JP2007103877A - 半絶縁性GaAsウエハ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半絶縁性GaAsウエハの研削加工に起因するマイクロクラックを除去し、アニールの際のスリップを防止する。
【解決手段】GaAsインゴット10より切り出された半絶縁性GaAsウエハ11の外周縁部13に研削加工により面取り部12を形成し、この半絶縁性GaAsウエハ11にイオンを打ち込んだ後、アニール処理するようにした半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、前記半絶縁性GaAsウエハの前記面取り部12を含む外周縁部13に所定量の鏡面研磨加工を施して前記研削加工によって発生したマイクロクラックを除去することにより、アニールの際のスリップを防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半絶縁性GaAsウエハの製造方法に係り、特に、アニール処理の際のスリップを抑制する半絶縁性GaAsウエハの製造方法に関するものである。
一般に、半絶縁性GaAsインゴットはLEC法(液体封止引き上げ法)、縦型融液法(垂直ブリッジマン法(VB法)、垂直温度勾配凝固法(VGF法))で製造されており、スライス、イオン打ち込み、アニール、研磨等のプロセスを経て、電子デバイスの製造プロセスに電子デバイス用基板として供給される。
図6は従来の半絶縁性GaAsウエハの製造工程を示す工程図である。
同図に示すように、従来の半絶縁性GaAsウエハの製造工程は、スライス工程A、面取り工程B、ウエハ面の研磨工程C、イオン注入工程(ion implantation)D、アニール工程Eで構成されており、GaAsインゴットをスライス加工してウエハ形状とした後(スライス工程A)、スライスした半絶縁性GaAsウエハのウエハエッジ部、すなわち、外周縁部に面取り加工(面取り工程B)を施し、その後、ウエハ面を研磨加工(ウエハ面の研磨工程C)してこれを電子デバイス用基板としてイオン注入工程Dに供給している。なお、Siウエハでは、デバイス製造時に発生するパーティクルを取り除くため、面取り加工後に、その表面を鏡面研磨に仕上げることがなされている。
イオン注入工程Dは、半絶縁性GaAsウエハに、例えば、Siイオンを打ち込んで半絶縁性GaAsウエハの導電性を向上させるための工程であり、活性化アニールに代表されるアニール工程Eは、半絶縁性GaAsウエハのウエハ面内温度を均一化しながら所定のアニール条件で所定時間所定温度に加熱することによりイオン注入工程Dで結晶中に無理やり打ち込んだ結晶の格子配列の乱れをきれいに再配列させることで、イオン打ち込みによる導電率の向上を図る工程である。導電性を向上する活性化アニールの処理温度や加熱時間、不純物の種類、濃度等のアニール条件については、各電子デバイスメーカが独自の条件を設定し転位、歪み、固有欠陥の少ない製造方法を検討しているが、一般には、温度を約500〜900℃付近まで急昇温し、その後、急冷するという方法が用いられている。なお、この種の技術としては、例えば、面内の転位密度が1×104cm以下で、炭素濃度が0.5〜2.5×10-15cm-3の範囲にあり、さらに、炭素以外の不純物濃度が.1×1017cm-3未満であるGaAs結晶の製造方法において、昇温又は冷却の温度変化が600℃以下の温度範囲で150℃/h以下、750℃〜1000℃の温範囲で50℃/h、且つ800℃〜1000℃の温度範囲で1〜100時間保持することで、低転位密度を維持するとともに、結晶の電気特の均一化を高めるようにした熱処理方法が提案されている(特許文献1)。
特開平11−268997号公報
しかしながら、前記提案のようにアニール条件を種々変更しても半絶縁性GaAsウエハにスリップ転位が発生することがあり、製品として使用することができない場合がある。
そこで、前記した半絶縁性GaAsウエハの製造工程とスリップ転位との関係や半絶縁性GaAsウエハの残留歪とスリップ転位との関係を鋭意検討した結果、次のことが分かった。
(1)前記半絶縁性GaAsウエハの製造工程では、半絶縁性GaAsウエハの外周縁部に砥石により研削加工を施しているが、砥石により研削加工を施すと、半絶縁性GaAsウエハの面取り部を含む外周縁部にマイクロクラックが発生しており、このマイクロクラックがスリップ転位の発生要因となっていることが分かった。半絶縁性GaAsウエハでもマイクロクラックが発生すると、金属でよくみられるようにマイクロクラックを起点とした脆性破壊と同様の現象が発生するものと考えられる。
(2)ウエハ面内の残留歪とスリップ転位の発生率(スリップ発生率)との関係では、両者に相関があり、残留歪が高くなるとスリップ発生率が徐々に高くなる傾向がある。そして、半絶縁性GaAsウエハには残留歪がある値を超えるとアニールでのスリップ発生率が一気に高くなる臨界点があることが分かった。
