JP2007103692A - 磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、及び磁気メモリセルの製造方法 - Google Patents

磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、及び磁気メモリセルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007103692A
JP2007103692A JP2005291946A JP2005291946A JP2007103692A JP 2007103692 A JP2007103692 A JP 2007103692A JP 2005291946 A JP2005291946 A JP 2005291946A JP 2005291946 A JP2005291946 A JP 2005291946A JP 2007103692 A JP2007103692 A JP 2007103692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
memory cell
layer
magnetic body
cylindrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005291946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4900647B2 (ja
Inventor
Arimitsu Kato
有光 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2005291946A priority Critical patent/JP4900647B2/ja
Publication of JP2007103692A publication Critical patent/JP2007103692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4900647B2 publication Critical patent/JP4900647B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】充分な磁気異方性を保ったまま、セル面積を縮小することができる磁気メモリセルを提供すること。
【解決手段】本発明に係る磁気メモリセル1は、磁化の向きが固定されたピン層3と、磁化の向きが反転可能な磁気記録層10と、ピン層3と磁気記録層10に挟まれたバリア層4とを備える。磁気記録層10は、バリア層4上に形成された磁性体14と、非磁性体13を介して磁性体14上に形成された筒状磁性体11とを有する。筒状磁性体11は、第1方向に沿った軸の周りを取り囲む筒状の構造を有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に関する。特に、本発明は、磁気抵抗効果を有する磁気メモリセル、及びその製造方法に関する。
不揮発性メモリの1つとして、磁気抵抗素子をメモリセルとして用いる磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)が知られている。磁気抵抗素子としては、AMR(Anisotropic MagnetoResistance)効果、GMR(Giant MagnetoResistance)効果、及びTMR(Tunnel MagnetoResistance)効果といった磁気抵抗効果を示す素子が利用される。TMR効果を示すTMR素子をメモリセルとして用いるMRAMは、例えば、特許文献1や非特許文献1に開示されている。
図1は、一般的なMRAM100の構成を示す平面図である。MRAM100は、S方向に沿って形成された書込みワード線101と、T方向に沿って形成された書込みビット線102を備えている。書込みワード線101と書込みビット線102の交点にはメモリセル103が配置されており、このメモリセル103がTMR素子を含んでいる。
従来のTMR素子(磁気抵抗素子)の構造が、図2に模式的に示されている。TMR素子110は、下部電極層111、反強磁性層112、固定磁性層(ピン層)113、バリア層114、自由磁性層(フリー層)115及び上部電極層116を含んでいる。バリア層114は、絶縁膜あるいは金属膜を含む非磁性層であり、固定磁性層113と自由磁性層115に挟まれている。固定磁性層113の自発磁化の向き(orientation)は、反強磁性層112によって所定の方向に固定されている。一方、自由磁性層115の自発磁化の向きは反転可能であり、固定磁性層113の自発磁化の向きと平行、又は反平行になることが許されている。
固定磁性層113と自由磁性層115の磁化の向きが“反平行”である場合の磁気抵抗素子110の抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、それらが“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなることが知られている。この抵抗値の変化を利用することによって、MRAMはデータを不揮発的に記憶する。データの書き換えは、自由磁性層115の磁化の向きを反転させることによって行われる。具体的には、図1に示された書き込みワード線101と書き込みビット線102に、それぞれ書き込み電流が供給される。書き込み電流が所定の条件を満たす場合、その書き込み電流により発生する外部磁界によって、自由磁性層115の磁化の向きが反転する。
また、別の書き込み方式として、「トグル書き込み方式(Toggle Write Mode)」が知られている(例えば、特許文献2参照)。このトグル書き込み方式で用いられるTMR素子(磁気抵抗素子)120の構造が、図3に模式的に示されている。TMR素子120は、下部電極層121、反強磁性層122、固定磁性層(ピン層)123、バリア層124、自由磁性層(フリー層)125及び上部電極層126を含んでいる。自由磁性層125は、反強磁性的に結合した第1磁性膜131と第2磁性膜132を含み、第1磁性膜131と第2磁性膜132との間には、薄い非磁性膜133が挟まれている。この反強磁性結合により、第1磁性膜131と第2磁性膜132の自発磁化の向きは、安定状態において反平行となる。
図3において、第1磁性膜131の磁化の向きと固定磁性層123の磁化の向きは“反平行”である(第1状態)。一方、図示されない第2状態においては、第1磁性膜131の磁化の向きと固定磁性層123の磁化の向きは“平行”となる。磁気抵抗効果により、第1状態における磁気抵抗素子120の抵抗値は、第2状態よりも大きくなる。この抵抗値の変化を利用することによって、トグル型のMRAMはデータを不揮発的に記憶する。データの書き換えは、磁性膜131、132の磁化の向きを反転させることによって行われる。ここで、磁性膜131,132は互いに反強磁性的に結合しているため、一方の磁化が反転した場合、反平行状態を保つように、他方の磁化も反転する。つまり、自由磁性層125の磁化状態は、書き込み動作の度に、「第1状態」と「第2状態」の間でトグルスイッチのように変化する。
このようなMRAMにおいてデータが維持されるのは、すなわち、フリー層の磁化の向きが安定するのは、フリー層が「磁気異方性」を有しているからである。磁気異方性としては形状異方性や材料異方性などが知られているが、一般的には、大きな値が得られる「形状異方性」が利用される。この場合、フリー層は、平面内で細長い形状(例えば長方形)を有するように形成される。フリー層の磁化は、その細長形状の長軸に沿って安定し易く、短軸に沿って安定しにくい。そのため、長軸は「磁化容易軸」と呼ばれ、短軸は「磁化困難軸」と呼ばれる。安定状態において、フリー層の磁化は、磁化容易軸に沿った2つの方向のいずれかを向いて安定する。これにより、MRAMにおいてデータが不揮発的に記憶される。この原理は、通常のTMR素子110においても、トグル型のTMR素子120においても同様である。尚、通常のTMR素子110は、フリー層の磁化容易軸が書込みワード線101(あるいは書込みビット線102)と平行になるように配置される(図1参照)。一方、トグル型のMRAMの場合、図4に示されるように、TMR素子120は、フリー層の磁化容易軸が書込みワード線101(あるいは書込みビット線102)と約45度の角をなすように配置される。
特開2005−175375号公報 米国特許US6545906号 Durlam M., et al., "Nonvolatile RAM based on Magnetic Tunnel Junction Elements", 2000 IEEE International Solid-State Circuits Conference, DIGEST OF TECHNICAL PAPERS, p.130, 2000.
