JP2007109543A - 平面型表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】嵌合部材の形成やパネルの貫通孔の形成を必要とせず、アライメントずれを低減することができ、平面型表示装置の有効領域を額縁状に囲む無効領域を狭くすることができる平面型表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1パネルと第2パネルとが対向し、パネルの周縁部が接合部材により接合されて成る表示装置であって、(A)第1の押さえ板と対向すると共に第1の押さえ板の法線方向に移動可能な第2の押さえ板を準備し、(B)第1の押さえ板を水平方向に設置し、次いで、(C)第1の押さえ板に第1パネルを載置し、接合部材を介して、第1パネルに対して位置合わせした状態で、第2パネルを第1パネルに載置し、(D)第2の押さえ板を第2パネルに載置し、(E)第1の押さえ板、第1パネル、接合部材、第2パネル及び第2の押さえ板の全体を加熱して、接合部材を流動可能な状態とし、全体を冷却することにより接合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、略矩形の第1パネルと略矩形の第2パネルとが対向し、第1パネルの周縁部と第2パネルの周縁部とが接合部材により接合されて成る平面型表示装置の製造方法に関する。
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)を例示することができる。また、電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置の開発も進められている。ここで、電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子とも呼ばれる)、表面伝導型電子放出素子が知られており、これらの電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置は、高解像度、高輝度のカラー表示、及び、低消費電力の観点から注目を集めている。
冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置である冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する場合がある)は、一般に、2次元マトリックス状に配列された各画素に対応した電子放出領域を有するカソードパネルと、電子放出領域から放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層を有するアノードパネルとが、真空状態とされた空間を介して対向配置された構成を有する。電子放出領域には、通常、1又は複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する場合がある)が設けられている。電界放出素子として、スピント型、扁平型、エッジ型、平面型等を挙げることができる。
一例として、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図を図7に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図8に示す。カソードパネルCPは、支持体10と、支持体10上に形成された電子放出素子等から成る。この表示装置を構成するスピント型電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。
この表示装置において、カソード電極11は、第1の方向(図7〜図8においてY方向)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1の方向とは異なる第2の方向(図7〜図8においてX方向)に延びる帯状である。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。帯状のカソード電極11と帯状のゲート電極13とが重複する重複領域が、電子放出領域EAであり、1サブピクセルの領域に相当する。そして、係る電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(表示装置の表示領域に対応する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20と、基板20上に形成された蛍光体層22及びアノード電極24等から成る。基板20上に所定のパターンを有する蛍光体層22(具体的には、赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、及び、青色発光蛍光体層22B)が形成され、蛍光体層22がアノード電極24で覆われた構造を有する。尚、これらの蛍光体層22の間は、カーボン等の光吸収性材料から成る光吸収層(ブラックマトリックス)23で埋め込まれており、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止している。尚、図中、参照番号21は隔壁を表し、参照番号40は例えば板状のスペーサを表し、参照番号25はスペーサ保持部を表し、参照番号27はフリットガラス等の接合材料から成る接合部材を表し、参照番号16は収束電極を表し、参照番号17は層間絶縁層を表す。図8においては、隔壁やスペーサ、スペーサ保持部、収束電極の図示を省略した。
アノード電極24は、蛍光体層22からの発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層22の帯電防止といった機能を有する。また、隔壁21は、蛍光体層22から反跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出された2次電子(以下、これらの電子を総称して、後方散乱電子と呼ぶ)が他の蛍光体層22に衝突し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機能を有する。
1サブピクセルは、カソードパネルCP側の電子放出領域EAと、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の蛍光体層22とによって構成されている。カラー表示の表示装置の場合には、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体層、1つの緑色発光蛍光体層、及び、1つの青色発光蛍光体層の集合から構成されている。有効領域には、係る画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。
そして、電子放出領域EAと蛍光体層22とが対向するように、略矩形のカソードパネルCPと略矩形のアノードパネルAPとを対向するように配置し、カソードパネルCPの周縁部とアノードパネルAPの周縁部とを接合部材27によって接合した後、排気し、封止することによって、表示装置を作製することができる。アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材27とによって囲まれた空間は高真空(例えば、1×10-3Pa以下)となっている。
従って、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間にスペーサ40を配設しておかないと、大気圧によって表示装置が損傷を受けてしまう。スペーサ40は、スペーサ基材40Aと、スペーサ基材40Aの側面部上に設けられた帯電防止膜40Bとから成る。尚、帯電防止膜40Bは必要な場合に設けられる。
上記の表示装置の組立において、接合部材27の焼成を行う場合には、アノードパネルAPとカソードパネルCPとのアライメントをした後、これらのパネルを金属バネ等の治具により挟み、アノードパネルAPとカソードパネルCPとが図7のZ方向に相互に押しつけられている状態で焼成を行う。
