JP2007106247A - 車両の前後輪舵角制御装置および前後輪舵角制御方法 - Google Patents

車両の前後輪舵角制御装置および前後輪舵角制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両後端を旋回外側に膨らますことなく旋回可能な最小半径を、通常の前輪のみを転舵する車両と同一にしつつ、運転者の必要に応じて回転半径をより小さくすることができる車両の前後輪舵角制御装置を提供する。
【解決手段】 ハンドル角に応じて前後輪をそれぞれ転舵するコントローラ16を備えた車両の前後輪舵角制御装置において、コントローラ16は、ハンドル1が中立位置から操作されたとき、前輪2がフル転舵状態となるまでハンドル角に応じて前輪2のみを転舵し、前輪2がフル転舵状態に達したとき、ハンドル角がさらに増加した場合には、前輪2のフル転舵状態を維持しつつ、ハンドル角に応じて後輪6を前輪2と逆相側へ転舵する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者の操作入力を受ける操作入力手段の中立位置からの変位量に応じて、前後輪をそれぞれ転舵する車両の前後輪舵角制御装置および前後輪舵角制御方法の技術分野に属する。
従来の前後輪舵角制御装置では、前輪のフル転舵よりも手前の位置から後輪転舵を開始し、後輪転舵に使えるハンドル角を大きく設定することで、運転者の操作性向上を図っている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭61−57463号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、前輪のフル転舵よりも手前から後輪転舵が始まるため、前輪のみのフル転舵の状態が存在しない。したがって、運転者が旋回半径を小さくしようとハンドルを切り込んだとき、あるハンドル角以上では前輪と共に後輪が前輪と逆相に転舵され、車両後端が旋回外側に膨らむという状態となる。結果として、車両後端を旋回外側に膨らまさずに旋回できる最小半径が通常の前輪のみを操舵する車両よりも大きくなってしまう、という問題があった。また、旋回中の前輪への外乱入力により操舵トルクが増減すると、それに伴い後輪の舵角も変化してしまうという問題もあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、車両後端を旋回外側に膨らますことなく旋回可能な最小半径を、通常の前輪のみを転舵する車両と同一にしつつ、運転者の必要に応じて回転半径をより小さくすることができる車両の前後輪舵角制御装置および前後輪舵角制御方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
運転者の操作入力を受ける操作入力手段の操作量に応じて、前後輪をそれぞれ転舵する前後輪舵角制御方法において、
前記操作入力手段が中立位置から操作されたとき、前輪がフル転舵状態に達するまで、操作入力手段操作量に応じて前輪のみを転舵し、前輪がフル転舵状態に達したとき、操作入力手段操作量がさらに増加した場合には、前輪のフル転舵状態を維持しつつ、操作入力手段操作量に応じて後輪を前輪と逆相側へ転舵することを特徴とする。
本発明にあっては、前輪がフル転舵状態となるまでは前輪のみが転舵され、前輪がフル転舵状態となった後、操作入力手段操作量がさらに増加した場合には、前輪のフル転舵状態を維持しつつ、操作入力手段操作量に応じて後輪が前輪と逆相側へ転舵される。すなわち、前輪がフル転舵されるまでは、通常の前輪のみを転舵する車両と同様に後輪舵角は発生せず、前輪がフル転舵状態となった後、運転者が回転半径をより小さくするために操作入力手段操作量をさらに増加させた場合には、後輪が前輪と逆相側へ転舵される。この結果、車両後端を旋回外側に膨らますことなく旋回可能な最小半径を、通常の前輪のみを転舵する車両と同一にしつつ、運転者の必要に応じて回転半径をより小さくすることができる。
以下、本発明の車両の前後輪舵角制御装置および前後輪舵角制御方法を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両の前後輪舵角制御装置の全体構成図である。
