JP7271875B2 - 酸化物単結晶基板の製造方法 - Google Patents

酸化物単結晶基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物単結晶基板の製造方法に関する。
タンタル酸リチウム単結晶基板やニオブ酸リチウム単結晶基板は、主に携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の通信機器の送受信用のデバイスに用いられる表面弾性波(SAW)フィルタ(以下、SAWフィルタと称す。)の基板材料として使用されている。これら単結晶基板の材料であるタンタル酸リチウム(LiTaO;以下、LTともいう)単結晶、及びニオブ酸リチウム(LiNbO;以下、LNともいう)単結晶は、融点がそれぞれ約1650℃、約1250℃、キュリー点がそれぞれ約600℃、約1140℃の強誘電体であり、圧電性を有する。SAWフィルタは、LT,LN単結晶等の圧電材料で構成された単結晶基板上にAl,Cu合金等の金属薄膜で一対の櫛形電極を形成した構造となっており、この櫛形電極がデバイスの特性を左右する重要な役割を担っている。
LT,LN単結晶は、主にチョクラルスキー法で製造されており、通常、高融点の貴金属ルツボを用い、電気炉中で育成され所定の冷却速度で冷却された後、電気炉から取り出される。育成された単結晶には、熱応力による残留歪みを取り除くため、融点に近い均熱下での熱処理、更に単一分極とするためのポーリング処理、すなわち、単結晶を室温からキュリー温度以上の所定温度まで昇温させ、単結晶に電圧を印加し、電圧を印加したままキュリー温度以下の所定温度まで降温させた後、電圧印加を停止して室温まで冷却する一連の処理が施される。育成された単結晶は、ポーリング処理後、外形を整えるために外表面が研削され、円柱状になった単結晶インゴットからウエハ状の単結晶基板へと加工される。
円柱状の単結晶インゴットを加工する手順としては、通常、スライス工程、円形加工(ベベル)工程、ラッピング工程、エッチング工程、ポリッシュ工程等の機械加工の順に行われて、ウエハ状の単結晶基板が製造されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の加工対象は、化合物半導体基板であるが、LT,LN単結晶基板も同様であり、スライス工程、円形加工(ベベル)工程、ラッピング工程、エッチング工程、ポリッシュ工程等の機械加工を経てLT,LN単結晶基板(以下、単に単結晶基板と称す。)となる。円形加工(ベベル)工程では、ダイヤモンド砥石を用いて、単結晶基板の外周端部に面取り加工を施し、以後のプロセスでの割れを防止するとともに、単結晶基板の直径が所定の大きさとなるようにしている。
ところで、SAWフィルタでは、圧電材料上にスパッタリングにより金属薄膜を形成した後、フォトリソグラフ技術により一対の櫛形パターンを残して不要な部分をエッチング除去することにより櫛形電極が形成されるが、この製造プロセスにおいて、プロセスで受ける単結晶基板の温度変化によって単結晶基板の外周端部が起点となって単結晶基板に割れが発生し、SAWフィルタの製造プロセスでの歩留まり低下が生じている。
その原因として、上記ベベル工程で施される単結晶基板の外周端部のベベル加工に起因して、外周端部の傾斜部に発生するマイクロクラックと加工歪み層とが挙げられている。すなわち、ベベル加工により物理研磨処理された加工面は粗いため、基板の外周端部の傾斜部には電子顕微鏡で確認される程度の小さな亀裂(マイクロクラック)が発生し、さらに、物理研磨処理により単結晶基板の表面に応力が掛かることにより加工歪み層が存在する。これら単結晶基板の外周端部のマイクロクラックと加工歪み層とが、その後のラッピング工程、エッチング工程、ポリッシュ工程で除去されずにSAWフィルタの製造工程に投入されて、単結晶基板の割れの原因となっている。
この対策として、ポリッシュ工程の前に単結晶基板の外周端部の傾斜部を研磨処理するエッジポリッシュ方法(例えば、特許文献2)が提案されている。このエッジポリッシュ工程により、単結晶基板の傾斜部が研磨されるので上記したマイクロクラック及び加工歪み層の発生が抑えられ、単結晶基板に衝撃や熱応力が加わったときにLT,LN単結晶基板等の硬い脆性材料でも割れを抑制し、SAWフィルタの製造プロセスにおいて歩留まりを向上させることが可能となる。
また、エッジポリッシュ工程において、単結晶基板の外周端部の傾斜部を研磨するために、単結晶基板を複数枚積層し、その単結晶基板の外周端部に弾性ブラシを有する研磨ブラシを接触させ、その接触部に研磨液を供給して外周端部の傾斜部を研磨するエッジポリッシュ装置(特許文献3)が提案されている。
また、ガラス基板のエッジポリッシュ工程では、ガラス基板の間にスペーサを挟んでガラス基板同士を離間させた状態で複数枚のガラス基板を積層し、ガラス基板とスペーサとの隙間に、螺旋状に配置された研磨ブラシを入れて、ガラス基板の外周端部を研磨する方法が提案されている(特許文献4参照)。
特開2009-182135号公報 特開2001-332949号公報 特開2001-259996号公報 特開2007-118172号公報
特許文献3の装置を使用して単結晶基板に対してエッジポリッシュ工程を行うと、単結晶基板の外周端部付近は、研磨ブラシが接触しやすいため、鏡面加工を十分に施すことができるが、単結晶基板の外周端部の傾斜部と表裏平面との境界部付近の領域は、研磨ブラシの先端が届きにくくなるため、十分な鏡面加工が施されないことがある。エッジポリッシュ加工後の単結晶基板は、その外周端部付近が鏡面であっても、傾斜部と表裏平面との境界部付近の領域が鏡面加工にされずにベベル加工時の加工面が残っていると、マイクロクラック及び加工歪み層が残留し、SAWフィルタの製造時に、マイクロクラック及び加工歪み層が起点となって単結晶基板に割れが発生する。
また、傾斜部と表裏平面との境界部付近のマイクロクラックと歪み層の残留をなくすため、エッジポリッシュ加工時の押し込み量を増加させる等、エッジポリッシュ加工量を増やし、単結晶基板の外周端部の傾斜部と表裏平面との境界部付近の領域まで十分に鏡面加工を行うようにすれば、単結晶基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れはなくなる。しかし、外周端部の傾斜部に対して、さらに内側(単結晶基板の中心側)に位置する領域まで透明になる。
