板もしくはそれらを張り合わせた合成材等からなる。
図5は、スピーカエンクロージャー20をx方向から見た側面図、図6はスピーカエンクロージャー20のB−B断面図である。
以上のようにして決定される共振周波数は、スピーカ10の周波数特性、スピーカエンクロージャー20の容積、振動板30の質量および面積を調整することによって、低音域が増強され、かつ、高音域がカットされた所望値に設定することができる。図7(a)は、スピーカ10の周波数特性、図7(b)は振動板30の共振周波数特性の一例を示す図である。
なお、サブチャンバ23、24の好適な容積比はおよそ4:1、振動部位31、32の好適な面積比はおよそ2:1である。
また、振動板30の共振周波数は、振動板30の質量を大きくすることで下げることができる。すなわち、振動板30の大きさや材質などによっても調整が可能であり、振動板30に何らかの部材を貼り付けることによっても容易に調整が可能である。
ここで、
Re=ボイスコイル直流抵抗
Le,L2,R2=高域インピーダンス上昇要素
Cmes=スピーカ振動系の等価質量容量
Lces=スピーカ振動系の等価コンプライアンスインダクタンス
Res=スピーカ振動系のメカニカル制動抵抗
である。
図11は、従来のドローンコーンやヒンジ固定フラップなどのパッシブラジエターの等価回路である。図示のように、スピーカからボイスコイルのファクターを無くした回路構成を持つ。質量Cmepは、エッジの持つコンプライアンスLcepと制動抵抗Repで支えられている。
ここで、
Cmep=パッシブラジエターの等価質量容量
Lcep=パッシブラジエターの等価コンプライアンスインダクタンス
Rep=パッシブラジエターのメカニカル制動抵抗
である。図12は従来のパッシブラジエターシステムの等価回路である。信号電圧がスピーカを駆動し、スピーカの音響出力がスピーカエンクロージャー容積を介してパッシブラジエターを駆動する。
図13において、
Cmeb=振動板の等価質量容量
Lceb=振動板の等価コンプライアンスインダクタンス
Lcex=振動板エッジの等価コンプライアンスインダクタンス
Rex=振動板エッジのメカニカル制動抵抗
である。図14は本発明に係るスピーカシステムの等価回路である。図12と比較した場合、スピーカとスピーカエンクロージャー容積を同じとすると、
Cmep=Cmeb
とすれば、低域の共振周波数も同じになる。この重量を支えるコンプライアンスも同等のものが必要になるが、図12ではLcepであり、図14ではLcex>>Lcebであるから、ほとんどLcebとなり、適切な設計をすればほぼ
Lcep=Lceb
となる。ここまでのファクターに大きな差異はない。しかし、ここまでの説明で明らかなように、
Rex>>Rep
となることが、本願発明の重要な特徴であり、これにより従来方式に較べてロスが大幅に少なくなり、低音再生が有利になることが分かる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)図15は、隔壁部材25にスピーカ10を複数設けたスピーカシステムの例を示す図である。同図は、スピーカシステムを図1におけるy方向から見た断面図である。このように複数のスピーカ10をその前面を同一方向に向けてz方向に並べて設けることによってスピーカシステムの出力を増大させることができる。このようにすれば、スピーカシステムの出力を増大させるためにスピーカ10の口径を大きくする必要がなくなるから、スピーカエンクロージャー20のy方向の厚さを厚くすることなく出力を増大させることができる。
また、複数の小口径のスピーカ10をその前面を同一方向に向けてz方向に並べて設けるようにしてもよい。このようにすれば、出力を減少させることなくスピーカエンクロージャー20のy方向の厚さを薄くすることができる。
この場合、U字状の内側の部分が振動板51、52として機能する。すなわち、振動板51の上部は前面板50aと一体であり、それ以外の部分はU字形状の開口部61によって前面板50aから切り離されているから、振動板51はその上端が固定された状態で自由に振動可能である。同様に、振動板52の下部は前面板50aと一体であり、それ以外の部分はU字形状の開口部62によって前面板50aから切り離されているから、振動板52はその下端が固定された状態で自由に振動可能である。
Claims (4)
- 内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、
前記スピーカエンクロージャーの内部を第1のサブチャンバと第2のサブチャンバとに分割する隔壁部材と、
一面が前記第1のサブチャンバに向くように、他面が前記第2のサブチャンバに向くようにして前記隔壁部材に取り付けられ、供給される信号に応じて前記一面と他面が前記第1のサブチャンバと前記第2のサブチャンバにおいて互いに逆相で振動するスピーカ手段と、
前記スピーカエンクロージャーの一面において、前記第1のサブチャンバに対応する位置に設けられた第1の開口部、および、前記第2のサブチャンバに対応する位置に設けられた第2の開口部と、
前記第1の開口部が設けられた一面において片持ち梁のようにして一端が固定されるとともに他端が該第1の開口部との間に空隙を形成するように設けられて自由端となり、弾性により振動可能な第1の振動板と、
前記第2の開口部が設けられた一面において片持ち梁のようにして一端が固定されるとともに他端が該第2の開口部との間に空隙を形成するように設けられて自由端となり、弾性により振動可能な第2の振動板と、
前記第1の振動板と前記第1の開口部の縁部との間に形成された空隙を、該第1の振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記第1のサブチャンバの気密性を保持する第1の密閉部材と、
前記第2の振動板と前記第2の開口部の縁部との間に形成された空隙を、該第2の振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記第2のサブチャンバの気密性を保持する第2の密閉部材と
を具備することを特徴とするスピーカシステム。 - 前記スピーカ手段は一または複数のスピーカであって、その振動面の前面を前記一面とし、その振動面の背面を前記他面とすることを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
- 前記スピーカ手段は2つのスピーカの振動面の前面を対向配置した一対または複数対のスピーカ対であって、各スピーカ対の一方のスピーカの振動面の背面を前記一面とし、各スピーカ対の他方のスピーカの振動面の背面を前記他面とすることを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
- 内部が密閉されるスピーカエンクロージャーにおいて、
前記スピーカエンクロージャーの内部を第1のサブチャンバと第2のサブチャンバとに分割する隔壁部材と、
前記隔壁部材に設けられたスピーカ取付穴と、
前記スピーカエンクロージャーの一面において、前記第1のサブチャンバに対応する位置に設けられた第1の開口部、および、前記第2のサブチャンバに対応する位置に設けられた第2の開口部と、
前記第1の開口部が設けられた一面において片持ち梁のようにして一端が固定されるとともに他端が該第1の開口部との間に空隙を形成するように設けられて自由端となり、弾性により振動可能な第1の振動板と、
前記第2の開口部が設けられた一面において片持ち梁のようにして一端が固定されるとともに他端が該第2の開口部との間に空隙を形成するように設けられて自由端となり、弾性により振動可能な第2の振動板と、
前記第1の振動板と前記第1の開口部の縁部との間に形成された空隙を、該第1の振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記第1のサブチャンバの気密性を保持する第1の密閉部材と、
前記第2の振動板と前記第2の開口部の縁部との間に形成された空隙を、該第2の振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記第2のサブチャンバの気密性を保持する第2の密閉部材とを具備することを特徴とするスピーカエンクロージャー。
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