以上に説明されたように、従来のMRAMでは、フリー層は、一方に長い形状を有するように形成される。このことは、メモリセルサイズの増大を招く。もしフリー層の形状が円や正方形に近づいたとすれば、形状異方性が小さくなり、フリー層における磁化方向の安定度が減少する。そして、書き込み対象のメモリセルと同じワード線もしくはビット線上のメモリセルに対する誤書き込みや、熱擾乱によるデータ破壊が発生しやすくなってしまう。更に、フリー層内部で磁区(magnetic domain)が発生し、磁化方向を変化させる過程で、その変化が止まってしまう可能性が高くなる。場合によっては、磁区が残ったままで書き込みプロセスが終了し、フリー層の磁化方向の設定、すなわちデータ書き込みに失敗する。
図5A及び図5Bは、異なるTMR素子サンプルに関する書き込み特性を示している。具体的には、TMR素子の抵抗値が縦軸に示されており、TMR素子に印加される外部磁場が横軸に示されている。図5Aの場合、TMR素子の平面形状の縦横比は“3”に設定されている。この場合、磁化方向が変化する際に、TMR素子の抵抗値は急峻に変化していることが分かる。一方、図5Bの場合、TMR素子の平面形状の縦横比は“2”に設定されている。この場合、磁化方向が変化する途中で、TMR素子の抵抗値はステップ状に変化していることが分かる。このステップ状の変化は、磁区の発生を示している。従って、従来、TMR素子の平面形状の縦横比を“3”程度に設定する必要があった。このことが、セル面積の縮小を困難にしていた。
本発明の目的は、充分な磁気異方性を保ったまま、セル面積を縮小することができる磁気メモリセル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、MRAMの大容量化と信頼性の向上を両立させることができる技術を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の第1の観点において、磁気メモリセル(1)は、磁化の向きが固定されたピン層(3)と、磁化の向きが反転可能な磁気記録層(10)と、ピン層(3)と磁気記録層(10)に挟まれたバリア層(4)とを備える。磁気記録層(10)は、バリア層(4)上に形成された磁性体(14)と、非磁性体(13)を介して磁性体(14)と磁気的に結合した筒状磁性体(11)とを有する。この筒状磁性体(11)は、第1方向に沿った第1軸(X)の周りを一方向に回るように分布する回転磁化を有する。磁性体(14)の磁化の向きは、回転磁化の向きによって変わる。回転磁化の向きは、外部磁場によって反転可能である。
好適には、上記筒状磁性体(11)は、第1軸(X)の周りを取り囲む筒状の構造を有する。その場合、上記回転磁化は、筒状磁性体(11)中で第1軸(X)の周りを一回転するように分布する。
また、上記筒状磁性体(11)は、非磁性体(13)を介して磁性体(14)上に形成された第1部分(11a)と、第1部分(11a)に対向して形成された第2部分(11b)と、第1部分(11a)と第2部分(11b)との間をつなぐ第3部分(11c)とを有してもよい。第1部分(11a)と磁性体(14)は、互いに平行に形成されると好ましい。磁性体(14)と第1部分(11a)は反強磁性的に結合し、磁性体(14)の磁化の向きは、第1部分(11a)の回転磁化の向きの逆になる。
また、上記筒状磁性体(11)は、非磁性体(13)を介して磁性体(14)と反強磁性的に結合した結合領域(11a)を有してもよい。磁性体(14)の磁化の向きは、結合領域(11a)における回転磁化の向きの逆になる。
好適には、上記筒状磁性体(11)は、第1軸(X)に沿う内部非磁性体(12)の外周面上に形成される。その内部非磁性体(12)は、筒状磁性体(11)の外部に露出していると好ましい。あるいは、その内部非磁性体(12)は、筒状磁性体(11)で完全に覆われていてもよい。その場合、筒状筒状磁性体(11)は、第1軸(X)に平行な第1側面(XZ)と、第1軸と交差する第2側面(YZ)とを有し、第2側面(YZ)における筒状磁性体(11d)の厚さは、第1側面(XZ)における筒状磁性体(11a、11b、11c)の厚さより小さい。
上記筒状磁性体(11)は、第1軸(X)に平行な第1側面(XZ)と、第1軸(X)と交差する第2側面(YZ)とを有する。ここで、第1側面(XZ)の傾斜と第2側面(YZ)の傾斜は異なっている。具体的には、第2側面(YZ)の傾斜は、第1側面(XZ)の傾斜より小さい
好適には、上記磁性体(14)は、第1軸(X)と平行な平面状の構造を有する。
また、上記磁性体(24)は、第1方向に沿った第2軸(X)の周りを取り囲む筒状の構造を有していてもよい。その場合、磁性体(24)は、第2軸(X)の周りを一方向に回るように分布する第2回転磁化を有する。第2回転磁化の向きは、上記回転磁化の向きと同じである。
本発明の第2の観点において、磁気メモリセル(1)は、磁化の向きが固定されたピン層(3)と、磁化の向きが反転可能な磁気記録層(10)と、ピン層(3)と磁気記録層(10)に挟まれたバリア層(4)とを備える。磁気記録層(10)は、バリア層(4)上に形成された磁性体(14)と、非磁性体(13)を介して磁性体(14)上に形成された筒状磁性体(11)とを有する。筒状磁性体(11)は、第1方向に沿った軸(X)の周りを取り囲む筒状の構造を有する。磁性体(14)は、第1軸(X)と平行な平面状の構造を有する。
上述の磁気メモリセル(1)が搭載される面に平行な面(XY)において、磁気記録層(10)の形状は正方形であると好適である。
本発明の第3の観点において、磁気ランダムアクセスメモリが提供される。その磁気ランダムアクセスメモリは、上述の磁気メモリセル(1)を有する。具体的には、磁気ランダムアクセスメモリは、上述の磁気メモリセル(1)と、ワード線(W1)と、ワード線(W1)に交差するように形成されたビット線(B1)とを備える。磁気メモリセル(1)は、ワード線(W1)とビット線(B1)との間に配置される。書き込み時、ワード線(W1)には第1電流が流れ、ビット線(B1)には第2電流が流れる。筒状磁性体(11)の回転磁化の向きは、第1電流により発生する第1磁場と第2電流により発生する第2磁場との合成磁場により反転する。
本発明の第4の観点において、磁気メモリセルの製造方法は、(A)下地層の上にピン層(72〜74)を形成する工程と、(B)ピン層(72〜74)の上にバリア層(75)を形成する工程と、(C)バリア層(75)の上に磁気記録層を形成する工程とを有する。上記(C)工程は、(a)第1磁性体膜(51)上に第1非磁性体膜(52)を形成する工程と、(b)第1非磁性体膜(52)の上に第2磁性体膜(53)を形成する工程と、(c)第2磁性体膜(53)上にマスク層(54)を形成する工程と、(d)マスク層(54)をパターニングすることによりマスクを形成する工程と、(e)マスクを用いて第2磁性体膜(53)及び第1非磁性体膜(52)をエッチングする工程と、(f)全面に第3磁性体膜(55)を形成する工程と、(g)第3磁性体膜(55)をエッチバックする工程とを含む。
上記マスクは、第1側面(XZ)と、第1側面(XZ)と交差する第2側面(YZ)を有する。この場合、上記(d)工程において、マスクは、第1側面(XZ)の傾斜と第2側面(YZ)の傾斜が異なるように形成される。具体的には、上記(d)工程は、(d1)第1方向(Y)に平行な第1レジストマスクを用いてマスク層(54)をパターニングすることにより、マスクの第1側面(YZ)を形成する工程と、(d2)第1方向(Y)に交差する第2レジストマスクを用いてマスク層(54)をパターニングすることにより、マスクの第2側面(YZ)を形成する工程とを含む。第1側面(XZ)の傾斜と第2側面(YZ)の傾斜は異なる。このようにして、上記筒状磁性体(11)を含む磁気メモリセル(1)を容易に形成することができる。
上記(C)工程は、(x)バリア層(75)上に磁性体層(76)を形成する工程と、(y)磁性体層(76)上に非磁性体層(77)を形成する工程と、(z)非磁性体層(77)上に上記第1磁性体膜(51)を形成する工程とを更に含んでもよい。
本発明に係る磁気メモリセルの磁気記録層は、非磁性体を介して磁気的に結合した複数の磁性体を有する。その複数の磁性体のうち少なくとも1つは筒形状を有しており、その筒状磁性体の磁気異方性は、平面形状ではなく3次元形状によって決定される。従って、筒状磁性体の平面形状が正方形に近づいたとしても、筒の周に沿って磁化容易軸が形成されるので、充分な磁気異方性と擾乱耐性を得ることが可能となる。言い換えれば、本発明によれば、充分な磁気異方性と擾乱耐性を保ったまま、磁気抵抗素子の縦横比を小さくし、セル面積を縮小することが可能となる。すなわち、MRAMの大容量化と信頼性の向上の両立が実現される。
添付図面を参照して、本発明に係るMRAMの磁気メモリセル、及びその製造方法を説明する。
1.構造と原理
1−1.第1の実施の形態
図6は、第1の実施の形態に係る磁気メモリセル(TMR素子)1の構造を示す全体図である。反強磁性体層2上にピン層3が形成されており、ピン層3上には、バリア層4を介して磁気記録層10が形成されている。ピン層3は磁性体を含んでおり、その自発磁化の向きは、反強磁性体層2によって所定の方向に固定されている。一方、磁気記録層10は、フリー層の役割を果たし、その自発磁化の向きは、外部磁場によって反転可能である。バリア層4は、薄いトンネル絶縁膜であり、ピン層3と磁気記録層10に挟まれている。これらピン層3、バリア層4、及び磁気記録層10によって、磁気トンネル接合(MTJ)が形成されている。