単結晶基板の製造プロセス及びSAWフィルタ等のデバイス製造プロセスでは、オリエンテーションフラット(以下、オリフラと称す。)の検出をレーザーセンサー等のセンサーで行っている。単結晶基板のオリフラに相当する外周端部の環状の領域は、その裏面側がラッピング加工後の曇った面となっており、レーザービームの透過度の差によりオリフラを検出している。しかし、上述のように単結晶基板の外周端部の傾斜部よりさらに内側(単結晶基板の中心側)の領域の表面と裏面が鏡面加工され透明になると、オリフラの検出ができなくなってしまう。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、単結晶基板の外周端部の傾斜部と表裏平面との境界部付近のマイクロクラックと加工歪み層の残留を抑制し、オリフラの検出ミスを抑制することができ、生産性の良い酸化物単結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、LT単結晶基板やLN単結晶基板等の酸化物単結晶基板の製造方法において、外周傾斜部をベベル加工するベベル工程を行った後で、ベベル加工された面を研磨加工するエッジポリッシュ工程を行い、傾斜部とさらに内側の表面・裏面の領域が透明になるまで鏡面研磨し、その後でラッピング工程を行い、単結晶基板の表面と裏面を粗研磨するとともに、先に行ったエッジポリッシュ工程で透明になった傾斜部のさらに内側の表面と裏面の領域も粗研磨する。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、酸化物単結晶から生成された単結晶基板の外周端部を面取りするベベル工程と、単結晶基板の表面と裏面を粗研磨するラッピング工程と、単結晶基板の外周端部を鏡面研磨するエッジポリッシュ工程とを少なくとも含む酸化物単結晶基板の製造方法であって、エッジポリッシュ工程は、ラッピング工程より先に行い、ベベル工程で加工された外周端部を鏡面研磨する工程でありエッジポリッシュ工程の後にラッピング工程を行って、単結晶基板の表面と裏面を粗研磨することを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、酸化物単結晶が、タンタル酸リチウム単結晶、又はニオブ酸リチウム単結晶のいずれかであることを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、第1又は2の態様において、エッジポリッシュ工程では、単結晶基板の外周端部の表面粗さRaを100nm以下とすることを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれかの態様において、ラッピング工程では、単結晶基板の表面と裏面の表面粗さRaを0.2~0.5μmとすることを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれかの態様において、ラッピング工程の後に、単結晶基板の表面か裏面のいずれか一方を鏡面研磨するポリッシュ工程を含むことを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の態様によれば、第5の態様において、前記ラッピング工程後であって前記ポリッシュ工程より前に、前記単結晶基板のポリッシュされる側の面を研削する平面研削工程を含むことを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第7の態様によれば、第1から第6のいずれかの態様において、ラッピング工程の後に、単結晶基板をエッチング液に浸漬するエッチング工程を含むことを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
本発明の酸化物単結晶基板の製造方法によれば、ベベル加工後、単結晶基板の外周端部の傾斜部に対して、さらに内側(単結晶基板の中心側)に位置する領域の表面及び裏面が透明になるまで十分にエッジポリッシュ加工を行うので、傾斜部のマイクロクラックと加工歪み層が完全に除去され、これによりSAWフィルタの製造プロセスで外周端部を起点として発生する割れがなくなる。また、ベベル加工後のエッジポリッシュ加工で、オリフラの検出に用いられる領域が、一部透明になるが、ラッピング工程で粗面化され不透明になるため、オリフラ検出ミスを抑制でき生産性が向上する。
得られるLT単結晶基板やLN単結晶基板は、携帯電話の信号ノイズ除去用の弾性表面波(SAW)フィルタや光学素子などのデバイス材料、振動子、発信器の基板材料として有効に用いられる。
酸化物単結晶基板(以下、単結晶基板あるいは、単に基板とも称す)を製造する第1実施形態の方法を工程毎に説明するフロー図である。 酸化物単結晶基板の外周端部をベベル加工する工程と外周端部の断面を模式的に表した説明図である。(A)はベベル加工前の断面図、(B)は外周端部の上側をベベル加工している段階の断面図、(C)はベベル加工前後の外周端部の断面図である。 エッジポリッシュ装置で基板積載体の酸化物単結晶基板の外周端部を研磨している状態を模式的に表した図である。 エッジポリッシュ装置で研磨処理された基板積載体の先端(外周端部)を拡大した断面図である。 ラッピング装置で酸化物単結晶基板の両面を研磨する状態を模式的に表した説明図である。(A)は下定盤に基板を設置した時、(B)は下定盤に上部定盤を密着させ基板を研磨している時の概略説明図である。 ラッピング加工された酸化物単結晶基板の表面を模式的に表した説明図である。 酸化物単結晶基板のオリフラを検出している状態を示す説明図である。(A)はレーザーがオリフラ位置に照射された時の状態、(B)はレーザーがオリフラ以外の位置に照射された時の状態を示している。 片面ポリッシュ装置で酸化物単結晶基板の一方の面を鏡面研磨する状態を模式的に表した説明図である。(A)は上定盤に基板を設置した時の状態、(B)は上定盤及び上定盤に配置された6枚の酸化物単結晶基板を示している。 酸化物単結晶基板を製造する第2実施形態の方法を工程毎に説明するフロー図である。 エッジポリッシュ加工で外周端部が過度に研磨された時の基板の全体表面の研磨状態を模式的に表した説明図である。
以下、本実施形態に係る酸化物単結晶基板(以下、単結晶基板あるいは単に基板とも称す。)の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
本実施形態の酸化物単結晶基板の製造方法は、単結晶基板の外周端部を面取りするベベル工程と、単結晶基板の表面と裏面を粗研磨するラッピング工程と、単結晶基板の外周端部を鏡面研磨するエッジポリッシュ工程とを少なくとも含む酸化物単結晶基板の製造方法であって、エッジポリッシュ工程は、ラッピング工程より先に行い、ベベル工程で加工された外周端部の領域を鏡面研磨した後に、ラッピング工程を行って、単結晶基板の表面と裏面を粗研磨する。
[第1実施形態]
まず、図1を参照し、単結晶基板Wの製造方法を工程毎に説明する。図1は、第1実施形態に係る単結晶基板Wを製造する方法を工程毎に説明するフロー図である。
