JP4378998B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車においてドライバの操舵操作をアシストするパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車において、ドライバのステアリングの操作時に、ドライバが付加する操舵トルクとは別のアシスト用トルクを付加し、ドライバの操舵トルクをアシストして操舵操作時のドライバの負担を軽減するパワーステアリング装置が知られている。
【0003】
アシスト用トルクを付加する手段としては、油圧アクチュエータや電動モータ(以下、モータという)が一般に用いられており、油圧アクチュエータの油圧トルクやモータの回転トルクがアシスト用トルクとして付加されるようになっている。特に、後者のモータを用いた電動パワーステアリング装置では、ドライバの操舵操作とは独立して自由にモータの回転トルクの大きさを設定することができるため、ドライバのフィーリングに適合した細かなアシスト用トルクの制御が可能となる。そのため、近年、電動パワーステアリング装置についての開発,実用化が進められている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上述の従来の電動パワーステアリング装置では、ドライバの操舵によるステアリングの操舵トルクの大きさに応じて、あるいは車速に応じて、アシスト用トルクの大きさが制御されている。具体的には、ドライバの操舵トルクが小さい時や車速が高い時には、アシスト用トルクによるアシストを低減して、しっかりした手応えのある操舵感が得られるような制御が行われ、逆に、ドライバの操舵トルクが大きい時、また、車速が低い時には、大きなアシスト用トルクを付与してドライバの操舵負担を軽減するような制御が行われている。このように、ドライバの操舵トルクの大きさや車速に応じたアシスト用トルクを出力することによって、操舵時のドライバの負担を軽減させるとともに、良好な操舵フィーリングを確保している。
【0005】
【特許文献1】
特許第2651762号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に車両の操舵を行う上で、最も大きなアシスト用トルクを必要とするのは、車両の停車時にステアリングホイールを回転させる場合、すなわち、据え切りを行う場合である。従来の電動パワーステアリング装置においても、車速が低いほどアシスト用トルクは増大されるが、据え切り時に十分なほど大きな値には設定されていない。さらに、車両を駐車する際には、据え切りを大舵角まで行うことになり、ドライバの負担が大きい。そこで、据え切りをできるだけ楽に行えるように、パワーステアリング装置によるアシスト用トルクをより大きく設定することが考えられる。
【0007】
しかし、アシスト用トルクが過剰に与えられると、ドライバの意向以上にステアリングホイールが回転してしまい、それに対応するためにドライバの加える操舵トルクが小さくなる。すると、アシスト用トルクも低下してしまう。こうなると、ドライバは再び大きく操舵トルクを大きく加える。こうして、ドライバがステアリングホイールを回転させることで生じる操舵トルク及びアシスト用トルクは、ステアリングホイールを回転させる経過において、強まったり弱まったりすることになり、ステアリング系に発振(不安定な波状の振動のような動き)が生じてドライバの操作フィーリングを大きく損ねることがある。
【0008】
また、上記の例において、ドライバの操舵トルクに応じて付加するアシスト用トルクを、ステアリングホイールが発振しない程度に、つまり、理想的な大きさのアシスト用トルクよりも小さく設定することも考えられるが、アシスト用トルクが小さくなった分だけドライバの負担が大きくなってしまう。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、操舵操作フィーリングを良好な状態に保持できるようにしながら、ドライバの負担を軽減することができるようにした、パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明のパワーステアリング装置は、ドライバの操舵操作によって入力される操舵トルクをアシストするように、該操舵トルクにアシスト用操舵トルクを付加して操舵機構へ付与しうる操舵トルク付与手段と、該操舵トルク付与手段を制御する制御手段とを備えるとともに、ドライバが駐車操作のための操舵操作中であるか否かを判定する操舵操作判定手段を備え、該制御手段は、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても舵角が第1の所定舵角に変化するまで操舵機構に自動操舵用操舵トルクを付与し続ける動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御することを特徴とする。
なお当然ながら、前記第1の所定舵角は、ドライバによって操舵操作された舵角の回転方向の所定舵角である。
【0010】
該第1の所定舵角は、操舵操作方向の最大舵角であることが好まし(請求項2)
また、該操舵操作判定手段は、ドライバが駐車操作のための操舵角増大操作中であるか否かを判定し、該制御手段は、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵角増大操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても該舵角が該第1の所定舵角に増大するまで操舵機構に該自動操舵用操舵トルクを付与し続ける自動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御することが好まし(請求項3)
さらに、該操舵操作判定手段は、ドライバが駐車操作のための操舵角減少操作中であるか否かを判定し、該制御手段が、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵角減少操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても該舵角が第2の所定舵角に減少するまで操舵機構に該自動操舵用操舵トルクを付与し続ける動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御することが好まし(当然ながら、前記第2の所定舵角は、ドライバによって操舵操作された舵角の回転方向の所定舵角である)(請求項4)
また、該第2の所定舵角は、舵角0又は操舵角減少操作開始時の操舵方向への最大舵角であることが好ましい(請求項5)。
【0011】
また、操舵角を検出する操舵角検出手段と、該ドライバの該操舵操作が該駐車操作か否かを設定する駐車操作判定手段とを備え、該操舵操作判定手段が、該操舵角検出手段及び該駐車操作判定手段からの情報に基づいて、該ドライバが該操舵操作中であるか否かを判定することが好ましい(請求項6)。
また、該ドライバの該操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を備え、該制御手段は、上記の第1の所定舵角への該自動操舵操作の実施中に自動操舵方向とは逆方向への該操舵トルクを検出すると、該操舵トルク付与手段を制御して、該自動操舵用操舵トルクを付与する制御から該アシスト用操舵トルクを付与する制御へと切り替えさせることが好ましい(請求項7)。
また、該操舵トルク付与手段は、電動パワーステアリングのアシスト用電動モータであることが好ましい(請求項8)。
また、該操舵操作判定手段が、該操舵角検出手段で検出された該操舵角及び該操舵角の単位時間当たりの変化量に基づいて、該ドライバが該操舵操作中であるか否かを判定することが好ましい(請求項9)。
また、車両の走行速度を検出する車速センサをさらに備え、該駐車操作判定手段が、該車速センサで検出された該走行速度に基づいて、該ドライバの該操舵操作が該駐車操作か否かを設定することが好ましい(請求項10)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態にかかるパワーステアリング装置を説明する。
[第1実施形態]
