JP2002299741A - GaN単結晶基板の劈開性の判定方法とGaN単結晶基板 - Google Patents

GaN単結晶基板の劈開性の判定方法とGaN単結晶基板

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JP2002299741A
JP2002299741A JP2001104129A JP2001104129A JP2002299741A JP 2002299741 A JP2002299741 A JP 2002299741A JP 2001104129 A JP2001104129 A JP 2001104129A JP 2001104129 A JP2001104129 A JP 2001104129A JP 2002299741 A JP2002299741 A JP 2002299741A
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gan
cleavage
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plane
wafer
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JP2001104129A
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Inventor
Koji Uematsu
康二 上松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GaNウエハを実際に劈開することなく劈開
性の良否を非破壊で判定する方法を与えること。 【解決手段】 GaNウエハの光弾性効果を測定して、
歪値C(σ−σ)が5×10−5以下であれば劈開
性が良好であり、これを越えると劈開性不良と判定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は窒化ガリウム(G
aN;gallium nitride)基板の評価方法と窒化ガリウ
ム(GaN)基板に関する。GaN基板は青色発光素子
(半導体レ−ザLD、発光ダイオードLED)の材料と
して有用である。青色光を電子のバンドギャップ遷移に
よって発生させるにはバンドギャップの広い材料が必要
である。広バンドギャップ材料としてセレン化亜鉛(Z
nSe;zinc selenide)とGaNを用いた青色発光素
子が実用化されている。いずれも発光ダイオード(LE
D)については技術的に完成しており実用に共されてい
る。LDとしては、ZnSe系が先行しており、GaN
系のLDもそれに続いているという現状である。
【0002】GaN系の発光素子は、GaN層を基本と
しAlGaN層やGaInNの活性層を持ち、青色や青
緑色の発光をする。良質のGaN基板が製造困難である
ので、サファイヤ基板の上にGaN、GaInNやその
他の窒化物の薄膜を成長させる。GaN系発光素子は、
現在もサファイヤ基板(α−Al)の上にヘテロ
エピタキシャル成長させて作られる。
【0003】サファイヤ基板は化学的に安定であり耐熱
性もある。格子定数は食い違うがGaNバッファ層を三
回対称性のあるサファイヤ基板の上に成長させれば、G
aN層、GaInN層をその上に成長させることができ
る。サファイヤ基板の上に製造されたGaN系LEDは
青色発光し量産されており実績もある。
【0004】これらはサファイヤ基板が付いたままの素
子である。既に大いに実績があるが、サファイヤ基板G
aN−LEDにはいくつかの欠点がある。格子定数も結
晶構造も違うのでサファイヤ上のGaNは欠陥密度が高
い。サファイヤ基板は堅牢でいいのであるが反面自然劈
開できないという難点がある。そこでウエハプロセスが
終わったあと刃物によって縦横に切断(ダイシング)し
てチップとする。その工程の歩留まりは良くない。チッ
プに切り出しステムに載せてリードをボンディングする
がサファイヤは絶縁体だから底面から電極を取り出せな
い。そこでn型、p型電極ともに上方から取り出すよう
になっている。そのような欠点があるが実用上差し支え
ないからLEDとして広く使用されている。
【0005】LDの場合は少し事情が異なる。LDとす
る場合は両端面にミラー面(共振器)が必要である。サ
ファイヤは劈開できないのでダイシング加工でチップに
分離する。そのままでは端面は粗面である。GaN層の
両端はミラー面にしないといけないので研磨して平坦に
し反射率を上げる必要がある。難しいし手間の掛かるこ
とであるが、サファイヤ基板の側面をエッチングやイオ
ンミリングで削ってミラー面を出してLDの共振器とし
ている。例えば
【0006】M. Hansen, P. Fini, L. Zhao, A. C. A
bare, L.A. Coldren, J.S.Speck, S.P. DenBaars,"Impr
oved characteristics of InGaN multiple-quantum-wel
l laser diodes grown on laterally epitaxially over
grown GaN on sapphire", Appl. Phys. Lett. vol.76,
No.5, p529(2000)
【0007】はC面のサファイヤ基板の上にMOCVD
法によるラテラルオーバーグロース法(後述)によって
GaN層を成長させ、その上にInGaNの多重量子井
戸構造の活性層を付けたInGaN系LDを提案してい
る。これはサファイヤ基板を切り出し、塩素を含むガス
を使うRIE(反応性イオンエッチング)によって端面
を削ってLD共振器のミラー面を形成している。サファ
イヤ基板LDは実用化されているが、いずれもサファイ
ヤ面をエッチングなどによって鏡面に削る必要がある。
サファイヤは硬いので簡単にミラー面を出すことができ
ない。
【0008】サファイヤ基板LDは実用化されているが
劈開がないからミラー面の形成が難しい。やはりLDと