従って、導電性の良好な半絶縁性GaAsウエハを製造するためSiイオンなどのイオンを打ち込んだ後、格子の再配列のためにアニールを実施する半絶縁性GaAsウエハの製造方法においては、研削によるマイクロクラックの発生や面内残留歪値とスリップ発生率との関係を考慮する必要があり、従来の直径約10.16cm(4インチ)サイズから直径約15.24cm(6インチ)サイズ、さらには、その上のサイズの半絶縁性GaAsウエハを製造できるようにする必要がある。
本発明の第1の目的は、半絶縁性GaAsウエハの研削加工に起因するマイクロクラックを除去し、アニールの際のスリップを防止することにある。
本発明の第2の目的は、半絶縁性GaAsウエハの残留歪を適正にし、スリップ発生率を低下させることにある。
請求項1記載の発明は、GaAsインゴットより切り出された半絶縁性GaAsウエハの外周縁部に研削加工により面取り部を形成し、この半絶縁性GaAsウエハにイオンを打ち込んだ後、アニールを施すようにした半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、前記半絶縁性GaAsウエハの面取り部を含む外周縁部に鏡面研磨加工を施して前記研削加工によって発生したマイクロクラックを除去するようにしたものである。
このように半絶縁性GaAsウエハの面取り部を含む外周縁部に鏡面研磨加工を施してマイクロクラックを除去するので、アニールの際に、マイクロクラックに起因するスリップ転位の発生が抑制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記半絶縁性GaAsウエハの前記研削加工前の光弾性測定による残留歪値|Sr−St|又はGaAsインゴットの光弾性測定による残留歪値|Sr−St|が1.8×10-5以下であるようにしたものである。
残留歪は結晶成長時に受ける熱履歴と関連があり、結晶中の温度差が大きいほど残留歪値は高くなる傾向にある。また、残留歪値とスリップ発生率との間にも相関があり、GaAsインゴット又はGaAsウエハの面内の光弾性測定により測定された面内の残留歪値|Sr−St|=1.8×10-5を超えるとスリップ発生率は一気に上昇する。このため、請求項2記載の発明では、半絶縁性GaAsウエハのウエハ面内の残留歪値|Sr−St|又はGaAsインゴットの残留歪値|Sr−St|をそれぞれ1.8×10-5以下とし、残留歪によるスリップの発生に対応する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記GaAsインゴットとして、結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を2.0℃/cm以下としてVB法又はVGF法により成長させたGaAsインゴットを用いるものである。
このようにすると残留歪値|Sr−St|がGaAsインゴットの段階で1.8×10-5以下となる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記GaAsインゴットとして、結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を2.0℃/cm以下、最高到達温度を1000℃から前記GaAsインゴットの融点未満とし、600℃〜最高到達温度の温度範囲でアニール処理を施したGaAsインゴットを用いるものである。
このようにすると、残留歪値|Sr−St|がGaAsインゴットの段階で1.8×10-5以下となる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずかに記載の発明において、前記鏡面研磨加工による前記面取り部を含む外周縁部の研磨量が20μm≦研磨量≦60μmの範囲内に定められたものである。
前記面取り部を含む外周縁部の前記鏡面研磨加工による研磨量の下限を20μm未満とするとマイクロクラックが十分に除去されず、アニールの際にスリップが多く発生してしまうが、前記研磨量を20μm以上、60μm以下とするとこのような問題が解消される。ここで、前記研磨量の上限を60μmとするのは60μmまで研磨すればマイクスリップの除去は十分となり、それ以上の研磨をしても作業時間のロスをもたらすだけになるからである。
以上、説明したことから明らかなように、本発明によれば、アニールの際のスリップが抑制され、製品の歩留まりが向上するという優れた効果が発揮される。
以下、図1乃至図6を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
まず、図3及び図4を参照して本発明にかかるLEC法及び縦型融液法(VB法、VGF法)によるGaAsインゴットの製造方法について説明する。
