JP5002193B2 - 積層されたトグルメモリセルが反対に方向付けられた容易軸バイアスを有する磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

積層されたトグルメモリセルが反対に方向付けられた容易軸バイアスを有する磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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    • H10B61/22Magnetic memory devices, e.g. magnetoresistive RAM [MRAM] devices comprising components having three or more electrodes, e.g. transistors of the field-effect transistor [FET] type

Description

発明の分野
[0001]本発明は、一般的には磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に関し、特に、「トグル」メモリセルを有するMRAMに関する。
関連技術の説明
[0002]磁気トンネル接合(MTJ)メモリセルを有するMRAMは、Reohrらによる米国特許5,640,343号、“Memories of Tomorrow”、IEEE CIRCUITS & DEVICES MAGAZINE、2002年9月、17〜27頁に記載されているように、不揮発性メモリのために提案されたものである。これらのデバイスにおいて、MTJは、半導体基板上に単一層状の配列(X−Y平面)として設けられている。1T1MTJ MRAM(1つのトランジスタ及び1つのMTJ)と呼ばれる1つのタイプの構造において、各MTJは、ビット線とトランジスタとの間に配置されており、ワード線がMTJの下側に配置されている。クロスポイント(XPC)MRAMと呼ばれる他のタイプの構造においては、MTJがビット線とワード線との間に直接に配置されている。
[0003]両方のMRAM構造においては、選択されたMTJセルがプログラムされ或いは「書き込まれる」。すなわち、選択されたMTJの上下に配置されたビット線及びワード線を通じてX方向及びY方向に流れる書き込み電流により、MTJセルの磁性状態又は+/−X磁化方向が切り換えられる。書き込み電流は、選択されたMTJの磁化方向を切り換える直交磁場をX方向及びY方向に形成する。一般的な書き込み方式は、ビット線及びワード線のそれぞれが、選択されたMTJセルを切り換えるために必要な書き込み磁場の半分を形成する「半選択(ハーフセレクト)」方式である。しかしながら、給電されたワード線及びビット線は、他のセルの磁気逆エネルギバリアをそれらの対応するワード線及びビット線に沿って減少する。これにより、これらの「半選択された」セルは、選択されたセルが書き込まれる際にその磁性状態が更に切り換えられ易くなる。
[0004]MTJセル構造と従来のMRAMの半選択問題を伴わないスイッチング機構とを有するMRAMが、Motorolaによって提案されている。その亡くなった発明者の名にちなんで名付けられたこの“Savtchenko”セル構造及びスイッチング機構は、M.Durlamらによる米国特許6,545,906B1号、“A 0.18μm 4Mb Toggling MRAM”、IEDM Technical Digest 2003、セッション34、論文#6に記載されている。このタイプのMRAMにおいて、MTJセルの強磁性フリー層は、合成反強磁性体(SAF)、すなわち、略同一な磁気モーメントを有する2つの強磁性副層から成る多層構造体であって、上記2つの副層のモーメントの逆平行なアライメントを維持する反強磁性結合層によって上記副層同士が分離された多層構造体である。スピンバルブ磁気抵抗センサにおけるSAFフリー層が米国特許5,408,377に記載されており、また、SAFフリー層及びピン層(ピン層)を有するMTJメモリセルが米国特許5,966,012に記載されている。SavtchenkoタイプのMRAMは、2つの直交する書き込み線又はプログラミング線を使用するが、MTJセルの軸が各線に対して45度を成している。SAFフリー層は、従来の単一の強磁性フリー層とは異なって印加磁場に応答する。書き込みは「トグル」書き込みと呼ばれるプロセスによって生じる。「トグル」書き込みにおいては、2相プログラミングパルスシーケンスがSAFフリー層モーメントすなわち磁化方向を180度漸進的に回転させるため、MRAMが時として「トグル方式」MRAMと呼ばれ、メモリセルが「トグル」セルと呼ばれる。セルがプログラミング線に対して45度の角度を成しているため、また、セルの磁場応答により、1つのプログラミング線からの磁場は、半選択されたセルの磁化を切り換えることができず、その結果、セル選択性が高いMRAMが得られる。
[0005]3つ以上の磁性状態を形成するために書き込み線同士の間に位置された2つのトグルメモリセルを有するトグル方式MRAMが米国特許第20050047198A1号に提案されている。このデバイスにおいて、2つのセルは異なるスイッチング磁場を有しており、2つのセルのピン層の正味モーメント(ネットモーメント)は平行である。書き込みは、2つのレベルの書き込み電流を同じX−Y象限に印加することにより生じる。この場合、低い方の書き込み電流は一方のセルだけをトグル書き込みし、高い方の書き込み電流は両方のセルを同時にトグル書き込みする。
[0006]必要なものは、垂直に、すなわち、基板からZ方向に積み重ねられた複数のトグルメモリセルを有するが、低いスイッチング磁場、したがって低い電力を必要とするトグル方式MRAMである。
発明の概要
[0007]本発明は、MRAM基板上のX−Y平面内に配置されたメモリスタックを有するトグル方式MRAMであって、各メモリスタックがZ軸に沿って積層された複数のトグルメモリセルを有するトグル方式MRAMである。各スタックは、2つの直交する書き込み線同士の間の交差領域に位置されている。セルは対を成して積層され、各対のセルは、その磁化容易軸が互いに対して略平行に位置合わせされるとともにX軸及びY軸と非平行である。各対のセルは、そのフリー層が反対方向でバイアスされる。一実施形態において、バイアス磁場はフリー層の関連するピン層によって印加され、別の実施形態においてはスタックの外側に位置されたハードマグネットによって印加される。1つの対の各セルのフリー層は、他のセルのフリー層のバイアス方向と反対の方向でバイアスがかけられるため、1つの対の1つのセルを、当該対の他のセルをトルグ切り換えすることなく、トグル切り換えすることができる。1つの対の各セルは、非磁気分離層により当該対の他のセルから磁気的に分離され、また、積層された対も非磁気分離層により互いから磁気的に分離される。1つのスタック中にN個(Nは2以上)の対が存在する場合、N個の対におけるフリー層の磁化の略平行な容易軸は、Z軸と平行な軸の周りで略等しい角度間隔をもって離間される。スタック中の任意のセルは、当該スタック中の他の任意のセルをトグル書き込みすることなく、トグル書き込みすることができる。バイアス磁場は、1つのセルをトルグ切り換えするために必要な書き込み磁場を減少させ、したがって、それにより、電力消費量が少ないトグル方式MRAMが得られる。
