JP2007109783A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007109783A
JP2007109783A JP2005297561A JP2005297561A JP2007109783A JP 2007109783 A JP2007109783 A JP 2007109783A JP 2005297561 A JP2005297561 A JP 2005297561A JP 2005297561 A JP2005297561 A JP 2005297561A JP 2007109783 A JP2007109783 A JP 2007109783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type layer
conductivity type
junction
semiconductor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005297561A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsusada Fujita
充貞 藤田
Yutaka Tomatsu
裕 戸松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005297561A priority Critical patent/JP2007109783A/ja
Publication of JP2007109783A publication Critical patent/JP2007109783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】半導体ウェハがダイシングされて形成される半導体チップの側面に露出するすべてのPN接合部分に対する結晶ダメージを低減する。
【解決手段】P+型層2と、このP+型層2の上に形成されたN+型層3と、によって形成されるPN接合を含んだ半導体基板1を備え、P+型層2からN+型層3に電流が流れるように構成された複数の半導体素子が備えられてなる半導体装置において、P+型層2とN+型層3とがそれぞれ露出する半導体基板1のすべての側面のうち、PN接合をなしているP+型層2とN+型層3との接合点を少なくとも含むように劈開面12が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイシングカットした半導体チップの側面の結晶ダメージを低減するようにした半導体装置およびその製造方法に関する。
従来より、半導体素子として例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTという)を半導体基板として構成されるウェハに多数形成し、その後、ウェハを複数のチップに分割するダイシングカットが行われる。このようなダイシング技術として、一般に、薄い円板(ブレード)を回転させてウェハを切削し、ウェハを複数のチップに分割するブレードダイシング技術や、ウェハにレーザ光を照射してウェハを熱溶断することでウェハを複数のチップに分割するレーザダイシング技術が用いられている。
しかしながら、これらダイシング技術では、ウェハをチップに分割する際、チップの側面、すなわち半導体基板の側面全面に結晶ダメージを与えてしまうため、半導体基板の側面に露出しているPN接合部分において、リーク電流増大や耐圧低下が生じてしまう。具体的には、半導体基板に形成されているPN接合に逆バイアスが印加されたとき、半導体基板の側面に露出しているPN接合部分に電流が集中し、半導体基板に形成されているPN接合に逆バイアスが印加されたときのサージ耐量が低下するという問題が生じている。
そこで、特許文献1では、IGBTのようにウェハをチップ分離した後にPN接合がむき出しになるような半導体素子において、人為的な力(例えば引張応力)をウェハに印加することにより、チップ分離を行う方法が提案されている。この方法では、ウェハに対し、チップとして分離させたい場所にレーザ光の焦点を合わせてレーザ光の照射を行い、ウェハ内部にクラック領域を形成する。そして、ウェハを互いに逆方向に引っ張ることでクラック領域を起点としてクラックをさらに成長させることにより、ウェハを割ってチップに切断する。このようにクラック領域を起点にしてウェハを割ることにより、切断されるチップ側面のダメージを低減させている。
特許3624909号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ウェハ内に切断起点となるクラック領域を形成しているため、ダイシングされたチップ(半導体基板)の側面にクラック領域を形成したときのダメージが残ってしまう。すなわち、このクラック領域は、上述のように、レーザ光が集光されることによってウェハ内部に形成されるため、このクラック領域を形成する際、半導体基板の側面に露出することとなるPN接合部分にダメージを与えてしまう可能性がある。