ところで、接合部材27は焼成工程において溶融し流動可能な状態となるので、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間隔は縮まる。即ち、カソードパネルCPを基準にすると、アノードパネルAPがカソードパネルCP側に変位(Z方向に移動)する。このとき、アノードパネルAPが、カソードパネルCPに対し、X方向及び/又はY方向にも変位し、アライメントずれが生ずる場合がある。尚、図9に示すように、接合部材が、枠体26と、枠体26のカソードパネルCP側の面上に設けられている接合材料層27Aと、枠体26のアノードパネルAP側の面上に設けられている接合材料層27Bとから成る場合においても、同様である。アノードパネルAPが、カソードパネルCPに対し、X方向及び/又はY方向に変位すると、表示装置に表示される画像が色ずれを起こす原因となる。このため、第1の基体(例えばカソードパネル)と第2の基体(例えばアノードパネル)とに対を成す嵌合部材を形成する方法(例えば、特許文献1)、第1パネル(例えばカソードパネル)に複数の貫通孔を形成し、第2パネル(例えばアノードパネル)に一方の端部の端面が固定され他方の端部が第1パネルの貫通孔に挿入されている位置決め部材を用いる方法(例えば、特許文献2)、各パネルに所定の治具を周囲より装着して固定した状態で昇温/降温させる方法(例えば、特許文献3)等が提案されている。
特開2001−251807号公報 特開2005−5141号公報 特開2001−351522号公報
第1の基体と第2の基体とに対を成す嵌合部材を形成する方法や、第1パネルに複数の貫通孔を形成し、第2パネルに一方の端部の端面が固定され他方の端部が第1パネルの貫通孔に挿入されている位置決め部材を用いる方法では、嵌合部材の形成や、パネルの貫通孔の形成に伴うコストが発生する。また、嵌合部材等は平面型表示装置の有効領域外に配置されるため、平面型表示装置の有効領域を額縁状に囲む無効領域を狭くすることが困難である。各パネルに所定の治具を周囲より装着して固定した状態で昇温/降温させる方法では、嵌合部材の形成等は不要であるが、各パネルに治具による挟みしろが必要となるので、有効領域を額縁状に囲む無効領域を狭くすることが困難である。
従って、本発明の目的は、第1パネルと第2パネルに嵌合部材等の形成を必要とせず、X方向及び/又はY方向のアライメントずれを低減することができ、平面型表示装置の無効領域を狭くすることができる平面型表示装置の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の製造方法は、水平に配置され、第1の嵌合部を備えた第1の押さえ板と、第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部を備え、第1の押さえ板と対向すると共に第1の押さえ板の法線方向に移動可能な第2の押さえ板を使用し、
略矩形の第1パネルと略矩形の第2パネルとが対向し、第1パネルの周縁部と第2パネルの周縁部とが接合部材により接合されて成る平面型表示装置の製造方法に関する。
そして、上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の製造方法は、
(A)第1パネル及び/又は第2パネルの周縁部に配置されている接合部材を介して第1パネルと第2パネルとが位置合わせされた状態で、第1パネルを下側として、第1パネルと第2パネルとを第1の押さえ板に載置した後、
(B)第1の嵌合部と第2の嵌合部とが嵌合した状態で、第2の押さえ板を第2パネルに載置し、次いで、
(C)第1の押さえ板、第1パネル、接合部材、第2パネル及び第2の押さえ板の全体を加熱して、接合部材を流動可能な状態とし、次いで、全体を冷却することにより、第1パネルと第2パネルとを接合部材により接合する、
ことを特徴とする。
本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、第1の嵌合部と第2の嵌合部は、これらが嵌合することにより第2の押さえ板の移動方向を第1の押さえ板の法線方向に限定することができ、かつ、第2の押さえ板の法線方向の移動を妨げないものであればよい。例えば、第1の嵌合部として、第1の押さえ板に立設した棒状部材を、第2の嵌合部として、第2の押さえ板に設けられ、第1の嵌合部を構成する棒状部材に対して摺動可能な貫通孔を例示することができるが、これに限るものではない。上記(C)において、第2の押さえ板の自重により、第2パネルには第1パネルに向かう方向に力が加わる。尚、必要な場合には、第2の押さえ板に更に重りとなる部材を載置してもよい。例えば、第2の押さえ板と同一の構成の板を重ねて載置してもよい。これにより、接合部材が流動可能な状態になると、第2パネルは、第1の押さえ板に対して法線方向に移動可能な第2の押さえ板に倣う状態で第1パネル側に変位する。従って、上記(A)において第1パネルに対して位置合わせした状態の第2パネルを、その位置合わせした状態を保って第1パネルと接合することができる。平面型表示装置を冷陰極電界電子放出表示装置とする場合には、第1パネルをカソードパネル、第2パネルをアノードパネルとする態様であってもよいし、あるいは又、第1パネルをアノードパネル、第2パネルをカソードパネルとする態様であってもよい。プラズマ表示装置等の他の形式の平面型表示装置においても同様である。
上記(A)にあっては、第1の押さえ板に第1パネルを載置し、次いで、第1パネル及び/又は第2パネルの周縁部に配置されている接合部材を介して、第1パネルに対して位置合わせした状態で、第2パネルを第1パネルに載置する態様とすることができる。あるいは又、第1パネル及び/又は第2パネルの周縁部に配置されている接合部材を介して、第1パネルに対して位置合わせした状態で、第2パネルを第1パネルに載置し、その状態で第1パネルと第2パネルとをクリップ、接着材、スポット溶着等の周知の手段で仮固定し、第2パネルが仮固定されている第1パネルを第1の押さえ板に載置する態様とすることもできる。これらの態様にあっては、第2パネルを第1パネルに対して位置合わせする方法として、周知の方法、例えば、第1パネルと第2パネルとに設けられたアライメントマークを光学的に検出し、第2パネルを第1パネルに対して移動させて位置合わせする方法等を用いることができる。
本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、加熱された状態で剛性を保つ材料から第1の押さえ板及び第2の押さえ板を構成する。第1の押さえ板を構成する材料は、第1パネルを構成する材料(具体的には、例えば、第1パネルがカソードパネルである場合には、カソードパネルの支持体を構成する材料)との反応性が低いことが好ましい。同様に、第2の押さえ板を構成する材料においても、第2パネルを構成する材料(具体的には、例えば、第2パネルがアノードパネルである場合には、アノードパネルの基板を構成する材料)との反応性が低いことが好ましい。第1の押さえ板と第2の押さえ板は、同じ種類の材料から成る構成であってもよいし、異なる種類の材料から成る構成であってもよい。第1の押さえ板及び第2の押さえ板は、例えば、ガラス、セラミック、金属、あるいは、合金から構成することができる。ガラス材料として、高歪点ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。また、セラミック材料として、ムライト等のケイ酸アルミニウム化合物やアルミナ等の酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄を例示することができる。金属材料として、アルミニウム(Al)、合金材料として、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni−Cr合金を例示することができる。
