JP5097572B2 - スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法 - Google Patents

スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5097572B2
JP5097572B2 JP2008040862A JP2008040862A JP5097572B2 JP 5097572 B2 JP5097572 B2 JP 5097572B2 JP 2008040862 A JP2008040862 A JP 2008040862A JP 2008040862 A JP2008040862 A JP 2008040862A JP 5097572 B2 JP5097572 B2 JP 5097572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
spacer
open end
anode
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008040862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009199907A (ja
Inventor
一夫 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AU Optronics Corp
Original Assignee
AU Optronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AU Optronics Corp filed Critical AU Optronics Corp
Priority to JP2008040862A priority Critical patent/JP5097572B2/ja
Publication of JP2009199907A publication Critical patent/JP2009199907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5097572B2 publication Critical patent/JP5097572B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

本発明は、スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法に関する。
テレビジョン受像機や情報端末機器に用いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(CRT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置への移行が急速に進んでいる。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ)を例示することができる。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に適用するには、高輝度化や高速応答性に未だ課題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)を備えており、高輝度、高速応答性、低消費電力の点から注目を集めている。
電界放出素子を備えた冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合がある)の模式的な一部端面図を図11に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図12に示す。図示した電界放出素子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの素子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1副画素分の領域に相当する。この領域を、以下、電子放出領域EAと呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域EF(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されている。また、絶縁層12上には層間絶縁層16が形成されており、層間絶縁層16上には収束電極17が形成されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍光体領域22と、その上に形成されたアノード電極24から構成されている。1副画素(サブピクセル)は、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との重複領域(電子放出領域EA)に設けられた電界放出素子の一群と、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の蛍光体領域22とによって構成されている。有効領域EFには、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、蛍光体領域22と蛍光体領域22との間の基板20上には、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。図中、参照番号21は隔壁を表し、参照番号25はスペーサ保持部を表し、参照番号40は第1の方向(X方向)に延びるスペーサを表し、参照番号26は接合部材を表す。ここで、図12においては、隔壁やスペーサの図示を省略した。
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域EAと蛍光体領域22とが対向するように配置し、外周部において接合部材26を介して接合することによって、表示装置を作製することができる。有効領域EFを包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された無効領域NF(例えば、カソードパネルCPの無効領域NF)には、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔の周囲には真空排気後に封じ切られた排気管(図示せず)が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とによって囲まれた空間SPは真空となっている。
従って、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間にスペーサ40を配置しておかないと、大気圧によって表示装置が損傷を受けてしまう。例えば、特開平7−262939号公報に開示された画像表示装置にあっては、前面板の上に形成されたブラックマトリックス上に位置決め部材(スペーサ保持部)を形成し、対となった位置決め部材の間に支柱(スペーサ)を嵌め込んでいる。
即ち、アノードパネルAPの表示部分として機能する有効領域EFには、上述したとおりスペーサ保持部25が設けられており、スペーサ保持部25の表面にはアノード電極24が形成されている。
特開平7−262939号公報
スペーサ40は、非常に大きなアスペクト比を有している。具体的には、スペーサ40の厚さ(第1の方向(X方向)と直交する第2の方向(Y方向)に沿った厚さである)は例えば0.05mm前後であり、スペーサ40の高さ(Z方向に沿った長さである)は例えば2mmであるので、アスペクト比は40程度となる。そして、図3に示すように、スペーサ40の下端部44が、その底面45から0.05mm前後の高さの所まで、スペーサ保持部25によって保持されている(挟まれている)。
ところで、スペーサ40の上端41に位置ずれが生じると、即ち、スペーサ40が傾いた状態でスペーサ保持部25に取り付けられていると、画像表示時、表示装置においてスペーサ40が目視され、あるいは又、スペーサ40の一種の影が目視される場合がある。従って、現状では、スペーサ40の下端部44をスペーサ保持部25に保持した後、スペーサ40の上端41の位置を測定し、スペーサ40の上端41の位置が所定の位置から外れている場合、即ち、スペーサ40が傾いた状態でスペーサ保持部25に取り付けられている場合、スペーサ40をスペーサ保持部25から、一旦、取り外し、再び、スペーサ保持部25に取り付けるといった煩雑な作業を必要としている。
従って、本発明の目的は、位置ずれ無しにスペーサをスペーサ保持部にて容易に保持することを可能とするスペーサの取付け方法、及び、係るスペーサの取付け方法を適用した平面型表示装置の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、
第1パネルと第2パネルとが外周部で接合されており、第1パネルと第2パネルとの間には、第1および第2の端部を有する板状のスペーサが第1の方向に沿って配置されており、第1パネルと第2パネルとによって挟まれた空間が真空に保持された平面型表示装置における、第1パネルへのスペーサの取付け方法であって、
(A)1パネルに設けられたスペーサ保持部によって、スペーサの第1の端部を保持させ、
(B)スペーサと、少なくとも第1の開放端および第1の開放端と連通する第2の開放端を有する矯正冶具とを、第1の方向に相対的に移動させ、
スペーサおよび矯正冶具の相対的な移動によって、第1の開放端および第2の開放端の一方から他方に向かうように、スペーサの第2の端部を通過させる
ペーサの取付け方法である。
また、本発明は、
蛍光体領域及びアノード電極が設けられたアノードパネルと、2次元マトリクス状に配列された電子放出領域を備えたカソードパネルとが接合部材を介して外周部で接合されており、アノードパネルとカソードパネルとの間には、第1および第2の端部を有する板状のスペーサが第1の方向に沿って配置されており、アノードパネルとカソードパネルと接合部材とによって形成された空間が真空に保持された平面型表示装置の製造方法であって、
(A)ノードパネルに設けられたスペーサ保持部によって、スペーサの第1の端部を保持させ、
(B)スペーサと、少なくとも第1の開放端および第1の開放端と連通する第2の開放端を有する矯正冶具とを、第1の方向に相対的に移動させ、
スペーサおよび矯正冶具の相対的な移動によって、第1の開放端および第2の開放端の一方から他方に向かうように、スペーサの第2の端部を通過させ、
(D)ノードパネルの外周部に接合部材を配し、接合部材及びスペーサ上にカソードパネルを載置した状態で、アノードパネルとカソードパネルとを接合部材を介して接合した後、アノードパネルとカソードパネルと接合部材とによって形成された空間を排気する、
各工程を含む平面型表示装置の製造方法である。
本発明のスペーサの取付け方法あるいは本発明の平面型表示装置の製造方法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合がある)においては、第1の方向と直交する第2の方向に沿ったスペーサの本数をQ本とする。
そして、本発明にあっては、
矯正治具は、第1側面を有するQ個の第1部材と、第2側面を有するQ個の第2部材から構成されており、
一対の第1部材と第2部材とは、第1側面と第2側面とが対向した状態で並置されており、
第1側面及び第2側面は、第1の方向に沿って延びており、
一対の第1部材の第1側面と第2部材の第2側面との間の距離は、第1部材及び第2部材の先端において最も広く、第1部材及び第2部材の後端に向かって次第に狭くなり、
前記工程(B)あるいは工程(b)においては、第1の方向に沿って、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1部材の第1側面と第2部材の第2側面との間を、第1部材及び第2部材の先端から後端に向かってスペーサの上端部を通過させる形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『第1の形態』と呼ぶ。
第1の形態にあっては、第1部材及び第2部材の先端における一対の第1部材の第1側面と第2部材の第2側面との間の距離は、スペーサ保持部によってスペーサの下端部を保持したとき、スペーサ上端の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させ得るような距離とすればよい。一方、第1部材及び第2部材の後端における一対の第1部材の第1側面と第2部材の第2側面との間の距離は、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサの上端の矯正された位置に変動を生じさせないような距離とすればよい。
あるいは又、本発明にあっては、
矯正治具は、第1側面と第2側面とを有するQ個の凹部を備えており、
1つの凹部における対となった第1側面と第2側面とは対向しており、
第1側面及び第2側面は、第1の方向に沿って延びており、
1つの凹部における対となった第1側面と第2側面との間の距離は、第1側面及び第2側面の先端において最も広く、第1側面及び第2側面の後端に向かって次第に狭くなり、
前記工程(B)あるいは工程(b)においては、第1の方向に沿って、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1側面と第2側面との間を、第1側面及び第2側面の先端から後端に向かってスペーサの上端部を通過させる形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『第2の形態』と呼ぶ。