このように、クラック領域の形成時にPN接合の部分にダメージが与えられていると、上述のように、分割されたチップにおいて、PN接合に逆バイアスを印加したとき、PN接合端面の逆方向リーク電流が増加し、電流集中によって素子破壊に至る可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、半導体ウェハがダイシングされて形成される半導体チップの側面に露出するすべてのPN接合部分に対する結晶ダメージを低減することができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、第1導電型の層(2)と第2導電型の層(3、4)とがそれぞれ露出する半導体基板(1)のすべての側面のうち、PN接合をなしている第1導電型の層と第2導電型の層との接合点を少なくとも含む部分がそれぞれ劈開面(12)として形成されていることを特徴とする。
このように、半導体基板のすべての側面において少なくともPN接合の接合点を含んだ部分を劈開面で形成する。これにより、半導体基板においてPN接合の側面部分の結晶性を確保することができ、ひいては結晶ダメージを低減することができる。したがって、PN接合端面の逆方向リーク電流を抑制でき、電流集中による素子破壊耐量を向上させることができる。
本発明では、複数の半導体素子が設けられた半導体ウェハを用意し、複数の半導体素子をそれぞれ区分する半導体ウェハに設けられたスクライブライン(13)に対し、PN接合を構成する第1導電型の層と第2導電型の層との接合面が少なくとも残されるように、第1導電型の層および第2導電型の層もしくは第2導電型の層のみを除去し、スクライブラインにおいて、PN接合の接合面が含まれた部分を劈開し、半導体基板のすべての側面のうち露出する前記PN接合の接合点を少なくとも含んだ部分に劈開面(12)を形成することを特徴とする。
このように、半導体基板の側面において少なくともPN接合の接合点を含んだ部分に劈開面を形成する。これにより、PN接合部分における結晶ダメージを低減することができ、半導体基板においてPN接合の側面部分の結晶性を確保することができる。したがって、PN接合端面の逆方向リーク電流の抑制、電流集中による素子破壊耐量の向上を実現させることができる。
本発明では、ブレードダイシングによって第1導電型の層および第2導電型の層もしくは第2導電型の層のみを切削することを特徴とする。
このように、ブレードダイシング技術を用いて、スクライブラインにおいて所望の量だけ半導体基板を切削することができる。
本発明では、エッチングによってスクライブラインにトレンチ(15、16)を形成することで第1導電型の層および第2導電型の層もしくは第2導電型の層のみを除去することを特徴とする。
このように、トレンチエッチングの技術を用いて、スクライブラインにおいて所望の量だけ半導体基板を除去することができる。
本発明では、複数の半導体素子が設けられた半導体ウェハを用意し、複数の半導体素子をそれぞれ区分する半導体ウェハに設けられたスクライブライン(13)に対し、第1導電型の層および第2導電型の層もしくは第2導電型の層のうち、PN接合を構成する第1導電型の層と第2導電型の層との接合面を少なくとも除いた部分にレーザ光を入射してダメージ層(14)を形成し、スクライブラインにおいて、半導体基板を劈開し、半導体基板のすべての側面のうちPN接合の接合点を少なくとも含んだ部分に劈開面(12)を形成することを特徴とする。
このように、スクライブラインにおいて半導体基板の内部のうちPN接合部分以外の場所にレーザ光によってダメージ層を形成して半導体基板を劈開する。これにより、半導体基板の側面のうちPN接合部分のみに劈開面を形成することができる。したがって、劈開面の結晶性を確保することができ、PN接合部分の結晶ダメージを低減することができる。以上により、PN接合端面の逆方向リーク電流を抑制でき、電流集中による素子破壊耐量を向上させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
以下では、半導体素子としてIGBTを例に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置としての半導体チップの概略断面図を示したものである。図1に示される半導体チップは、この半導体素子が複数形成された半導体ウェハが例えばスクライブラインに沿ってダイシングされることで、個々の半導体チップに分割されたものに相当する。
図1に示されるように、シリコン基板としての半導体基板1は、P+型層2と、P+型層2の表層部に形成されたN+型層3と、N+型層3の表層部に形成されたN−型ドリフト層4と、を備えて構成されている。これらP+型層2とN+型層3およびN−型ドリフト層4とによってPN接合が形成されている。
なお、P+型層2は、本発明の第1導電型の層に相当し、N+型層3およびN−型ドリフト層4は、本発明の第2導電型の層に相当する。