また、本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、第1の押さえ板は、第1パネルの熱膨張係数(具体的には、例えば、第1パネルがカソードパネルである場合には、カソードパネルを構成する支持体の熱膨張係数)と同程度の熱膨張係数を有する構成とすることができる。この場合には、上記(C)の過程において、第1の押さえ板の熱膨張量は、第1パネルの熱膨張量と同程度となる。従って、上記(C)の過程において、熱膨張量の差によって生ずる第1の押さえ板に対する第1パネルの相対的位置変化を、抑制することができる。例えば、カラー表示の表示装置の有効領域が矩形であり、その長辺の長さをLD[mm]、画素ピッチをND[mm](サブピクセルのピッチは画素ピッチND/3となる)、加熱温度をTD[°C]とするとき、(LD/2)×TD×第1パネルの熱膨張係数と第1の押さえ板の熱膨張係数との差分の絶対値<(ND/3)/3を満たす(即ち、熱膨張係数の差による相対的位置変化が、サブピクセルのピッチ/3を超えない)ことが好ましい。例えば、LD=400mm、ND=0.5mm、TD=400°Cの時には、上記式より計算される第1パネルの熱膨張係数と第1の押さえ板の熱膨張係数の差分の絶対値の上限は、約0.7[単位:10-6/K]となる。実用的には、第1パネルの熱膨張係数と第1の押さえ板の熱膨張係数の差分の絶対値を、1[単位:10-6/K]以下に抑えることが望ましい。ここで、「同程度の熱膨張係数」とは、第1パネルの線膨張率をα1[単位:10-6/K]、第1の押さえ板の線膨張率をα2[単位:10-6/K]としたとき、(α1−1)≦α2≦(α1+1)を満足する意と定義する。第1の押さえ板は、第1パネルを構成する材料と同じ材料から構成されていてもよい。同様に、第2の押さえ板は、第2パネルの熱膨張係数(具体的には、例えば、第2パネルがアノードパネルである場合には、アノードパネルを構成する基板の熱膨張係数)と同程度の熱膨張係数を有する構成とすることができる。この場合には、熱膨張量の差によって生ずる第2の押さえ板に対する第2パネルの相対的位置変化を、抑制することができる。尚、「同程度の熱膨張係数」とは、第1の押さえ板について説明したと同様である。第2の押さえ板は、第2パネルを構成する材料と同じ材料から構成されていてもよい。
また、本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、接合部材全体がフリットガラス等の接合材料から成る構成とすることもできるし、あるいは又、接合部材が、枠体と、枠体の第1パネル側の面上に設けられている接合材料層と、枠体の第2パネル側の面上に設けられている接合材料層とから成る構成とすることもできる。枠体の高さを適宜選択することにより、接合材料のみから成る構成に比べ、第1パネルと第2パネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。接合材料あるいは接合材料層を構成する材料として、B23−PbO系フリットガラスやSiO2−B23−PbO系フリットガラスといったフリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。枠体の接合材料層は、ガラスペースト、金属ペースト等の接合材料から成るペーストを準備し、これらを、塗布法、スクリーン印刷法等の公知の方法により形成することができる。尚、接合部材が、枠体と、枠体の第1パネル側の面上に設けられている接合材料層と、枠体の第2パネル側の面上に設けられている接合材料層とから成る場合には、上記(A)の段階で、これらの接合材料層と枠体が必ずしも一体であることを要しない。例えば、上記(A)の段階で、接合材料層はパネル側に形成されており、枠体とは分離している態様であってもよい。
接合部材を枠体から構成する場合には、パネルの接合部の残留応力低減の観点から、枠体を構成する材料の熱膨張係数は、第1パネルや第2パネルを構成する材料の熱膨張係数と略等しいことが望ましい。枠体を構成する材料として、ガラスやセラミック等の材料を挙げることができる。ガラス材料として、高歪点ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。また、セラミック材料として、ムライト等のケイ酸アルミニウム化合物やアルミナ等の酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄を例示することができる。
また、本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、接合部材はパネルの周縁部に配置される。この場合には、接合部材を、予め第1パネルの周縁部に配置する構成とすることもできる。あるいは又、接合部材を、予め第2パネルの周縁部に配置する構成とすることもできるが、この場合には、接合部材を第2パネルに仮固定しておく必要がある。仮固定は、レーザー照射による溶着、接着剤による接着等により行うことができるが、これに限るものではない。接合部材は、例えば、パネルの辺に沿って額縁状に一体型を成す構成であってもよいし、パネルの各辺毎に個別の接合部材を配置することにより、全体として額縁状に配置される構成であってもよい。パネルの各辺毎に個別の接合部材を配置する場合には、各辺毎に1つの接合部材が対応する構成であってもよいし、各辺毎に複数の接合部材が対応する構成であってもよい。接合部材は、平面型表示装置を構成する第1パネル及び第2パネルの無効領域(平面型表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に配置される。接合部材をその軸線と垂直な面で切断した断面は、略矩形形状であってもよいし、多角形形状等としてもよい。
以下、本発明の平面型表示装置の製造方法により製造した平面型表示装置を、本発明の平面型表示装置と呼ぶ場合がある。また、本発明の平面型表示装置の製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法により製造した平面型表示装置を、単に本発明と呼ぶ場合がある。また、平面型表示装置を、単に表示装置と呼ぶ場合がある。
平面型表示装置を冷陰極電界電子放出表示装置とする場合、電子を放出する電子放出領域は、1又は複数の電界放出素子を備え、
各電界放出素子は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極、
(b)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複部分に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部、
から成る。尚、以下の説明においては、カソードパネルを第1パネル、アノードパネルを第2パネルとして説明する。
ここで、電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や、扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。
