JP4018486B2 - 画像表示装置製造用治具およびこれを用いた画像表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内側を真空容器と成した画像表示装置であって、真空容器内の前面板と背面板との間に耐気圧用の板状支持体を配置した画像表示装置を製造する際に、耐気圧用板状支持体を前面板または背面板に位置決めして加熱固定する過程で保持する治具、およびこれを用いた画像表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像表示装置には大型化のニーズが高まっており、ブラウン管では奥行きが大きく、重量が増すという欠点があるため大型化には適さず、代わりに軽くて薄い、いわゆるフラットディスプレイが期待されており、特に自発光型のフラットディスプレイが注目されている。この画像表示装置では、低電圧で電子源から電子放出させるので、画像表示装置内を1Pa以下の真空にしており、画像表示装置には耐気圧構造が要求される。大画面の画像表示装置の場合、画像表示装置の軽量化という観点から、前面板、背面板はできるだけ薄肉化して耐気圧用支持体を配する耐気圧構造が利用された。
【0003】
耐気圧用板状支持体を備えた画像表示装置の構造の一例は、図7に示すように、前面板6と背面板5とが外囲枠7を用いて気密接合され、気密容器を形成している。前面板6と背面板5との間には、耐気圧用の板状支持体4が配置され、大気圧による前面板6と背面板5との変形を抑制している。
【0004】
図8は、図7の部分拡大図であり、前面板6が透明ガラスとされ、その内面には、画像形成部61が形成されており、そこにはメタルバック64、赤(R)、緑(G)、青(B)の画素蛍光体62が配置され、さらに各蛍光体62の間に形成されたブラックマトリクスと呼ばれる黒色部材63も配置される。背面板5の内面には、電子放出素子群51が形成されており、電子放出素子群51から放出された電子が対面する蛍光体62に衝突して蛍光を発し、画像を形成する。
【0005】
耐気圧用の板状支持体4は、前面板6の蛍光体62や背面板5の電子放出素子群51を避けて前面板6と背面板5とに固定され、画像の形成を阻害しないようにしている。特に、前面板6では、板状支持体4がディスプレイ外部から見える位置に配置されると画像に欠損部が生じるので、板状支持体4を黒色部材63の後背部からはみ出さずに固定しなくてはならない。黒色部材63の線幅は、一般家庭用の大型画像表示装置ではミクロンオーダになるので、板状支持体4を数十μm以下の誤差で固定する必要があり、精度のよい板状支持体4の固定方法が要求されていた。
【0006】
従来技術につき、特開平9−92155には、組立て台の上面に、上面長四辺形の多数の分割板を密接並列に並べられ、互いに隣接する分割板の長辺の間にスペーサを挟んで立設して、こうして多数立設されたスペーサの上端部上にフェースプレート(前面板)の所定の接合位置が当接するように該フェースプレートを搭載して保持して、位置決めする治具を開示している。治具とフェースプレートとは、このまま、加熱炉内に搬入して加熱処理し、各スペーサの上端部をガラスフリットの融着によりフェースプレートに接合するのである。この例は、分割板の長四辺形の幅をフェースプレートに配置すべきスペーサの間隔に設定し、各分割板の互いに対向する長辺側には、スペーサの下端部を嵌め入れて固定するための切欠き部を所定の間隔で形成して、スペーサの位置決めを行なっている。
【0007】
また、特開2000−251771には、リアプレート(背面板)の内表面で画像形成領域の両外側に、2つの位置決め部材を対向させて接着固定し、また、該位置決め部材と係合可能な押し当て部材をスペーサの両端部に固定し、該押し当て部材と位置決め部材とを係止することにより、スペーサをリアプレートに固定した電子線発生装置を開示している。スペーサは、上記のようにリアプレートに固定された状態で画像形成装置に組み込まれる。位置決め部材の辺部には溝部が設けられており、溝部の一方の側面であるスペーサの位置決め面にはスペーサが押し当てられ、上記一方の側面に対向する溝部の他方の側面と位置決め部材とが係合し、スペーサを配置すべき位置にスペーサを位置決め固定している。