また、N−型ドリフト層4の表層部に、P型ベース領域5が形成されていると共に、P型ベース領域5の内部であって、P型ベース領域5の表層部にN+型エミッタ領域6が形成されている。なお、P型ベース領域5は、本発明の第1導電型のベース領域に相当し、N+型エミッタ領域6は、本発明の第2導電型のエミッタ領域に相当する。
半導体基板1の表面のうち、N−型ドリフト層4、P型ベース領域5の一部、そしてN+型エミッタ領域6の一部を覆うようにゲート絶縁膜7が形成されている。このゲート絶縁膜7の表面にゲート電極8が形成されており、このゲート電極8を覆うように層間絶縁膜9が形成されている。すなわち、N−型ドリフト層4とN+型エミッタ領域6との間に位置するP型ベース領域5の表面側部分をチャネル領域として、このチャネル領域上にゲート絶縁膜7を介してゲート電極8が形成された状態になっている。
また、N+型エミッタ領域6およびN−型ドリフト層4との間に位置するP型ベース領域5の表層部をチャネル領域とし、その表面にゲート絶縁膜7を介してゲート電極8が形成されている。さらに、ゲート電極8を覆うように層間絶縁膜9が形成されていると共に、層間絶縁膜9に形成されたコンタクトホール9aを通じて、エミッタ電極10がN+型エミッタ領域6およびP型ベース領域5に電気的に接続されている。そして、P+型基板2の裏面側にコレクタ電極11が形成された構成となっている。
なお、エミッタ電極10は本発明の第1電極に相当し、コレクタ電極11は本発明の第2電極に相当する。
以上が、本実施形態に係る半導体チップの構成である。
次に、上記半導体チップの側面の状態について説明する。図1に示されるように、本実施形態では、半導体基板1の側面のうち、PN接合をなしているP+型層2によるP層とN+型層3およびN−型ドリフト層4によるN層との接合部分を少なくとも含んだ場所に劈開面12が形成されている。すなわち、本実施形態では、半導体チップのすべての側面のうち、P+型層2とN+型層3との接合点を少なくとも含んだ部分が劈開面12としてそれぞれ形成されている。
このように、半導体基板1の側面において、P+型層2とN+型層3との接続点を含む領域を劈開により形成することで、劈開面12に相当するP+型層2およびN+型層3の側面の結晶ダメージを抑制し、PN接合部分の劈開面12における結晶性を確保している。
図1では、半導体チップの一側面しか描かれていないが、半導体ウェハが切断されると半導体チップには4つの側面が形成される。すなわち、半導体チップの各側面にPN接合部分が露出する部分が存在する。したがって、半導体チップにおいてPN接合部分を含むすべての側面に劈開面12が設けられている。
また、半導体基板1の各側面のうち、劈開面12以外の場所は、ブレードダイシングにより切削されている。本実施形態では、半導体基板1のうち、コレクタ電極11およびP+型層2の一部と、N−型ドリフト層4およびN+型層3の一部がブレードダイシングによりカットされている。以上が、半導体基板1の側面の状態である。
次に、図1に示される半導体装置の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、図1に示す半導体チップの製造工程を示した図である。
まず、半導体ウェハを用意し、この半導体ウェハに複数のIGBTを形成する。製造工程図は示さないが、P+型層2の主表面上にN+型層3を形成し、このN+型層3の主表面上にN−型ドリフト層4を形成する。そして、N−型ドリフト層4の表層部に複数のP型ベース領域5と、各P型ベース領域5の表層部にN+型エミッタ領域6と、を形成する。
この後、半導体基板1の表面のうち、N−型ドリフト層4、P型ベース領域5の一部、そしてN+型エミッタ領域6の一部を覆うようにゲート絶縁膜7を形成し、ゲート絶縁膜7上にゲート電極8を形成して層間絶縁膜9で覆う。そして、P型ベース領域5においてゲート絶縁膜7が形成された側とは反対側に層間絶縁膜9を形成し、層間絶縁膜9に形成されたコンタクトホール9aにエミッタ電極10を形成する。また、P+型層2の裏面にコレクタ電極11を形成する。また、隣接するIGBT素子を区分するためのスクライブライン13をウェハに設けている。
このようにして、半導体ウェハに多数のIGBTを形成する。
続いて、図2に示す工程では、半導体基板1の表面においてN−型ドリフト層4が露出したスクライブライン13に沿ってブレードダイシングを行う。具体的には、スクライブライン13に水を注ぎながら、回転するブレードをスクライブライン13に押し付けて半導体基板1を削って行く。このとき、半導体基板1のうち、N−型ドリフト層4とN+型層3の一部とをブレードダイシングにより切削する。
また、半導体基板1の裏面においてスクライブライン13に対応する部分を削って行く。すなわち、コレクタ電極11とP+型層2の一部とを切削する。このようにして、半導体基板1の表裏面をブレードダイシングにより切削する。