第2の形態にあっては、第1側面及び第2側面の先端における対となった第1側面と第2側面との間の距離は、スペーサ保持部によってスペーサの下端部を保持したとき、スペーサ上端の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させ得るような距離とすればよい。一方、第1側面及び第2側面の後端における対となった第1側面と第2側面との間の距離は、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサの上端の矯正された位置に変動を生じさせないような距離とすればよい。
あるいは又、本発明にあっては、
矯正治具は、第1側面を有するQ個の第1部材と、第2側面を有するQ個の第2部材から構成されており、
一対の第1部材と第2部材とは、第1側面と第2側面とが位置的にずれた状態で配置されており、
第1側面及び第2側面は、第1の方向に沿って延びており、
スペーサが第1パネルに対して垂直に配置されたと仮定したときにスペーサの上端部が通過する空間と第1部材の第1側面との間の距離は、第1部材の先端において最も広く、第1部材の後端に向かって次第に狭くなり、
スペーサが第1パネルに対して垂直に配置されたと仮定したときにスペーサの上端部が通過する空間と第2部材の第2側面との間の距離は、第2部材の先端において最も広く、第2部材の後端に向かって次第に狭くなり、
前記工程(B)あるいは工程(b)においては、第1の方向に沿って、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1部材の第1側面と第2部材の第2側面との間を、第1部材の先端から第2部材の後端に向かって板状のスペーサの上端部を通過させる形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『第3の形態』と呼ぶ。
第3の形態にあっては、第1部材及び第2部材の先端における上記の距離は、スペーサ保持部によってスペーサの下端部を保持したとき、スペーサ上端の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させ得るような距離とすればよい。一方、第1部材及び第2部材の後端における上記の距離は、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサの上端の矯正された位置に変動を生じさせないような距離とすればよい。
あるいは又、本発明にあっては、
矯正治具は、スペーサの頂面と側面とによって構成される2本の稜線と接触する凹んだQ個の底面部を有し、
凹んだ底面部は、第1の方向に沿って延びており、
前記工程(B)あるいは工程(b)においては、スペーサの頂面と側面とによって構成される2本の稜線と、矯正治具の凹んだ底面部とを接触させながら、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを垂直方向に相対的に移動させる形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『第4の形態』と呼ぶ。
第4の形態にあっては、凹んだ底面部の形状は、スペーサ保持部によってスペーサの下端部を保持したとき、スペーサ上端の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させ得るような形状であって、しかも、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサの上端の矯正された位置に変動を生じさせないような形状とすればよい。第1の方向に垂直な仮想平面で凹んだ底面部を切断したときの凹んだ底面部の断面形状は、本質的に任意の形状とすることができ、例えば、3本の線分の組合せ、円形の一部、楕円形の一部、放物線の一部、双曲線の一部といった滑らかな曲線の一部を挙げることができる。
あるいは又、本発明にあっては、
矯正治具は、スペーサの頂面と側面とによって構成される2本の稜線と接触する凹んだQ個の底面部を有し、
凹んだ底面部は、第1の方向に沿って延びており、
前記工程(B)あるいは工程(b)においては、スペーサの頂面と側面とによって構成される2本の稜線と、矯正治具の凹んだ底面部とを接触させながら、第1の方向に沿って、第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを水平方向に相対的に移動させる形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『第5の形態』と呼ぶ。
第5の形態にあっては、凹んだ底面部の形状は、スペーサ保持部によってスペーサの下端部を保持したとき、スペーサ上端の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させ得るような形状であって、しかも、スペーサの上端部と矯正治具を接触させた状態で第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサの上端の矯正された位置に変動を生じさせないような形状とすればよい。第1の方向に垂直な仮想平面で凹んだ底面部を切断したときの凹んだ底面部の断面形状は、本質的に任意の形状とすることができ、例えば、3本の線分の組合せ、円形の一部、楕円形の一部、放物線の一部、双曲線の一部といった滑らかな曲線の一部を挙げることができる。
矯正治具は、例えば、ステンレス鋼や真鍮、アルミニウム等の金属や合金を機械加工することで作製することができるし、ガラスを含むセラミックスから作製することもできる。矯正治具のスペーサが接触する部分を、摩擦低減のために、フッ素系樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレンで被覆してもよい。第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させるが、第1パネルあるいはアノードパネルを固定し、矯正治具を移動させてもよいし、矯正治具を固定し、第1パネルあるいはアノードパネルを移動させてもよいし、第1パネルあるいはアノードパネル及び矯正治具の両者を移動させてもよい。第1パネルあるいはアノードパネル、矯正治具の移動は周知の手段を用いればよい。具体的には、例えば、第1パネルあるいはアノードパネルを移動テーブルに載置し、移動テーブルをモータや油圧シリンダー、エアーシリンダー等の駆動装置を用いて移動させてもよいし、矯正治具をモータや油圧シリンダー、エアーシリンダー等の駆動装置を用いて移動させてもよい。
本発明において、スペーサは、例えば、
(イ)スペーサ基材、
(ロ)XZ平面と平行なスペーサ基材の側面に形成された帯電防止膜、及び、
(ハ)XY平面と平行なスペーサ基材の上面及び下面に形成された端部電極層、
から構成されている。尚、スペーサの高さ方向をZ方向、厚さ方向をY方向(第2の方向)、スペーサの軸線方向をX方向(第1の方向)とする。
そして、平面型表示装置にあっては、スペーサ基材の上面(カソードパネルを下側に位置させ、アノードパネルを上側に位置させたときの相対的な位置であり、スペーサの底面に相当する)に形成された端部電極層は、アノード電極に接しており、スペーサ基材の下面(カソードパネルを下側に位置させ、アノードパネルを上側に位置させたときの相対的な位置であり、スペーサの頂面に相当する)に形成された端部電極層は、電極、例えば、後述する収束電極に接している。スペーサは、例えば、アノードパネルに設けられたスペーサ保持部として機能する隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネル及び/又はカソードパネルにスペーサ保持部を形成し、係るスペーサ保持部によって固定すればよい。
本発明において、1列のスペーサは、1本のスペーサから構成されていてもよいし、複数のスペーサから構成されていてもよい。即ち、第1の方向に沿ったスペーサの数は、1であってもよいし、2以上であってもよく、平面型表示装置の仕様に依存する。スペーサ基材は、例えばセラミックスやガラス材料から構成することができる。スペーサ基材をセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライト等のケイ酸アルミニウム化合物やアルミナ等の酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができるし、例えば、特表2003−524280号公報等に記載されている材料を用いることもできる。また、ガラス材料として、高歪点ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)、結晶性ガラスを例示することができる。
スペーサ基材は、例えば、
(a)セラミックス粉末を分散質とし、バインダーを添加してグリーンシート用スラリーを調製し、
(b)グリーンシート用スラリーを成形して、グリーンシートを得、その後、
(c)グリーンシートを焼成する、
ことにより製造することができる。
スペーサ基材を構成するセラミックス材料は、グリーンシート用スラリー内のセラミックス粉末が焼結されることにより形成される。グリーンシート用スラリーの分散質となるセラミックス粉末を構成する材料として、上述したセラミックスを挙げることができる。尚、必要に応じて、スラリーに導電性付与材料を分散質として加えてもよい。導電性付与材料は、グリーンシート用スラリー内にあっては、必ずしも導電性を示さなくてもよい。導電性付与材料は、グリーンシートの焼成の際に化学的組成が変化するものであってもよいし、焼成により化学的組成が変化しないものであってもよい。具体的には、グリーンシートを焼成することにより、グリーンシート内の導電性付与材料も焼成されるが、焼成された導電性付与材料が導電性を示すものであればよい。グリーンシート用スラリーの分散質となる導電性付与材料として、例えば、金や白金等の貴金属;モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物、ニッケル酸化物等の金属酸化物;チタン炭化物、タングステン炭化物、ニッケル炭化物等の金属炭化物;モリブデン酸アンモニウム等の金属塩を挙げることができる。更には、これらの混合物であってもよい。即ち、導電性付与材料は、単一の種類の材料から成る形態であってもよいし、複数の種類の材料から成る形態であってもよい。また、グリーンシート用スラリーに添加されるバインダーを構成する材料として、有機系バインダー材料(例えば、アクリル系エマルジョンやポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール)あるいは無機系バインダー材料(例えば、水ガラス)を挙げることができる。
帯電防止膜を構成する材料は、その2次電子放出係数が1に近いことが好ましく、帯電防止膜を構成する材料として、SiやGe等の半導体、グラファイト等の半金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、及び、窒化物等を用いることができる。より具体的には、例えば、グラファイト等の半金属及びMoSex等の半金属元素を含む化合物、CrOx、NdOx、CrAlxy、酸化マンガン、LaxBa2-xCuO4、Lax1-xCrO3等の酸化物、AlBx、TiBx等のホウ化物、SiC等の炭化物、MoSx、WSx等の硫化物、及び、窒化タングステンと窒化ゲルマニウムの化合物、BN、TiN、AlN等の窒化物等を挙げることができるし、更には、例えば、特表2004−500688号公報等に記載されている材料等を用いることもできる。端部電極層を構成する材料については、後述する。帯電防止膜や端部電極層は、単一の種類の材料から成るものであってもよいし、複数の種類の材料から成るものであってもよいし、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。帯電防止膜を、(第1の金属酸化物,第2の金属酸化物)の混合物から構成することもできる。(第1の金属酸化物,第2の金属酸化物)の組み合わせとして、(クロム酸化物,チタン酸化物)、(クロム酸化物,インジウム酸化物)、(マンガン酸化物,チタン酸化物)、(マンガン酸化物,インジウム酸化物)、(亜鉛酸化物,チタン酸化物)あるいは(亜鉛酸化物,インジウム酸化物)を挙げることができる。帯電防止膜や端部電極層は、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法を含む真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種物理的気相成長法(PVD法);各種化学的気相成長(CVD)法等、周知の方法により形成(成膜)することができる。帯電防止膜や端部電極層は、スペーサ基材上に、直接、設けられていてもよいし、例えば、密着性改善用等の下地膜がスペーサ基材の上に形成されており、下地膜の上に帯電防止膜や端部電極層が形成されていてもよい。
第1パネルを構成する基体、第2パネルを構成する基体、平面型表示装置におけるカソードパネルを構成する支持体やアノードパネルを構成する基板は、これらが相互に対向する面が絶縁性部材から構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁被膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁被膜が形成された石英基板、表面に絶縁被膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁被膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、低アルカリガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)、無アルカリガラスを例示することができる。
平面型表示装置において、電子放出領域を構成する電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子)、表面伝導型電子放出素子を挙げることができる。また、平面型表示装置として、冷陰極電界電子放出素子を備えた平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)、MIM素子が組み込まれた平面型表示装置、表面伝導型電子放出素子が組み込まれた平面型表示装置を挙げることができる。