[0008]本発明の性質及び利点を十分に理解するため、添付図面と共に以下の詳細な説明を参照する。
発明の詳細な説明
(従来技術)
[0021]図1は、その磁化方向がトグル書き込みにより切り換えられるSAFフリー層を有する1つのSavtchenkoMTJメモリセルを示す従来技術のMRAMの一部の斜視図である。MTJセルは、第2の書き込み線(WL2)(Y軸に沿って一直線に延びる)と第1の書き込み線(WL1)(X軸に沿って一直線に延びる)との間の交差領域に配置されている。これらの書き込み線は、トグル書き込みを行なうために一連の電流パルスを供給する書き込み回路に接続されている。図1には、1つのMTJセル及び交差領域だけが描かれているが、MRAMにおいては、複数の略平行な第2の書き込み線と、第2の書き込み線と直交し且つ重なり合って複数の交差領域を形成する複数の略平行な第1の書き込み線とが存在する。各交差領域は1つのMTJセルを含んでいる。各MTJセルは、MRAM基板(図示せず)上に形成されるトランジスタに対して電気的に接続されている。図1の実施形態において、各MTJセルは、トランジスタ及び抵抗検出回路又は抵抗読み取り回路への接続を行なう上部電極及び下部電極に対して電気的に接続されている。トランジスタをONにし且つセンス電流IがMTJセルを通じて流れる際に読み取り回路を用いて抵抗を測定することにより、MTJセルの磁性状態が読み取られ、すなわち、ピン層の磁化方向に対するSAFフリー層の磁化方向が検出される。
[0022]図2は、MTJセルを形成する層を示す概略断面図である。SAFフリー層とSAFピン層は、一般にアルミナ(Al)から成るトンネルバリアによって分離されている。SAFピン層は、ピン強磁性副層と、一般にルテニウム(Ru)である反強磁性結合層(AFC)によって離間された固定強磁性副層とから成る三重層である。ピン副層及び固定副層の磁気モーメントは略等しいが逆平行であり、そのため、これに伴うSAFピン層の正味(ネット)磁気モーメントは略ゼロである。SAFピン層のピン副層は、一般に例えばFeMn又はPtMn等のMn合金である反強磁性(AF)ピン層に対して反強磁性的に結合されることにより固定される。MTJセルのピン層は、1つのSAFピン層であることが好ましいが、AFピン層に対して固定された従来の単一の強磁性層であってもよい。SAFフリー層は、一般にルテニウム(Ru)であるAFC結合層によって離間された第1及び第2の強磁性副層から成る三重層である。この場合、2つの強磁性副層の磁気モーメントは殆ど釣り合っている。
[0023]図3A及び図3Bに示されるように、SAFの磁場応答は単純な強磁性体のそれとは全く異なっている。単純な強磁性体は、図3Aに示されるように、その磁化方向すなわちその磁気モーメントが印加磁場Hと平行に合わせられる。しかしながら、略釣り合わされたSAFは、図3Bに示されるように、2つの副層の両方のモーメントを印加磁場方向に向かって僅かに傾けた状態で印加磁場Hに対して略垂直に方向付けるスピンフロップ現象によって最低エネルギに達する。スピンフロップ現象は、2つの強磁性副層の磁気モーメントが印加磁場方向に対して名目上直交するが依然として大部分が互いに逆平行となるように2つの強磁性副層の磁気モーメントを回転させることにより印加磁場内の全体の磁気エネルギを下げる。回転又はフロップと、印加磁場の方向での各強磁性体の磁気モーメントの僅かな偏りとが組み合わされると、磁気エネルギ全体の減少を招く。
[0024]図4は、SAFフリー層を有するMTJセルにおけるトグル書き込み方式を示している。SAFフリー層は、その容易磁化軸が2つの書き込み線のそれぞれから45度の方向に向けられた一軸磁気異方性を有する。SAFピン層は、その磁化方向がSAFフリー層の容易軸と一直線に合わされた状態で固定されている。印加磁場が存在しない2つの安定した磁性状態は、SAFフリー層の磁化方向(実線の矢印で示されている)がSAFピン層の磁化方向に対して平行或いは逆平行となり、それにより、抵抗が低くなっている或いは高くなっている状態である。
[0025]図4に示されるように、時間tにおいては、WL1上における+X方向のプラス電流IがY方向の印加磁場Hを形成し、それにより、両方の副層のモーメントが時計周り方向に約45度回転する。時間tにおいては、WL2上における+Y方向のプラス電流IがX方向の印加磁場Hを形成し、これがHと一緒になることにより、+X軸と+Y軸とに対して45度を成す正味印加磁場が形成され、これにより、両方の副層のモーメントが時計周り方向に更に約45度回転する。時間tにおいては、プラス電流Iが遮断され、それにより、磁場Hだけが+X方向に印加され、その結果、両方の副層のモーメントが時計周り方向に更に約45度回転する。この時点で、両方の副層のモーメントは、一般に、それらの困難軸不安定点を通り過ぎて回転してしまっている。時間tにおいては、プラス電流Iも遮断されることにより、磁場の印加がなくなり、その結果、両方の副層のモーメントが時計周り方向に更に約45度回転し、容易軸と一直線を成す安定状態となる。しかしながら、この状態は、初期状態から180度回転した状態である。したがって、WL1電流及びWL2電流を連続してON及びOFFに切り換えることにより、2つの副層のモーメントは、SAFフリー層の磁化方向が180度回転するまで約45度ずつトグルされる(切り換えられる)。また、時間t,tにおいて印加された+X磁場及び時間t,tにおいて印加された+Y磁場を用いてトグル切り換えを行なうこともできる。
[0026]図4に示されるように、両方の電流がONされると、副層のモーメントは、書き込み線に対して45度の角度を成して略直交して一直線に合わせられ、磁化の困難軸に沿うようになる。しかしながら、一方の電流だけがONされると、磁場により、副層のモーメントが書き込み線と略平行に位置合わせされる。このトグル書き込み方式においては、X軸又はY軸に沿う1つの印加磁場だけが半選択されたセルに存在する。半選択されたセルにおけるSAFフリー層の副層のモーメントをそれらの困難軸不安定点を越えて切り換えるためには、この1つの磁場だけでは不十分であるため、1つの選択されたセルに対してトグル書き込みを行なう際に半選択されたセルの磁性状態が誤って切り換えられてしまう可能性はない。
(本発明)