まず図1〜図4に基づいて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本パワーステアリング装置の構成を示す構成図であり、(a)は本装置の全体構成図、(b)は本装置のパワーステアリング機構の構成を示す部分構成図、図2,図3は本装置の電動パワーステアリング機構における制御フロー図であり、図4は本装置を備えた車両の縦列駐車時の移動軌跡を示す模式的平面図である。
【0013】
本実施形態に係るパワーステアリング装置(操舵機構)1は、図1(a)に示すように、ドライバによって操作されるステアリングホイール9の操舵トルクTを検出するトルクセンサ(操舵トルク検出手段)3と、ステアリングホイール9の操舵角θを検出する舵角センサ(操舵角検出手段)12と、車両の走行速度Vを検出する車速センサ4と、駐車操作か否かを設定する駐車操作スイッチ(駐車操作判定手段)13と、これらのセンサの検出情報に基づいて電動パワーステアリング機構(操舵トルク付与手段)5を制御するECU(制御手段)2とを備える。ドライバの操舵トルクTに付加されるアシスト用トルクは、電動パワーステアリング機構5で生成され、操舵機構(例えば、ステアリングシャフト)に付与されるようになっており、ECU2は、電動モータ(ステアリングモータ)7へ供給する電流値を制御することによって電動パワーステアリング機構5が発生させるアシスト用トルクの大きさを制御するようになっている。
【0014】
また、ECU2は、駐車操作時アシストモードでアシストを制御する駐車操作時アシストモード制御部21と通常アシストモードでアシストを制御する通常アシストモード制御部22とを備えており、これらの二つのモードのいずれか一方のアシスト制御部をECU2が選択して、電動パワーステアリング機構5を制御するようになっている。また、ECU2には、操舵操作判定部(操舵操作判定手段)15が設けられられており、後述の駐車操作時アシストモードにおけるECU2の制御モードを選択できるようになっている。
【0015】
なお、図1(b)に示すように、電動パワーステアリング機構5は、一般的な電動パワーステアリングのアシスト用トルク発生機構として設けられており、電動モータ7と、電動モータ7の出力軸に連結されたウォーム軸10a,ウォーム軸10aと噛み合って駆動されるウォームホイール軸10bから構成される減速機10と、ウォームホイール軸10aとラック軸6の歯部6aと噛み合うピニオン軸8とを備えている。このような構成により、電動パワーステアリング機構5では、電動モータ7で発生する回転トルクを減速機10において増幅させ、アシスト用トルクとしてピニオン軸8を介してラック軸6に伝達することにより、ドライバの操舵操作をアシストするようになっている。
【0016】
なお、ドライバがステアリングホイール9を操舵することで生じる操舵トルクTは、ステアリングシャフト11を介してラック軸6に伝達されるようになっている。また、舵角センサ12から与えられるステアリングホイール9の操舵角θは、右回転方向が正の値、左回転方向が負の値として検出されるように設定されている。また、ドライバによってステアリングホイール9へ与えられるトルクTも、右回転方向が正の値、左回転方向が負の値として検出されるように設定されている。
【0017】
ECU2では、通常時は、ドライバの入力する操舵トルクや車速に対応したアシスト操舵トルクを加えるように電動パワーステアリング機構5を制御する(この制御モードを通常アシストモードという)が、駐車操作時には通常時と異なる特有の態様で電動パワーステアリング機構5を制御する(この制御モードを駐車操作時アシストモードという)ようになっている。
【0018】
つまり、これらの二つのモードのうち通常アシストモード制御部22は、従来の一般的な制御モード制御部となっている。すなわち、ECU2は、車速センサ2やトルクセンサ3からの情報を受け取り、ドライバの操舵トルクT,あるいは車速Vに応じて、電動モータ7が発生させる補助(アシスト用)トルクの大きさを制御する。具体的には、ドライバの操舵トルクTが小さい時や車速Vが大きい時には、アシスト用トルクによるアシストを低減させ、逆に、ドライバの操舵トルクTが大きい時や車速Vが小さい時には、大きなアシスト用トルクを付与し、このようなアシスト用トルクの制御を、操舵トルクT,車速Vの変化に応じて随時行うものである。
【0019】
一方、駐車操作時アシストモード制御部21は、本発明に特徴的な制御モード制御部であって、操舵操作判定部15は、駐車操作時アシストモード制御部21において、ドライバの操舵トルクTとステアリングホイール9の操舵角θに応じて、中立切りモード制御部31,左全切りモード制御部32及び右全切りモード制御部33の各モード制御部を選択して設定できるようになっている。これらのモードは、ドライバによってステアリングホイール9へ操舵トルクが与えられていなくても、ECU2が自動的に所定の操舵角までステアリングホイール9を操舵する制御(つまり、自動操舵制御)を行うように設定されたものである。
【0020】
なお、本実施形態では、通常アシストモードと駐車操作時アシストモードとは、駐車操作スイッチ13のオン/オフ操作によって切り替えられるようになっており、ドライバによって駐車操作時に駐車操作スイッチがオンに操作されると、ECU2が駐車操作時アシストモード制御部21を選択し、また、駐車操作スイッチがオフの時には、ECU2が通常アシストモード制御部22を選択するようになっている。
【0021】
また、ECU2では、ドライバによってステアリングホイール9へ与えられる操舵トルクTを判定するにあたって、操舵トルクTにローパスフィルタでフィルタ処理を施して判定用操舵トルクTfを算出し、この判定用操舵トルクTfを用いて判定制御を行うようになっている。したがって、ドライバによる操舵トルクTとECU2内で実際に判定される判定用操舵トルクTfとは同一のものではないが、実質的に略同一のものであるとの観点から、以下、判定用操舵トルクTfのことを、ドライバによって与えられた操舵トルク、又は、単に操舵トルクともいう。
【0022】
次に、本発明に特徴的な制御モードである駐車操作時アシストモードについて、具体的に説明する。
中立切りモード制御部31,左全切りモード制御部32及び右全切りモード制御部33は、いずれも、操舵操作判定手段15が、ある回転開始所定量Trを閾値として閾値以上の大きな操舵トルクがドライバによってステアリングホイール9に与えられたことを検知した時に選択されるモード制御部である。なお、ここで回転開始所定量Trは、正の値として設定されている。また、駐車操作時アシストモードにおいても、上述の条件が満たされず、中立切りモード制御部31,左全切りモード制御部32及び右全切りモード制御部33が選択されていない時には、ECU2は通常アシストモードと同様の制御を行うようになっている。
【0023】
具体的には、舵角センサ12で検出された操舵角θが正の値又は0で、ドライバによって与えらえた操舵トルクの回転方向が右方向で回転開始所定量Tr以上(θ≧0,Tf≧Tr)の場合は右全切りモード制御部33が選択されて、右全切りモードが設定される。また、操舵角θが負の値又は0で、操舵トルクの回転方向が左方向で回転開始所定量Tr以下(θ≦0,Tf≦−Tr)の場合は左全切りモード制御部32が選択されて、左全切りモード設定される。
【0024】
また、操舵角θが正の値又は0で、操舵トルクの回転方向が左方向で回転開始所定量Tr以下(θ≧0,Tf≦−Tr)の場合、並びに、操舵角θが負の値又は0で、操舵トルクの与えられた回転方向が右方向で回転開始所定量Tr以上(θ≦0,Tf≧−Tr)の場合には、中立切りモード制御部31が選択されて、中立切りモードが設定される。
【0025】
これらの3種類の制御モードは操舵操作判定部15の判定によって設定され、一旦ECU2がこれらの制御を開始すると、ドライバがステアリングホイール9に操舵トルクを加え続けなくても、自動的に所定の操舵角までステアリングホイール9を回転させるような自動操舵制御となっており、右全切りモードにおいては右方向へ全操舵されるように、左全切りモードでは左方向へ全操舵されるように、また、中立切りモードでは操舵角が0になるように、それぞれ制御される。
【0026】
また、これらの制御モード中に、ドライバによって自動操舵制御を停止させるための操舵トルクの閾値、すなわち、回転停止所定量Tsが設定されている。なお、この閾値は正の値として、回転開始所定量Trよりも小さい値として(0<Ts<Tr)設定されている。
