JP2005513795A - サブミクロンメモリとして使用するのに適した高磁気安定性デバイス - Google Patents

サブミクロンメモリとして使用するのに適した高磁気安定性デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2005513795A
JP2005513795A JP2003555519A JP2003555519A JP2005513795A JP 2005513795 A JP2005513795 A JP 2005513795A JP 2003555519 A JP2003555519 A JP 2003555519A JP 2003555519 A JP2003555519 A JP 2003555519A JP 2005513795 A JP2005513795 A JP 2005513795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
magnetic device
ferromagnetic
ferrimagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003555519A
Other languages
English (en)
Inventor
ムッライ エフ ギッリエス
カルス−ミシェル エイチ レンッセン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips Electronics NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips Electronics NV filed Critical Koninklijke Philips Electronics NV
Publication of JP2005513795A publication Critical patent/JP2005513795A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/14Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements
    • G11C11/15Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements using multiple magnetic layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • G11C11/165Auxiliary circuits
    • G11C11/1673Reading or sensing circuits or methods
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • G11C11/161Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect details concerning the memory cell structure, e.g. the layers of the ferromagnetic memory cell

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)

Abstract

サブミクロンのセル寸法で使用することができるMRAMセルのような磁気デバイスセルが記載されている。本発明は、読み出しが実行されていない場合にスピンバルブの2つの磁化方向が反平行となるような記憶状態を生成することにより磁気デバイスセルを安定化させる方法を説明する。これは、スピンバルブ又はスピントンネル接合における磁化方向の平行状態が不安定となるような小さな寸法における問題を防止する。高保磁力メモリ層が低保磁力キーパ層と組み合わされる。読み出し過程も簡略化された。即ち、本発明による磁気デバイスセルに記憶されたデータを検出するには、ビットライン上の1つのパルス及びワードラインにおける抵抗の測定のみで充分である。

Description

本発明は、異なる層間に反平行結合を持つような磁気デバイス、更に詳細には不揮発性磁気メモリに関する。また、本発明は磁気記録用の読出ヘッド及び磁気センサ、並びに斯様なデバイスの使用にも関する。
磁気又は磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)は現在多くの会社によりフラッシュメモリの後継者と考えられている。MRAMは不揮発性メモリデバイスであり、これは記憶された情報を維持するのに何の電力も必要とされないことを意味する。このことは、他の殆どの型式のメモリを超える利点と見られている。
MRAMの概念は、元々は米国のハネウェル社により開発されたもので、磁気多層デバイスにおける磁化方向を情報記憶として使用すると共に、情報の読み出しのために結果としての抵抗差を使用する。全てのメモリデバイスと同様に、MRAMアレイ内の各セルは、“1”又は“0”の何れかを表す少なくとも2つの状態を記憶することができなければならない。
異なる種類の磁気抵抗(MR)効果が存在し、これらのうちの巨大磁気抵抗(GMR)及びトンネル磁気抵抗(TMR)が現在最も重要な効果である。GMR効果及びTMR若しくは磁気トンネル接合(MTJ)又はスピン依存性トンネル(SDT)効果は、なかでも不揮発性磁気メモリを実現する可能性を提供する。これらのデバイスは薄膜の積層を有し、これら膜のうちの少なくとも2つは強磁性又はフェリ磁性であり、これらは非磁性中間層により分離されている。GMRは導体中間層を備える構造のための磁気抵抗であり、TMRは誘電体中間層を備える構造のための磁気抵抗である。2つの強磁性又はフェリ磁性膜の間に非常に薄い導体が配置されると、当該複合多層構造の実効面内(in-plane)抵抗は、これら膜の磁化方向が平行な場合に最小になる一方、これら膜の磁化方向が反平行な場合に最大となる。2つの強磁性又はフェリ磁性膜の間に薄い誘電体中間層が配置されると、これら膜の間のトンネル電流は斯かる膜の磁化方向が平行な場合に最大になることが(従って抵抗が最小になることが)観測される一方、これら膜の間のトンネル電流は斯かる膜の磁化方向が反平行である場合に最小に(従って、抵抗が最大に)なる。
磁気抵抗は、通常は、平行磁化状態から反平行磁化状態へ移行する上記構造の抵抗の百分率増加として測定される。TMRデバイスはGMR構造よりも大きな百分率の磁気抵抗を提供し、従って一層大きな信号及び一層速い速度に対する潜在能力を有している。最近の結果は、良好なGMRセルにおける6〜9%の磁気抵抗と比較して、40%を超えるような磁気抵抗を与えるようなトンネル効果を示している。
興味ある型式のGMRデバイスが、J. Phys. D: Appl. Phys. 32 (1999) R169〜177のJ.M. Daughton他による“スピン依存性移送材料の応用”に記載されているように、スピンバルブとして広く知られている。この構造において、一方の強磁性層の磁化は反強磁性材料(MnO又はMnFe等)の層により一方向に固定(ピン留め)される。他方の層の磁化は自由に回転するが、ビットが非常に狭くなるにつれて、再現性のある安定な状態では上記ピン層に対して平行又は反平行整列の何れかに向かう傾向がある。これらの向きは当該磁気メモリビットの“0”状態又は“1”状態に対応する。抵抗の変化は、上記2つの強磁性層における磁化が平行(低抵抗)状態から反平行(高抵抗)状態へ、又はその逆に切り換えられた場合に観測される。当該セルの状態は、抵抗を測定することにより測定することができる。