[0027]本発明は、前述した従来技術のMRAMに類似するがトグルメモリセルから成るマルチビットメモリスタックを各交差領域に有するMRAM、少ない書き込み電流を用いてスタック内の選択された1つのセルを選択的に書き込むためのトグル書き込み方式、複数のメモリセルのための読み取り方式である。セルは対を成して積み重ねられ、MRAMは各交差領域に少なくとも1つの対を有する。各対におけるSAFフリー層は、平行に位置合わせされたそれらの磁化容易軸を有するとともに、それらの容易軸に沿って反対方向にバイアスがかけられる。単一のトグルメモリセル内のSAFフリー層のバイアスは米国特許第6,633,498 B1号に記載されている。
[0028]本発明では、まず最初に、2つの積み重ねられたメモリセルから成る1つの対を各交差領域に有するMRAMに関して説明する。図5は、1つの交差領域におけるマルチビットメモリスタックであって、2つのMTJセル1,2から成る対を有し且つセル1がセル2の上に描かれたマルチビットメモリスタックの平面図である。セル2は、セル1の真下に配置されており、単に説明を目的としてセル1から僅かにずれた外形破線で示されている。各セルは略楕円形状を成すように描かれている。これは、長軸が容易軸であり且つ短軸(長軸と直交する軸)が困難軸である形状異方性をセルのSAFフリー層が有することを表わそうとしたものである。角度θは約45度であるため、2つのセルの磁化の容易軸は、書き込み線WL1,WL2のそれぞれに対応するX軸とY軸との間で45度の角度に向けられる。セルの形状によって引き起こされる一軸異方性を与えるためには、楕円形状以外の他の多くの形状も考えられる。
[0029]図6は、対を成す2つのMTJセルを形成する複数の層を示すセルの長軸に沿う概略断面図である。各セルは図2に関して説明したものと略同様であるが、セル1がセル2の上に積み重ねられており、これらの2つのセル間に非磁気分離層が設けられている。各SAFピン層は、略釣り合わされたSAFではないが、所定の正味磁気モーメントを有するSAFである。各SAFピン層では固定副層のモーメントがピン副層からの略等しいモーメントによって相殺されないため、各SAFピン層は「非相殺的」SAFピン層である。
[0030]MTJメモリセルでの使用においては、比較的幅広い材料及び厚さが既知であるが、代表的な例は、各SAF層の強磁性副層においては1〜4nmのCoFe又はCoFe/NiFe二重層であり、各SAF層の反強磁性結合層においては0.6〜3.0nmのRuであり、AFピン層においては5〜15nmのIrMnであり、トンネルバリアにおいては0.5〜3.0nmのアルミナ(Al)である。図6には描かれていないが、AFピニング層の下にシード層が配置され、上部電極の下にキャッピング層が配置されていてもよい。非磁気分離層は、厚さが約1〜300nmのCuやNiCu等の材料であってもよい。非磁気分離層は、セル2のSAFフリー層をセル1のAFピニング層から分離しつつ、2つのセル間の電気的な接続を行なう。
[0031]セル1のSAFフリー層は、−X,−Y軸及び+X,+Y軸に対してそれぞれ45度を成す方向に対応する2つの逆平行方向のうちの一方(−1,−1)又は(1,1)をとり得る正味磁気モーメント110又は磁化方向を有する。この実施例において、セル1の非相殺的SAFピン層は、その固定副層が、そのピン副層よりも厚く、したがって当該ピン副層のモーメント122よりも高いモーメント120を有するため、(−1,−1)方向に向けられた正味磁気モーメントを有する。これにより、セル1の固定副層は、破線で描かれているように、セル1の第1のフリー副層と静磁気結合される。したがって、セル1の固定副層からのモーメントは、セル1のSAFフリー層に(1,1)方向で作用する有効なバイアス磁場HB1を形成する。
[0032]同様に、セル2のSAFフリー層は、2つの逆平行方向のうちの一方(−1,−1)又は(1,1)をとり得る正味磁気モーメント210を有する。この実施例において、セル2の非相殺的SAFピン層は、そのピン副層が、その固定副層よりも厚く、したがって当該固定副層のモーメント222よりも高いモーメント220を有するため、(1,1)方向に向けられた正味磁気モーメントを有する。これにより、セル2のピン副層は、破線で示されるように、セル2の第1のフリー副層と静磁気結合される。したがって、セル2のピン副層からのモーメントは、セルのSAFフリー層に(−1,−1)方向で作用する有効なバイアス磁場HB2を形成する。この実施例において、HB1及びHB2は等しくなるように選択される。そのため、対を成す2つのセルの各SAFフリー層は、バイアス磁場Hにより容易軸バイアスがかけられるが、反対方向でバイアスがかけられる。Hの値は、各SAFピン層の強磁性固定副層及び強磁性ピン副層の厚さ及び/又は材料組成を適切に選ぶことにより選択することができる。
[0033]強磁性層の一軸磁気異方性は、基本的に、最も低いエネルギ状態の容易軸と称される同一の軸に沿って全ての磁区が一列に並ぶ傾向があることを意味している。一軸磁気異方性を有する強磁性層の異方性磁場Hは、磁化方向を切り換えるために容易軸に沿って印加される必要がある磁場である。バイアス磁場を何ら伴うことなくSAFフリー層を切り換えるための最小書き込み磁場は、HSWであり、以下によって与えられる。
SW=[2H*(2A/M)]1/2
ここで、Aは表面層間反強磁性交換定数(surface interlayer antiferromagnetic exchange constant)であり、Mは2つの相殺副層のそれぞれの磁化である。
[0034]図7は、トグルメモリセルの対のための対応する書き込み電流ウインドウを示している。書き込み磁場Hにおいては、(HSW−H)<H<(HSW+H)となるように、選択トグル書き込みウインドウが第1象限Q1内に存在している。ここで、HSWは、バイアスを何ら伴わないセル1及びセル2のスイッチング磁場である。Q1におけるセル1の切換閾値はHSW−Hまで減少され、一方、第3象限Q3におけるセル1の切換閾値はHSW+Hまで増大される。同様に、Q3におけるセル2の切換閾値はHSW−Hまで減少され、一方、Q1におけるセル2の切換閾値はHSW+Hまで増大される。したがって、領域130内にHを形成できる十分な大きさを有し且つ図4に示されるようなトグル書き込みパルスシーケンスにしたがって印加される書き込み電流+IWL1及び+IWL2は、セル1をトグル書き込みするが、セル2をトグル書き込みしない。同じ書き込み磁場Hにおいては、選択トグル書き込みウインドウが第3象限Q3内に存在する。したがって、領域230内にHを形成できる十分な大きさを有し且つ図4に示されるようなトグル書き込みパルスシーケンスにしたがって印加される書き込み電流−IWL1及び−IWL2は、セル2をトグル書き込みするが、セル1をトグル書き込みしない。