具体的には、右全切りモード制御時及び左回転方向への中立切りモード制御時において、ドライバによって与えられた操舵トルクがステアリングホイール9の回転方向と逆方向に回転停止所定量Ts以下(θ≧0,Tf≦−Ts)の場合には、右全切りモード及び中立切りモードの自動操舵制御が停止するようになっている。また同様に、左全切りモード制御及び右回転方向への中立切りモード制御時において、ドライバによって与えられた操舵トルクがステアリングホイール9の回転方向と逆方向に回転停止所定量Ts以上(θ≦0,Tf≧Ts)の場合にも、左全切りモード及び中立切りモードの自動操舵制御が停止するようになっている。
【0027】
次に、図2,図3に示す制御フロー図を用いて、ECU2で行われる演算処理について具体的に説明する。
図2の制御フローは、ECU2が電動パワーステアリング機構5を制御するモードとして、駐車操作時アシストモードか通常アシストモードかのいずれか一方を選択するためのフローであり、常にECU2で処理されているものである。
【0028】
まず、ステップS10では、駐車操作スイッチ13からスイッチのオン/オフ情報が入力される。次にステップS20では、ステップS10で入力された駐車操作スイッチ13がオンであるかオフであるかが判定される。
ステップS20で駐車操作スイッチがオンであると判定された時には、ステップS30へ進んでECU2が駐車操作時アシストモード制御部21を選択して、このフローを終了する。また、駐車操作スイッチがオフであると判定された時には、ステップS40へ進んでECU2が通常アシストモード制御部22を選択して、このフローを終了する。
【0029】
図3の制御フローは、ECU2によって駐車操作時アシストモード制御部21が選択されている時の操舵操作判定部15における判定制御を示すものであり、駐車操作時アシストモード制御部21が選択されている間は、常にこの制御フローが処理されているものである。
まず、ステップS100では、トルクセンサ3からドライバの操舵トルクT,舵角センサ12からステアリングホイールの操舵角θが入力される。ここで入力される操舵トルクT及び操舵角θは、右切り方向に正の値をとるように、つまり、左切り方向には負の値をとるように設定されている。次にステップS110では、ステップS100で入力された操舵トルクTにローパスフィルタでフィルタ処理が施され、判定用操舵トルクTfが得られる。
【0030】
ステップS120では、駐車操作時アシストモードにおける自動操舵制御(右全切りモード,左全切りモード及び中立切りモード)が実行されているか否かが判定される。なお、これらの自動操舵制御が実行されているか否かを判定するためのフラグFが、初期値F=0として予め設定されている。ここで、F=0の場合は、自動操舵制御が実行されていないと判定され、自動操舵制御を開始するか否かを判定するステップS130以降のフローへ進み、また、F≠0の場合は、自動操舵制御が実行されていると判定され、自動操舵制御を停止するか否かを判定するステップS200以降のフローへ進む。
【0031】
F=0の場合、ステップS130では、判定用操舵トルクTfが回転開始所定量Tr以上か否かが判定される。判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとは、共に右回転方向に正の値を取るように設定されているから、ステアリングホイール9の右回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf≧Trの場合には、ステップS140へ進む。また、Tf<Trの場合には、ステップS150へ進む。
【0032】
ステップS130でTf≧Trの場合には、ステップS140で、操舵角θが0以上か否かが判定される。ここでθ≧0の時は、ステアリングホイール9が中立位置よりも右回転方向に位置し、さらに右回転方向への操舵トルクが加えられていることになるため、ステップS170へ進み、ECU2は右全切りモードを設定して、右回転方向へ全操舵する自動操舵制御を開始する。また、フラグFを1に設定して、このフローを終了する。
【0033】
また、このステップS140で、θ<0の時は、ステアリングホイール9が中立位置よりも左回転方向に位置し、右回転方向への操舵トルクが加えられていることになるため、ステップS180へ進み、ECU2は中立切りモードを設定して、右回転方向へ中立位置まで操舵する自動操舵制御を開始する。また、フラグFを2に設定して、このフローを終了する。
【0034】
また、ステップS130でTf<Trの場合には、ステップS150で、判定用操舵トルクTfが回転開始所定量−Tr以下か否かが判定される。つまりここでは、ステアリングホイール9の左回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf≦−Trの場合にはステップS160で、操舵角θが0以下か否かが判定される。ここでθ≦0の時は、ステアリングホイール9が中立位置よりも左回転方向に位置し、さらに左回転方向への操舵トルクが加えられていることになるため、ステップS190へ進み、ECU2は左全切りモードを設定して、左回転方向へ全操舵する自動操舵制御を開始する。また、フラグF=3に設定して、このフローを終了する。
【0035】
また、このステップS160で、θ>0の時は、ステアリングホイール9が中立位置よりも右回転方向に位置し、左回転方向への操舵トルクが加えられていることになるため、ステップS185へ進み、ECU2は中立切りモードを設定して、左回転方向へ中立位置まで操舵する自動操舵制御を開始する。また、フラグFを4に設定して、このフローを終了する。
【0036】
なお、ステップS170及びステップS185で設定される自動操舵制御は、ステアリングホイール9が全操舵されると、ECU2がステアリングホイール9の操舵角θを検知して、自動操舵制御を解除するようになっている。そしてこのように自動操舵制御が解除された場合には、フラグはF=0に設定される。
また、ステップS180及びステップS190で設定される自動操舵制御においても、ステアリングホイール9が中立位置まで操舵されると、ECU2がステアリングホイール9の操舵角θを検知して、θ=0で自動操舵制御を解除するようになっている。そしてこのように自動操舵制御が解除された場合にも、フラグはF=0に設定される。
【0037】
ステップS120でF≠0であった場合は、何らかの自動操舵制御が実行されていることになるため、ステップS200以降の自動操舵制御を停止するか否かを判定するフローへ進む。まず、ステップS200では、フラグFが1又は2か否かが判定される。フラグFが1又は2であれば、ステアリングホイール9が右方向へ回転するように自動操舵されていることになるため、ここでF=1又は2である時には、右方向への回転を停止させるか否かを判定するステップS210へ進む。また、F≠1及び2である(すなわち、F=3又は4)場合には、左方向への回転を停止させるか否かを判定するステップS220へ進む。
【0038】
ステップS210へ進むと、判定用操舵トルクTfが、回転停止所定量−Ts以下か(つまり、判定用操舵トルクTfの絶対量が回転停止所定量Tsの絶対量以上か)否かが判定される。つまりここでは、ステアリングホイール9の左回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf≦−Tsの場合にはステップS230へ進んで自動操舵制御を停止し、フラグFを0に設定して、このフローを終了する。
また、Tf>−Tsの場合には、そのままフローを終了する。つまり、自動操舵制御が中断されることなく続行される。
【0039】
ステップS200でF≠1及び2である場合には、ステップS220へ進み、判定用トルクTfが、回転停止所定量Ts以上であるか否かが判定される。つまりここでは、ステアリングホイール9の右回転方向への操舵トルクの大きさが判定されていることになり、Tf≧Tsの場合には、ステップS230へ進んで自動操舵制御を停止し、フラグFを0に設定して、このフローを終了する。
【0040】
また、Tf<Tsの場合には、そのままフローを終了する。つまり、自動操舵制御が中断されることなく続行される。
なお、ここでは制御フローとして図示していないが、ECU2が通常アシストモード制御部22を選択した場合のアシスト用トルクの制御は、従来から一般的に行われているアシスト用トルクの制御である。
【0041】
本発明の第1実施形態にかかるパワーステアリング装置は、以上のように構成されているので、例えば縦列駐車時の車両制御(図4参照)は以下のように行われる。