米国特許第6,252,796号も斯様なスピンバルブセルを記載しており、該セルにおいては或る層において電流が使用されて、強く反平行結合された層の磁化方向を全体として切り換え又はリセットする、即ち、上記反平行結合が常に存在する。
J. Phys. D: Appl. Phys. 32 (1999) R169〜177のJ.M. Daughton他による“スピン依存性移送材料の応用”に記載されているように、擬似スピンバルブ(PSV)セルも知られている。図1には、典型的な擬似スピンバルブ積層1が概念的に示されている。これらのデバイスには、2つの磁気層2及び3が存在し、これら層は整合されていない特性、即ち異なる保磁力を持つ強磁性又はフェリ磁性層2及び3、を有するので、一方は他方が切り換わるよりも小さな磁場で切り換わる傾向がある。強磁性層の保磁力は、磁化に方向を変化させるために要する磁場として見ることができる。両磁性層2及び3は、中間層4により(例えばCuスペーサにより)分離されている。下に良好な構造を有するために下側磁性層2の下にはシード層5が設けられ、上側磁性層3の上には酸化防止層として例えばTaキャップ層等のキャップ層6が設けられている。
磁性層2及び3に異なる保磁力を与えることは、例えば同一材料のものではあるが、異なる厚さを持つ2つの磁性膜を使用することにより実行することができる。その場合、薄い膜3は小さな磁場で切り替わって、低保磁性層即ち“軟”膜となり、厚い膜2は大きな磁場で切り替わって、高保磁性層即ち“硬”膜となる。比較的弱い磁場の印加は“磁気的に軟らかい”層3の磁気的向きのみを変化させることができる一方、強い磁場は両方の層2及び3の磁化方向を切り換えることができる。擬似スピンバルブセル1の抵抗は、硬膜2の磁化方向が軟膜3の磁化方向と整列されるような磁場において最小となる。
スピンバルブMRAMセルに“1”又は“0”を書き込むために、当該セルには高保磁性層2の磁化方向を変化させるほど充分に強い正又は負の磁場が各々印加される。該高保磁性層2は“メモリ層”としても知られている。高保磁力層2の磁化方向を配向するほど充分に強い磁場を印加することにより、低保磁性層3の磁化方向も配向される。書き込みは、当該磁気素子の直上に作製されると共に誘導的に結合された導体により実行される。この導体を進行する電流パルスは該導体の面に平行で該導体の表面に近接した磁場を発生させる。書込電流は、スイッチング磁場より大きな磁場を当該素子に結合して二進状態を切り換えるように、適切に設計されねばならない。反対のビットを書き込むためには、上記書込電流の方向が反転される。
低保磁性層3は、高保磁性層2に記憶された記憶状態を読み出す手段として作用し、従って“基準層(reference layer)”として知られている。小さな磁場が印加された場合、低保磁性層3の磁化方向は、高保磁性層2の磁化方向を切り換えること無しに、該高保磁性層2に対して平行又は反平行の何れかにおいて当該小さな磁場に整列されるように切り換わる。該印加された磁場が取り除かれた際、上記基準層の向きは、平行な又は反平行な構造が書き込まれたか否かに拘わらず安定していなければならない。これらの平行又は反平行の構造は異なる抵抗を有するので、斯かる抵抗を後に“1”か、又は“0”が記憶されたかを決定するために読み出すことができる。
複数のMRAMセルを有するMRAMアレイにおいては、直交するラインが各ビットの上下を通過し、スイッチング磁場を発生させる電流を伝送する。各ビットは、一方のラインのみに電流が供給された場合には切り換わらず、選択されたビットにおいて交差する両ラインを経て電流が流れる場合には常に切り換わるように、設計される。
銅の中間層を備える磁気多層と誘電体中間層を備えるトンネル磁気多層との間の物理的及び磁気的類似性は、J. Phys. D: Appl. Phys. 32 (1999) R169〜177のJ.M. Daughton他による“スピン依存性移送材料の応用”に記載されているように、トンネルメモリセルは、セルのスイッチングを補助するためには使用することができないような小さなセンス電流の使用のように、幾つかの制限は伴うがPSVセルと殆ど同様の態様で構成することができることを暗示している。これは、TMRに対してはPSVセルに対してよりも余分な接点及び低い密度を暗示している。
典型的なTMR構造は、1999年9月の、IEEEの磁気に関する会報、第35巻、第5号におけるS. Tehrani他による“MRAM技術の進歩及び展望”に記載されており、図2に示されている。TMR材料積層体10は、例えばAlOxからなる薄い誘電体障壁13により分離された2つの磁性層、即ち固定又はピン磁性層11及びフリー磁性層12(これら両層は例えばNiFeからなる)、並びに固定磁性層11の極性を固定方向にピン留めする例えばIrMn固定化(pinning)層14等の機構を含んでいる。結合されていない自由な強磁性膜の場合、該膜の磁気的向きは、最後に印加された飽和磁場の方向を指すような履歴的振る舞いを示す。飽和磁場が印加され、次いで取り除かれると、斯かるフリーな膜の磁気的向きは上記磁場の方向となるであろう。該印加された飽和磁場の方向が反転され、次いで再び取り除かれると、該膜の磁気的向きは反転される。このように、印加される磁場が零の場合、何れかの向きが可能である。
底部電極15及び頂部電極16が、当該多層積層体の下及び上に各々設けられている。フリー磁性層12の極性方向は情報記憶のために使用され、該フリー層12の磁化のみが書き込み動作のために反転される必要がある。
セル10の抵抗は大きく、センス電流は小さい(μAの範囲)。当該メモリセルの抵抗は、ピン又は固定磁性層11に対するフリー層12の相対極性(平行又は反平行)に依存して低いか又は高いかの何れかとなる。外部から印加される磁場は、フリー層12の磁化を2つの状態(固定層11の磁化方向に対して平行又は反平行)の間で切り換えることができる。
このアーキテクチャにおいては、セルのMR比及び絶対抵抗の一様さが厳しくなる。何故なら、読み出しモードの間においてはTMR抵抗の絶対値が基準セルと比較されるからである。メモリのブロック内における活性デバイスの抵抗が大きな抵抗値変化を示すとしたら、これら抵抗が基準セルと比較された場合に信号エラーが生じ得る。TMRセル10の抵抗は、AlOx障壁13の厚さに指数的に依存する。従って、AlOxの厚さの小さな変化が、結果として抵抗の大きな変化になることが予測される。
TMR構造は、米国特許第5,936,293号及び米国特許第6,052,263号にも記載されている。
TMR多層デバイス10において、センス電流Isは層面に垂直に供給されねばならない(CPP:面に垂直な電流(current perpendicular to plane))。何故なら、電子が障壁層13を経てトンネル通過しなければならないからである。PSVのようなGMRデバイスにおいては、通常、センス電流Isは層の面内で流れる(CIP:面内電流(current in plane))。もっとも、CPP構造の方が大きな磁気抵抗効果を示す。CPP GMR構造の一例はデュアルスピンバルブであり、該デュアルスピンバルブは2つの低保磁性層により囲まれて、中間に高保磁性層を有している。抵抗は、上から下へと測定される。そのような場合、MR効果は倍となる。
