JP2007106087A - レーザー印字用積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー印字用積層体であって、印字の面積や太さにかかわらず、明確な印字が可能なレーザー印字用積層体および該積層体からなる印字ラベルを提供する。
【解決手段】異なる色相をもちレーザー光照射により除かれ得る着色層を透明基材の両面に設け、片面の着色層をレーザー光照射により所望の形に破壊して除去し、透明基材をとおして反対側の着色層が視認されることにより、印字の面積や太さにかかわらず明確な印字が可能な積層体を得る。
【解決手段】異なる色相をもちレーザー光照射により除かれ得る着色層を透明基材の両面に設け、片面の着色層をレーザー光照射により所望の形に破壊して除去し、透明基材をとおして反対側の着色層が視認されることにより、印字の面積や太さにかかわらず明確な印字が可能な積層体を得る。
Description
本発明はレーザー光によって鮮明な印字を高速で行うことができる積層体に関するものである。
製品の管理や品質保証の目的で、製造番号や賞味期限等の個別情報を印字したラベルやシート等を個々の製品に貼り付けることは広く行われている。
該ラベル・シートへの印字方法としては、例えば液状のインクを版により印刷する方法、インクリボンを用いて熱転写により転写する方法、インクシ゛ェット印刷による方法などが利用されているが、多数の製品にそれぞれ個別に異なった情報を印刷するのは、前述の方法では煩雑で困難なものであった。
そこで、基材の表面に下地層と、レーザー光を吸収し、発熱・破壊されて除かれる得る隠蔽層とを容易に視認できる色差を有する異なる色の組み合わせとして設け、表面からレーザー光を出力調整して照射し、文字などのパターンに隠蔽層を除くように照射することにより下地層の色彩の所望の印字を行う方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、従来の方法で130μm以上もの太線や、太いバーコード等を印字すると、レーザー光の出力を調整しても、隠蔽層ばかりでなくその下側の下地層まで破壊されてしまい、基材層までも一部露出して、所望の色彩の印字ができないという不都合が発生した。
特開平08−144866号公報
特開平09−123606号公報
本発明が解決しようとする課題は、レーザー印字体において、印字の面積や太さにかかわらず明確な印字が可能なレーザー印字用積層体および該積層体からなる印字ラベルを提供することにある。
本発明者らは、視認可能な色差を有しレーザー光照射により除かれ得る着色層を透明基材の両面に積層することにより、前記課題を解決するレーザー印字用積層体を得た。
本発明の積層体は、透明基材の両面に、レーザー光照射により除かれ得る着色層が設けられた積層体であり、片面の着色層をレーザー光照射により所望の形に破壊して除去することにより、除去部分では透明基材をとおして反対側の着色層の色が視認され、所望の印字や画像を発現することができる。
本発明の積層体は、印字の色を発現する着色層が破壊される恐れがないので、印字面積が広大あるいは、太線である場合でも、明確で鮮明な印字が可能である。
さらに、単一の積層体でレーザー照射の方向により、反転した2種類の印字体を得ることができる。たとえば、透明基材層の片面に黒色着色層、反対面に白色着色層が積層された積層体は、黒色着色層側からのレーザー照射により、黒地に白文字の印字体、白色着色層側からのレーザー照射により、白地に黒文字の印字体の作成が可能となる。
以下に本発明の積層体を詳細に説明する。
本発明の積層体は、レーザーの吸収能を有する着色層に、レーザーを出力調整して集光し、文字などのパターン状に照射することにより、照射された部分を発熱・溶融・ミスト化、或いは、発熱・分解・灰化し、パターン状に除去し、除去部分に透明基材の反対面の着色層の色を発現させるものであり、透明基材の両面にそれぞれ色の異なる着色層を設けた積層体である。
本発明の積層体は、レーザーの吸収能を有する着色層に、レーザーを出力調整して集光し、文字などのパターン状に照射することにより、照射された部分を発熱・溶融・ミスト化、或いは、発熱・分解・灰化し、パターン状に除去し、除去部分に透明基材の反対面の着色層の色を発現させるものであり、透明基材の両面にそれぞれ色の異なる着色層を設けた積層体である。
本発明で用いられる透明基材を構成する樹脂としては透明樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PET樹脂と記載する)、アクリル樹脂等が使用可能であり、ラベルとしての取り扱い性の点からポリカーボネート樹脂、PET樹脂、アクリル樹脂が好ましく、更に、コスト面を考慮すれば、PET樹脂やアクリル樹脂が特に好ましい。
透明基材はその用途・材質に応じて適宜の透明性・厚さの基材が用いられる。反対側の着色層の色が明確に視認できるためには、使用するシート厚での透明基材の全光線透過率は50%以上、好ましくは75%以上であることが必要である。
透明基材がPET樹脂の場合、ラベルとしての取り扱い性から、基材厚みは20〜200μm、好ましくは20〜150μm、特に好ましくは30〜100μmであるのがよい。厚さが200μm以上であれば、ラベルのコシが強くなりすぎ、曲面に貼り付けると、浮きあがったり剥がれたりする場合があり、また価格的にも非常に高価なものになってしまう。また、厚さが20μm未満であれば、ラベルのコシが弱すぎるため、たとえばオートラベラーで貼り付けようとした場合、ラベルが剥離紙から起き上がらず、連続貼り付けできなくなるなどの問題がある。
本発明の積層体は、前記透明基材の両面にレーザー光照射により除かれ得る着色層を有する。着色層は樹脂に着色剤を加えた着色樹脂を公知の方法で、所定厚みで透明基材の表面に積層または、塗工すること等により形成される。着色樹脂としてはペンキ等の市販の樹脂ベースを使用してもよい。