[0035]Q1の領域140は、書き込み電流+IWL1及び+IWL2が(HSW+H)よりも大きい書き込み磁場を形成できる程度に十分高かった場合にセル1及びセル2の両方がトグル書き込みされる書き込み磁場の領域を表わしている。Q3の領域240は、書き込み電流−IWL1及び−IWL2が(HSW+H)よりも大きい書き込み磁場を形成できる程度に十分高かった場合にセル1及びセル2の両方がトグル書き込みされる書き込み磁場の領域を表わしている。
[0036]相殺的SAFフリー層に作用するバイアス磁場Hの効果は、垂直異方性磁場に似ているが、その大きさがHよりも小さいため、静磁化は、H<HSWである限り、H方向と平行を保つ。そのため、MTJのΔRは容易軸バイアスによって影響されない。
[0037]図6のマルチビットメモリスタックの製造は、その上に既にWL2及びベース電極(下部電極)が形成されているMRAMウエハから始まる。ベース電極層上に適当なシード層が堆積され、その後、セル2のSAFピン層のAFピニング層、ピン副層、Ru AFC層、固定副層が堆積される。その後、アルミニウム膜を堆積させた後に酸化してアルミナトンネルバリアを形成することにより、MTJセル2のトンネルバリアが形成される。その後、セル2のSAFフリー層の第1のフリー副層、Ru AFC層、第2のフリー副層、非磁気分離層がトンネルバリア上に堆積された後、非磁気分離層が堆積される。分離層上にMTJセル1を形成するためのプロセスは基本的にMTJセル2の場合と同じである。全ての層は、セル1及びセル2の容易軸に合わせられた磁場の存在下で堆積される。これにより、両方のセルのAFピニング層の磁化方向を含む両方のセルの磁化方向全体が画成される。図6に描かれている実施例において、全ての層の堆積中に印加される磁場は(1,1)方向である。これにより、両方のセルのピンSAF層のピン副層の磁化方向が平行になる。しかしながら、セル1においては固定副層がピン副層よりも厚く、一方、セル2においてはピン副層が固定副層よりも厚いため、2つのSAFピン層の正味磁気モーメントは矢印120,220で表わされるように反対方向となる。その後、磁場が存在しない状態で、ウエハが約200〜300℃の温度でアニールされ、それにより、交換結合の温度依存性が高められる。次に、ウエハがリソグラフィックにパターニングされてエッチングされることによりセルの形状が画成され、その結果、セルの一軸形状異方性が形成される。パターニング、エッチング、レジスト除去後、エッチングによって除去された領域を再び満たすためにアルミナ等の絶縁材料が使用される。前述したプロセスにより、トンネルバリアの下にSAFピン層が配置されたMTJセルが得られるが、スタック内の一方又は両方のMTJセルは、トンネルバリアの下にSAFフリー層を配置した状態で形成することができる。
[0038]マルチビットメモリスタックのための代替の製造プロセスは、セルの形状異方性に依存しない。強磁性フリー層の一軸異方性が堆積中に印加される磁場を用いて画成できることは既知である。異方性の大きさは、CoFeB及びCoFeHfらの特定の材料においては非常に高くなる可能性がある。また、イオンビーム蒸着又は蒸発システムで入射角度を制御することによりNiFeにおいて高い一軸異方性が得られることがPughらのIBM Journal of Research & Development,第4刊、No.2、163頁(1960)によって報告されている。ウエハを磁場方向及び/又は入射ビーム角度に対して向けることにより、リソグラフィックパターニングによってではなく蒸着によって異方性角度を画成することができる。角度入射等の材料堆積方式によってセルの一軸異方性が画成される場合、セルは、Z方向に合わされる一致する周長及び同一形状を有することができる。1つの例は円形状のセルである。円形の幾何学的形状により、セルをX−Y面内に互いに近接してまとめることができる。
[0039]図6では、各セルが非相殺的SAFピン層を有するが、ピン層は、AFピニング層に対して交換結合される強磁性体から成る従来の単一の層であってもよい。このとき、単層のピン層からの磁気モーメントがバイアス磁場Hを形成する。しかしながら、この場合、セル1においては、AFピニング層の磁化方向を反対方向に設定する必要がある。すなわち、セル1を形成する層の堆積中の印加磁場は(−1,−1)方向である必要がある。
[0040]図8は、スタックの外側に位置されたハードマグネットから成るバイアス層を使用して2つのセルの容易軸に反対方向でバイアスをかけるメモリユニットの実施形態を示している。この構造において、各SAFピン層は、その正味磁気モーメントが略ゼロであり且つそれがバイアス磁場を形成しないように略釣り合わされたピン層である。セル2のSAFフリー層に関連するバイアス層BL2は、スタックの両側に配置された2つのセグメントを備えており、各セグメントは、セル2のフリー副層1と略同じ平面内にあるとともに、適切なシード層上に形成された容易軸バイアス(EAB)材料から成っている。2つのBL2セグメントにおけるEAB2a及びEAB2bは、(−1,−1)方向で容易軸バイアス磁場Hを形成するために、セル2のフリー副層1の容易軸と平行な(−1,−1)方向に向けられた磁化方向272を有する。同様に、セル1のSAFフリー層に関連するバイアス層BL1は、スタックの両側に配置された2つのセグメントを備えており、各セグメントは、セル1のフリー副層1と略同じ平面内にあるとともに、適切なシード層上に形成されたEAB材料から成っている。2つのBL1セグメントにおけるEAB1a及びEAB1bは、(1,1)方向で容易軸バイアス磁場Hを形成するために、セル1のフリー副層1の容易軸と平行な(1,1)方向に向けられた磁化方向172を有する。したがって、対を成す2つのセルのSAFフリー層のそれぞれは、バイアス磁場Hにより容易軸バイアスがかけられるが、反対方向でバイアスがかけられる。
[0041]図8に示される構造では、メモリセルを形成する層が形成された後、これらの層がエッチングによりパターニングされ、それにより、スタックが形成される。エッチング後、アルミナ等の絶縁誘電体が基板上に再び満たされた後、CrやTiW等のシード層材料及びCoPtCr等の永久磁石材料がパターニングされ、それにより、2つのセグメントBL2が形成される。更なる絶縁誘電体がBL2上にわたって再び充填されるとともに、第2のシード層のための材料及び永久磁石が堆積されてパターニングされ、それによりBL1が形成される。磁化方向272,172を反対方向に設定できるように、BL2及びBL1における2つの永久磁石は、異なる保磁力、すなわちHc−高及びHc−低を有する。Hc−高よりも大きい第1の印加磁場が使用されることにより、高い保磁力の永久磁石が所望の方向に設定される。Hc−低よりも大きいがHc−高よりも小さい第2の磁場が反対方向に印加されることにより、低い保磁力の永久磁石が所望の方向に設定される。EAB1及びEAB2の永久磁石からのバイアス磁場Hの強度は、永久磁石の組成及び/又は厚さを適切に選ぶことにより選択される。図8に示される実施形態において、各バイアス層BL1,BL2は、ハード(比較的高い保磁力)強磁性体又は永久強磁性体、例えばCoPtCr合金のようなCoPt合金から成る強磁性体によって形成されるEABセグメントを含んでいる。しかしながら、より多くのBL1及びBL2のうちの1つが、AFピニング層に対して交換結合されることにより固定される強磁性層で形成されるそのEABセグメントを有していてもよい。