【0008】
さらに、特開2000−251796には、フェースプレートまたはリアプレートの内表面で画像形成領域の両外側には、一組の断面台形のスペーサ固定部材が斜面方向を外向きにして固定され、スペーサの両端には、スペーサ固定部材と組み合う断面台形のすべり部材が斜面方向を内向きにして固定されており、スペーサ固定部材の斜面とすべり部材の斜面とを係合してスペーサを保持した電子線装置を開示している。両側のスペーサ固定部材の間隔が、スペーサ両端のすべり部材の間隔より狭くされているので、スペーサ固定部材とすべり部材とを完全に係合すると、スペーサは長手方向に引っ張られた状態で固定できて、そのまま装置内に組み込まれる。引っ張り部材には、スペーサ固定時にスペーサが挟まる隙間を設け、その隙間の延長線とスペーサの配置位置とを一致させて、スペーサを位置決めしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−92155の位置決め治具では、スペーサ挿入用の切欠部と該切欠部に対向する長辺との間に形成される穴部に、室温で適当なクリアランスを設けており、該穴部に挿入したスペーサ上にフェースプレートを載せると、スペーサは斜めに傾いた状態でフェースプレートの荷重を支えることになる。また、短冊状分割板によって構成されるこの組立て治具では、各分割板の寸法精度と、多数の分割板を並列配置する際の押付け力と、により、組立て治具の穴部の位置が設定位置からずれて、スペーサの位置決め精度を悪化させる惧れがある。
【0010】
特開2000−251771の電子線発生装置では、スペーサが両端のみで固定されているので、画面が大型化されるほどスペーサが長くなって撓みやすく、装置使用時にスペーサが所定位置からずれて画像形成領域にはみ出す惧れがある。また、耐大気圧支持体の固定手段が電子線発生装置内に残されるので、装置の重量を増加させる欠点もある。
【0011】
特開2000−251796の電子線装置では、スペーサには常に引張り応力がかかっているので、スペーサの長さが長くなっても撓むことはないが、引張り応力によってスペーサの弾性が減少して耐衝撃性が低下し、小さな衝撃で容易に破壊しやすくなる問題がある。また、スペーサの固定部材とすべり部材とが装置内に残存して、装置の重量を増加させる欠点もある。
【0012】
そこで、本発明は、画像表示装置の製造段階における耐気圧用の板状支持体の固定工程において、板状支持体を前面板または背面板上の所定位置に垂直かつ正確に保持する保持用治具を提供するものである。また、本発明は、前面板や背面板の主板に板状支持体を安全かつ精度よく固定でき、最終的には画像表示装置から除去される治具を提供するものである。また、そのような保持用治具を用いて、板状支持体の固定方法に起因する故障が起こりにくい画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前面板と、背面板と、前面板と背面板との間に複数の耐気圧用の板状支持体と、前面板と背面板との周縁を気密的に囲繞する外囲枠と、を備えた真空容器を含む画像表示装置の製造に際して、各耐気圧用の板状支持体を背面板もしくは前面板に位置決めして加熱保持するための画像表示装置製造用治具であり、該治具が、位置決め部材と、固定用くさび部材と、から成り、位置決め部材が、前面板および背面板のいずれかの主板の画像形成領域より大きい平面板からなる上板と、上板を上記の主板と平行で且つ離間して主板上に保持する脚部と、上板に開口して板状支持体を貫通配置する複数のスロットと、を含み、固定用くさび部材が、先端部をスロットと板状支持体との隙間に挿入可能なくさび状に形成され、板状支持体とスロット内で係合して板状支持体の下端部を背面板もしくは前面板の所定位置に位置決めするようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明の治具では、上板のスロットは、板状支持体が主板に対して垂直な状態で板状支持体の下端部を主板の所定位置に立設保持するものであり、主板上の板状支持体を配置すべき位置に対応した正確な位置に形成される。特にスロットの内側面のうち、板状支持体が接触する内側面の位置精度が高くされ、板状支持体の位置決め精度を向上させる。