車両100が車両101と車両102とに挟まれた空間に縦列駐車をしようとする場合、ドライバは車両100の中心位置をA点に重なるように車両100を前進で移動させ、その後、車両100の中心がB点,C点及びD点の順に重なるように操舵しながら車両100を後進させるものとする。なお、図中の破線は、車両100の中心位置の移動軌跡を示す。
【0042】
まず、ドライバによって、縦列駐車したいスペースの付近で駐車操作スイッチ13がオンに操作されると、ECU2は、これから駐車操作が行われるものと判断して、駐車操作時アシストモード制御部21を選択する。駐車操作スイッチ13がオンにされて初めて、駐車操作時アシストモードが設定されるため、ECU2は駐車操作時の判断を誤ることがなく、適切に駐車操作時のアシストモードを設定することができる。
【0043】
A点において、ドライバはステアリングホイール9を左方向へ回転させると、ECU2は操舵トルクTを検出し、フィルタ処理を施して判定用操舵トルクTfを得る。この時、自動操舵制御が実行されているか否かを判定するフラグはF=0であるから、判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定が行われる。Tf>−Trの時には、いずれの自動操舵制御も開始されないため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≦−Trの時には、ECU2がステアリングホイール9を左方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。
【0044】
この時、ステアリングホイール9の操舵角θはθ≦0になっているため、ECU2は左全切りモード制御部32を選択して、フラグをF=3に(すなわち、左全切りモード)設定し、ステアリングホイール9を左方向へ全操舵する自動操舵制御を行う。つまりドライバは、A点においてステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな左方向への操舵トルクを与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に左方向へ全操舵させることができる。
【0045】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≧Tsの場合には、ECU2が左全切りモードを解除し、フラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が左方向へ全操舵された場合にも、ECU2が左全切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。
【0046】
次に、ドライバが車両100を後進させてA点からB点へ移動させる。B点において、ドライバはステアリングホイール9を中立位置へ戻すように、右方向へ回転させる。この時、ECU2は判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定を行う。Tf<Trの時には、いずれの自動操舵制御も開始されないため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≧Trの時には、ECU2がステアリングホイール9を右方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。ここで、ステアリングホイール9の操舵角θはθ<0になっているため、ECU2は右回転方向への中立切りモード制御部31を選択して、フラグをF=2に設定し、ステアリングホイール9を中立位置まで操舵する制御を行う。つまりドライバは、B点においてステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな右方向への操舵トルクを与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に中立位置へ操舵させることができる。
【0047】
この自動操舵制御中にも、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≦−Tsの場合には、ECU2が中立切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が中立位置まで操舵された場合にも、ECU2は舵角センサ12からステアリングホイール9の操舵角θがθ=0であることを検知して、自動操舵制御を停止し、フラグFをF=0に設定する。
【0048】
続いて、ドライバが車両100を後進させてB点からC点へ移動させる。C点において、ドライバは、ステアリングホイール9を右方向へ回転させる。この時、ECU2は判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定を行う。Tf<Trの時には、いずれの自動操舵制御も開始されないため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≧Trの時には、ECU2がステアリングホイール9を右方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。
【0049】
この時、ステアリングホイール9の操舵角θはθ≧0になっているため、ECU2は右全切りモード制御部33を選択して、フラグをF=1に設定し、ステアリングホイール9を右方向へ全操舵する制御を行う。つまりドライバは、C点においてステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな右方向への操舵トルクを与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に右方向へ全操舵させることができる。
【0050】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≦−Tsの場合には、ECU2が左全切りモードを解除しフラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が右方向へ全操舵された場合にも、ECU2が左全切りモードを解除しフラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。
【0051】
さらにドライバが車両100を後進させてC点からD点へ移動させる。D点において、ドライバはステアリングホイール9を中立位置へ戻すように、左方向へ回転させる。この時、ECU2は判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定を行う。Tf>−Trの時には、いずれの自動操作制御も開始されないため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≦Trの時には、ECU2がステアリングホイール9を左方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。この時、ステアリングホイール9の操舵角θはθ>0になっているため、ECU2は左回転方向への中立切りモード制御部31を選択して、フラグをF=4に設定し、ステアリングホイール9を中立位置まで操舵する制御を行う。つまりドライバは、D点においてステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな左方向への操舵トルクを与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に中立位置へ操舵させることができる。
【0052】
この自動操舵制御中にも、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≧Tsの場合には、ECU2が中立切りモードを解除しフラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が中立位置まで操舵された場合には、ECU2は舵角センサ12からステアリングホイール9の操舵角θがθ=0であることを検知して、自動操舵制御を停止し、フラグFをF=0に設定する。
【0053】