上記のように半導体基板1をブレードダイシングすると、図2に示されるように、N+型層3とP+型層2との接合面が含まれるようにN+型層3の一部とP+型層2の一部とが残された状態となる。つまり、ブレードダイシングにより、半導体基板1の各側面のうちPN接合位置以外を切削するのである。これにより、本実施形態では、1つの半導体チップのうちすべての側面にPN接合部分がそれぞれ残され、この残された部分によって隣接する他の半導体チップと繋がった状態となっている。そして、半導体基板1のうちN+型層3の一部とP+型層2の一部との接合部分を劈開し、半導体ウェハを複数の半導体チップに分割する。こうしてIGBTが完成する。
このように、半導体基板1のうちPN接合部分を劈開することで、PN接合部分に劈開面12を形成することができ、この劈開面12に結晶ダメージを与えることなくIGBTチップを形成することができる。
以上説明したように、本実施形態では、半導体基板1においてPN接合部分が露出するすべての側面のうち、少なくともPN接合の接合点を含んだ場所をそれぞれ劈開面12として形成していることを特徴としている。これにより、半導体基板1においてPN接合の側面部分の結晶性を確保することができ、ひいては結晶ダメージを低減することができる。したがって、PN接合端面の逆方向リーク電流を抑制でき、電流集中による素子破壊耐量を向上させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、半導体基板1の表裏面をブレードダイシングしたが、P+型層2が図1に示されるものよりも薄い場合、半導体基板1の表面側のみをブレードダイシングし、劈開することができる。
図3は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示した図である。この図に示されるように、P+型層2が薄い場合、半導体基板1の表面に設けられたスクライブライン13に沿ってブレードダイシングする。このとき、N−型ドリフト層4とN+型層3の一部とを切削する。これにより、スクライブライン13において、N+型層3の一部とP+型層2とコレクタ電極11とが残された状態になっている。この後、半導体基板1を劈開することで、IGBTチップを形成する。
このように、半導体基板1の厚さに応じて、より詳しくはP+型層2の厚さに応じて、半導体基板1の表面側のみをブレードダイシングしても構わない。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。上記第1、第2実施形態では、半導体基板1の表裏面もしくは表面側のみをブレードダイシングしたが、レーザによって半導体基板1内にダメージ層を形成した後、半導体基板1を劈開することもできる。
図4は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示した図である。この図に示されるように、半導体基板1に設けられたスクライブライン13に対し、半導体基板1の表裏面から半導体基板1の内部に集光するようにレーザ光を照射し、半導体基板1の内部に複数のダメージ層14を形成する。
具体的には、半導体ウェハに複数のIGBTを形成したものを用意し、スクライブライン13において、半導体基板1の表面側からレーザを入射し、N−型ドリフト層4とN+型層3の一部とにレーザダイシングによって複数のダメージ層14を形成する。このとき、レーザ光の焦点をスクライブライン13に沿って移動させ、さらに半導体基板1に対して垂直方向に移動させる。同様に、半導体基板1の裏面側からレーザを入射し、P+型層2とN+型層の一部とにレーザダイシングによってダメージ層14を形成する。このとき、少なくともN+型層3とP+型層2との接合面を除いた場所にレーザダイシングによってダメージ層14を形成する。
このようにして、半導体基板1内にダメージ層14を形成する際、上述のように、半導体チップとなる各側面のうち、P+型層2とN+型層3との接合部分を少なくとも含んだ領域が残されるように半導体基板1内にダメージ層14が形成される。したがって、半導体ウェハにおいて各半導体チップは、ダメージ層14とPN接合部分とによって、隣接する他の半導体チップと繋がった状態となっている。
半導体基板1においてダメージ層14が形成された部分は、結晶性が悪化して結晶ダメージを受けているためもろくなっている。そして、スクライブライン13に沿って半導体基板1を劈開する。これにより、半導体基板1においてダメージ層14の部分を崩すと共に、PN接合の部分を劈開し、半導体ウェハを複数の半導体チップに分割する。こうしてIGBTが完成する。
以上のように、半導体基板1の内部にレーザダイシングによってPN接合以外の場所に選択的にダメージ層14を形成しておき、半導体チップとなる各側面のうちPN接合部分を劈開するようにしても構わない。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。上記第3実施形態では、半導体基板1の表裏面をレーザダイシングしたが、P+型層2が図4に示されるものよりも薄い場合、半導体基板1の表面側のみをレーザダイシングすることができる。