実施例1の車両の前後輪舵角制御装置は、ハンドル(操舵入力手段)1と前輪2を転舵する前輪転舵機構3とが機械的に連結され、前輪操舵系に操舵アシスト力を付与する電動パワーステアリング(EPS)モータ(アシストアクチュエータ)4と、前輪舵角に対するハンドル角の比であるステアリングギア比を可変する可変ギア比(VGS)ユニット(ギア比可変アクチュエータ)5と、後輪6を転舵する後輪転舵機構7と、この後輪転舵機構7を駆動するリアステアユニット(後輪転舵アクチュエータ)8と、を備える。
ハンドル1とVGSユニット5とを結ぶコラムシャフト9には、ハンドル角を検出するハンドル角センサ10と、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ11とが設けられている。VGSユニット5と前輪転舵機構3とを結ぶピニオンシャフト12には、ピニオン角を検出するピニオン角センサ13が設けられている。後輪転舵機構7には、後輪舵角を検出する後輪舵角センサ14が設けられている。
これら各センサの検出信号、および車両状態量センサ15により検出された車両状態量(例えば、車両のヨーレート、車両の横方向加速度等)は、コントローラ(転舵制御手段)16へ入力される。コントローラ16は、各センサの検出信号に基づいて、EPSモータ4、VGSユニット5およびリアステアユニット8をそれぞれ制御する。
コントローラ16は、ハンドル1が中立位置から操作されたとき、前輪2がフル転舵状態に達するまで、ハンドル角に応じて前輪2のみを転舵する「通常制御」を実施する。そして、前輪2がフル転舵状態に達した後、ハンドル角がさらに増加した場合には、前輪2のフル転舵状態を維持しつつ、ハンドル角に応じて後輪6を前輪2と逆相側へ転舵する「リアステア制御」を実施する。
実施例1において、「通常制御」および「リアステア制御」を実現する各アクチュエータの制御方法を図2に示す。前輪2が中立位置からフル転舵状態となるまでの操舵域(A区間と呼ぶ。)では、前輪2は通常の制御を行う。すなわち、EPSモータ4によるアシスト制御、VGSユニット5によるギア比制御、リアステアユニット8による中立維持制御(後輪舵角≒0)を行う。
一般的なギア比制御では、前輪2がフル転舵となった状態で、ハンドル1をさらに切り込む自由度を設定していないが、実施例1では、前輪2がフル転舵となった状態からさらにハンドル1が切り込まれる操舵域(B区間と呼ぶ。)では、EPSモータ4を用いて、前輪2の舵角維持制御を行いながら、VGSユニット5内のモータ(VGSモータ)で操作反力が所望の値となるような操舵トルク制御を行うことにより、ハンドル角にさらなる操作可能量を発生させている。また、後輪6についてはB区間のハンドル角に応じた舵角制御を実行する。
コントローラ16は、「通常制御」中に前輪2がフル転舵状態に達したとき、ハンドル1の操作反力を増大させ、運転者に前輪2のフル転舵状態を知らせる。また、コントローラ16は、「リアステア制御」中に後輪6がフル転舵状態に達したとき、または中立位置に戻ったときにも、ハンドル1の操作反力を増大させ、運転者に後輪転舵の開始と終了を知らせる。
なお、ある程度の車速以上では、ハンドル角がB区間内にある場合あっても「リアステア制御」は行わず、A区間においていわゆる前後輪アクティブステア制御のように、ヨーレートや横方向加速度の位相遅れ改善のための制御を実行することも当然可能である。
次に、作用を説明する。
[リアステア制御ロジック]
図3は、「通常制御」と「リアステア制御」における前輪操舵系の動的な動作を示す共線図である。ここで、「共線図」とは、ステアリングギア比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単でわかりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸に各回転要素をとり、各回転要素の間隔をVGSユニット5および前輪転舵機構3のラック&ピニオンの機械的な変速比に基づく共線図レバー比となるように配置したものである。
図3において、破線は「通常制御」の共線図レバーであり、実線は「リアステア制御」の共線図レバーである。「通常制御」では、ハンドル回転数に対し、VGSモータの回転速度を可変することで、共線図レバーの傾きが変化し、EPSモータ回転数、すなわち前輪舵角を任意設定することができる。また、このときハンドル1に作用する操作反力は、EPSモータ4の出力トルクを制御することで、任意の値に調整可能である。