磁気記録層10は、非磁性体を介して磁気的に結合した複数の磁性体を有する。本実施の形態によれば、その複数の磁性体のうち少なくとも1つは“筒形状”を有している。例えば図6において、磁気記録層10は、非磁性体層13を介して磁気的に結合した筒状磁性体11と磁性体層14を有している。具体的には、磁性体層14がバリア層4上に形成されており、非磁性体層13が磁性体層14上に形成されており、筒状磁性体11が非磁性体層13上に形成されている。
ここで、以下の説明を容易にするため、XYZ座標系が導入される。図6において、X方向は、筒状磁性体11の筒形状の軸の方向として定義される。また、Z方向は、膜が積層される方向として定義される。X方向とZ方向は、直交している。Y方向は、X,Z方向と右手系をなすように定義される。磁気メモリセル1が搭載される面は、XY面である。
本実施の形態において、磁性体層14は、X軸と平行な“平面状”の構造を有している。一方、筒状磁性体11は、X方向に沿ったX軸の周りを取り囲む“筒状”の構造を有している。また、筒状磁性体11の空洞部には、内部非磁性体12が挿入されていてもよい。言い換えれば、筒状磁性体11は、X軸に沿った内部非磁性体12の外周面上に形成されていてもよい。図6においては、内部非磁性体12は、YZ面において筒状磁性体11の外部に露出している。
また、筒状磁性体11を、底部11a、上部11b、及び側部11cに区分けすることが可能である。底部11aは、非磁性体層13に接触している部分であり、非磁性体層13を介して磁性体層14上に形成されている。つまり、この底部11aは、XY面に平行であり、磁性体層14と平行に形成されている。上部11bは、底部11aと対向する部分であり、XY面に平行である。側部11cは、底部11aと上部11bをつなぐ部分であり、XZ面に平行である。これら底部11a、上部11b、及び側部11cによって、筒状磁性体11の筒形状が形成されている。
筒状磁性体11と磁性体層14は、非磁性体層13を介して磁気的にカップリングしている。より具体的には、筒状磁性体11の底部11aが、磁性体層14と最も強くカップリングしている。例えば、底部11aと磁性体層14は、非磁性体層13を介して反強磁性的にカップリングしており、磁性体層14の磁化の向きは、底部11aの磁化の向きの逆になる。筒状磁性体11と磁性体層14を磁気的にカップリングさせることによって、フリー層としての磁気記録層10の特性が向上する。
このような磁気メモリセル1の膜構成の一例が、図7に示されている。図7において、反強磁性体層2は、PtMn膜である。ピン層3は、下部磁性体膜としての下部CoFe膜、上部磁性体膜としての上部CoFe膜、及びそれらCoFe膜に挟まれた非磁性体膜としてのRu膜から構成されている。下部CoFe膜はPtMn膜と接しており、その磁化方向は、反強磁性結合によって一方向に固定されている。上部CoFe膜と下部CoFe膜も反強磁性的に結合しており、上部CoFe膜の磁化方向は、下部CoFe膜の磁化方向の逆に固定される。以下の説明において、ピン層3の磁化の向きとは、バリア層4と接する上部CoFe膜の磁化の向きを意味する。バリア層4は、AlO膜である。磁気記録層10の磁性体層14は、CoFeB膜である。非磁性体層13は、Ru膜である。筒状磁性体11は、NiFeから形成されている。また、内部非磁性体12は、Ruから形成されている。
以上に示された磁気メモリセル1において、筒状磁性体11は、平面形状ではなく筒形状を有しているため、その磁気異方性(形状異方性)は、3次元形状によって決定されることになる。既出の図6を参照して、筒状磁性体11のX,Y,Z方向に沿った長さを、それぞれLx,Ly,Lzとする。この場合、筒状磁性体11の形状異方性は、Lx,Lyだけでなく、Lzにも依存することになる。筒状磁性体11の長さの1つとして、筒の周に沿った長さも考慮しなければならない。その筒の周に沿った長さは、大雑把に言えば、2Ly+2Lzで与えられる。形状異方性に関連する「長さ比」は、(2Ly+2Lz)/Lxで与えられる。
例えば、磁気記録層10(筒状磁性体11)のXY面における形状が「正方形」であるとする(Lx=Ly、Ly/Lx=1)。その場合であっても、筒の周に沿った周長(2Ly+2Lz)が長いため、充分な形状異方性が得られる。例えばLz=Lxの場合、長さ比は4となり、大きな形状異方性が得られる。また、Lz=0.5Lxの場合でも、長さ比は3となり充分である。極端な場合として、Lz=0の場合であっても、長さ比は2となる。つまり、筒状磁性体11によって、少なくとも2より大きい長さ比が実現される。
このように、磁気記録層1のXY面における縦横比(Lx:Ly)を大きくしなくても、充分な形状異方性が得られる。言い換えれば、充分な形状異方性を保ったまま、磁気記録層10の縦横比を小さくすることが可能となる。従って、磁気メモリセル1の面積を縮小することが可能となる。セル面積の観点からは、XY面における形状が正方形(Lx:Ly=1:1)の場合が最も好適である。
図8は、本実施の形態に係る磁気メモリセル1の磁化状態を示している。上述の形状異方性により、筒状磁性体11の磁化容易軸は、筒の周に沿うと考えられる。つまり、安定状態において、筒状磁性体11の磁化は、X軸の周りを一方向に回るように分布する。そのような筒状磁性体11の磁化は、以下「回転磁化」と参照される。図8に示されるように、筒状磁性体11の回転磁化の向きは、全体として時計周りあるいは反時計周りになることが許される。
第1の磁化状態(0−State)は、時計回りの回転磁化分布に対応している。この場合、筒状磁性体11の底部11aの磁化の向きは、−Y方向である。上部11bの磁化の向きは、+Y方向である。側部11cの磁化の向きは、±Z方向である。このように、回転磁化は、筒状磁性体11中で、X軸の周りを一回転するように分布しており、閉磁路を形成している。閉磁路が形成されるため、磁性体端部から発生する漏れ磁場が低減されている。また、磁性体層14は、筒状磁性体11の底部11aと磁気的にカップリングしており、その磁化の向きは、底部11aの磁化状態に従って変化する。例えば、磁性体層14は、底部11aと反強磁性的に結合しており、その磁化の向きは、底部11aの磁化の向きと逆(+Y方向)になる。また、ピン層3の磁化の向きは、+Y方向に固定されているとする。よって、第1の磁化状態において、ピン層3の磁化の向きと磁性体層14の磁化の向きは“平行”である。この場合の磁気メモリセル1(TMR素子)の抵抗値は“R”である。
一方、第2の磁化状態(1−State)は、反時計回りの回転磁化分布に対応している。この場合、筒状磁性体11の底部11aの磁化の向きは、+Y方向である。上部11bの磁化の向きは、−Y方向である。側部11cの磁化の向きは、±Z方向である。このように、回転磁化は、筒状磁性体11中で、X軸の周りを一回転するように分布しており、閉磁路を形成している。閉磁路が形成されるため、磁性体端部から発生する漏れ磁場が低減されている。また、磁性体層14の磁化の向きは、底部11aの磁化の向きと逆(−Y方向)になる。よって、第2の磁化状態において、ピン層3の磁化の向きと磁性体層14の磁化の向きは“反平行”である。この場合の磁気メモリセル1(TMR素子)の抵抗値は、磁気抵抗効果によって、第1の磁化状態における抵抗値よりも大きな値“R+ΔR”となる。
このように、第1の磁化状態と第2の磁化状態とでは、磁気記録層10の磁化状態は反対になる。磁性体層14は、磁気記録層10と磁気的に結合しており、その磁化状態も反対になる。そして、第2の磁化状態におけるTMR素子の抵抗値(R+ΔR)は、第1の磁化状態における抵抗値(R)よりも大きくなる。磁気メモリセル1は、この抵抗値の差異を利用することによって、データ「0」及び「1」を記憶する。例えば、第1の磁化状態がデータ「0」に対応づけられ、第2の磁化状態がデータ「1」に対応づけられる。
磁気メモリセル1に対するデータの書き込みは、筒状磁性体11の磁化状態、すなわち、回転磁化の向きを変えることによって行われる。筒状磁性体11の回転磁化の向きは、外部磁場を印加することによって反転可能である。
書き込み動作時、磁気メモリセル1の上下に配置された書き込みワード線及び書き込みビット線に、所定の書き込み電流が流される。これにより、磁気記録層10には、XY面上の成分を主成分とする合成外部磁場が印加される。この時、磁性体層14と筒状磁性体11の底部11a及び上部11bの磁化は、ほぼ合成外部磁場の方向を向く。また、側部11cは、底部11aの磁化の影響に加えて、磁性体層14及び底部11aの端部から出る端部磁場(漏れ磁場)の影響を受ける。それら底部11aの磁化及び端部磁場の影響によって、側部11cの磁化は、底部11aの磁化の向きに沿った回転磁化が形成される向きに分布するようになる。従って、合成外部磁場の印加が停止すると、筒状磁性体11中には、結局前述の底部11aの磁化方向に沿った回転磁化が形成されることになる。ここで、筒状磁性体11は大きな形状異方性を有しており、その磁化状態は安定する。その安定した筒状磁性体11の磁化方向によって、磁性体層14の最終的な磁化方向が決定される。具体的には、磁性体層14の磁化方向は、筒状磁性体11の底部11aの磁化方向と逆向きに安定する。最終的に安定する磁化状態が異なるように書き込み電流の方向を設定することによって、データ「0」あるいは「1」の書き込みが可能となる。尚、ピン層3側から電子を注入することと磁気記録層10側から電子を注入することで磁気記録層10の磁化方向を制御するスピン注入(spin transfer)方式を書き込みに利用することも可能である。
磁気メモリセル1に記録されたデータの読み出しに関しては、その磁気メモリセル1(TMR素子)の抵抗値が検出されればよい。反強磁性体層2及び磁気記録層10は、それぞれ図示されない下部電極及び上部電極に接続されており、読み出し動作時、それら下部電極及び上部電極間に所定の読み出し電流が流される。その読み出し電流の大きさ、あるいは、下部電極と上部電極間の電圧を測定することによって、TMR素子の抵抗値を検出することが可能である。