本発明で用いられる着色樹脂層を構成する樹脂としては、透明基材との密着性がよいものであれば特に制限はないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂等が使用可能であり、更に価格などを考慮すれば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂が特に好ましい。
、着色樹脂層の膜厚は3〜50μm、好ましくは5〜40μm、より好ましくは7〜35μmである。膜厚が3μm未満であれば、下地層を隠蔽するために顔料コンテントを高くしなければならず、その結果、着色樹脂層が脆くなってしまい、ラベルを曲げると割れたり、部分的に剥離するなどの問題が発生することがある。また、膜厚が50μm以上であると、レーザーにより印字する際に大きなエネルギーが必要となり、このエネルギーにより表面層の消失のみならず透明基材層、更には透明基材層背面の着色層まで消失させる可能性がある。
また、上記着色樹脂層の顔料コンテントは、3〜300重量%、好ましくは5〜250重量%、より好ましくは8〜200重量%の着色剤を含有しているのが良い。顔料コンテントが3重量%未満であれば、一般的に隠蔽性が低く背面とのコントラストが付き難く、また、300重量%以上であれば着色剤層が脆くなり、曲面に無理やり貼り付けたりすると着色剤層にクラックが発生したりする。
本発明に用いられる着色剤は、特に制限されるものではないが、レーザー光照射によって除去可能かつ長期間使用可能な耐候性のある着色剤が好ましく、具体的には、The Society of Dyers and Colourists社出版による、Colour Index 3rd Edition(1971)及びSupplements(1975)に掲載されている着色剤から選ぶことができる。以下に示す着色剤名は同書規定のColour Index Generic Nameによる。例えば、Y-1はC.I.Pigment Yellow1を意味し、またOは橙色(Orange)、Rは赤色(Red)、Vは紫色(Violet)、Bは青 色(Blue)、Cは緑色(Green)、Brは茶色(Brown)、Bkは黒色(Black)、Wは白 色(White)を表している。
上記着色剤の色としては、黄色、橙色、赤色、紫色、青色、緑色、茶色、黒色及び白色等いずれの色調のものでも用いることができる。以下、それぞれの好ましい着色剤を具体的に例示する。
上記黄色系の好ましい着色剤としては、例えば、アゾ系、縮合多環系、金属錯塩系、無機系の顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ顔料(Y-97,Y-116,Y-120,Y-151,Y-154)、ジスアゾ顔料(Y-81,Y-83,Y-155)、縮合アゾ顔料(Y-93,Y-94,Y-95,Y-128)を挙げることができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン顔料(Y-24,Y-108,Y-147,Y-123,Y-99)、イソインドリノン顔料(Y-109,Y-110,Y-173)、イソインドリン顔料(Y-139)、キノフタロン顔料(Y-138)を挙げることができ、また、金属錯塩系の好ましい顔料としては、例えば、同アゾメチン顔料(Y-117,Y-129)、ニッケルニトロソ顔料(Y-153)、ニッケルアゾ顔料(G-10)を挙げることができる。更に、無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化鉄イエロ−(Y-42)、チタン−アンチモン−ニッケル酸化物(Y-53)等を挙げることができる。
また、橙色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系、縮合多環系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ系顔料(O-36,O-5,O-38,O-60,O-62)、ジスアゾ系顔料(O-34)、縮合アゾ系顔料(O-31)を挙げることができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ペリレン系顔料(O-43)、アントラキノン系顔料(O-40,O-51)、イソインドリノン系顔料(O-42)、キナクリドン系顔料(O-48,O-49)を挙げることができる。
また、赤色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ系顔料(R-2,R-6,R-7,R-9,R-10,R-12,R-14,R-112,R-146,R-147,R-170,R-171,R-175,R-185,R-187,R-188,R-208)、アゾレ−キ系顔料(R-52:2,R-115,R-151,R-243)、縮合アゾ系顔料(R-144,R-166,R-214,R-220,R-221,R-242)、ジスアゾ系顔料(R-38,R-37)を挙げることができ、
また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン系顔料(R-168,R-177,R-216)、チオインジゴ系顔料(R-88)、ペリノン系顔料(R-194)、ペリレン系顔料(R-123,R-149,R-178,R-179,R-190,R-224)、キナクリドン系顔料(V-19,R-122,R-202,R-207,R-209,R-206)を挙げることができ、
更に、新しい顔料としてジケトピロロピロ−ル系顔料(チバガイギ−製イルガジンDPPレッドBO)を挙げることができ、また、無機系の好ましい顔料としては、ベンガラ(赤色酸化鉄R-101)、亜鉛・鉄酸化物(R-225)等を挙げることができる。