第1実施形態に係る単結晶基板Wの製造方法は、酸化物単結晶のインゴットCiをスライスして単結晶基板とするスライス工程(S1)と、単結晶基板Wの角部33を面取りするベベル工程(S2)と、単結晶基板Wの傾斜部34を鏡面研磨するエッジポリッシュ工程(S3)と、単結晶基板Wの両面を粗研磨するラッピング工程(S4)と、単結晶基板Wの表裏いずれか一方の面を鏡面研磨する片面ポリッシュ工程(S5)とを有している。
<酸化物単結晶>
本実施形態において、酸化物単結晶は、ニオブ酸リチウムLiNbO単結晶(LN)、タンタル酸リチウムLiTaO単結晶(LT)等の圧電性酸化物単結晶である。以下、LT単結晶を酸化物単結晶の代表例として説明する。
LT単結晶は、チョクラルスキー法(CZ法)などの単結晶育成方法により育成される。チョクラルスキー法とは、原料粉末を溶融して得られた融液に、種結晶を浸けて引き上げることにより単結晶を成長させる育成方法であり、例えば高周波の誘導加熱装置等を用いて行うことで、大型の単結晶を安定的に製造することができる。育成されたLT単結晶インゴットには、単一分極化の処理(ポーリング)が施される。このポーリング処理は、育成したLT単結晶をキュリー点以上の温度、例えば600~700℃に加熱し、Z軸方向に、例えば200~500Vの電圧を印加することで、約0.5~2時間かけて単結晶を分極化させるものである。
直径の不足するLT単結晶の上下端部がカットされ、外径を整える円筒研削がLT単結晶に施される。また、弾性表面波素子などを作製する際の基準面、すなわち、結晶方位や弾性表面波の伝播方向を示す面には、オリエンテーションフラット加工が施される。
<スライス工程(S1)>
続いて、スライス工程(S1)において、LT単結晶は、所望の結晶方位に沿って、所定の厚さの円盤状の単結晶基板Wにスライスされる。スライス加工は、一定ピッチで並行する複数の極細ワイヤー列に被加工物を押し当て、ワイヤーを線方向に送りながら、被加工物とワイヤーとの間に砥粒を含む加工液(スラリーともいう)を供給することによって研磨切断する方式や、ダイヤモンドを電着もしくは接着剤によって固定したワイヤーを線方向に送りながら、被加工物を研磨切断する方式を用いたワイヤーソー(切断装置)等により行われる。しかし、スライスされた円盤状の単結晶基板Wは、外周端部の上下に角部33(図2(C)参照)があるため、割れや欠けが生じやすい。
<ベベル工程(S2)>
そのため、ベベル工程(S2)で単結晶基板Wの外周端部に、ベベル加工(ベベリング加工)が施され単結晶基板Wの外周端部が面取りされる。図2に単結晶基板Wの外周端部をベベル加工する工程と外周端部の断面を模式的に示す。図2(A)は、コアディスク30を用いてベベル加工を行う準備段階を模式的に表した断面図、(B)は外周端部の上端をベベル加工している段階の断面図、(C)はベベル加工の前後の単結晶基板Wの外周端部の断面図である。
ベベル加工では図2(A)に示すように、コアディスク30の周面の溝にリング状の面取り用砥石32が固着された装置が用いられる。ベベル加工では、図2(B)に示すように、基板保持台31に保持された単結晶基板Wの外周端部を、回転する面取り用砥石32の上側の傾斜面に押し当て単結晶基板Wの上縁の角部33を研磨したのち、基板保持台31を所定量だけ下降させて、単結晶基板Wの下縁の角部33を面取り用砥石32の下側の傾斜面に押し当て研磨する。
面取り用砥石32の上側の傾斜面と下側の傾斜面とにより研磨される寸法を予め設定することにより、図2(C)に示すように、研磨により面取りされた単結晶基板Wの外周端部には、回転する面取り用砥石32によって傾斜部34が形成されると共に、面取り用砥石32の平坦な面の上下に形成された曲面によってR面が形成される。単結晶基板Wの面取り用砥石32として#400~#1000程度の番手のダイヤモンド砥石を用いたベベル加工により、単結晶基板Wの外周端部が面取りされることで、以後のプロセスでの端部を起点とした基板割れが抑制される。
ところが、上記SAWフィルタを製造する際に、単結晶基板Wの温度変化によって単結晶基板Wの外周端部が起点となって単結晶基板Wに割れが発生することがある。その原因として、上記ベベル工程(S2)の単結晶基板Wの角部33のベベル加工に起因して、その傾斜部34に発生するマイクロクラックと加工歪み層の存在が挙げられている。すなわち、ベベル加工により物理研磨処理された加工面は粗いため、上記傾斜部34にはマイクロクラックと呼ばれる電子顕微鏡で確認される程度の小さな亀裂が発生し、さらには、物理研磨処理により単結晶表面に応力が掛かって加工歪み層が存在するため、これら単結晶基板Wの外周端部のマイクロクラックと加工歪み層は除去されなければならない。
このベベル工程(S2)で、単結晶基板Wの角部33を面取りする際、面取り加工は、例えば20°~30°のテーパーを付ける加工でもよいし、断面を半円状の曲面にする加工でもよい。面取りする部分の大きさは、特に制限されず所定の大きさに設定することができ、例えば、単結晶基板Wの外周端部から0.1~0.5mmだけ内側に設定することができる。
<エッジポリッシュ工程(S3)>
次に、ベベル工程(S2)でベベル加工した外周端部を鏡面加工するエッジポリッシュ工程(S3)を行う。エッジポリッシュ工程(S3)では、研磨液を供給しながら、粗研磨された単結晶基板Wの傾斜部34を研磨する。
単結晶基板Wの外周端部は、コロイダルシリカなどのスラリーを用い、ベベル加工された単結晶基板Wの傾斜部34と研磨材との間に化学的作用を生じさせながら傾斜部34を機械的に研磨するメカノケミカルポリッシュ加工により、外周端部に残った加工痕(ベベル残り)が除去される。
エッジポリッシュ加工には、例えば図3に示すようなエッジポリッシュ装置1等のほか、特許文献3に記載の装置を用いることができる。このエッジポリッシュ装置1は、ウエハ状の単結晶基板Wを複数枚積層した基板積載体10に、単結晶基板Wの外周端部に弾性ロールを有する研磨体20を接触させ、同時に接触部22に研磨液を供給することにより、単結晶基板Wの外周端部の鏡面研磨を行う加工装置である。
エッジポリッシュ加工では、この単結晶基板Wの傾斜部34だけでなく、傾斜部34に対してさらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域が透明になるまでエッジポリッシュ加工を行う。単結晶基板Wの加工面が鏡面化されると、ほぼ透明状態になる。外周端部は、研磨体20がより強く接触するため、エッジポリッシュ加工によって外周端部に存在するマイクロクラックと加工歪みが除去される。
これにより、SAWフィルタの製造プロセスで単結晶基板Wの外周端部を起点とする単結晶基板Wに発生する割れを抑制することができる。なお、エッジポリッシュ加工は、単結晶基板Wを、弾性ロールを有する研磨体20や弾性ブラシと接触させ、コロイダルシリカ等を塗布して研磨するメカノケミカルポリッシュ加工、あるいは#3000等、微細なダイヤモンド等の研磨材を付着させた研磨布によるメカニカルポリッシュ加工により、傾斜部34に対してさらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域が透明になるまで行う。