図3の実線は、「リアステア制御」の共線図レバーの状態を示す図であり、前輪2のフル転舵状態からさらにハンドル1が切り増しされた場合に、前輪2のフル転舵状態を維持するためには、前輪2の回転速度がゼロ、すなわちEPSモータ4の回転速度をゼロとする必要がある。よって、EPSモータ4の回転速度がゼロとなるようにEPSモータ4の出力トルクを制御することにより、前輪2のフル転舵状態を維持することができ、また、このときハンドル1に作用する操作反力は、VGSモータの出力トルクを制御することで、任意の値に調整することができる。
[前後輪転舵車両の問題点]
実開昭61−57463号公報には、操舵トルクが所定値以上に達したとき、後輪転舵を開始する後輪操舵制御装置が記載されている。この後輪操舵制御装置は、ハンドル角が所定角度以上でばね反力が作用するように操舵系にばねを設け、操舵トルクを所定値以上に保持することで、運転者の操作性向上を図るものである。
図4に従来例のハンドル角と油圧との関係を示す。後輪の操舵は図4において油圧P0以上で転舵される構成となっているため、その転舵の状態は図5のようになり、ハンドル角θ2以上から後輪の転舵が行われるが、その際前輪舵角も増加してしまうため、前輪のみのフル転舵状態が実現できない構成となっている。よって、あるハンドル角以上では後輪の逆相転舵により、前輪のみを転舵する車両と比較して、車両後端が旋回外側へより膨らんでしまうという問題があった。
[前後輪転舵制御作用]
これに対し、実施例1では、前輪2のみで転舵する「通常制御」と、前輪2と後輪6を共に転舵する「リアステア制御」を、運転者がハンドル操作に応じて選択することができる。すなわち、運転者が車両後端を旋回外側に膨らませたくない場合には、前輪2がフル転舵状態に達するハンドル角を維持することで、前輪2のみを転舵する「通常制御」を選択できる。一方、回転半径をより小さくしたい場合には、ハンドル1をさらに切り増しすることで、前輪2と後輪6を共に転舵する「リアステア制御」を選択できる。
図6は、実施例1の「通常制御」および「リアステア制御」のハンドル角に対する前輪舵角、後輪舵角および操作反力(操舵反力)を示す図である。なお、図6は、ハンドル1を中立位置から右方向に操舵したときの状態を示す。
実施例1では、ハンドル角が増大するにつれ、A区間では前輪舵角のみが増加し前輪2がフル転舵状態になるまではこの状態が続く。B区間では、前輪舵角は維持されたまま、後輪6が前輪2とは逆相に転舵される。これにより、前輪2のみのフル転舵状態が存在することが可能となる。また、B区間のハンドル角領域を十分にとることにより、運転者が後輪舵角をコントロールすることを容易にすることができる。
また、実施例1では、操作反力については前輪舵角がフル転舵状態になったところ(ハンドル角ではθ1)でΔT1反力(トルク)を増大させることにより、運転者に前輪2がフル転舵状態になったことを知らせる。その反力(トルク)増大域を越えた後に、後輪転舵が開始されるが、その区間では増大した反力(トルク)を元に戻すことで運転者の操舵行為を容易にする。そして後輪6がフル転舵となったところ(ハンドル角ではθ3)で反力(トルク)を大きく立ち上げ、前輪2と後輪6が共にフル転舵状態になったことを運転者に伝達する。
この状態からハンドル1を中立方向へ戻していくと、まずは後輪6の転舵のみが中立位置にもどり、ハンドル角θ2で後輪舵角が中立となる。このとき操作反力(トルク)を増大させることにより、後輪6が中立に戻りきったことを運転者に伝えることができる。その後さらにハンドル1を戻すと、A区間では前輪2が中立方向へ向かって舵角を小さくしていくことになる。
[車速および駆動力要求に応じた操作反力設定]
実施例1では、図7,8に示すように、ハンドル1の戻し側で後輪舵角が中立に戻った際、反力の増分ΔT2の大きさを、車速とスロットル開度(駆動力要求)に応じて可変する。
例えば、車庫入れの際、ハンドル1の戻し側で後輪6の転舵角が中立位置に戻ったことを体感できる反力は、前輪2のみの最大転舵が欲しい際には有効であるが、車庫から脱出してそのまま走行を続ける場合などには、後輪6の中立位置から前輪2の転舵角を減らす段階に移る際の反力の増分があると、運転者は少しの間、大きな操作力を要求されることになる。そのため、そのまま継続的に走行されると考えられる車速あるいはスロットル開度では、反力の増分ΔT2を減少あるいはゼロにするほうが好ましい場合がある。
これに対し、実施例1では、図7,8のように車速およびスロットル開度が高くなるほど操作反力の増分ΔT2を減少させることにより、後輪舵角を中立位置に戻す操作から前輪舵角を中立位置に戻す操作を行う場合の不連続性を確実になくすことができる。
[車庫入れ時のリアステア制御作用]