また、紫色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、モノアゾ系顔料(V-50)等を挙げることができ、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ペリレン系顔料(V-29)、アントラキノン系顔料(V-31,V-33)、チオインジゴ系顔料(V-38,V-36)、キ ナクリドン系顔料(V-19)、ジオキサジン系顔料(V-23,V-37)を挙げることができ、また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、リン酸コバルト系(V-14:1)、フェロライトバイオレット顔料(V-18)、コバルト・リチウム・バナジウムフォスフェ−ト顔料(V-47)等を挙げることができる。
また、青色系の好ましい顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
フタロシアニン系の好ましい顔料としては、例えば、α型銅フタロシアニン系顔料(B-15:1,B-15:2)、β型銅フタロシアニン系顔料(B-15:3,B-15:4)ε型フタロシアニン系顔料(B-15:6)、無金属フタロシアニン系顔料(B-16)を挙げること ができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、インダトロン系顔料(B-60,B-21,B-22,B-64)を挙げることができ、
また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、紺色(B-27)、群青(B-29)、 コバルト−アルミニウム酸化物系顔料(B-28)、コバルト−クロム−アルミニウム酸化物系顔料(B-36)等を挙げることができる。
また、緑色系の好ましい顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合多環状系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
フタロシアニン系の好ましい顔料としては、例えば、中塩素化銅フタロシアニン系顔料(G-37)、高塩臭化銅フタロシアニン系顔料(G-7)、高塩臭素化銅フタロ シアニン系顔料(G-36)等を挙げることができ、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ビオラントロングリ−ン(G-47)を挙げることができ、無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化クロム系顔料(G-17)、コバルト−チタン−ニッケル−亜鉛酸化物系顔料(G-19)、コバルト−チタン系顔料(G-50)等を挙げることができる。
また、茶色系の好ましい顔料としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、モノアゾ系顔料(Br-25,Br-32)、金属錯塩アゾ系顔料(Br-5,Br-2)、縮合アゾ系顔料(Br-23)を挙げることができ、 縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン系顔料(Br-28)、ペリレン系顔料(Br-26)を挙げることができ、
無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化鉄系顔料(Br-6)、鉄−クロム酸化物系顔料(Br-29)、亜鉛−鉄酸化物系顔料(Br-31)を挙げることができる。また、黒色系の好ましい顔料としては、有機系顔料、無機系顔料があり、有機系の好ましい顔料としては、例えば、アニリンブラック(Bk-1)、ペリレンブラック(Bk-31)等を挙げることができ、
また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、カ−ボンブラック(Bk-31)、 カ−ボンブラック(Bk-7)、カ−ボンブラック(Bk-9)、鉄黒(Bk-11)、コバルト酸 化物系顔料(Bk-13)等を挙げることができる。
また、白色系の好ましい顔料としては、無機系の顔料が好ましく、例えば、亜鉛華(W-4)、硫化亜鉛(W-7)、二酸化チタン(W-6)、炭酸カルシウム(W-18)、クレ −(W-19)、硫酸バリウム(W-21)、アルミナホワイト(W-24)、シリカ(W-27)、白雲母(W-20)、タルク(W-26)等を挙げることができる。
その他、特に好ましい顔料としては、例えば、パ−ル顔料として知られる二酸化チタン被覆雲母等を挙げることができ、その粒径が2〜200μmのものが好 ましく、更に好ましくは4〜150μm、特に好ましくは5〜100μmである。また、耐候性の点から被覆層の酸化チタンはルチル型であることが好ましい。
更に、酸化鉄等の着色剤で着色されていてもよく、干渉色を示すものであってもよく、シルバ−調、ミルク調のものであってもよい。
市販品としては、メルク製、イリオジンマ−ル製、ハイライト等がある。
また、上記着色樹脂層は、上記顔料の他、その透明性、耐候性に影響のない範囲で、マイカ、アルミ粉を含有させることができる。
また、上記着色樹脂層は、上記顔料の他、その透明性、耐候性に影響のない範囲で、マイカ、アルミ粉を含有させることができる。
中でも、好ましい顔料は非晶質又はグラファイトの形態のカーボンブラック(黒色)、酸化チタン(白色)等である。カーボンブラックの好ましい平均粒径は10〜500nmの範囲であり、微細な平均粒径の種々の市販の型のカーボンブラックを用いることができる。
カーボンブラックや酸化チタンが用いられる場合は、着色剤はそれ自身レーザー光を熱に変換する化合物となりうる。しかし、着色剤がレーザー光に関して吸収性でない場合、レーザー光を熱に変換するための化合物が必要な場合もあり、そのような場合は、顔料の混合物、あるいは1種又はそれ以上の顔料とレーザー光を熱に変換することができる1種又はそれ以上の化合物との混合物を用いることもできる。
レーザー光を熱に変換するための化合物として、カーボンブラックやシアニン系、フタロシアニン系などの赤外線吸収染料等があげられる。
着色剤として、樹脂に顔料が分散された形で市販されているカラーベースを用いることは好ましい態様である。アクリル樹脂系カラーベース、酢酸ビニル樹脂系カラーベース、セルロース樹脂系カラーベース等が使用可能である。