この時、エッジポリッシュ加工された外周端部は表面粗さがRa100nm以下となるようにする。外周端部の表面粗さがRa100nm以下となることで加工面は透明状態となり、マイクロクラックと加工歪みが除去される。エッジポリッシュの研磨量が40μm以上であれば、単結晶基板Wの傾斜部34に対して、さらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域が透明状態になる。エッジポリッシュの研磨量は、50μm以上であることが好ましく、これにより容易に傾斜部の表面粗さRaを100nm以下にすることができる。なお、エッジポリッシュの研磨量は、単結晶基板Wの直径方向に研磨する量である。
エッジポリッシュ加工は、図3に示すようなエッジポリッシュ装置1を用いて行うことができる。エッジポリッシュ装置1は、単結晶基板Wを複数枚積層した基板積載体10を固定する基板クランプ治具2と、外周部に弾性ロールを形成した研磨体20と、基板積載体10と研磨体20の接触部22に研磨液を供給する研磨液供給機構3と、これらを設置するステージ部4とを有する。
基板クランプ治具2は、単結晶基板Wとスペーサ11を交互に積層した基板積載体10を上下方向より圧力を掛けて固定する治具である。基板積載体10において、各単結晶基板Wは水平方向に設置され、各端部の位置が揃うように整列させて、各単結晶基板Wの中心軸が基板クランプ治具2の回転軸AX1と合うように配置される。単結晶基板Wをクランプする方法は、基板積載体10が固定される方法であれば、特に限定されない。
ステージ部4には、前述した基板積載体10及び基板クランプ治具2、弾性ロールを有する研磨体20、研磨液供給機構3が設置される。基板積載体10は回転軸AX1が回転駆動機構5の駆動により回転し、また、弾性ロールを有する研磨体20は、基板積載体10と平行で、回転駆動機構6の駆動により回転軸AX2が回転すると同時に、上下駆動機構7の駆動により回転軸AX2の方向に上下スライド(往復動)する。図3に示すエッジポリッシュ装置1では、基板積載体10を上下方向より圧力を掛けて固定する構成の基板クランプ治具2が使用されているが、基板積載体10を左右方向より圧力を掛けて固定する構成の横置き基板クランプ治具2を用いた装置であってもよい。その場合は、回転軸AX1、AX2も水平方向になる。
研磨液供給機構3は、特に限定されず、先端に噴射・噴霧等の機能を有する公知の装置を用いることができる。なお、研削液の供給は、基板積載体10と研磨体20との接触部22の全体に研磨液が吹き掛かるように、噴射法を用いることが好ましい。
研磨体20は、基板積載体10の外周端部に接触し、研磨液供給機構3から研磨液の供給を受けて単結晶基板Wの外周端部の傾斜部34を研磨する部材である。研磨体20は、構造によって限定されず、例えば外周部に弾性ロールを有する研磨体、あるいは弾性ブラシを有する研磨体のほか、外周部に研磨材を付着させた研磨布を有する研磨体であってもよい。
エッジポリッシュ加工は、基板積載体10の単結晶基板Wの外周端部に研磨体20を近づけ、図3のエッジポリッシュ装置1上の基板積載体10を反時計回りに回転させ、研磨体20を時計回りに回転させる。引き続き、基板積載体10に研磨体20を徐々に接近させ、研磨体20を基板積載体10の単結晶基板Wの外周端部に接触させることで研磨を行う
なお、単結晶基板Wのオリフラは、外周端部とは別々に研磨する。オリフラは、直線領域であるため基板積載体10の回転を止め、オリフラの位置で基板クランプ治具2を固定した後、基板積載体10のオリフラの方向に研磨体20をスライドさせてから、研磨体20を回転させて研磨すればよい。
エッジポリッシュ工程(S3)により、研磨体20がスペーサ11と単結晶基板Wとの間に入り込み、単結晶基板Wの外周端部の傾斜部34に対してさらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域が研磨されるので、図10のように、表面と裏面の粗研磨面の外側(単結晶基板Wの中心から外周端部側)まで透明化する。透明化部分T2が、この幅(L1+L2)で単結晶基板Wの外周端部に存在すると、製造プロセスで単結晶基板Wを搬送したとき、回転する単結晶基板Wの外周端部に照射されるレーザービームBが、透明化部分T2を透過してしまい反射型光検出器で検出されないので、単結晶基板Wが存在しないものと誤認識してしまう。
<ラッピング工程(S4)>
そのため、エッジポリッシュ工程(S3)の後で単結晶基板Wの両面にラッピング加工を施す(S4)。ラッピング工程(S4)は、ラッピング装置40等を用いて表面と裏面をラッピング加工して厚さを揃える工程であり、以下、両面ラップ工程ともいう。例えば、図5(A)のように、ラッピング装置40の下定盤41と上定盤42の間に単結晶基板Wを配置し、間に研磨液を供給して、図5(B)のように、下定盤41と上定盤42を合わせてから回転軸AX3で回転させることで単結晶基板Wをラッピング加工する。
ラッピング工程(S4)では、通常、SiCなどの砥粒と水からなるスラリーが用いられ、相対向する面に金属製の下定盤41と上定盤42に供給される。単結晶基板Wを支持固定したキャリアプレート43を、下定盤41と上定盤42の間にセットして、砥粒と水、防錆剤、分散剤などを混濁した#800~#2000程度のスラリーを、下定盤41と上定盤42と単結晶基板Wの間に供給し、両者に圧力を加えながら滑り動かして、単結晶基板Wの両面を研磨加工する。ラッピング加工により、スライス時に受けた単結晶基板Wの両面のダメージを取り除くとともに、所定の平面度と平行度になるように、単結晶基板Wの厚さを所定の範囲に揃えることができる。
ラッピング加工量は、例えば片側10μm~60μmとするのが好ましく、片側10μm~30μmとするのがより好ましい。砥粒は、所定の表面粗さになるよう砥粒を設定する。例えば炭化ケイ素砥粒のGC#1000や次の片面ポリシュ工程(S5)の研磨時間を短縮するため、GC#1000を用いた後、GC#2500に切り替えてもよい。
一般的に、単結晶基板Wの裏面の粗さは、ラッピング加工面の表面粗さになるように設定されている。本実施形態では、ラッピング加工面の表面粗さRaは0.2~0.5μmとし、Raが0.2~0.3μmとなるのが好ましい。GC#1000を用いれば0.3μm前後になる。