このようにECU2は、操舵操作判定部15の判定によって一旦、中立切りモード,左全切りモード及び右全切りモードを設定すると自動操舵を開始し、停止条件が満たされない限りその自動操舵を保持し続けるため、ドライバは、操舵したい方向への回転開始所定量Tr以上の操舵トルクを初期トルクとして最初に与えるだけで、ステアリングホイール9を自動的に最大舵角又は中立位置まで回転させることができる。したがって、ドライバは据え切り時にもステアリングホイール9を大きく回転させる必要がなく、操舵が容易になる。またこれらの制御は自動操舵制御であるため、パワーステアリング装置に見られる据え切り時の振動が発生せず、ドライバのフィーリングを向上させることができる。
【0054】
また、ECU2は、自動操舵の停止条件が満たされると即座に自動操舵を停止し、中立切りモード,左全切りモード及び右全切りモードのいずれかの設定条件が満たされない限り自動操舵を開始しないため、ドライバは、自動的に操舵されるステアリングホイール9を掴んでステアリングホイール9の回転方向とは逆方向の回転停止所定量Ts以上の操舵トルクを与えることで、ステアリングホイール9の回転を任意の回転角で停止させることができる。また、回転停止所定量Tsは、回転開始所定量Trよりも小さい値として設定されているため、ステアリングホイール9を回転させるより軽い力で簡単に停止させることができる。
【0055】
また特に、この自動操舵は、ドライバが意識することなくステアリング9の回転を中立位置で停止させることができ、駐車操作時の据え切り操舵時において実用的であり、ドライバの負担が大きく軽減される。
また、このように車両が駐車操作状態か非駐車操作状態かによって付加トルク制御を切り替えることで、車両の走行時には従来のパワーステアリング装置としてのトルク付加制御を行いながら、車両の駐車操作時には、据え切りなどの比較的重いステアリング特性に対してより効果的な自動操舵制御を行うことができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、図1,図2,図5及び図6に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の構成は、基本的には第1実施形態のものと同様であるが、第1実施形態ではECU2で設定される制御モードである駐車操作時アシストモードにおいて、ドライバの操舵トルクTとステアリングホイール9の操舵角θとに応じて、中立切りモード制御部31,左全切りモード制御部32及び右全切りモード制御部33の各モード制御部を選択して、中立切りモード,左全切りモード及び右全切りモードが設定されるようになっているが、本実施形態では、ドライバの操舵トルクTのみに応じて(当然、ECU2内で実際に判定されるトルクは、第1実施形態と同様に、操舵トルクTにローパスフィルタでフィルタ処理を施して算出された判定用操舵トルクTfである)、ストップモード制御部41,左切りモード制御部42及び右切りモード制御部43の各モードを選択して、ストップモード,左切りモード及び右切りモードのいずれかが設定されるようになっている。
【0057】
これらの制御モードのうち、左切りモード制御部42及び右切りモード制御部43は、操舵操作判定手段15が、ある回転開始所定量Trを閾値として閾値以上の大きな操舵トルクがドライバによってステアリングホイール9に与えられたことを検知した時に選択されるモード制御部である。なお、ここで回転開始所定量Trは、正の値として設定されている。また、上述の条件が満たされず、左切りモード制御部42及び右切りモード制御部43が選択されていない時には、ストップモード制御部41が選択される。このストップモード制御部41は、実質的に通常アシストモードと同様の制御を行うようになっている。
【0058】
具体的な本実施形態の制御は、ドライバによって与えられた操舵トルクの回転方向が右方向で回転開始所定量Tr以上(Tf≧Tr)の場合は右切りモードが設定される。また、操舵トルクの回転方向が左回転で回転開始所定量Tr以下(Tf≦−Tr)の場合は左切りモードが設定される。また、操舵トルクが上記の2つの条件を満たさない(−Tr<Tf<Tr)場合はストップモードが設定される。
【0059】
これらの3種類の制御モードは操舵操作判定部15の判定によって設定される。また、これらのうち左切りモード及び右切りモードは、一旦ECU2がこれらの制御を開始すると、ドライバがステアリングホイール9に操舵トルクを加え続けなくても、自動的に所定の操舵角までステアリングホイール9を回転させるような自動操舵制御となっており、右切りモードは右方向へ全操舵されるように、左切りモードは左方向へ全操舵されるように、それぞれ制御される。
【0060】
また、左切りモード及び右切りモードの制御モード中に、ドライバによって自動操舵制御を停止させるための操舵トルクの閾値、すなわち、回転停止所定量Tsが設定されている。なお、この閾値は正の値として、回転開始所定量よりも小さい値として(0<Ts<Tr)設定されている。
【0061】
具体的には、左切りモード制御時において、ドライバによって与えられた操舵トルクがステアリングホイール9の回転方向と逆方向に回転停止所定量Ts未満(Tf<Ts)の場合には、左切りモードがそのまま維持されるが、操舵トルクが回転停止所定量Ts以上(Tf≧Ts)の場合には、左切りモードの自動操舵制御が停止し、制御モードが左切りモードからストップモードへと遷移するようになっている。
【0062】
また同様に、右切りモード制御時において、ドライバによって与えられた操舵トルクが回転停止所定量Trより大きい(Tf>−Ts)場合には、右切りモードがそのまま維持されるが、操舵トルクが回転停止所定量Ts以下(Tf≦−Ts)の場合には、右切りモードの自動操舵制御が停止し、制御モードが右切りモードからストップモードへと遷移するようになっている。
【0063】
なお、左切りモード制御時にステアリングホイール9が左方向へ全操舵された時、及び、右切りモード制御時にステアリングホイール9が右方向へ全操舵された時にも、これらの自動操舵制御が停止し、制御モードがストップモードへ遷移するようになっている。
【0064】
また、第2実施形態では図5に示す制御フローに従って、操舵操作判定部15における判定制御が行われる。つまり、図5に示す制御フローは、ECU2によって駐車操作時アシストモードが選択されている間は、常に処理されるようになっている。
【0065】
まず、ステップS300では、トルクセンサ3からドライバの操舵トルクTが入力される。ここで入力される操舵トルクTは右切り方向に正の値を取るように、つまり、左切り方向には負の値を取るように設定されている。次にステップS310では、ステップS300で入力された操舵トルクTにローパスフィルタでフィルタ処理が施され、判定用トルクTfが得られる。
【0066】
ステップS320では、駐車操作時アシストモードにおける操舵制御(ストップモード,左切りモード及び右切りモード)のうち、ストップモードが実行されているか否かが判定される。なお、これらの自動操舵制御が実行されているか否かを判定するためのフラグFが、初期値F=0として予め設定されている。ここで、F=0に場合は、ストップモードが選択されていると判定され、自動操舵制御(すなわち、左切りモード又は右切りモード)を開始するか否かを判定するステップS330以降のフローへ進み、また、F≠0の場合は、ストップモードが選択されていない(すなわち、自動操舵制御が実行されている)と判定され、自動操舵制御を停止するか否かを判定するステップS400以降のフローへ進む。
【0067】
F=0の場合、ステップS330では、判定用トルクTfが回転開始所定量−Trより大きいか否かが判定される。判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとは、共に右回転方向に正の値を取るように設定されているから、ステアリングホイール9の左回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf>−Trの場合には、ステップS350へ進む。また、Tf≦−Trの場合には、ステップS340へ進んで、制御モードがストップモードから左切りモードへと遷移し、フラグFがF=1に設定されて、このフローを終了する。つまり、左回転方向への自動操舵制御が実行されることになる。
【0068】