本発明の積層体は、透明基材の両面に異なる色の着色層を設けることによって、背景色と印字色選択することができる。どちら側からレーザー光による印字を行うかを決定した後、印字面と反対の面に接着剤層を設け、所望の被着体上に貼り付けられるようにすることが可能である。
前記接着剤層は、その膜厚が15〜100μm、好ましくは20〜70μm、より好ましくは25〜45μmである。上記膜厚が15μ以上であれば、被着体からシ−トが剥がれて被着体の屈曲等の加工適性が良好なので好ましく、膜厚が100μ未満であれば、貼着適性が良好で、コスト的にも有利である。
また、上記接着剤層の接着強度は、被着体に25.4mm幅の該複合シ−トで貼り合わせて24時間放置した後、テンシロン引張試験機での剥離試験で180゜折り返して剥離させる時の測定値が0.5kg/25.4mm以上であるものが好ましい。上記接着強度が0.5kg/25.4mm未満になると本積層体が貼着された被着体を屈曲成形すると被着体からシ−トが剥がれる虞がある。
上記接着剤層を形成する材料としては、一液硬化タイプまたは二液硬化タイプの粘着剤や接着剤、その中でも、感圧タイプの粘着剤、感熱タイプの粘着剤または接着剤等を挙げることができ、さらにその中でも、作業性などを考慮すると、一液タイプまたは二液タイプの感圧タイプ粘着剤が好ましい。
該接着剤層を構成する樹脂は、特に制限されないが、耐候性、透明性及び耐黄変性等の点からアクリル系樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂における単量体の主成分は、アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。炭素数が4〜14の範囲を逸脱すると樹脂層が柔軟性に劣る虞がある。また、上記アクリル系共重合体における単量体の主成分は、50モル%以上含有されていることが好ましい。その割合が50モル%未満になると上記アクリル系樹脂が硬くなって柔軟性に劣る虞がある。
前記アクリル系樹脂における単量体の主成分は、アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。炭素数が4〜14の範囲を逸脱すると樹脂層が柔軟性に劣る虞がある。また、上記アクリル系共重合体における単量体の主成分は、50モル%以上含有されていることが好ましい。その割合が50モル%未満になると上記アクリル系樹脂が硬くなって柔軟性に劣る虞がある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、n-ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、2-メチルペンチル(メタ)アクリレ−ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト等があげることができる。
また、上記アクリル系樹脂と共重合する他成分の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等を挙げることができる。
また、これらの樹脂に導入できる単量体の官能基としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基、ヒドロキシ(メタ)アクリレ−ト、n-メチロ−ルアクリルアミド等の水酸基、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のエポキシ基等を挙げることができるが、本発明では、一般的なポリイソシアネ−ト架橋剤を組み合せたウレタン架橋方式を採用することが好ましく、この場合には、カルボキシル基、水酸基が好ましい。
また、これらの単量体を共重合する際に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、酢酸エチル、メタノ−ル等の従来公知の溶剤が単独または二種以上混合して用いることができ、また、重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物系開始剤等を用いることができる。
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万〜100 万、より好ましくは40万〜80万である。斯る分子量は、重合開始剤の量によって、または連鎖移動剤を添加することによって調整することができる。
尚、上記アクリル系樹脂には、必要に応じて粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を添加することができる。このようにして得られたアクリル系樹脂に架橋剤として、ポリイソシアネ−トを官能基に対して0.1〜1グラム当量、好ましくは0.3〜0.7グラム当量添加することにより、被着体への接着力を強固にすることができる。また、この架橋反応に際して必要に応じて反応促進剤を添加することができる。
本発明の積層体は、たとえば、透明基材の一面に着色剤を分散させた溶剤系樹脂をコーティング、あるいはグラビアなどで印刷して乾燥させ、さらに透明基材の反対面に同様に着色剤を分散させた溶剤系樹脂をコーティング、あるいはグラビアなどで印刷して乾燥させる方法、着色したフィルムを透明基材の両面に熱ラミや接着剤など使用して積層させる方法、あるいはこれらの方法を組み合わせることなどにより作製することができる。
本願の積層体は、透明基材1の両面に、少なくともレーザー光照射により除かれ得る着色層2、3が積層されている。積層体にレーザー光を照射すると、照射側着色層2が除去され、透明基材1が露出し、反対側の着色層3と照射側着色層2との色の対比によって所望の印字画像等を形成するものである。
照射可能なレーザーとしては、CO2レーザー、Nd:YAGレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザー、半導体励起固体レーザー、Arレーザー、N2/Dyeレーザー、HeCdレーザー等があるが、一般的に設備が安価でその取り扱いも比較的容易なCO2レーザー、Nd:YAGレーザー等が使用される。