ここで、平面型表示装置を、冷陰極電界電子放出素子(電界放出素子と略称する)を備えた冷陰極電界電子放出表示装置とする場合、電界放出素子は、
(a)支持体上に形成された帯状のカソード電極、
(b)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成された帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられ、カソード電極及びゲート電極への電圧の印加によって電子放出が制御される電子放出部、
から成る。
電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や、扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。カソードパネルにおいて、ゲート電極の射影像とカソード電極の射影像とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。ここで、ゲート電極は第1の方向(X方向)に延び、カソード電極は第2の方向(Y方向)に延びる構成とすることができる。カソードパネルにおいて、ゲート電極とカソード電極とが重複する重複領域が電子放出領域を構成し、電子放出領域が2次元マトリクス状に配列されており、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。
そして、冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、表示作動時、ゲート電極及びカソード電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極によってアノードパネルへと引き付けられ、蛍光体領域に衝突する。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。表示作動時、アノード電極制御回路からアノード電極に印加される電圧(アノード電圧)VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd0(但し、0.5mm≦d0≦10mm)としたとき、VA/d0(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは4以上8以下を満足することが望ましい。冷陰極電界電子放出表示装置の表示作動時、例えば、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式やパルス幅変調方式を採用することができる。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造することができる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
収束電極(フォーカス電極)が備えられている場合、ゲート電極及び絶縁層上には更に層間絶縁層が設けられ、層間絶縁層上に収束電極が設けられている構造、あるいは又、ゲート電極の上方に収束電極が設けられている構造とすることができる。ここで、収束電極とは、開口部から放出され、アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キロボルト以上のオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。収束電極は、必ずしも、カソード電極とゲート電極とが重複する重複領域に設けられた電子放出部あるいは電子放出領域のそれぞれを取り囲むように個別に形成されている必要はなく、例えば、電子放出部あるいは電子放出領域の所定の配列方向に沿って延在させてもよいし、電子放出部あるいは電子放出領域の全てを1つの収束電極で取り囲む構成としてもよく(即ち、収束電極を、有効領域の全体を覆う薄い1枚のシート状の構造としてもよく)、これによって、複数の電子放出部あるいは電子放出領域に共通の収束効果を及ぼすことができる。尚、収束電極及び層間絶縁層には、開口部(第3開口部)が設けられている。
ここで、有効領域とは、平面型表示装置としての実用上の機能である表示機能を果たす中央の表示領域であり、無効領域は、この有効領域の外側に位置し、有効領域を額縁状に包囲している。
ゲート電極やカソード電極、収束電極、端部電極層の構成材料として、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属を含む各種金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えば、TiW;TiNやWN等の窒化物;WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。ゲート電極やカソード電極、収束電極、端部電極層を、これらの材料の単層構造あるいは積層構造とすることができる。また、これらの電極や電極層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法を含む各種PVD法;各種CVD法;スクリーン印刷法;インクジェット印刷法;メタルマスク印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができるし、これらの方法とエッチング法との組合せを挙げることもできる。ここで、形成方法を適切に選択することで、直接、パターニングされた帯状のカソード電極やゲート電極、収束電極を形成することが可能である。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、スパッタリング法や真空蒸着法といった各種PVD法、各種CVD法によって形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。あるいは又、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から、適宜、選択してもよい。扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体(カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバー)、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を、直接、形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。収束電極及び層間絶縁層に設けられた第3開口部の形成も同様の方法で行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、係る第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体薄膜を形成してもよい。抵抗体薄膜を形成することによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化、カソード電極とゲート電極との間のリーク電流の抑制を図ることができる。抵抗体薄膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系抵抗体材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体抵抗体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物や高融点金属窒化物を例示することができる。抵抗体薄膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法といった各種印刷法を例示することができる。1つの電子放出部当たりの電気抵抗値は、概ね1×105〜1×1011Ω、好ましくは数MΩ〜数十ギガΩとすればよい。
絶縁層、層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは、適宜、組み合わせて使用することができる。絶縁層、層間絶縁層の形成には、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法といった各種印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
平面型表示装置において、アノード電極と蛍光体領域の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体領域を形成する構成
(2)基板上に、蛍光体領域を形成し、蛍光体領域上にアノード電極を形成する構成
を挙げることができる。尚、(1)の構成において、蛍光体領域の上に、アノード電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。尚、メタルバック膜をアノード電極と兼ねることもできる。
アノード電極は、全体として1つのアノード電極から構成されていてもよいし、複数のアノード電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとはアノード電極抵抗体層によって電気的に接続されていることが好ましい。アノード電極抵抗体層を構成する材料として、カーボン、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物や高融点金属窒化物;アモルファスシリコン等の半導体材料;ITOを挙げることができる。また、SiC抵抗膜上に抵抗値の低いカーボン薄膜を積層するといった複数の膜の組み合わせにより、安定した所望のシート抵抗値を実現することも可能である。アノード電極抵抗体層のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。アノード電極ユニットの数[UN]は2以上であればよく、例えば、直線上に配列された蛍光体領域の列の総数を[un]列としたとき、[UN]=[un]とし、あるいは、[un]=u・[UN](uは2以上の整数であり、好ましくは10≦u≦100、一層好ましくは20≦u≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配置されたスペーサの数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。全体として1つのアノード電極の上にアノード電極抵抗体層を形成してもよい。このように、アノード電極を有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形で形成すれば、アノード電極ユニットと電子放出領域との間の静電容量を減少させることができる。その結果、放電の発生を低減することができ、放電に起因したアノード電極や電子放出領域の損傷の発生を効果的に減少させることができる。
アノード電極をアノード電極ユニットから構成する場合であって隔壁(後述する)が形成されている場合、アノード電極ユニットは、各蛍光体領域上から隔壁側面上に亙り形成されている形態とすることができる。尚、アノード電極ユニットは、各蛍光体領域上から隔壁側面の途中まで形成されている形態であってもよい。
アノード電極(アノード電極ユニットを包含する)は、導電材料層を用いて形成すればよい。導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種PVD法;各種CVD法;スクリーン印刷法を含む各種印刷法;メタルマスク印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングしてアノード電極を形成することができる。あるいは又、アノード電極のパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料を各種PVD法や各種印刷法に基づき形成することによって、アノード電極を得ることもできる。尚、アノード電極抵抗体層も、アノード電極と同様の、あるいは、類似した方法で形成することができる。即ち、抵抗体材料からアノード電極抵抗体層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきこのアノード電極抵抗体層をパターニングしてもよいし、あるいは、アノード電極抵抗体層のパターンを有するマスクやスクリーンを介して抵抗体材料の各種PVD法や各種印刷法に基づく形成により、アノード電極抵抗体層を得ることができる。基板上(あるいは基板上方)におけるアノード電極の平均厚さ(後述するように隔壁を設ける場合、隔壁の頂面上におけるアノード電極の平均厚さ)として、3×10-8m(30nm)乃至1×10-6m(1μm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至5×10-7m(0.5μm)を例示することができる。
アノード電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンドやグラファイト等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。尚、アノード電極抵抗体層を形成する場合、アノード電極抵抗体層の電気抵抗値を変化させない導電材料からアノード電極を構成することが好ましく、例えば、アノード電極抵抗体層をシリコンカーバイド(SiC)から構成した場合、アノード電極をモリブデン(Mo)やアルミニウム(Al)から構成することが好ましい。
蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。蛍光体領域の配列様式は、例えば、ドット状である。具体的には、平面型表示装置がカラー表示の場合、蛍光体領域の配置、配列として、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。即ち、直線上に配列された蛍光体領域の1列は、全てが赤色発光蛍光体領域で占められた列、緑色発光蛍光体領域で占められた列、及び、青色発光蛍光体領域で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体領域、緑色発光蛍光体領域、及び、青色発光蛍光体領域が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体領域とは、アノードパネル上において1つの輝点を生成する蛍光体の領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、及び、1つの青色発光蛍光体領域の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体領域(1つの赤色発光蛍光体領域、あるいは、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域)から構成される。尚、隣り合う蛍光体領域の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。あるいは又、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、フロート塗布法、沈降塗布法、蛍光体フィルム転写法等により各蛍光体領域を形成してもよい。基板上における蛍光体領域の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から、適宜、選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。
蛍光体領域からの光を吸収する光吸収層が、隣り合う蛍光体領域の間、あるいは、後述する隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体領域からの光を90%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せ、各種印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して、適宜、選択された方法にて形成することができる。
蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された2次電子が他の蛍光体領域に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するために、隔壁を設けることが好ましい。隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、キャスティング法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成(硬化)を行う方法である。キャスティング法(型押し成形法)とは、ペースト状とした有機材料あるいは無機材料から成る隔壁形成用材料層を型(キャスト)から基板上に押し出すことで隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷法、ロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁頂面の平坦化を図ってもよい。隔壁の一部を、スペーサ保持部として機能させてもよい。
隔壁における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当し、一種の開口領域である)として、矩形形状、円形形状、楕円形状、長円形状、三角形形状、五角形以上の多角形形状、丸みを帯びた三角形形状、丸みを帯びた矩形形状、丸みを帯びた多角形等を例示することができるし、蛍光体領域の二辺と平行に延びる直線状の形状(棒状の形状)を挙げることができる。これらの平面形状(開口領域の平面形状)が2次元マトリクス状に配列されることにより、格子状の隔壁が形成される。この2次元マトリクス状の配列は、例えば井桁様に配列されるものでもよいし、千鳥様に配列されるものでもよい。
隔壁形成用材料として、例えば、感光性ポリイミド樹脂や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス、SiO2、低融点ガラスペーストを例示することができる。隔壁の表面(頂面及び側面)には、隔壁に電子ビームが衝突して隔壁からガスが放出されることを防止するための保護層(例えば、SiO2、SiON、あるいは、AlNから成る)を形成してもよい。
第1パネルと第2パネルとを外周部において接合するが、また、カソードパネルとアノードパネルとを外周部において接合するが、接合は接着層を接合部材として用いて行ってもよいし、あるいは、棒状あるいはフレーム状(枠状)であってガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から構成された枠体と接着層とから成る接合部材を用いて行ってもよい。枠体と接着層とから成る接合部材を用いる場合には、枠体の高さを、適宜、選択することにより、接着層のみから成る接合部材を使用する場合に比べ、第1パネルと第2パネルとの間、あるいは又、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離を、より長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、B23−PbO系フリットガラスやSiO2−B23−PbO系フリットガラスといったフリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料として、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
第1パネルと第2パネルと接合部材の三者を接合する場合、また、カソードパネルとアノードパネルと接合部材の三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階で第1パネル又は第2パネル、あるいは又、カソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と接合部材とを接合し、第2段階で第1パネル又は第2パネル、あるいは又、カソードパネル又はアノードパネルの他方と接合部材とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、第1パネルと第2パネルと接合部材とにより囲まれた空間、あるいは又、カソードパネルとアノードパネルと接合部材とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、第1パネルと第2パネルと接合部材とによって囲まれた空間、あるいは又、カソードパネルとアノードパネルと接合部材とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスとすることが好ましいが、大気中で行うこともできる。
排気を行う場合、排気は、第1パネル及び/又は第2パネル、あるいは又、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管とも呼ばれる排気管を通じて行うことができる。排気管は、典型的にはガラス管、あるいは、低熱膨張率を有する金属や合金[例えば、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金や、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金]から成る中空管から構成され、第1パネル及び/又は第2パネル、あるいは又、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域に設けられた貫通部の周囲に、上述のフリットガラス又は低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られ、あるいは又、圧着することにより封じられる。尚、封じる前に、平面型表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
本発明において、ピクセル数をM×Nとしたとき、(M,N)として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
本発明にあっては、第1パネルあるいはアノードパネルに設けられたスペーサ保持部によって、スペーサの下端部を保持した状態で、スペーサの上端部と矯正治具を接触させながら第1パネルあるいはアノードパネルと矯正治具とを相対的に移動させることで、第1の方向と直交する第2の方向におけるスペーサの上端の位置を矯正するといった、簡単で確実な方法に基づき、位置ずれが発生すること無く、スペーサを第1パネルあるいはアノードパネルに対して垂直に配置することができる。従って、スペーサをスペーサ保持部に取り付けた後のスペーサの上端の位置を測定する必要が無くなるし、スペーサをスペーサ保持部に取り付ける際の取付け精度を高い精度とする必要も無く、更には、全てのスペーサの取付け位置を保証することができ、平面型表示装置の製造の簡素化、製造コストの低減を図ることができるし、平面型表示装置の製造装置の簡素化を図ることもできる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、それに先立ち、実施例1〜実施例5における平面型表示装置の共通した概要を、以下、説明する。ここで、実施例1〜実施例5における平面型表示装置は、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)である。実施例1〜実施例5における表示装置にあっては、帯状のゲート電極(例えば走査電極)13は第1の方向(X方向)に延び、帯状のカソード電極(例えばデータ電極)11は第2の方向(Y方向)に延びている。また、アノードパネルが第1パネルに相当し、カソードパネルが第2パネルに相当する。
実施例における表示装置の模式的な一部端面図は図11に示したと同様であり、アノードパネルAP(第1パネル)及びカソードパネルCP(第2パネル)を分解したときのアノードパネルAPとカソードパネルCPの一部分の模式的な分解斜視図は図12に示したと同様である。即ち、実施例における表示装置は、支持体10上に第1の方向(X方向)及び第2の方向(Y方向)に沿って2次元マトリクス状に配列された電子放出領域EAを備えたカソードパネルCPと、蛍光体領域22及びアノード電極24が設けられたアノードパネルAPとが外周部で接合部材26を介して接合されている。そして、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間には第1の方向(X方向)に沿ってスペーサ40が配置され、スペーサ40はスペーサ保持部25によって保持されており、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間が真空に保持されている。
ここで、実施例における表示装置は、有効領域EF、及び、有効領域EFを取り囲む無効領域NFを有する。尚、有効領域EFとは、表示装置としての実用上の画像表示機能を果たす略中央に位置する表示領域であり、この有効領域EFは、額縁状に包囲する無効領域NFによって囲まれている。そして、アノードパネルAP(第1パネル)とカソードパネルCP(第2パネル)と接合部材26とによって挟まれた空間は真空(圧力:例えば10-3Pa以下)に保持されている。カソードパネルCPの無効領域NFには、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔の周囲には、真空排気後に封じ切られるチップ管とも呼ばれる排気管(図示せず)が取り付けられている。
実施例において、電子放出領域を構成する電界放出素子は、例えば、スピント型電界放出素子から構成されている。スピント型電界放出素子は、
(a)支持体10上に形成された帯状のカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成された帯状のゲート電極13、
(d)カソード電極11とゲート電極13の重複する重複領域に位置するゲート電極13及び絶縁層12の部分に設けられ、底部にカソード電極11が露出した開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、並びに、
(e)開口部14の底部に露出したカソード電極11上に設けられ、カソード電極11及びゲート電極13への電圧の印加によって電子放出が制御される電子放出部15、
から構成されている。ここで、電子放出部15の形状は円錐形である。また、絶縁層12上には層間絶縁層16が形成されており、層間絶縁層16上には収束電極17が形成されている。
実施例の表示装置において、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向(第1の方向及び第2の方向)に各々帯状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1副画素(サブピクセル)分の領域に相当し、電子放出領域EAである)に、複数の電界放出素子が設けられている。尚、図面の簡素化のため、図11では、各電子放出領域EAにおいて2つの電子放出部15を図示した。そして、係る電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域EF(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、上述したとおり、2次元マトリクス状に配列されている。