する場合は、基板をGaNとして、GaN層や活性層の
GaInN層をエピタキシャル成長させるのがよい筈で
ある。もしもそれが可能であれば劈開によってミラー面
が生成される。劈開ができればこれを共振器としてGa
N系のLDが容易に製造できる筈である。
【0009】GaNは六方晶系であって異種基板の上に
エピタキシャル成長する時は必ずC面成長になる。六方
晶系だから面方位や線の方位は4つのミラー指数を用い
て表現する。{hkmn}というような表現である。最
後の4つ目の指数がc軸方向を表現する。{hkmn}
は包括表現であり、(hkmn)は個別面表現である。
[hkmn]が個別の方向を示し、<hkmn>が包括
方向表現である。C面というのは{0001}面であ
る。c軸方向に成長するというのは<0001>方向に
成長するということである。
【0010】GaNの場合劈開といっても簡単ではな
い。劈開面は{1−100}の方向である。これはC面
に直交する。だからC面を持って成長させた通常のGa
N結晶には、表面に直交する劈開面{1−100}が存
在する。しかし六方晶系であるから劈開面{1−10
0}が6つあって、それぞれ60度、120度、180
度の傾斜角をなす。だから劈開面にそって切れば平行四
辺形になってしまう。矩形チップとする場合平行2辺を
劈開面にすることができるが残り2辺は非劈開面となら
ざるをえない。しかしそれでもレ−ザダイオードとする
場合、ストライプ(活性層)の端面を自然劈開でミラー
面とすることができれば工程を短縮できるはずである。
【0011】GaAsなどのLDは自然劈開を共振器
(レ−ザキャビティ)ミラー面としており、GaAs−
LDでは劈開面共振器はごく普通のものである。
【0012】GaN単結晶基板ができてその上にGa
N、GaInNなどのエピ層を積層してLDにしたとし
て、自然劈開して共振器面を出したとする。その場合ミ
ラー面とするためには劈開面が平滑平坦で鏡面でなけれ
ばならない。しかしそれは必ずしもそうはならないこと
がある。
【0013】GaNウエハが得られたとして、その上に
幾つもの薄膜をエピタキシャル成長させ、さらに蒸着、
拡散、エッチングなどによってエピウエハの上にデバイ
スを作製して自然劈開してチップに分離したとき劈開面
がきれいに形成されなかったらLDにならない。現在以
下に述べる方法によってGaNウエハを製造できるが、
その上にデバイスを作っても歩留まりが低い。検査の結
果デバイスの劈開面が乱れており所望の反射率を持たな
いということもある。そのチップは不良であるから排除
される。
【0014】そのGaNデバイス製作のために傾注され
た材料や工程、時間が無駄になる。そのようなことで歩
留まりが低いので現在のところGaN基板上のLDはい
まだ実験段階にとどまっている。サファイヤ基板LDが
GaInN系LDとして主流であるのは一つにはそうい
う理由もある。
【0015】GaN基板LDの歩留まりを高めるには予
めミラーウエハの段階でそのGaNウエハが自然劈開で
綺麗な面が出るのかそうでないのかを判定できることが
望ましい。もしそれが可能であれば良品とされたウエハ
だけを選んでエピ成長、デバイス作製をすればよいから
全体としての歩留まりが大いに向上するはずである。
【0016】
【従来の技術】初めにGaNの単結晶基板を製造する技
術を紹介する。窒素成分の材料の蒸気圧が高いから、通
常の引き上げ法(チョクラルスキー)や、ボート法(ブ
リッジマン)ではGaNの成長ができない。そこで薄膜
を製造するための気相エピタキシャル成長技術を転用し
て厚い基板を製造する。サファイヤ基板の上に薄いGa
Nエピ層を気相で成長させる方法として、MOCVD
法、MOC法、HVPE法、昇華法などがある。これら
は原料や、反応の違いによる区別である。サファイヤ基
板の上にGaNを厚く成長させたとしてもサファイヤ基
板を取り除くことができないからGaN単体にすること
はできない。
【0017】そこでGaAsを基板としてその上にGa
Nを気相成長させることを考える。GaAsの上にGa
Nを成長させる場合、GaNを厚く成長させたあと、G
aAsをエッチングや研磨によって除去することができ
るのでGaNの単体の結晶を得る事ができる。
【0018】ところがGaAsの上にGaNを成長させ
た場合、必ず転位が大量に発生し転位が消えることなく
結晶成長に従っていつまでも伸びてゆくという欠点があ
る。そこで多数の穴を配列させたマスクをGaAs基板
の上に設け穴からGaNを成長させてマスクの上で初め
て隣接結晶が相会するような成長方法が本発明者によっ
て開発された。ラテラルオーバーグロース法(Lateral
Overgrowth)という。これは本出願人になる、
【0019】特願平9−298300号 特願平10−9008号
【0020】などに詳しい説明がある。先述のもこれ
を使っている。成長方法は前記の4つの方法の何れでも
良い。3回対称性をもつGaAs(111)基板を用い
る。この方向は、全面にGaが露呈する場合と、Asが
露呈する場合がある。GaAs(111)Ga面とかG
aAs(111)As面とか言って区別する。ここでは
どちらの面でも利用できる。
【0021】GaAs(111)基板の上にドット状、
ストライプ状の窓を規則的に多数配列した100nm〜
数十nm厚みマスクを付ける。窓の配列は同一寸法の正
六角形を隙間なく並べその正六角形の中心に窓があると
いうような配列である。マスクの上にはGaNの結晶粒
ができず、窓から露呈したGaAsの上にGaNの島状
の結晶が孤立して成長する。低温(450℃〜500
℃)で数十nmのマスクより薄いバッファ層を成長させ
る。その後温度を上げて(800℃〜1050℃)、G
aN層を成長させるとマスク厚みに達する。
【0022】窓を越えるとGaNはマスク上を横方向に
のびる。この時の横方向の成長は自由な成長であるから
欠陥の発生は少ない。隣接する窓の境界が正六角形をな
しているからGaN薄膜は同時に境界に到達し相合す
る。このあとは上方にGaN膜が成長してくる。GaA