本発明においては、炭酸ガスレーザーのレーザー出力を15Wに調整した場合、スキャンスピード400から3000mm/s
の範囲で良好な印字体が得られている。レーザー光を照射部分が印字される機構の詳細は、明らかではないが、レーザー光照射によって、層中にそれを吸収して発熱し、照射部分が溶融、除去、その他等の現象を起こして印字されるものと推定される。
の範囲で良好な印字体が得られている。レーザー光を照射部分が印字される機構の詳細は、明らかではないが、レーザー光照射によって、層中にそれを吸収して発熱し、照射部分が溶融、除去、その他等の現象を起こして印字されるものと推定される。
本発明の積層体はレーザー印字装置によって、目的に応じて個別に異なった印字をすることが可能であり、製品の管理や品質保証の目的でシリアルナンバーや日付を印字し、製造時期や賞味期限等の個別情報を表示するための印字したラベルやシート等として有効に用いられる。
実施例1
固形分54.5%のアクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカライトH−4002)100重量部に、アクリル系レベリング剤(共栄社化学株式会社製 ポリフローS 固形分83%)1.4重量部、シリコン系消泡剤(日本ユニカ株式会社製 FZ−2110)0.15重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 チヌビン327)2.5重量部を混合、攪拌して固形分56%のアクリルベース配合Aを作製した。
このアクリルベース配合A100重量部に、カーボンブラック含有量18%のアクリル系黒色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−591ブラック 固形分59%)20重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した黒色溶液を、両面に易接着処理を施した50ミクロンPETフィルム(東洋紡績株式会社製 コスモシャインA4300)の片面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して黒層を設けた。
次いで、上記アクリルベースA100重量部に、酸化チタン含有量58%のアクリル系白色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−501ホワイト、固形分79%、固形分100%)200重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した白色溶液を、先に塗工した黒層と反対側のPET表面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して白層を設け、黒層/PET/白層の3層フィルムを作製した。
更に、この3層フィルムの黒層側に、アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製 ニッセツKP−982 固形分50%)100重量部、ポリイソシアネートの酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL、固形分75%)2.4重量部を混合、攪拌した粘着剤溶液をドライ厚み40μmになるよう塗工し、90℃で5分間乾燥して、その上に剥離紙(リンテック株式会社製 EK-B)を重ね合わせて、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル黒層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
固形分54.5%のアクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカライトH−4002)100重量部に、アクリル系レベリング剤(共栄社化学株式会社製 ポリフローS 固形分83%)1.4重量部、シリコン系消泡剤(日本ユニカ株式会社製 FZ−2110)0.15重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 チヌビン327)2.5重量部を混合、攪拌して固形分56%のアクリルベース配合Aを作製した。
このアクリルベース配合A100重量部に、カーボンブラック含有量18%のアクリル系黒色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−591ブラック 固形分59%)20重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した黒色溶液を、両面に易接着処理を施した50ミクロンPETフィルム(東洋紡績株式会社製 コスモシャインA4300)の片面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して黒層を設けた。
次いで、上記アクリルベースA100重量部に、酸化チタン含有量58%のアクリル系白色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−501ホワイト、固形分79%、固形分100%)200重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した白色溶液を、先に塗工した黒層と反対側のPET表面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して白層を設け、黒層/PET/白層の3層フィルムを作製した。