[0042]図6の実施形態及び図8のスタック外側実施形態では、両方のセル1,2において、SAFフリー層がSAFピン層の上側に配置されている。しかしながら、セルの一方又は両方において、ピン層をフリー層の上側に配置させることができる。図6を参照すると、セル1において、SAFピン層はSAFフリー層の上側に位置されてもよい。この構造は、2つのSAFピン層を互いに更に遠くに離間させて配置し、それにより、各SAFピン層がその関連するSAFフリー層に対してのみ静磁気結合を行なうようにさせる。
[0043]図6及び図8は、セルの真上及び真下に配置され且つX軸及びY軸と一直線に合わされた書き込み線を描いている。しかしながら、各書き込み線は、スタックの上下の近傍においてスタックの両側で離間する一対の書き込み線であってもよい。この場合、書き込み線の上下の対間の交差領域にメモリセルが配置される。つまり、書き込み線2は、ベース電極(図6及び図8)の両側で離間され且つY軸と平行に位置合わせされた一対の書き込み線であってもよく、また、書き込み線1は、上部電極の両側で離間され且つX軸と平行に位置合わせされた一対の書き込み線であってもよい。1つの対の両方の線に沿って方向付けられる書き込み電流は、スタック中のフリー層の略面内に磁場を形成する。
[0044]対における各MTJセルは「1」又は「0」となることができ、それにより、対においては4つの可能な磁性状態が存在する。これらの状態は、(セル1状態,セル2状態)により(1,1),(1,0),(0,1),(0,0)として表わされる。2つのセルが「1」状態と「0」状態との間に同じ抵抗差ΔRを有する場合、従来の比較器は、必要な4つの抵抗レベルのうちの3つしか検出することができない。しかしながら、セルが異なるΔR値を有するように異なるMTJ材料を用いてセル1,2を製造することにより、4つの区別できる抵抗レベルを検出することができる。例えば、セル1のΔRがセル2のΔRの少なくとも2倍である場合には、4つの正味抵抗レベルから4つの状態を決定することができる。この場合、最も高い抵抗が(1,1)であり、その次に、(1,0),(0,1),(0,0)が続く。公開された特許出願米国特許第20020036331A1号は、2つの積層された従来のMTJセルから成るメモリセルを有するMRAMであって、セルが異なるΔR値を有するようにセル内の強磁性層が異なるサイズを有するMRAMについて記載している。この2ビットメモリセルの論理状態は、メモリセルの両端間に電圧を印加し且つメモリセルを通じて流れるセンス電流の大きさを決定することにより読み取られる。この場合、センス電流の大きさは、2つの直列に接続されたMTJセルの全抵抗に比例する。また、トンネルバリアの厚さが異なるセルを製造することにより、2つのMTJセルの異なるΔR値を得ることもできる。これは簡単に達成することができる。なぜなら、所定のバリア材料における大きさの2〜3桁に及ぶように磁気トンネル接合のための抵抗と面積との積(RA)を設定することができるからである。例えば、MRAMにおける一般的なMTJセルは略1kΩμmのRAを有するが、録音ヘッド用途における磁気抵抗センサのための一般的なMTJセルは5Ωμmをはるかに下回るRAを有する。トンネルバリア厚さを変えることによりセルが異なるΔR値を有するようにする利点は、2つのMTJセルにおけるSAFフリー層の磁気特性を略同じにすることができるという点である。
[0045]容易軸バイアスが反対のトルグセルから成る1つの対をマルチビットメモリスタックが有する場合について本発明を説明してきたが、本発明はN個(Nは2以上)の積層された対に対しても適用できる。スタック中におけるN個の対のそれぞれは、その2つのSAFフリー層に関して、独自に位置合わせされた一軸の異方性軸(容易軸)を有する。N個の対の異方性軸は、約2θの等しい角度間隔をもって離間されていることが好ましい。ここで、2θ=180/Nであり、θは異方性軸間の角度の半分である。異方性軸が等しい角度間隔をもって離間されていない場合、角度θはβ/2以下となるように選択される。ここで、βは、マルチビットメモリスタック中の対における異方性軸の最小角度間隔を表わしている。半選択セル障害を最小限に抑えるため、いずれの容易軸も、書き込み線に対して、すなわち、一般的なクロスポイントMRAM構造におけるX軸及びY軸に対して垂直に合わせられない。+X軸に最も近い異方性軸が+θ度にあると、最適なケースが達成される。
[0046]図9は、セルの2つ(N=2)の対を有するマルチビットメモリスタックの平面図である。この場合、セル3,4は、セル1,2の上側に位置されるとともに、それらの容易軸が(−1,1)方向(第2象限Q2の−X軸及び+Y軸に対して45度を成す方向)に合わされている。セル3,4を形成する層の堆積前に、セル1の上側に非磁気分離層が形成される。セル3,4を形成する前に分離層上で化学機械研磨(CMP)プロセスを行なうことができる。分離層上にセル3,4を形成するためのプロセスは、セル3,4の容易軸に合わされた磁場内で堆積が行なわれる点を除き、基本的にはセル1,2において説明したプロセスと同じである。
[0047]図10は、反対の容易軸バイアスを伴うトグルセルの2つの対のための対応する書き込み電流ウインドウを示している。このように、Q2の領域330内にHを形成できる十分な大きさを有し且つ図4において説明したようなトグル書き込みパルスシーケンスにしたがって印加される書き込み電流−IWL1及び+IWL2は、セル3をトグル書き込みするが、セル4をトグル書き込みしない。同様に、Q4の領域430内にHを形成できる十分な大きさを有し且つ図4において説明したようなトグル書き込みパルスシーケンスにしたがって印加される書き込み電流+IWL1及び−IWL2は、セル4をトグル書き込みするが、セル3をトグル書き込みしない。Q2の領域340及びQ4の領域440は、書き込み電流が(HSW+H)よりも大きい書き込み磁場を形成できる程度に十分高かった場合にセル3及びセル4の両方がトグル書き込みされる書き込み磁場の領域を表わしている。
[0048]図11は、セルの4つ(N=4)の対を有するマルチビットメモリスタックの平面図である。第1の対の容易軸はX軸から角度θに合わせられており、N個の対の容易軸は2θの等しい角度間隔をもって離間されている。ここで、2θ=180/Nである。N=4の場合、セルのそれぞれの対における容易軸φ(j=1〜4)は、セルの他の対の容易軸から45度の角度間隔(θ=22.5度)で均等に離間されている。対の中では、2つのセルは、対応する異方性軸に沿うHの磁場を用いて反対方向にバイアスがかけられる。