尚、筒状磁性体11が各面とも同じ厚さで構成された場合、外部磁場を印加して磁化状態を変化させようとしても、向かいあう面同士の磁化が同じ方向を向いてしまうため、磁化状態を変えることが困難である。このため、厚さを異ならせると筒状磁性体11の面端部から漏れ磁場が発生してしまい、周囲の記憶素子の特性を変化させてしまう。本発明の構造に依れば、磁性体層14の端部磁場によりこの漏れ磁場を相殺し、小さくすることができ、周囲の記憶素子に漏れ磁場が影響することを防ぐことができる。
以上に説明されたように、本実施の形態に係る磁気メモリセル1において、フリー層としての磁気記録層10は筒状磁性体11を有している。従って、磁気メモリセル1の平面形状が正方形に近づいたとしても、筒の周に沿って磁化容易軸が形成されるので、充分な磁気異方性と擾乱耐性を得ることが可能となる。従来のMRAMにおいては、フリー層の磁気異方性は、縦横比(Ly/Lx)に依存していた。充分な形状異方性を得るためには、その縦横比としては「3」程度が必要であった。縦横比が大きくなることは、セル面積の縮小を困難にしていた。しかしながら、本実施の形態によれば、充分な磁気異方性と擾乱耐性を保ったまま、磁気記録層10の縦横比を小さくし、セル面積を縮小することが可能となる。すなわち、MRAMの大容量化と信頼性の向上の両立が実現される。
セル面積の観点から言えば、XY面における磁気記録層10の形状が正方形(Lx:Ly=1:1)の場合が最も好適である。但し、その形状は、長方形であっても構わない。例えば、図9Aに示されるように、Lx:Ly=1:1.5であってもよい。この場合、高さLzがどれだけ小さくても、上述の“長さ比(2Ly+2Lz)/Lx”は、3より大きくなる。つまり、充分な形状異方性が得られる。また、図9Bに示されるように、Lx:Ly=1:0.8であってもよい。この場合、充分な形状異方性が得られるように、高さLzが適宜調整されればよい。いずれの場合においても、メモリセル面積は、従来のMRAMと比較して縮小されている。
1−2.第2の実施の形態
第1の実施の形態においては、内部非磁性体12は筒状磁性体11の外部に露出していたが、その露出部分が薄い磁性体膜で覆われていてもよい。図10は、第2の実施の形態に係る磁気メモリセル1の構造を示す全体図である。本実施の形態においては、内部非磁性体12は筒状磁性体11で完全に覆われている。
図11には、図10中の線A−A´に沿った断面(YZ面)及び線B−B´に沿った断面(XZ面)が示されている。本実施の形態においては、筒状磁性体11は、YZ断面に現れる側部11cに加えて、XZ面断面に現れる側部11dを有している。側部11cはY軸と交差しており、側部11dはX軸と交差している。図11に示されるように、側部11dは薄く、X方向に沿った側部11dの厚さは、少なくともY方向に沿った側部11cの厚さより小さい。薄い磁性体膜である側部11dの影響は小さいため、筒状磁性体11全体の磁気特性は、厚い磁性体である底部11a、上部11b、及び側部11cでほぼ決定される。従って、本実施の形態に係る筒状磁性体11の磁化状態は、第1の実施の形態に係る筒状磁性体11の磁化状態と同様である。これにより、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
1−3.第3の実施の形態
既出の実施の形態においては、筒状磁性体11は完全な筒状構造を有していたが、製造プロセスの都合上、筒状磁性体11の筒状構造の一部が不連続になっていてもよい。図12A〜図12Cは、第3の実施の形態に係る磁気記録層10の構造を示す側面図である。図12A〜図12Cに示されるように、YZ面において内部非磁性体12の周囲のほとんどが筒状磁性体11で覆われているが、一部は覆われていない。本実施の形態に係る筒状磁性体11は、第1部分11Aと第2部分11Bに分離されている。第1部分11Aと第2部分11Bは磁気的にカップリングしている。
この場合においても、筒状磁性体11の磁化は、X軸の周りを一方向に回るように分布している。つまり、筒状磁性体11中には「回転磁化」が形成されている。本実施の形態のように、完全な筒状構造から一部の構造が抜けている磁性体も、筒状磁性体11とみなされる。その磁性体が充分な磁気異方性を有しており、且つ、その磁性体中に環状の回転磁化が形成されていればよい。これにより、既出の実施の形態と同様の効果が得られる。
1−4.第4の実施の形態
既出の実施の形態において、バリア層4に接触する磁性体14は、平面状の構造を有していたが、バリア層4に接触する磁性体も筒状の構造を有していてもよい。図13は、第4の実施の形態に係る磁気メモリセル1の構造を示す全体図である。本実施の形態において、磁気記録層10は、第1内部非磁性体22の外周面上に形成された第1筒状磁性体21と、第2内部非磁性体25の外周面上に形成された第2筒状磁性体24を有している。第1筒状磁性体21と第2筒状磁性体24の間には非磁性体層23が挟まれており、それら第1筒状磁性体21と第2筒状磁性体24は、非磁性体層23を介して磁気的にカップリングしている。
第1筒状磁性体21及び第1内部非磁性体22のそれぞれは、既出の実施の形態における筒状磁性体11及び内部非磁性体12と同様である。つまり、第1筒状磁性体21は、X軸の周りを取り囲む筒状の構造を有している。また、第1内部非磁性体22は、X方向に沿って形成されており、第1筒状磁性体21の空洞部に挿入されている。
また、第2筒状磁性体24及び第2内部非磁性体25のそれぞれは、第1筒状磁性体21及び第1内部非磁性体22と同様の構造を有している。つまり、第2筒状磁性体24は、X軸の周りを取り囲む筒状の構造を有している。また、第2内部非磁性体25は、X方向に沿って形成されており、第2筒状磁性体24の空洞部に挿入されている。第2筒状磁性体24は、バリア層4上に形成されている。
図14は、本実施の形態に係る磁気メモリセル1の磁化状態を示している。第1筒状磁性体21は、底部21a、上部21b、及び側部21cを有している。第2筒状磁性体22は、底部24a、上部24b、及び側部24cを有している。非磁性体層23は、底部21aと上部24bに挟まれている。また、バリア層4は、底部24aとピン層3に挟まれている。第1筒状磁性体21及び第2筒状磁性体24のそれぞれは、X軸の周りを一方向に回るように分布する回転磁化を有している。ここで、第1筒状磁性体21の底部21aと第2筒状磁性体24の上部24bは、非磁性体層23を介して反強磁性的に結合しており、底部21aの磁化の向きは、上部24bの磁化の向きと反対である。
第1の磁化状態(データ「0」)において、第1筒状磁性体21は、全体として反時計周りの回転磁化を有しており、底部21aの磁化の向きは+Y方向である。よって、第2筒状磁性体24の上部24bの磁化の向きは−Y方向であり、第2筒状磁性体24も、全体として反時計周りの回転磁化を有している。つまり、第1筒状磁性体21の回転磁化の向きと、第2筒状磁性体24の回転磁化の向きは同じである。第2筒状磁性体24の底部24aの磁化の向きは+Y方向である。よって、第1の磁化状態において、ピン層3の磁化の向きと底部24aの磁化の向きは“平行”である。この場合の磁気メモリセル1(TMR素子)の抵抗値は“R”である。
第2の磁化状態(データ「1」)において、第1筒状磁性体21は、全体として時計周りの回転磁化を有しており、底部21aの磁化の向きは−Y方向である。よって、第2筒状磁性体24の上部24bの磁化の向きは+Y方向であり、第2筒状磁性体24も、全体として時計周りの回転磁化を有している。つまり、第1筒状磁性体21の回転磁化の向きと、第2筒状磁性体24の回転磁化の向きは同じである。第2筒状磁性体24の底部24aの磁化の向きは−Y方向である。よって、第2の磁化状態において、ピン層3の磁化の向きと底部24aの磁化の向きは“反平行”である。この場合の磁気メモリセル1(TMR素子)の抵抗値は“R+ΔR”である。本実施の形態によっても、既出の実施の形態と同様の効果が得られる。
2.製造方法
次に、上述の磁気メモリセル1の製造方法について説明する。まず、筒状磁性体11の製造方法だけを取り出して説明する。図15A〜図15Fは、筒状磁性体11の製造プロセスの一例を示している。図15A〜図15Fには、上面図(XY面)及び側面図(XZ面、YZ面)が示されている。
まず、図15Aに示されるように、第1磁性体膜としてのNiFe膜51上に、非磁性体膜としてのRu膜52が形成される。更に、Ru膜52上に、第2磁性体膜としてのNiFe膜53が形成され、そのNiFe膜53上に、マスク層としてのTa膜54が形成される。
次に、図15Bに示されるように、フォトリソグラフィ及びRIE(Reactive Ion Etching)を通して、Ta膜54のパターニングが行われる。ここでは、Y方向に沿って平行な複数のレジストマスクが形成され、そのレジストマスクを用いることによってパターニングが行われる。その結果、Ta膜54は、Y方向に沿って平行なパターンを有することになる。また、このパターニングによって、Ta膜54の「YZ側面」が形成される。ここで、図15Bの側面図に示されるように、形成されるTa膜54のYZ側面の傾斜が80度程度になるようにパターニングが行われる。尚、Y方向は、後述されるワード線の延在方向に対応しており、本工程において、レジストマスクは、複数の磁気メモリセルを含む線状に加工されている。