本実施形態の特徴は、ラッピング工程(S4)をエッジポリシュ工程(S3)の後に行うようにしたことである。エッジポリシュ工程(S3)で、単結晶基板Wの外周端部の傾斜部34(図4参照)に対して、さらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域もエッジポリッシュ加工され、透明になるが、この部分は、ラッピング工程(S4)で表面と裏面がラッピング加工されるため、図6のように、粗研磨面U1が白く曇った面となり、透明化部分T1の幅(L1のみ)が狭くなる。これにより、外周端部のマイクロクラックと歪み層の残留がなく、しかも外周端部の傾斜部34に対して、さらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域の裏面が不透明になった単結晶基板Wを得ることができる。
ここで、単結晶基板Wのオリフラ検出装置について概説する。オリフラ検出装置は、回転台に載置される基板を真空吸着などにより保持し、位置決めガイドに単結晶基板Wの外周端部を押し付けることにより、単結晶基板Wの中心が回転台の回転軸に一致するようになっている。反射型光検出器は、レーザー光源と、レーザー光源から出力されるレーザービームBを伝送する光ファイバと、反射型光検出器の本体部と、反射型光検出器の本体部で受光された光を伝送する光ファイバと、光ファイバから出力された光信号を電気信号に変換して信号処理を行う受光部・信号処理部から構成されている。
図7(A)のように、単結晶基板Wが回転してオリフラOFが反射型光検出器の下になると、反射型光検出器の下には単結晶基板Wの裏面に粗研磨面U1が存在せず、光ファイバから出力されたレーザービームBはそのまま下に照射される。一方、図7(B)のように、反射型光検出器の下に単結晶基板Wの不透明な粗研磨面U1が存在すると、受光部・信号処理部にレーザービームBの反射光が伝送されるのでオリフラが検出される。
本実施形態では、エッジポリッシュ工程(S3)で、単結晶基板Wの外周端部の傾斜部34だけでなく、さらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域まで研磨された部分が透明化するが、ラッピング工程(S4)で表裏面が粗研磨されるので粗研磨面U1が広くなり、透明化部分T1の幅(L1のみ)が狭くなる。そのため製造プロセスで単結晶基板Wを搬送したとき、回転する単結晶基板Wの外周端部に照射されるレーザービームBが、粗研磨された領域で反射するので反射型光検出器で検出され、単結晶基板Wが存在しないという誤認識がなくなる。
従来、エッジポリッシュ加工の仕上がり具合を確認するために、ベベル加工痕の残り、及び単結晶基板Wの表面や裏面の透明化不具合を蛍光灯下の目視検査にて行っていた。すなわち、外周端部の傾斜部34を鏡面研磨する際に、図4における傾斜部34がL1の幅だけでなく、傾斜部から内側に入った領域まで過剰に研磨されて、幅広く透明になることを透明化不具合とし、厳密には金属顕微鏡で計測し、過剰に研磨され透明になった幅が約100μmを超えるものを不合格としていた。しかし、本実施形態では、エッジポリッシュ工程(S3)の後で両面ラッピング工程(S4)を行って、上記のように表裏面を不透明化するので、従来のように金属顕微鏡で計測する必要はなくなる。
<片面ポリッシュ工程(S5)>
単結晶基板Wは、両面ラッピング工程(S4)により表面と裏面が粗研磨された後、表面・裏面いずれか一方の面を鏡面研磨(ポリッシュ)される(S5)。片面ポリッシュ工程(S5)は、片面ポリッシュ装置50により単結晶基板Wの使用面側(表面)をポリッシュ加工する工程である。片面ポリッシュ装置50は、図8(A)のように、単結晶基板Wの裏面を上定盤52のブロック54に貼り付けるか吸着固定し、研磨布を貼り付けた下定盤51にブロック54を押し当て、単結晶基板Wの表面と研磨布の間に研磨液供給部53から研磨液を供給し、単結晶基板Wと研磨布を回転軸AX4で回転させて単結晶基板Wを鏡面加工する装置である。
単結晶基板Wの片面のみを鏡面研磨するには、図8(B)のように、複数枚の単結晶基板Wをセラミック等のブロック54にワックス等で固定する。研磨しない面の単結晶基板Wを固定保持するための手段として、水吸着しセラミック等のブロック54へ単結晶基板Wを接着する方法以外にも、セラミックのブロック54の基板保持部に吸着孔を設けて単結晶基板Wを真空吸着する方法等を用いてもよい。
上記特許文献2では、平坦度を向上させるために、工程順をベベル工程(S2)、両面ラップ工程(S4)、エッジポリッシュ工程(S3)、片面ポリッシュ工程(S5)の順に行って平坦度を向上させている。この場合、両面ラップ工程(S4)よりも、エッジポリッシュ工程(S3)が後なので、裏面の外周端部付近の透明化部分T2(図10参照)が、そのまま残るためレーザービームBが透過して、SAWフィルタの製造プロセスでオリフラの検出ミスが発生する。また、両面ラップ工程(S4)、ベベル工程(S2)、エッジポリッシュ工程(S3)、片面ポリッシュ工程(S5)の順に行った場合でも同様で、裏面の外周端部付近に透明化部分T2がそのまま残るためレーザービームBが透過して、製造プロセスでオリフラの検出ミスが発生する。
一方、本実施形態の工程順、すなわち、ベベル工程(S2)、エッジポリッシュ工程(S3)、ラッピング工程(S4)、片面ポリッシュ工程(S5)の順で行った場合は、エッジポリッシュ工程(S3)によって生じた透明化部分T1は、裏面の外周端部の傾斜部34に対してさらに内側(単結晶基板Wの中心側)に位置する領域が、その後のラッピング工程(S4)で粗研磨され粗研磨面U1が広くなり、片面ポリッシュ加工後の単結晶基板Wには透明化部分T1が検出位置には存在しないため、製造プロセスでオリフラの検出ミスは発生しない。こうして単結晶基板Wの製造が完了したら、目視検査などを行って基板収納容器に収納され梱包して出荷される。
以上説明したように、本実施形態の酸化物単結晶基板Wの製造方法では、ベベル加工後、単結晶基板Wの外周端部から直径方向の内側に入った領域の表面及び裏面が透明になるまで十分にエッジポリッシュを行うので、外周端部の傾斜部34のマイクロクラックと加工歪み層が完全に除去され、これによりSAWフィルタの製造プロセスで単結晶基板Wの外周端部の傾斜部34を起点として発生する割れがなくなる。また、ベベル加工後のエッジポリッシュで、オリフラの検出に用いられる透明化不可の領域が、ラッピング工程(S4)で粗研磨され不透明になるため、オリフラの検出ミスを抑制でき生産性が向上する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の酸化物単結晶基板Wの製造方法について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、酸化物単結晶基板Wを製造する第2実施形態の方法を工程毎に説明するフロー図である。