[0049]N−対セルスタックにおける選択された個々のセルの選択的な書き込みは、2つの書き込み線を使用して予め設定された3つの方向で書き込み磁場を形成することによって達成される。3つの電流の大きさ(I、k=1,2,3)のそれぞれは十分に高いため、印加磁場に対して略垂直な方向にSAFフリー層磁化を回転させる(すなわち、スピンフロップモード)ことができる十分な磁場が形成される。段階tの間、印加磁場は、(φ−θ)方向に設定され、或いは、選択されたセル(セルj)の容易軸φから−θ(cw)の角度に設定される。段階tの間、磁場は容易軸φと平行に設定される。最後に、段階tの間、磁場は、(φ+θ)方向に設定され、或いは、選択された容易軸φから+θ(ccw)の角度に設定される。書き込み線2(磁場H)及び書き込み線1(磁場H)におけるt,t,t段階での相対的な予め設定された電流の大きさはそれぞれ以下の通りである。
[ICos(φ−θ),ISin(φ−θ)]
[ICos(φ),ISin(φ)]
[ICos(φ+θ),ISin(φ+θ)]
[0050]書き込みパルス中、選択されたセルのフリー層磁化は、書き込み段階t,t,tの間、約(90°−θ),θ,θの角度だけそれぞれccw(反時計回り)に回転し、その結果、(90°+θ)度の正味ccw回転が得られる。書き込みパルスの最後に、選択されたセルの磁化方向は、その困難軸を通り過ぎて約θ度だけ回転するとともに、その最初の方向から容易軸方向に180度回転し続ける。マルチビットメモリスタック中の他のセルのそれぞれにおいては、そのフリー層の磁化方向がその困難軸の近傍へと角度θだけ回転しないため、その磁化方向はその最初の磁化方向へと戻り、その磁性状態は切り換わらない。そのため、N−対セルスタック間での書き込みの選択性は、書き込み線を通じた電流パルスの3つの段階を用いて実現することができる。書き込み磁場Hにおいては、(HSW−H)<H<(HSW+H)となるように、印加された電流の極性を選択することにより、対の特定のセルに対する選択的な書き込みが達成される。
[0051]図12は、セルの4つの対を有する図11に示されるマルチビットメモリスタック中の8個の個々のセルの選択的なトグル切り換えにおける概略8分割図である。セル1の選択的な書き込みは、例えば、0度、22.5度、45度方向で書き込み磁場を連続的に形成するための電流の3つの段階を用いて達成される。同様に、セル2の選択的な書き込みは、例えば、180度、212.5度、225度方向で書き込み磁場を形成するための電流の3つの段階を用いて達成される。8個のセルのそれぞれに対するトグル書き込みが矢印で示されている。
各交差領域に1つのメモリセルしか有さないSavatchenko型MRAMに関して従来技術で説明したトグル書き込みの場合、各書き込み線においては、たった1つの極性及び1つの大きさの書き込み電流で十分である。各交差領域に一対の積み重ねられたメモリセルから成るマルチビットメモリスタックを有する本発明に係るMRAMにおいては、書き込み回路が両方の書き込み線で双方向電流を供給できなければならない。4つの積み重ねられたメモリセルすなわち2つの対(N=2)が存在する場合、スタック中の4つのセルのそれぞれの選択的な書き込みを行なうためには、書き込み回路は、各書き込み線で3つのレベルの電流の大きさを伴って双方向電流を供給できなければならない。しかしながら、本発明のマルチビットMRAMにおいては、各セルにおけるスイッチング磁場がHだけ減少され、それにより、書き込み電流を少なくでき、低電力のトグル方式MRAMが得られる。
[0052]マルチビットメモリスタック中の選択されたセルの選択的な読み取りは、セルスタック両端間の抵抗を測定し、読み取られるべき選択されたセルを(前述したように)選択的にトグル書き込みし、セルスタック両端間の抵抗を測定した後、選択されたセルを書き込んでその最初の状態に戻すことによって行なうことができる。2つの測定された抵抗の増大又は減少は、選択されたセルの状態を示している。公開された特許出願米国特許第20040125649A1号は、各セルがそれ自体の書き込み線に関連付けられるが1つの層中の複数のセルが1つのトランジスタに対して直列に接続される単一メモリ層トグル方式MRAM中の選択されたセルを読み取りための方法について記載している。選択されたセルの読み取りは、選択されたセルをトグル書き込みする前後において直列に接続されたセルの抵抗を測定することにより起こる。
[0053]好ましい実施形態に関して本発明を特に図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、形態や内容に関して様々変更を行なうことができる。したがって、開示された発明は、単なる一例と見なされるべきであり、その範囲は添付の請求項に特定される範囲にのみ限定される。
1つのSavtchenkoMTJメモリセル及び対応する書き込み・読み取り回路を示す従来技術のMRAMの一部の斜視図である。 図1の従来技術のMTJメモリセルを形成する層を示す概略断面図である。 単純な強磁性体及び合成反強磁性体(SAF)のそれぞれの磁場応答の比較を示している。 単純な強磁性体及び合成反強磁性体(SAF)のそれぞれの磁場応答の比較を示している。 SAFフリー層を有する従来技術のMTJメモリセルのためのトグル書き込み方式を示している。 2つのMTJセルを有する本発明に係るマルチビットメモリスタックの平面図であり、書き込み線に対するその磁化の容易軸の方向を示している。 2つのセルの容易軸が反対方向でバイアスされる本発明に係るマルチビットメモリスタックにおける2つのMTJセルを形成する層を示すセルの長軸に沿う断面図である。 図5及び図6に示される反対の容易軸バイアスを伴うトグルメモリセルの対における対応する書き込み電流ウインドウを示している。 2つのセルの容易軸を反対方向でバイアスするためにハードマグネットバイアス層がスタックの外側に位置されて成る本発明に係るマルチビットメモリスタックの一実施形態における2つのMTJセルを形成する層を示すセルの長軸に沿う断面図である。 セルの2つの対を有するマルチビットメモリスタックの平面図であり、一方の対の容易軸が+X軸及び+Y軸に対して45度を成し、第1の対の上に積層された他方の対の容易軸が−X軸及び+Y軸に対して45度を成している平面図である。 図9に示される反対の容易軸バイアスを伴うトグルセルの2つの対の4つのセルにおける対応する書き込み電流ウインドウを示している。 セルの4つ(N=4)の対を有するマルチビットメモリスタックの平面図であり、第1の対の容易軸が+X軸からθの角度を成しており、N個の対の容易軸が2θの等しい角度間隔をもって離間されている(2θ=180/N)平面図である。 セルの4つの対を有する図11に示されるマルチビットメモリスタック中の8個の個々のセルの選択的なトグル切り換えにおける概略8分割図である。