s(111)の上の成長であるから、GaNは全体とし
てC面成長になる。厚みが70μm〜1000μmにな
るまでエピタキシャル成長を持続する。結晶の表面は凹
凸がありスリガラスのようにくもっている。
【0023】エピタキシャル成長が終わるとGaN/G
aAs結晶を取り出し王水によってGaAsだけをエッ
チング除去する。GaNの結晶が残ることになる。これ
の両面を研磨することによって平滑な両面をもつ単結晶
が得られる。
【0024】ラテラルオーバーグロース法によってかな
り厚いc軸方向に成長したGaN単結晶が得られる。こ
の単結晶を薄く切って種結晶とすることによって、Ga
N基板からGaNをラテラルオーバーグロースすること
ができる。すると成長のあと基板だけを除去するという
必要もない。そのようなGaNを基板としてGaN単結
晶を作り出す方法は本発明者の
【0025】特願平10−102546号
【0026】に記載がある。GaN単結晶を基板にして
GaNを作りその上にまた気相成長によってGaN基板
を製造する。これによって直径が20mm以上のGaN
ウエハを製造できる。成長させたGaN単結晶の厚みは
20mm〜30mm程度のものまで得られる。気相成長
の時間を長くすればいくらでもできそうであるが、あま
りに厚く積むと歪が大きくなる。内部応力が蓄積し結晶
内部に歪を発生させる。結晶を薄く切り出してウエハに
すると内部応力が顕在化してウエハを彎曲させる。円形
ウエハの場合中央部が飛び出して時計皿のような形状に
歪む。そのような制限があるからあまり厚く積む事がで
きない。
【0027】サファイヤ基板の上にGaN薄膜を成長さ
せるために開発された方法がいくつかあるのでそれを述
べる。これらの方法はGaAs基板の上にGaNを成長
させるのにも応用できる。さらにこれらの方法によって
作製したGaN/GaAs結晶からGaAsを除去し、
自立したGaN結晶を得て、これを種結晶とするGaN
気相成長にも用いることができる。
【0028】(1)有機金属気相成長法(MOCVD
法) そのうちで最もよく利用されているのはMOCVD法で
ある。コールドウオールの反応炉において、TMGとア
ンモニアを水素で希釈した原料ガスを加熱したサファイ
ヤ基板に吹き付けることによって基板上で直ちに反応を
おこさせてGaNを合成する。これは大量のガスを吹き
付けてその一部だけがGaN薄膜形成に寄与するので残
りは無駄になる。収率が低い。LEDの一部をなすGa
N薄層の形成にはよいが、厚いGaN結晶層を積むのに
は向いていない。それに有機金属に含まれる炭素が不純
物として混入するので特性を落とす。炭素のために黄色
く色付きn型であるから電子を出す。不純物散乱によっ
て電子移動度を下げ電気特性を低下させる。
【0029】(2)有機金属塩化物成長法(MOC法) MOC法はホットウオール型反応炉においてTMGとH
Clを反応させ一旦GaClを作り、これを加熱させた
基板の近くでアンモニアと反応させGaNとする。この
方法はGaClを経るのでMOCVD法よりも炭素の混
入が少ないがそれでも炭素混入があり、GaN膜が黄色
く着色している。電子移動度の低下などやはり問題があ
る。
【0030】(3)ハイドライド気相成長法(HVPE
法) HVPE法は、Ga単体を原料とする。図1によって説
明する。ホットウオール型反応炉1の周囲にはヒ−タ2
が設置されている。反応炉1の上頂部に2種類の原料ガ
スを導入するためのガス導入管3、4が設けられる。反
応炉1の内部上方空間にGaボート5を設ける。Ga固
体をGaボート5に収容するがヒ−タ2によって加熱す
るとGa融液6になる。反応炉1の上方のガス導入口3
はGaボート5に向かって開口している。これはH
HClガスを導入する。もう一方のガス導入管4はGa
ボート5より下方で開口している。これはH+NH
ガスを導入する。
【0031】反応炉1の内部空間の下方にはサセプタ7
が回転軸8によって回転昇降自在に支持される。サセプ
タ7の上にはGaAs基板を載せる。あるいはGaAs
基板から出発しGaNを作ることができればサセプタ7
の上にGaN基板を載せることもできる。ヒ−タ2によ
ってサセプタ7や基板9を加熱する。HCl(+H
ガスをガス導入管3から供給しGa融液6に吹き付ける
とGaClというガス状の中間生成物ができる。これが
炉内を落下して加熱された基板の近傍でアンモニアと接
触する。基板9の上でGaClとNHの反応が起こっ
てGaNが合成される。この方法は原料が炭素を含まな
いからGaN薄膜に炭素が混入せず電気特性を劣化させ
るということがない、という利点がある。
【0032】(4)昇華法 GaNは高圧を掛けないと融液にできない。低圧で加熱
すると昇華してしまう。この方法は、GaN多結晶を加
熱し昇華させて空間中を輸送し、より温度の低い基板に
堆積させるものである。これらは反応炉や、原料ガスの
違いによる分類である。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】このようにしてGaN
単結晶のウエハを製造することができるようになった。
その上に発光デバイスを製造して劈開によってチップに
切り出すことができる。LEDの場合はチップに分離す
るだけでよいから劈開面の状態は問題にならない。しか
しLDとする場合劈開面はミラーとなるのであるから平
滑、平坦であることが必要である。劈開面が粗面であっ
たり欠けがあったりしてはいけない。
【0034】単結晶であるし自然劈開だから当然に綺麗
な面が出るはずだと思うかもしれないがそうではない。
GaN結晶を厚く成長させるから冷却したときに内部歪
が発生して応力が生じる。応力が無秩序に存在するので
自然劈開しても劈開面が乱れるということがある。その
場合折角エピウエハの上にバッファ層、活性層やキャッ
プ層、埋め込み層などレ−ザ構造を作っても、いざ劈開
となってから綺麗な劈開面が出るのか、あるいは不規則
な面しかできないのか分からないのでは困る。ウエハプ
ロセスによってエピウエハの上にデバイスを作製する前