レジストマスクが除去された後、図15Cに示されるように、フォトリソグラフィ及びRIEを通して、再度Ta膜54のパターニングが行われる。ここでは、X方向に沿って平行な複数のレジストマスクが形成され、そのレジストマスクを用いることによってパターニングが行われる。その結果、Ta膜54は、アレイ状のパターンを有することになる。また、このパターニングによって、Ta膜54の「XZ側面」が形成される。ここで、図15Cの側面図に示されるように、形成されるTa膜54のXZ側面の傾斜がほぼ90度になるようにパターニングが行われる。尚、X方向は、後述されるビット線の延在方向に対応しており、本工程において、レジストマスクは、複数の磁気メモリセルを含む線状に加工されている。
このように、Ta膜54をパターニングすることによって、アレイ状に配置された複数のマスクパターン54が形成される。レジストマスクは、出来上がりのマスクパターン54が所望の磁気メモリセル1の形状に応じた形(正方形又は長方形)を有するように形成されればよい。また、Ta膜54の加工時の条件は、下層のNiFe膜53が加工されにくい条件に設定されればよい。あるいは、Ta膜54とNiFe膜53との間にRu膜などが挿入され、それがエッチングストッパーとして利用されても良い。この工程によって形成されるマスクパターン54は、YZ側面とXZ側面を有している。加工条件を異ならせることによって、マスクパターン54のYZ側面の傾斜とXZ側面の傾斜を異ならせることができる。上記例においては、YZ側面の傾斜がXZ側面の傾斜より小さくなるようにマスクパターン54が形成されている。
次に、図15Dに示されるように、上記マスクパターン54を用いることによって、NiFe膜53及びRu膜52がエッチングされる。例えば、イオンミリングとRIEの組み合わせによりエッチングが行われる。ここで、マスクパターン54のYZ側面が斜めになっているので、エッチングされたNiFe膜53及びRu膜52のYZ側面も斜めになる。
次に、図15Eに示されるように、全面に第3磁性体膜としてのNiFe膜55が堆積される。
次に、NiFe膜55の全面がエッチバックされ、図15Fに示される構造が得られる。具体的には、YZ断面に示されるように、Ta膜54、NiFe膜53、及びRu膜52のXZ側面には、NiFe膜55からなるサイドウォールが形成されている。一方、XZ断面に示されるように、YZ側面にはサイドウォールは形成されない、あるいはほとんど形成されない。これは、傾斜が急な側面には厚いサイドウォールが残りやすいが、傾斜が緩やかな側面にはサイドウォールが残りにくいという性質のためである。これにより、Ru膜52がNiFe膜51、53、55で囲まれた構造、すなわち、内部非磁性体12が筒状磁性体11で囲まれた構造が得られる。たとえYZ側面に薄いNiFe膜55が残ったとしても、その薄いNiFe膜55は、筒状磁性体11にほとんど影響を与えない(第2の実施の形態、図10、図11参照)。
このようにして製造された筒状磁性体11は、次のような特徴を有している。すなわち、筒状磁性体11は、XZ側面とYZ側面を有しており、XZ側面の傾斜とYZ側面の傾斜は異なっている。具体的には、YZ側面の傾斜は、XZ側面の傾斜より小さい。
次に、上記筒状磁性体11を含むMRAMの全体的な製造方法を概略的に述べる。図16は、本発明に係るMRAMのYZ断面の一例を示している。図16に示される構造は、例えば次のようなプロセスにより形成される。
まず、シリコン基板にトランジスタや配線等の半導体集積回路が形成される。次に、層間絶縁膜や、上記配線との接続のためタングステンプラグが形成される。全面にSiO膜60(400nm)が形成された後、フォトリソグラフィと反応性ガスを用いたRIEによって、ワード線が形成される領域のSiO膜60が除去され、溝部が形成される。続いて、スパッタリング法によって、全面にTa膜61(10nm)、NiFe膜62(20nm)、Ta膜63(10nm)、及びCu膜65(50nm)が順次成膜される。全面を化学的研磨(CMP)処理することにより、先に形成された溝部分にワード線65が形成される。ワード線65は、Y方向に延びるように形成されている。
次に、全面にNiFe膜等のシード層70(1nm)、及び反強磁性体層2としてのPtMn膜71(10〜20nm)が形成される。続いて、PtMn膜71上に、CoFe膜72(0.5〜5nm)、Ru膜73(0.5〜2nm)、及びCoFe膜74(0.5〜5nm)がピン層3として形成される。続いて、Al膜(0.3〜1nm)が成膜された後、酸化処理を行うことによってバリア層4としてのAlO膜75が形成される。
次に、AlO膜75上に、本発明に係る磁気記録層10が形成される。具体的には、AlO膜75上に、磁性体層14としてのCoFeB膜76(0.5〜6nm)が形成され、続いて、CoFeB膜76上に非磁性体層13としてのRu膜77(0.5〜5nm)が形成される。その後、Ru膜77の上に、図15A〜図15Fに示された方法で筒状磁性体11が形成される。例えば、NiFe膜51(0.5〜6nm)、Ru膜52(0.5〜100nm)、NiFe膜53(0.5〜6nm)、及びTa膜54(100nm)が順次積層されればよい。尚、図16においては、筒状磁性体11の構造は連続ではなく、Ta膜56が一部にはさまっている。そのためには、エッチバック工程の前に、Ta膜56とNiFe膜55が全面に形成されればよい。筒状磁性体11が形成された後、PtMn膜まで所定のエッチング処理が施され、本発明に係る磁気メモリセル1が完成する。
次に、全面にSiN膜80(30nm)が形成された後、SiO膜81(150nm)及びSiN膜82(200nm)が順番に成膜される。続いて、磁気メモリセル上のSiO膜81が露出するまでCMPが行われた後、残ったSiN膜82をマスクとしてSiO2膜81をエッチングすることにより、磁気メモリセル上にビアが形成される。続いて、全面にTa膜83(20nm)及びCu膜84(200nm)が成膜される。全面をCMP加工することによって、上記ビアにプラグが形成される。
次に、全面にSiO膜90(400nm)が成膜された後、フォトリソグラフィとRIEによって、ビット線が形成される領域のSiO膜90を除去され、溝部が形成される。全面にTa91膜(10nm)及びNiFe膜92(20nm)が形成された後、エッチバックが行われ、溝側面にサイドウォールが形成される。続いて、全面にTa膜93(10nm)が成膜された後、Cu膜95(500nm)が陽極酸化法により形成される。全面をCMP加工することにより、先に形成された溝部分にビット線95が形成される。ビット線95は、X方向に延びるように形成されている。更に、Ta膜96(5nm)、NiFe膜97(20nm)、及びTa膜98(20nm)が順次成膜された後、フォトリソグラフィとRIEにより配線上に残される。
3.回路構成と動作
上述の磁気メモリセル1に対するデータの読み書きを実行する周辺回路は、当業者によって適宜設計され得る。図17には、周辺回路を含むMRAMの1つの回路構成例が示されている。図17において、MRAMは、Y方向に延在する複数のワード線W1〜W3と、X方向に延在する複数のビット線B1〜B3を備えている。複数のワード線W1〜W3と複数のビット線B1〜B3は複数の交点で交差しており、その複数の交点のそれぞれに複数の磁気メモリセル1がアレイ状に配置されている。磁気メモリセル1の上部電極と下部電極のそれぞれは、いずれかのビット線といずれかのワード線に電気的に接続されている。各磁気メモリセル1に対して選択トランジスタが配置されていてもよい。
ワード線W1〜W3の一端はワード線デコーダ31に接続され、他端はワード線終端回路32に接続されている。また、ビット線B1〜B4の一端はビット線デコーダ33に接続され、他端はビット線終端回路34に接続されている。また、MRAMは、ワード線デコーダ31に接続されたワード線書き込み電流源35、ビット線デコーダ33に接続されたビット線書き込み電流源36及び読み出し電流源37、読み出し電流源37の出力電位とリファレンス電位Vrefが入力されるデータ判別器38、及びこれら回路の動作を制御する制御回路40を備えている。
磁気メモリセル1にデータ“0”を書き込む場合の動作は、次の通りである。制御回路40は、ワード線デコーダ31とワード線終端回路32に書き込みアドレス情報を与える。ワード線デコーダ31は、書き込み対象セルにつながるワード線とワード線書き込み電流源35とを接続する。その他のワード線は接地される。ワード線終端回路32は、すべてのワード線を接地する。更に、制御回路40はワード線書き込み電流源35に指示を出し、ワード線書き込み電流源35は、選択されたワード線に所望の書き込み電流、たとえば8mAの書き込み電流を流す。
また、制御回路40は、ビット線デコーダ33とビット線終端回路34に書き込みアドレス情報を与える。ビット線デコーダ33は、書き込み対象セルにつながるビット線とビット線書き込み電流源36とを接続する。その他のビット線は接地される。ビット線終端回路34は、書き込み対象セルにつながるビット線に正電位、たとえば0.5Vを印加し、その他のビット線を接地する。更に、制御回路40はビット線書き込み電流源36に指示を出し、ビット線書き込み電流源36は、選択されたビット線に所望の書き込み電流、たとえば「8mA」の書き込み電流を流す。
これら書き込み電流により発生する合成磁場が、磁気メモリセル1に印加される。所定の時間が経過した後、制御回路40は書き込み電流の停止を指示する。また、ワード線デコーダ31とビット線デコーダ33とビット線終端回路34は、全てのワード線とビット線を接地する。その結果、上述の通り、筒状磁性体11の下部11aの磁化方向に沿って、筒状磁性体11全体の磁化方向が安定し、“0−State”に対応する回転磁化が形成される(図8参照)。