メモリ密度に鑑み、数年の時間のうちに、メモリ素子は200x200nmより大きくはあり得ないと推定されるべきである。このような小さなセル寸法は、MRAMの安定性に影響を与えるような重大なマイクロ磁気の問題を生じさせるであろう。同様に小さな強磁性粒子は室温において強磁性であるが、それらのドメイン構造の長期間にわたる安定性に関しては殆ど知られていないことが示されている。単一磁性層からなる小さな構造の場合、消磁場は実際に単一ドメイン状態を安定化させるのを補助する。しかしながら、スピンバルブの場合、2つの強磁性又はフェリ磁性層の存在は、最低のエネルギ状態は2つの磁化方向が反平行に整列される場合であることを意味する。これは、実効的には、セルの平行状態は準安定状態に過ぎず、2つの磁性層の磁化方向が低エネルギの反平行構造へ緩和するであろう大きな確率が存在することを意味する。
既知のMRAMセルの欠点は、これらセルが特別な方法で読み出されなければならない点にある。
固定磁化方向を持つスピンバルブの場合、データはフリー磁性層に記憶され、勿論これは読み出しにより妨害されてはならない。この場合、セルの絶対抵抗が、該セルの内容を知るために、もし所望ならば、基準セルに対して差分的に測定される。セルは、通常はトランジスタであるスイッチング素子により選択され、これは、この場合にセル当たり1つのトランジスタが必要となることを意味する。
PSVセルの場合、複数(N)のセルがワードラインに直列に接続される。読み出しは、ワードライン(N個のセルの直列接続を伴う)の抵抗を測定することにより実行され、続いて、小さな正及び負のパルスが所望のビットラインに供給される。付随する磁場パルスは、2つの強磁性層のスイッチング磁場の間にあり、かくして、高い方のスイッチング磁場の層(データ記憶層)は変化しないままとなる一方、他方の層の磁化は所定の方向に設定され、次いで反転される。ワードラインにおける結果としての抵抗変化の符号から、ワードラインとビットラインとの交点におけるセルに“0”が記憶されたか“1”が記憶されたかを知ることができる。
本発明の目的は、セルの列上の個々のセルを読み出す改善された能力を持つMRAMセルを提供することにある。
上記目的は、本発明による磁気デバイスにより達成される。このようなデバイスは、非磁性スペーサ層により分離された第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層を有し、これにより多層構造を形成する。第1の強磁性又はフェリ磁性層は第1の値の保磁力を有すると共にメモリ層として使用される一方、第2の強磁性又はフェリ磁性層は第1の値より小さな第2の値の保磁力を有する。更に、当該デバイスは、休止状態の場合に第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の磁化方向を反平行状態に強制する手段を有している。
一実施例によれば、上記強制する手段は、磁気異方性を利用することができる。その場合、第2の強磁性又はフェリ磁性層の組成は、第1の強磁性又はフェリ磁性層から生じる漏れ磁場より低い保持力値を保証するように選択することができる。
他の実施例によれば、上記強制する手段は、形状異方性を利用することができる。その場合、前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層は異なる形状を有することができる。
また、前記強制する手段は、前記スペーサ層を介しての前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の間の層間結合を利用することができる。上記スペーサ層は、前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の間の前記層間結合がこれら層を休止状態の間において反平行状態に強制するように選択された厚さを有することができる。
また、本発明による磁気デバイスは、スピントンネル接合を有することができる。他の例として、該磁気デバイスは巨大磁気抵抗(GMR)効果に基づくものとすることができる。
また、本発明は上述した実施例の何れかに記載した磁気デバイスのアレイも提供する。
一実施例によれば、上記のようなアレイは、ホイートストーンブリッジとして配置された本発明による4つの磁気デバイスを有することができる。
他の実施例によれば、上記アレイは、列に直列に結合されると共に行に直列に結合された磁気デバイスにより形成される。該アレイは更に読出回路を有し、該読出回路は、1つの行及び1つの列に電位を印加すると共に、これら1つの行及び1つの列が出会う点における磁気デバイスに記憶された値を表す読出値を読み出すことができる。該読出回路は、上記読出値を読み出すために前記1つの行及び前記1つの列に対して単一の電気パルスを印加することができる。このようなアレイにおいて、前記磁気デバイスに記憶される値は二進符号の“1”又は“0”の何れかを表すことができる。
また、本発明は、本発明による磁気デバイスの実施例の何れかの磁気メモリ素子としての、磁気センサとしての又は磁気読出ヘッドとしての使用方法を提供する。
更に、本発明は、本発明の実施例の何れかによる磁気デバイスを、変化する印加磁場に伴う当該デバイスの変化する抵抗に基づいて読み出す方法も提供する。他の実施例においては、本発明は、本発明の実施例の何れかによる磁気デバイスを、変化する印加磁場に伴う変化する磁気屈折効果に基づいて読み出す方法を提供する。
本発明の本質は、2つの強磁性又はフェリ磁性層の磁化方向を反平行方向に整列させる優先度を常に有するような磁気抵抗多層デバイス(例えば、スピンバルブ又はスピントンネル接合の何れか)が設計される点にある。これを実行する3つの可能性のある方法、即ち磁気異方性、形状異方性及び層間結合、が説明される。本発明によるデバイスは、高度に小型化されるデバイスにとって特に好適である。
この分野においてはデバイスの絶え間のない改善、変化及び進化が存在しているが、本発明の思想は、従来の読み出し方法から離別し、結果として一層効率的な、安定した且つ信頼性のあるこの種の装置を得ることを含み、極めて新しい新規な改善を呈するものと思われる。更に詳細には、全ての人が層間の結合を防止しようと試みているところ、本発明は2つの強磁性又はフェリ磁性層間の結合を利用している。また、強磁性層は複数の層として存在することもできる。
本発明の目的及びフィーチャは、本発明の原理を例示として示す図面と関連してなされる下記の説明を考察することにより、より良好に理解されるようになるであろう。尚、この説明は、本発明の範囲を何ら限定することなく例示のみのために提示されるものである。
以下、本発明を特定の実施例に関して添付図面を参照して説明するが、本発明は請求項のみにより規定されるものであって、これら実施例及び図面により限定されるものではない。また、図面は概念的にのみ描かれたものであって、限定を行うものではない。また、図面において、デバイスの寸法及び斯かるデバイスの層は幾つかの例においては解説的目的で誇張されている。