に、そのウエハが綺麗な劈開面を形成するのかどうかと
いう劈開可能性がわかった方が良い。
【0035】そのようにミラーウエハの段階でウエハが
うまく劈開できるのか、そうでないのかという劈開性を
判定できるような方法を提供することが本発明の第1の
目的である。さらにデバイス作製後に綺麗な劈開面を与
えるGaNウエハを提供することが本発明の第2の目的
である。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明のGaNウエハの
劈開可能性判定法は、単位厚み当たりの光弾性歪値の最
大値が5×10−5以下であるか、これを越えるかによ
って判定する。つまり歪値が5×10−5以下であれ
ば、そのウエハは劈開可能性があり、5×10 を越
える場合は劈開不適ということである。だから光弾性歪
値が5×10−5以下のGaN基板を選択すればよい。
つまり光弾性によって測定した歪によってウエハの劈開
の可否を判定する、という点に本発明の骨子がある。
【0037】
【発明の実施の形態】光弾性というのは物体の内部の応
力σによって光の屈折率が変化するという現象をいう。
つまり内部応力の異方性によって結晶に複屈折(birefr
ingence)が発生するということである。応力の主軸の
方向は結晶系によって異なるが結晶方位に準拠した直交
する主軸x、y、zを定義することができる。複屈折性
がない等方的な物体の場合、光の偏波面がどの方向であ
ってもその光に対する屈折率nは同じである(nx=n
y=nz)。しかし主軸方向の応力が相違する場合、屈
折率が応力に比例して変化する。そのような性質を光弾
性と呼ぶ。
【0038】単位応力増加によって引き起こされる屈折
率の変化率を光弾性係数Cという。これは物質によって
異なる定数である。同じ物質であっても結晶構造によっ
て相違する。同じ物質で結晶構造が同じでも温度によっ
て相違する。同じ物質で結晶構造が同一で温度が同じで
あれば光弾性係数Cは同じである。光の偏波方向によっ
て屈折が変化するのであるから光の偏光方向での屈折率
が問題である。主軸方向の応力をσ、σとして、そ
の方向に偏波面をもつ光の屈折率の変化をΔn 、Δn
とすると、
【0039】Δn=Cσ、 Δn=Cσ
【0040】によって与えられる。σの単位は力/面積
でありPa、kgf/cmなどで表現できる。屈折率
は無次元だから光弾性係数Cの単位はPa−1、cm
/kgfなどで表現できる。しかしこの値はGaNにつ
いて本発明者には未だ測定ができていない。いまだCは
不明である。Cの値が分かった方がGaN結晶の内部応
力構造がより明確にわかることになろうが、本発明を実
施するに当たってはCの値は分からなくても差し支えな
い。
【0041】厚さがtの結晶の場合z方向に進行する波
長λの光を入射させると光路長差はt(Δn−Δ
)となる。波長がλだから、その位相差δは2πを
掛けてλで割れば求めることができる。
【0042】 δ=2πt(Δn−Δn)/λ =2πtC(σ−σ)/λ
【0043】によって与えられる。つまり等方的な応力
であって主軸方向の力に差がなければ位相差δは現れな
い。しかし主軸方向の応力に差があればx偏波とy偏波
の光について複屈折が発生し、位相差が生じる。このよ
うな応力の違いによって複屈折が生じるので光弾性係数
Cが既知であれば、位相差δから応力の差σ−σ
分かる。応力の差がわかるのであって、個々のσ、σ
は分からない。しかしそれも差し支えのないことであ
る。その理由は以下の説明でわかるが本発明は位相差だ
けを用いて劈開の判定を行うからである。それでは位相
差δをどうして測定するのか?これを述べる。
【0044】光弾性効果の実際の測定方法のあらましを
図2によって説明する。そのような光弾性測定装置自体
は公知である。図2のように単色光源、偏光子(Polari
zer)P、λ/4板Q1、試料、λ/4板Q2、検光子
(Analyser)Aを直線上に配列する。図2のように偏光
子Pの偏光方向と検光子Aの偏光方向とは光軸廻りに相
対的に回転変化させることができる。偏光子Pは円偏
光、楕円偏光を一定方向に偏波面をもつ直線偏光に変換
する素子である。直線偏光を偏光子に通すと偏波面と偏
光面の成す角度の余弦(cos)分の直線偏光になる。
検光子Aというのは偏光子と同じものであるが試験光の
うち特定の直線偏光成分を取り出す作用のある素子であ
る。
【0045】λ/4板というのは直交する偏波面の光に
対する位相を1/4だけずらす作用のある素子である。
つまり複屈折性の結晶を丁度位相差がλ/4になるよう
な長さに切断した光学素子である。それだけでは主軸の
方向が2つある事になり図2のように主軸方向Q1とい
うのが決められない。そこで二つの直交偏波のうち位相
が90度遅れる方の偏波方向をλ/4板の主軸と定義す
る。二つのλ/4板があり、それぞれQ1、Q2と呼ぶ
が、それぞれの主軸方向をも図2に示す。つまり第1の
λ/4板の直交偏波の軸はQ1、Q2の方向なのである
が、位相が90度遅れる方の偏波面がQ1である。第2
のλ/4板の直交偏波の軸はQ1、Q2であるが、位相
が90度遅れる方の偏波面がQ2なのである。
【0046】ここではλ/4板の主軸Q1が偏光子の偏
波面方向P、検光子の偏波方向Aと45度の角度を成す
ようにしている。光弾性測定において検光子Aの偏光方
向と偏光子Pの偏光方向を平行にする場合と、直角にす
る場合がある。両者の比の値から位相差を求めることが
できるのであるが分かりやすいことではないので、その
原理を順をおって説明する。
【0047】試験光は波長λの単色光である。円偏光、
楕円偏光、多様な偏波面の直線偏光を含む。試験光は偏
光子Pによって一方向(図2のP方向)に偏波面をもつ
直線偏光になる。それがλ/4板Q1によって右廻りの
円偏光になる。λ/4板の主軸は直線偏光Pに対して4
5度の角度をなすから、直線偏光はQ1方向とその直角
の方向(Q2の方向)に半分ずつ分配される。だから第
1のλ/4板の始端では、Q1方向偏波はcos(kx