Claims (33)

  1. 磁気ランダムアクセスメモリであって、
    基板と、
    前記基板上の複数の第1及び第2の導電線であって、前記第2の線が前記基板と前記第1の線との間に配置され、前記第1の線が、前記第2の線と重なり合うとともに、前記基板から略垂直方向で前記第2の線から離間することにより、複数の交差領域を画成し、前記各交差領域における前記第1の線と前記第2の線とが略直交している、第1及び第2の導電線と、
    複数のメモリスタックであって、各メモリスタックが、1つの交差領域に配置されるとともに、(a)ピン強磁性層と、磁化の面内容易軸が前記第1及び第2の線の両方と非平行に位置合わせされた合成反強磁性(SAF)フリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられた非磁性結合層とを有するとともに、前記フリー層がその磁化容易軸と平行な第1の磁気バイアス磁場によってバイアスされる第1のメモリセルと、(b)ピン強磁性層と、磁化の面内容易軸が前記第1のセルの前記フリー層の磁化の容易軸と平行に位置合わせされた合成反強磁性(SAF)フリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられた非磁性結合層とを有するとともに、前記フリー層がその磁化容易軸と平行で且つ前記第1のバイアス磁場と逆平行な第2の磁気バイアス磁場によってバイアスされる第2のメモリセルと、(c)前記2つのメモリセル間に設けられた非磁気分離層とを備える、複数のメモリスタックと、
    を具備する磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 前記第1の磁気バイアス磁場が、前記第1のセルの前記ピン層の正味磁気モーメントによって印加され、前記第2の磁気バイアス磁場が、前記第2のセルの前記ピン層の正味磁気モーメントによって印加される、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記第1及び第2のセルの前記ピン層のそれぞれがSAFピン層である、請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記第1のセルの前記フリー層と略同一の平面上にあり且つ一対のバイアス層セグメントを備える第1のバイアス層を更に備え、前記各セグメントが、前記スタックの外側において第1のセル層の前記フリー層の反対側に配置され、また、前記第2のセルの前記フリー層と略同一の平面上にあり且つ一対のバイアス層セグメントを備える第2のバイアス層を更に備え、前記各セグメントが、前記スタックの外側において第2のセル層の前記フリー層の反対側に位置されている、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 前記第1及び第2のバイアス層のそれぞれが、保磁力が比較的高い強磁性体から成る単一の層を備える、請求項4に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 前記第1及び第2のバイアス層のそれぞれが、強磁性体から成る層と、この強磁性層と交換結合される反強磁性体から成る層とを備える、請求項4に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 前記基板がX−Y−Z座標系のX−Y平面と平行であり、前記基板に対して垂直な方向がZ軸と平行であり、前記第1の線が互いに平行であるとともにX軸と平行であり、前記第2の線が互いに平行であるとともにY軸と平行であり、前記各メモリスタック中の前記メモリセルがZ軸と平行に積層されている、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 前記各メモリセルが、そのフリー・ピン層の磁化方向の平行及び逆平行なアライメント間に電気抵抗差ΔRを有し、前記第1のメモリセルのΔRが、前記第2のメモリセルのΔRと実質的に異なっている、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 各メモリセルが磁気トンネル接合(MTJ)セルであり、各非磁性結合層がトンネルバリアであり、第1のMTJセルのトンネルバリアの厚さが、第2のMTJセルのトンネルバリアの厚さと実質的に異なっている、請求項8に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 前記第1及び第2のメモリセルがメモリセルの第1の対を構成し、また、メモリセルの第2の対を更に備え、前記第2の対が、そのフリー層の磁化の容易軸が、前記第1の対のフリー層の磁化の容易軸と略直交する方向に向けられている、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 前記第1及び第2のメモリセルが一対のメモリセルを構成し、また、各スタック中にメモリセルのN個の対を更に備え、Nが3以上であり、N個の全ての対の磁化の容易軸が略等しい角度間隔をもって離間している、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 前記メモリセルのそれぞれが磁気トンネル接合(MTJ)セルであり、各非磁性結合層がトンネルバリアである、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  13. 前記各メモリスタック中の前記第1及び第2のセルの前記フリー層の磁化の容易軸が前記第1及び第2の線に対して略45度を成している、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 各セルにおけるSAFフリー層の磁化の容易軸が、セルの形状によって引き起こされる異方性の軸である、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 各セルにおけるSAFフリー層の磁化の容易軸が、SAFフリー層の堆積中に引き起こされる異方性の軸であり、前記第1及び第2のセルが同じ形状及び一致する周長を有する、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  16. 前記メモリセルが円形状を成している、請求項15に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  17. 前記基板と前記第2の線との間に複数のトランジスタを更に備え、前記各メモリスタックが1つのトランジスタに対して電気的に接続されている、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  18. 