磁気メモリセル1にデータ“1”を書き込む場合の動作は、次の通りである。制御回路40は、ワード線デコーダ31とワード線終端回路32に書き込みアドレス情報を与える。ワード線デコーダ31は、書き込み対象セルにつながるワード線とワード線書き込み電流源35とを接続する。その他のワード線は接地される。ワード線終端回路32は、すべてのワード線を接地する。更に、制御回路40はワード線書き込み電流源35に指示を出し、ワード線書き込み電流源35は、選択されたワード線に所望の書き込み電流、たとえば8mAの書き込み電流を流す。
また、制御回路40は、ビット線デコーダ33とビット線終端回路34に書き込みアドレス情報を与える。ビット線デコーダ33は、書き込み対象セルにつながるビット線とビット線書き込み電流源36とを接続する。その他のビット線は接地される。ビット線終端回路34は、書き込み対象セルにつながるビット線に正電位、たとえば0.5Vを印加し、その他のビット線を接地する。更に、制御回路40はビット線書き込み電流源36に指示を出し、ビット線書き込み電流源36は、選択されたビット線に所望の書き込み電流、たとえば「−8mA」の書き込み電流を流す。
これら書き込み電流により発生する合成磁場が、磁気メモリセル1に印加される。所定の時間が経過した後、制御回路40は書き込み電流の停止を指示する。また、ワード線デコーダ31とビット線デコーダ33とビット線終端回路34は、全てのワード線とビット線を接地する。その結果、上述の通り、筒状磁性体11の下部11aの磁化方向に沿って、筒状磁性体11全体の磁化方向が安定し、“1−State”に対応する回転磁化が形成される(図8参照)。
図18は、磁気記録層10において磁化反転が発生する条件に関して行われたシミュレーションの結果を示している。図中において、“Heasy”はY方向に沿った外部磁場を示し、“Hhard”はX方向に沿った外部磁場を示す。計算においては、磁気記録層10のXY面形状は正方形に設定され、長さLx,Ly(図6参照)はともに0.1μmに設定された。また、磁性体層14、NiFe膜51、Ru膜52、NiFe膜53のそれぞれの膜厚は、1.3nm、3.8nm、100nm、及び2.5nmに設定された。磁性体膜は、全てNiFeとして計算が行われた。図18において、点線は、筒状磁性体11と磁性体層14がパターン端部からの漏れ磁場のみでカップリングしている場合に対応している。一方、実線は、筒状磁性体11と磁性体層14が反強磁性結合している場合に対応している。非磁性体層13(Ru膜77)の膜厚が0.9nm程度の場合、強い反強磁性結合が得られ、その膜厚が2nm程度の場合、反強磁性結合が非常に小さくなることが知られている。いずれの場合においても、Y方向に沿った外部磁場に対しては磁化反転が起こりにくく、優れた半選択耐性が得られていることが分かる。また、また、筒状磁性体11と磁性体層14が反強磁性結合している場合、X方向の外部磁場に対しても磁化反転が起こりにくく、半選択耐性が向上することが分かる。
磁気メモリセル1に記録されたデータの読み出しは、次のように行われる。制御回路40は、ワード線デコーダ31とワード線終端回路32に読み出し対象セルのアドレス情報を与える。ワード線デコーダ31は、読み出し対象セルにつながるワード線を接地し、その他のワード線をフローティング状態にする。ワード線終端回路32は、すべてのワード線をフローティング状態にする。また、制御回路40は、ビット線デコーダ33とビット線終端回路34にアドレス情報を与える。ビット線デコーダ33は、読み出し対象セルにつながるビット線と読み出し電流源37とを接続する。その他のビット線には、読み出し電流源37の出力電位が1倍アンプ39を介して印加される。ビット線終端回路34は、すべてのビット線をフローティング状態にする。
更に、制御回路40は読み出し電流源37に指示を出し、読み出し電流源37は、選択されたビット線に所定の読み出し電流、例えば10μAの読み出し電流を流す。選択されていないビット線とフローティング状態のワード線は、読み出し電流源37と同電位であるため、読み出し電流源37の出力電位は読み出し対象セルの抵抗値によって決まる。データ判別器38は、読み出し電流源37の出力電位とリファレンス電位Vrefを比較する。上述の通り、磁気メモリセル1は書き込まれたデータにより2つの抵抗値をもつため、その2つの抵抗値に対応する2つの出力電位の間にリファレンス電位Vrefが設定されていればよい。これにより、データ判別器38は、読み出し対象セルに記録されたデータを判別することができる。所定の時間が経過した後、制御回路40は読み出し電流の停止を指示する。また、ワード線デコーダ31とビット線デコーダ33とビット線終端回路34は、全てのワード線とビット線を接地する。これにより読み出し動作が完了する。
4.まとめ
本発明に係る磁気メモリセル1の磁気記録層10は、非磁性体を介して磁気的に結合した複数の磁性体を有する。その複数の磁性体のうち少なくとも1つは筒形状を有しており、その筒状磁性体11の磁気異方性は、平面形状ではなく3次元形状によって決定される。従って、筒状磁性体11の平面形状が正方形に近づいたとしても、筒の周に沿って磁化容易軸が形成されるので、充分な磁気異方性と擾乱耐性を得ることが可能となる。言い換えれば、本発明によれば、充分な磁気異方性と擾乱耐性を保ったまま、磁気抵抗素子1の縦横比を小さくし、セル面積を縮小することが可能となる。すなわち、MRAMの大容量化と信頼性の向上の両立が実現される。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は当業者によって適宜変更され得ることは明らかである。
図1は、従来のMRAMの構成を示す平面図である。 図2は、従来の磁気抵抗素子の構造を示す模式図である。 図3は、従来のトグル書き込み方式のMRAMの磁気抵抗素子の構造を示す模式図である。 図4は、従来のトグル書き込み方式のMRAMの構成を示す平面図である。 図5Aは、従来の磁気抵抗素子の書き込み特性を示すグラフである。 図5Bは、従来の磁気抵抗素子の書き込み特性を示すグラフである。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気メモリセルを示す全体図である。 図7は、第1の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造例を示す断面図である。 図8は、第1の実施の形態に係る磁気メモリセルの状態を示す概念図である。 図9Aは、第1の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造の一例を示す平面図である。 図9Bは、第1の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造の他の例を示す平面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気メモリセルを示す全体図である。 図11は、第2の実施の形態に係る磁気メモリセルの状態を示す概念図である。 図12Aは、本発明の第3の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造の一例を示す模式図である。 図12Bは、第3の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造の他の例を示す模式図である。 図12Cは、第3の実施の形態に係る磁気メモリセルの構造の更に他の例を示す模式図である。 図13は、本発明の第4の実施の形態に係る磁気メモリセルを示す全体図である。 図14は、第4の実施の形態に係る磁気メモリセルの状態を示す概念図である。 図15Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図15Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図15Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図15Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図15Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図15Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの磁気記録層の製造工程を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態に係るMRAMの構造例を示す断面図である。 図17は、本発明の実施の形態に係るMRAMの回路構成を示すブロック図である。 図18は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの書き込み特性を示す図である。
符号の説明
1 磁気メモリセル(TMR素子)
2 反強磁性体層
3 ピン層
4 バリア層
10 磁気記録層
11 筒状磁性体
12 内部非磁性体
13 非磁性体層
14 磁性体層
21 第1筒状磁性体
22 第1内部非磁性体
23 非磁性体層
24 第2筒状磁性体
25 第2内部非磁性体
31 ワード線デコーダ
32 ワード線終端回路
33 ビット線デコーダ
34 ビット線終端回路
35 ワード線書き込み電流源
36 ビット線書き込み電流源
37 読み出し電流源
38 データ判別器
39 アンプ
40 制御回路

Claims (28)

  1. 磁化の向きが固定されたピン層と、
    磁化の向きが反転可能な磁気記録層と、
    前記ピン層と前記磁気記録層に挟まれたバリア層と
    を具備し、
    前記磁気記録層は、
    前記バリア層上に形成された磁性体と、
    非磁性体を介して前記磁性体と磁気的に結合した筒状磁性体と