【0015】
本発明の治具は、固定用くさび部材により板状支持体がスロットに固定されるので、板状支持体がスロット内で動揺することなく安定して支持される。また、主板が板状支持体の下に配置されるので、板状支持体が荷重により斜めになることもなく、所定位置に正確に垂直に位置付けられる。
本発明の治具は、スロットが上板の所定位置に予め形成されているので、スロットの位置ずれが生じることがなく、板状支持体の位置決め精度を高めることができる。
【0016】
本発明の治具は、位置決め後は、主板と共に加熱処理され、主板に板状支持体が融着固定された後に取り外すので、得られた画像表示装置には治具が残らず、画像表示装置の軽量化を図ることができる。
【0017】
本発明は、上記の画像表示装置製造用治具を用いて画像表示装置を製造する方法を含み、背面板もしくは前面板のいずれか一方の主板の内面で板状支持体を固定する位置に加熱融着が可能な融着剤を塗布する工程と、当該主板の上方に位置決め部材を配置し、位置決め部材のスロットに板状支持体を挿通し、固定用くさび部材で板状支持体を位置決め部材のスロット内側面に押しつけて保持する工程と、加熱炉内で加熱して板状支持体の一端を主板に融着固定する工程と、くさび部材および位置決め部材を除去する工程と、を含んでいる。
【0018】
本発明の製造方法では、板状支持体を所定位置に精度よく固定でき、また主板に融着固定されるので、画像形成領域に板状支持体が逸脱することのない画像表示装置を得ることができる。また、製造された画像表示装置内の板状支持体には、横方向の残留応力がかかっていないので、耐衝撃性が保持される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、画像表示装置の製造時に、前面板または背面板のいずれか一方の主板に対して板状支持体を位置決めし且つ垂直に保持する治具であり、位置決め部材とくさび部材とから構成されている。
【0020】
位置決め部材は、平板からなる上板と、上板を中空に平行保持する脚部と、上板に形成されたスロットと、を含む。上板は、主板より大きい面積の矩形平面板から成り、治具使用時には、主板を覆うように配置される。
【0021】
位置決め部材の脚部は、上板が主板と水平に且つ接触しないように主板の上方に上板を保持するものであり、板状や棒状の部材から成り、脚部上端が上板の縁部や隅部に固定されている。位置決め部材の使用時には、所要の基台上に脚部下端を設置して上板を基台と平行で空中に保持し、上板の直下に主板が配置される。
【0022】
上板に形成されたスロットは、上板の表面から裏面に貫通した長孔で、板状支持体を挿入して配置可能な寸法に形成されている。さらにスロットの相対する内側面の一方が、上板の主面と垂直に形成されるのが好ましく、垂直内側面に板状支持体を押しつけて保持固定して、板状支持体を垂直に直立させることができる。他方で、それに対向する他方の内側面が上板の主面に対して傾斜して形成されている。傾斜内側面は、平坦面や曲面に形成されて、固定用のくさび部材との係合を容易にし、板状支持体を垂直面に安定して取りつけられる。傾斜内側面は、スロットの幅が上板の表面から裏面に向って狭くなるように傾けるのが好ましい。
【0023】
本発明の治具において、固定用くさび部材は、底部と、幅を細くされた先端部と、を有するくさび状に成形され、スロットに挿入された板状支持体とスロットの傾斜内側面との間に先端部を挿し込んで、板状支持体をスロットの垂直内側面に押し付けて保持する。これにより、板状支持体は、下端部を主板の所定位置に位置決めされた状態で、主板に対して垂直に保持される。
【0024】
くさび部材の側面は、スロットの内側面と係合可能に形成され、例えば、一方の側面は板状支持体と接触する平坦面とし、他方の側面はスロットの傾斜内側面の傾斜に合わせて傾斜面とする。スロットの傾斜内側面が曲面の場合には、くさび部材の傾斜側面も曲面にすることもできる。スロットの断面形状とくさび部材の断面形状とは必ずしも相似になっていなくてもよく、板状支持体の固定時に、スロットの垂直内側面とくさび部材の垂直側面との間に均一な圧力が発生するようにされるのが好ましい。