図9,10に、前面道路幅4m、車庫幅3mの状況で、前輪最大舵角35度、後輪最大舵角10度としたときの車庫入れの状況を示す。図9は前輪2のみを転舵した場合を示し、図10は前輪2と後輪6を共に転舵した場合を示している。
図9では、まず道路端から0.4m離れた位置に車を置き(Iの状態)、Iの位置からIIの位置までは前輪2のみ右フル転舵で前進し、IIの位置からIIIの位置は左フル転舵で後退したときの車両軌跡を示す。IIIの位置が車庫の側面と一致するようにした場合、左側角との余裕は0.4m程度となる。つまり、Iの位置が0.4m以上ずれると車庫に入れることができなくなるか、切り返しが要求されることになる。
図10では、IIの位置からIII'の位置まで、前輪2はフル転舵で後輪6は前輪2と逆相に10度転舵している。この場合、車庫の左側角との余裕は0.7mとなり、前輪2のみを転舵した場合よりも約0.3mの余裕ができ、また、車庫の右端(図では下端)とIIの位置での車両先端までの距離は、約6.3mとなり、前輪2のみを転舵したの時の7.1mよりも約0.8mも短くなる。
図11,12には、車庫入れ可能なIIの状態の存在領域を示す。後輪6を10度前輪2と逆相に転舵することにより、車両左側1m強、車両右側で0.7m程度手前から後退しても車庫入れが可能であることがわかる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の前後輪舵角制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) ハンドル角に応じて前後輪をそれぞれ転舵するコントローラ16を備えた車両の前後輪舵角制御装置において、コントローラ16は、ハンドル1が中立位置から操作されたとき、前輪2がフル転舵状態に達するまで、ハンドル角に応じて前輪2のみを転舵し、前輪2がフル転舵状態に達したとき、ハンドル角がさらに増加した場合には、前輪2のフル転舵状態を維持しつつ、ハンドル角に応じて後輪6を前輪2と逆相側へ転舵する。よって、車両後端を旋回外側に膨らますことなく旋回可能な最小半径を、通常の前輪のみを転舵する車両と同一にしつつ、運転者の必要に応じて回転半径をより小さくすることができる。
(2) コントローラ16は、前輪2がフル転舵状態に達したとき、ハンドル1の操作反力を増大させるため、前輪2がフル転舵状態に達し、さらに操作すれば後輪6が切れ始めることを、運転者に伝えることができる。
(3) コントローラ16は、ハンドル1の操作反力を増大させた後、ハンドル角がさらに増加した場合には、操作反力を減少させるため、後輪6を転舵するための操作入力を与える際に、運転者に必要以上の操作力を要求することを回避できる。
(4) コントローラ16は、後輪6がフル転舵状態に達したとき、ハンドル1の操作反力を増大させるため、これ以上ハンドル角を増しても転舵角が増加しないことを運転者に伝えることができる。
(5) コントローラ16は、後輪6が中立位置に戻ったとき、ハンドル1の操作反力を増大させるため、その状態が前輪2のみが最大に転舵されている状態であることを運転者に伝えると共に、それ以上ハンドル1を中立方向へ操作すれば前輪2の転舵角が減少するということを伝えることができる。
(6) コントローラ16は、後輪6が中立位置に戻ったときの操作反力の増大量を、前輪2がフル転舵状態のときの操作反力の増大量よりも小さく設定するため、例えば、ハンドル1を切り戻しながら駐車場から脱出し、そのまま継続して走行を続ける場合に、後輪6の転舵を戻す行為から前輪2の転舵を戻す行為の不連続性を小さくすることができる。
(7) コントローラ16は、後輪6が中立位置に戻ったときの操作反力の増大量を、車速が高いほど小さくするため、後輪6の転舵を戻す行為から前輪2の転舵を戻す行為の不連続性を確実になくすことが移行できる。
(8) コントローラ16は、後輪6が中立位置に戻ったときの操作反力の増加量を、スロットル開度が高いほど小さく設定するため、後輪6の転舵を戻す行為から前輪2の転舵を戻す行為の不連続性を確実になくすことが移行できる。
(9) ハンドル1と前輪2を転舵する前輪転舵機構3とが機械的に連結され、前輪操舵系に操舵アシスト力を付与するEPSモータ4と、前輪舵角に対するハンドル角の比であるステアリングギア比を可変するVGSユニット5と、後輪6を転舵する後輪転舵機構7と、この後輪転舵機構7を駆動するリアステアユニット8と、を備える。よって、既存の操舵システムを利用して本発明の前後輪舵角制御を実現することができる。