アノードパネルAPは、基板20と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍光体領域22と、その上に形成されたアノード電極24から構成されている。1副画素(1サブピクセル)は、電子放出領域EAと、電子放出領域EAに対面したアノードパネル側の蛍光体領域22とによって構成されている。有効領域EFには、係る副画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、蛍光体領域22と蛍光体領域22との間の基板20上には、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止するために、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。アノード電極24は、厚さ約0.3μmのアルミニウム(Al)から成り、有効領域EFを覆う薄い1枚のシート状であり、蛍光体領域22を覆う状態で設けられている。図12においては、隔壁やスペーサ、スペーサ保持部の図示を省略した。カラー表示の表示装置の場合には、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体領域22R、1つの緑色発光蛍光体領域22G、及び、1つの青色発光蛍光体領域22Bの集合から構成されている。各蛍光体領域22を取り囲む格子状の隔壁21が基板20上に形成されている。各蛍光体領域22は、隔壁21によって囲まれている。格子状の隔壁21における蛍光体領域22を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当し、一種の開口領域である)は、矩形形状(長方形)であり、これらの平面形状(開口領域の平面形状)は2次元マトリクス状(より具体的には、井桁)に配列され、格子状の隔壁21が形成されている。隔壁の一部は、スペーサ保持部25として機能する。
実施例における表示装置において、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間に、第1の方向(X方向)に延びる平板状のスペーサ40が、複数列、配置されている。また、スペーサ40とスペーサ40とによって、数十本乃至数百本のゲート電極13が挟まれている。スペーサ40の上面(スペーサの底面45に相当する)及び下面(スペーサの頂面42に相当する)はXY平面と平行であり、側面はXZ平面と平行であり、端面はYZ平面と平行である。図3に模式的な断面図を示すように、スペーサ40を構成するスペーサ基材47は、例えば酸化アルミニウム(Al23)から成り、スペーサ40の上面と下面との間の抵抗値は、約1×1010Ω(約10GΩ)である。また、スペーサ基材47の側面には、例えば、RFスパッタリング法に基づき厚さ4nmの酸化クロム(CrOx)から成る帯電防止膜48が形成されている。酸化クロムは、2次電子放出係数が比較的小さく、スペーサ40が正に帯電するような条件下では、帯電防止膜として非常に好ましい材料である。更には、スペーサ基材47の上面及び下面には、白金(Pt)から成る端部電極層49が形成されている。尚、代替的に、端部電極層49を構成する材料としてニッケル−バナジウム合金を挙げることができる。
実施例における表示装置において、カソード電極11はカソード電極制御回路31に接続され、ゲート電極13はゲート電極制御回路32に接続され、収束電極が設けられている場合には、収束電極は収束電極制御回路(図示せず)に接続され、アノード電極24はアノード電極制御回路33に接続されている。表示装置の表示作動時、アノード電極制御回路33からアノード電極24に印加されるアノード電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルト、具体的には、例えば、9キロボルト(例えば、d0=2.0mm)とすることができる。一方、表示装置の表示作動時、カソード電極11に印加する電圧VC及びゲート電極13に印加する電圧VGに関しては、
(1)カソード電極11に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極13に印加する電圧VGを変化させる方式
(2)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極13に印加する電圧VGを一定とする方式
(3)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極13に印加する電圧VGも変化させる方式
のいずれを採用してもよいが、実施例における表示装置においては、上述の(2)の方式を採用する。
即ち、表示装置の表示作動時、カソード電極11には相対的に負電圧(VC)がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧(VG)がゲート電極制御回路32から印加され、収束電極が設けられている場合には、収束電極には収束電極制御回路から例えば0ボルトが印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧(アノード電圧VA)がアノード電極制御回路33から印加される。係る表示装置において、線順次駆動方式により画像の表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力する。尚、カソード電極11を走査電極とし、ゲート電極13をデータ電極とする場合には、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力すればよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体領域22に衝突する。その結果、蛍光体領域22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧VG、及び、カソード電極11に印加される電圧VCによって制御される。カソード電極11はカソード電極駆動ドライバによって駆動され、ゲート電極13はゲート電極駆動ドライバによって駆動される。カソード電極制御回路31、ゲート電極制御回路32、アノード電極制御回路33や駆動ドライバは周知の回路から構成することができる。
スペーサ40は、以上に説明した表示装置において、スペーサ保持部25によって保持された状態で使用される。スペーサ基材47の上面及び下面に形成された端部電極層49はアノード電極24及び収束電極17に接している。
実施例1は、本発明のスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法に関し、より具体的には、第1の形態に関する。尚、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例5において、第1の方向(X方向)と直交する第2の方向(Y方向)に沿ったスペーサ40の本数をQ本、具体的には、例えば、7本とする。また、上述したとおり、アノードパネルAPが第1パネルに相当する。
実施例1におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行する直前の、矯正治具150とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図1の(A)及び図2の(A)に示し、一対の第1部材151及び第2部材152の配置関係及び模式的な斜視図を、それぞれ、図1の(B)及び図1の(C)、並びに、図2の(C)に示し、第1部材151とスペーサ40の位置関係を図2の(B)に示す。尚、図1の(A)、図2の(A)、図4の(A)、図5の(A)、図6、図7、図9においては、アノードパネルAP(第1パネル)の構成要素の図示を省略している。
実施例1において、矯正治具150は、第1側面153を有するQ個の第1部材151と、第2側面154を有するQ個の第2部材152から構成されている。そして、一対の第1部材151と第2部材152とは、第1側面153と第2側面154とが対向した状態で並置されており、第1側面153及び第2側面154は、第1の方向(X方向)に沿って延びている。第1側面153及び第2側面154は垂直な面である。ここで、一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間の距離は、第1部材151及び第2部材152の先端151A,152Aにおいて最も広く、第1部材151及び第2部材152の後端151B,152Bに向かって次第に狭くなっている。具体的には、一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間に位置する空間は、略「Y」字状の形状を有する。第1部材151及び第2部材152は、ボルト161によって横棒160に固定されており、ボルト161は、第1部材151及び第2部材152に設けられた孔部155,156に螺合している。
矯正治具150を構成する第1部材151及び第2部材152は、ステンレス鋼を機械加工することで作製されており、第1部材151の第1側面153及び第2部材152の第2側面154は、摩擦低減のために、フッ素系樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレンで被覆されている。後述する実施例2〜実施例5における矯正治具も、基本的には、同じような構成、構造を有する。
[工程−100]
実施例1にあっては、先ず、アノードパネルAP(第1パネル)に設けられたスペーサ保持部25によって、スペーサ40の下端部44を保持する。尚、アノードパネルAPやカソードパネルCPの製造方法に関しては、後述する。具体的には、アノードパネルAP(第1パネル)を図示しない移動テーブルに載置しておく。そして、図示しない移動装置に備えられた真空吸着装置によってスペーサ40の上端部43の側面を真空吸着した状態で、スペーサ40をアノードパネルAPに設けられたスペーサ保持部25の上方に位置せしめ、移動装置を下降させる。これによって、スペーサ保持部25にスペーサ40の下端部44が挿入され、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44が保持される。こうして、図1の(A)に示す状態を得ることができる。
[工程−110]
次いで、移動テーブルをモータから構成された駆動装置を用いて移動させることで、アノードパネルAP(第1パネル)を第1の方向(X方向)に移動させる。これによって、スペーサ40の上端部43と矯正治具150とが接触した状態となる。そして、スペーサ40の上端部43と矯正治具150を接触させた状態で、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具150とを相対的に移動させることで、第1の方向(X方向)と直交する第2の方向(Y方向)におけるスペーサ40の上端41の位置を矯正し、スペーサ40をアノードパネルAP(第1パネル)に対して垂直に配置する。
より具体的には、第1の方向(X方向)に沿って、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具150とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間を、第1部材151及び第2部材152の先端151A,152Aから後端151B,152Bに向かってスペーサ40の上端部43を通過させる。尚、この状態における矯正治具150とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図2の(A)に示し、第1部材151とスペーサ40の配置関係、一対の第1部材151及び第2部材152並びにスペーサ40の模式的な斜視図を、それぞれ、図2の(B)及び図2の(C)に示す。また、スペーサ40及びスペーサ保持部25等の模式的な一部断面図を、図3に示す。
尚、第1部材151及び第2部材152の先端151A,152Aにおける一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間の距離は、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44を保持したとき、スペーサ40の上端41の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサ40の上端部43と矯正治具150を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具150とを相対的に移動させ得るような距離である。一方、第1部材151及び第2部材152の後端151B,152Bにおける一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間の距離は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具150とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサ40の上端41の矯正された位置に変動を生じさせないような距離である。より具体的には、スペーサ40の厚さ(第2の方向(Y方向)に沿った厚さ)をt、第1部材151及び第2部材152の先端151A,152Aにおける一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間の距離をtA、第1部材151及び第2部材152の後端151B,152Bにおける一対の第1部材151の第1側面153と第2部材152の第2側面154との間の距離をtBとしたとき(図1の(B)参照)、
79t≦tA≦119t
65t≦tB≦83t
を満足している。こうして、実施例1のスペーサの取付け方法が完了する。
[工程−120]