また、ステップS350へ進むと、判定用トルクTfが回転開始所定量Tr未満か否かが判定される。ここでは、ステアリングホイール9の右回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf<Trの場合にはステップS370へ進んでそのままストップモードが維持されてこのフローを終了する。また、Tf≧Trの場合には、ステップS360へ進み、制御モードがストップモードから右切りモードへと遷移し、フラグFがF=2に設定されて、このフローを終了する。つまり、右回転方向への自動操舵制御が実行されることになる。
【0069】
ステップS320でF≠0であった場合には、左切りモード又は右切りモードのいずれかの自動操舵制御が実行されていることになるため、ステップS400以降の自動操舵制御を停止するか否かを判定するフローへ進む。まず、ステップS400では、フラグFがF=1か否か、すなわち、左切りモードか否かが判定される。ここでF=1の場合にはステップS410へ進む。また、F≠1の場合、すなわち、F=2の場合にはステップS440へ進む。
【0070】
ステップS410では、判定用操舵トルクTfが、回転停止所定量Ts未満か否かが判定される。つまりここでは、ステアリングホイール9の右回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf<Tsの場合にはステップS430へ進んで左切りモードを維持したままこのフローを終了する。また、Tf≧Tsの場合にはステップS420へ進んで、制御モードが左切りモードからストップモードへ遷移し、フラグFがF=0に設定されてこのフローを終了する。つまり、左回転方向への自動操舵制御が停止することになる。
【0071】
また、ステップS440では、判定用操舵トルクTfが、回転停止所定量−Tsより大きいか否かが判定される。つまりここでは、ステアリングホイール9の左回転方向への操舵トルクの大きさが判定されることになり、Tf>−Tsの場合にはステップS460へ進んで右切りモードを維持したままこのフローを終了する。また、Tf≦−Tsの場合にはステップS450へ進んで、制御モードが右切りモードからストップモードへと遷移し、フラグFがF=0に設定されてこのフローを終了する。つまり、右回転方向への自動操舵制御が停止することになる。
【0072】
本発明の第2実施形態にかかるパワーステアリング装置は、以上のように構成されているので、例えば車庫入れ駐車時の車両制御(図6参照)は以下のように行われる。
車両103が進行方向に対して左側の駐車空間110に車両103を後退させながら車庫入れ駐車しようとする場合、ドライバはまず車両103の中心位置がE点に重なるように車両103を移動させ、次に、車両103の中心位置がF点に重なるように操舵しながら車両103を前進させ、その後、車両103の中心位置がG点に重なるように操舵しながら車両103を後退させるものとする。また、車両104が進行方向に対して右側の駐車空間111に車両103を後退させながら車庫入れ駐車しようとする場合、ドライバはまず車両104の中心位置がH点に重なるように車両104を移動させ、その後、車両104の中心位置がI点に重なるように操舵しながら車両104を前進させ、その後、車両104の中心位置がJ点に重なるように操舵しながら車両104を後退させるものとする。なお、図中の破線は、車両103及び車両104の中心位置の移動軌跡を示す。
【0073】
まず、車両103を進行方向左側の駐車空間110に車庫入れ駐車させる場合、ドライバによって、車庫入れ駐車したいスペースの付近で駐車操作スイッチ13がオンに操作されると、ECU2は、これから駐車操作が行われるものと判断して、駐車操作時アシストモード制御部21を選択する。駐車操作スイッチ13がオンにされて初めて、駐車操作時アシストモードが設定されるため、ECU2は駐車操作時の判断を誤ることがなく、適切に駐車操作時のアシストモードを設定することができる。
【0074】
E点において、ドライバがステアリングホイール9を右方向へ回転させると、ECU2は操舵トルクT(ここでは、右回転方向の値、すなわち、正の値として検出される)を検出し、フィルタ処理を施して判定用トルクTfを得る。この時、自動操舵制御が実行されているか否かを判定するフラグはF=0であるから、判定用トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定が行われる。Tf<Trの時には、左切りモード又は右切りモードのいずれの自動操舵制御も開始されず、ストップモードが設定されるため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≧Trの時には右切りモードが設定されるため、ECU2がステアリングホイール9を右方向へ操舵する自動操舵が実行される。つまりドライバは、E点において右方向への据え切りを行う場合、ステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな右方向への操舵トルクを最初に与えるだけで、自動操舵制御を開始させることができる。そしてその後は、ドライバが何も操舵操作をしなくても、ステアリングホイール9を容易に右方向へ全操舵させることができる。
【0075】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする操舵トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≦−Tsの場合には、ECU2が右切りモードを解除し、フラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が右方向へ全操舵された場合にも、ECU2が右切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。そして、ドライバは、車両110を前進させてE点からF点へ移動させる。
【0076】
次に、F点において、ドライバはステアリングホイール9を左方向へ回転させると、ECU2は操舵トルクT(ここでは、左回転方向の値、すなわち、負の値として検出される)を検出し、フィルタ処理を施して判定用操舵トルクTfを得る。この時、自動操舵制御が実行されているか否かを判定するフラグはF=0であるから、判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定が行われる。
【0077】
Tf>−Trの時には、左切りモード又は右切りモードのいずれの自動操舵制御も開始されず、ストップモードが設定されるため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≦−Trの時には左切りモードが設定されるため、ECU2がステアリングホイール9を左方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。つまりドライバは、F点において左方向への据え切りを行う場合、ステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな左方向への操舵トルクを最初に与えるだけで、自動操舵制御を開始させることができる。そしてその後は、ドライバが何も操舵操作をしなくても、ステアリングホイール9を容易に左方向へ全操舵させることができる。
【0078】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≧Tsの場合には、ECU2が左切りモードを解除し、フラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が左方向へ全操舵された場合にも、ECU2が左切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。そして、ドライバはステアリングホイール9を徐々に中立位置へ戻しながら、車両110を後進させてF点からG点へ移動させる。
【0079】
車両104を進行方向右側の駐車空間111に車庫入れ駐車させる場合、ドライバによって、車庫入れ駐車したいスペースの付近で駐車操作スイッチ13がオンに操作されると、ECU2は、これから駐車操作が行われるものと判断して、駐車操作時アシストモード制御部21を選択する。駐車操作スイッチ13がオンにされて初めて、駐車操作時アシストモードが設定されるため、ECU2は駐車操作時の判断を誤ることがなく、適切に駐車操作時のアシストモードを設定することができる。