第1実施形態では、酸化物単結晶のインゴットCiをスライスして生成された単結晶基板Wの外周端部を面取りするベベル工程(S2)と、単結晶基板Wの外周端部を鏡面研磨するエッジポリッシュ工程(S3)と、単結晶基板Wの両面を粗研磨するラッピング工程(S4)と、単結晶基板Wの表裏いずれか一方の面を鏡面研磨する片面ポリッシュ工程(S5)とを有している。なお、片面ポリッシュ工程(S5)は、以下、ポリッシュ工程(S5)ということがある。
これに対して、第2実施形態では、ベベル工程(S2)の前に還元処理工程(S11)を行うことができ、また、片面ポリシュ工程(S5)より前に、単結晶基板Wを研削して平坦化する平面研削工程(S12)を行うことができる。さらに、ラッピング工程(S4)の後に、単結晶基板Wをエッチング液に浸漬するエッチング工程(S13)を行うこともできる。なお、還元処理工程(S11)は、ベベル工程(S2)の後、かつエッジポリッシュ工程(S3)の前に行ってもよい。
<還元処理工程(S11)>
LT単結晶(インゴット)は、前記したように、ポーリング処理後、単結晶の外形を整えるために外周研削された後、スライス工程(S1)、ラッピング工程(S4)、片面ポリッシュ工程(S5)等の機械加工を経て単結晶基板Wとなる。最終的に得られた単結晶基板Wはほぼ無色透明であり、体積抵抗率はおよそ1014~1015Ω・cm程度である。このような単結晶基板Wでは、SAWフィルタの製造プロセスにおいて、LT単結晶の特性である焦電性のために、単結晶基板Wに割れ等が発生し、製造プロセスでの歩留まり低下が起きやすい。
この問題を解決するために、公知の還元処理を行ってもよい。還元処理は、例えば、LT単結晶を、Ca、Al、Ti、及び、Siからなる群より選択される1つの金属粉末(いわゆる還元剤)に埋め込み、350~600℃の保持温度で熱処理する還元処理を行うことができる。LT単結晶の上記還元剤としては、Al(アルミニウム)が適用され、具体的にはAlとAlの混合粉末中に単結晶基板Wを埋め込んで熱処理を行う。熱処理は、粉末を構成しているAl(アルミニウム)そのものの過剰な酸化による劣化を防ぐため、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、真空等の雰囲気中で行うことが望ましい。また、熱処理温度は高温が望ましいが、単一分極化済みの単結晶基板Wが多分極化しないようにLT単結晶のキュリー温度以下に制限される。タンタル酸リチウム(LT)単結晶基板Wにおける有色不透明の色調は、透過光では赤褐色系に、反射光では黒色に見えるため、この有色不透明化現象は黒化と呼ばれている。
一方、ニオブ酸リチウム(LN)単結晶の場合は、500~1140℃の範囲内で還元性雰囲気(具体的には、アルゴン、水素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、又はこれ等の組合せ)に晒してLN単結晶基板Wを黒化させることにより、単結晶基板Wの高い光透過率を抑制すると共に、電気伝導度を高くし、もって単結晶基板Wの裏面からの戻り光を抑制し、同時に焦電性を低減する。
還元処理工程(S11)を行うことで、単結晶基板Wの割れ等の発生を抑制して、SAWフィルタの製造プロセスでの歩留まり低下を回避することができるが、本実施形態の単結晶基板Wの製造方法では、還元処理工程(S11)を備えなくてもよい。
<平面研削工程(S12)>
第2実施形態の単結晶基板Wの製造方法では、ラッピング工程(S4)より後、かつポリッシュ工程(S5)より前に、単結晶基板のポリッシュ予定の一方の面を研削して平坦化する平面研削工程(S12)を行うことができる。平面研削とは、支持テーブルに支持された単結晶基板Wの表面に、回転する砥石を押し付けて単結晶基板Wの表面を研削する表面加工方法で、この研削は高速に回転している砥石が、砥粒を切刃として単結晶基板Wの表面を僅かずつ削り取り、精密に仕上げる作業であり、切削速度が非常に速いという利点がある。
ラッピングされた単結晶基板Wは、平面研削工程(S12)において、例えば、#2000~#10000などのダイヤモンド砥粒を含む研削砥石を用いる片面研削装置により、研削液の純水を使用して平面研削される。これにより、エッジポリッシュ工程(S3)以降の研磨効率を向上でき、単結晶基板Wの表面と裏面の平坦度が高くなって研磨精度も向上しうる。
なお、前記特許文献2の図7には、単結晶基板Wの平坦度を向上させるために、エッジポリッシュ加工し、両面をポリシュ加工した後に、所定の粗さになるように砥石による平面研削がなされている。この平面加工は、弾性表面素子として、バルク波を反射させた反射波による周波数特性の影響が防止できるように裏面の粗さを作りこむのが目的なので、エッジポリッシュ加工した裏面を不透明化する作用はない。よって、オリフラ検出ができるように裏面を不透明化するためには、上記ラッピング加工が必要となる。なお、本実施形態の単結晶基板の製造方法では、両面ポリッシュ加工後、片面側のみラッピング加工することも可能ではあるが、表面側のポリッシュ加工面に傷等が発生するおそれが高いので、ラッピング加工後にポリッシュ加工をすることが好ましい。なお、本実施形態の単結晶基板Wの製造方法は、平面研削工程(S12)を備えなくてもよい。
<エッチング工程(S13)>
単結晶基板Wは、ラッピング加工後、エッチング液に浸漬することで単結晶基板Wの表面をエッチングすることができる。エッチング工程(S13)は、ラッピング工程(S4)後に平面研削工程(S12)を行う場合は、ラッピング工程(S4)の後か、平面研削工程(S12)の後で行うことができ、あるいは、その両方で繰り返し行ってもよい。エッチング液としては、フッ化水素水溶液と硝酸水溶液の混酸であるフッ硝酸を用いることができる。フッ化水素水溶液及び硝酸水溶液は、いずれも50%~60%程度の濃度の水溶液として市販されており、これらの水溶液を、フッ化水素酸水溶液と硝酸水溶液の体積比で1.5:1~1:1.5、通常は1:1となるように混合し、エッチング液とすることができる。このエッチング液に、単結晶基板Wを浸漬することでエッチングを行う。エッチング時間は、エッチング液の温度が高温であればあるほど短くすることができる。
エッチング液が高温になると、基板が急激に温度変化することによって単結晶基板Wに割れが生じる原因となるため、例えば常温(15℃~35℃)で4~6時間かけてエッチングすることが好ましい。エッチングの終了後、単結晶基板Wをエッチング液から取り出し、水洗し、乾燥する。乾燥方法としては、真空乾燥、スピン乾燥、温風乾燥など公知の手段を用いることができるが、コストや操作の容易性の観点からスピン乾燥が好ましい。
エッチング工程(S13)を追加することで、エッジポリッシュ工程(S3)やラッピング工程(S4)などで生じた反りや微小うねりなどを低減することができる。なお、本実施形態の単結晶基板Wの製造方法は、任意でありエッチング工程(S13)を備えなくてもよい。