(10) コントローラ16は、前輪フル転舵状態での後輪転舵時、EPSモータ4により前輪舵角を維持し、VGSユニット5により操作反力を制御し、リアステアユニット8により後輪舵角を制御する。よって、既存の操舵システムを用いて「通常制御」におけるアシスト制御、ギア比制御および中立維持制御と、「リアステア制御」における前輪舵角維持制御、操舵トルク制御および舵角制御を実現することができる。
実施例2は、本発明をステアバイワイヤ(SBW)システムに適用した例である。
まず、構成を説明する。
図13は、実施例2の車両の前後輪舵角制御装置の全体構成図である。なお、実施例1と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例2の車両の前後輪舵角制御装置は、ハンドル1と前輪2を転舵する前輪転舵機構3とが機械的に切り離され、前輪転舵機構3を駆動するステアモータ(前輪転舵アクチュエータ)21と、ハンドル1に操作反力を付与する反力モータ(反力アクチュエータ)22と、を備えている。コントローラ23は、各センサの検出信号に基づいて、ステアモータ21、反力モータ22およびリアステアユニット8をそれぞれ制御する。
次に、作用を説明する。
実施例2の車両の前後輪舵角制御装置は、ハンドル1と前輪2とが機械的に切り離されたSBWシステムを用いているため、実施例1のように、「通常制御」と「リアステア制御」で各アクチュエータの制御手法を切り替えることなしに、ハンドル角に基づいて前輪2と後輪6の独立転舵や操作反力調整を容易に実現でき、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両の前後輪舵角制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(8)に加え、以下の効果が得られる。
(11) ハンドル1と前輪2を転舵する前輪転舵機構3とが機械的に切り離され、前輪転舵機構3を駆動するステアモータ21と、ハンドル1に操作反力を付与する反力モータ22と、後輪6を転舵する後輪転舵機構7と、この後輪転舵機構7を駆動するリアステアユニット8と、を備える。よって、実施例1よりも簡単な制御ロジックを用いて、実施例1と同様の効果、すなわち、車両後端を旋回外側に膨らますことなく旋回可能な最小半径を、通常の前輪のみを転舵する車両と同一にしつつ、運転者の必要に応じて回転半径をより小さくすることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、運転者の操作入力を受ける操作入力手段としては、実施例1,2に示したハンドル(ステアリングホイール)に限らず、ジョイスティックやレバー等、任意の手段を用いることができる。
実施例1の車両の前後輪舵角制御装置の全体構成図である。 実施例1の「通常制御」および「リアステア制御」を実現する制御方法を示す図である。 実施例1の「通常制御」と「リアステア制御」における前輪操舵系の動的な動作を示す共線図である。 従来例のハンドル角と油圧との関係を示す図である。 従来例のハンドル角と転舵角との関係を示す図である。 実施例1の「通常制御」および「リアステア制御」のハンドル角に対する前輪舵角、後輪舵角および操作反力を示す図である。 実施例1の車速に応じた操作トルク増分設定マップである。 実施例1のスロットル開度に応じた操作トルク増分設定マップである。 実施例1で車庫入れ時に前輪2のみを転舵した場合の旋回挙動を示す図である。 実施例1で車庫入れ時に前輪2と後輪6を共に転舵した場合の旋回挙動を示す図である。 実施例1で車庫入れ時に前輪2のみを転舵した場合の存在可能範囲を示す図である。 実施例1で車庫入れ時に前輪2と後輪6を共に転舵した場合の存在可能範囲を示す図である。 実施例2の車両の前後輪舵角制御装置の全体構成図である。
符号の説明
1 ハンドル(操作入力手段)
2 前輪
3 前輪転舵機構
4 電動パワーステアリングモータ(アシストアクチュエータ)
5 可変ギア比ユニット(ギア比可変アクチュエータ)
6 後輪
7 後輪転舵機構
8 リアステアユニット(後輪転舵アクチュエータ)
9 コラムシャフト
10 ハンドル角センサ
11 操舵トルクセンサ
12 ピニオンシャフト
13 ピニオン角センサ
14 後輪舵角センサ
15 車両状態量センサ
16,23 コントローラ(転舵制御手段)
21 ステアモータ(前輪転舵アクチュエータ)
22 反力モータ(反力アクチュエータ)

Claims (12)