更に、この3層フィルムの黒層側に、アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製 ニッセツKP−982 固形分50%)100重量部、ポリイソシアネートの酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL、固形分75%)2.4重量部を混合、攪拌した粘着剤溶液をドライ厚み40μmになるよう塗工し、90℃で5分間乾燥して、その上に剥離紙(リンテック株式会社製 EK-B)を重ね合わせて、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル黒層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例2
両面易接着処理PETに代えて、75μmの透明アクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製 アクリプレンHBL002)を使用する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(13μm)/アクリルフィルム(75μm)/アクリル黒層(13μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
両面易接着処理PETに代えて、75μmの透明アクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製 アクリプレンHBL002)を使用する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(13μm)/アクリルフィルム(75μm)/アクリル黒層(13μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例3
実施例1記載の黒層溶液を、アクリルベース配合A100重量部に、シアニンブルー含有量20%のアクリル系青色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−051ブルー、固形分60%)15重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した青色溶液に変更する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル青層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例1記載の黒層溶液を、アクリルベース配合A100重量部に、シアニンブルー含有量20%のアクリル系青色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−051ブルー、固形分60%)15重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した青色溶液に変更する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル青層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例4
実施例1記載の黒層溶液を、アクリルベース配合A100重量部に、キナクリドン含有量30%のアクリル系赤色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−032レッド、固形分55%)12重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した赤色溶液に変更する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル赤層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例1記載の黒層溶液を、アクリルベース配合A100重量部に、キナクリドン含有量30%のアクリル系赤色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−032レッド、固形分55%)12重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した赤色溶液に変更する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル赤層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例5
実施例1記載の粘着剤溶液を白層側に塗工する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル黒層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル白層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
実施例1記載の粘着剤溶液を白層側に塗工する以外は実施例1と同様にし、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル黒層(30μm)/PETフィルム(50μm)/アクリル白層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性、シャープさ、バーコード読み取り性に優れ、また耐熱性、対候性も有する積層体であった。
比較例1
実施例1記載のアクリルベース配合A100重量部に、カーボンブラック含有量18%のアクリル系黒色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−591ブラック 固形分59%)20重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した黒色溶液を、両面に易接着処理を施した50ミクロンPETフィルム(東洋紡績株式会社製 コスモシャインA4300)の片面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して黒層を設けた。