第1パネルにおいて、カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。そして、カソード電極とゲート電極とが重複する重複領域が電子放出領域に該当し、電子放出領域が第1パネルの有効領域に2次元マトリクス状に配列されている。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、第2パネルに設けられたアノード電極によって第2パネルへと引き付けられ、蛍光体層に衝突する。そして、蛍光体層への電子の衝突の結果、蛍光体層が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。実動作時、アノード電極制御回路からアノード電極に印加される電圧(アノード電圧)VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。あるいは又、第2パネルと第1パネルとの間の距離をd0(但し、0.5mm≦d0≦10mm)としたとき、VA/d0(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは4以上8以下を満足することが望ましい。冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式を採用することができる。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造することができる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。即ち、例えばゲート電極及び絶縁層上には更に層間絶縁層が設けられ、層間絶縁層上に収束電極が設けられている電界放出素子、あるいは又、ゲート電極の上方に収束電極が設けられている電界放出素子とすることもできる。ここで、収束電極とは、開口部から放出され、アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キロボルト以上のオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的な負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。収束電極は、必ずしも、カソード電極とゲート電極とが重複する重複領域に設けられた電子放出部あるいは電子放出領域のそれぞれを取り囲むように個別に形成されている必要はなく、例えば、電子放出部あるいは電子放出領域の所定の配列方向に沿って延在させてもよいし、電子放出部あるいは電子放出領域の全てを1つの収束電極で取り囲む構成としてもよく(即ち、収束電極を、冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域の全体を覆う薄い1枚のシート状の構造としてもよく)、これによって、複数の電子放出部あるいは電子放出領域に共通の収束効果を及ぼすことができる。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、スパッタリング法や真空蒸着法といった各種物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)によって形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。あるいは又、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体(カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバー)、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、メタルマスク印刷法といった各種印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。各種印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のカソード電極やゲート電極を形成することが可能である。
絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、各種印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を直接形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、係る第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体膜を設けてもよい。抵抗体膜を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法、各種印刷法を例示することができる。1つの電子放出部当たりの電気抵抗値は、概ね1×106〜1×1011Ω、好ましくは数十ギガΩとすればよい。
第1パネルを構成する支持体として、あるいは又、第2パネルを構成する基板として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)、無アルカリガラスを例示することができる。
平面型表示装置において、アノード電極と蛍光体層の構成例として、(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構成、を挙げることができる。尚、(1)の構成において、蛍光体層の上に、アノード電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。
アノード電極は、全体として1つのアノード電極から構成されていてもよいし、複数のアノード電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとはアノード電極抵抗体層によって電気的に接続されていることが望ましい。アノード電極抵抗体層を構成する材料として、カーボン、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料;ITOを挙げることができる。また、SiC抵抗膜上に抵抗値の低いカーボン薄膜を積層するといった複数の膜の組み合わせにより、安定した所望のシート抵抗値を実現することも可能である。アノード電極抵抗体層のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。アノード電極ユニットの数(Q)は2以上であればよく、例えば、直線状に配列された蛍光体層の列の総数をq列としたとき、Q=qとし、あるいは、q=k・Q(kは2以上の整数であり、好ましくは10≦k≦100、一層好ましくは20≦k≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配置されたスペーサ群の数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。全体として1つのアノード電極の上にアノード電極抵抗体層を形成してもよい。
アノード電極(アノード電極ユニットを包含する)は、導電材料層を用いて形成すればよい。導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種PVD法;各種CVD法;各種印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料から成る導電材料層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングしてアノード電極を形成することができる。あるいは又、アノード電極のパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料をPVD法や各種印刷法に基づき形成することによって、アノード電極を得ることもできる。尚、アノード電極抵抗体層も同様の方法で形成することができる。即ち、抵抗体材料からアノード電極抵抗体層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきこのアノード電極抵抗体層をパターニングしてもよいし、あるいは、アノード電極抵抗体層のパターンを有するマスクやスクリーンを介して抵抗体材料のPVD法や各種印刷法に基づく形成により、アノード電極抵抗体層を得ることができる。基板上(あるいは基板上方)におけるアノード電極の平均厚さ(後述するように隔壁を設ける場合、隔壁の頂面上におけるアノード電極の平均厚さ)として、3×10-8m(30nm)乃至5×10-7m(0.5μm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至3×10-7m(0.3μm)を例示することができる。