【0025】
くさび部材は、スロットに挿入したときに、底部側が上板から突出するように形成されるのが好ましく、突出部を把握してくさび部材を容易に着脱できる。
【0026】
位置決め部材に用いる材料は、主板との熱膨張係数差が小さい材料が選択され、画像表示装置製造時にフリットガラス等を溶融し融着固定するための加熱工程で、密閉容器の歪みが発生するのを抑止している。特に熱膨張係数差が7×10−6/K以下であるのが好ましい。熱膨張係数差が7×10−6/Kより大きいと、位置決め部材と背面板もしくは前面板との寸法のずれが大きくなり、それに伴って位置決め部材に固定された板状支持体の位置が、主板の所定位置からずれる問題がある。
【0027】
くさび部材は、位置決め部材との熱膨張係数差が7×10−6/K以下であるのが好ましい。熱膨張係数差が7×10−6/Kより大きいと、加熱工程で位置決め部材とくさび部材との熱膨張量の差によって、これらの部材に挟まれた板状支持体が横方向のずれ応力を受け、破損する惧れがある。
【0028】
位置決め部材は、常温での体積固有抵抗値が1013Ω・cm以下であると好ましく、より好ましくは1010Ω・cm以下の材料で形成される。体積固有抵抗値が1013Ω・cmより大きいと、位置決め部材が帯電することがあり、背面板に板状支持体を固定するのに本発明の治具を用いる場合に、背面板の内面に形成された電子放出素子群に電気的な悪影響を与える可能性があるので好ましくない。
以上を鑑み、位置決め部材およびくさび部材は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等のセラミックス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス等のガラス材料で形成することができる。
【0029】
本発明の治具は、その使用時には、背面板または前面板の2枚の主板のうちのいずれか一方と、該一方の主板を跨ぐように配置させた位置決め部材と、が基台に固定される。位置決め部材の上板は、脚部によって主板と平行に主板から離れた状態で保持され、このとき上板に形成されたスロットが、主板のうち板状支持体を固定する所定位置の直上に配置されるように位置決めされる。板状支持体とくさび部材とがスロットに挿入されると、板状支持体の下端が主板の所定位置に支持され、板状支持体の上端近傍が固定部材によってスロットの垂直内側面に押しつけられて固定されるので、板状支持体は主板に対して垂直に直立して保持される。その後、加熱炉にそのまま搬入され、所定温度に加熱されて板状支持体が主板に立設固定される。
【0030】
上記の治具を用いた画像表示装置製造方法では、まず、前面板および背面板のいずれか一方の主板に板状支持体固定用の融着剤を塗布する。主板の主面のうち密閉容器の内側になる面の板状支持体を固定する位置、例えば背面板の電子放出素子群の間や、前面板の黒色部材上に、融着剤が印刷法などによって塗布される。融着剤は、主板と板状支持体とを融着固定しうるものの中から適宜選択しうるが、一例としてはフリットガラスが挙げられる。フリットガラスの組成は、前面板、背面板、外囲枠、板状支持体の熱膨張係数と同等の熱膨張係数が得られる組成とするのが望ましい。
【0031】
該主板は、融着剤を塗布した主面を上にして基台に配置され、主板の上方に主板を跨ぐように上記の位置決め部材を配置する。位置決め部材のスロットが塗布した融着剤の直上に位置するように、主板と位置決め部材とを基台に固定する。
【0032】
次に、スロットに板状支持体が挿通され、板状支持体の下端を主板の融着剤塗布部に配置し、板状支持体の上端側面をスロットの垂直内側面に接触させる。板状支持体とスロットの傾斜内側面との間にくさび部材を挿入して、板状支持体を垂直内側面に押しつける。くさび部材は、くさび部材の平坦面が板状支持体側に、傾斜面がスロット傾斜内側面側になる方向で挿入する。板状支持体は、主板の融着剤塗布部上に、垂直に直立した状態で固定される。