−ωt)であり、Q2方向偏波もcos(kx−ωt)
で等しい。
【0048】ところがλ/4板Q1は、Q1、Q2にそ
った直交偏波Q1、Q2に対しQ1を90度遅らせるか
らQ1の終端では、Q2方向偏波がcos(kx−ω
t)にQ1方向偏波がcos(kx−ωt−π/2)=
sin(kx−ωt)となる。これは電場が右回りに回
転することを意味するから時計廻り(右廻り)の円偏光
である。だから第1のλ/4板Q1はP方向の直線平行
を右回りの円偏光にするという作用がある。
【0049】より単純化して言えばλ/4板というもの
は直線偏光から90度位相を遅延させる主軸の方向へ回
転する円偏光にするというものである。つまり偏光子と
45度をなすλ/4板の組み合わせ(偏光子+λ/4
板)は遅延軸の方向へ回転する円偏光を作り出すという
ことである。
【0050】光の伝搬は時間反転性があるから、反対に
λ/4板+検光子の組み合わせの場合、遅延軸から検光
子軸へと回転する円偏光は検光子を100%透過し、そ
の反対に前進軸から検光子軸へと回転する円偏光は検光
子が100%遮断するということである。この点は分か
りにくいがそういうことである。
【0051】だからもしも第2のλ/4板Q2の遅延軸
が図2のQ1方向(45度)で、検光子軸がA方向(0
度)であるとき、第2のλ/4板+検光子の光学系は右
回り円偏光を100%透過することになる。
【0052】ところが実際には、第2のλ/4板Q2の
遅延軸は図2においてQ2の方向(135度)を向いて
いる。その場合、Q2+検光子の光学系は右回り円偏光
を100%遮断することになる。
【0053】円偏光となった試験光が試料の中に入る試
料厚みはtである。もし試料が複屈折を全くもたないな
らば右廻りの円偏光のまま試験光が試料を通過する。そ
の場合、Q2+検光子の光学系は右回り円偏光を100
%遮断するので検光子A以後に試験光が全く出てこない
ことになる。つまり試料が複屈折率を持たないならば検
光子Aの先には光が全く出ない。
【0054】しかし試料が複屈折率を持つとそうではな
いようになる。Q1方向のsin(kx−ωt)とQ2
方向のcos(kx−ωt)の間に位相差δが与えられ
る。Q1方向にδ/2、Q2方向に位相−δ/2が与え
られたとすると、Q1、Q2方向それぞれにsin(k
x−ωt+δ/2)、cos(kx−ωt−δ/2)と
なる。試料の複屈折はQ1方向、Q2方向の偏波成分に
位相差を与えるので右回り円偏光に、一部左回り円偏光
を混合させる結果となる。
【0055】Q1; sin(kx−ωt+δ/2)=
cos(δ/2)sin(kx−ωt)+sin(δ/
2)cos(kx−ωt)
【0056】Q2;cos(kx−ωt−δ/2)=c
os(δ/2)cos(kx−ωt)+sin(δ/
2)sin(kx−ωt)
【0057】となる。これは試料を通過した光のcos
(δ/2)部分は右回り円偏光で、sin(δ/2)部
分が左回り円偏光だということである。第2のλ/4板
Q2と検光子Aの組み合わせは左回り円偏光だけを通す
のであるから、sin(δ/2)の部分だけを通すとい
うことになる。だから図2のように並べていると、検光
子Aの先に出る光量は全体量のsin(δ/2)だけ
ということになる。
【0058】全体の光量がわからないとδが求められな
い。そこで検光子Aの主軸を図2のようにPと直角でな
く、回転させてPと平行にする。すると第2のλ/4板
Q2の遅延軸から検光子軸A(Pに等しい)を見る回転
方向が右回りになる。つまりこの組み合わせは右回り光
だけを通すようになる。右回り光は全体光量のcos
(δ/2)である。つまり検光子軸AがPに直角の時
は、検光子の先に出る光量は
【0059】 I(P⊥A)=I sin(δ/2) (左回り円偏光) である。
【0060】検光子軸AがPに平行の時は、検光子の先
に出る光量は
【0061】 I(P‖A)=I cos(δ/2) (右回り円偏光) である。全体の光量I は両者の和によって与えられ
る。
【0062】
【数1】
【0063】だから検光子AをPに直交させたときの透
過光量と、平行にしたときの透過光量を測定し、その比
の値から位相差δが求められる。δがわかると、
【0064】δ=2πtC(σ−σ)/λ
【0065】から、歪値C(σ−σ)が
【0066】
【数2】
【0067】によって計算することができる。tは試料
の厚みである。歪値は無次元の量である。これがある閾
値以上であれば劈開面が乱れ、閾値以下であれば劈開面
が平滑になる、という予言を与えようとするのが本発明
である。
【0068】しかし幾つかの問題がある。先述のように
光弾性係数Cが未だ不明だということである。Cが不明
だと(σ−σ)の絶対値はわからない。しかしそれ
は差し支えないことである。材料はGaNだと決まって
いるのだし温度Tも室温であるからCは定数だと考えら
れる。するとどの試料でも(σ−σ)の相対値を求
めることができる。Cがわからないという問題は解決で
きる。
【0069】もう一つの問題は主軸の方向である。
σ、σは主軸方向の引っ張り応力であるが、その主
軸を決めているのはλ/4板Q1、Q2の主軸方向(遅
延軸)である。(σ−σ)というのは、Q1方向の
応力σとQ2方向の応力σの差がこうだということ
にすぎない。(σ−σ)は回転不変量ではない。試
料の結晶軸によってσの方向を決めているのではなく
て、光学系でσの軸が規定されている。
【0070】もしも結晶中の主軸の方向がわかってお
り、それがx、y方向だとすると、σ 、σが存在
し、x面を介したy方向の剪断力τxy、y面を介した
x方向の剪断力τyxはともに0である。応力の主軸と
いうのは剪断力0の方向として定義される。x軸とφを
なす角度方向の応力をσ、σ、τとすると、これら
はσ,σから
【0071】σ=σcosφ+σsinφ σ=σsinφ+σcosφ τ=(σ−σ)sinφcosφ
【0072】によって与えられる。つまりσ+σ
σ+σは回転不変量であるが、σ −σは回転不
変量でない。