図5は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示した図である。この図に示されるように、P+型層2が薄い場合、半導体基板1の表面に設けられたスクライブライン13に沿ってレーザダイシングする。このとき、N−型ドリフト層4とN+型層3の一部とにダメージ層14を形成する。これにより、スクライブライン13において、N+型層3の一部とP+型層2とコレクタ電極11とが残された状態になっている。この後、半導体基板1を劈開することで、IGBTチップを形成する。
このように、半導体基板1の厚さに応じて、より詳しくはP+型層2の厚さに応じて、半導体基板1の表面側のみにダメージ層14を形成するレーザダイシングを行うようにしても構わない。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。上記第1、第2実施形態では、半導体基板1をブレードダイシングし、第3、第4実施形態では半導体基板1をレーザダイシングしたが、半導体基板1にトレンチエッチングを施した後、半導体基板1を劈開することもできる。
図6は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示した図である。この図に示されるように、半導体基板1に設けられたスクライブライン13に対応する部分に、少なくともN+型層3とP+型層2との接合面が残されるようにトレンチ15、16を形成する。
具体的には、半導体基板1の表面側において、スクライブライン13に対応する場所に、N−型ドリフト層4を貫通し、N+型層3に達するトレンチ15をエッチングによって形成する。同様に、半導体基板1の裏面側において、コレクタ電極11を貫通し、P+型層2に達するトレンチ16をエッチングによって形成する。
このとき、上述のように、半導体チップとなる各側面のうち、P+型層2とN+型層3との接合部分を少なくとも含んだ領域が残されるように半導体基板1内にトレンチ15、16が形成される。したがって、半導体ウェハにおいて各半導体チップは、トレンチエッチングによって残されたPN接合部分によって、隣接する他の半導体チップと繋がった状態となっている。
この後、半導体基板1のうちN+型層3の一部とP+型層2の一部との接合部分を劈開し、複数のチップに分割する。こうしてIGBTが完成する。
以上のように、スクライブライン13においてPN接合以外の部分にトレンチ15、16を形成しておき、半導体基板1を劈開するようにしても構わない。なお、トレンチエッチングを行う際、半導体基板1の表裏面のうちスクライブライン13以外の場所にレジストを塗布してエッチングを行うことで、トレンチ15、16を形成する。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。上記第5実施形態では、半導体基板1の表裏面にトレンチ15、16を形成したが、P+型層2が図6に示されるものよりも薄い場合、半導体基板1の表面のみにトレンチ15を形成し、劈開することができる。
図7は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示した図である。この図に示されるように、P+型層2が薄い場合、半導体基板1の表面に設けられたスクライブライン13に沿ってトレンチ15をエッチングによって形成する。このとき、N−型ドリフト層4を貫通してN+型層3に達すると共に、PN接合部分が残されるようにトレンチ15を形成する。これにより、スクライブライン13において、N+型層3の一部とP+型層2とコレクタ電極11とが残された状態になっている。この後、半導体基板1を劈開することで、IGBTチップを形成する。
このように、半導体基板1の厚さに応じて、より詳しくはP+型層2の厚さに応じて、半導体基板1の表面側のみにトレンチ15を形成するようにしても構わない。
(他の実施形態)
上記実施形態では、半導体素子としてIGBTを例に説明したが、IGBTの他に、ダイオード、バイポーラトランジスタ、サイリスタ等のPN接合が形成された素子であっても構わない。
上記実施形態では、半導体基板1としてシリコン基板を用いているが、ゲルマニウムやガリウム砒素などの化合物半導体で構成される基板を用いても構わない。
上記第1〜第6実施形態に示されるように半導体基板1を劈開分離した後、半導体基板1の側面の結晶性を向上させるため、半導体基板1の側面にエッチングあるいは結晶回復アニールを施しても良い。
上記各実施形態のうち、半導体ウェハの表面側を切削する際、第1実施形態では半導体基板1の表面側からN+型層3に達するまでブレードダイシングし、第3実施形態ではN+型層3にダメージ層14を形成し、第5実施形態ではN+型層3に達するまでトレンチ15を形成していた。しかしながら、隣接する半導体チップと接続されているPN接合部分が劈開されれば良い。
したがって、半導体ウェハの表面側に対して、ブレードダイシングの方法では、N−型ドリフト層4の一部を切削するだけで良い。また、レーザダイシングの方法では、N−型ドリフト層4にダメージ層14を形成するだけで良い。さらに、トレンチエッチングの方法では、N−型ドリフト層4にトレンチ15を形成するだけでよい。