    を有し、
    前記筒状磁性体は、第1方向に沿った第1軸の周りを一方向に回るように分布する回転磁化を有し、
    前記磁性体の磁化の向きは、前記回転磁化の向きによって変わる
    磁気メモリセル。
  2. 請求項1に記載の磁気メモリセルであって、
    前記筒状磁性体は、前記第1軸の周りを取り囲む筒状の構造を有する
    磁気メモリセル。
  3. 請求項2に記載の磁気メモリセルであって、
    前記回転磁化は、前記筒状磁性体中で前記第1軸の周りを一回転するように分布する
    磁気メモリセル。
  4. 請求項2又は3に記載の磁気メモリセルであって、
    前記筒状磁性体は、
    前記非磁性体を介して前記磁性体上に形成された第1部分と、
    前記第1部分に対向して形成された第2部分と、
    前記第1部分と前記第2部分との間をつなぐ第3部分と
    を有する
    磁気メモリセル。
  5. 請求項4に記載の磁気メモリセルであって、
    前記第1部分と前記磁性体は、互いに平行に形成された
    磁気メモリセル。
  6. 請求項4又は5に記載の磁気メモリセルであって、
    前記磁性体と前記第1部分は反強磁性的に結合し、
    前記磁性体の磁化の向きは、前記第1部分の前記回転磁化の向きの逆である
    磁気メモリセル。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記筒状磁性体は、前記非磁性体を介して前記磁性体と反強磁性的に結合した結合領域を有し、
    前記磁性体の磁化の向きは、前記結合領域における前記回転磁化の向きの逆である
    磁気メモリセル。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記筒状磁性体は、前記第1軸に沿う内部非磁性体の外周面上に形成された
    磁気メモリセル。
  9. 請求項8に記載の磁気メモリセルであって、
    前記内部非磁性体は、前記筒状磁性体の外部に露出している
    磁気メモリセル。
  10. 請求項8に記載の磁気メモリセルであって、
    前記内部非磁性体は、前記筒状磁性体で完全に覆われており、
    前記筒状磁性体は、
    前記第1軸に平行な第1側面と、
    前記第1軸と交差する第2側面と
    を有し、
    前記第2側面における前記筒状磁性体の厚さは、前記第1側面における前記筒状磁性体の厚さより小さい
    磁気メモリセル。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記筒状磁性体は、
    前記第1軸に平行な第1側面と、
    前記第1軸と交差する第2側面と
    を有し、
    前記第1側面の傾斜と前記第2側面の傾斜は異なる
    磁気メモリセル。
  12. 請求項11に記載の磁気メモリセルであって、
    前記第2側面の傾斜は、前記第1側面の傾斜より小さい
    磁気メモリセル。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記磁性体は、前記第1軸と平行な平面状の構造を有する
    磁気メモリセル。
  14. 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記磁性体は、前記第1方向に沿った第2軸の周りを取り囲む筒状の構造を有する
    磁気メモリセル。
  15. 請求項14に記載の磁気メモリセルであって、
    前記磁性体は、前記第2軸の周りを一方向に回るように分布する第2回転磁化を有する
    磁気メモリセル。
  16. 請求項15に記載の磁気メモリセルであって、
    前記第2回転磁化の向きは、前記回転磁化の向きと同じである
    磁気メモリセル。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    前記回転磁化の向きは、外部磁場によって反転可能である
    磁気メモリセル。
  18. 磁化の向きが固定されたピン層と、
    磁化の向きが反転可能な磁気記録層と、
    前記ピン層と前記磁気記録層に挟まれたバリア層と
    を具備し、
    前記磁気記録層は、
    前記バリア層上に形成された磁性体と、
    非磁性体を介して前記磁性体上に形成された筒状磁性体と
    を有し、
    前記筒状磁性体は、第1方向に沿った軸の周りを取り囲む筒状の構造を有する
    磁気メモリセル。
  19. 請求項18に記載の磁気メモリセルであって、
    前記磁性体は、前記軸と平行な平面状の構造を有する
    磁気メモリセル。
  20. 請求項1乃至19のいずれかに記載の磁気メモリセルであって、
    該磁気メモリセルが搭載される面に平行な面において、前記磁気記録層の形状は正方形である
    磁気メモリセル。
  21. 請求項1乃至20のいずれかに記載の磁気メモリセルを有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  22. 請求項1乃至20のいずれかに記載の磁気メモリセルと、
    第1電流が流れるワード線と、
    前記ワード線に交差するように形成され、第2電流が流れるビット線と
    を具備し、
    前記磁気メモリセルは、前記ワード線と前記ビット線との間に配置され、
    前記筒状磁性体の前記回転磁化の向きは、前記第1電流により発生する第1磁場と前記第2電流により発生する第2磁場との合成磁場により反転する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  23. (A)下地層の上にピン層を形成する工程と、
    (B)前記ピン層の上にバリア層を形成する工程と、
    (C)前記バリア層の上に磁気記録層を形成する工程と
    を有し、
    前記(C)工程は、
    (a)第1磁性体膜上に第1非磁性体膜を形成する工程と、
    (b)前記第1非磁性体膜の上に第2磁性体膜を形成する工程と、
    (c)前記第2磁性体膜上にマスク層を形成する工程と、
    (d)前記マスク層をパターニングすることによりマスクを形成する工程と、
    (e)前記マスクを用いて前記第2磁性体膜及び前記第1非磁性体膜をエッチングする工程と、
    (f)全面に第3磁性体膜を形成する工程と、
    (g)前記第3磁性体膜をエッチバックする工程と
    を含む
    磁気メモリセルの製造方法。
  24. 請求項23に記載の磁気メモリセルの製造方法であって、
    前記マスクは、第1側面と、前記第1側面と交差する第2側面を有し、
    前記(d)工程において、前記マスクは、前記第1側面の傾斜と前記第2側面の傾斜が異なるように形成される
    磁気メモリセルの製造方法。
  25. 請求項23に記載の磁気メモリセルの製造方法であって、
    前記(d)工程は、
    (d1)第1方向に平行な第1レジストマスクを用いて前記マスク層をパターニングすることにより、前記マスクの第1側面を形成する工程と、
    (d2)前記第1方向に交差する第2レジストマスクを用いて前記マスク層をパターニングすることにより、前記マスクの第2側面を形成する工程と
    を含み、
    前記第1側面の傾斜と前記第2側面の傾斜は異なる
    磁気メモリセルの製造方法。
  26. 請求項23乃至25のいずれかに記載の磁気メモリセルの製造方法であって、
    前記(C)工程は、
    (x)前記バリア層上に磁性体層を形成する工程と、
    (y)前記磁性体層上に非磁性体層を形成する工程と、
    (z)前記非磁性体層上に前記第1磁性体膜を形成する工程と
    を更に含む
    磁気メモリセルの製造方法。
  27. 第1の方向に延在する複数のマスク材料を用いた第1の加工手順と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数のマスク材料を用いた第2の加工手順とにより、アレイ状に配置した複数のパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  28. 前記第1の加工手順の条件と前記第2の加工手順の条件を異ならせることにより、前記第1の加工手順で形成されるパターン側面の傾斜と、前記第2の加工手順で形成されるパターン側面の傾斜とを異ならせることを特徴とする請求項27記載のパターン形成方法。
JP2005291946A 2005-10-05 2005-10-05 磁気ランダムアクセスメモリ Active JP4900647B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291946A JP4900647B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 磁気ランダムアクセスメモリ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291946A JP4900647B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 磁気ランダムアクセスメモリ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007103692A true JP2007103692A (ja) 2007-04-19