【0073】劈開面での剪断力τの揺らぎが劈開面の凹
凸を発生させるのだから、τが最大になるのが劈開面に
合致するようにすればよいのである。先述のように、G
aNで劈開面は{1−100}であり、これはM面とい
う通称がある。C面方向の結晶を成長させた場合、M面
は表面に直角である。劈開面(M面)の方向はウエハの
段階でわかっている。角型ウエハなら矩形の長さから、
円形ウエハの場合はオリエンテーションフラットを付け
るから劈開面の方向がわかる。
【0074】上の式からτを最大にするのは、φ=45
度のときである。そのときτ=(σ −σ)/2であ
る。τが劈開面の剪断力だということにすれば、(σ
−σ )の揺らぎが劈開面の凹凸を発生させるのだとい
う推論は理解し易いものになる。
【0075】ということは光学系の主軸Q1、Q2を劈
開面(M面;{1−100})に対して45度の傾斜角
をなすように配置すればよいということである。つまり
偏光子Pの偏光方向を劈開面(M面;{1−100})
に平行あるいは垂直にすれば良いのである。
【0076】そして本発明は実験によって、GaN厚み
t=150μmのときに、歪C(σ −σ)の閾値が
5×10−5であることを初めて見出した。
【0077】C(σ−σ)≦5×10−5
【0078】なら、そのGaN基板は劈開性優れた良品
だと判定する。反対に
【0079】C(σ−σ)>5×10−5 なら、そのGaN基板は劈開性に乏しい不良品だと判定
する。
【0080】
【実施例】[実施例1(成長速度100μm/h以
下)]HVPE法によってGaN基板を作製した。HV
PE法は既に述べたように図1に示す装置によってGa
Nを成長させるものである。原料は金属Ga融液と、水
素で希釈した塩化水素(HCl)ガス、水素で希釈した
アンモニア(NH)ガスである。基板はGaAs(1
11)Ga基板であり、ドット状の窓を千鳥に配置した
マスクを付け、その上にGaNバッファ層を比較的低温
で成長させた。孤立した窓において島状にGaN結晶核
が独立に成長を開始する。
【0081】バッファ層はGaAsとGaNの格子不整
合を吸収するためのものであり50μm〜100μmの
薄いものである。バッファ層はマスクよりも薄い。その
あと温度を上げてGaNエピ成長を行う。その時のエピ
成長の速度wは、100μm/h以下である。エピ成長
膜の厚みは0.5mm以上とする。もちろん時間を掛け
ると厚く積層することができる。王水でGaAs種結晶
を除去する。厚くした場合は、内周刃スライサーによっ
て一定厚さの複数のウエハに切断する。このウエハを研
磨して150μmの厚さの試験ウエハとした。
【0082】厚いウエハは自然劈開しにくいし、薄いウ
エハは自然劈開が容易である。左様に厚さは重要な劈開
性を評価するときの因子の一つである。このように薄く
するのは自然劈開が可能なようにするためである。
【0083】インゴットから切り取ったウエハはアズカ
ットウエハと言う。これは500μm程度の厚いウエハ
である。これをラッピング、エッチングして加工変質層
を除去し厚みを整え研磨したのがミラーウエハである。
ミラーウエハは純粋にGaNだけからなる。その上にG
aInN層やGaN層を積層したものがエピタキシャル
ウエハである。ハンドリングを容易にするため、これも
かなりの厚みがある。デバイスメーカーでエピタキシャ
ルウエハの上に気相成長、拡散、蒸着、エッチングなど
を含むウエハプロセスによってデバイスを作製する。そ
のあとウエハの裏面を研磨して薄くする。このときの厚
みが150μmである。
【0084】薄い方が劈開しやすいしパッケージに取り
付けてLD、LEDとしたときの放熱性がよい。しかし
あまりに薄くすると破損する可能性が高くなる。だから
最終的な厚みを幾らにするかということは目的により製
造者により相違する。所定厚みまで薄くしたものを劈開
してミラー面とする。ここでは最終厚みが150μmの
場合を想定している。
【0085】だからこの劈開試験においても150μm
まで薄く研磨加工している。このGaNウエハは結晶成
長して研磨しただけのものであり、エピタキシャルウエ
ハでないしデバイスを作製したウエハでもないが劈開の
条件を等しくするために最終的なデバイス作製研磨後の
厚さに等しくしている。気相成長したGaN基板と、デ
バイスを作製したウエハでは薄膜の種類が違うので厳密
に同じものではないがエピ層は大部分はGaN層である
し全体の膜厚が等しいので劈開に対する特性もほぼ同一
であろうと考えられる。
【0086】劈開試験は次のようにする。金属メスによ
って基板の劈開方向(1−100)に傷を付け、その線
に沿って手でウエハを割った。うまく劈開できた。そし
て劈開面を顕微鏡観察した。図5が劈開面の顕微鏡写真
である。
【0087】さらにその劈開面において一定間隔で、光
弾性を用いて残留歪を測定した。残留歪の測定結果を図
3において太い破線によって示す。横軸は測定点の位置
である。劈開面の幅は150μmであるが長手方向には
基板長さだけある。ここでは中央部付近の5mmの幅に
ついての結果を示している。横軸は長手方向の位置(c
m)である。縦軸は光弾性測定による歪である。横線は
本発明が閾値とする5×10−5の線である。
【0088】もちろん閾値は、研磨後のGaNウエハの
厚みによって変わるはずである。ここでは150μmに
研磨しているからこれが閾値になる。より薄くすれば劈
開はより容易になるから閾値は下がるだろうし、より厚
ければ劈開はより難しくなり閾値は上がるであろう。し
かし放熱性、強度などを考えるとGaNウエハは最終的
に100μm〜200μm程度に削られることであろ
う。すると内部歪の閾値も5×10−5程度であろうと
推定される。
【0089】3.3×10−5〜4.5×10−5の範
囲に歪が分布している。ばらつきはあるが、比較的小さ
い。最大の位置でも4.5×10−5である。どの位置
でも閾値5×10−5の線より下にあるということがわ
かる。
【0090】劈開面が比較的綺麗だといってもそれだけ
では定量的に判断できない。劈開面の凹凸を数量的に評