アノード電極の構成材料として、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。尚、アノード電極抵抗体層を形成する場合、アノード電極抵抗体層の抵抗値を変化させない導電材料からアノード電極を構成することが好ましく、例えば、アノード電極抵抗体層をシリコンカーバイド(SiC)から構成した場合、アノード電極をモリブデン(Mo)から構成することが好ましい。
蛍光体層は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。蛍光体層の配列様式はドット状である。具体的には、平面型表示装置がカラー表示の場合、蛍光体層の配置、配列として、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。即ち、直線状に配列された蛍光体層の1列は、全てが赤色発光蛍光体層で占められた列、緑色発光蛍光体層で占められた列、及び、青色発光蛍光体層で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、及び、青色発光蛍光体層が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体層とは、平面型表示装置において1つの輝点を生成する蛍光体領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体層、1つの緑色発光蛍光体層、及び、1つの青色発光蛍光体層の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体層(1つの赤色発光蛍光体層、あるいは、1つの緑色発光蛍光体層、あるいは、1つの青色発光蛍光体層)から構成される。尚、隣り合う蛍光体層の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
蛍光体層は、発光性結晶粒子から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体層を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体層を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体層を形成する方法にて形成することができる。あるいは又、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、フロート塗布法、沈降塗布法、蛍光体フィルム転写法等により各蛍光体層を形成してもよい。基板上における蛍光体層の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。
蛍光体層からの光を吸収する光吸収層が、隣り合う蛍光体層の間、あるいは、隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体層からの光を90%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せ、各種印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された2次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するために、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された2次電子が他の蛍光体層と衝突することを防止するために、隔壁を設けることが好ましい。
隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、キャスティング法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成(硬化)を行う方法である。キャスティング法(型押し成形法)とは、ペースト状とした有機材料あるいは無機材料から成る隔壁形成用材料層を型(キャスト)から基板上に押し出すことで隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷法、ロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁頂面の平坦化を図ってもよい。
隔壁における蛍光体層を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当し、一種の開口領域である)として、矩形形状、円形形状、楕円形状、長円形状、三角形形状、五角形以上の多角形形状、丸みを帯びた三角形形状、丸みを帯びた矩形形状、丸みを帯びた多角形等を例示することができる。これらの平面形状(開口領域の平面形状)が2次元マトリクス状に配列されることにより、格子状の隔壁が形成される。この2次元マトリクス状の配列は、例えば井桁様に配列されるものでもよいし、千鳥様に配列されるものでもよい。
隔壁形成用材料として、例えば、感光性ポリイミド樹脂や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス、SiO2、低融点ガラスペーストを例示することができる。隔壁の表面(頂面及び側面)には、隔壁に電子ビームが衝突して隔壁からガスが放出されることを防止するための保護層(例えば、SiO2、SiON、あるいは、AlNから成る)を形成してもよい。
本発明において、スペーサは、例えばセラミックスやガラスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、係るグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。尚、スペーサの端部に対して面取りを行い、突起部等を除去することが好ましい。スペーサは、例えば、第2パネルに設けられた後述する隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、第2パネル及び/又は第1パネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部によって固定すればよい。
スペーサの側面には帯電防止膜が設けられていてもよい。帯電防止膜を構成する材料は、その2次電子放出係数が1に近いことが好ましく、帯電防止膜を構成する材料として、グラファイト等の半金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、及び、窒化物等を用いることができる。例えば、グラファイト等の半金属及びMoSe2等の半金属元素を含む化合物、CrOx、CrAlxy、酸化マンガン、Nd23、LaxBa2-xCuO4、LaxBa2-xCuO4、Lax1-xCrO3等の酸化物、AlB2、TiB2等のホウ化物、SiC等の炭化物、MoS2、WS2等の硫化物、及び、窒化タングステンと窒化ゲルマニウムの化合物、BN、TiN、AlN等の窒化物等を挙げることができるし、更には、例えば、特表2004−500688号公報等に記載されている材料等を用いることもできる。帯電防止膜は、単一の種類の材料から成るものであってもよいし、複数の種類の材料から成るものであってもよいし、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。帯電防止膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等、周知の方法に基づき形成することができる。