前記トランジスタに結合され且つ前記メモリスタック両端間の電気抵抗を検出するための回路を更に備える、請求項17に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  19. 前記第1及び第2の線へと電流を方向付けるための書き込み回路を更に備える、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  20. 前記書き込み回路が、交差領域に前記第1及び第2の線によって双方向電流を供給する、請求項19に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  21. 前記書き込み回路が、前記第1及び第2の線のそれぞれによって3つのレベルの大きさの電流を供給することができる、請求項20に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  22. 前記第1の線のそれぞれが、前記メモリスタックの両側で離間する一対の線を構成している、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  23. 前記第2の線のそれぞれが、前記メモリスタックの両側で離間する一対の線を構成している、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  24. 磁気ランダムアクセスメモリであって、
    X−Y−Z座標系のX−Y平面と平行な基板と、
    前記基板上でZ軸と平行に位置合わせされた複数のメモリスタックであって、各メモリスタックが、(a)磁化の容易軸がX−Y平面内でX軸及びY軸に対して所定の角度を成して位置合わせされた合成反強磁性(SAF)フリー層と、このフリー層の容易軸と略平行な方向で当該フリー層に対して磁気バイアス磁場を与える非相殺的SAFピン強磁性層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられたトンネルバリアとを有する第1の磁気トンネル接合(MTJ)メモリセルと、(b)磁化の容易軸が前記第1のセルの前記フリー層の磁化の容易軸と略平行に位置合わせされた合成反強磁性(SAF)フリー層と、このフリー層の容易軸と略平行で且つ前記第1のセルの前記ピン層からのバイアス磁場と略逆平行な方向で当該フリー層に対して磁気バイアス磁場を与える非相殺的SAFピン強磁性層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられたトンネルバリアとを有する第2のMTJメモリセルと、(c)前記2つのメモリセル間に設けられた非磁気分離層とを備える、複数のメモリスタックと、
    X軸と平行な複数の第1の導電書き込み線と、
    Y軸と平行な複数の第2の導電書き込み線と、
    前記第1及び第2の書き込み線に対して結合され、前記第1及び第2の書き込み線に対して電流を方向付けるための書き込み回路と、
    を具備する磁気ランダムアクセスメモリ。
  25. 前記各メモリスタック中の前記第1及び第2のセルの前記フリー層の磁化の略平行な容易軸が、X軸及びY軸に対して略45度を成している、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  26. 前記各セルにおけるSAFフリー層の磁化の容易軸が、セルの形状によって引き起こされる異方性の軸である、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  27. 前記各セルが略楕円形状を成しており、前記異方性の軸が前記楕円の長軸に合わせられている、請求項26に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  28. 前記各スタック中の前記第1及び第2のメモリセルが一対のメモリセルを構成し、また、各スタック中にメモリセルのN個の対を更に備え、Nが2以上であり、各スタック中の隣り合う対間に非磁気分離層が設けられ、各スタック中のN個の対の磁化の略平行な容易軸がZ軸と平行な軸周りに略等しい角度間隔をもって離間している、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  29. 前記各メモリセルが、そのフリー・ピン層の磁化方向の平行及び逆平行なアライメント間に電気抵抗差ΔRを有し、前記第1のメモリセルのΔRが、前記第2のメモリセルのΔRと実質的に異なっている、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  30. 前記基板上に複数のトランジスタを更に備え、前記各メモリスタックが1つのトランジスタに対して電気的に接続され、前記トランジスタにが、前記メモリスタック両端間の電気抵抗を検出するための読み取り回路が結合されている、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  31. 前記書き込み回路が、前記第1及び第2の書き込み線によって双方向電流を供給する、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  32. 前記書き込み回路が、前記第1及び第2の線のそれぞれによって3つのレベルの大きさの電流を供給することができる、請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  33. 請求項24に記載の磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルスタックのうちの1つにおける他方のメモリセル内のフリー層の磁化方向を切り換えることなく、一方のメモリセルのフリー層の磁化方向をトグル切り換えする方法であり、バイアス磁場の不存在下で前記各フリー層をその磁化容易軸と平行な書き込み磁場HSWによって切り換えることができ、各非相殺的ピン層がその関連するフリー層に対してバイアス磁場Hを与える方法であって、
    前記第1及び第2の書き込み線に沿って一連の電流パルスを印加して、+X方向と+Y方向との間で書き込み磁場Hを形成するステップであって、(HSW−H)<H<(HSW+H)とすることにより、他方のセルのフリー層の磁化方向を切り換えることなく第1のセルのフリー層の磁化方向をトグル切り換えするステップと、
    前記第1及び第2の書き込み線に沿って一連の電流パルスを印加して、−X方向と−Y方向との間で書き込み磁場Hを形成するステップであって、(HSW−H)<H<(HSW+H)とすることにより、前記第1のセルのフリー層の磁化方向を切り換えることなく前記他方のセルのフリー層の磁化方向をトグル切り換するステップと、
    を備える方法。
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