価する必要がある。そこで劈開面の面粗度Raを劈開面
にそって図3と同じ全ての点で測定した。その測定によ
って、光弾性効果による歪C(σ−σ)が増えると
Raも増え、歪が減るとRaも低くなるという相関があ
ることが分かった。自然劈開は{1−100}面を綺麗
に露呈するはずのものであるが、内部応力が存在すると
加えられた力の方向がねじ曲がり割れる面が狂ってくる
のであろう。
【0091】局所的な内部応力と劈開面の局所的な粗度
に相関があるというようなことはどのような結晶でも具
体的に調べられたことはない。Si半導体、GaAs半
導体ICなどでもチップに切り出すときは自然劈開で分
離するが劈開面が平坦平滑であるという必要性は薄い。
劈開面が問題になるのは共振器が不可欠のレ−ザの場合
だけである。GaAs系のレ−ザの場合は自然劈開でレ
−ザ共振器面が容易に得られるのでそのような必要性は
なかった。まして新規な結晶であるGaNについての研
究もない。
【0092】GaNにおいて内部歪と劈開面凹凸の間に
何らかの相関があるということを指摘したのは本発明が
最初である。そのようなことは実際に実験をしてみない
と分からない。
【0093】それには実験自身が困難であるということ
があった。凹凸は顕微鏡で見てわかるが、局所的な内部
歪は顕微鏡では分からない。歪は内在的な潜在力であり
目に見えるものではない。ウエハの全体としての歪はウ
エハの曲がり(曲率)によってわかるが、それは平均化
された全体のもので局所的なものでない。局所的な内部
歪を知るため本発明者は光弾性効果を利用することを思
い付いた。それによって結晶内部の歪を局所的に測定で
きた。局所的ということが重要である。本発明者が初め
て局所的な結晶歪を測定し、劈開面の局所乱れとの関連
を見出したのである。
【0094】劈開面の長手方向において全ての点でその
ような正の相関の存在が確かめられた。このような知見
自体新規なものである。実施例1において、劈開面の全
ての点で面粗度Raは10nm以下である事が分かっ
た。これだけだと何が閾値を与えるのかがハッキリしな
いが、のちに比較例の試験をしたので閾値が明確になっ
てくる。
【0095】面粗度の定義は幾つかあり、どの面粗度で
測定したかによって値が違うので注意しなければならな
い。例えばRmaxという面粗度の表現がある。これは
粗度の最大値という意味である。適当な平均の平面を仮
定し、その平面より上方へ偏奇した凸部の高さと下方へ
偏奇した凹部の深さの和の最大値をいう。これは凹凸の
最大であるから分かりやすい。が、曲面になっていると
大きく出すぎるし面積に依存して増えるから局所的な凹
凸の表現としては向いていない。しかしよく使用される
面粗度の種類であるからここに述べた。
【0096】Raというのは、隣接する山と谷の高さの
差を平均したものである。だから巨視的な歪があって
も、それによって面粗度が見かけ上過大になるというこ
とはない。また平均値だから面積が増えると増えるとい
うようなこともない。劈開面は全体として平面であるし
劈開面の乱れというのは凹凸の深さ高さと凹凸の数をい
うのであるから平均の粗度を表現するRaが劈開面の乱
れを評価するものとしてはより適しているといえよう。
その他にも面粗度を測定するパラメータが存在する。R
maxはRaの数倍から数十倍であることが多い。面粗
度として何を用いているかに注意し、RmaxとRaを
混同してはならない。
【0097】劈開面は幅は150μmで狭いが長さがあ
って長手方向には面粗度が変わり、Ra8nmとかRa
7nm或いはRa5nmというように変動する。しかし
どの位置でもRa10nmを越えないということがわか
った。面粗度Raが10nm以下というのは優れて平滑
平坦であり凹凸が少ないということである。研磨してそ
のような面になるということはあるが自然劈開だけで研
磨していないのにRa10nm以下であった。良いGa
N基板だということがわかる。
【0098】図5は実施例1のGaN結晶の自然劈開面
の顕微鏡写真である。下縁に僅かな凹凸が見られるが、
中間部と上部はミラー面となっている。LDのミラー面
として充分の平滑性である。
【0099】 [比較例1(成長速度100μm/h越
え)]比較のため別のGaN基板をHVPE法によって
作製した。成長の条件は実施例1とほぼ同様であるが、
成長速度だけが違う。比較例のGaN結晶は、100μ
m/hを越える成長速度で製造した。そしてGaAs結
晶を除去してGaNの単体結晶とした。
【0100】エピ成長膜の厚みは0.5mm以上とす
る。このウエハを研磨して150μmの厚さの試験ウエ
ハとした。比較例1の試験ウエハについても同様の劈開
試験を行う。
【0101】金属メスによって基板の劈開方向(1−1
00)に傷を付け、その線に沿って手でウエハを割っ
た。劈開できたけれども劈開面に凹凸があった。平滑な
劈開面は得られなかった。劈開面を顕微鏡観察した。図
6が劈開面の顕微鏡写真である。
【0102】さらにその劈開面において一定間隔で、光
弾性を用いて残留歪を測定した。残留歪の測定結果を図
3において細い実線によって示す。横軸は測定点の位置
である。劈開面の幅は150μmであるが長手方向には
基板長さだけある。ここでは中央部付近の5mmの幅に
ついての結果を示している。横軸は長手方向の位置(c
m)である。縦軸は光弾性測定による歪である。横線は
本発明が閾値とする5×10−5の線である。
【0103】歪の全体的な数は、実施例1に比べて大き
い。歪のばらつきは大きく3×10 −5未満のこともあ
る(0.01cm〜0.04cm)が、4×10−5
度のこともある。0.6mmの観測位置で閾値5×10
−5の線を越え5.5×10 −5に達している。0.3
7の位置でも閾値5×10−5を越え5.9×10
に到達している。歪の変化率は大きくて滑らかに変動す
るというのではない。
【0104】劈開面の面粗度が大きいのが顕微鏡写真に
よってよくわかる。しかしそれでは定性的な印象に留ま
るから、長手方向において劈開面での面粗度Raを測定