本発明による磁気デバイスは従来から知られているPSVと構造的に類似しており、例えば図3の(A)及び(B)に示されるようなものである。本磁気デバイスは非磁性スペーサ層23により分離された少なくとも2つの強磁性又はフェリ磁性層21及び22を有し、これにより多層構造20を形成するような構体である。上記強磁性層の一方(例えば層21)は高保磁力層であり、他方の強磁性層(層22)は低保磁力層である。低保磁力層22は例えば20Oe未満の保磁力値を有し、高保磁力層21は20Oeと200Oeとの間の保磁力値を有することができる。高保磁力層21はメモリ層として使用される。即ち、この層21の磁化方向は、セル20に“0”値が記憶されるか“1”値が記憶されるかを決定する。該メモリ層21の保磁力値は、他方の強磁性層22の保磁力値より大きい。本発明によれば、磁気デバイス20は、更に、休止状態又は通常状態において強磁性層21及び22の磁化方向を反平行状態に強制する手段を有している。休止状態又は通常状態とは、小さな又は零の磁場における状態を意味する。該小さな磁場は、地球磁場(50A/m)であり得るか、又は環境により印加される如何なる他の背景磁場でもあり得る。磁化方向を反平行状態に強制する斯様な手段は、後に詳述する。
従来のMRAM記憶方法におけるのと同様に、本発明によれば磁気デバイス20にデータを記憶するために充分に大きな書き込み磁場が使用され、かくして、高保磁力層21における磁化の向きは再配向される。この場合、高保磁力層21がメモリ層となる。従来技術に対して、低保磁力層22は非常に小さな保磁力の層(0と20Oeとの間の保磁力値を持つ)であり得る一方、高保磁力層21はMRAMにおいて現在存在する低保磁力層(20Oeと200Oeとの間の保磁力値を持つ)と同等の保磁力を有する。即ち、高保磁力層21は容易に切り換え可能でなければならない。
値“0”及び“1”を表すセル20の記憶状態が、図3の(A)に示されている。セルのアレイにおいて書き込みのためにセル20にアクセスするには、必要な書込電流の値の半分が1つの行に供給され、等しい電流が1つの列に供給される。この場合、当該アレイにおいては、完全な電流が、単一のセルをアドレスすることになる。この半選択処理は、スイッチング磁場の半分を供給及び除去することがセルを初期状態のまま残存させるように、各セルのヒステリシスループが充分に矩形であることを要する。メモリ状態は、組み合わされたワード電流及びセンス電流を、発生される合計の磁場が硬磁性層21のスイッチング磁場を超えるように供給することによりセル20に書き込まれる。例えば、“1”状態を書き込むためには正の磁場に対応するワード電流が供給され、“0”状態を書き込むためには、ワード電流が反対方向に供給される。正の磁場が印加される場合、硬磁性層21の磁化方向は例えば右に切り換わる。同時に、軟磁性層22の磁化方向も同じ方向に切り換わる。しかしながら、休止状態において硬磁性層21及び軟磁性層22の磁化方向を反平行方向に強制する手段が、硬磁性層21に“1”状態が書き込まれ、当該磁場(上記書込電流により印加された)が取り除かれた場合に、軟磁性層22の磁化方向が反平行方向に切り換わるように設けられている。
本発明によれば、低保磁力の層22は、休止状態において(即ち、磁場が除去された場合に)自身の磁化がメモリ層に対して反平行となるように常に緩和するほど充分に磁気的に柔らかい。かくして、該低保磁力層22は磁気キーパ(keeper)層と呼ぶ。というのは、該低保磁性層はメモリ層21からの漏れ磁束が戻されるのを可能にするからである。該キーパ層22により、零外部磁場(Happplied=0)又は低外部磁場(例えば、Happlied=50A/m)内の全てのセルは、これらセルの内容とは無関係に、低エネルギの反平行の磁化の向きを有するであろう。更に、これらセルは全て同じ(高)抵抗値を有するであろう。
このようなMRAMセル20の内容を読み出すために、読出パルスが使用されて、キーパ層22の磁気配向を設定すると共に、高保磁力メモリ層21の磁化方向を検出する。これが図3の(B)に示され、該図には値“0”及び“1”を表すセル20が読み出し状態で示されている。メモリ状態は図3の(B)に示すように外部磁場Happliedを印加することによりセル20から読み出されるが、該外部磁場は軟磁性層22の磁化方向を切り換えるだけ充分に大きいものの、硬磁性層21の磁化方向を変化されないまま残すほど充分に小さいものとされる。読み出されたセル20の軟磁性層22の磁化方向は、印加された外部磁場Happliedに既に整列されていたか、又は該外部磁場に整列するように切り換わるかの何れかである。このことは、硬磁性層21の磁化方向が印加された外部磁場Happliedと整列されていたような状態(図3の(B)の場合の“1”状態)を記憶しているセル20の場合は、軟磁性層22の磁化方向は反平行から平行に切り換わることを意味する。硬磁性層21の磁化方向が印加された外部磁場Happliedと反平行であったような状態(図3の(B)の例における“0”状態)を記憶しているセル20の場合、従って軟磁性層22の磁化方向が印加された外部磁場Happliedと平行であった場合は、切り換えは生じない。それ故、“0”状態の抵抗は高いまま留まる(両磁化方向は反平行のままとなる)一方、“1”状態の抵抗は低くなる(両磁化方向は平行となる)。
このような記憶メカニズムが小さなセル寸法と共にMRAM用として使用される場合、低エネルギ記憶状態(両磁化方向が反平行)は、平行な整列を維持しなければならない場合よりも大幅に安定となる。読み出しに際して、上記セルの幾つかは平行な状態に切り換えられる必要があることは確かに事実であるが、この状態は読み出し時の間に必要とされるだけである(例えば、斯かる平行状態は約1nsの読み出し時の間は安定に留まる)。読み出しの間における外部磁場の存在も、斯かる平行状態を安定化させる。
本発明によるMRAMセル20にデータを記憶する方法によれば、休止状態において、全てのセル20は自身の内容に無関係に(即ち、当該セル20に“1”が記憶されているか“0”が記憶されているかに無関係に)同一の抵抗を有する。これは、読み出しのためにセルのライン当たり単一のトランジスタしか使用されないMRAMにとっては利点となる。図4において、データが書き込まれる一ラインのセルを考察する。
従来のデータ記憶方法が使用された場合(図4のA)、選択されたMRAMセル30の抵抗の読み出しは、ワードラインの総抵抗を読み出し又は測定することにより単純には実行することはできない。これは、ワードライン上の抵抗は該ラインにおける全ての他のセルのデータにも依存するからである。従来、この問題は先ず読出パルス31を読み出されるべきセル30に(当該ワードラインに対して直角に走るビットラインを介して)例えば正の方向に供給することにより解決されていた。この場合、該セル30の抵抗を測定しなければならず、その後、負のパルス32が供給される。再び抵抗値が測定されねばならず、両抵抗の差をとると、読み出されるべきセル30の抵抗が得られる。この読み出し方法は、遅いという欠点を有している。