【0033】
くさび部材で板状支持体を保持した後、基台ごと加熱炉内に配置して、融着剤が溶融する温度まで加熱し、次いで炉内で徐冷することにより板状支持体の下端が主板に固着される。炉内から基台を取り出し、くさび部材と位置決め部材とを除去すると、板状支持体が主板に固定され自立した状態となる。
その後、主板に、外囲枠と他方の主板とを順次気密接合することにより、画像表示装置の真空容器を形成することができる。
【0034】
本発明の画像表示装置製造用治具は、この実施形態で示した電子源を用いた画像表示装置に限定されるものではなく、プラズマディスプレイ装置や、その他の真空容器を用いた平面型の画像表示装置に好適に広く用いることができる。
【0035】
【実施例】
この実施例は、板状支持体を背面板5に取着する例を示すが、この実施例の治具は、図1に示すように、位置決め部材2が、背面板5より大きい上板21の互いに対向する縁部211に、板状の脚部22を固定して形成されている。図1のように、上板21には、スロット23が一定間隔で複数配列して形成される。スロット23は、背面板5の融着剤塗布部の配列と正確に対応した位置に設けられる。図1では、板状支持体の長さに対応してスロット23が横方向に複数列とし、この複数列を縦方に多数行を並べで形成されている。変形例として、図2のように、上板21に形成するスロット23を、横方向に長い1列とし、この1列を縦方に多数行を配列することができる。
【0036】
スロット23の断面は、図3(A)の断面形状に示すように、上板21の主面212、213と垂直に形成された垂直内側面24と、垂直内側面24と対向して形成され上板の主面212、213に対して傾斜している傾斜内側面25と、が形成され、スロット23の幅が上板21の表面212から裏面213に向って狭くされている。
【0037】
くさび部材3は、図4(A)に示すように、底部3から先端部31に向って幅が狭くされており、垂直側面34と傾斜側面35とが対向して形成される。くさび部材3は、図3(A)に示すスロット23に板状支持体4を挿入した後に、スロット23の傾斜内側面25側に挿入され、図5のように、傾斜側面35をスロット23の傾斜内側面25に、垂直側面34を板状支持体4に各々係合し、板状支持体をスロット23の垂直内側面24に押圧して固定し、板状支持体4は、垂直内側面24により垂直に支持される。くさび部材3は、その後端部33が上板21の表面212より突出した状態で係合しており、後端部33を把握してくさび部材3が容易に取外しできるようにしている。
【0038】
背面板5と位置決め部材2とを配置すると、背面板5と上板21との間に隙間26が形成される。この隙間26は、加熱時にも熱膨張によって背面板5と上板21とが接することのないように設計される。
【0039】
位置決め部材2とくさび部材3は半導通セラミックスで形成され、ソーダ石灰ガラスからなる背面板5との熱膨張係数差は2〜6×10−6/Kである。
【0040】
スロット23は、傾斜内側面25を曲面に形成することができ、例えば、図3(B)のように傾斜内側面25をスロット内側方向に凸の曲面にすることができる。これに対応して、くさび部材3は、図4(B)のように、傾斜側面35を凹状湾曲面に形成して、傾斜内側面25と係合可能とする。
別の変形例としては、スロットの傾斜内側面25は、図3(C)のようにスロット内側方向に凹の曲面にすることができる。このとき、くさび部材3は、図4(C)のように傾斜側面35を凸状湾曲面に形成して、傾斜内側面25と係合可能とする。
【0041】
上記実施例の治具を用いて画像表示装置を製造するには、背面板を例として、まず、予め融着剤8を印刷法で所定位置に塗布した背面板5と、本発明の位置決め部材2とを、図1に示すように基台9に配置する。次に、図6(A)に示すように、予め上端部42に融着剤を塗布した板状支持体4をスロット23に挿入し、さらに、くさび部材3をスロット23に挿入することにより、図6(B)のように、板状支持体4は、下端部41を背面板5の融着剤8上に支持され、上端部42近傍をスロット23とくさび部材3とで挟んで固定されて、背面板5上に垂直に立設される。板状支持体4を背面板5に固定した状態で、基台9ごと加熱炉内に配置して加熱し、融着剤8としてガラスフリットを溶融した後、炉内を徐冷して融着剤8を固化し、板状支持体4を背面板5に固定する。その後、くさび部材3および位置決め部材2を除去し、図6(C)に示すように、背面板5に板状支持体4が垂直に自立した状態とする。