第1パネルと第2パネルを接合する場合、接合を高真空雰囲気中で行えば、第1パネルと第2パネルと接合部材とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、接合終了後、第1パネルと第2パネルと接合部材とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
排気を行う場合、排気は、第1パネル及び/又は第2パネルに予め接続された排気管を通じて行うことができる。排気管は、典型的にはガラス管、あるいは、低熱膨張率を有する金属や合金[例えば、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金や、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金]から成る中空管から構成され、第1パネル及び/又は第2パネルの無効領域(平面型表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に設けられた貫通部の周囲に、上述のフリットガラス又は低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られ、あるいは又、圧着することにより封じられる。尚、封じる前に、平面型表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
本発明の平面型表示装置の製造方法にあっては、第1パネルと第2パネルとが接合される際に、第2パネルは、第1の押さえ板に対して法線方向に移動可能な第2の押さえ板に倣う状態で第1パネル側に変位するので、接合部材の溶融によるアライメントずれが低減する。また、第1パネルや第2パネルに嵌合部材等の形成が不要となり、平面型表示装置の有効領域を額縁状に囲む無効領域を狭くすることができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例1の表示装置の概念的な一部端面図は、背景技術において説明した図9に示す表示装置と同様である。即ち、実施例1における表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置である。これらの構成、動作、及び、作用については、背景技術で説明したと同様であるので、ここでは説明を省略する。
実施例1の表示装置は、略矩形の第1パネル(カソードパネルCP)と略矩形の第2パネル(アノードパネルAP)とが対向し、第1パネルの周縁部と第2パネルの周縁部とが、接合部材(より具体的には、枠体26と接合材料層27A,27B)により接合されて成る表示装置である。尚、以下の説明においては、第1パネルをカソードパネルCPと呼び、第2パネルをアノードパネルAPと呼ぶ。後述する他の実施例においても同様である。
図1は、表示装置の接合前における第1の押さえ板110、第2の押さえ板120、カソードパネルCP、アノードパネルAP等の配置関係を模式的に示す斜視図である。第1の押さえ板110は、第1の嵌合部を構成する棒状部材111を備える。棒状部材111は、第1の押さえ板110の周縁部に4本立設している。第2の押さえ板120には、各棒状部材111に対応して、第2の嵌合部を構成する貫通孔121が設けられている。棒状部材111と貫通孔121とは嵌合された状態で摺動可能である。第2の押さえ板120は、第1の押さえ板110と対向すると共に、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合することにより、第1の押さえ板110の法線方向(図1においてZ方向)に移動可能である。第1の押さえ板110は、水平方向(図1においてX−Y方向)に設置されており、カソードパネルCPは、第1の押さえ板110に載置されている。接合材料層27A,27Bが形成されている枠体26が、カソードパネルCPの周縁部に配置されている。背景技術で説明したように、枠体26と接合材料層27A,27Bは、接合部材を構成する。アノードパネルAPは、図示せぬ移動可能な保持機構により、カソードパネルCPと対向した状態で図1のX、Y、Z方向に移動可能、かつ、Z軸中心に回転可能に、保持されている。カソードパネルCPとアノードパネルAPには、位置合わせ用のアライメントマークがそれぞれ4箇所に設けられている。センサー130は、カソードパネルCPのアライメントマークとアノードパネルAPのアライメントマークとの距離(より具体的には、X−Y平面上における距離)を検出する。尚、図1においては、アノードパネルAPにおける蛍光体層、アノード電極、隔壁、及び、光吸収層等の図示を省略した。また、カソードパネルCPにおけるゲート電極、カソード電極、及び、電子放出部等の図示を省略した。更には、スペーサ40の図示を省略した。また、センサー130を1つ図示し、他のセンサーの図示を省略した。
実施例1では、第1の押さえ板110及び第2の押さえ板120をガラスから構成した。より具体的には、第1の押さえ板110を、カソードパネルCPを構成する支持体10と同じ材料から構成し、第2の押さえ板120を、アノードパネルAPを構成する基板20と同じ材料から構成した。後述する他の実施例においても同様である。第1の押さえ板110と支持体10は、PD200(旭硝子株式会社製)から成る。PD200の線膨張係数は、8.3[単位:10-6/K]である。第1の押さえ板110の板厚は、約10mmであり、支持体10の板厚は、約3mmである。また、第2の押さえ板120と基板20も同様にPD200から成る。第2の押さえ板120の板厚は、第1の押さえ板110と同様に約10mmであり、基板20の板厚は、支持体10と同様に約3mmである。尚、略矩形の支持体10及び基板20の寸法を、約470mm×約370mmとし、第1の押さえ板110及び第2の抑え板120の寸法を、約500mm×約400mmとした。
図示せぬ移動可能な保持機構により、アノードパネルAPを、センサー130が検出する距離(より具体的には、4つのセンサー130が検出した距離の総和)が最小になる位置に位置合わせした後、アノードパネルAPを、カソードパネルCPの周縁部に配置されている接合部材を介して、カソードパネルCPに載置する。次いで、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合した状態で、第2の押さえ板120を第2パネルに載置する。
その後、第1の押さえ板110、カソードパネルCP、接合部材、アノードパネルAP及び第2の押さえ板120の全体を加熱して、接合部材を流動可能な状態とし、次いで、全体を冷却することにより、カソードパネルCPとアノードパネルAPとを接合部材により接合する。アノードパネルAPは、接合部材が流動可能な状態においては、第2の押さえ板120に倣う状態でカソードパネルCP側に変位する。従って、アノードパネルAPを、その位置合わせした状態を保ってカソードパネルCPと接合することができる。また、第1の押さえ板110を、カソードパネルCPを構成する支持体10と同じ材料から構成したので、第1の押さえ板110は、支持体10の熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有する。従って、加熱/冷却の際の熱膨張量の差による第1の押さえ板に対するカソードパネルCPの相対的位置変化を抑制することができる。第2の押さえ板120と、アノードパネルAPについても、同様である。これにより、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの接合の精度を、より向上することができる。