また、上記各実施形態では、半導体基板1のP+型層2の表層部にN+型層3が形成され、パンチスルー型IGBTとして半導体チップが構成されている。しかしながら、P+型層2の表層部にN+型層3を形成せずにN−型層4を形成したいわゆるノンパンチスルー型IGBTとしての半導体チップを構成しても構わない。この具体例を図8に示す。
図8は、ノンパンチスルー型IGBTの半導体チップの概略断面図を示したものである。この図に示されるように、半導体基板1は、P+型層2と、P+型層2の表層部に形成されたN−型ドリフト層4と、を備えて構成されている。これらP+型層2とN−型ドリフト層4とによってPN接合が形成されている。
なお、図8に示されるノンパンチスルー型の半導体チップにおいて、P+型層2は、本発明の第1導電型の層に相当し、N−型ドリフト層4は、本発明の第2導電型の層に相当する。
そして、図8に示されるように、半導体基板1の各側面のうち、PN接合をなしているP+型層2によるP層とN−型ドリフト層4によるN層との接合部分を少なくとも含んだ場所に劈開面12が形成されている。すなわち、半導体チップの各側面のうち、P+型層2とN−型ドリフト層4との接合部分を少なくとも含んだ領域が劈開面12としてそれぞれ形成されている。
図9は、図8に示される半導体チップの製造工程を示した図である。まず、半導体ウェハに図8に示されるMOSFETを多数形成したものを用意する。そして、図9に示されるスクライブライン13に沿って、第1実施形態と同様にブレードダイシングを行う。
すなわち、半導体基板1の表面においてN−型ドリフト層4が露出したスクライブライン13に沿ってN−型ドリフト層4をブレードダイシングにより切削する。また、半導体基板1の裏面においてスクライブライン13に対応するコレクタ電極11およびP+型層2の一部を切削する。
この際、上述のように、半導体基板1の各側面のうちPN接合位置以外を切削する。そして、半導体基板1のうちN−型ドリフト層4の一部とP+型層2の一部との接合部分を劈開し、半導体ウェハを複数の半導体チップに分割する。こうしてIGBTが完成する。
以上のように、ノンパンチスルー型の半導体素子を形成した半導体ウェハに対しても、各半導体チップの側面においてPN接合が露出する部分を劈開面12として形成することができる。なお、図8を製造する方法として、第1実施形態で採用されたブレードダイシングの方法を用いたが、レーザダイシングの方法、トレンチエッチングの方法を採用して半導体チップを劈開するようにしても構わない。
また、上記各実施形態で示されたIGBTやMOSFETの電極構造は一例を示すものであって、他の形態の電極構造であっても構わない。
本発明の第1実施形態に係る半導体チップの概略断面図である。 図1に示す半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の第4実施形態に係る半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の第6実施形態に係る半導体チップの製造工程を示した図である。 本発明の他の実施形態に係るノンパンチスルー型の半導体チップの概略断面図である。 図8に示す半導体チップの製造工程を示した図である。
符号の説明
1…半導体基板、2…P+型層、3…N+型層、4…N−型ドリフト層、
5…P型ベース領域、6…N+型エミッタ領域、7…ゲート絶縁膜、
8…ゲート電極、9…層間絶縁膜、10…エミッタ電極、11…コレクタ電極、
12…劈開面、13…スクライブライン、14…ダメージ層、
15、16…トレンチ。

Claims (5)

  1. 第1導電型の層(2)と、この第1導電体の層の上に形成された第2導電型の層(3、4)と、によって形成されるPN接合を含んだ半導体基板(1)を備え、前記第1導電型の層から前記第2導電型の層に電流が流れるように構成された半導体素子が備えられてなる半導体装置において、
    前記第1導電型の層と前記第2導電型の層とがそれぞれ露出する前記半導体基板のすべての側面のうち、PN接合をなしている前記第1導電型の層と前記第2導電型の層との接合点を少なくとも含む部分がそれぞれ劈開面(12)として形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 第1導電型の層(2)と、この第1導電体の層の上に形成された第2導電型の層(3、4)と、によって形成されるPN接合を含んだ半導体基板(1)を備え、前記第1導電型の層から前記第2導電型の層に電流が流れるように構成された半導体素子が備えられてなる半導体装置の製造方法において、
    前記複数の半導体素子が設けられた半導体ウェハを用意する工程と、
    前記複数の半導体素子をそれぞれ区分する、前記半導体ウェハに設けられたスクライブライン(13)に対し、前記PN接合を構成する前記第1導電型の層と前記第2導電型の層との接合面が少なくとも残されるように、前記第1導電型の層および前記第2導電型の層もしくは前記第2導電型の層のみを除去する工程と、