実施例1の平面型表示装置の製造方法にあっては、次いで、アノードパネルAPの外周部に接合部材26を配し、接合部材26及びスペーサ40上にカソードパネルCPを載置した状態で、アノードパネルAPとカソードパネルCPとを接合部材26を介して接合した後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とによって挟まれた空間SPを排気する。
具体的には、蛍光体領域22と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約2mmの枠体から成る接合部材26を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、接合部材26とアノードパネルAPとの接合部位、及び、接合部材26とカソードパネルCPとの接合部位に接着層としてのフリットガラスを塗布し、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とを貼り合わせ、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とによって囲まれた空間SPを、貫通孔(図示せず)及び排気管(図示せず)を通じて排気し、空間SPの圧力が10-4Pa程度に達した時点で排気管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とに囲まれた空間SPを真空にすることができる。あるいは又、例えば、接合部材26とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させる。後述する実施例2〜実施例5においても同様の方法で表示装置を得ることができる。
実施例2は、実施例1の変形であり、より具体的には、第2の形態に関する。
実施例2におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具250とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図4の(A)に示し、一対の第1側面253及び第2側面254の配置関係を模式的に示す断面図を図4の(B)に示し、一対の第1側面253及び第2側面254等の模式的な斜視図を図4の(C)に示す。尚、図4の(A)において、矯正治具250のスペーサ40が通過する領域以外の領域に、便宜上、斜線を付した。
実施例2において、矯正治具250は、第1側面253と第2側面254とを有するQ個の凹部257を備えている。そして、1つの凹部257における対となった第1側面253と第2側面254とは対向しており、第1側面253及び第2側面254は、第1の方向(X方向)に沿って延びている。第1側面253及び第2側面254は垂直な面である。ここで、1つの凹部257における対となった第1側面253と第2側面254との間の距離は、第1側面253及び第2側面254の先端251A,252Aにおいて最も広く、第1側面253及び第2側面254の後端251B,252Bに向かって次第に狭くなっている。一対の第1側面253と第2側面254との間に位置する空間は、略「Y」字状の形状を有する。
そして、実施例2にあっては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、実施例1と同様にして、第1の方向(X方向)に沿って、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具250とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1側面253と第2側面254との間を、第1側面253及び第2側面254の先端251A,252Aから後端251B,252Bに向かってスペーサ40の上端部43を通過させる。
実施例2において、第1側面253及び第2側面254の先端251A,252Aにおける対となった第1側面253と第2側面254との間の距離は、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44を保持したとき、スペーサ40の上端41の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサ40の上端部43と矯正治具250を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具250とを相対的に移動させ得るような距離である。一方、第1側面253及び第2側面254の後端251B,252Bにおける対となった第1側面253と第2側面254との間の距離は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具250とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサ40の上端41の矯正された位置に変動を生じさせないような距離である。
具体的には、先端251A,252Aにおける一対の第1側面253と第2側面254との間の距離をtA、後端251B,252Bにおける一対の第1側面253と第2側面254との間の距離をtBとしたとき、t,tA,tBは、実施例1と同じ関係を有する。
実施例2にあっては、1つの矯正治具450にQ対の第1側面253と第2側面254を設けたが、代替的に、矯正治具をq個に分割し、それぞれにq’対の第1側面253と第2側面254とを設ける構成(但し、Q=q×q’)とすることもできる。
実施例3も、実施例1の変形であり、より具体的には、第3の形態に関する。
実施例3におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行する直前の、矯正治具350とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図5の(A)に示し、一対の第1部材351及び第2部材352の配置関係を模式的に図5の(B)に示す。更には、実施例3におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具350とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図6に示す。
実施例3において、矯正治具350は、第1側面353を有するQ個の第1部材351と、第2側面354を有するQ個の第2部材352から構成されている。そして、一対の第1部材351と第2部材352とは、第1側面353と第2側面354とが位置的にずれた状態で配置されている。尚、第1側面353及び第2側面354は、第1の方向(X方向)に沿って延びている。第1側面353及び第2側面354は垂直な面である。ここで、スペーサ40がアノードパネルAP(第1パネル)に対して垂直に配置されたと仮定したときにスペーサ40の上端部43が通過する空間(図5の(B)においては、一点鎖線で示す)と第1部材351の第1側面353との間の距離は、第1部材351の先端351Aにおいて最も広く、第1部材351の後端351Bに向かって次第に狭くなり、スペーサ40がアノードパネルAP(第1パネル)に対して垂直に配置されたと仮定したときにスペーサ40の上端部43が通過する空間と第2部材352の第2側面354との間の距離は、第2部材352の先端352Aにおいて最も広く、第2部材352の後端352Bに向かって次第に狭くなる。スペーサ40の上端部43が通過する空間と第1部材351の第1側面353との間に位置する空間、スペーサ40の上端部43が通過する空間と第2部材352の第2側面354との間に位置する空間は、略「Y」字状の形状を縦に二分した形状を有する。第1部材351及び第2部材352は、それぞれ、ボルト361によって横棒360A,360Bに固定されており、ボルト361は、第1部材351及び第2部材352に設けられた孔部355,356に螺合している。
そして、実施例3にあっては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、実施例1と同様にして、第1の方向(X方向)に沿って、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具350とを水平方向に相対的に移動させることで、一対の第1部材351の第1側面353と第2部材352の第2側面354との間を、第1部材351の先端351Aから第2部材352の後端352Bに向かって板状のスペーサ40の上端部43を通過させる。
実施例3において、第1部材351及び第2部材352の先端351A,352Aにおける上述した距離は、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44を保持したとき、スペーサ40の上端41の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサ40の上端部43と矯正治具350を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具350とを相対的に移動させ得るような距離である。一方、第1部材351及び第2部材352の後端351B,352Bにおける上述した距離は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具350とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサ40の上端41の矯正された位置に変動を生じさせないような距離とすればよい。
具体的には、先端351A,352Aにおける上述した距離をt’A、後端351B,352Bにおける上述した距離をt’Bとしたとき、
t’A=(tA−t)/2
t’B=(tB−t)/2
を満足している。ここで、t,tA,tBは、実施例1にて説明したとおりである。
実施例4も、実施例1の変形であり、より具体的には、第4の形態に関する。
実施例4におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具450とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図7に示し、実施例4におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具450とスペーサ40との位置関係を模式的に示す一部断面図を、図8の(A)〜(D)に示す。
実施例4において、矯正治具450は、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と接触する凹んだQ個の底面部457を有しており、凹んだ底面部457は、第1の方向(X方向)に沿って延びている。第1の方向に垂直な仮想平面で凹んだ底面部457を切断したときの凹んだ底面部457の断面形状は、本質的に任意の形状とすることができるが、実施例4にあっては3本の線分の組合せとした。
そして、実施例4にあっては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と、矯正治具450の凹んだ底面部457とを接触させながら、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具450とを垂直方向に相対的に移動させる。この状態を、模式的に図8の(A)〜(D)に示すが、図8の(A)は、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と、矯正治具450の凹んだ底面部457とが接触する直前の状態を示し、図8の(B)は、接触したときの状態を示し、図8の(C)は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具450とを垂直方向に相対的に移動させている最中の状態を示し、図8の(D)は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具450との垂直方向への相対的な移動が完了した状態を示す。
実施例4において、凹んだ底面部457の形状は、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44を保持したとき、スペーサ40の上端41の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサ40の上端部43と矯正治具450を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具450とを相対的に移動させ得るような形状であって、しかも、スペーサ40の上端部43と矯正治具450を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具450とを相対的に、滑らかに、しかも、スペーサ40の上端41の矯正された位置に変動を生じさせないような形状である。具体的には、図8の(A)に示すように、凹んだ底面部457の最も広い部分の開口長さをL1、凹んだ底面部457の最も狭い部分の開口長さをL2、凹んだ底面部457の深さをH0としたとき、
1=99mm
2=51mm
0=1.5mm
とした。尚、実施例4において、凹んだ底面部557の深さH0は一定である。
実施例4にあっては、1つの矯正治具450にQ個の凹んだ底面部457を設けたが、代替的に、矯正治具をQ個に分割し、それぞれに1つの底面部457を設ける構成とすることもできるし、矯正治具をq個に分割し、それぞれにq’個の底面部457を設ける構成(但し、Q=q×q’)とすることもできる。次に述べる実施例5においても同様である。
実施例5も、実施例1の変形であり、より具体的には、第5の形態に関する。
実施例5におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具550とアノードパネルAP(第1パネル)との位置関係を模式的に図9に示し、実施例5におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具550とスペーサ40との位置関係を模式的に示す一部断面図を、図10の(A)〜(D)に示す。