以下、図2〜図4を参照して、実施例1の表示装置の製造方法を説明する。図2の(A)及び(B)、図3の(A)及び(B)、図4の(A)及び(B)は、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための接合工程図である。これらの図は、例えば、図1において破線で示したと同様の部分における模式的なA−A断面に相当する。尚、これらの図においては、アノードパネルAPにおける蛍光体層、アノード電極、隔壁、及び、光吸収層等の図示を省略した。また、カソードパネルCPにおけるゲート電極、カソード電極、及び、電子放出部等の図示を省略した。更には、スペーサ40の図示を省略し、第1の押さえ板110、第2の押さえ板120、アノードパネルAP、及び、カソードパネルCPの断面のハッチングを省略した。また、第2の嵌合部を構成する貫通孔121の図示を省略した。後述する他の実施例に関する図面においても同様である。
[工程−100]
先ず、棒状部材111を備える第1の押さえ板110と、棒状部材111と嵌合する貫通孔121を備える第2の押さえ板120を準備する。その後、第1の押さえ板110を水平方向に設置した後、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合した状態で、第2の押さえ板120をZ方向に退避させた状態で保持する。
[工程−110]
次いで、第1の押さえ板110に、カソードパネルCPを載置する。その後、接合材料層27A,27Bが形成されている枠体26を、接合材料層27Aが対向するように、カソードパネルCPの周縁部に配置する。実施例1では、枠体26をガラス材料、接合材料層27A,27Bをフリットガラスで構成したが、これに限るものではない。後述する他の実施例においても同様である。次いで、アノードパネルAPを、図示せぬ移動可能な保持機構により、カソードパネルCPと対向した状態(より具体的には、アノードパネルAPと接合材料層27Bとに間隔がある状態)で、図2のX、Y、Z方向に移動可能、かつ、Z軸中心に回転可能に保持する。この状態では、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間には、アライメントずれが残っている(図2の(A)参照)。尚、実施例1においては、上記の作業を、第2の押さえ板120をZ方向に退避させた状態で行うが、第2の押さえ板120を取り外した状態で行う態様であってもよい。
その後、図示せぬ移動可能な保持機構により、アノードパネルAPを、センサー130が検出する距離が最小になる位置に位置合わせする(図2の(B)参照)。次いで、接合材料層27A,27Bが形成されている枠体26を介して、アノードパネルAPをカソードパネルCPに載置する(図3の(A)参照)。以上の工程により、カソードパネルCP及び/又はアノードパネルAPの周縁部に配置されている接合部材を介してカソードパネルCPとアノードパネルAPとが位置合わせされた状態で、カソードパネルCPを下側として、カソードパネルCPとアノードパネルAPとが第1の押さえ板に載置される。
[工程−120]
その後、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合した状態で、第2の押さえ板120をアノードパネルAPに載置する(図3の(B)参照)。第2の押さえ板120の自重により、アノードパネルAPにはカソードパネルCPに向かう方向に力が加わる。尚、必要な場合には、第2の押さえ板120に別途重りとなる部材を載置してもよい。後述する他の実施例においても同様である。
[工程−130]
次いで、第1の押さえ板110、カソードパネルCP、接合部材、アノードパネルAP及び第2の押さえ板120の全体を加熱して、接合部材を流動可能な状態(より具体的には、接合材料層27A,27Bが流動可能な状態)とする。尚、実施例1では、加熱温度を約390℃とし、加熱時間を約20分とした。これにより、接合材料層27A,27Bは流動可能な状態となり、アノードパネルAPは、第2の押さえ板120に倣う状態でカソードパネルCP側に変位する(図4の(A)参照)。後述する他の実施例においても同様である。
[工程−140]
その後、第1の押さえ板110、カソードパネルCP、接合部材、アノードパネルAP及び第2の押さえ板120の全体を冷却し、接合材料層27A,27Bを固化させて、カソードパネルCPとアノードパネルAPとを接合する。次いで、第2の押さえ板120をZ方向に退避させ(図4の(B)参照)、カソードパネルCPとアノードパネルAPが接合されて成る表示装置を取り出す。
[工程−150]
その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材とによって囲まれた空間を、排気管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点で排気管を加熱溶融や圧接により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、表示装置を完成させることができる。
実施例1の表示装置の製造方法によれば、カソードパネルCPやアノードパネルAPに嵌合部材等の形成が不要となり、平面型表示装置の無効領域を狭くすることができる。アノードパネルAPは、接合部材が流動可能な状態においては、第2の押さえ板120に倣う状態でカソードパネルCP側に変位するので、アノードパネルAPを、その位置合わせした状態を保ってカソードパネルCPと接合することができる。また、第1の押さえ板110を、カソードパネルCPを構成する支持体10と同じ材料から構成したので、加熱/冷却の際の熱膨張量の差による第1の押さえ板に対するカソードパネルCPの相対的位置変化を抑制することができる。第2の押さえ板120と、アノードパネルAPについても、同様である。これにより、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの接合の精度を、より向上することができる。
実施例2も、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例2の表示装置の概念的な一部端面図も、実施例1と同様に背景技術において説明した図9に示す表示装置と同様である。これらの構成、動作、及び、作用については、背景技術で説明したと同様であるので、ここでは説明を省略する。
実施例2では、実施例1に対し、カソードパネル及び/又はアノードパネルの周縁部に配置されている接合部材を介して、カソードパネルに対して位置合わせした状態で、アノードパネルをカソードパネルに載置し、その状態でカソードパネルとアノードパネルとを仮固定し、アノードパネルが仮固定されているカソードパネルを第1の押さえ板に載置する点が相違する。その他の点は、実施例1と同様であるので、カソードパネル、アノードパネル、第1の押さえ板、第2の押さえ板等については、説明を省略する。
以下、図1、図5の(A)及び(B)を参照して、実施例2の表示装置の製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、カソードパネルCP及び/又はアノードパネルAPの周縁部に配置されている接合部材を介して、カソードパネルCPに対して位置合わせした状態で、アノードパネルAPをカソードパネルCPに載置し、その状態でカソードパネルCPとアノードパネルAPとを仮固定する。実施例2では、接合材料層27A,27Bが形成されている枠体26を、接合材料層27AがカソードパネルCPと対向するように、カソードパネルCPの周縁部に配置する。次いで、カソードパネルCP側から接合材料層27Aにレーザーを照射し、カソードパネルCPと接合材料層27Aとの間に溶着部を形成する。次いで、アノードパネルAPを、接合部材を介してカソードパネルCPと対向させ、周知の手段により位置合わせする。次いで、アノードパネルAPをカソードパネルCPに載置する。その後、アノードパネルAP側から接合材料層27Bにレーザーを照射し、カソードパネルCPと接合材料層27Bとの間に溶着部を形成する。これにより、カソードパネルCPとアノードパネルAPとを仮固定することができる(図5の(A)参照)。
[工程−210]