    前記スクライブラインにおいて、前記PN接合の接合面が含まれた部分を劈開し、前記半導体基板のすべての側面のうち、露出する前記PN接合の接合点を少なくとも含んだ部分に劈開面(12)を形成する工程と、を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記除去する工程では、ブレードダイシングによって前記第1導電型の層および前記第2導電型の層もしくは前記第2導電型の層のみを切削することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記除去する工程では、エッチングによって前記スクライブラインにトレンチ(15、16)を形成することで前記第1導電型の層および前記第2導電型の層もしくは前記第2導電型の層のみを除去することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 第1導電型の層(2)と、この第1導電型の層の上に形成された第2導電型の層(3、4)と、によって形成されるPN接合を含んだ半導体基板(1)を備え、前記第1導電型の層から前記第2導電型の層に電流が流れるように構成された半導体素子が備えられてなる半導体装置の製造方法において、
    前記複数の半導体素子が設けられた半導体ウェハを用意する工程と、
    前記複数の半導体素子をそれぞれ区分する、前記半導体ウェハに設けられたスクライブライン(13)に対し、前記第1導電型の層および前記第2導電型の層もしくは前記第2導電型の層のうち、前記PN接合を構成する前記第1導電型の層と前記第2導電型の層との接合面を少なくとも除いた部分にレーザ光を入射してダメージ層(14)を形成する工程と、
    前記スクライブラインにおいて、前記半導体基板を劈開し、前記半導体基板のすべての側面のうち、露出する前記PN接合の接合点を少なくとも含んだ部分に劈開面(12)を形成する工程と、を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2005297561A 2005-10-12 2005-10-12 半導体装置およびその製造方法 Pending JP2007109783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005297561A JP2007109783A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005297561A JP2007109783A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 半導体装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007109783A true JP2007109783A (ja) 2007-04-26

Family

ID=38035431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005297561A Pending JP2007109783A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007109783A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012059989A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Disco Abrasive Syst Ltd 分割方法
US8368823B2 (en) 2007-09-18 2013-02-05 Denso Corporation On-vehicle display apparatus
US8604584B2 (en) 2010-03-02 2013-12-10 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP7402293B2 (ja) 2019-12-06 2023-12-20 ローム株式会社 SiC半導体装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5292480A (en) * 1976-01-29 1977-08-03 Toyo Dengu Seisakushiyo Kk Method of subdividing semiconductor wafer in pieces
JPS54152860A (en) * 1978-05-24 1979-12-01 Toshiba Corp Manufacture of semiconductor device
JP2000124159A (ja) * 1998-10-13 2000-04-28 Sharp Corp 半導体素子の製造方法