【0042】
図6(D)のように、背面板5の周縁部に外囲枠7を配置して融着剤で固定し、次いで背面板5が上側になるように向きを変え、図6(E)に示すように、画像形成部61を上向きに配置した前面板6の上に配置する。このとき、黒色部材63の直上に板状支持体4が配置されるように位置決めされる。次いで、外囲枠7および板状支持体4を前面板6に融着固定して、密閉した真空容器が形成される。組立工程終了後は、上記工程で製作した容器内を排気管(不図示)を介して真空排気し、その後、排気管を封止して、本発明の画像表示装置が作製される。
【0043】
本発明の製造方法を、前面板6に適用するには、背面板5と前面板6とを入れ替えて、上記の実施例と同様に画像表示装置を製造することができる。前面板6には、黒色部材63の直上に融着剤8を予め塗布し、図1の基台9上の背面板5の位置に前面板6を配置し、前面板6を覆うように位置決め部材2を配置する。このような製造方法では、黒色部材63に対する板状支持体4の位置精度を向上できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の画像表示装置製造用治具は、位置決め部材と、固定用くさび部材とから成り、位置決め部材が上板と脚部と複数のスロットとを含み、固定用くさび部材が、板状支持体とスロット内で係合して板状支持体の下端部を主板の所定位置に位置決めできるので、板状支持体がスロット内で動揺せず安定して保持でき、板状支持体が斜めに固定されることがない。また、板状支持体の下に主板が配置されるので、固定前の板状支持体に不用な荷重がかかることがなく、製造工程中に板状支持体が破損する惧れが少ない。また、本発明の治具は、最終的には装置内から除去される設計であるので、画像表示装置の重量を抑えることができる。
【0045】
本発明の治具は、スロットの一方の内側面が上板の主面と垂直にされて、該内側面が板状支持体の側面に接触し支持固定するようにすれば、板状支持体を背面板と前面板とに対して垂直に固定することができ、耐気圧性が高い画像表示装置を製造することができる。
【0046】
スロットの垂直内側面に対向する内側面が、固定用くさび部材と係合可能とされ、該内側面が上板の主面に対して傾斜してスロットの幅が上板の表面から裏面に向って狭くされていると、くさび部材が板状支持体を抑えつける力が接触面全体で均一にでき、板状支持体を破損する惧れが少なく、且つ安定して固定できる。さらに、くさび部材がスロットから落下するのを防止できる。
【0047】
位置決め部材が、背面板又は前面板の材料と、熱膨張係数差において7×10−6/K以下である材料から構成すれば、加熱工程における板状支持体の位置ずれと冷却時に融着結合部の破損とが抑制され、優れた画像表示装置を製造することができる。
また、位置決め部材が、体積固有抵抗値1013Ω・cm以下であると、製造中に背面板に形成された電子放出素子群に電気的な悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。
【0048】
本発明の画像表示装置の製造方法は、上記の治具を用いるので、板状支持体の位置精度が高い画像表示装置を得ることができる。また、本発明の製造方法では、製造中に板状支持体に不用な応力が荷重されないので製造中の板状支持体の破損を防ぐことができ、さらに製造した画像表示装置内での板状支持体にも余剰な応力がかかっていないので衝撃に強い画像表示装置を得ることができる。本発明の画像製造方法によれば、製造過程で治具を除去するので、画像表示装置を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造用治具に使用する位置決め部材を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造用治具に使用する位置決め部材を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造用治具に使用するスロットの断面図(A〜C)である。