図4の(B)は、本発明による列及び行に直列に集合された磁気デバイスのアレイの一部を示している。本発明によれば、図4(B)に見られるように、特定のセル34を読み出すために1つの読出パルス33のみしか必要とされない。読出パルスが読出回路(図示略)により供給され、アドレス指定された素子の抵抗が、この回路により既知の手段により読み出される。測定された抵抗値は、読み出されるべきセル34の状態の絶対測定値である。基準値どの様な値であるかは確かに分かっている。パルス33が供給され、抵抗値が変化すると、当該セル34の内容は“1”であることが分かる。もし抵抗値が変化しない場合は、内容が“0”であることが分かる(逆の取り決めが用いられる場合は、逆となる)。この抵抗測定は当該ワードライン上にある他の素子とは独立したものとなる。というのは、これら素子は休止状態において全て同一の抵抗値を有するからである。従って、当該ワードライン上のアドレスされていない素子の抵抗値は全て同一であって、分かるので、これら抵抗値の影響は見込む及び/又は除去することができる。本発明による斯かるデバイスの該特性は、GMR及びTMRに使用することができる。
本発明の第1実施例によれば、休止状態において当該デバイスを反平行状態に強制する前記手段は磁気異方性である。“キーパ”層22の組成は、極端に低い保持力を保証するように選択することができる。この低保磁力は、高保磁力層21から生じる漏れ磁場よりも低くなければならない。これが当てはまる場合、上記キーパ層は反平行整列へと移行する。漏れ磁場の強さは、種々の理由により推定するのが困難である。即ち、漏れ磁場は一様ではなく、上記高保磁力層のアスペクト比と該層が形成される材料のモーメントとの両方に依存する。しかしながら、保磁力が低いほど、良いと仮定する場合は、キーパ層22の組成は例えば図5を用いることにより選択することができる。MRAMにおける磁場が当該材料の磁気的に容易な軸に沿って印加されると仮定すると、図5に示されるような異方性磁場は保磁力と等価となる。この図から、例えばNi80Fe20(パーマロイ)が良い候補のように見える。図5によれば、他の強磁性層(高保磁力Hを持つ)も選択することができる。これは、ワード/ビットラインからの最大発生磁場強度を考慮に入れるべきである。最も安定な反平行センサは、磁化x厚さの関数が両強磁性層に対して同一の場合に得られる。磁化x厚さの関数が両強磁性層に対して同一の場合は、漏れ磁場は存在しない。1つの層からの全ての磁場は、キーパ層を介して戻され得る。反対に、磁化x厚さの関数が両強磁性層に関して相違する場合は、漏れ電流が存在し、これが反平行エネルギ状態を高くさせるであろう。当該デバイスが地球磁場内で使用されるべき場合は、斯かる層を形成する材料、並びに、これら層の形状、厚さ及びサイズは、地球磁場がキーパ層の磁化を変化させ得ないように選択されるべきである。
しかしながら、保磁力は厚さの増加に伴い増加する傾向があるので、低保磁力層(例えばパーマロイ膜)の厚さも重要であることに留意することが重要である。低保磁力層に薄いNiFeを使用するのが有利である。というのは、斯様な薄い膜の場合、保磁力値は小さいからである。このことは、例えばK.J. Kirk他によるJ. Phys. D: Appl. Phys. 34 (2001)に記載されており、該文献の図2は保磁力値をパーマロイの厚さの関数で示している。
単一の強磁性層を長方形の粒子に形成すると、所与の幅(通常は、概ね磁壁の幅である)において、磁化は長軸に沿って向けられた単一の磁区状態となる。しかしながら、2つの強磁性層が存在する場合は、斯かる2つの層における磁化Mの反平行配列は所与のアスペクト比においてエネルギ的に一層好ましいものとなる。このアスペクト比がどの様なものであるかは、当業者により計算することが可能であるか、又は実験により決定することができる。キーパ層22が充分に低い保持力を有する場合は、小さな粒子は常に反平行状態に“反転”する。
本発明の第2実施例によれば、休止状態において当該デバイスを反平行状態に強制する手段は形状異方性である。細長い小さな強磁性粒子における長軸に沿うような磁化の優先性も、反平行な休止状態を保証するために利用することができる。この実施例は、細長い磁性材料(例えば、材料の細条)が自身を長軸に沿う方向の一方に磁化する傾向を持つという事実を利用している。この場合、両層が同一の合金から形成されるとしても、これら層の一方に対して高いアスペクト比を使用することにより高保磁力層を生成することができる。第2層(低保磁力層)が低いアスペクト比を有する場合は、常に反平行状態を得ることができる。というのは、低アスペクト比粒子の磁化は反平行整列を形成するように回転し得るからである。
典型的には、多層構造における異なる層は同一の形状を有するが、本発明によれば、異なる保磁力を得るために、例えば異なる方向に大及び小軸(又は、従って磁化容易軸)を持つ楕円、又はスピントンネル接合若しくはGMR−CPPのためには、連続した軟磁性層に対し、硬磁性層が小さな細条にエッチング形成されているもの等の異なる形状の高及び低保磁力層を使用することができる。
本発明の第3実施例によれば、休止状態において当該デバイスを反平行状態に強制する手段は、しばしばRKKY層間結合と呼ばれる層間結合(中間層23を跨ぐ結合)である。斯かる結合をCu層の厚さの関数として示すグラフが図6に見られる。3つのピークが見られ、これらのうち最初の2つのみが非常に目立つ。層間の厚さが大きいと、試料は減結合される。既知のデバイスにおいては、これは好ましい状況である。図6から、結合強度の最小値に一致するようなCu層の厚さ(約1.8nmの厚さ)を選択することにより、反平行状態のエネルギを低下させることができることが分かる。存在はするが図6には示されていない当該結合強度における他の最小値は、0.8nmなるCu層の厚さにおいて生じる。使用することが可能な銅以外の材料は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、金(Au)、イリジウム(Ir)又はFe/Cr多層体におけるクロム(Cr)である。このように、本発明の該実施例は、薄い導電性(金属の)中間層を含み、該中間層の厚さは、休止状態において高及び低保磁力層の反平行状態を形成するように選択される。この層間結合は、反平行整列を保証するために、それ自身で又は上述した実施例の何れかとの組合せで使用することができる。
GMR及びTMRデバイスの両者とも、本発明による反平行状態の原理と共に使用することができる。
本発明によるデバイスの磁性層は、好ましくは、高真空マシン内において毎秒オングストロームの範囲の被着速度でスパッタリング被着されるべきである。特に成功するものは、物理蒸着法、特にはプレーナマグネトロンスパッタリング法、及びイオンビーム被着法である。蒸発させ又は電着を使用することも可能であるが、斯かるデバイスの品質は低くなる傾向がある。
上記磁性層の磁気特性を制御することが重要であり、これは、被着工程への特別な要件を生じる。例えば、殆どの強磁性材料は、原子尺度での秩序付けに関連するような固有の磁気異方性を有している。この異方性の方向は、ウェハに対して磁場を印加することにより、層の被着の間に設定することができる。結果としての単軸的異方性は当該層の磁化における磁気的に容易な硬い方向として観測される。異方性軸は当該材料のスイッチング動作に影響するので、被着系は、被着の間において、典型的には20〜100Oe範囲でウェハに対して一様な磁場を投射することができなければならない。また、保磁力は被着工程にも依存し、磁性合金の選択及び被着条件により制御されねばならない。当該(軟及び硬)磁性膜の各々は、好ましくは、一様な厚さでなければならない。