本実施形態の単結晶基板Wの製造方法では、各工程の終了後、各工程時の加工歪みを除去する目的のエッチング工程(S13)のほかに、各工程での加工液や研削粉・研磨粉を除去するための洗浄工程、熱処理工程等を適宜追加することができる。すなわち本実施形態の単結晶基板の製造方法では、ベベル工程(S2)と、エッジポリッシュ工程(S3)と、ラッピング工程(S4)とを少なくとも順に行えばよく、そのいずれかの工程間に、還元処理工程(S11),平面研削工程(S12),エッチング工程(S13)、さらには洗浄工程、熱処理工程等を適宜追加してもよい。
以上、LT単結晶について単結晶基板Wの製造工程について説明したが、これらは、結晶学的にも、製造プロセス的にも、LN単結晶の単結晶基板Wにも同様に本実施形態を適用できる。また、単結晶基板Wは、単結晶の種類によっては特に制限されない。また、例えば、本実施形態の単結晶基板の製造方法は、円盤状のシリコン基板、サファイア基板、ガラス基板等の研磨にも適用できる。
本実施形態の単結晶基板の製造方法により得られるLTやLNの単結晶基板Wは、携帯電話の信号ノイズ除去用の弾性表面波(SAW)フィルタや光学素子などのデバイス材料、振動子、発信器の基板材料として有効に用いられる。
以下、実施例及び比較例により具体的な実施内容を説明するが、これらの実施形態に限定されるものではない。
(実施例1)
LT単結晶をスライスし、還元処理した後、厚さ400μmで直径6インチ(152.4mm)のLT単結晶基板40枚を用意し、まずベベル工程で、R=200μmのラウンド形状にベベル加工した。
次に、エッジポリッシュ工程で、図3のエッジポリッシュ装置を用いて、LT単結晶基板40枚とスペーサの基板積載体に、弾性ブラシを有する研磨体として互いに回転させ接触させるとともに、コロイダルシリカを掛けながら、研磨体を上下にスライドさせて単結晶基板の直径方向に60μm研磨した。研磨後は外周端部が全面透明になり、Raは100nmであった。また、表面の外周端部付近、裏面の外周端部付近(傾斜部から内側に1mmの範囲)も透明化されていた。
次に、両面ラップ工程で、外周端部が鏡面研磨された単結晶基板をGC#1000の番手の炭化ケイ素砥粒にて厚さが380μmになるまでラップ加工した。GC#1000を用いることで、Raは0.3μmになった。
引き続き、フッ硝酸に浸漬してエッチング後、片面ポリッシュ工程で厚さが350μmになるまで単結晶基板をポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスはゼロ枚(0% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れはゼロ枚(0% n=40)であった。この結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1より厚い6インチLN単結晶基板を用いて、両面ラップ工程の際に2段階で、より長時間研磨した以外は実施例1と同様に行った。
すなわち、LN単結晶をスライスし、還元処理した後の厚さ410μmの6インチLN単結晶基板40枚を、まずR=200μmでラウンド形状にベベル加工した。次に、エッジポリッシュ装置を用いて、弾性ブラシを有する研磨体として互いに回転させ接触させるとともに、コロイダルシリカを掛けながら、研磨体を上下にスライドさせて、単結晶基板の直径方向に60μm研磨した。研磨後は外周端部の全面が透明になりRaは、95nmであった。また、表面の外周端部付近、裏面の外周端部付近も傾斜部から内側に1mmまで透明化されていた。次に、両面ラップ工程でGC#1000の番手の炭化ケイ素砥粒、続いてGC#2500の番手の炭化ケイ素砥粒にて380μmまでラップ加工した。GC#1000とGC#2500とを用いることで、Raは0.2μmになった。そして、フッ硝酸によるエッチング後、片面ポリッシュ工程で350μmまでポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスはゼロ枚(0% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れはゼロ枚(0% n=40)であった。この結果を表1に示す。
(実施例3)
エッジポリッシュ工程で、単結晶基板の外周端部を実施例1よりも短時間研磨した以外は実施例1と同様に行った。
すなわち、まずLT単結晶をスライス、還元処理した後の厚さ400μmの6インチLT単結晶基板40枚をR=200μmでラウンド形状にベベル加工した。次に、エッジポリッシュ装置に設置した弾性ブラシを有する研磨体として互いに回転させ接触させるとともに、コロイダルシリカを掛けながら、研磨体を上下にスライドさせて、単結晶基板の直径方向に30μm研磨した。研磨後の外周端部は、一部透明とはなっておらず、透明となっていない部分のRaは、200nmであった。また、表面の外周端部付近、裏面の外周端部付近は透明化されていなかった。次に、両面ラップ工程でGC#1000にて380μmまでラップ加工し、GC#1000を用いることで、Raは0.3μmになった。フッ硝酸によるエッチング後、片面ポリッシュ工程で350μmまでポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスはゼロ枚(0% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れが3枚(7.5% n=40)生じた。この結果を表1に示す。
(実施例4)
エッジポリッシュ工程で、単結晶基板の外周端部を実施例2よりも短時間研磨した以外は実施例2と同様に行った。
まずLN単結晶をスライス、還元処理した後、厚さ410μmの6インチLN単結晶基板40枚をR=200μmでラウンド形状にベベル加工した。次に、エッジポリッシュ装置を用いて、弾性ブラシを有する研磨体として互いに回転させ接触させるとともに、コロイダルシリカを掛けながら、研磨体を上下にスライドさせて、単結晶基板の直径方向に30μm研磨した。研磨後の外周端部は、一部透明とはなっておらず、透明となっていない部分のRaは、150nmであった。また、表面と裏面の外周端部から内側の領域は透明化されていなかった。
次に、両面ラップ工程でGC#1000、続いてGC#2500にて380μmまでラップ加工した。GC#1000とGC#2500とを用いることで、Raは0.2μmになった。引き続き、フッ硝酸によるエッチング後、片面ポリッシュ工程で350μmまでポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスはゼロ枚(0% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れが2枚(5.0% n=40)生じた。この結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1に対して、エッジポリッシュ工程より先に両面ラップ工程を行って、LT単結晶基板を研磨し、それ以外は実施例1と同様に行った。