実施例1の[工程−100]と同様にして、第1の押さえ板110を水平方向に設置した後、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合した状態で、第2の押さえ板120をZ方向に退避させた状態で保持する。次いで、アノードパネルAPが仮固定されているカソードパネルCPを第1の押さえ板に載置する。これにより、カソードパネルCP及び/又はアノードパネルAPの周縁部に配置されている接合部材を介してカソードパネルCPとアノードパネルAPとが位置合わせされた状態で、カソードパネルCPを下側として、カソードパネルCPとアノードパネルAPとが第1の押さえ板に載置される。尚、上記の作業を、第2の押さえ板120を取り外した状態で行う態様であってもよい。
[工程−220]
その後、実施例1の[工程−120]と同様にして、棒状部材111と貫通孔121とが嵌合した状態で、第2の押さえ板120をアノードパネルAPに載置する(図5の(B)参照)。
[工程−230]
次いで、実施例1の[工程−130]〜[工程−140]と同様にして、カソードパネルCPとアノードパネルAPが接合されて成る表示装置を得ることができる。
[工程−240]
その後、実施例の[工程−150]と同様にして、表示装置を完成させることができる。
実施例2の表示装置の製造方法によれば、アノードパネルが仮固定されているカソードパネルを第1の押さえ板に載置する。従って、アノードパネルとカソードパネルの位置合わせの工程を、接合部材による接合工程と並列に行うことができるので、全体として作業の能率が向上する。
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した表示装置、カソードパネルやアノードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
既に説明したように、第1の嵌合部と第2の嵌合部は、これらが嵌合することにより第2の押さえ板の移動方向を第1の押さえ板の法線方向に限定することができ、かつ、第2の押さえ板の法線方向の移動を妨げないものであればよい。例えば、図6に示すように、立設した棒状部材111が、第2の押さえ板120の周辺部と摺動可能な構造であってもよい。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層に係る複数の第1開口部に連通した第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
表面伝導型電子放出素子と通称される電子放出素子から電子放出領域を構成することもできる。この表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の電極がマトリックス状に形成されて成る。それぞれの電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出される。係る電子をアノードパネル上の蛍光体層に衝突させることによって、蛍光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。あるいは又、金属/絶縁膜/金属型素子から電子放出領域を構成することもできる。
図1は、表示装置の接合前における第1の押さえ板、第2の押さえ板、カソードパネルCP、アノードパネルAP等の配置関係を模式的に示す斜視図である。 図2の(A)及び(B)は、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための、接合工程図である。 図3の(A)及び(B)は、図2の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための、接合工程図である。 図4の(A)及び(B)は、図3の(B)に引き続き、実施例1の表示装置の製造方法を説明するための、接合工程図である。 図5の(A)及び(B)は、実施例2の表示装置の製造方法を説明するための、接合工程図である。 図6は、立設した棒状部材が、第2の押さえ板の周辺部と摺動可能な、第1の押さえ板、第2の押さえ板、カソードパネルCP、アノードパネルAP等の配置関係を模式的に示す斜視図である。 図7は、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図である。 図8は、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図である。 図9は、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図である。
符号の説明
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口部、15・・・電子放出部、16・・・収束電極、17・・・層間絶縁層、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・光吸収層、24・・・アノード電極、25・・・スペーサ保持部、26・・・枠体、27・・・接合部材、27A,27B・・・接合材料層、40・・・スペーサ、40A・・・スペーサ基材、40B・・・帯電防止膜、110・・・第1の押さえ板、111・・・棒状部材、120・・・第2の押さえ板、121・・・貫通孔、130・・・センサー

Claims (7)

  1. 水平に配置され、第1の嵌合部を備えた第1の押さえ板と、第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部を備え、第1の押さえ板と対向すると共に第1の押さえ板の法線方向に移動可能な第2の押さえ板を使用し、
    略矩形の第1パネルと略矩形の第2パネルとが対向し、第1パネルの周縁部と第2パネルの周縁部とが接合部材により接合されて成る平面型表示装置の製造方法であって、
    (A)第1パネル及び/又は第2パネルの周縁部に配置されている接合部材を介して第1パネルと第2パネルとが位置合わせされた状態で、第1パネルを下側として、第1パネルと第2パネルとを第1の押さえ板に載置した後、
    (B)第1の嵌合部と第2の嵌合部とが嵌合した状態で、第2の押さえ板を第2パネルに載置し、次いで、
    (C)第1の押さえ板、第1パネル、接合部材、第2パネル及び第2の押さえ板の全体を加熱して、接合部材を流動可能な状態とし、次いで、全体を冷却することにより、第1パネルと第2パネルとを接合部材により接合する、
    ことを特徴とする平面型表示装置の製造方法。
  2. 第1の押さえ板及び/又は第2の押さえ板は、ガラス、セラミック、金属、あるいは、合金から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
  3. 第1の押さえ板は、第1パネルの熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
  4. 第2の押さえ板は、第2パネルの熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
  5. 第1の押さえ板は、第1パネルを構成する材料と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
  6. 第2の押さえ板は、第2パネルを構成する材料と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
  7. 接合部材は、枠体と、枠体の第1パネル側の面上に設けられている接合材料層と、枠体の第2パネル側の面上に設けられている接合材料層とから成ることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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