使用される他の全ての層は、従来のデバイスの擬似スピンバルブにおいて使用されるものと同様である。
本発明は、TMRデバイスにおける絶縁トンネル障壁も含む。絶縁トンネル障壁TMRデバイスを作製する種々の方法が知られている。最良の結果は、金属アルミニウム層を堆積すると共に、次いで該層を例えばプラズマ酸化、空気中での酸化、イオンビーム酸化、グロー放電プラズマによる酸化、原子酸素暴露又は紫外線刺激O暴露等の幾つかの方法のうちの一つにより酸化することにより形成されたAlOxトンネル障壁層の場合に得られる。該トンネル障壁は非常に薄く、好ましくは、20Å未満である。非常に滑らかであると共にピンホールが無いことに加えて、上記トンネル障壁はウェハ上で極めて一様でなければならない。何故なら、AlOxの厚さの僅かな変化が、抵抗の大きな変化となるからである。
本発明によるデバイスは、例えばメモリセル(MRAMセル)、センサ及び磁場読取ヘッド等の磁場に感応する如何なるデバイスでもあり得る。
或る型式のセンサはホイートストーンブリッジを使用し、該ブリッジにおいては、本発明による4つの磁気抵抗素子が零の印加磁場において当該ブリッジの出力も零となるように配置される。他の型式のセンサは回転位置センサであり、該センサにおいては、本発明による磁気デバイスの帯上で外部磁石が180°回転されると、抵抗が最小値から最大値へと変化し、次の180°の回転の間には該抵抗は再び最小値に戻る。
図7は、行及び列のGMR素子70を有するGMR型MRAMアレイの一部を示している。該GMR型MRAMの各素子70は、高保磁力層71及び低保磁力層72並びにこれらの間の非磁性導体中間層73を有する3層構造体である。1つの行上のGMR素子70はビットライン74により接続され、1つの列上のGMR素子70はワードライン75により接続されている。これらのビットライン74及びワードライン75は、選択されたGMR素子70の高保磁力層71に磁化方向を書き込むと共に、選択されたGMR素子70の内容を読み出すために使用される。書き込みは、選択されたGMR素子70において交差するワードライン75及びビットライン74を介して相対的に大きな電流を同時に伝送することにより実行される。これらの合成された電流は、当該選択されたGMR素子70において発生される総磁場が、高保磁力総71の磁化が該GMR素子に“0”が書き込まれるべきか又は“1”が書き込まれるべきかに依存して特定の方向に向けられるようにさせるようなものである。ビットの読み出し、従って高保磁力層71の磁気的向きの検出は、ビットライン74上の読出パルスにより実行されるが、該パルスは低保磁力層72の磁化方向を切り換え得るような磁場を発生するのに充分なほど大きなものである。当該GMR素子70の抵抗値が測定され、この測定値から該GMR素子70の内容が分かる。
図8は、行及び列のTMR素子80を有するTMR型MRAMアレイの一部を示している。各素子80は層構造で、固定又はピン層81、フリー層82及びそれらの間の誘電体障壁83を有している。誘電体層83を挟んだ強磁性又はフェリ磁性層81、82のサンドイッチ構造に対して小さな電圧を印加することにより、電子は誘電体層83を介してトンネル通過することができる。書き込みは、選択されたTMR素子80において交差するワードライン85及びビットライン84を各々介して、図9Bに示すように、第1の書込電流及び第2の書込電流を同時に供給することにより実行される。これらの合成された電流は、当該選択されたTMR素子80において発生される総磁場が、高保磁力総81の磁化を該TMR素子に“0”が書き込まれるべきか又は“1”が書き込まれるべきかに依存して特定の方向に向けられるようにさせるようなものである。ビットの読み出し、従って選択されたTMR素子80の高保磁力層81の磁気的向きの検出は、ビットライン84上の読出パルスにより実行されるが、該パルスは低保磁力層82の磁化方向を切り換えることができる。これが、図9のAに示されている。当該TMR素子80の抵抗値が測定され、この測定値から該TMR素子80の内容が分かる。
図8の構成においては、TMR素子80当たりに1つのトランジスタ86又はスイッチング素子が必要となる。選択されたTMR素子80に対して斯様な選択トランジスタ86がオンされると、ビットライン84上の電流パルスは該選択されたTMR素子80を介してトンネル通過することができる。
本発明は、磁気ディスクドライブ用の読取ヘッドとしてのデバイスの使用も含む。ディスクドライブの容量は、サイズが縮むにつれて急速に増加し続けている。このことは、益々多くのデータが小さな量の空間に書き込まれることを意味している。データは、磁性材料の薄膜により被覆されたディスク上に小さな磁化の領域として書き込まれる。情報(“1”又は“0”)は、これら領域の磁化の方向として記憶される。斯様な情報は、ディスク上の斯かる磁化領域の直上で磁場を感知することにより読み出される。本発明による読出センサは、非常に小さな磁場が抵抗の検出可能な変化を生じさせると共に、抵抗の斯様な変化が当該ディスク上の例えばコンピュータへ伝送されるデータに対応する電気信号を生成するように作製することができる。
抵抗の代わりに、抵抗に比例する例えば磁気屈折効果(magneto-refractive effect)等の光学特性のような他の特定を測定することもできる。上記磁気屈折効果とは、印加された磁場による導電率の変化が屈折率の変化に繋がるような効果を表している。光の吸収及び反射係数は屈折率に依存するので、透過及び反射される赤外線光の強度は磁気抵抗に関連したものとなる。光が測定されるので、抵抗接触は必要でなくなる。
本発明によるデバイスは、好ましくは50μm未満の最大寸法を有し、最も好ましくは1μmより小さい例えばメモリセル等の小さなセルを形成することを意図するものである。
以上、本発明を好ましい実施例を参照して示し及び説明したが、当業者によれば、形態及び細部の変更及び修正を本発明の範囲及び趣旨を逸脱すること無しになすことができると理解されるであろう。更に詳細には、記載された好ましい実施例はMRAMセルに関係するものであるが、本発明の範囲をMRAMセルに限定しようとするものではない。更に、上述した記載において強磁性層を参照する場合、フェリ磁性膜又は層の使用を除外するものではない。また、強磁性層又はフェリ磁性層が参照される場合、この層は複数の層からなってもよいと理解されるべきである。
図1は、従来技術による疑似スピンバルブ積層体の概略図である。 図2は、従来既知の典型的なTMR材料の積層体の概略図である。 図3のAは、本発明によるMRAMセルの記憶及び読み出し状態の各々における“0”及び“1”状態の概念図である。 図3のBは、本発明によるMRAMセルの記憶及び読み出し状態の各々における“0”及び“1”状態の概念図である。 図4のAは、各々、従来のデータ記憶方法の場合において及び本発明の方法により読み出される一列のMRAMセルを示す。 図4のBは、各々、従来のデータ記憶方法の場合において及び本発明の方法により読み出される一列のMRAMセルを示す。 図5は、NiFeCo膜の組成に対する異方性磁場の依存性を示すグラフである。 図6は、銅スペーサの厚さに対する層間結合の依存性を示すグラフである。 図7は、GMR型MRAMの一部を示す。 図8は、TMR型MRAMの一部を示す。 図9のAは、各々、TMR素子を読み出し及び該素子に書き込むために該素子に関連するビットライン及びワードラインを介しての電流の流れを示す。 図9のBは、各々、TMR素子を読み出し及び該素子に書き込むために該素子に関連するビットライン及びワードラインを介しての電流の流れを示す。