【0080】
H点において、ドライバがステアリングホイール9を左方向へ回転させると、ECU2は操舵トルクT(ここでは、左回転方向の値、すなわち、負の値として検出される)を検出し、フィルタ処理を施して判定用トルクTfを得る。この時、自動操舵制御が実行されているか否かを判定するフラグはF=0であるから、判定用トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定が行われる。Tf>−Trの時には、左切りモード又は右切りモードのいずれの自動操舵制御も開始されず、ストップモードが設定されるため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≦−Trの時には左切りモードが設定されるため、ECU2がステアリングホイール9を左方向へ操舵する自動操舵が実行される。つまりドライバは、H点において左方向への据え切りを行う場合、ステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな左方向への操舵トルクを最初に与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に左方向へ全操舵させることができる。
【0081】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≧Tsの場合には、ECU2が左切りモードを解除し、フラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が左方向へ全操舵された場合にも、ECU2が左切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。そして、ドライバは、車両110を前進させてH点からI点へ移動させる。
【0082】
次に、I点において、ドライバはステアリングホイール9を右方向へ回転させると、ECU2は操舵トルクT(ここでは、右回転方向の値、すなわち、正の値として検出される)を検出し、フィルタ処理を施して判定用操舵トルクTfを得る。この時、自動操舵制御が実行されているか否かを判定するフラグはF=0であるから、判定用操舵トルクTfと回転開始所定量Trとの比較判定が行われる。
【0083】
Tf<Trの時には、左切りモード又は右切りモードのいずれの自動操舵制御も開始されず、ストップモードが設定されるため、ECU2は通常アシストと同様の制御を行うが、Tf≧Trの時には右切りモードが設定されるため、ECU2がステアリングホイール9を右方向へ操舵する自動操舵制御が実行される。つまりドライバは、I点において右方向への据え切りを行う場合、ステアリングホイール9へ回転開始所定量Trより大きな右方向への操舵トルクを与えるだけで、自動操舵制御を開始させて、ステアリングホイール9を容易に右方向へ全操舵させることができる。
【0084】
この自動操舵制御中に、ドライバによって回転を止めようとする回転トルクTがステアリングホイール9へ与えられた場合には、判定用トルクTfと回転停止所定量Tsとの比較判定が行われ、Tf≦−Tsの場合には、ECU2が右切りモードを解除し、フラグがF=0に設定されて、自動操舵制御を停止する。また、ステアリングホイール9が右方向へ全操舵された場合にも、ECU2が右切りモードを解除し、フラグをF=0に設定して、自動操舵制御を停止する。そして、ドライバはステアリングホイール9を徐々に中立位置へ戻しながら、車両111を後進させてI点からJ点へ移動させる。
【0085】
このようにECU2は、操舵操作判定部15の判定によって一旦、ストップモード,左切りモード及び右切りモードを設定すると自動操舵を開始し、停止条件が満たされない限りその自動操舵を保持し続けるため、ドライバは、操舵したい方向への回転開始所定量Tr以上の操舵トルクを初期トルクとして最初に与えるだけで、ステアリングホイール9を自動的に最大舵角まで回転させることができる。したがって、ドライバは据え切り時にもステアリングホイール9を大きく回転させる必要がなく、操舵が容易になる。またこれらの制御は自動操舵制御であるため、パワーステアリング装置に見られる据え切り時の振動が発生せず、ドライバのフィーリングを向上させることができる。
【0086】
また、ECU2は、自動操舵の停止条件が満たされると即座に自動操舵を停止し、ストップモード,左切りモード及び右切りモードのいずれかの設定条件が満たされない限り自動操舵を開始しないため、ドライバは、自動的に操舵されるステアリングホイール9を掴んでステアリングホイール9の回転方向とは逆方向の回転停止所定量Ts以上の操舵トルクを与えることで、ステアリングホイール9の回転を任意の回転角で停止させることができる。また、回転停止所定量Tsは、回転開始所定量Trよりも小さい値として設定されているため、ステアリングホイール9を回転させるより軽い力で簡単に停止させることができる。
【0087】
また、このように車両が駐車操作状態か非駐車操作状態かによって付加トルク制御を切り替えることで、車両の走行時には従来のパワーステアリング装置としてのトルク付加制御を行いながら、車両の駐車操作時には、据え切りなどの比較的重いステアリング特性に対してより効果的な自動操舵制御を行うことができる。
【0088】
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の第1実施形態においては、駐車操作時アシストモード時の制御において、判定用トルクTfとステアリングホイール9の操舵角θとから中立切りモード,左全切りモード及び右全切りモードを判定しているが、判定用トルクTfの替わりにステアリングホイールの操舵角θの単位時間あたりの変化量を用いるように構成してもよい。この場合、中立切りモード,左全切りモード及び右全切りモードの判定に、操舵トルクTの情報を必要としないため、構成を簡素化することができる。
【0089】
また、上述の実施形態は、本発明を電動パワーステアリング機構を備えたパワーステアリング装置に適用したものであるが、電動のかわりに油圧によって作動する油圧パワーステアリング装置に適用することもできる。
また、上述の実施形態では、駐車操作判定手段として駐車操作スイッチを使用しているが、車速等により駐車操作か否かを判定するように構成してもよい。例えば、車速が所定範囲(例えば、2km/h以上,5km/h未満等)の状態が所定期間(例えば、30秒間等)続いた場合に駐車操作中と判定する。
【0090】
また、本発明を公知技術として知られている駐車支援装置と併用することも考えられる。例えば、駐車の際にドライバによって駐車支援スイッチを操作されることで、音声やランプ,ディスプレイへの文字表記等によって車内及び車外へ案内を行う公知の駐車支援装置に本発明を適用し、駐車支援スイッチに上述の実施形態における駐車操作スイッチとしての機能を持たせるように構成する。このように構成することで、駐車支援制御のひとつとして、駐車操作時アシストモードにおける自動操舵制御が提供されることになる。
【0091】
また、本発明のパワーステアリング装置の各々の制御モードに応じて、公知の駐車支援装置が車内及び車外へ案内を行うように構成してもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、ドライバが駐車操作のための操舵操作を行うと、ステアリングホイールを自動的に第1の所定舵角まで回転させることができ、据え切り操舵が容易になり、ドライバの負担を軽減することができる。また、据え切り時の振動が発生せず、ドライバのフィーリングを向上させることができる。
【0093】
また、請求項2記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、ドライバの駐車操作のための操舵操作によって、ステアリングホイールを自動的に最大舵角まで回転させることができ、据え切り操舵がより容易になる。
【0094】
また、請求項3記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、ドライバが駐車操作のための操舵角増大操作を行うと、ステアリングホイールを自動的に第1の所定舵角まで回転させることができ、据え切り操舵が容易になる。また、据え切り時の振動が発生せず、ドライバのフィーリングを向上させることができる。
【0095】