図3はLEC法に係るGaAs単結晶製造装置を示している。
図示されるように、LEC法に用いるGaAs単結晶製造装置1は、炉体部分であるチャンバ2、結晶を引き上げる為の引上軸3、原料の容器であるルツボ5、このルツボ5を受ける為のルツボ軸4を有する構造となっている。
LEC法によるGaAsインゴット10の製造方法では、先ず原料の容器となるルツボ5に、GaとAs及びAsの揮発防止材である三酸化硼素6を入れ、これをチャンバ2内にセットする。また、引上軸3の先端に結晶の元となる種結晶7を取り付ける。ルツボ5には、例えば、材質がPBNのルツボを用いる。
種結晶7はGaAs融液と接する面を(100)面とする。チャンバ2に原料をセットした後、チャンバ2内を真空にし、不活性ガスを充填する。この後、チャンバ2内に設置してある抵抗加熱ヒータ8に通電してチャンバ2内の温度を昇温させ、GaとAsとの合成によりGaAsを作製する。その後、更に、昇温させGaAsを融液化させ、GaAs融液9とする。続いて、引上軸3、ルツボ軸4を回転方向が互いに逆になるように回転させる。この状態で、引上軸3を、先端に取り付けてある種結晶7がGaAs融液9に接触するまで下降させる。続いて、抵抗加熱ヒータ8の設定温度を徐々に下げながら引上軸3を一定の速度で上昇させることで、種結晶7から徐々に結晶径を太らせながら結晶肩部を形成する。目標とする結晶外径となったならば、外径を一定に保つように外形制御を行い、例えば、直径、約15.24cm(6インチ)のGaAsインゴット10を製造する。
このようにLEC法による製造方法では、急温度勾配状態で成長を行なうため、結晶成長時の温度勾配の制御によって、GaAsインゴット10の残留歪値|Sr−St|を|Sr−St|≦1.8×10-5とすることができない。
このため、LEC法の場合は、GaAsインゴット10の育成後、このGaAsインゴット10にアニールを施し、残留歪値|Sr−St|を|Sr−St|≦1.8×10-5とする。
GaAsインゴット10に対するアニールの条件は、結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を2.0℃/cm以下、最高到達温度を1000℃から前記GaAsインゴット10の融点未満とし、600s℃〜最高到達温度の温度範囲でアニールを施す。
ここで、残留歪値|Sr−St|は、応力の大きさによって偏向面が回転する光弾性測定により測定する。Srは円柱座標での半径方向の伸縮歪を、Stは円柱座標での円柱接線方向の歪である。残留圧縮歪値|Sr−St|は下式によって定義されている。
|Sr−St|={|Syy−Szz2十|2Syz2(1/2)
但し、|Syy−Szz|は伸縮歪、|2Syz|は、剪断歪である。
なお、光弾性測定により歪を測定する光弾性測定装置(残留ひずみ測定装置)は、American Institute of Physics[Rev.Sci.Instrum.64(7)、July 1993、P,1815〜1821]にMasayosi Yamada(Kyto Institute of Technogy)に投稿されたHigh−Sensitivity computer-controlled Infrared ploariscopeが知られている。
図4は縦型融液法(VB法、VGF法)に係るGaAs単結晶製造装置を示している。
同図に示すように、縦型融液法(VB法、VGF法)のGaAs単結晶製造装置21は、炉体部分であるチャンバ22と、原料の容器であるルツボ25を受ける為のルツボ軸24を有する構造となっている。
VB法(若しくはVGF法)によるGaAsインゴットの製造方法では、先ず原料の容器となるルツボ25に、GaAs多結晶及びAsの揮発防止材である三酸化硼素26を入れる。ルツボ25には、例えば、材質がPBNのルツボを用いる。
ルツボ25の先端細径部内に、結晶の元となる種結晶27を取りつける。種結晶27は、GaAs融液と接する面を(100)面とする。これらをチャンバ22内にセットした後、チャンバ22内を真空にし、不活性ガスを充填する。その後、チャンバ22内に設置してある抵抗加熱ヒータ28に通電し、チャンバ22内の温度を下部から上部に向かって温度が高くなるように温度勾配を設定した状態で昇温し、ルツボ25内のGaAs多結晶を融液化させ、GaAs融液29とする。次に、ルツボ25の先端に設置した種結晶27にGaAs融液29が接触するまで炉内温度を昇温し種付けを行なう。
VB法の場合は、この状態から抵抗加熱ヒータ28の設定値を固定した状態のままルツボ軸24を一定の速度で降下させることで、種結晶27からGaAs融液29を固化させてGaAsインゴット(図示せず)の製造を行う。
また、VGF法の場合は、種付け後に、ルツボ軸24は移動させず、抵抗加熱ヒータ28の設定値を一定の割合で降温させることで、種結晶27からGaAs融液29を固化させてGaAsインゴット(図示せず)の製造を行う。