【図4】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造用治具に使用する固定用くさび部材を示す斜視図(A〜C)である。
【図5】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造用治具の使用例を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施例にかかる画像表示装置製造方法を示す模式断面図(A〜E)である。
【図7】 従来の画像表示装置の一例を示す模式断面図である。
【図8】 図7の一部を拡大した拡大断面図である。
【符号の説明】
2 位置決め部材
21 上板
22 脚部
23 スロット
24 スロットの垂直内側面
25 スロットの傾斜内側面
3 くさび部材
34 くさび部材の垂直側面
35 くさび部材の傾斜側面
4 耐気圧用板状支持体
5 背面板
6 前面板
7 外囲枠
8 融着剤
Claims (7)
- 前面板と、背面板と、前面板と背面板との間に複数の耐気圧用の板状支持体と、前面板と背面板との周縁を気密的に囲繞する外囲枠と、を備えて真空容器とする画像表示装置の製造に際して、板状支持体を背面板もしくは前面板に位置決めして保持し加熱処理するための治具において、
治具が、位置決め部材と、固定用くさび部材と、から成り、
位置決め部材が、板状支持体を固定すべき前面板と背面板とのいずれかの主板の画像形成領域より大きい平面板からなる上板と、上板を主板に平行で且つ離間して該主板上に保持する脚部と、上板に開口して板状支持体を貫通配置する複数のスロットと、を含み、
固定用くさび部材が、先端部をスロットと板状支持体との隙間に挿入可能なくさび状に形成されて、板状支持体をスロット内で係合固定して板状支持体の下端部を主板の所定位置に位置決めするようにしたことを特徴とする画像表示装置製造用治具。 - スロットの一方の内側面が上板の主面に垂直にされて、該垂直内側面が板状支持体の側面に接触して板状支持体を支持固定するようにした請求項1に記載の画像表示装置製造用治具。
- スロットの幅が上板の表面から裏面に向って狭くされ、スロットの垂直内側面に対向する内側面が、上板の主面に対して傾斜して、固定用くさび部材と係合可能とされている請求項1又は2に記載の画像表示装置製造用治具。
- 位置決め部材が、上記主板の材料と熱膨張係数差において7×10−6/K以下である材料から成る請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示装置製造用治具。
- 位置決め部材が、体積固有抵抗値1013Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示装置製造用治具。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像表示装置製造用治具を用いた画像表示装置製造方法であって、
背面板もしくは前面板のいずれか一方の主板の内面で耐気圧用の板状支持体の端部を固定すべき位置に、加熱融着が可能な融着剤を塗布する工程と、
当該主板の上方に位置決め部材を配置し、位置決め部材のスロットに板状支持体を挿通し、固定用くさび部材で板状支持体を位置決め部材のスロット内側面に押しつけて板状支持体の下端部を主板上に位置決めし保持する工程と、
加熱炉内で加熱して板状支持体の一端を上記主板に融着固定する工程と、
くさび部材および位置決め部材を除去する工程と、を含む画像表示装置の製造方法。 - 上記一方の主板に外囲枠を融着固定する工程と、
他方の主板に板状支持体の他端と外囲枠とを融着固定する工程と、をさらに含む請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
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