JP4900647B2 JP4900647B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=38030329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005291946A Active JP4900647B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 磁気ランダムアクセスメモリ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4900647B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011216A1 (ja) * 2007-07-19 2009-01-22 Sony Corporation 記憶素子及びメモリ
US7633796B2 (en) 2007-01-19 2009-12-15 Sony Corporation Storage element and memory
US8692342B2 (en) 2010-07-26 2014-04-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices having a uniform perpendicular nonmagnetic metal rich anisotropy enhanced pattern
JP2015532013A (ja) * 2012-09-13 2015-11-05 マイクロン テクノロジー, インク. メモリセルおよび磁気メモリセル構造のアレイの形成方法、ならびに関連するメモリセルおよびメモリセル構造
WO2017052491A1 (en) * 2015-09-21 2017-03-30 Intel Corporation Aspect ratio modification via angled implantation

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071881A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Toshiba Corp 半導体集積回路装置及びその製造方法
JP2004111887A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Tdk Corp 磁気抵抗効果素子および磁気メモリデバイスならびにそれらの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071881A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Toshiba Corp 半導体集積回路装置及びその製造方法
JP2004111887A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Tdk Corp 磁気抵抗効果素子および磁気メモリデバイスならびにそれらの製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7633796B2 (en) 2007-01-19 2009-12-15 Sony Corporation Storage element and memory
WO2009011216A1 (ja) * 2007-07-19 2009-01-22 Sony Corporation 記憶素子及びメモリ
JP2009026944A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Sony Corp 記憶素子及びメモリ
US8339840B2 (en) 2007-07-19 2012-12-25 Sony Corporation Storage element and memory
TWI397069B (zh) * 2007-07-19 2013-05-21 Sony Corp Memory components and memory
US8692342B2 (en) 2010-07-26 2014-04-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices having a uniform perpendicular nonmagnetic metal rich anisotropy enhanced pattern
US8987850B2 (en) 2010-07-26 2015-03-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices having a uniform perpendicular nonmagnetic rich antisotropy enhanced pattern
US9318695B2 (en) 2010-07-26 2016-04-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Magnetic memory devices having a uniform perpendicular nonmagnetic rich antisotropy enhanced pattern
JP2015532013A (ja) * 2012-09-13 2015-11-05 マイクロン テクノロジー, インク. メモリセルおよび磁気メモリセル構造のアレイの形成方法、ならびに関連するメモリセルおよびメモリセル構造
US9373775B2 (en) 2012-09-13 2016-06-21 Micron Technology, Inc. Methods of forming magnetic memory cells
US10164168B2 (en) 2012-09-13 2018-12-25 Micron Technology, Inc. Magnetic memory cell structures, arrays, and semiconductor devices
WO2017052491A1 (en) * 2015-09-21 2017-03-30 Intel Corporation Aspect ratio modification via angled implantation

Also Published As

Publication number Publication date
JP4900647B2 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3942930B2 (ja) トンネル接合メモリセル
JP3942931B2 (ja) 磁気メモリセル
US7173848B2 (en) Magnetic random access memory with memory cell stacks having more than two magnetic states
JP5002193B2 (ja) 積層されたトグルメモリセルが反対に方向付けられた容易軸バイアスを有する磁気ランダムアクセスメモリ
JP5460606B2 (ja) 分離cppアシスト書込を行うスピン注入mramデバイス
JP4658102B2 (ja) 磁気的に軟らかい基準層を有する磁気抵抗素子のための読出し方法
US7002839B2 (en) Magnetic ring unit and magnetic memory device
JP5537791B2 (ja) Mtj素子の製造方法
JP5014618B2 (ja) 積層トグルメモリセルを有する磁気ランダムアクセスメモリおよび選択されたセルを書き込むための方法
JP2004296869A (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ
US7572646B2 (en) Magnetic random access memory with selective toggle memory cells
US8198660B2 (en) Multi-bit STRAM memory cells
JP2004128430A (ja) 磁気記憶装置及びその製造方法
JP4128418B2 (ja) 導体を埋め込まれた磁気的に軟らかい基準層を含む磁気抵抗素子
JP2005064075A (ja) 磁気記憶装置及びその製造方法
US20050258469A1 (en) Magnetic memory with self-aligned magnetic keeper structure
US8482970B2 (en) Multi-bit STRAM memory cells
JP4900647B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ
JP2006332527A (ja) 磁気記憶素子
JP2004087870A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
JP2004296858A (ja) 磁気記憶素子及び磁気記憶装置
JP5163638B2 (ja) 磁性体装置及び磁気記憶装置
JP2008198875A (ja) スピン注入磁化反転素子および磁気ランダムアクセスメモリ装置
US20050101079A1 (en) Bit end design for pseudo spin valve (PSV) devices

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4900647

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3