した。先に述べたようにRaという面粗度は隣接山谷高
さの差の局所的な平均値であるから劈開面の長手方向で
変動する。図3と同様に全ての位置でRaを測定した。
Raは光弾性による歪と相関があり、歪C(σ
σ)が大きいとRaも大きくなるような傾向があっ
た。正比例というようなハッキリしたものではないが正
の相関があった。
【0105】歪C(σ−σ)が5×10−5を越え
ると、面粗度Raは100nm以上に増大してしまうこ
とが分かった。図6は比較例において劈開面の歪が5×
10 −5以上である部位の劈開面の顕微鏡写真である。
下縁に大きく波打つ凹凸が存在する。上縁にも波状の凹
凸がある。中間部にも面の乱れがある。
【0106】比較例のGaN基板においても、歪が閾値
5×10−5より低いところが幾らもあるが、閾値より
高いところを幾つか含む。そのようなGaN基板を使用
してLDを作った場合製品歩留まりが悪くなる。だから
閾値より高い部位を含む基板は初めから不良とした方が
無駄がなくて最終的な歩留まりが高くなる。
【0107】ということは初めから、光弾性効果歪の最
大値が閾値より高いウエハは使わない、ということであ
る。
【0108】図4はGaN基板の光弾性効果による歪C
(σ−σ)と、劈開断面図の面粗度Raの関係を示
すグラフである。横軸はC(σ−σ)である。縦の
線は閾値5×10−5の線である。縦軸はRaであるが
これは対数目盛りとなっている。実施例1、比較例1に
おいて、劈開面の長手方向に沿って(一定間隔に取っ
た)全ての位置での歪とRaの関係が分かっているから
それを破線によって示したものである。▲基板Aとある
のは比較例1の基板中の最大の歪・最大の粗度を与える
部分のデータを示す。◇基板Bとあるのは実施例1の基
板中の最大の歪・最大の粗度を与える部分のデータであ
る。
【0109】歪の閾値の近傍で、Raが急増することが
わかる。これ以下の歪の場合Raは10nm(100オ
ングストローム)以下であるし、これ以上の歪の場合R
aは100nm(1000オングストローム)以上にな
ってしまう。
【0110】だからGaNウエハを評価する場合、光弾
性効果歪の最大値を閾値5×10 と比較して良否を
決定すれば良いということになる。
【0111】
【発明の効果】従来はGaN基板の劈開性を予め判定す
る手段がなかった。基板の上に複数の窒素化合物薄膜を
エピタキシャル成長してウエハプロセスによってLE
D、LDなどデバイスを作製しチップに劈開して初めて
ウエハの劈開性の良否がわかった。本発明はGaN基板
にレ−ザ光を当てて光弾性効果によって歪を測定し歪値
が5×10−5以下であれば劈開性良好、以上であれば
劈開性不可と判定する。本発明によれば光弾性効果によ
ってGaN基板の劈開性をデバイス作製に先だって非破
壊で判定することができる。GaN基板の劈開性を実際
に劈開しなくても予見することができるようになる。
【0112】ウエハの良否を予め判断し特性が不可と判
定されたウエハはエピタキシャル成長せず除去できる。
不可と判定されたGaN基板については、エピタキシャ
ル成長に続く、フォトリソグラフィ、薄膜成長などのウ
エハプロセスを行わないことになる。劈開性の劣悪な基
板の上にウエハプロセスによってデバイスを作製すると
いう無駄を省くことが可能になる。
【0113】本発明によってGaN基板の劈開性を予め
判断する事ができるようになって初めて、GaN基板の
上にGaInN系の半導体レ−ザ(LD)を作って自然
劈開によってレ−ザの共振器(キャビティ)のミラー面
を形成できるのである。初めから劈開性の劣悪なウエハ
を除くので歩留まりを高めることができる。その歩留ま
り向上によって初めて、GaN基板のLDが、従来のよ
うにサファイヤ基板の上にGaInN系LDを作りドラ
イエッチングやイオンミリングによってミラー面を作製
するという手間の掛かるサファイヤ基板LDより優れた
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaN単結晶を作製するHVPE法の反応炉の
概略を示す断面図。
【図2】光弾性測定装置の概略を示す構成図。
【図3】実施例1にかかるGaN基板B(破線)と、比
較例1にかかるGaN基板A(実線)の直径に沿う線に
取った観測点での光弾性効果の測定結果を示すグラフ。
横軸は観測位置(cm)である。縦軸は光弾性効果によ
る歪の値C(σ−σ)である。横に引いた線が歪の
閾値を与える5×10−5の線である。
【図4】GaN基板の光弾性効果による歪の値C(σ
−σ)と、劈開面断面の面粗度Raとの関係を示すグ
ラフ。横軸は歪値C(σ−σ)であり、縦軸は面粗
度Ra(オングストローム)である。◇が実施例1にか
かるGaN基板Bのデータを、▲が比較例1にかかるG
aN基板Aのデータを示している。
【図5】実施例1にかかるGaN基板Bの劈開面の写
真。面粗度Raは10nm以下である。
【図6】比較例1にかかるGaN基板Aの劈開面の写
真。面粗度Raは100nm以上である。
【符号の説明】
1 HVPE反応炉 2 ヒ−タ 3 原料ガス導入管 4 原料ガス導入管 5 Ga溜(Gaボート) 6 Ga融液 7 サセプタ 8 回転軸 9 基板 10 ガス排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN単結晶基板の全面に単色光をあて
    光弾性効果によって歪値を測定し、測定した歪値の面内
    での最大値が、5×10−5以下であれば劈開性が良好
    であると判定し、5×10−5を越えれば劈開性が不良
    であると判定することを特徴とするGaN単結晶基板の
    劈開性の判定方法。
  2. 【請求項2】 GaN単結晶基板の全面に単色光をあて
    光弾性効果によって歪値を測定し、光弾性効果によって
    測定した歪値の面内での最大値が、5×10 −5以下で
    あることを特徴とするGaN単結晶基板。
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