Claims (19)

  1. − 非磁性スペーサ層により分離され、これにより多層構造を形成する第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層であって、前記第1の強磁性又はフェリ磁性層が第1の値の保磁力を有すると共にメモリ層として使用され、前記第2の強磁性又はフェリ磁性層が前記第1の値より小さな値の第2保磁力を有するような第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層と、
    − 休止状態において、前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の磁化方向を反平行状態に強制する手段と、
    を有することを特徴とする磁気デバイス。
  2. 請求項1に記載の磁気デバイスにおいて、前記強制する手段が磁気異方性を利用することを特徴とする磁気デバイス。
  3. 請求項2に記載の磁気デバイスにおいて、前記第2の強磁性又はフェリ磁性層の組成が、前記第1の強磁性又はフェリ磁性層から生じる漏れ磁場より低い保持力値を保証するように選択されることを特徴とする磁気デバイス。
  4. 請求項1に記載の磁気デバイスにおいて、前記強制する手段が形状異方性を利用することを特徴とする磁気デバイス。
  5. 請求項4に記載の磁気デバイスにおいて、前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層が異なる形状を有していることを特徴とする磁気デバイス。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の磁気デバイスにおいて、前記強制する手段が、前記スペーサ層を介しての前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の間の層間結合を利用することを特徴とする磁気デバイス。
  7. 請求項6に記載の磁気デバイスにおいて、前記スペーサ層は、前記第1及び第2の強磁性又はフェリ磁性層の間の前記層間結合が、これら層を休止状態の間において反平行状態に強制するように選択された厚さを有することを特徴とする磁気デバイス。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の磁気デバイスにおいて、当該デバイスがスピントンネル接合を有していることを特徴とする磁気デバイス。
  9. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の磁気デバイスにおいて、当該デバイスが巨大磁気抵抗(GMR)効果に基づくものであることを特徴とする磁気デバイス。
  10. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスのアレイ。
  11. 請求項10に記載のアレイにおいて、ホイートストーンブリッジとして配置された4つの請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスを有していることを特徴とするアレイ。
  12. 請求項10に記載のアレイにおいて、前記磁気デバイスが列に直列に結合されると共に、行に直列に結合され、当該アレイが更に読出回路を有し、該読出回路が、1つの行及び1つの列に電位を印加すると共に、これら1つの行及び1つの列が出会う点における前記磁気デバイスに記憶された値を表す読出値を読み出すことを特徴とするアレイ。
  13. 請求項12に記載のアレイにおいて、前記磁気デバイスに記憶される値が二進符号の“1”又は“0”の何れかを表すことを特徴とするアレイ。
  14. 請求項12又は13に記載のアレイにおいて、前記読出回路は前記読出値を読み出すために前記1つの行及び前記1つの列に対して単一の電気パルスを印加することを特徴とするアレイ。
  15. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスの磁気メモリ素子としての使用。
  16. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスの磁気センサとしての使用。
  17. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスの磁気読出ヘッドとしての使用。
  18. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスを読み出す方法において、印加される磁場の変化に伴う当該デバイスの抵抗の変化に基づいて磁気デバイスを読み出す方法。
  19. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の磁気デバイスを読み出す方法において、印加される磁場の変化に伴う磁気屈折効果の変化に基づいて磁気デバイスを読み出す方法。
JP2003555519A 2001-12-20 2002-12-16 サブミクロンメモリとして使用するのに適した高磁気安定性デバイス Withdrawn JP2005513795A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP01205050 2001-12-20
PCT/IB2002/005475 WO2003054886A2 (en) 2001-12-20 2002-12-16 Increased magnetic stability devices suitable for use as sub-micron memories

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005513795A true JP2005513795A (ja) 2005-05-12

Family

ID=8181491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003555519A Withdrawn JP2005513795A (ja) 2001-12-20 2002-12-16 サブミクロンメモリとして使用するのに適した高磁気安定性デバイス

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20050094435A1 (ja)
EP (1) EP1459324A2 (ja)
JP (1) JP2005513795A (ja)
KR (1) KR20040068300A (ja)
CN (1) CN1606783A (ja)
AU (1) AU2002366899A1 (ja)
TW (1) TW200411660A (ja)
WO (1) WO2003054886A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3788964B2 (ja) 2002-09-10 2006-06-21 株式会社東芝 磁気ランダムアクセスメモリ