そして、VB法及びVGF法の場合には、成長は低温度勾配下で行ない、結晶成長時の結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を、2.0℃/cm以下とし、応力の大きさによって偏向面が回転する光弾性測定による残留歪値|Sr−St|を|Sr−St|≦1.8×10-5とする。なお、この場合「成長時」とは結晶が融液状態から固化する過程から固化後から結晶温度が600℃以下となる徐冷過程までを含むものとする。
このようにLEC法で育成するGaAsインゴット10については結晶成長後のGaAsインゴット10のアニールにより残留歪値|Sr−St|が|Sr−St|≦1.8×10-5となり、また、縦型融液法(VB法、VGF法)では、成長の段階で残留歪値|Sr−St|が|Sr−St|≦1.8×10-5となるので、それぞれGaAsインゴット10から切り出す半絶縁性GaAsウエハ11のウエハ面内の残留歪値|Sr−St|は1.8×10-5以下となり、残留歪に対するスリップ発生率は大幅に低下する。
図1は半絶縁性GaAsウエハ11の製造方法を示す工程図である。
まず、前記GaAsインゴット10を所定の厚さ(例えば、約625μm)でスライスし、半絶縁性GaAsウエハ11を切り出す(スライス工程A)。続いて、図2に示すように、前記半絶縁性GaAsウエハ11の外周縁部を面取り機(砥石)で面取りし、面取り部12を形成する(面取り工程B)。その後、面取り部12を含む外周縁部(ウエハ端部)13、すなわち、ウエハエッジ部に、前記鏡面研磨加工を施し、砥石による研削加工によって発生したマイクロクラックを除去する。鏡面研磨加工の研磨量ΔLは、20μm以上、60μm以下とする(ウエハエッジ部の研磨工程B1)。
次に、半絶縁性GaAsウエハ11のウエハ表面の研磨を行う(ウエハ面の研磨工程C)。このウエハ面の研磨工程Cはラッピング工程、エッチング工程、ポリッシング工程、洗浄・乾燥工程などから成る。
エッチング工程では、前記半絶縁性GaAsウエハ11,11,…間の厚さばらつきやウエハ面の平坦性を整えた後、エッチング液による化学エッチングによって、加工歪層を除去する。
ポリッシング工程では、例えば、セラミックス板にウエハ裏面を貼り、表面を下にし、ポリッシャーの研磨布を貼った回転研磨テーブルにあて、研磨液を上から滴下しながらメカノケミカル研磨により鏡面に仕上げる。
次に、洗浄を行ない、最後に乾燥する(洗浄・乾燥工程)。この後は、ウエハを電子デバイス用基板として、イオン注入工程Dと活性化アニール工程Eとからなる電子デバイスの製造プロセスに供給し、イオン注入工程Dで、導電性を高めるためのイオン、例えば、Siイオンを打ち込んだ後、活性化アニール工程Eで
で活性化アニールを施してイオン打ち込みによる格子配列の乱れを再配列により修正し、導電性を向上する。
半絶縁性GaAsウエハ11のアニールの際は、半絶縁性GaAsウエハ11の残留歪値|Sr−St|が既に1.8×10-5以下で、面取り部12を含む外周縁部、すなわち、ウエハエッジ部が20μm≦研磨量≦60μmの範囲内で鏡面研磨によって既に除去されているので、マイクロクラックに起因するスリップも発生しない。
図5は前記製造方法で製造した半絶縁性GaAsウエハ11の前記面取り部12を含む外周縁部13に対する鏡面研磨の研磨量とウエハ面内の残留歪値とをパラメータとして半絶縁性GaAsウエハ11のスリップ発生率の調べるためのウエハアニール実験炉の構成を示し、表1は、実験の結果を示している。
まず、アニール実験炉の構成を説明する。
図5に示すように、ウエハアニール実験炉14は、チャンバ15内にウエハ配置板16が水平に設置されており、その上面に半絶縁性GaAsウエハ11を配置する構造となっている。また、ウエハ配置板16の下部に、横方向に3つの加熱ゾーンが設け、各ゾーンにヒータ17を配置した3ゾーンヒータ構造となっている。これらのヒータ17により加熱する各ゾーンは、半絶縁性GaAsウエハ11の両端と中央に位置しており、各ヒータ17の設定温度を調整することで、半絶縁性GaAsウエハ11のウエハ面内の温度分布を自由に調整することができる。
実験には、直径約15.24cm(6インチ)、厚さ約625μmの半絶縁性GaAsウエハ11を用い、半絶縁性GaAsウエハ11の面取り部12を含む外周縁部13、すなわち、ウエハエッジ部に対する鏡面研磨量ΔLと残留歪値の2つをパラメータにとり、パラメータの組み合わせ毎に10枚の半絶縁性GaAsウエハ11についてスリップ発生率を調べた。なお、半絶縁性GaAsウエハ11の面取り部12を含む外周縁部13、すなわち、ウエハエッジ部の鏡面研磨量ΔL(μm)は、0、10、20、30、40、50、60(μm)とし、光弾性測定による残留歪値|Sr−St|は、0.9×10-5、1.0×10-5、1.2×10-5、1.5×10-5、1.8×10-5、2.0×10-5とした。