実施例5において、実施例4と同様に、矯正治具550は、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と接触する凹んだQ個の底面部557を有し、凹んだ底面部557は、第1の方向(X方向)に沿って延びている。第1の方向に垂直な仮想平面で凹んだ底面部557を切断したときの凹んだ底面部557の断面形状は、本質的に任意の形状とすることができるが、実施例5にあっても3本の線分の組合せとした。
そして、実施例5にあっては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と、矯正治具550の凹んだ底面部557とを接触させながら、第1の方向(X方向)に沿って、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具550とを水平方向に相対的に移動させる。この状態を、模式的に図10の(A)〜(D)に示すが、図10の(A)は、スペーサ40の頂面42と側面46とによって構成される2本の稜線と、矯正治具550の凹んだ底面部557とが接触する直前の状態を示し、図10の(B)は、接触したときの状態を示し、図10の(C)は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具550とを水平方向に相対的に移動させている最中の状態を示し、図10の(D)は、アノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具550とが接触を解かれる直前の状態を示す。
実施例5において、凹んだ底面部557の形状は、スペーサ保持部25によってスペーサ40の下端部44を保持したとき、スペーサ40の上端41の位置ずれ量が最大許容量であったとしても、スペーサ40の上端部43と矯正治具550を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具550とを相対的に移動させ得るような形状であって、しかも、スペーサ40の上端部43と矯正治具550を接触させた状態でアノードパネルAP(第1パネル)と矯正治具550とを、相対的に滑らかに移動させることができ、しかも、スペーサ40の上端41の矯正された位置に変動を生じさせないような形状である。尚、実施例5において、凹んだ底面部557の深さは、矯正治具550の先端550Aから後端550Bに向かって浅くなっている。
以下、実施例1〜実施例5におけるアノードパネルAPを構成する基板20等の模式的な一部端面図である図13の(A)〜(C)及び図14の(A)〜(B)を参照して、アノードパネルAPの製造方法を説明する。
[工程−A1]
先ず、基板20上に格子状の隔壁21を形成する(図13の(A)参照)。尚、隔壁21は、スペーサ保持部25としても機能する。具体的には、感光性ポリイミド樹脂層を塗布法に基づき基板20上に形成した後、フォトリソグラフィ技術及び現像によって感光性ポリイミド樹脂層を選択的に除去し、次いで、残存した感光性ポリイミド樹脂層を焼成することにより、井桁状の隔壁21、及び、スペーサ保持部25を形成する。隔壁21の開口領域の大きさを、およそ、縦×横×高さ=280μm×100μm×40μmとした。尚、隔壁21の形成前に、隔壁21を形成すべき基板20の部分の表面に、例えば、酸化クロムから成る光吸収層(ブラックマトリックス)23を形成することが好ましい。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、係る低融点ガラスペーストを焼成することによって格子状の光吸収層23を形成すればよい。尚、光吸収層23の厚さを、およそ、8μmとした。
[工程−A2]
次に、隔壁21によって取り囲まれた基板20の部分の上に、蛍光体領域22を形成する(図13の(B)参照)。具体的には、赤色発光蛍光体領域22Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、係る赤色発光蛍光体スラリーを乾燥する。その後、基板側から赤色発光蛍光体領域22Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光する。赤色発光蛍光体スラリーは基板側から徐々に硬化する。形成される赤色発光蛍光体領域22Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体領域22Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の領域に赤色発光蛍光体領域22Rを形成することができる。以下、従来の緑色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体領域22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体領域22Bを形成する。蛍光体領域の形成方法は、以上に説明した方法に限定されず、例えば、スクリーン印刷法等により各蛍光体領域を形成してもよい。
[工程−A3]
その後、隔壁21の頂面上及び蛍光体領域22上に樹脂層27を形成する(図13の(C)参照)。具体的には、メタルマスク印刷法あるいはスクリーン印刷法に基づき、樹脂層27を形成することができる。次に、樹脂層27を乾燥させる。即ち、基板20を乾燥炉内に搬入し、所定の温度にて乾燥させる。樹脂層27の乾燥温度は例えば50°C〜90°Cの範囲内とすることが好ましく、樹脂層27の乾燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ましい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増する。
[工程−A4]
その後、表示領域を覆うアノード電極24を形成する(図14の(A)参照)。具体的には、各種蒸着法又はスパッタリング法により、隔壁21の頂面上及び蛍光体領域22の上に形成された樹脂層27を覆うように、アルミニウム(Al)から成るアノード電極24を形成する。形成されるアノード電極24の厚さを約0.3μmとした。
[工程−A5]
次いで、加熱処理を施すことで樹脂層27を除去する(図14の(B)参照)。具体的には、400゜C程度で樹脂層27を焼成する。この焼成処理により樹脂層27が燃焼して焼失し、アルミニウム(Al)から成るアノード電極24が蛍光体領域22上及び隔壁21上に残される。尚、樹脂層27の燃焼により生じたガスは、例えば、アノード電極24に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。この孔は微細なため、アノード電極24の構造的な強度や画像表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。以上の工程によって、アノードパネルAPを完成することができる。
以下、実施例1〜実施例5におけるスピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図15の(A)、(B)及び図16の(A)、(B)を参照して説明する。尚、以下に説明する方法にあっては、層間絶縁層16及び収束電極17の形成工程の説明は省略している。
尚、このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13及び絶縁層12上に剥離層18を予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電子放出部のみを図示した。
[工程−B0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、帯状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
[工程−B1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、帯状のゲート電極13を得ることができる。帯状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、帯状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のゲート電極を形成することが可能である。
[工程−B2]
その後、再び、レジスト層を形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図15の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−B3]
次に、支持体10を回転させながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層18を形成する(図15の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層18を形成することができる。剥離層18は、第1開口部14Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第1開口部14Aが実質的に縮径される。
[工程−B4]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図16の(A)に示すように、剥離層18上でオーバーハング形状を有する導電部材層19が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口部14Aの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15となる。
[工程−B5]
その後、図16の(B)に示すように、リフトオフ法にて剥離層18をゲート電極13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13及び絶縁層12の上方の導電部材層19を選択的に除去する。こうして、複数のスピント型電界放出素子が形成されたカソードパネルを得ることができる。尚、その後、等方性エッチングを行うことにより、開口部14内において絶縁層12の側壁面を後退させて、ゲート電極13における第1開口部においてゲート電極13の端部を突出させることが好ましい。
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した平面型表示装置、カソードパネルやアノードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。矯正治具に圧力センサを配置し、スペーサの頂面を圧力センサが接する構成としておけば、スペーサのスペーサ保持部への取付けに異常が発生したとき(例えば、スペーサの下端部がスペーサ保持部に十分に押し込まれておらず、スペーサの頂面の高さに異常が発生している等)、係る異常を検出することができる。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層に係る複数の第1開口部に連通した第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
表面伝導型電子放出素子と通称される電子放出素子から電子放出領域を構成することもできる。この表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の電極の内の一方の電極(例えば、第1電極)に行方向配線が接続され、一対の電極の内の他方の電極(例えば、第2電極)に列方向配線が接続された構成を有する。一対の電極(第1電極及び第2電極)に電圧を印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出される。係る電子をアノードパネル上の蛍光体領域に衝突させることによって、蛍光体領域が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。あるいは又、金属/絶縁膜/金属型素子から電子放出領域を構成することもできる。