US6828260B2 (en) * 2002-10-29 2004-12-07 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ultra-violet treatment of a tunnel barrier layer through an overlayer a tunnel junction device
DE10301092B4 (de) * 2003-01-14 2006-06-29 Infineon Technologies Ag MRAM-Speicherzelle
US7102920B2 (en) * 2004-03-23 2006-09-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Soft-reference three conductor magnetic memory storage device
US20070048797A1 (en) * 2004-08-11 2007-03-01 Xing Su Composite organic inorganic nanoclusters as carriers and identifiers of tester molecules
US7643332B2 (en) 2006-06-23 2010-01-05 Infineon Technologies Ag MRAM cell using multiple axes magnetization and method of operation
WO2014142740A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Nanosc Ab Spin oscillator device

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3483534A (en) * 1966-07-15 1969-12-09 Ibm Nondestructive-readout memory device
US6002553A (en) * 1994-02-28 1999-12-14 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Giant magnetoresistive sensor
US6280813B1 (en) * 1999-10-08 2001-08-28 International Business Machines Corporation Magnetic recording media with antiferromagnetically coupled ferromagnetic films as the recording layer

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003054886A3 (en) 2003-12-31
CN1606783A (zh) 2005-04-13
EP1459324A2 (en) 2004-09-22
TW200411660A (en) 2004-07-01
US20050094435A1 (en) 2005-05-05
AU2002366899A1 (en) 2003-07-09
KR20040068300A (ko) 2004-07-30
WO2003054886A2 (en) 2003-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Engel et al. The science and technology of magnetoresistive tunneling memory
US6958927B1 (en) Magnetic element utilizing spin-transfer and half-metals and an MRAM device using the magnetic element
US7018725B2 (en) Magneto-resistance effect element magneto-resistance effect memory cell, MRAM, and method for performing information write to or read from the magneto-resistance effect memory cell
JP4896341B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ及びその作動方法
JP4815051B2 (ja) 低切替磁界磁性トンネル接合
US7894246B2 (en) Magnetoresistive element and magnetic memory
JP4658102B2 (ja) 磁気的に軟らかい基準層を有する磁気抵抗素子のための読出し方法
US8406041B2 (en) Scalable magnetic memory cell with reduced write current
US9171601B2 (en) Scalable magnetic memory cell with reduced write current
US8988934B2 (en) Multibit cell of magnetic random access memory with perpendicular magnetization
JP2004193595A (ja) 磁気セル及び磁気メモリ
JP2007013118A (ja) 積層されたトグルメモリセルが反対に方向付けられた容易軸バイアスを有する磁気ランダムアクセスメモリ
US20080225584A1 (en) Magnetic storage element responsive to spin polarized current
EP1580758A2 (en) Soft-reference three conductor magnetic memory storage device
JP2005203791A (ja) 軟基準4導体の磁気メモリ記憶デバイス
JP4834403B2 (ja) 磁気書き込み線を利用したmramメモリ
JP2000331473A (ja) 磁気メモリ装置
JP2001156358A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ素子
US6870758B2 (en) Magnetic memory device and methods for making same
JP4477829B2 (ja) 磁気記憶デバイスを動作させる方法
JP2005513795A (ja) サブミクロンメモリとして使用するのに適した高磁気安定性デバイス
JP2003188359A (ja) 磁気的に軟らかい合成フェリ磁性体基準層を含む磁気抵抗素子
JP2004087870A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
JP2004296858A (ja) 磁気記憶素子及び磁気記憶装置
JPH11154389A (ja) 磁気抵抗素子、磁性薄膜メモリ素子および該メモリ素子の記録再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060307