また、請求項4記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、ドライバが駐車操作のための操舵角減少操作を行うと、ステアリングホイールを自動的に第2の所定舵角まで回転させることができ、据え切り操舵が容易になる。
【0096】
また、請求項5記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、ドライバが駐車操作のための操舵角減少操作を行うと、ステアリングホイールを自動的に舵角0又は操舵角減少操作開始時の操舵方向への最大舵角まで回転させることができ、据え切り操舵がより容易になる。特に、ドライバが意識しなくてもステアリング位置を中立位置にすることができる。
【0097】
また、請求項6記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、駐車操作と操舵角を変化させることとで自動操舵操作を行うことができる。
また、請求項7記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、自動的に回転するステアリングホイールを容易に停止させることができる。
また、請求項8記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、電動パワーステアリング装置へ容易に適用することができる。
また、請求項9記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、操舵操作判定手段による判定に操舵トルクの情報を必要としないため、構成を簡素化することができる。
また、請求項10記載の本発明のパワーステアリング装置によれば、例えば駐車操作判定手段としての駐車操作スイッチを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのパワーステアリング装置の構成を示す構成図であり、(a)は本装置の全体構成図、(b)は本装置の電動パワーステアリング機構の構成を示す部分構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのパワーステアリング装置において、駐車操作時アシストモードか通常アシストモードかのいずれかを選択設定する制御フロー図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのパワーステアリング装置における駐車操作時アシストモードの制御を示す制御フロー図である。
【図4】本発明の第1実施形態としてのパワーステアリング装置を備えた車両の、縦列駐車時の移動軌跡を示す模式的平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態としてのパワーステアリング装置における駐車操作時アシストモードの制御を示す制御フロー図である。
【図6】本発明の第2実施形態としてのパワーステアリング装置を備えた車両の、車庫入れ駐車時の移動軌跡を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置(操舵機構)
2 ECU(制御手段)
3 トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
4 車速センサ
5 電動パワーステアリング機構(操舵トルク付与手段)
6 ラック軸
6a 歯部
7 電動モータ(ステアリングモータ)
8 ピニオン軸
9 ステアリングホイール
10 減速機
10a ウォーム軸
10b ウォームホイール軸
11 ステアリングシャフト
12 舵角センサ(操舵角検出手段)
13 駐車操作スイッチ(駐車操作判定手段)
14 車速センサ
15 操舵操作判定部(操舵操作判定手段)
21 駐車操作時アシストモード制御部
22 通常アシストモード制御部
31 中立切りモード制御部
32 左全切りモード制御部
33 右全切りモード制御部
41 ストップモード制御部
42 左切りモード制御部
43 右切りモード制御部

Claims (10)

  1. ドライバの操舵操作によって入力される操舵トルクをアシストするように、該操舵トルクにアシスト用操舵トルクを付加して操舵機構へ付与しうる操舵トルク付与手段と、
    該操舵トルク付与手段を制御する制御手段とを備えるとともに、
    ドライバが駐車操作のための操舵操作中であるか否かを判定する操舵操作判定手段を備え、
    該制御手段は、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても舵角が第1の所定舵角に変化するまで操舵機構に自動操舵用操舵トルクを付与し続ける自動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御することを特徴とする、パワーステアリング装置。
  2. 該第1の所定舵角は、操舵操作方向の最大舵角である
    ことを特徴とする、請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. 該操舵操作判定手段は、ドライバが駐車操作のための操舵角増大操作中であるか否かを判定し、
    該制御手段は、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵角増大操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても該舵角が該第1の所定舵角に増大するまで操舵機構に該自動操舵用操舵トルクを付与し続ける自動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のパワーステアリング装置。
  4. 該操舵操作判定手段は、ドライバが駐車操作のための操舵角減少操作中であるか否かを判定し、
    該制御手段は、該操舵操作判定手段が駐車操作のための操舵角減少操作中であると判定したら、その後該ドライバが該操舵操作をしなくても該舵角が第2の所定舵角に減少するまで操舵機構に該自動操舵用操舵トルクを付与し続ける自動操舵操作を行うように該操舵トルク付与手段を制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置。
  5. 該第2の所定舵角は、舵角0又は操舵角減少操作開始時の操舵方向への最大舵角である
    ことを特徴とする、請求項4記載のパワーステアリング装置。
  6. 操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    ドライバの操舵操作が駐車操作か否かを設定する駐車操作判定手段とを備え、
    該操舵操作判定手段が、該操舵角検出手段及び該駐車操作判定手段からの情報に基づいて、該ドライバが該操舵操作中であるか否かを判定する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置。
  7. ドライバの該操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を備え、
    該制御手段は、上記の第1の所定舵角への自動操舵操作の実施に自動操舵方向と逆方向への操舵トルクを検出すると、該操舵トルク付与手段を制御して、自動操舵用操舵トルクを付与する制御から該アシスト用操舵トルクを付与する制御へ切り替えさせ
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置。
  8. 該操舵トルク付与手段は、電動パワーステアリングのアシスト用電動モータである
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置。
  9. 該操舵操作判定手段が、該操舵角検出手段で検出された該操舵角及び該操舵角の単位時間当たりの変化量に基づいて、該ドライバが該操舵操作中であるか否かを判定する
    ことを特徴とする、請求項6記載のパワーステアリング装置。
  10. 車両の走行速度を検出する車速センサをさらに備え、
    該駐車操作判定手段が、該車速センサで検出された該走行速度に基づいて、該ドライバの該操舵操作が該駐車操作か否かを設定する
    ことを特徴とする、請求項記載のパワーステアリング装置。
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