次いで、同じくアクリルベースA100重量部に、酸化チタン含有量58%のアクリル系白色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−501ホワイト、固形分79%、固形分100%)200重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した白色溶液を、先に塗工した黒層の表面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して白層を設け、白層/黒層/PETの3層フィルムを作製した。
この3層フィルムのPET側に、アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製 ニッセツKP−982 固形分50%)100重量部、ポリイソシアネートの酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL、固形分75%)2.4重量部を混合、攪拌した粘着剤溶液をドライ厚み40μmになるよう塗工し、90℃で5分間乾燥して、その上に剥離紙(リンテック株式会社製 E−KB)を重ね合わせて、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/アクリル黒層(30μm)/PETフィルム(50μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性は満足するものの、シャープさ、バーコード読み取り性に劣るものであった。
実施例1記載のアクリルベース配合A100重量部に、カーボンブラック含有量18%のアクリル系黒色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−591ブラック 固形分59%)20重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した黒色溶液を、両面に易接着処理を施した50ミクロンPETフィルム(東洋紡績株式会社製 コスモシャインA4300)の片面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して黒層を設けた。
次いで、同じくアクリルベースA100重量部に、酸化チタン含有量58%のアクリル系白色カラーベース(大日精化工業株式会社製 UTCO−501ホワイト、固形分79%、固形分100%)200重量部、無黄変ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートHK、固形分100%)14重量部を添加し、混合、攪拌した白色溶液を、先に塗工した黒層の表面にドライ厚み30μmになるように塗工し、90℃で10分間乾燥して白層を設け、白層/黒層/PETの3層フィルムを作製した。
この3層フィルムのPET側に、アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製 ニッセツKP−982 固形分50%)100重量部、ポリイソシアネートの酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL、固形分75%)2.4重量部を混合、攪拌した粘着剤溶液をドライ厚み40μmになるよう塗工し、90℃で5分間乾燥して、その上に剥離紙(リンテック株式会社製 E−KB)を重ね合わせて、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
アクリル白層(30μm)/アクリル黒層(30μm)/PETフィルム(50μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
得られた積層体は、表2に示すように、レーザー印字の文字抜け性は満足するものの、シャープさ、バーコード読み取り性に劣るものであった。
比較例2
実施例1記載のアクリルベースAを、次の塩化ビニルベースAに変更する以外は実施例1と同様にして、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
塩ビ白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/塩ビ黒層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
塩化ビニルベースA:
塩化ビニル樹脂(ヴイテック株式会社 MT−1100)85重量部、エチレン樹脂(三井・デュポン・ポリケミカル株式会社製 エルバロイ742)15重量部、ポリエステル系可塑剤(旭電化株式会社製 PN−1430)5重量部、Ba−Zn系安定剤(旭電化株式会社製 AC−169)2重量部、Sn系安定剤(勝田化工株式会社製 TM−181FSJ)0.5部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製 チヌビン320)0.5部、溶剤(アイエスピー・ジャパン株式会社製 THF)350部を混合し、攪拌、溶解する。
得られた積層体は、表2に示すように、シャープさ、バーコード読み取り性レーザー印字の文字抜け性は満足するものの、対候性・耐熱性に劣るものであった。
実施例1記載のアクリルベースAを、次の塩化ビニルベースAに変更する以外は実施例1と同様にして、次の構成のレーザー印字用積層体を作製した。
塩ビ白層(30μm)/PETフィルム(50μm)/塩ビ黒層(30μm)/粘着剤(40μm)/剥離紙
塩化ビニルベースA:
塩化ビニル樹脂(ヴイテック株式会社 MT−1100)85重量部、エチレン樹脂(三井・デュポン・ポリケミカル株式会社製 エルバロイ742)15重量部、ポリエステル系可塑剤(旭電化株式会社製 PN−1430)5重量部、Ba−Zn系安定剤(旭電化株式会社製 AC−169)2重量部、Sn系安定剤(勝田化工株式会社製 TM−181FSJ)0.5部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製 チヌビン320)0.5部、溶剤(アイエスピー・ジャパン株式会社製 THF)350部を混合し、攪拌、溶解する。