ウエハアニール実験炉14の温度設定については、ウエハ中央部で850℃、ウエハ両端で830℃とし、ウエハ面内で中央、両端の温度差が20℃となるよう設定した。そして、この温度設定値に到達するまでの時間を30分、到達後、5分間保持し、その後1時間で常温まで冷却した。
表1において、研磨量0μmは、面取り部12を含む外周縁部13の鏡面研磨を施さないままの状態でアニールした結果を示している。
Figure 2007103877
上記表1の結果からも明らかな様に、前記半絶縁性GaAsウエハ11の、面取り部12を含む外周縁部13の鏡面研磨量ΔLが、20μm≦研磨量ΔL≦60μmの範囲で、且つ、ウエハ面内の残留歪値|Sr−St|が、1.8×10-5以下の範囲(表1の網掛け領域)では、スリップ転位の発生率、すなわち、スリップ発生率が最大でも20%であり、本発明の有効性を示す結果となった。
また、実験では、一方のパラメータが同じでも他方のパラメータが変化すると、スリップ発生率が変化することが確認された。
本発明の一実施の形態の半絶縁性GaAsウエハの製造方法に係る工程図である。 本発明の一実施の形態に係る半絶縁性GaAsウエハの面取り部を含む外周縁部に対する鏡面研磨加工とその研磨量を示す解説図である。 本実施の一実施の形態に係るGaAs単結晶製造装置を示す解説図である。 本実施の一実施の形態の縦型融液法(VB法、VGF法)に係る図4は縦型融液法(VB法、VGF法)に係るGaAs単結晶製造装置を示す解説図である。 本実施の一実施の形態に係るウエハアニール処理の実験炉を示した概略図である。 従来の半絶縁性GaAsウエハの製造方法を示した工程図である。
符号の説明
1 GaAs単結晶製造装置
2 チャンバ
3 引上軸
4 ルツボ軸
5 ルツボ
6 三酸化硼素
7 種結晶
8 抵抗加熱ヒータ
9 GaAs融液
10 GaAs単結晶
11 半絶縁性GaAsウエハ
12 面取り部
13 外周縁部(ウエハエッジ部)
14 ウエハアニール実験炉
15 チャンバ
16 ウエハ配置板
17 3ゾーン構造ヒータ
21 GaAs単結晶製造装置
22 チャンバ
24 ルツボ軸
25 ルツボ
26 三酸化硼素
27 種結晶
28 抵抗加熱ヒータ
29 GaAs融液
ΔL 研磨量

Claims (5)

  1. GaAsインゴットより切り出された半絶縁性GaAsウエハの外周縁部に研削加工により面取り部を形成し、この半絶縁性GaAsウエハにイオンを打ち込んだ後、アニールを施すようにした半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、
    前記半絶縁性GaAsウエハの面取り部を含む外周縁部に鏡面研磨加工を施して前記研削加工によって発生したマイクロクラックを除去するようにしたことを特徴とする半絶縁性GaAsウエハ製造方法。
  2. 請求項1記載の半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、
    前記半絶縁性GaAsウエハの前記研削加工前の光弾性測定による残留歪値|Sr−St|又は前記GaAsインゴットの光弾性測定による残留歪値|Sr−St|が1.8×10-5以下であることを特徴とする半絶縁性GaAsウエハ製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、
    前記GaAsインゴットとして、結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を2.0℃/cm以下としてVB法又はVGF法により成長させたGaAsインゴットを用いることを特徴とする半絶縁性GaAsウエハ製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2記載の半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、
    前記GaAsインゴットとして、結晶中の長手方向及び径方向の温度勾配を2.0℃/cm以下、最高到達温度を1000℃から前記GaAsインゴットの融点未満とし、600℃〜最高到達温度の温度範囲でアニール処理を施したGaAsインゴットを用いることを特徴とする半絶縁性GaAsウエハ製造方法。
  5. 請求項1〜4いずかに記載の半絶縁性GaAsウエハ製造方法において、
    前記鏡面研磨加工による前記面取り部を含む外周縁部の研磨量が、20μm≦研磨量≦60μmの範囲内に定められたことを特徴とする半絶縁性GaAsウエハ製造方法。
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