図1の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、実施例1におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行する直前の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図、一対の第1部材及び第2部材の配置関係を模式的に示す図、及び、一対の第1部材及び第2部材の模式的な斜視図である。 図2の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、実施例1におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図、一対の第1部材及び第2部材並びにスペーサの配置関係を模式的に示す図、及び、一対の第1部材及び第2部材並びにスペーサの模式的な斜視図である。 図3は、スペーサ及びスペーサ保持部等の模式的な一部断面図である。 図4の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、実施例2におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図、一対の第1側面及び第2側面の配置関係を模式的に示す断面図、及び、一対の第1側面及び第2側面等の模式的な斜視図である。 図5の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例3におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行する直前の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図、及び、一対の第1部材及び第2部材の配置関係を模式的に示す図である。 図6は、実施例3におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図である。 図7は、実施例4におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図である。 図8の(A)〜(D)は、実施例4におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とスペーサとの位置関係を模式的に示す一部断面図である。 図9は、実施例5におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とアノードパネルとの位置関係を模式的に示す図である。 図10の(A)〜(D)は、実施例5におけるスペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法を実行している最中の、矯正治具とスペーサとの位置関係を模式的に示す一部断面図である。 図11は、平面型表示装置としてのスピント型冷陰極電界電子放出素子を有する冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。 図12は、図11に示した冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネル及びアノードパネルを分解したときのカソードパネルとアノードパネルの一部分の模式的な分解斜視図である。 図13の(A)〜(C)は、実施例の平面型表示装置を構成するアノードパネルの製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図14の(A)〜(B)は、図13の(C)に引き続き、実施例の平面型表示装置を構成するアノードパネルの製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図15の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図16の(A)及び(B)は、図15の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
符号の説明
10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14,14A,14B・・・開口部、15・・・電子放出部、16・・・層間絶縁層、17・・・収束電極、18・・・剥離層、19・・・導電部材層、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体領域、23・・・光吸収層(ブラックマトリックス)、24・・・アノード電極、25・・・スペーサ保持部、26・・・接合部材、27・・・樹脂層、31・・・カソード電極制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、40・・・スペーサ、41・・・スペーサの上端、42・・・スペーサの頂面、43・・・スペーサの上端部、44・・・スペーサの下端部、45・・・スペーサの底面、46・・・スペーサの側面、47・・・スペーサ基材、48・・・帯電防止膜、49・・・端部電極層、150,250,350,450,550・・・矯正治具、151,351・・・第1部材、152,352・・・第2部材、151A,152A,251A,252A,351A,352A,550A・・・先端、151B,152B,251B,252B,351B,352B、550B・・・後端、153,253,353・・・第1側面、154,254,354・・・第2側面、155,355,156,356・・・孔部、257・・・凹部、457,557・・・底面部、160,360A,360B・・・横棒、161,361・・・ボルト、CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、EA・・・電子放出領域、EF・・・有効領域、NF・・・無効領域

Claims (4)

  1. 第1パネルと第2パネルとが外周部で接合されており、前記第1パネルと前記第2パネルとの間には、第1および第2の端部を有する板状のスペーサが第1の方向に沿って配置されており、前記第1パネルと前記第2パネルとによって挟まれた空間が真空に保持された平面型表示装置における、前記第1パネルへのスペーサの取付け方法であって、
    (A)前記第1パネルに設けられたスペーサ保持部によって、前記スペーサの前記第1の端部を保持させ、
    (B)前記スペーサと、少なくとも第1の開放端および前記第1の開放端と連通する第2の開放端を有する矯正冶具とを、前記第1の方向に相対的に移動させ、
    前記スペーサおよび前記矯正冶具の前記相対的な移動によって、前記第1の開放端および前記第2の開放端の一方から他方に向かうように、前記スペーサの前記第2の端部を通過させる
    ペーサの取付け方法。
  2. 前記スペーサの本数をQ本としたとき、
    前記矯正治具は、第1側面を有するQ個の第1部材と、第2側面を有するQ個の第2部材とから構成され、
    一対の前記第1部材と前記第2部材とが、前記第1側面と前記第2側面とが対向した状態で並置されることにより、前記第1の開放端および前記第2の開放端が形成され、
    前記第1の開放端における前記第1の側面と前記第2の側面との距離が最も大きく、前記第2の開放端に向かって前記距離が次第に小さくなり、
    前記工程(C)において、前記第1の開放端から前記第2の開放端に向かうように、前記スペーサの前記第2の端部を通過させる請求項1に記載のスペーサの取付け方法。
  3. 前記スペーサの本数をQ本としたとき、
    前記矯正治具は、第1側面と第2側面とを有するQ個の凹部を備え、
    前記凹部における前記第1側面と前記第2側面とが対向することにより、前記第1の開放端および前記第2の開放端が形成され、
    前記第1の開放端における前記第1の側面と前記第2の側面との距離が最も大きく、前記第2の開放端に向かって前記距離が次第に小さくなり、
    前記工程(C)において、前記第1の開放端から前記第2の開放端に向かうように、前記スペーサの前記第2の端部を通過させる請求項1に記載のスペーサの取付け方法。
  4. 蛍光体領域及びアノード電極が設けられたアノードパネルと、2次元マトリクス状に配列された電子放出領域を備えたカソードパネルとが接合部材を介して外周部で接合されており、前記アノードパネルと前記カソードパネルとの間には、第1および第2の端部を有する板状のスペーサが第1の方向に沿って配置されており、前記アノードパネルと前記カソードパネルと前記接合部材とによって形成された空間が真空に保持された平面型表示装置の製造方法であって、
    (A)前記アノードパネルに設けられたスペーサ保持部によって、前記スペーサの前記第1の端部を保持させ、
    (B)前記スペーサと、少なくとも第1の開放端および前記第1の開放端と連通する第2の開放端を有する矯正冶具とを、前記第1の方向に相対的に移動させ、
    前記スペーサおよび前記矯正冶具の前記相対的な移動によって、前記第1の開放端および前記第2の開放端の一方から他方に向かうように、前記スペーサの前記第2の端部を通過させ、
    (D)前記アノードパネルの前記外周部に前記接合部材を配し、前記接合部材及び前記スペーサ上に前記カソードパネルを載置した状態で、前記アノードパネルと前記カソードパネルとを前記接合部材を介して接合した後、アノードパネルとカソードパネルと接合部材とによって形成された空間を排気する、
    各工程を含む平面型表示装置の製造方法。
JP2008040862A 2008-02-22 2008-02-22 スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法 Active JP5097572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008040862A JP5097572B2 (ja) 2008-02-22 2008-02-22 スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008040862A JP5097572B2 (ja) 2008-02-22 2008-02-22 スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009199907A JP2009199907A (ja) 2009-09-03
JP5097572B2 true JP5097572B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=41143197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008040862A Active JP5097572B2 (ja) 2008-02-22 2008-02-22 スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5097572B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3316044B2 (ja) * 1993-08-27 2002-08-19 株式会社東芝 カラー表示装置の製造方法
JP3248041B2 (ja) * 1994-03-25 2002-01-21 キヤノン株式会社 画像形成装置及びその製造方法
JP2956590B2 (ja) * 1996-05-27 1999-10-04 双葉電子工業株式会社 支柱材整列用治具
JP2000251796A (ja) * 1999-02-25 2000-09-14 Canon Inc 電子線装置、画像形成装置、および電子線装置の製造方法
JP2000323074A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Toshiba Corp 画像表示装置およびその製造方法
JP2002063859A (ja) * 2000-05-25 2002-02-28 Toshiba Corp 画像表示装置およびその製造方法
FR2809864A1 (fr) * 2000-05-30 2001-12-07 Pixtech Sa Outillage de pose d'espaceurs dans un ecran plat de visualisation
JP4018486B2 (ja) * 2002-08-29 2007-12-05 松下電工株式会社 画像表示装置製造用治具およびこれを用いた画像表示装置の製造方法
JP2004259450A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Sony Corp 表示装置
JP4535755B2 (ja) * 2003-03-28 2010-09-01 双葉電子工業株式会社 支柱材配設用治具および支柱材配設方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009199907A (ja) 2009-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007095649A (ja) 平面型表示装置
US7642700B2 (en) Flat-panel type display and spacer
JP5373289B2 (ja) 平面型表示装置の処理方法
JP5066859B2 (ja) 平面型表示装置
JP5150156B2 (ja) 平面型表示装置の駆動方法
JP4844042B2 (ja) 平面型表示装置
JP2008041422A (ja) 平面型表示装置及びスペーサ
JP5097572B2 (ja) スペーサの取付け方法及び平面型表示装置の製造方法
JP5514421B2 (ja) 平面型表示装置並びにスペーサ
JP4997202B2 (ja) 平面型表示装置並びにスペーサ
JP5173506B2 (ja) アノードパネルの製造方法
JP5345326B2 (ja) 平面型表示装置
JP5355900B2 (ja) 平面型表示装置
JP5047817B2 (ja) スペーサの製造方法
JP5373344B2 (ja) 平面型表示装置並びにスペーサ
JP5367343B2 (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置
JP4857645B2 (ja) 平面型表示装置
JP4986896B2 (ja) アノードパネルの製造方法
JP2007149410A (ja) 平面型表示装置
JP5002950B2 (ja) 平面型表示装置、並びに、スペーサ及びその製造方法
JP2007109543A (ja) 平面型表示装置の製造方法
JP2007115625A (ja) 平面型表示装置
JP2009170280A (ja) 冷陰極電界電子放出素子の製造方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
JP2007193191A (ja) 平面型表示装置及びその駆動方法
JP2007294168A (ja) 平面型表示装置、並びに、スペーサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100922

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5097572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250