得られた積層体は、表2に示すように、シャープさ、バーコード読み取り性レーザー印字の文字抜け性は満足するものの、対候性・耐熱性に劣るものであった。
上記実施例、比較例記載のレーザー印字用積層体を以下に示す試験方法によって試験した。
(1)文字抜け性
SUN株式会社製 LP−430を用い、出力10W、スキャンスピード500mmを130μm、250μm、400μmの太さでそれぞれ印字した。剥離紙を剥離し、各文字を粘着剤層側から透過光で観察し、レーザーにより積層体が焼き切られていない場合を○、粘着剤層まで焼き切れている場合を×とした。
(1)文字抜け性
SUN株式会社製 LP−430を用い、出力10W、スキャンスピード500mmを130μm、250μm、400μmの太さでそれぞれ印字した。剥離紙を剥離し、各文字を粘着剤層側から透過光で観察し、レーザーにより積層体が焼き切られていない場合を○、粘着剤層まで焼き切れている場合を×とした。
(2)文字のシャープさ
レーザー抜け性を評価したサンプルの表面から、印字した文字の端部を光学顕微鏡(オリンパス株式会社製 BX51)にて観察し、次の基準によって判定を行った。
文字の端部がシャープできれいである:○
文字の端部の一部にバリが見られる:△
文字の端部全体にバリが発生している:×
レーザー抜け性を評価したサンプルの表面から、印字した文字の端部を光学顕微鏡(オリンパス株式会社製 BX51)にて観察し、次の基準によって判定を行った。
文字の端部がシャープできれいである:○
文字の端部の一部にバリが見られる:△
文字の端部全体にバリが発生している:×
(3)バーコード読み取り性
レーザー抜け性と同じ条件で、EAN128パターンのバーコードを印字した。このバーコードをバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取りできた場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
レーザー抜け性と同じ条件で、EAN128パターンのバーコードを印字した。このバーコードをバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取りできた場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
(4)耐熱性
バーコード読み取り性試験と同じ要領でEAN128パターンのバーコードを印字したサンプルを、150℃の環境下で1000時間放置した後にバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取り出来た場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
バーコード読み取り性試験と同じ要領でEAN128パターンのバーコードを印字したサンプルを、150℃の環境下で1000時間放置した後にバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取り出来た場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
(5)耐候性
バーコード読み取り性試験と同じ要領でEAN128パターンのバーコードを印字したサンプルを、スーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製 SUV−F2)で50mW/cm2の照射強度で300時間照射した後にバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取り出来た場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
バーコード読み取り性試験と同じ要領でEAN128パターンのバーコードを印字したサンプルを、スーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製 SUV−F2)で50mW/cm2の照射強度で300時間照射した後にバーコードリーダーで10回読み取りさせ、10回とも読み取り出来た場合を○、1回でも読み取りできなかった場合を×とした。
Claims (7)
- 透明基材の両面に、視認可能な色差を有しレーザー光照射により除かれ得る着色層が積層されていることを特徴とするレーザー印字用積層体。
- 透明基材がポリエチレンテレフタレート基材であり、着色層がアクリル系樹脂である請求項1に記載したレーザー印字用積層体。
- 層厚20〜200μmの透明基材の両面に、層厚3〜50μmの着色層が積層されている請求項1または2に記載したレーザー印字用積層体。
- 着色層の片面の色相が白色であり、他の面の色相が黒である請求項1〜3いずれかに記載するレーザー印字用積層体。
- 両着色層の色差(△E)が12以上である請求項1〜4いずれかに記載するレーザー印字用積層体。
- 透明基材の両面に、視認可能な色差を有しレーザー光照射により除かれ得る着色層が積層されているレーザー印字用積層体に、一方の着色層側からレーザー光を照射して、照射側の着色層を除去し、反対側の着色層との色の対比でレーザー印字画像を形成してなることを特徴とする印字体。
- 透明基材の両面に、視認可能な色差を有しレーザー光照射により除かれ得る着色層が積層されているレーザー印字用積層体に、一方の着色層側からレーザー光を照射して、照射側の着色層を除去し、反対側の着色層との色の対比でレーザー印字画像を形成した印字体の非印字面に接着剤層を設けたレーザー印字ラベル。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100316 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100803 |