まずLT単結晶をスライス、還元処理した後の厚さ400μmの6インチLT単結晶基板40枚をR=200μmでラウンド形状にベベル加工した。次に、両面ラップ工程でGC#1000にて380μmまでラップ加工した。GC#1000を用いることで、Raは0.3μmになった。
フッ硝酸によるエッチング後、エッジポリッシュ装置を用いて弾性ブラシを有する研磨体にコロイダルシリカを掛けながら単結晶基板の直径方向に60μm研磨した。研磨後は外周端部の全面が透明になりRaは、100nmであった。また、表面と裏面の外周端部から内側は1mmまで透明化されていた。次に、片面ポリッシュ工程で350μmまでポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスは3枚(7.5% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れはゼロ枚(0% n=37)であった。この結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2に対して、エッジポリッシュ工程より先に両面ラップ工程を行って、LN単結晶基板を研磨し、それ以外は実施例2と同様に行った。
まずLN単結晶をスライス、還元処理した後、厚さ410μmの6インチLN単結晶基板40枚をR=200μmでラウンド形状にベベル加工した。
次に、両面ラップ工程でGC#1000、続いてGC#2500にて380μmまでラップ加工した。GC#1000とGC#2500とを用いることで、Raは0.2μmになった。フッ硝酸によるエッチング後、エッジポリッシュ装置を用いて、弾性ブラシを有する研磨体として互いに回転させ接触させるとともに、コロイダルシリカを掛けながら、研磨体を上下にスライドさせて、コロイダルシリカを掛けながら単結晶基板の直径方向に60μm研磨した。研磨後は外周端部の全面が透明でRaは、90nmであった。また、表面と裏面は外周端部から内側に1mmまで透明化されていた。その後、片面ポリッシュ工程で厚さ350μmまでポリッシュ加工した。
その後、こうして得られた単結晶基板をSAWフィルタの製造プロセスに投入し、単結晶基板の外周端部にレーザー光を当て、オリフラ検出を行ったところ、検出ミスは2枚(5.0% n=40)であった。また、櫛形電極の形成に伴う温度変化により、基板の外周端部が起点となって単結晶基板に発生する割れはゼロ枚(0% n=38)であった。この結果を表1に示す。
Figure 0007271875000001
「評価」
以上の結果を示す表1から明らかなように、実施例1、2では、エッジポリッシュ工程(S3)の後で両面ラップ工程(S4)を行ったことで、透明になっていた表面・裏面の外周端部から内側の領域が不透明化されて、製造プロセスで単結晶基板のオリフラ検出ミスがなく、櫛形電極の形成時に単結晶基板の割れもなかった。また、実施例3,4でも、エッジポリッシュ工程(S3)の後で両面ラップ工程(S4)を行ったことで、透明になっていた表面・裏面の外周端部から内側の領域が不透明化されて、製造プロセスで単結晶基板のオリフラ検出ミスがなかった。エッジポリッシュ工程(S3)の研磨が不足していたので、櫛形電極の形成時に単結晶基板の割れが生じたが、エッジポリッシュ工程(S3)の研磨を十分に行うことで解消できる。
これに対して、比較例1,2では、両面ラップ工程(S4)の後でエッジポリッシュ工程(S3)を行ったことで、表面・裏面の外周端部から内側の領域が透明になってしまい、製造プロセスで単結晶基板のオリフラ検出ミスが生じた。
タンタル酸リチウム単結晶基板やニオブ酸リチウム単結晶基板は、携帯電話の信号ノイズ除去用の弾性表面波(SAW)フィルタや光学素子などのデバイス材料として使用できる。
Ci 酸化物単結晶(インゴット)
W 酸化物単結晶(基板)
OF オリフラ
T1、T2 透明化部分
U1、U2 粗研磨面
R 有機樹脂弾性体
B レーザービーム
1 エッジポリッシュ装置
2 基板クランプ治具
3 研磨液供給機構
4 ステージ部
5、6 回転駆動機構
7 上下駆動機構
10 基板積載体
11 スペーサ
20 研磨体
22 接触部
30 コアディスク
31 基板保持台
32 面取り用砥石
33 外周端部(角部)
34 外周端部(傾斜部)
40 ラッピング装置
41 下定盤
42 上定盤
43 キャリアプレート
50 片面ポリッシュ装置
51 下定盤
52 上定盤
53 研磨液供給部
54 ブロック

Claims (7)

  1. 酸化物単結晶から生成された単結晶基板の外周端部を面取りするベベル工程と、前記単結晶基板の表面と裏面を粗研磨するラッピング工程と、前記単結晶基板の外周端部を鏡面研磨するエッジポリッシュ工程とを少なくとも含む酸化物単結晶基板の製造方法であって、
    前記エッジポリッシュ工程は、前記ラッピング工程より先に行い、前記ベベル工程で加工された前記外周端部を鏡面研磨する工程であり、
    前記エッジポリッシュ工程の後に前記ラッピング工程を行って、前記単結晶基板の表面と裏面を粗研磨することを特徴とする酸化物単結晶基板の製造方法。
  2. 前記酸化物単結晶が、タンタル酸リチウム単結晶、又はニオブ酸リチウム単結晶のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
  3. 前記エッジポリッシュ工程では、前記単結晶基板の前記外周端部の表面粗さRaを100nm以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
  4. 前記ラッピング工程では、前記単結晶基板の表面と裏面の表面粗さRaを0.2~0.5μmとすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
  5. 前記ラッピング工程の後に、前記単結晶基板の表面か裏面のいずれか一方を鏡面研磨するポリッシュ工程を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
  6. 前記ラッピング工程後であって前記ポリッシュ工程より前に、前記単結晶基板のポリッシュされる側の面を研削する平面研削工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
  7. 前記ラッピング工程の後に、前記単結晶基板をエッチング液に浸漬するエッチング工程を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の酸化物単結晶基板の製造方法。
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