  1. 運転者の操作入力を受ける操作入力手段の操作量に応じて、前後輪をそれぞれ転舵する転舵制御手段を備えた車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前記操作入力手段が中立位置から操作されたとき、前輪がフル転舵状態に達するまで、操作入力手段操作量に応じて前輪のみを転舵し、前輪がフル転舵状態に達したとき、操作入力手段操作量がさらに増加した場合には、前輪のフル転舵状態を維持しつつ、操作入力手段操作量に応じて後輪を前輪と逆相側へ転舵することを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前輪がフル転舵状態に達したとき、前記操作入力手段の操作反力を増大させることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前記操作入力手段の操作反力を増大させた後、操作入力手段操作量がさらに増加した場合には、操作反力を減少させることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、後輪がフル転舵状態に達したとき、前記操作入力手段の操作反力を増大させることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、後輪が中立位置に戻ったとき、前記操作入力手段の操作反力を増大させることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、後輪が中立位置に戻ったときの操作反力の増大量を、前輪がフル転舵状態のときの操作反力の増大量よりも小さく設定することを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、後輪が中立位置に戻ったときの操作反力の増大量を、車速が高いほど小さくすることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前記後輪が中立位置に戻ったときの操作反力の増加量を、運転者の駆動力要求が高いほど小さく設定することを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記操作入力手段と前輪を転舵する前輪転舵機構とが機械的に連結され、
    前輪操舵系に操舵アシスト力を付与するアシストアクチュエータと、
    前輪舵角に対する操作入力手段角の比であるステアリングギア比を可変するギア比可変アクチュエータと、
    後輪を転舵する後輪転舵機構と、
    この後輪転舵機構を駆動する後輪転舵アクチュエータと、
    を備えることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  10. 請求項9に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前輪フル転舵状態での後輪転舵時、前記アシストアクチュエータにより前輪舵角を維持し、前記ギア比可変アクチュエータにより操作反力を制御し、前記後輪転舵アクチュエータにより後輪舵角を制御することを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  11. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両の前後輪舵角制御装置において、
    前記操作入力手段と前輪を転舵する前輪転舵機構とが機械的に切り離され、
    前記前輪転舵機構を駆動する前輪転舵アクチュエータと、
    前記操作入力手段に操作反力を付与する反力アクチュエータと、
    後輪を転舵する後輪転舵機構と、
    この後輪転舵機構を駆動する後輪転舵アクチュエータと、
    を備えることを特徴とする車両の前後輪舵角制御装置。
  12. 運転者の操作入力を受ける操作入力手段の操作量に応じて、前後輪をそれぞれ転舵する前後輪舵角制御方法において、
    前記操作入力手段が中立位置から操作されたとき、前輪がフル転舵状態に達するまで、操作入力手段操作量に応じて前輪のみを転舵し、前輪がフル転舵状態に達したとき、操作入力手段操作量がさらに増加した場合には、前輪のフル転舵状態を維持しつつ、操作入力手段操作量に応じて後輪を前輪と逆相側へ転舵することを特徴とする前後輪舵角制御方法。
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