JP2001345289A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nec Corp 半導体装置の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5292480A (en) * 1976-01-29 1977-08-03 Toyo Dengu Seisakushiyo Kk Method of subdividing semiconductor wafer in pieces
JPS54152860A (en) * 1978-05-24 1979-12-01 Toshiba Corp Manufacture of semiconductor device
JP2000124159A (ja) * 1998-10-13 2000-04-28 Sharp Corp 半導体素子の製造方法
JP2001345289A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nec Corp 半導体装置の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8368823B2 (en) 2007-09-18 2013-02-05 Denso Corporation On-vehicle display apparatus
US8604584B2 (en) 2010-03-02 2013-12-10 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
US9355858B2 (en) 2010-03-02 2016-05-31 Fuji Electric Co., Ltd. Method of manufacturing semiconductor device
JP2012059989A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Disco Abrasive Syst Ltd 分割方法
JP7402293B2 (ja) 2019-12-06 2023-12-20 ローム株式会社 SiC半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5655931B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR101334952B1 (ko) 반도체장치
US20170178947A1 (en) Trench Separation Diffusion for High Voltage Device
JP2016131224A (ja) 半導体装置
JP5267036B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2009158589A (ja) メサ型半導体装置及びその製造方法
JP2008117881A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US9391135B1 (en) Semiconductor device
JP5509543B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6089818B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP4747260B2 (ja) 逆阻止型絶縁ゲート形バイポーラトランジスタの製造方法
WO2017029719A1 (ja) 半導体装置
US20170213766A1 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
JP2008004739A (ja) 半導体装置
JP2007109783A (ja) 半導体装置およびその製造方法
WO2016110953A1 (ja) 炭化珪素半導体装置及びその製造方法
JP4873002B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002261281A (ja) 絶縁ゲートバイポーラトランジスタの製造方法
CN104979161A (zh) 半导体器件的制作方法及ti-igbt的制作方法
JP7465288B2 (ja) 半導体ウェハをダイシングする方法およびこの方法によって作製された半導体装置
JP2016134523A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP4945969B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP2005175174A (ja) 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法
JP2000357801A (ja) ヘテロ接合型半導体装置
JP5970806B2 (ja) 絶縁ゲート型半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110712